JP2014049553A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒューズによるコンデンサ素子と多層基板との固着強度の低下を防ぐことができる固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】上面に上面電極5a、6a、下面に下面電極5c、6cを有する多層基板2Aと、多層基板2Aの上面に載置され、上面電極5a、6aに電気的に接続されたコンデンサ素子3と、コンデンサ素子3を被覆するように多層基板2Aの上面側に設けられた外装樹脂4と、を備えた固体電解コンデンサ1Aであって、多層基板2Aは、上面電極5a、6aと下面電極5c、6cとの間に、上面電極5a、6aおよび下面電極5c、6cに電気的に接続された1層以上の内層電極5b、6bをさらに有し、1層以上の内層電極5b、6bのうち少なくとも1層の内層電極6bに、過電流が流れると溶融して溶断するヒューズ8が接続されており、ヒューズ8が溶断することで、上面電極6aと下面電極6cとの電気的な接続が遮断されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサに関し、特にヒューズを備えた固体電解コンデンサに関するものである。
従来から、過電流が流れると溶断するヒューズを備えた固体電解コンデンサとして、種々のものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1および2には、図6に示すように、上面に上面電極5a、6a、下面に下面電極5c、6cを有する多層基板2Eと、多層基板2Eの上面に載置され、上面電極5a、6aに電気的に接続されたコンデンサ素子3と、コンデンサ素子3を被覆するように多層基板2Eの上面側に設けられた外装樹脂4とを備え、上面電極(上面陰極電極)6aにヒューズ8Eが接続された固体電解コンデンサ1Eが開示されている。この固体電解コンデンサ1Eでは、溶融したヒューズ8Eがコンデンサ素子3の陰極部3bに付着しないように、ヒューズ8Eの上面にシリコーン樹脂からなる保護層12が設けられている。
また、特許文献3には、図7および図8に示すように、コンデンサ素子3の陽極リード(陽極部)3aと多層基板2Fの上面陽極電極5aとの間にヒューズ8Fが接続された固体電解コンデンサ1Fが開示されている。この固体電解コンデンサ1Fでは、ヒューズ8Fを確実に溶断させるために、溶融したヒューズ8Fが外装樹脂4の外に流れ出すようにヒューズ8Fの両端を外装樹脂4から露出させている。
特許第4688704号公報 特開2007−19054号公報 特許第4693303号公報
上記特許文献1および2に記載の固体電解コンデンサ1Eでは、導電性接着剤10が塗布されるべき場所の一部にシリコーン樹脂からなる保護層12が設けられているので、導電性接着剤10の量が不足してコンデンサ素子3と多層基板2Eとの固着強度が低下してしまうという問題があった。さらに、この固体電解コンデンサ1Eでは、保護層12と多層基板2Eとの間や保護層12と外装樹脂4との間にクラックが発生しやすくなり、多層基板2Eと外装樹脂4との密着性が低下して、コンデンサ素子3と多層基板2Eとの固着強度が低下してしまうという問題もあった。
また、上記特許文献3に記載の固体電解コンデンサ1Fでは、コンデンサ素子3の陽極リード3aとヒューズ8F、およびヒューズ8Fと上面陽極電極5aとが導電性接着剤10(または半田)により接合されているので、陽極リード3aと上面陽極電極5aとが直接または金属条材を介して溶接により接合されている場合と比べて、コンデンサ素子3と多層基板2Fとの固着強度が低下してしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、ヒューズが接続されたことによるコンデンサ素子と多層基板との固着強度の低下を防ぐことができる固体電解コンデンサを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る固体電解コンデンサは、(1)上面に上面電極、下面に下面電極を有する多層基板と、多層基板の上面に載置され、上面電極に電気的に接続されたコンデンサ素子と、コンデンサ素子を被覆するように多層基板の上面側に設けられた外装樹脂と、を備えた固体電解コンデンサであって、多層基板は、上面電極と下面電極との間に、上面電極および下面電極に電気的に接続された1層以上の内層電極をさらに有し、1層以上の内層電極のうち少なくとも1層の内層電極に、過電流が流れると溶融して溶断するヒューズが接続されており、ヒューズが溶断することで、上面電極と下面電極との電気的な接続が遮断されることを特徴とする。
この構成では、多層基板の内層電極にヒューズが接続されているので、ヒューズをシリコーン樹脂からなる保護層で被覆する必要がなくなり、該保護層に起因する剥離やクラックが発生しなくなる。また、この構成では、コンデンサ素子の陽極部と上面電極とを直接または金属条材等を介して溶接により接合することが可能になる。したがって、この構成によれば、ヒューズを接続したことによるコンデンサ素子と多層基板との固着強度の低下を防ぐことができる。
上記(1)の固体電解コンデンサでは、(2)多層基板に、該多層基板の下面から露出しないようにヒューズに隣接した位置に空間部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、過電流により溶融したヒューズが空間部に流れ込むので、ヒューズを確実に溶断させることができる。
上記(1)の固体電解コンデンサでは、(3)多層基板に、ヒューズから離れた位置に空間部を設けた場合、多層基板のヒューズと空間部との間の部分は、ヒューズに流れる過電流による熱で変形する程度の厚みを有していることが好ましい。
この構成によれば、多層基板のヒューズと空間部との間の部分がヒューズに流れる過電流による熱で変形する(空間部側に膨らむ)ことにより、ヒューズ周辺に開放された空間ができ、該空間に溶融したヒューズが流れ込むので、ヒューズを確実に溶断させることができる。
上記(3)の固体電解コンデンサでは、例えば、(4)空間部が多層基板の下面から露出していてもよい。
また、上記(1)〜(4)の固体電解コンデンサでは、例えば、(5)上面電極は、コンデンサの陽極部に電気的に接続された上面陽極電極と、コンデンサの陰極部に電気的に接続された上面陰極電極とを有し、内層電極は、上面陽極電極に電気的に接続された内層陽極電極と、上面陰極電極に電気的に接続された内層陰極電極とを有し、下面電極は、内層陽極電極に電気的に接続された下面陽極電極と、内層陰極電極に電気的に接続された下面陰極電極とを有し、ヒューズは、内層陰極電極に接続されており、ヒューズが接続された内層陰極電極は、ヒューズを介して二分割されていてもよい。
本発明によれば、ヒューズを接続したことによるコンデンサ素子と多層基板との固着強度の低下を防ぐことができる固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の実施例1に係る固体電解コンデンサの側断面図である。 上面陰極電極とヒューズとの関係を示す平面図である。 本発明の実施例2に係る固体電解コンデンサの側断面図である。 本発明の実施例3に係る固体電解コンデンサの側断面図である。 本発明の実施例4に係る固体電解コンデンサの側断面図である。 本発明の従来例1における固体電解コンデンサの側断面図である。 本発明の従来例2における固体電解コンデンサの側断面図である。 図7の固体電解コンデンサを、陽極リードの突出方向側から見た側断面図である。 実施例1〜4および従来例1、2の固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子と多層基板との固着強度を測定した結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る固体電解コンデンサの好ましい実施例について説明する。なお、以下の説明では、図1の左右方向を長さ方向、図2の上下方向を幅方向、図1の上下方向を高さ(厚み)方向とする。
[実施例1]
図1に、本発明の実施例1における固体電解コンデンサ1Aを示す。同図に示すように、本実施例に係る固体電解コンデンサ1Aは、多層基板2Aと、多層基板2Aの上面に載置されたコンデンサ素子3と、コンデンサ素子3を被覆するように多層基板2Aの上面側に設けられた外装樹脂4とを備えている。固体電解コンデンサ1Aは、長さ2.0mm、幅1.2mm、高さ0.9mmの寸法を有している。
コンデンサ素子3は、タンタル粉末に陽極リード3aを埋設し、プレス成形後、焼結して直方体状の多孔質体(焼結体)を作製し、作製した多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜、固体電解質層、陰極引出層3bを順次形成したものである。コンデンサ素子3では、陽極リード3aの突出部分が陽極部に相当し、陰極引出層3bが陰極部に相当する。
多層基板2Aは、絶縁層と電極層とが交互に積層された基板である。多層基板2Aは、電極層として、上面に上面陽極電極5aおよび上面陰極電極6a、下面に下面陽極電極5cおよび下面陰極電極6c、上面と下面の間に内層陽極電極5bおよび内層陰極電極6bを有している。上面陽極電極5a、内層陽極電極5bおよび下面陽極電極5cは、スルーホール7等により電気的に接続されている。上面陰極電極6a、内層陰極電極6bおよび下面陰極電極6cも、スルーホール7等により電気的に接続されている。
上面陽極電極5aは、鉄−ニッケル系合金からなる板状の金属条材9を介してコンデンサ素子3の陽極リード3aに電気的に接続されている。上面陽極電極5aと金属条材9、および金属条材9と陽極リード3aは、抵抗溶接やレーザ溶接等の溶接により接合されている。一方、上面陰極電極6aは、導電性接着剤10を介してコンデンサ素子3の陰極引出層3bに電気的に接続されている。
内層陰極電極6bは、図2に示すように、長さ方向に二分割されており、図中左側の電極が上面陰極電極6aに接続されており、図中右側の電極が下面陰極電極6cに接続されている。内層陰極電極6b間には、過電流が流れると溶融して溶断するヒューズ8が接続されている。ヒューズ8は、銅からなり、つづら折り状にパターンニングされたものである。ヒューズ8は、全長3mm、パターン幅20μm、厚み16μmの寸法を有している。本実施例では、ヒューズ8が溶断すると、上面陰極電極6aと下面陰極電極6cとの電気的な接続が遮断される。
[実施例2]
図3に、本発明の実施例2における固体電解コンデンサ1Bを示す。同図に示すように、本実施例に係る固体電解コンデンサ1Bは、ヒューズ8から離間し、かつ多層基板2Bの下面から露出するように空間部11が設けられていること以外は、実施例1における固体電解コンデンサ1Aと共通している。
空間部11は、ダイシングにより形成された凹部であり、長さ0.08mm、幅1.2mm、高さ(深さ)0.01mmの寸法を有している。ヒューズ8と空間部11との間にある多層基板2Bの絶縁層は、ヒューズ8に流れる過電流による熱で変形する程度の厚みを有している。
[実施例3]
図4に、本発明の実施例3における固体電解コンデンサ1Cを示す。同図に示すように、本実施例に係る固体電解コンデンサ1Cは、ヒューズ8から離間し、かつ多層基板2Bの下面から露出しない位置に空間部11が設けられていること以外は、実施例1における固体電解コンデンサ1Aと共通している。
空間部11は、長さ0.08mm、幅1.2mm、高さ0.01mmの寸法を有している。空間部11は、多層基板2Cを削って長さ0.08mm、幅1.2mm、高さ0.02mmの寸法の空間を形成し、該空間内に長さ0.08mm、幅1.2mm以上、高さ0.01mmの寸法のポリイミドテープを挿入するとともに液状樹脂で封止し、該液状樹脂を硬化させた後、ポリイミドテープを引き抜くことにより形成されたものである。
ヒューズ8と空間部11との間にある多層基板2Cの絶縁層は、ヒューズ8に流れる過電流による熱で変形する程度の厚みを有している。なお、本実施例では、ヒューズ8と空間部11との間にある多層基板2Cの絶縁層が破れたとしても、空間部11が多層基板2Cの下面から露出していないので、空間部11内に溶融したヒューズを溜めておくことができる。
[実施例4]
図5に、本発明の実施例4における固体電解コンデンサ1Dを示す。同図に示すように、本実施例に係る固体電解コンデンサ1Dは、ヒューズ8に隣接し、かつ多層基板2Dの下面から露出しない位置に空間部11が設けられていること以外は、実施例1における固体電解コンデンサ1Aと共通している。
空間部11は、実施例3と同様の方法で形成された空間であり、長さ0.08mm、幅1.2mm、高さ0.01mmの寸法を有している。
[従来例1]
図6に、従来例1における固体電解コンデンサ1Eを示す。同図に示すように、従来例1における固体電解コンデンサ1Eは、上面陰極電極6aにヒューズ8Eが接続されていること、ヒューズ8Eの上面を被覆するシリコーン樹脂からなる保護層12が設けられていること、および多層基板2Eに内層陽極電極5bおよび内層陰極電極6bが設けられていないこと以外は、実施例1における固体電解コンデンサ1Aと共通している。
[従来例2]
図7に、従来例2における固体電解コンデンサ1Fを示す。同図に示すように、従来例2における固体電解コンデンサ1Fは、コンデンサ素子3の陽極リード3aと上面陽極電極5aとの間にヒューズ8Fが接続されていること、およびシリコーン樹脂からなる保護層12が設けられていないこと以外は、従来例1における固体電解コンデンサ1Eと共通している。
従来例2における固体電解コンデンサ1Fでは、陽極リード3aとヒューズ8F、およびヒューズ8Fと上面陽極電極5aが、導電性接着剤10により接合されている。また、ヒューズ8Fは、板状に形成された錫−銀−銅系合金からなり、図8に示すように両端が外装樹脂4から露出している。
[比較実験1]
比較実験1では、実施例1〜4および従来例1、2の固体電解コンデンサ1A〜1F(定格電圧10V、定格容量47μF)を半田にて評価用基板に実装した状態で、プッシュ−プルゲージにより固体電解コンデンサ1A〜1Fを引っ張り、固体電解コンデンサ1A〜1Fの外装樹脂4を多層基板2A〜2Fから剥離させることにより、多層基板2A〜2Fと外装樹脂4(コンデンサ素子3)の固着強度を測定した。比較実験1では、各12個の固体電解コンデンサ1A〜1Fの固着強度を測定した。
固着強度の平均値は、図9に示すように、実施例1の固体電解コンデンサ1Aが24.9N、実施例2の固体電解コンデンサ1Bが23.9N、実施例3の固体電解コンデンサ1Cが23.6N、実施例4の固体電解コンデンサ1Dが22.2Nであったのに対して、従来例1の固体電解コンデンサ1Eが13.2N、従来例2の固体電解コンデンサ1Fが11.1Nであった。すなわち、従来例1、2の固体電解コンデンサ1E、1Fは、実施例1〜4の固体電解コンデンサ1A〜1Dよりも、固着強度が低かった。
従来例1の固体電解コンデンサ1Eの固着強度が低かったのは、固体電解コンデンサ1Eでは、コンデンサ素子3の陰極引出層3bと上面陰極電極6aとを接合する導電性接着剤10が塗布されるべき場所の一部にシリコーン樹脂からなる保護層12が形成されているので、導電性接着剤10の量が不足してコンデンサ素子3と多層基板2Eとの密着性が低下したため、また、保護層12とその周辺材料(外装樹脂4や多層基板2E)との熱膨張係数が異なるので、工程での熱処理やリフローの際に保護層12と多層基板2Eとの間や保護層12と外装樹脂4との間にクラックや剥離が発生したためと考えられる。
従来例2の固体電解コンデンサ1Fの固着強度が低かったのは、固体電解コンデンサ1Fでは、陽極リード3aとヒューズ8F、およびヒューズ8Fと上面陽極電極5aが導電性接着剤10により接合されているので、陽極リード3aと上面陽極電極5aとが金属条材9を介して溶接により接合されている実施例1〜4の固体電解コンデンサ1A〜1Dに比べて、コンデンサ素子3と多層基板2Fとの密着性が低下したためと考えられる。
[比較実験2]
比較実験2では、実施例1〜4および従来例1、2の固体電解コンデンサ1A〜1Fに対して燃焼試験を行い、燃焼した製品(固体電解コンデンサ1A〜1F)の個数、および燃焼試験後の実装基板の汚染の有無を確認した。燃焼試験では、各100個の固体電解コンデンサ1A〜1Fに5V(制限電流2A)の逆電圧を1分間印加した。
Figure 2014049553
表1に示す通り、従来例1の固体電解コンデンサ1Eでは、100個中39個が燃焼したのに対し、実施例1の固体電解コンデンサ1Aでは、100個中33個が燃焼し、従来例2および実施例2〜4の固体電解コンデンサ1B〜1D、1Fでは、燃焼が確認されなかった。また、従来例2の固体電解コンデンサ1Fでは、実装基板の汚染が確認されたのに対して、従来例1および実施例1〜4の固体電解コンデンサ1A〜1Eでは、実装基板の汚染が確認されなかった。
従来例1および実施例1の固体電解コンデンサ1E、1Aのうち、一部の固体電解コンデンサ1E、1Aに燃焼が確認されたのは、燃焼試験時にヒューズ8E、8が十分に機能しなかったためと考えられる。具体的には、従来例1の固体電解コンデンサ1Eでは、ヒューズ8Eが保護層12と多層基板2Eの絶縁層とにより囲まれており、実施例1の固体電解コンデンサ1Aでは、ヒューズ8が多層基板2Aの絶縁層により囲まれているので、溶融したヒューズ8E、8の逃げ場がなくなり、ヒューズ8E、8が溶断しなかったか、または溶断したヒューズ8E、8が再度溶着したためと考えられる。一方、従来例1および実施例1の固体電解コンデンサ1E、1Aのうち、残りの固体電解コンデンサ1E、1Aに燃焼が確認されなかったのは、ヒューズ8E、8で発生した熱により多層基板2E、2Aがわずかに変形してヒューズ8E、8近傍に空間が形成され、該空間内に溶融したヒューズ8E、8が流れ込み、ヒューズ8E、8が溶断したためと考えられる。
実施例2〜4の固体電解コンデンサ1B〜1Dで燃焼が全く確認されなかったのは、ヒューズ8が安定して機能したためと考えられる。具体的には、実施例4の固体電解コンデンサ1Dでは、溶融したヒューズ8が空間部11に流れ込むことによりヒューズ8が溶断したためと考えられ、実施例2、3の固体電解コンデンサ1B、1Cでは、ヒューズ8と空間部11との間にある多層基板2B、2Cの絶縁層が、ヒューズ8で発生した熱により空間部11側に膨らみ、ヒューズ8周辺に開放された空間ができ、該空間に溶融したヒューズ8が流れ込むことによりヒューズ8が溶断したためと考えられる。
従来例2の固体電解コンデンサ1Fで燃焼が全く確認されなかったのは、固体電解コンデンサ1Fでは、ヒューズ8Fの両端が外装樹脂4から露出しているので、溶融したヒューズ8Fが外装樹脂4から外側に流れ出すことによりヒューズ8Fが溶断したためと考えられる。
また、従来例2の固体電解コンデンサ1Fで実装基板に汚染が確認されたのは、上述したように、溶融したヒューズ8Fが外装樹脂4から外側に流れ出したためと考えられる。
結局、実施例1〜4の固体電解コンデンサ1A〜1Dによれば、ヒューズ8を接続したことによるコンデンサ素子3と多層基板2A〜2Dとの固着強度の低下を防ぐことができる。さらに、実施例2〜4の固体電解コンデンサ1B〜1Dによれば、空間部11が形成されていることにより、実装基板に汚染を生じさせることなく、ヒューズ8を確実に溶断させることができる。
以上、本発明に係る固体電解コンデンサの好ましい実施例について説明したが、本発明は上記各実施例に限定されるものではない。
上記各実施例では、ヒューズ8は、全長3mm、パターン幅20μm、厚み16μmとしたが、全長、パターン幅、厚みは溶断特性に応じて任意に変更できる。
上記各実施例では、内層陰極電極6bにヒューズ8が接続されているが、内層陽極電極5bにヒューズ8が接続されていてもよく、多層基板2A〜2Dが、4層以上の電極層(2層以上の内層電極)を有している場合には、内層陽極電極5bまたは内層陰極電極6bのうちの少なくとも1層にヒューズ8が接続されていればよい。
ヒューズ8の位置は、任意に変更できるが、空間部11のスペース確保の観点から、上面陰極電極6aに接続したスルーホール7と下面陰極電極6cとの間の長さ方向中央付近が好ましい。ヒューズ8の形状も任意に変更でき、例えば、直線状、直線とつづら折りを組み合わせた形状、これらの一部を部分的に細くした形状等が考えられる。
ヒューズ8は、内層陰極電極6bや内層陽極電極5bの一部がエッチングされて形成されたものであってもよいし、内層陰極電極6bや内層陽極電極5bとは別の材料で形成されたものであってもよい。ヒューズ8の材料としては、銅だけでなく、アルミニウム、金、その他の合金等、任意の熱溶融金属を用いることができる。
また、上記実施例2〜4では、長さ0.08mm、幅1.2mm、高さ0.01mmの寸法の空間部11を、ヒューズ8と多層基板2B〜2Dの下面との間に形成しているが、溶融したヒューズ8が空間部11に流れ込むか、ヒューズ8に流れる過電流による熱でヒューズ8周辺に開放された空間ができるのであれば、空間部11の寸法、位置、形状は任意に変更することができる。例えば、空間部11の位置は、ヒューズ8の上方であってもよいし、ヒューズ8の同一平面上であってもよい。
空間部11の作製方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、レーザや機械的な削りによる方法を採用することができる。
空間部11は空洞でなくてもよく、例えば、空間部11内にポア材や熱収縮材を設けてもよい。
さらに、上記各実施例では、コンデンサ素子3の材料としてタンタル焼結体を用いたが、ニオブやアルミニウムのような弁作用金属焼結体や粗面化された箔状弁作用金属を用いてもよい。箔状弁作用金属の場合、例えば、厚さ0.1mmのアルミニウム箔の表面を電気化学的にエッチングしたものを用いることができる。
1A〜1F 固体電解コンデンサ
2A〜2F 多層基板
3 コンデンサ素子
3a 陽極リード(陽極部)
3b 陰極引出層(陰極部)
4 外装樹脂
5a 上面陽極電極
5b 内層陽極電極
5c 下面陽極電極
6a 上面陰極電極
6b 内層陰極電極
6c 下面陰極電極
7 スルーホール
8、8E、8F ヒューズ
9 金属条材
10 導電性接着剤
11 空間部
12 保護層

Claims (5)

  1. 上面に上面電極、下面に下面電極を有する多層基板と、
    前記多層基板の上面に載置され、前記上面電極に電気的に接続されたコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子を被覆するように前記多層基板の上面側に設けられた外装樹脂と、
    を備えた固体電解コンデンサであって、
    前記多層基板は、前記上面電極と前記下面電極との間に、前記上面電極および前記下面電極に電気的に接続された1層以上の内層電極をさらに有し、
    前記1層以上の内層電極のうち少なくとも1層の前記内層電極に、過電流が流れると溶融して溶断するヒューズが接続されており、前記ヒューズが溶断することで、前記上面電極と前記下面電極との電気的な接続が遮断されることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記多層基板には、該多層基板の下面から露出しないように前記ヒューズに隣接した位置に空間部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記多層基板には、前記ヒューズから離れた位置に空間部が設けられており、
    前記多層基板の前記ヒューズと前記空間部との間の部分は、前記ヒューズに流れる過電流による熱で変形する程度の厚みを有していることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記空間部は、前記多層基板の下面から露出していることを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記上面電極は、前記コンデンサの陽極部に電気的に接続された上面陽極電極と、前記コンデンサの陰極部に電気的に接続された上面陰極電極とを有し、
    前記内層電極は、前記上面陽極電極に電気的に接続された内層陽極電極と、前記上面陰極電極に電気的に接続された内層陰極電極とを有し、
    前記下面電極は、前記内層陽極電極に電気的に接続された下面陽極電極と、前記内層陰極電極に電気的に接続された下面陰極電極とを有し、
    前記ヒューズは、前記内層陰極電極に接続されており、
    前記ヒューズが接続された前記内層陰極電極は、前記ヒューズを介して二分割されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
JP2012190264A 2012-08-30 2012-08-30 固体電解コンデンサ Active JP5850499B2 (ja)

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