JP2019184355A - コアレス電流測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気シールドの外部から磁気ノイズが及ぶ場合であっても電流検出の応答遅れが生じないコアレス電流測定装置を提供すること目的とする。【解決手段】電流経路3から発生する磁束を検知して検出信号を生起するコアレス磁気検知素子52と、コアレス磁気検知素子52の周囲に配置され外部からの磁束を遮蔽するシールド板54と、コアレス磁気検知素子52の出力端子521に生起した検出信号を伝送する検出信号伝送導体62とを備え、シールド板54はコアレス磁気検知素子52を挟んで対峙する一方のシールド板部分54aと他方のシールド板部分54bとを含む形態で配置され、検出信号伝送導体62は、一方のシールド板部分54aと他方のシールド板部分54bとのそれぞれの周囲に形成配置され巻回方向が逆方向である一方のコイル状導体部66aと他方のコイル状導体部66bとを含むコアレス電流測定装置。【選択図】図2

Description

本発明は、コアレス電流測定装置に関し、特に、電動機を駆動するインバータの駆動出力電流の測定に適したコアレス電流測定装置に関する。
感磁素子を用いてカレントトランス等によらずに電流を測定可能な電流測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電流測定装置は車両を駆動する電動機に供給する電流の測定にも用いられる。このような用途では、特に、応答遅れの無い測定が求められる。特許文献1の電流測定装置は、測定の応答性を高めるために、電流によって生起する磁界の変化により逆起電圧が生じるコイルを磁気シールド板のギャップに備えている。このコイルを感磁素子の検出出力を導出する導体に介挿させ、磁気シールド板の保磁力に起因する電流検出の応答遅れをコイルの逆起電圧を利用して改善している。
また、本出願人は、先に、ホール素子を用いたコアレス電流測定装置を提案した(例えば、特許文献2参照)。特許文献2における提案では、測定対象の電流路とは別の電流路の電流により生起する磁界に影響されてホール素子の検出出力が本来の測定対象電流の位相に対して遅延することを補償している。即ち、コアレス式の電流測定では磁気ノイズの影響を抑制するために磁気シールド板が用いられるが、磁気シールド板内を通る磁束の変化に起因して、電流の検出に位相遅れが生じる。特許文献2の技術では、ホール素子の出力端子に生起した検出信号を伝送する検出信号伝送導体中に磁気シールド板を囲むコイル状導体部を介挿する。このコイル状導体部に磁気シールド板の磁束の変化によって生起する逆起電圧を利用して測定対象電流に対する検出出力の位相遅れを改善している。
特開2013‐171013号公報 特許第5632078号公報
特許文献1や特許文献2における技術では、コイル状導体部に磁気シールドの外部から磁気ノイズが及ぶ場合には、コイル状導体部に生起する逆起電圧で測定対象となる電流の検出出力の遅れを補償しても、外部からの磁気ノイズに起因して電流の検出値に影響が生じるような場合には対処できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされものであり、コアレス磁気検知素子を用いて電流の測定を行うに際し、磁気シールドの外部から磁気ノイズが及ぶ場合であっても電流の検出値に影響が生じないコアレス電流測定装置を提供すること目的とする。
(1)電流経路(例えば、後述するバスバー3)から発生する磁束を検知して自己の出力端子(例えば、後述する検出出力端子521)に前記電流経路を流れる電流値に対応する検出信号を生起するコアレス磁気検知素子(例えば、後述するコアレス磁気検知素子52)と、前記コアレス磁気検知素子の周囲に配置され前記コアレス磁気検知素子に対する外部からの磁束を遮蔽するシールド板(例えば、後述するシールド板54)と、前記コアレス磁気検知素子の前記出力端子に生起した検出信号を伝送する検出信号伝送導体(例えば、後述する出力線62)とを備えたコアレス電流測定装置であって、前記シールド板は前記コアレス磁気検知素子を挟んで対峙する一方のシールド板部分(例えば、後述する左シールド面部54a)と他方のシールド板部分(例えば、後述する右シールド面部54b)とを含む形態で配置され、前記検出信号伝送導体は、前記一方のシールド板部分と前記他方のシールド板部分とのそれぞれの周囲に形成配置された一方のコイル状導体部(例えば、後述するターン配線66a)と他方のコイル状導体部(例えば、後述するターン配線66b)とを含み、前記一方のコイル状導体部と前記他方のコイル状導体部とは巻回方向が逆方向であることを特徴とするコアレス電流測定装置。
(2)前記一方のコイル状導体部と前記他方のコイル状導体部とは、コイルの巻き数が等しいことを特徴とする(1)に記載のコアレス電流測定装置。
(3)前記コアレス磁気検知素子は、所定の電動機とこの電動機への電力供給態様を制御するインバータとを結ぶ給電導体に対応して配置されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコアレス電流測定装置。
(1)のコアレス電流測定装置では、磁気シールドの外部から磁気ノイズが飛来した場合に、一方のコイル状導体部(ターン配線66a)と他方のコイル状導体部(ターン配線66b)とは巻回方向が逆であるため、双方のコイル状導体部にそれぞれ生起する逆起電圧は位相が反転したものとなる。これら逆起電圧は一方のコイル状導体部と他方のコイル状導体部とを含む一連の検出信号伝送導体中で相互にキャンセルされる。このため、検出信号伝送導体の出力端側における電流検出出力は、外部からの磁気ノイズの影響が除去されたものとなる。
(2)のコアレス電流測定装置では、一方のコイル状導体部(ターン配線66a)と他方のコイル状導体部(ターン配線66b)とは巻き数が等しいため、同じ磁気ノイズに対して振幅が等しく逆位相の逆起電圧が生起する。このため一方のコイル状導体部と他方のコイル状導体部とを電気的に直列に接続するだけの簡単な構成で、磁気ノイズによる影響が相殺される。
(3)のコアレス電流測定装置では、電動機とインバータとを結ぶ給電導体の電流検出に適用しているため、他相からの磁気ノイズが多く重畳する環境下でも、磁気ノイズの影響を効果的に除去して、高速回転域まで精度の高い電動機の制御が可能になる。
本発明の一実施形態としてのコアレス電流測定装置を搭載した電動車両の概略構成図である。 本実施形態のコアレス電流測定装置の構成を示す平面図である。 図2のコアレス電流測定装置のA−A線における断面図である。 比較例としてのコアレス電流測定装置の構成を示す平面図である。 図4のコアレス電流測定装置のB−B線における断面図である。 本発明の一実施形態としてのコアレス電流測定装置を電動車両に搭載した場合の電流路(バスバー)周辺の概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのコアレス電流測定装置を搭載した電動車両の概略構成図である。
車両Vは、二次電池Bと、電動発電機Mと、電力回路Pと、を備える。
二次電池Bは、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電と、及び電気エネルギを化学エネルギに変換する充電との両方が可能な電池である。以下では、この二次電池Bとして、電極間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う所謂リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明するが、二次電池Bはこれに限らない。
電動発電機Mは、主として車両Vが走行するための動力を発生する。電動発電機Mは図示しない駆動輪に接続されている。二次電池Bから電力回路Pを通して電動発電機Mに電力を供給することにより電動発電機Mで発生させたトルクは駆動輪に伝達され、駆動輪を回転させ、車両Vを走行させる。また電動発電機Mは、車両Vの減速回生時には発電機として作用する。電動発電機Mによって発電された回生電力は、二次電池Bに回収される。
電力回路Pは、二次電池Bと電動発電機Mとの間に設けられ、二次電池側電力線1、インバータ2及びバスバー3を含む。電力回路Pは、二次電池Bの電力を電動発電機Mに供給し、又、電動発電機Mによる回生電力を二次電池Bに回収させる。
二次電池側電力線1は二次電池Bとインバータ2とを結ぶ導体であり、二次電池Bの正極側にリレースイッチ11が介挿されている。リレースイッチ11は、車両Vが通常動作(力行又は回生)をする際に用いられるノーマルオープン型のオンオフスイッチである。
インバータ2はバスバー3を通して二次電池側電力線1(従って、二次電池B)と電動発電機Mとの電力の授受を制御する。インバータ2は、例えば、複数のスイッチング素子をブリッジ接続して構成されるブリッジ回路を備えた、パルス幅変調によるPWMインバータであり、直流電力と交流電力とを変換する機能を備える。図示のインバータ2は、3相フルブリッジ型のものであり、二次電池Bからの直流を3相の交流に変換して電動発電機Mに供給し、又、電動発電機Mによる回生電力を直流電力に変換して二次電池Bに回収する。
インバータ2は、各上アームのスイッチング素子21u、21v、21wと、各下アームのスイッチング素子22u、22v、22wを有する。上アームのスイッチング素子21u、21v、21wを、以下、適宜、「上アームスイッチング素子21」と総称し、各下アームのスイッチング素子22u、22v、22wを、適宜、「下アームスイッチング素子22」と総称する。上アームスイッチング素子21及び下アームスイッチング素子22には図示しない逆並列ダイオードが接続される。
上アームスイッチング素子21及び下アームスイッチング素子22には電子制御ユニット4のゲートドライブ回路からの駆動信号が供給されて、電動発電機Mの運転態様が制御される。電子制御ユニット4(以下、「ECU(Electrical Control Unit)4」との略称を用いる)はマイクロコンピュータであり、車両Vのインバータ2の制御を含む種々の制御を担う。電力回路Pには、更に、二次電池Bとインバータ2の直流入出力側との間に図示しないDC/DCコンバータを設け、二次電池Bの出力電圧又はインバータ2の直流入出力側の電圧を昇圧又は降圧する構成をとることもできる。
バスバー3は、インバータ2の交流入出力側と電動発電機Mとを結ぶ導体であり、交流電力のu、v、wの各相に対応する、バスバー30u、バスバー30v、バスバー30wを含む。バスバー30u、30v、30wは、上アームスイッチング素子21u、21v、21wと下アームスイッチング素子22u、22v、22wとの接続点25u、25v、25wと、電動発電機Mとを結ぶ板状の導体である。電動発電機Mを回転させるに際し、インバータ2の上アームスイッチング素子21及び下アームスイッチング素子22をECU4によって所要のタイミングでオンオフさせる。これによりバスバー30u、30v、30wを流れる電流の向きやデューティ比が制御される。
本発明の実施形態では、バスバー30uにコアレス電流測定装置5uが取り付けられ、バスバー30vにコアレス電流測定装置5vが取り付けられ、バスバー30wに、コアレス電流測定装置5wが取り付けられる。コアレス電流測定装置5u、5v、5wを以下、適宜、「コアレス電流測定装置5」と総称する。
電動発電機Mにはレゾルバ6が設けられる。レゾルバ6は、電動発電機Mの図示しない出力軸又は外ロータの回転角度である電気角を検出し、電気角の検出信号をECU4に供給する。
ECU4は、コアレス電流測定装置5からの検出出力をA/D変換してECU4内部で検出電流値(バスバー電流Ib)として処理できるようにする。従って、コアレス電流測定装置5とECU4の該当する機能部とでコアレス電流センサユニットを構成すると観念することもできる。
次に、図2及び図3を参照してコアレス電流測定装置5について説明する。
図2は、本実施形態のコアレス電流測定装置の構成を示す平面図である。
図3は、図2のコアレス電流測定装置のA−A線における断面図である。
図2及び図3に示すように、コアレス電流測定装置5は、バスバー3と並行に配置されたプリント基板であるガラスエポキシ樹脂基板51に設けられたコアレス磁気検知素子52と、コアレス磁気検知素子52を部分的に囲んで配されたシールド板54とを含む。
コアレス磁気検知素子52は、電流経路としてのバスバー3から発生する磁束を検知して自己の出力端子(後述する検出出力端子521)にバスバー3を流れる電流値に対応する検出信号Vmを生起する。コアレス磁気検知素子52の検出出力端子521に生起する検出信号Vmは、ガラスエポキシ樹脂基板51に設けられた検出信号伝送導体である出力線62を通して出力される。
シールド板54は、コアレス磁気検知素子52の周囲に配置されコアレス磁気検知素子52に対する外部からの磁束を遮蔽する。図2及び図3に示すように、シールド板54は、バスバー3と並行な下シールド面部54cと、下シールド面部54cにそれぞれ垂直でコアレス磁気検知素子52を挟んで対峙する部分である左シールド面部54a及び右シールド面部54bを含む形態で配置される。
詳細には、コアレス磁気検知素子52は、バスバー3から発生する磁束Φ1を検知して電圧変換を行い、磁束Φ1に応じた電圧信号である検出信号Vmを検出出力端子521とグランド端子520間に生起する。磁束Φ1はバスバー3を流れる電流であるバスバー電流Ib[A]に比例する。このため、検出信号Vmは、バスバー電流Ibに対応する値を示す。検出信号Vmは検出出力端子521から出力される。
コアレス磁気検知素子52としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子、ホール素子とアンプ回路を組み合わせたホールICのいずれかを用いることができる。図示の例におけるコアレス磁気検知素子52は、上述の検出出力端子521とグランド端子520を含む8つの外部端子を有するが、各個の端子についての詳細な説明は省略する。
シールド板54は、コアレス磁気検知素子52への外乱ノイズの入射を防止するものであり、それ自体はコアレス式の電流センサー等において一般的に用いられる。シールド板54は、パーマロイ等の磁気を通し易い材質からなる。このため、コアレス磁気検知素子52に向かう外乱ノイズ(磁気ノイズ)が発生しても、磁気ノイズは、大部分がシールド板54の内部を通過する。このため、コアレス磁気検知素子52に磁気ノイズは到達せず、コアレス磁気検知素子52を磁気ノイズから保護することができる。
図2に示すように、プリント配線60は、基板端部の端子部に「OUT」と表記の出力線62と、端子部に「GND」と表記のグランド線64とを含む。出力線62の一方の端部にはコアレス磁気検知素子52の検出出力端子521が接続され、他方は基板端部の端子部に「OUT」と表記の端子部をなしている。図2の出力線62は、検出出力端子521の接続部と「OUT」と表記の基板端部の端子部とが分かれて見えるが電気的には一連なりの導体であるため、2箇所に同一の符号を附している。一方、グランド線64は多層化されたガラスエポキシ樹脂基板51の内部又は裏面側を通るためその経路は直接視認されないが、コアレス磁気検知素子52のグランド端子520にランド部510で接続されている。「OUT」と表記の出力線62及び「GND」と表記のグランド線64はいずれもECU4の入力端子に接続されている。ガラスエポキシ樹脂基板51の導体パターンの交差部分では、スルーホール68a及び68bを介してガラスエポキシ樹脂基板51内を通る迂回路が構成されて短絡が回避される。
本実施形態では、出力線62は、コアレス磁気検知素子52の検出出力端子521に生起した検出信号を伝送する検出信号伝送導体を構成している。上述のように、出力線62は、コアレス磁気検知素子52の検出出力端子521と、「OUT」と表記の基板端部の端子部とを結ぶが、上記検出出力端子521側から上記「OUT」側に到る方向に経路を辿る順に、ターン配線66b及び66aをこの順に含む。
ターン配線66bは、シールド板54の右シールド面部54bの周囲を取り囲むコイル状に形成されたコイル状導体部である。図2の視座で、ターン配線66bは、検出出力端子521から導出された導体パターンが、シールド板54の右シールド面部54bの周囲を反時計方向に廻って形成されている。
また、ターン配線66aは、シールド板54の左シールド面部54aの周囲を取り囲むコイル状に形成されたコイル状導体部である。図2の視座で、ターン配線66aは、スルーホール68aを介してターン配線66bの末端部分と結ばれ図示の右側から左側に延び出した接続導体パターン680の左端部分から、導体パターンが、シールド板54の左シールド面部54aの周囲を時計方向に廻って形成されている。
ここで、図2及び図3に示すコアレス電流測定装置5のターン配線66a及び66b周辺の電磁気学的現象について説明する。
本実施形態のコアレス電流測定装置5における電磁気学的現象を理解するために、先ず、コアレス電流測定装置5に対する比較例としてのコアレス電流測定装置50について図4及び図5参照して説明する。
図4は比較例としてのコアレス電流測定装置の構成を示す平面図である。
図5は図4のコアレス電流測定装置のB−B線における断面図である。
比較例としてのコアレス電流測定装置50(図4及び図5)の、本実施形態のコアレス電流測定装置5(図2及び図3)との相違点は、コアレス電流測定装置5が左シールド面部54a及び右シールド面部54bそれぞれに対応してターン配線66a及び66bを有しているのに対して、コアレス電流測定装置50ではターン配線66aに相当する導体部を有しない点である。その他の構成については、図2及び図3を参照して説明したコアレス電流測定装置5と同様であり、対応部に同一の符号を附している。
図4及び図5において、比較例としてのコアレス電流測定装置50は、右シールド面部54bの周囲を取り囲むコイル状に形成されたコイル状導体部であるターン配線66bを有する。このようなターン配線66bの作用について説明するに当たり、先ず、ターン配線66bを有しない場合の現象について説明する。
図4及び図5に示された磁束Φ1は、正方向(図4中、下側から上側に向かう方向)にバスバー電流Ibを流した場合のコアレス電流測定装置50周囲の磁束を示している。バスバー電流Ibを流すと右ねじの法則より、バスバー3の周囲には、図5では時計回りの磁束Φ1が発生する。磁束Φ1は、図4では、ガラスエポキシ樹脂基板51を正面から見込む視座で、シールド板54の左シールド面部54aから右シールド面部54bに向かう磁界が発生する。この磁束Φ1は、バスバー3周囲のシールド板54を通る。
シールド板54の右シールド面部54bの内部には、磁束Φ1が発生する際、この磁束Φ1の変化を妨げる方向に渦電流Iebが発生する。
この渦電流Iebの発生により、シールド板54の磁束Φ1の位相がバスバー電流Ibの位相に対し若干遅相となる。このシールド板54の磁束Φ1の位相遅れの影響を受けて、コアレス磁気検知素子52の出力である検出信号Vmの位相がバスバー電流Ibの位相に対して遅延するという現象を生じる。
このようにコアレス磁気検知素子52の出力である検出信号Vmの位相がバスバー電流Ibの位相に対して遅延するという現象は、バスバー電流Ibを上述の正方向とは反対の負方向(図4中、上側から下側に向かう方向)に流した場合にも同様に生じる。
図4及び図5における、比較例としてのコアレス電流測定装置50では、検出信号Vmの位相がバスバー電流Ibの位相に対して上述のように遅延するという現象に対処するためにターン配線66bを設けている。ターン配線66bは、図4の通り、コアレス磁気検知素子52の検出出力端子521から導出されてシールド板54の右シールド面部54bの周囲を反時計方向に廻って出力線62の「OUT」と表記の端部に到るコイル状のパターンを有する。交流であるバスバー電流Ibにより変化する磁束が右シールド面部54bに生じる。図4及び図5に表記された磁束の向きは、バスバー電流Ibの正の半サイクル期間におけるものである。この磁束の変化に対応して、ターン配線66bには、レンツの法則に従い磁束の変化に抗する方向の電流を流す向きに逆起電圧Vibが生起する。
このようにターン配線66bに生じる逆起電圧Vibは、コアレス磁気検知素子52の検出出力端子521から出力線62の「OUT」と表記の端部に到る導体中で、検出出力端子521に生起した検出出力信号に対して重畳される。逆起電圧Vibの位相は、バスバー電流Ibに対するコアレス磁気検知素子52の検出出力の遅延量の位相と逆相の関係にある。従って、ターン配線66b(に生じる)をコアレス磁気検知素子52の検出出力に対して直列に介挿させる上述のような構成によって、コアレス磁気検知素子52の検出出力の遅延を逆起電圧Vibで補償することができる。
尚、ターン配線66bにレンツの法則に従って流れる電流によって、図5に概念的に表記した通り、磁束Φ1を打ち消す方向の磁束Φ2が生じる。
比較例のコアレス電流測定装置50について要約すれば次の通りである。
検出対象であるバスバー電流Ibにより右シールド面部54bに生起する渦電流Iebに起因してコアレス電流測定装置50周囲の磁束Φ1の位相が遅延する。
磁束Φ1の位相が遅延することによりコアレス磁気検知素子52における検出信号Vmが遅延する。
右シールド面部54b内部の磁束の変化によって検出信号Vmの遅延に見合った逆起電圧Vibがターン配線66bに生起する。
この逆起電圧Vibを検出信号Vmに加算して遅延を相殺する。
即ち、検出信号Vmの位相遅れに見合った大きさで向きが当該位相遅れを相殺する向きの逆起電圧Vibを、検出信号Vmに加算して、バスバー電流Ibに対する検出信号Vmの位相遅れを解消している。
比較例のコアレス電流測定装置50における検出信号Vmの遅延への対処は、ターン配線66bに生起する逆起電圧Vibの値が検出信号Vmの遅延に略見合った値である場合に相応に功を奏する。しかしながら、ターン配線66bに生起する逆起電圧Vibの値が検出信号Vmの遅延に略見合った値を逸脱する場合がある。即ち、ターン配線66bの鎖交磁束が右シールド面部54b内の磁束に限られず、他の外部磁界などの磁気ノイズに影響される場合である。このような場合、比較例のコアレス電流測定装置50では、検出信号Vmに対して逆起電圧Vibを一律に加算する構成であることから、検出対象であるバスバー電流Ibに対する検出信号Vmに磁気ノイズに起因するノイズが重畳してしまう場合もある。これは、比較例のコアレス電流測定装置50における残された課題である。
図2及び図3の本実施形態のコアレス電流測定装置5では、比較例のコアレス電流測定装置50における上述のような残された課題についても対処することができる。
説明を、図2及び図3に戻す。
図2及び図3のコアレス電流測定装置5では、左シールド面部54a及び右シールド面部54bそれぞれに対応して、ターン配線66a及びターン配線66bを有する。上述のように、ガラスエポキシ樹脂基板51を正面から見込む視座で、ターン配線66bは右シールド面部54bに対して反時計方向に巻回され、一方、ターン配線66aは左シールド面部54aに対して時計方向に巻回される。また、ターン配線66aとターン配線66bとは、検出信号伝送導体である出力線62において、上述のようにガラスエポキシ樹脂基板51端部の「OUT」と表記の端部とコアレス磁気検知素子52の検出出力端子521に接続された端部との間に電気的に直列に接続されている。このため、ターン配線66aとターン配線66bとは、それらの巻回方向と接続関係に着目すれば、いわば「8」の字型に接続されている。
このようなコアレス電流測定装置5について、シールド板54の右シールド面部54bの周囲を取り囲むターン配線66bの部分に着目すると、この部分での作用は、比較例のコアレス電流測定装置50におけるターン配線66bと同様である。
即ち、図2及び図3のターン配線66bには、交流であるバスバー電流Ibの変化に対して、レンツの法則に従い、磁束の変化に抗する方向の電流を流す向きに逆起電圧Vibが生起する。
一方、左シールド面部54a及びターン配線66aの部分に着目すると、この部分でも、上述のターン配線66bに生起する逆起電圧とは同位相の逆起電圧Vibが生起する。これは、ターン配線66aを通る(従って、左シールド面部54aを通る)磁束の方向がターン配線66bにおける磁束の方向とは逆方向であるが、上述のとおりターン配線66aはターン配線66bとは巻回方向も逆であるからである。
従って、上述のように、いわば「8」の字型に接続されているターン配線66a及びターン配線66bは、バスバー電流Ibに起因してそれらに生起する逆起電圧については、和動的に作用して、バスバー電流Ibの検出出力であるコアレス磁気検知素子52の検出信号Vmの遅延を効果的に補償する。
これに対し、ターン配線66a及びターン配線66bに対して同じ方向から外部磁気ノイズが飛来した場合には、双方のターン配線66a及び66bには逆位相の逆起電圧が生起する。上述のようにターン配線66aとターン配線66bは電気的に直列に、検出信号伝送導体である出力線62に介挿されている。従って、外部磁気ノイズに起因して双方のターン配線66a及び66bに生起する逆起電圧は相互にキャンセルし合う。結果的に、外部磁気ノイズの影響は、コアレス電流測定装置5における上記「GND」と「OUT」間の検出出力には影響しなくなる。
上述のように、磁気ノイズが外部から飛来した際に、左シールド面部54aのターン配線66aと右シールド面部54bのターン配線66bとは巻回方向とが逆方向であることからそれらに生起する逆起電圧は、位相が反転しており、且つ、両ターン配線66a及び66bは直列に接続されているため差動的に作用し、結果的に相殺される。特に、ターン配線66aとターン配線66bとは巻き数が等しいため、同じ外部磁気ノイズに対して振幅が等しく逆位相の逆起電圧が生起する。このため一方のコイル状導体部と他方のコイル状導体部とを電気的に直列に接続するだけの簡単な構成で、磁気ノイズによる影響が相殺される。
即ち、シールド板54内を通る磁束の変化に起因するコアレス電流測定装置5の検出出力のバスバー電流Ibに対する位相遅れは、上述した逆起電圧Vibが和動的に作用して効果的に解消される。一方、外部から飛来する磁気ノイズに対しては、磁気ノイズによる逆起電圧が差動的に作用してこのような磁気ノイズの影響が抑制される。
図6は、本発明の一実施形態としてのコアレス電流測定装置を電動車両に搭載した場合の電流路(バスバー)周辺の概略構成を示す図である。
ここに、電動車両は、例えば、図1を参照して説明した車両Vである。図6に示すように、U相のバスバー30uに対して、図2及び図3を参照して説明したようなU相対応のコアレス電流測定装置5uが設けられる。またV相のバスバー30vに対して、V相対応のコアレス電流測定装置5vが設けられる。更に、W相のバスバー30wに対して、W相対応のコアレス電流測定装置5wが設けられる。即ち、コアレス電流測定装置5u、5v、5wは、電動機である電動発電機Mとこの電動機への電力供給態様を制御するインバータ2とを結ぶ給電導体に対応して配置されている。
一般に、電動車両における車両駆動用の電動発電機の制御においては、インバータと電動発電機間で授受される電流の測定が、U相、V相、W相の3相について各別に必要とされる。この場合、各相が相互に接近し電流路の間隔も狭いことから、他相から飛来する磁気ノイズの影響が無視できない。
これに対し、本実施形態のコアレス電流測定装置を適用すれば、U相、V相、W相の各自相における電流の変化(即ち、磁束の変化)に起因するコアレス磁気検知素子による電流の測定における応答遅れが補償されるのみならず、他相やその他から飛来する外来ノイズについても、簡単な構成によってそれらによる影響を抑制することができる。
このため、インバータ2による電動発電機Mの制御を極めて高精度で行うことができる。同じ応答遅れ時間に対するインバータ2による相回転の回転角、従って、電動発電機Mの回転角は、高速回転になるほど大きい。本実施形態の、コアレス電流測定装置を適用すれば、このような観点からも、極めて高速回転の領域においても十分な精度で電動発電機Mの制御を行うことができる。
尚、発明者は種々実験及びシミュレーションを行う過程で、コアレス電流測定装置5u、5v、5wにおけるターン配線66a及び66bの巻き数は、1ターン乃至2ターン程であると、高速回転の領域まで電流検出における位相遅れが効果的に改善される場合があることを確認した。
本実施形態のコアレス電流測定装置によれば、以下の効果を奏する。
(1)左シールド面部54a、右シールド面部54b、下シールド面部54cを有する
シールド板54の外部から磁気ノイズが飛来した場合に、ターン配線66aとターン配線66bとは巻回方向が逆であるため、それらに生起する逆起電圧VnaとVnbは位相が反転したものとなる。逆起電圧Vna、Vnbは双方のターン配線66a、66bを含む一連の検出信号伝送導体中で相互にキャンセルされる。このため、出力線(OUT)62における電流検出出力は、外部の磁気ノイズの影響が除去されたものとなる。
(2)のコアレス電流測定装置では、ターン配線66aとターン配線66bとは巻き数が等しいため、同じ磁気ノイズに対して振幅が等しく逆位相の逆起電圧が生起する。このためターン配線66aとターン配線66bとを電気的に直列に接続するだけの簡単な構成で、磁気ノイズによる影響が相殺される。
(3)のコアレス電流測定装置では、電動発電機Mとインバータ2とを結ぶバスバー30u,30v,30wの電流検出に適用しているため、他相からの磁気ノイズが多く重畳する環境下でも、磁気ノイズの影響を効果的に除去して、高速回転域まで精度の高い電動機の制御が可能になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば、ガラスエポキシ樹脂基板に替えて、ポリイミド基板、ポリアミドイミド基板、アラミド基板等の絶縁性樹脂基板であるプリント基板を適用してもよい。
B…二次電池
M…電動発電機
V…車両
1…二次電池側電力線
2…インバータ
3,30u,30v,30w…バスバー
4…ECU(電子制御ユニット)
5,5u,5v,5w…コアレス電流測定装置
6…レゾルバ
50…コアレス電流測定装置(比較例)
51…ガラスエポキシ樹脂基板
52…コアレス磁気検知素子
54…シールド板
54a…左シールド面部
54b…右シールド面部
54c…下シールド面部
60…プリント配線
62…出力線(検出信号伝送導体)
64…グランド線
66a,66b…ターン配線
510…ランド部
520…グランド端子
521…検出出力端子

Claims (3)

  1. 電流経路から発生する磁束を検知して自己の出力端子に前記電流経路を流れる電流値に対応する検出信号を生起するコアレス磁気検知素子と、
    前記コアレス磁気検知素子の周囲に配置され前記コアレス磁気検知素子に対する外部からの磁束を遮蔽するシールド板と、
    前記コアレス磁気検知素子の前記出力端子に生起した検出信号を伝送する検出信号伝送導体と、
    を備えたコアレス電流測定装置であって、
    前記シールド板は前記コアレス磁気検知素子を挟んで対峙する一方のシールド板部分と他方のシールド板部分とを含む形態で配置され、
    前記検出信号伝送導体は、前記一方のシールド板部分と前記他方のシールド板部分とのそれぞれの周囲に形成配置された一方のコイル状導体部と他方のコイル状導体部とを含み、
    前記一方のコイル状導体部と前記他方のコイル状導体部とは巻回方向が逆方向であることを特徴とするコアレス電流測定装置。
  2. 前記一方のコイル状導体部と前記他方のコイル状導体部とは、コイルの巻き数が等しいことを特徴とする請求項1に記載のコアレス電流測定装置。
  3. 前記コアレス磁気検知素子は、所定の電動機とこの電動機への電力供給態様を制御するインバータとを結ぶ給電導体に対応して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコアレス電流測定装置。
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