JP2014052233A - 電流検出装置 - Google Patents

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典行 地頭所
Masanori Samejima
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Abstract

【課題】本発明は、低電圧直流電圧が利用できない環境であっても高精度の電流検出を行なうことができるとともに、小形で、オンボード実装可能な電流検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、本発明は、磁気抵抗素子からなる検出回路22と、検出回路22から出力される信号を電流検出信号に変換する変換回路23bと、電源回路23aを備え、電源回路23aは電流線と電磁的に結合するコイル26を有し、コイル26に電磁誘導された電圧を整流、平滑して検出回路22と変換回路23bに所定の直流電圧を供給する構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器内の電流を検出するための電流検出装置に関し、特に電気自動車やハイブリッド車のモータに供給される電流の電流値や電流位相を検出するための電流検出装置に関する。
従来、この種の電流検出装置としては、バスバーが貫通する集磁コアのギャップ内にホール素子を配設したものが知られている。図5は、このような電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用した場合のブロック図である。
図5において、三相交流モータ1(以下、適宜「モータ」と称する)を制御するモータ制御装置はIGBT基板2、IGBT制御基板3、モータ制御装置4から構成されている。主電源5から出力される略400ボルトの直流高電圧はIGBT基板2によってU相、V相、W相からなる、略10kHzのパルス幅変調(PWM)3相交流に変換され、バスバーによりモータ1に加えられる。
マイクロコンピュータ等を中核部品とするモータ制御装置4には補助電源6から、IGBT基板2に加えられる電源電圧よりも遥かに低い、たとえば12ボルトの直流電圧が加えられる。補助電源6は主電源5をDC/DCコンバータ7で降圧して構成することができる。また、モータ制御装置4にはマイクロコンピュータ等の動作電圧である3.3ボルトや5ボルトのさらに低い電圧を生成するレギュレータ回路(図示せず)を含むことができる。
モータ制御装置4にはモータ1の回転センサ(図示せず)からのモータ回転数情報Nm、アクセルセンサ(図示せず)によって検出されるアクセル位置情報ACLが入力される。電流検出装置8はモータ1のU相、V相、W相の各電流線にそれぞれ電流センサとして配設され、各電流線の電流値や電流位相を検出する。検出された電流情報IU、IV、IWはモータ制御装置4に入力される。モータ制御装置4はこれらの情報に基づいて、生成すべき3相交流電流の各相に対応したパルス幅変調信号PWMU、PWMV、PWMWを出力する。
IGBT制御基板3はモータ制御装置4において生成されたパルス幅変調信号PWMU、PWMV、PWMWに基づいてIGBT基板2のIGBTを制御するものであり、ゲート駆動回路9、絶縁部品10、電源制御回路11、給電回路12が含まれている。前記のように、IGBT基板2は高電圧で動作する高電圧回路であり、モータ制御装置4は低電圧で動作する低電圧回路である。これに対して、IGBT制御基板3には高電圧で動作するゲート駆動回路9と、低電圧で動作する電源制御回路11および給電回路12との双方が含まれている。そして、高電圧回路であるゲート駆動回路9と、低電圧回路である電源制御回路11およびモータ制御装置4との間はトランスLおよびフォトカプラPからなる絶縁部品10により絶縁結合される。すなわち、補助電源6の電力は電源制御回路11にて交流変換されトランスLによって伝送された後、整流、平滑されてゲート駆動回路9に供給されるとともに、モータ制御装置4からのパルス幅変調信号PWMU、PWMV、PWMWはフォトカプラPによって伝送され、ゲート駆動回路9にてIGBTを駆動するゲート駆動信号を発生するものである。給電回路12は補助電源6の直流電圧を所定の電圧に降圧してIGBT制御基板3の内部電源や電流検出装置8の電源電圧等を生成供給している。
電流検出装置8は前記のようにバスバーが貫通する集磁コアのギャップ内にホール素子を配設したものであり、前記給電回路12が生成した略5ボルトの直流電圧によって動作している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平9−304447号公報 特開2009−130967号公報
しかしながら、上記従来の電流検出装置においては、バスバーが貫通する集磁コアのギャップ内にホール素子を配設した構成となっているため、小形化に限界があるとともに取り付けの手間が大きいという問題点があった。これに対して、集磁コアが不要な、いわゆるコアレスの電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用することが考えられている。なかでも磁気抵抗素子を用いた電流検出装置はきわめて小形であり、高感度であるため集磁コアが不要であるため、IGBT基板上に直接、実装できるという大きな利点を有する。
しかしながら、前記のようにIGBT基板は高電圧で動作する高電圧回路であり、電流検出装置を動作させるための略5ボルトの低電圧電源を持たない。そのため、磁気抵抗素子を用いた電流検出装置をIGBT基板上に配設しようとすれば、給電回路12から所定の低電圧を電流検出装置に供給することが考えらえるが、IGBT基板2と給電回路12とは直流的に絶縁されているため給電回路12から所定の低電圧を電流検出装置に供給することはきわめて困難である。また、高電圧で動作するゲート駆動回路の直流電圧を再び降圧して電流検出装置に供給することも現実的ではない。これにより、コアレスの電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用することが困難であるという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、IGBT基板等の低電圧直流電圧が利用できない環境であっても高精度の電流検出を行なうことができるとともに、小形で、オンボード実装可能な電流検出装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明は、回路基板上に形成された電流線に流れる交流電流を検出する電流検出装置であって、前記電流検出装置は、磁気抵抗素子からなり前記回路基板上に配置された検出回路と、前記検出回路から出力される信号を電流検出信号に変換する変換回路と、前記検出回路と変換回路に接続された電源回路を備え、前記電源回路は前記電流線と電磁的に結合するコイルを有し、前記コイルに電磁誘導された電圧を整流、平滑して前記検出回路と変換回路に所定の直流電圧を供給するように構成したもので、この構成によれば、電流線に流れる交流電流によりコイルに電磁誘導される交流電圧から検出回路と変換回路を動作させる直流電圧を生成できるため、直流電圧が利用できない環境にあっても、電流線に流れる電流を検出できるとともに、高感度の磁気抵抗素子を用いているため、電流線が貫通する集磁コアを削除することができ、回路基板上に直接、実装可能なきわめて小形の電流検出装置が実現できるという作用効果を有するものである。
請求項2に記載の発明は、特に、前記コイル内にコアを挿入したもので、この構成によれば、コイルのインダクタンスを高めることにより、電流検出回路の電源回路に充分な電力を生成させることができるため、さらに動作の安定した電流検出装置を実現できるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明は、回路基板上に形成された電流線に流れる交流電流を検出する電流検出装置であって、前記電流検出装置は、磁気抵抗素子からなり前記回路基板上に配置された検出回路と、前記検出回路から出力される信号を電流検出信号に変換する変換回路と、前記検出回路と変換回路に接続された電源回路を備え、前記電源回路は前記電流線と電磁的に結合するコイルを有し、前記コイルに電磁誘導された電圧を整流、平滑して前記検出回路と変換回路に所定の直流電圧を供給するように構成したもので、電流線に流れる交流電流によりコイルに電磁誘導される交流電圧から検出回路と変換回路を動作させる直流電圧を生成できるため、直流電圧が利用できない環境にあっても、電流線に流れる電流を検出できるとともに、高感度の磁気抵抗素子を用いているため、電流線が貫通する集磁コアを削除することができ、回路基板上に直接、実装可能なきわめて小形の電流検出装置が実現できるという優れた効果を奏するものである。
(a)本発明の一実施の形態における電流検出装置の側面図、(b)同電流検出装置の分解斜視図 同電流検出装置の回路構成を示すブロック図 (a)同電流検出装置の検出回路の上面図、(b)図3(a)のE−E断面図 同電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用した場合のブロック図 従来の電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用した場合のブロック図
以下、本発明の一実施の形態における電流検出装置について図を用いて説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態における電流検出装置21の側面図、図1(b)は同電流検出装置21の分解斜視図である。また、図2は同電流検出装置21の回路構成を示すブロック図である。図1(a)(b)および図2において、22は磁気抵抗素子からなる検出回路、23はASIC、24はフレーム、25はボビン、26はコイル、27は端子ピン、28は絶縁基板である。電流検出装置21はプリント基板30上に形成された電流線31上に実装される。図1(a)に示すようなXYZ座標系をとった時、電流線31にはZ軸に平行な方向に被測定電流Iが流れている。この被測定電流Iにより発生する磁束密度のY方向成分Byが鎖交するようにコイル26がボビン25上に巻回されている。
ASIC23は電源回路23aおよび変換回路23bを含んでいる。電源回路23aは、電流線31に流れる被測定電流Iによりコイル26に電磁誘導された電圧を整流、平滑して、所定の直流定電圧を検出回路22および変換回路23bに供給するものである。変換回路23bは検出回路22から出力される電圧信号を増幅、レベルシフトして電流検出信号に変換するものである。検出回路22はブリッジを構成する磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dと後述のバイアス磁界発生手段とからなり、磁気抵抗素子22a、22dの結合点Aと、磁気抵抗素子22b、22cの結合点Bとの間には前記電源回路23aから直流定電圧が印加されている。磁気抵抗素子22a、22bの結合点Cと、磁気抵抗素子22c、22dの結合点Dとの電位差信号が前記変換回路23bに入力される。電流線31に流れる被測定電流が零のとき、磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dからなるブリッジは平衡しているとともに結合点A、B間に直流定電圧が印加されていないため、結合点C、D間には電位差が発生せず変換回路23bには出力電圧は現れない。電流線31に被測定電流Iが流れると、磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dの抵抗が変化してブリッジの平衡が破れるとともに、結合点A、B間に直流定電圧が印加されるため、結合点C、D間には電位差が発生する。この電位差は変換回路23bの差動増幅、レベルシフトされて電流検出信号として出力されるものである。
図3を用いて検出回路22の構成を説明する。図3(a)は検出回路22の上面図、図3(b)は図3(a)におけるE−E線断面図である。図3(a)(b)において、磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dはセラミック等の絶縁基板上に形成されたNi−Co等の強磁性体からなる厚み約0.1μmの磁気抵抗薄膜である。磁気抵抗素子22a、22bおよび磁気抵抗素子22c、22dは各々直列に接続され、磁気検出方向であるパターンの長手方向が互いに直交している。磁気抵抗素子22a、22dの結合点Aに対応する電源入力電極41、磁気抵抗素子22b、22cの結合点Bに対応するグランド電極42、磁気抵抗素子22a、22bの結合点Cに対応する第1の出力電極43、磁気抵抗素子22c、22dの結合点Dに対応する第2の出力電極44が絶縁基板上に形成されている。45aは厚みが約1μmのSiO2薄膜からなる第1の絶縁層で、前記磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dを覆うことにより後述する薄膜磁石46からなるバイアス磁界発生手段との電気的絶縁を行うものである。46は厚みが約0.6μmのCoPt等からなる薄膜磁石で、前記第1の絶縁層45aの上に蒸着、スパッタ法等により形成した後、露光、エッチングによりパターニングすることにより、前記磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dの磁気検出方向と45度をなす方向に長手方向を有する複数の略長方体に分割されているものである。そして、この複数の略長方体形状の薄膜の幅方向にきわめて大きな磁界を印加することにより、略長方体形状の薄膜が幅方向に磁化されて、薄膜磁石46を得ることができる。この薄膜磁石46により、磁気抵抗素子22a、22b、22c、22dの磁気検出方向に対して45度をなす方向にバイアス磁界が印加されることになる。45bは厚みが約1μmのSiO2薄膜からなる第2の絶縁層で、前記薄膜磁石46を覆っている。このような構成とすることにより、絶縁基板上に磁気抵抗素子22a、22b、22c、22d、薄膜磁石46を一体的に互いに近接させて、かつ精度よく配置することができるものである。
図4は本発明の一実施の形態における電流検出装置21を電気自動車等の駆動系に適用した場合のブロック図である。なお、このブロック図において、上記した従来の電流検出装置を電気自動車等の駆動系の制御に適用した場合の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。図4に示したブロック図が図5に示したブロック図と相違する点は、図4において、本発明の一実施の形態における電流検出装置21が図1(a)に示すような態様にてIGBT基板2上に実装されている点である。これはIGBT基板2のような、電流検出装置21を動作させるための低電圧電源を利用できない環境であっても、電流線に流れる交流電流によりコイルに電磁誘導される交流電圧から検出回路と変換回路を動作させる直流電圧を生成できるとともに、高感度の磁気抵抗素子を用いているため、電流線が貫通する集磁コアを削除することができることによる。これにより、回路基板上に直接、実装可能なきわめて小形の電流検出装置が実現できるという効果が得られるものである。
また電流検出装置21のコイル26内に磁性体コアを挿入することにより、コイルのインダクタンスを高めることができ、電流検出回路の電源回路に充分な電力を生成させることができるため、さらに動作の安定した電流検出装置を実現できるものである。
なお、本発明の他の実施の形態における検出回路22として、たとえば感温回路や加速度検知回路などの物理量に感応する素子を用いることにより、直流電圧が利用できない環境にあっても、種々の物理量を検出でき、回路基板上に直接、実装可能なきわめて小形の物理量検出装置が実現できるという効果が得られるものである。
本発明は、直流電圧が利用できない環境にあっても、電流線に流れる電流を検出できるとともに、電流線が貫通する集磁コアを削除することができるもので、特に電気自動車やハイブリッド車などのモータ駆動電流を検出する電流検出装置として有用なものである。
21 電流検出装置
22 検出回路
22a、22b、22c、22d 磁気抵抗素子
23a 電源回路
23b 変換回路
26 コイル
31 電流線

Claims (2)

  1. 回路基板上に形成された電流線に流れる交流電流を検出する電流検出装置であって、前記電流検出装置は、磁気抵抗素子からなり前記回路基板上に配置された検出回路と、前記検出回路から出力される信号を電流検出信号に変換する変換回路と、前記検出回路と前記変換回路に接続された電源回路を備え、
    前記電源回路は前記電流線と電磁的に結合するコイルを有し、前記コイルに電磁誘導された電圧を整流、平滑して前記検出回路と変換回路に所定の直流電圧を供給することを特徴とする電流検出装置。
  2. 前記コイル内にはコアが挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
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