以下の例示的な複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
<第1実施形態>
図1に示された組電池1(電池、電池モジュール、電池ユニット)は、一例として、直列または並列に接続された複数の単電池3(電池、単電池部、単セル、図2参照)を有し、一例としては、二次電池(蓄電池、充電式電池)として構成されうる。組電池1は、種々の装置や、機械、設備等に設置され、それら種々の装置や、機械、設備の電源として使用されうる。例えば、組電池1は、自動車や自転車(移動体)等の比較的大型の移動型装置の電源として使用される他、POS(point of sales)システム用の電源等、定置型の電源としても使用される。また、組電池1は、例えば、携帯電話や、パーソナルコンピュータ、携帯音楽プレーヤー等の比較的小型の装置等の電源としても使用される。また、種々の装置等には、本実施形態で示される組電池1を、直列あるいは並列に複数接続したセットとして搭載することができる。また、組電池1に含まれる単電池3の数や配置等は、本実施形態で開示されるものには限定されない。
組電池1は、図1〜図3に示されるように、筐体2(第一筐体、収容体)を有している。筐体2は、複数の単電池3を収容している。筐体2は、底壁2a(壁、壁部)、側壁2b(壁、壁部)、および端壁2c(壁、壁部)を有している。底壁2aは、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。側壁2bは、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。また、側壁2bは、底壁2aの短手方向の端部に接続され、底壁2aと交叉する方向(本実施形態では一例として直交する方向)に沿って延びている。端壁2cは、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成され、底壁2aの長手方向の端部に接続されている。また、端壁2cは、底壁2aと交叉する方向(本実施形態では一例として直交する方向)に沿って延びている。また、側壁2bは、隣接する端壁2cと接続されている。
また、筐体2には、隔壁2e(壁、壁部、第一壁部、天壁)が設けられている。隔壁2eは、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。隔壁2eは、底壁2aから離間して設けられ、底壁2aに平行に設けられている。隔壁2eは、底壁2aの壁面(底面)に対する接離方向での側壁2b(端壁2c)の両端部間に位置されている。隔壁2eによって、筐体2の内部は、二つの収容部25a,25b(室、空間)に区分されている。収容部25a(第一収容部)の底は、底壁2aによって構成されており、収容部25aは、底壁2a、側壁2b、および端壁2cに囲まれている。収容部25b(第二収容部)の底は、隔壁2eによって構成され、収容部25bは、隔壁2e、側壁2b、および端壁2cに囲まれている。
また、本実施形態では、一例として、筐体2は、複数(本実施形態では、一例として二つ)の部材(ケース21,皿状部材22)を組み合わせて構成されている。具体的には、筐体2は、ケース21(第一部材、第一筐体部材)と、ケース21と結合された皿状部材22(第二部材、第二筐体部材、蓋部、蓋、皿、皿部)とを有する。
ケース21は、底壁2aと、側壁2bおよび端壁2cの端部(一端部)とを含み、有底の筒状(角筒状)に構成されている。ケース21には、収容部25aが設けられている。ケース21における底壁2a側とは反対側の端部には、開口部21aが設けられている。開口部21aは、収容部25aに含まれる。開口部21aは、皿状部材22によって覆われている。
皿状部材22は、隔壁2eと、側壁2bおよび端壁2cの端部(他端部)とを含み、有底の筒状(角筒状)に構成されている。皿状部材22の側壁2bおよび端壁2cは、隔壁2e(第一壁部)の周縁部2jに設けられ単電池3における第二収容部25bに収容された部分3jを囲った周壁2f(第二壁部)を構成している。皿状部材22には、収容部25bが設けられている。皿状部材22における隔壁2e側とは反対側の端部には、開口部22aが設けられている。開口部22aは、収容部25bに含まれる。これら複数の部材21,22は、図示されない固定具(例えばねじ等)や、溶着、接着剤等によって結合される。なお、ここで示された筐体2を構成する部材21,22の構成は、あくまで一例であって、筐体2は種々の部材の形状や、組み合わせ等によって構成されうる。
また、本実施形態では、一例として、筐体2は、合成樹脂材料や金属材料等で構成されうる。また、筐体2は、一例としては、絶縁性材料で構成される。筐体2が電導性材料で構成される場合には、必要に応じて、筐体2の外面または内面は絶縁性材料で覆われうる。また、筐体2内には、必要に応じて、シール部材が設けられる。このシール部材は、一例として、筐体2が合成樹脂材料で構成されている場合、筐体2内への水分透過を防ぐ機能を有する。
単電池3は、一例として、それぞれ、リチウムイオン二次電池として構成されることができる。なお、単電池3は、ニッケル水素電池や、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等、他の二次電池であってもよい。リチウムイオン二次電池は、非水電解質二次電池の一種であり、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う。正極材料としては、例えば、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物等が用いられ、負極材料としては、例えば、チタン酸リチウム(LTO)等の酸化物系材料や、炭素質材料、シリコン系材料等が用いられる。また、電解質(一例としては電解液)としては、例えば、フッ素系錯塩(例えばLiBF4、LiPF6)等のリチウム塩が配合された、例えば、炭酸エチレンや炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジメチル等の有機溶媒等が単独であるいは複数混合されて用いられる。
単電池3は、一例として、図4に示されるように、容器3aと、容器3aから突出した正電極部3b(電極部、電極、端子)および負電極部3c(電極部、電極、端子)と、を有している。容器3a内には、一例として、電極体と電解液とが収容されている。電極体は、一例として、発電要素である正極シート及び負極シートがセパレータを介してスパイラス状に巻かれて形成されており、容器3a内に電解液と共に収容されている。
容器3aは、扁平な概略直方体形状に形成されている。容器3aは、一例として、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属により構成されている。なお、容器3aは、例えば、合成樹脂材料等によって構成されていてもよい。容器3aは、底壁3d(壁、壁部)、天壁3e(壁、壁部)、および周壁3f(壁、壁部、亘壁)を有している。底壁3dと天壁3eとは、相互に略平行に設けられている。周壁3fは、底壁3dと天壁3eとに亘って設けられ、底壁3dと天壁3eとを接続している。容器3aは、複数の部材によって構成されうる。
また、容器3aは、正電極部3bおよび負電極部3cが設けられた端部3g(一端部、第一端部、端部)と、端部3gの反対側の端部3h(他端部、第二端部、端部)と、を有している。端部3gは、天壁3eを含む。端部3hは、一例として、底壁3dを含む。正電極部3bおよび負電極部3cは、一例として、天壁3eに設けられている。これらの正電極部3b及び負電極部3bは、電極体の正極及び負極にそれぞれ接続されており、天壁3eの外面(上面)から突出している。
また、容器3aには、安全弁3i(弁、弁部)が設けられている。安全弁は、一例として、天壁3eに設けられている。安全弁3iは、容器3a内の圧力上昇により容器3aを開放する。安全弁3iは、詳細には、容器3aの圧力上昇により、容器3aに設けられた薄肉部3m(脆弱部)で当該天壁3eが切れることによって容器3aを開放する。安全弁3iは、単電池3の異常などにより容器3a内にガスが発生して容器3aの内圧が所定値以上に上昇した場合、開状態となって容器3a内のガスを放出し、容器3aの内圧を下げる。なお、容器3aに設けられる弁としては、例えばリリーフ弁であってもよい。
本実施形態では、一例として、図2に示されるように、複数の単電池3は、その厚さ方向に重ねて筐体2内に配置されている。複数の単電池3は、端壁2cに重ねて筐体2内に配置されている。複数の単電池3は、相互に間隔をあけて配置されている。単電池3は、隔壁2eを貫通している。詳しくは、隔壁2eには、各単電池3に対応して開口部2i(開口、孔、図5)が設けられており、単電池3の容器3aが開口部2iに挿通されている。底壁3dを含む単電池3の端部3hは、収容部25aに収容され、正電極部3bおよび負電極部3cが設けられた単電池3の端部3gは、収容部25bに収容されている。
また、本実施形態では、収容部25bには、一例として、図2,5に示されるように、導電部材4(バスバー、接続部材)、正電極部31(図5)、負電極部32、および監視装置33(電気部品、基板装置、基板ユニット)が収容されている。
導電部材4は、複数の単電池3の正電極部3bや負電極部3cに電気的に接続されている。単電池3は、導電部材4を介して直列または並列に接続されている。図2等では、複数の単電池3の正電極部3bに電気的に接続された導電部材4と、複数の単電池3の負電極部3cに電気的に接続された導電部材4との二つの導電部材4によって、複数の単電池3が並列に接続された例が示されている。導電部材4は、一例として、導電性の金属材料によって構成されている。導電部材4は、図示されない固定具(例えばねじ等)や、溶接、溶着、接着剤等によって、正電極部3bや負電極部3cに結合(接合、連結、接続)される。
正電極部31(電極部)および負電極部32(電極部)は、一例として、少なくとも一部が収容部25bに収容されている。正電極部31(電極部)は、単電池3の正電極部3b(電極部)に接続され、負電極部32は、単電池3の負電極部3cに接続されている。本実施形態では、一例として、正電極部31は、一方の導電部材4を介して、単電池3の正電極部3bに接続され、負電極部32は、他方の導電部材4を介して、単電池3の負電極部3cに接続されている。
監視装置33は、一例として、単電池3に電気的に接続され、組電池1の電圧等を監視して当該電圧等(監視結果)を上位の装置に送信する。監視装置33は、一例として、図示されない固定部等によって、隔壁2e(筐体2)に固定されている。この固定部は、一例として、ねじやボス等を含む。監視装置33は、一例として、図示されない配線を介して、単電池3の正電極部3bおよび負電極部3cと電気的に接続されており、これにより、組電池1の電圧を監視可能となっている。監視装置33は、一例として、基板と、基板に実装された電気部品と、を含む。また、監視装置33には、接続部34(図5)が設けられており、監視装置33は、この接続部34を介して上位の装置と通信を行う。接続部34は、一例として、一又は複数のコネクタを含んでおり、一又は複数の装置と接続可能である。
また、本実施形態では、一例として、図2,5に示されるように、収容部25bには、絶縁性の覆部5が設けられている。覆部5は、一例として、収容部25bに入れられた絶縁性の樹脂材料によって構成されている。当該樹脂材料は、一例として、熱可塑性を有する。また、当該樹脂材料は、例えば、紫外線(UV)硬化性、2液混合による硬化性、吸湿硬化性であってもよく、特に紫外線硬化性は有効である。
覆部5は、一例として、単電池3のうち正電極部3bおよび負電極部3cを含み第二収容部25bに収容された部分3j(被収容部)と、導電部材4と、監視装置33と、を覆っている(被覆している、封止している)。単電池3の部分3jは、単電池3のうち電極部(正電極部3bおよび負電極部3c)を含む当該単電池3の一部に相当する。また、覆部5は、監視装置33と単電池とを電気的に接続した配線(図示されず)も覆っている。単電池3の部分3jと、導電部材4と、監視装置33とは、収容部25bで覆部5に埋まっている。また、覆部5は、正電極部31の端部31aおよび負電極部32の端部32aを露出させた状態で、正電極部31の一部および負電極部32の一部を覆っている。これにより、正電極部31および負電極部32に導電部材や配線等を接続可能となっている。また、覆部5は、接続部34における装着部34aを露出させた状態で接続部34の一部を覆っている。これにより、装着部34aに他のコネクタを装着可能となっている。
本実施形態では、一例として、筐体2に単電池3、導電部材4、および監視装置33等が組み付けられた状態で、溶融状態の樹脂材料が皿状部材22の収容部25bに流し込まれる(充填される)。そして、当該樹脂材料が単電池3、導電部材4、および監視装置33等を覆った状態で固まることで、覆部5が形成される。この際、皿状部材22は、樹脂材料を受ける受け部材(受け皿)として機能する。このとき、覆部5を構成する樹脂材料は、筐体2を構成する樹脂材料よりも融点が低いことが好適である。これにより、覆部5を構成する溶融状態の樹脂材料が収容部25bに流し込まれた際に、筐体2が溶融することを抑制することができる。本実施形態では、覆部5を構成する樹脂材料、皿状部材22を構成する樹脂材料、ケース21を構成する樹脂材料の順で融点が高い。また、覆部5を構成する樹脂材料や、皿状部材22を構成する樹脂材料、ケース21を構成する樹脂材料は混合部材であってもよい。この場合、覆部5を構成する樹脂材料、皿状部材22を構成する樹脂材料、ケース21を構成する樹脂材料の順で軟化点(熱軟化点、軟化開始温度)が高い。混合部材は、例えば、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)等である。覆部5は、一例としては、ポッティング加工によって形成されうる。
なお、覆部5は、単電池3、導電部材4、および監視装置33等の表面(外面)を覆った膜であってもよい。この場合、一例として、樹脂貯蔵容器内に貯留された溶融樹脂材料中に、筐体2から単電池3、導電部材4、および監視装置33が露出した状態の組電池1(図3)を図3の状態から上下逆にして浸して、単電池3、導電部材4、および監視装置33の表面に溶融状態の樹脂材料を付着させる。その後、組電池1を樹脂貯蔵容器から引き出して、単電池3、導電部材4、および監視装置33の表面に付着させた樹脂材料を冷却して固める。これにより、膜状の覆部5が形成される。この際、正電極部31の端部31a、負電極部32の端部32a、および接続部34の装着部34aには、一例として、マスキングを施すことで、樹脂材料を付着させないようにする。
以上の構成の組電池1に、一例として、図6に示されるように、外部から外力F(衝撃)が加わった場合に、安全弁3i(図4)が開いて、単電池3の容器3a内の電解質やガスが容器3a外へ噴出することがある。この場合、噴出した電解液やガスは、一例として、覆部5と筐体2との間の微小な隙間を通って組電池1外へ放出される。ここで、噴出した電解液やガスが、相互に離間した導電部(正電極部3bや、負電極部3c、導電部材4等)間に入ると、スパークや短絡が発生する可能性があるが、上述のとおり、本実施形態では、絶縁性の覆部5が、正電極部3bおよび負電極部3cを含む単電池3の部分3jと、導電部材4と、を覆っているので、相互に離間した導電部(正電極部3bや負電極部3c、導電部材4等)間に、電解液やガスが充満するのが抑制されて、スパークや短絡の発生が抑制される。相互に離間した導電部は、一例として、正電極部3bと負電極部3cとである。
また、一例として、図7に示されるように、組電池1に、外部雰囲気温度の急激な変化によって結露40が発生することがある。この場合、絶縁性の覆部5が、正電極部3bおよび負電極部3cを含む単電池3の部分3jと、導電部材4と、を覆っているので、相互に離間した導電部(正電極部3bや、負電極部3c、導電部材4等)間が、結露40によって接続されるのが抑制されて、スパークや短絡の発生が抑制される。
以上説明したとおり、本実施形態では、絶縁性の覆部5が、正電極部3bおよび負電極部3cを含む単電池3の部分3jと、導電部材4と、を覆っている。したがって、本実施形態によれば、覆部5によって、相互に離間した導電部(正電極部3bや、負電極部3c、導電部材4等)間でのスパークや短絡の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、絶縁性の覆部5が、単電池3のうち正電極部3bおよび負電極部3cを含み第二収容部25bに収容された部分3jと導電部材4とを覆っている。したがって、本実施形態によれば、覆部が単電池全体と導電部材とを覆った場合に比べて、覆部5が小さくて(樹脂材料が少なくて)済むので、覆部5を比較的容易に短時間に形成することができる。また、本実施形態では、筐体2に隔壁2eが設けられているので、覆部5を形成する際に、一例として、覆部5を構成する溶融材料が収容部25bから収容部25aへ移動するのを隔壁2eによって抑制することができる。
また、本実施形態では、一例として、単電池3の部分3jと導電部材4とが、第二収容部25bで覆部5に埋まっている、したがって、覆部5によって、単電池3の部分3jと導電部材4とを保護することができる。
また、本実施形態では、覆部5は、単電池3に電気的に接続された監視装置33を覆っている。したがって、本実施形態によれば、覆部5によって、監視装置33内や、監視装置33と他の部品(正電極部3bや、負電極部3c、導電部材4)との間でのスパークや短絡の発生を抑制することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、図8,9に一例が示されるように、単電池1は、第1実施形態と同様に、容器3aと、容器3aに設けられ、容器3a内の圧力上昇により容器3aを開放する安全弁3iとを有している。覆部5は、安全弁3iを覆っている。これは、覆部5における安全弁3iと重なった部分には、凹部5cが設けられている。これにより、覆部5における安全弁3iを覆った第一部分5aは、覆部5における第一部分5aの周囲5bよりも厚さが薄くなっている。なお、第一部分5aの厚さおよび周囲5bの厚さは、一例として、図9中の矢印Zで示される方向での厚さである。
以上の構成において、一例として、安全弁3iが開いて容器3a内のガスが容器3a外へ放出されると、当該放出されたガスの圧力によって覆部5の第一部分5aが破断して、この破断した部位からガスが放出される。よって、安全弁3iから放出されたガスを良好に組電池1外へ放出することができる。
<変形例>
本変形例では、図10に一例が示されるように、凹部5cに替えて、覆部5に、安全弁3iを露出させた開口部5dが設けられている。この場合、例えば、安全弁3iを囲う円筒部材を単電池3の天壁3eに設けて、当該円筒部材の内部を開口部5dとしてもよい。
以上の構成において、一例として、安全弁3iが開いて容器3a内のガスが容器3a外へ放出されると、当該放出されたガスは、開口部5dを通って放出される。よって、安全弁3iから放出されたガスを良好に組電池1外へ放出することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、図11に一例が示されるように、単電池1は、第1実施形態と同様に、容器3aと、容器3aに設けられ、容器3a内の圧力上昇により容器3aを開放する安全弁3iとを有している。本実施形態では、安全弁3iは、一例として、単電池3の容器3aの周壁3fに設けられている。このとき、安全弁3iは、容器3a内の電解液の液面よりも高い位置に設けられるのが好適である。そして、安全弁3iは、収容部25a内に位置されている。また、本実施形態では、筐体2には、収容部25aの内外を連通した開口部2k(第二開口部)が設けられている。開口部2kは、一例として、筐体2の側壁2bに設けられている。
以上の構成において、一例として、安全弁3iが開いて容器3a内のガスが容器3a外へ放出されると、当該放出されたガスは、開口部2kを通って放出される。よって、安全弁3iから放出されたガスを良好に組電池1外へ放出することができる。
<第4実施形態>
本実施形態では、一例として、図12および図13に示される蓄電池装置A(電源装置、電池パック、電池冷却構造)は、組電池1(電池、図13参照)を内蔵している。一例として、組電池1は、複数設けられている。複数の組電池1は、直列または並列に接続(電気的に接続)されている。なお、図13では、一例として、複数の組電池1が直列に接続された例が示されている。また、図13では、組電池1は概略的に示されている。
組電池1は、収容体100(筐体、容器、収容部)に収容されている。収容体100には、絶縁性の液体200(絶縁液、絶縁媒体)が入れられている。即ち、収容体100は、液体200を貯留している。各組電池1は、収容体100内で液体200に浸されている(浸漬されている)。液体200としては、例えば、絶縁油やフッ素系不活性液体等を用いることができる。
収容体100は、一例として、概略直方体状の外観を呈している。また、本実施形態では、一例として、収容体100は、底壁100aや、側壁100b、端壁100c、天壁100d等の複数の壁部(壁)を有している。底壁100a(壁部)は、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。側壁100b(壁部)は、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。また、側壁100bは、底壁100aの長手方向の端部に接続され、底壁100aと交叉する方向(本実施形態では一例として直交する方向)に沿って延びている。端壁100c(壁部)は、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成され、底壁100aの短手方向の端部に接続されている。また、端壁100cは、底壁100aと交叉する方向(本実施形態では一例として直交する方向)に沿って延びている。また、側壁100bは、隣接する端壁100cと接続されている。天壁100d(壁部)は、四角形状(例えば長方形状)の板状に形成されている。また、天壁100dは、側壁100bおよび端壁100cの端部に接続され、側壁100bおよび端壁100cと交叉する方向(本実施形態では一例として直交する方向)に沿って延びている。底壁100aおよび天壁100dは、それらの内面(収容体100の内側の面)同士が面した(対向した)状態で並んで(本実施形態では、一例として平行に)配置されている。二つの側壁100bは、それらの内面同士が面した(対向した)状態で並んで(本実施形態では、一例として平行に)配置されている。また、二つの端壁100cは、それらの内面同士が面した(対向した)状態で並んで(本実施形態では、一例として平行に)配置されている。
また、収容体100は、金属材料や絶縁性を有した合成樹脂材料等によって構成される。また、本実施形態では、一例として、収容体100は、複数(本実施形態では、一例として二つ)の部材(容器部101および蓋部102)の組み合わせとして構成されている。容器部101(部材、容器、容器部材、本体部)は、底壁100a、側壁100b、および端壁100cを含む。容器部101には、組電池1の挿入(挿脱)が可能な凹状(直方体状)の室100e(収容室、収容部、凹部)が設けられている。室100eは、底壁100a、側壁100b、端壁100c等によって囲まれている。室100eの上面には、組電池1の挿入(挿脱)が可能な開口部100e2が設けられている。容器部101(室100e)には、液体200が入れられている。蓋部102(部材、蓋、蓋部材)は、天壁100dを含む。蓋部102は、容器部101に取り付けられて開口部100e2を閉じている。
本実施形態では、一例として、図13に示されるように、収容体100は、天壁100dの周縁部が側壁100bの外面よりもフランジ状に外側に張り出した張出部100fを有している。張出部100fは、上壁100g(壁部)、下壁100h(壁部)を有する。上壁100gは、蓋部102の天壁100dの周縁部である。下壁100hは、容器部101の側壁100bの蓋部102側の端部から上壁100gに面した状態に張り出している。下壁100hには、環状の凹部100h1(空間、収容室、収容部)が形成されている。本実施形態では、一例として、凹部100h1には、シール部材120が収容されている。容器部101および蓋部102は、一例として、図示されない固定具(例えばねじ等)や、接着剤等によって結合(固定)されている。本実施形態では、一例として、容器部101および蓋部102は、固定具(例えばねじ等)によって固定され、蓋部102は容器部101に着脱可能となっている。本実施形態では、一例として、張出部100fの上壁100gと下壁100hとが固定具によって固定されている。そして、シール部材120によって、容器部101と蓋部102との間のシール性(気密性、液密性)が保たれている(確保されている)。
また、一例として、容器部101の底壁100aには、排出口100i(開口、開口部)が設けられている。排出口100iは、容器部101(室100e)の内外を連通する。排出口100iは、閉塞部材103(蓋部)によって閉塞されている。閉塞部材103は、底壁100aに、例えばねじ等によって着脱可能に取り付けられている。閉塞部材103が底壁100aから取り外されることで、排出口100iが開放されて、容器部101(室100e)内の液体200が排出口100iから排出される。
また、一例として、容器部101には、点検部100jが設けられている。点検部100jは、一例として、一対の側壁100bのうちの一方の側壁100bから突出している。点検部100jには、上方に開口した点検口100k(開口、開口部)が設けられており、点検口100kは、容器部101(室100e)の内外を連通する。点検口100kは、閉塞部材104(蓋部、サービスバルブ)によって閉塞されている。閉塞部材104は、点検部100jに、例えばねじ等によって着脱可能に取り付けられている。閉塞部材104が点検部100jから取り外されることで、点検口100kが開放されて、容器部101(室100e)内の点検が可能となる。一例としては、点検棒(図示せず)を点検口100kから容器部101内に挿入してから引き出して、点検棒に付着した液体200を観察することで液体200の状態や液量が点検されうる。また、点検口100kから液体200を容器部101に注入することも可能である。したがって、点検口100kは、注液口ということもできる。
また、一例として、容器部101には、レベルスイッチ105(第一レベルスイッチ、第一液体検出センサ、第一センサ、センサ、上限センサ)と、レベルスイッチ106(第二レベルスイッチ、第二液体検出センサ、第二センサ、センサ、下限センサ)と、圧力センサ107(第三センサ、センサ)とが設けられている。レベルスイッチ105,106は、液体200(の有無)を検出する。圧力センサ107は、容器部101内の圧力(液体200の圧力)を検出する。
レベルスイッチ105,106、および圧力センサ107は、一例として、一対の側壁100bのうちの他方の側壁100bに設けられている。即ち、レベルスイッチ105,106、圧力センサ107は、一例として、点検部100jが設けられていない方の側壁100bに設けられている。レベルスイッチ105,106、および圧力センサ107は、側壁100bを貫通して設けられて、それらの先端部(センサ部、検出部)が容器部101内に位置されている。一例として、レベルスイッチ105は、容器部101の上端部に位置され、レベルスイッチ106は、レベルスイッチ105の下方に位置され、圧力センサ107は、レベルスイッチ106の下方に位置されている。本実施形態では、一例として、容器部101に規定量(第1規定量)の液体200が入れられた状態では、容器部101には、液体200の上方に気体300(気体層、空気、ガス)が存在する。そして、この状態で、レベルスイッチ105は、液体200には浸されずに気体300に曝され、レベルスイッチ106および圧力センサ107は、液体200に浸される。
蓋部102には、当該蓋部102に組電池1を取り付けた取付部108(取付部材、吊り下げ部、吊り下げ部材、保持部、保持部材、フレーム)が設けられている。取付部108は、一例として、蓋部102に吊り下げ状態で取り付けられている。取付部108は、一例として、一対の腕部108a(第一部、側部、壁部)と、一対の腕部108aの下端部同士を接続した底部108b(底壁部、壁部)と、を有している。各腕部108aの上端部には、一例として、一対の張出部108c(固定部)が設けられている。一対の張出部108cは、相互に離れる方向に、各腕部108aから蓋部102の下面102a(内面)に沿って延出している。これら張出部108cは、一例として固定具116(ねじ)によって、蓋部102に着脱可能に固定されている。
取付部108は、複数の組電池1を支持している。一例として、複数の組電池1は、底部108bに置かれた状態で、取付部108に図示されない固定具(例えばねじ等)や、接着剤等によって結合されている。組電池1は、筐体2の天壁2dが、収容体100の端壁100cに面する姿勢で、取付部108に支持されている。取付部108に支持された組電池1は、容器部101の内面101aから離間されている。詳細には、組電池1は、内面101aを構成する底面101bおよび周面101cから離間されている。底面101bは、底壁100aの内面によって構成され、周面101cは、側壁100bの内面および端壁100cの内面によって構成されている。組電池1と内面101a(底面101b、周面101c)との間には液体200が存在する。取付部108は、一例として、金属材料や絶縁材料(合成樹脂等)によって構成される。取付部108に支持された複数の組電池1は、一例として、その全体が液体200の液面200aの下方に位置されている。また、取付部108に支持された複数の組電池1は、一例として、導電部材109(接続部材)を介して直列に接続されている。導電部材109は、一例として、導電性の金属材料によって構成されている。
また、一例として、蓋部102には、正電極部110(電極部)、負電極部111(電極部)が設けられている。正電極部110は、複数の組電池1のうちのある組電池1の正電極部31に導電部材109を介して接続され、負電極部111は、複数の組電池1のうちの他のある組電池1の負電極部32に導電部材109を介して接続されている。正電極部110、負電極部111、および複数の組電池1は、導電部材109を介して接続(電気的に接続)されて、電気回路112(第一電気回路、回路、第一回路)を構成している。即ち、電気回路112は、組電池1と電極部(正電極部110、負電極部111)とを含む。電気回路112には、遮断装置113(サービスプラグ)が設けられている。遮断装置113は、一例として隣合う組電池1のうちの一方の組電池1の正電極部110と他方の組電池1の負電極部111との間に設けられている。遮断装置113は、通常は電気回路112を接続しているが、所定の操作を受けることで電気回路112を遮断する。これにより電気回路112の通電が遮断される。
正電極部110および負電極部111は、組電池1に電気的に接続され収容体100から露出している。正電極部110および負電極部111は、閉塞部材114(蓋部、蓋部材)に設けられている。閉塞部材114は、蓋部102に設けられた開口部102b(開口、挿通孔)を閉じている。蓋部102の開口部102bの周縁部には、開口部102bを囲った環状の凹部102c(空間、収容室、収容部)が形成されている。本実施形態では、一例として、凹部102cには、シール部材115が収容されている。閉塞部材114は、蓋部102に、一例としてねじによって固定され、閉塞部材114は蓋部102に着脱可能となっている。そして、シール部材115によって、閉塞部材114と蓋部102との間のシール性(気密性、液密性)が保たれている(確保されている)。
また、一例として、蓋部102には、管理装置117(第一電気部品、基板装置、第一基板装置)が設けられている。管理装置117は、基板にCPU51(図14参照)等の電気部品が実装されて構成されている。管理装置117は、各組電池1に設けられた監視装置33(第二電気部品、基板装置、第二基板装置、図14参照)の制御および管理を行う。管理装置117は、蓋部102の上面102d(外面)に設けられた支持部102eに、図示されない固定具(例えばねじ等)や、接着剤等によって結合(固定)されている。管理装置117は、各組電池1に電気的に接続されている。管理装置117は、収容体100に収容された配線118(信号線、電線、ケーブル)を介して、組電池1に設けられた監視装置33に接続されている。配線118は、監視装置33の接続部34(図13では図示されず、図1参照)に接続されている。配線118は、コネクタ119を介して管理装置117に接続されている。コネクタ119は、防水(防油)機能を有している。コネクタ119は、蓋部102(収容体100)に設けられた開口部102f(開口、挿入孔)に挿入されて、開口部102fを閉塞している。コネクタ119は、配線118と管理装置117とを電気的に接続するとともに開口部102fを液体200が通過するのを規制する。よって、開口部102fから液体200が漏れることをコネクタ119が抑制する。各組電池1に設けられた監視装置33は、一例として、配線118によって直列に接続されている。各配線118は、一例として、監視装置33の接続部34に接続されている。
また、収容体100の蓋部102には、一例として、リリーフ弁121(弁、第一弁)と、安全弁122(弁、第二弁)とが設けられている。リリーフ弁121および安全弁122は、収容体100内の圧力上昇により収容体100を開放する。安全弁122は、詳細には、収容体100の圧力上昇により蓋部102に設けられた薄肉部122a(脆弱部)で当該蓋部102が切れることによって収容体100を開放する。一例として、リリーフ弁121は、収容体100内の圧力が第一圧力以下の場合は閉弁状態であり、収容体100内の圧力が第一圧力を超えた場合に開弁する。一方、安全弁122は、収容体100内の圧力が第二圧力以下の場合は閉弁状態であり、収容体100内の圧力が第二圧力を超えた場合に開弁する。第二圧力は第一圧力よりも高い圧力である。上記構成により、収容体100の圧力が高まり収容体100内の圧力が第一圧力を超えると、リリーフ弁121が開弁して、一例として、気体300が収容体100の外へ出る。また、一例として収容体100の圧力が急激に高まり収容体100内の圧力が瞬間的に第一圧力および第二圧力を超えると、リリーフ弁121が開弁するとともに安全弁122が開弁して、一例として気体300が収容体100の外へ出る。
また、蓄電池装置Aは、一例として、図14に示されるように、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、およびRAM(Random Access Memory)53を有する。これらのCPU51、ROM52、およびRAM53は、アドレスバス、データバス等のバスライン54を介して接続されてコンピュータを構成している。CPU51、ROM52、およびRAM53は、管理装置117の基板に実装されて管理装置117の一部を構成している。CPU51は、制御部の一例である。
CPU51は、ROM52に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、蓄電池装置Aの各部を制御する。ROM52は、CPU51が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM53は、CPU51が実行する各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶する。
また、CPU51には、レベルスイッチ105,106、圧力センサ107、および監視装置33がバスライン54を介して接続されている。また、CPU51には、通信部としての通信インタフェース(図面ではI/F)131や報知部132がバスライン54を介して接続されている。通信インタフェース131は、外部装置との間の通信を行う。報知部132は、例えば、表示部や音声出力部等によって構成されて、各種の情報を報知(出力)する。表示部は、例えば液晶表示器やLED(Light Emitting Diode)等である。音声出力部は、例えばスピーカやブザー等である。報知部132は、一例として収容体100の蓋部102に設けられて、収容体100の外部に露出している。
次に、CPU51がプログラムに従って行う各種の処理のうち管理処理の一例を説明する。管理処理では、CPU51は、レベルスイッチ105が液体200を検出した場合、レベルスイッチ105によって液体200が検出された旨を、報知部132に報知させる。この報知は、一例として、ユーザが点検口100kから液体200を注入した際に、液体200を入れすぎた場合などになされる。また、CPU51は、レベルスイッチ106が液体200を検出した場合、レベルスイッチ106によって液体200が検出された旨を、報知部132に報知させる。この報知は、一例として、何らかの理由によって液体200が収容体100から漏れる等して液体200の量が少なくなった場合になされる。また、CPU51は、圧力センサ107が検出した圧力が規定圧力を超えた場合には、圧力が規定圧力を超えた旨を、報知部132に報知させる。この報知は、一例として、何らかの理由により収容体100内の圧力が高くなった場合になされる。
以上説明したとおり、本実施形態では、組電池1が収容体100内で絶縁性の液体200に浸されている。したがって、本実施形態によれば、一例として、液体200によって組電池1と収容体100との間でより効率良く熱を伝達することができる。すなわち、一例として、充放電中の自己発熱によって組電池1の温度が上昇し、液体200に組電池1の熱が伝わると、組電池1の近傍領域の液体200の温度が上昇し、他の領域の液体200に対して密度が下がり浮力が生じ対流が発生する。すると、熱せられた組電池1の近傍領域の液体200は収容体100の上方(蓋部102の方向)に移動し、また移動した液体200は収容体100の側方(側壁100bおよび端壁100cの方向)に拡散し、組電池1の熱を収容体100の壁部あるいは蓋部102に伝達する。よって組電池1の熱が液体200によって収容体100に広い面で伝達されるので収容体100の温度が上昇し、外部に対して広い面で大量の熱を放出することができる。一方、液体200が移動した組電池1の近傍領域には他の領域の液体200が流れ込み、組電池1の熱によって液体200の温度が再び上昇し、流れ込んだ液体200は収容体100の上方(蓋部102の方向)に移動する。この繰り返しによって液体200は収容体100の内部で連続的に対流および拡散するので、組電池1の熱が液体200によって収容体100に効率良く伝達され、組電池1の熱を収容体100から外部に放出することができる。即ち、組電池1を冷却することができる。これにより、組電池1の良好な出力特性が得られる。
また、本実施形態では、収容体100内に気体300が存在しているので、液体200が攪拌されやすい。すなわち、一例として本実施形態の蓄電池装置Aを自動車などの移動体に使用した場合、自動車の走行中の振動または可減速による加速度などにより液体200が収容体100内で揺動し攪拌される。この攪拌により、熱せられた液体200はより速やかに収容体100の壁部あるいは蓋部102に到達し、組電池1の熱が収容体100に速やかに伝達される。さらに攪拌により相対的に温度の低い液体200がより速やかに組電池1の近傍に流れ込むことができるため、組電池1の熱を効率よく液体200に伝達する効果が生じる。
また、本実施形態では、組電池1が絶縁性の液体200に浸されるので、組電池1が絶縁性の液体200によって保護および絶縁され、組電池1に錆が発生したり短絡が発生したりすることを抑制することができる。また、本実施形態では、組電池1を絶縁性の液体200に浸すことで伝熱を行うので、例えば水冷ジャケットを用いて組電池1の冷却を行う場合に比べて、流路配管や流路接続部を不要とすることができるので、蓄電池装置Aを簡素な構成とすることができる。よって、蓄電池装置Aの組み立て性の向上やコスト低減を図ることができるとともに、構造安全性を向上させることができる。また、本実施形態では、組電池1を絶縁性の液体200に浸すことで伝熱を行うので、空冷に比べて、液体200の熱容量が極めて大きく、組電池1の熱を空冷に対して大量に奪って熱輸送することができるので、効率良く組電池1の冷却を行うことができる。なお、水冷などの導電性液体を使用した場合の冷却では、液に組電池1を直接浸すと組電池1が短絡してしまうためジャケットなどによって組電池1に対する液の隔離が必要となる。
また、本実施形態では、複数の組電池1を絶縁性の液体200に浸すので、上述した絶縁性の液体200の対流、拡散、攪拌、熱輸送により複数の組電池1の熱を相互に短時間で熱交換することができ、複数の組電池1間での冷却や加熱のばらつきを抑制することができる。よって、複数の組電池1間の寿命のばらつきを抑制し、従来に対して蓄電池装置Aを長寿命とすることができる。
また、本実施形態では、収容体100は、容器部101と蓋部102とを備えている。容器部101には、組電池1の挿入が可能な開口部100e2が設けられ、容器部101には、液体200が入れられている。蓋部102は、容器部101に取り付けられて開口部100e2を閉じている。そして、組電池1が、取付部108によって蓋部102に取り付けられている。したがって、蓋部102を容器部101に取り付けることで、組電池1が容器部101内に位置されるので、蓄電池装置Aの製造が比較的に容易に行われる。この際、液体200は、蓋部102を取り付ける前に予め開口部100e2や点検口100kから容器部101に入れておいてもよいし、蓋部102を取り付けた後に点検口100kから容器部101に入れておいてもよい。
また、本実施形態では、蓋部102に、正電極部110、負電極部111、遮断装置113、管理装置117およびリリーフ弁121等が集中して設けられている。また、組電池1を取付部108に取り付けて支持し、取付部108を張出部108cを介して蓋部102に脱着可能に固定し、蓋部102を容器部101に取り付ける構造としている。よって、一例として、正電極部110、負電極部111等が配設され組電池1が取付部108を介して固定された蓋部102をワイヤーで吊り下げ、液体200が浸された容器部101に対して配置し固定することができる。したがって、蓄電池装置Aの製造が比較的に容易に行われる。
また、本実施形態では、組電池1は、容器部101の内面101a(底面101b、周面101c)から離間されている。したがって、内面101aと組電池1との間に液体200が存在するので、上述した充放電中の自己発熱によって組電池1の温度が上昇したときに組電池1の近傍領域に液体200が流れ込みやすく、または攪拌により、熱せられた液体200の組電池1の近傍からの流れ出しと相対的に温度の低い液体200の組電池1の近傍への流れ込みが発生しやすくなり、結果として組電池1と収容体100(外部の空気)との間で効率良く熱を伝達することができる。
また、本実施形態では、収容体100に、収容体100内の圧力上昇により収容体100を開放するリリーフ弁121や安全弁122が設けられている。したがって、収容体100内の圧力が上昇した際、リリーフ弁121や安全弁122によって、収容体100内の過度の圧力上昇を抑えることができる。
<第5実施形態>
本実施形態の蓄電池装置Aでは、図15に示されるように、収容体100Aが複数設けられている。収容体100Aは、相互に積み重ねられている。各収容体100Aには、液体200が入れられている。また、組電池1は、複数設けられて、複数の収容体100Aに入れられている。即ち、各収容体100Aには、液体200および組電池1が入れられている。複数の組電池1は、直列または並列に接続されている。図15では、複数の組電池1が直列に接続された例が示されている。また、図15では、組電池1は概略的に示されている。
収容体100Aは、第4実施形態の収容体100と同様に、一例として、概略直方体状の外観を呈している。また、本実施形態では、第4実施形態の収容体100と同様に、一例として、収容体100Aは、底壁100aや、側壁100b、端壁100c、天壁100d等の複数の壁部(壁)を有している。収容体100Aは、一例として、複数の部材(底壁100aや、側壁100b、端壁100c、天壁100d)の組み合わせとして構成されている。各部材(底壁100aや、側壁100b、端壁100c、天壁100d)は、一例として、図示されない固定具(例えばねじ等)や、接着剤等によって結合(固定)されている。収容体100Aの内部には、室100eが形成されている。収容体100A(室100e)には、液体200が入れられている。また、収容体100Aは、隔壁100pを有している。隔壁100pは、一対の側壁100b間に位置されて、底壁100aと天壁100dとを接続している。収容体100Aの内部(室100e)は、隔壁100pによって、二つの室100e2,100e3に区分けされている。一方の室100e2には、複数の組電池1等が収容され、他方の室100e3には、導電部材109等が収容されている。隔壁100pには、複数の開口部100p1が設けられている。これらの開口部100p1を介して、二つの室100e2,100e3間の液体200の流動が可能となっている。また、開口部100p1には、導電部材109が挿入されている。
また、本実施形態では、一例として、収容体100Aは、天壁100dの周縁部が側壁100bの外面よりもフランジ状に外側に張り出した張出部100fと、底壁100aの周縁部が側壁100bの外面よりもフランジ状に外側に張り出した張出部100mと、を有している。
本実施形態では、一例として、上下で隣合う収容体100Aの内部同士は、流路100n(第一流路)によって連通されている。流路100nは、収容体100A間での液体200の流動を許容する。流路100nは、上下で隣合う収容体100Aのうち上側に位置された収容体100Aの底壁100aに設けられた開口部100n1と、上下で隣合う収容体100Aのうち下側に位置された収容体100Aの天壁100dに設けられた開口部100n2とを含む。流路100nは、一例として、室100e2,100e3毎に設けられている。流路100nには、電気回路112を構成する導電部材109が挿通されている。
また、本実施形態では、一例として、排出口100iは、最下位に位置された収容体100Aの底壁100aに設けられている。排出口100iは、閉塞部材103(蓋部)によって閉塞されている。閉塞部材103が底壁100aから取り外されることで、排出口100iが開放されて、各収容体100A(室100e)内の液体200が排出口100iから排出される。
本実施形態では、組電池1は、収容体100Aの底部としての底壁100aに載置されている。組電池1は、一例として、底壁100aに載置され、隣合う組電池1間、および組電池1と隔壁100pとの間には、緩衝材135が設けられ、組電池1はこれら緩衝材135により側壁100b、端壁100c、隔壁100pに対して相互に押圧固定されている。緩衝材135は、例えば板状のゴムやスポンジ等である。
また、本実施形態では、一例として、正電極部110(電極部)、負電極部111(電極部)は、最上位に位置された収容体100Aの一方の側壁100bに設けられている。正電極部110は、複数の組電池1のうちのある組電池1の正電極部31に導電部材109を介して接続され、負電極部111は、複数の組電池1のうちの他のある組電池1の負電極部32に導電部材109を介して接続されている。正電極部110、負電極部111、および複数の組電池1は、導電部材109を介して接続(電気的に接続)されて、電気回路112(第一電気回路、回路、第一回路)を構成している。また、電気回路112に含まれる遮断装置113は、一例として、最下位と最上位との間の収容体100Aの一方の側壁100bに設けられている。
正電極部110および負電極部111は、最上位の収容体100Aから露出している。正電極部110および負電極部111は、閉塞部材114(蓋部、蓋部材)に設けられている。閉塞部材114は、最上位の収容体100Aの側壁100bに設けられた開口部102bを閉じている。開口部102bの周縁部には、開口部102bを囲った環状の凹部102c(空間、収容室、収容部)が形成されている。本実施形態では、一例として、凹部102cには、シール部材115が収容されている。閉塞部材114は、側壁100bに、一例として固定具(ねじ)によって固定され、閉塞部材114は側壁100bに着脱可能となっている。そして、シール部材115によって、閉塞部材114と側壁100bとの間のシール性(気密性、液密性)が保たれている(確保されている)。
また、一例として、他方の側壁100bには、管理装置117(図15では図示されず、図13参照)が設けられている。管理装置117は、当該管理装置117が設けられた収容体100Aに収容された各組電池1に設けられた監視装置33の制御および管理を行う。管理装置117は、収容体100Aに収容された配線118を介して、監視装置33に接続されている。配線118は、監視装置33の接続部34(図15では図示されず、図1参照)に接続されている。配線118は、コネクタ119を介して管理装置117に接続されている。コネクタ119は、他方の側壁100bに設けられた開口部102fに挿入されて、開口部102fを閉塞している。コネクタ119は、配線118と管理装置117とを電気的に接続するとともに開口部102fを液体200が通過するのを規制する。よって、開口部102fから液体200が漏れることをコネクタ119が抑制する。複数の監視装置33は、一例として、配線118によって直列に接続されている。各配線118は、一例として、監視装置33の接続部34に接続されている。
また、本実施形態では、一例として、リリーフ弁121は、最上位の収容体100Aの天壁100dに設けられ、安全弁122は、最下位の収容体100Aの一方の側壁100bに設けられている。
以上説明したとおり、本実施形態では、組電池1が収容体100A内で絶縁性の液体200に浸されている。したがって、本実施形態によれば、一例として、組電池1が絶縁性の液体200に浸されていることによる第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
本実施形態の蓄電池装置Aでは、図16,17に示されるように、収容体100Bが複数設けられている。複数の収容体100Bは、平面的(二次元的)な配置(図17)が積み重ねられて立体的(三次元的)な配置(図16)となっている。したがって、蓄電池装置Aは、相互に積み重ねられた複数の収容体100Bを含む。各収容体100Bには、液体200が入れられている。また、組電池1は、複数設けられて、各収容体100Bに入れられている。即ち、各収容体100Bには、液体200および組電池1が入れられている。複数の組電池1は、直列または並列に接続されている。なお、図16〜18では、組電池1は概略的に示されている。
収容体100Bは、一例として、図17,18に示されるように、概略直方体状の外観を呈している。また、本実施形態では、一例として、収容体100Bは、底壁100aや、側壁100b、端壁100c等の複数の壁部(壁)を有している。収容体100Bは、上方に向けて開口している。収容体100Bの内部には、室100eが形成されている。収容体100B(室100e)には、液体200が入れられている。また、収容体100Bの一つの側壁100bには、開口部100qが設けられており、側壁100b同士が対面する収容体100Bの内部同士が、開口部100qによって連通されている。
また、本実施形態では、組電池1は、収容体100Bの底部としての底壁100aに載置されている。組電池1は、一例として、底壁100aに載置された状態で、底壁100aに、図示されない固定具(例えばねじ等)や、接着剤等によって結合(固定)されている。本実施形態では、一例として、底壁100aに設けられた凸部100a1に収容体100Bが載置されている。また、隣合う組電池1間、および組電池1と側壁100bとの間には、緩衝材135が設けられている。
以上説明したとおり、本実施形態では、組電池1が収容体100B内で絶縁性の液体200に浸されている。したがって、本実施形態によれば、一例として、組電池1が絶縁性の液体200に浸されていることによる第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第7実施形態>
本実施形態では、図19に示されるように、蓄電池装置Aに循環冷却部500(循環部、冷却部)が設けられている。なお、ここでは、循環冷却部500を第4実施形態の蓄電池装置Aに設けた例を説明するが、これに限るものではなく、循環冷却部500を他の実施形態や変形例に設けてよい。また、図19では、組電池1は概略的に示されている。
循環冷却部500は、収容体100から流出した(流出させた)液体200を冷却し、冷却した液体200を収容体100へ戻す。循環冷却部500は、液体200が流入(流入出)する熱交換器503(ラジエータ)と、熱交換器503での液体200の冷却に用いられる風を発生させるファン504と、収容体100と熱交換器503との間で液体200を循環させるポンプ502と、を有している。ファン504は、一例として、熱交換器503に向けて送風する。ファン504は、収容体100側とは異なる方向に送風する。ポンプ502は、モータ(駆動源)によって駆動される。収容体100、ポンプ502、および熱交換器503は、パイプ505によって接続されている。収容体100、ポンプ502、熱交換器503およびパイプ505によって、循環流路506が構成されている。循環流路506において収容体100を基準(始点)とした場合、ポンプ502は、一例として、熱交換器503の上流側に位置されている。なお、ポンプ502が熱交換器503の下流側に位置されていてもよい。
循環冷却部500では、一例として、ポンプ502が動作することで、収容体100から流出した液体200が熱交換器503を通過して再び収容体100に戻される。液体200は、熱交換器503を通過する過程で外気に熱を奪われることで冷却される。したがって、冷却された液体200が収容体100に戻され、組電池1をより効率良く冷却することができる。ポンプ502およびファン504は、例えば、所定の操作によって動作を開始していても良いし、常時動作していてもよい。
また、循環冷却部500には、ブリーザ弁507とリザーバタンク508とが設けられている。ブリーザ弁507は、パイプ505によって循環流路506に接続され、リザーバタンク508は、パイプ505によってブリーザ弁507に接続されている。リザーバタンク508は、流路510(第二流路)によって、収容体100に接続され、液体200を貯留する。流路510は、パイプ505、ブリーザ弁507および循環流路506によって構成され、液体200が流動可能である。
ブリーザ弁507は、プレッシャ弁とバキューム弁とを有して吸排気動作を行う。ブリーザ弁507は、循環流路506(収容体100)内の圧力が第一の規定値以上になると、開弁して循環流路506内の液体200をリザーバタンク508へ放出する。また、ブリーザ弁507は、循環流路506(収容体100)内の圧力が第一の規定値よりも低い第二の規定値以下になると、開弁してリザーバタンク508内の液体200を循環流路506へ放出する。このブリーザ弁507の動作によって、循環流路506(収容体100)内の圧力の変動が抑制される。なお、図19では、図示されていないが、点検部100jおよび閉塞部材104(図13参照)は、収容体100または循環流路506に設けられる。
以上説明したとおり、本実施形態では、循環冷却部500によって液体200が冷却されるので、組電池1をより効率的に冷却することができる。
なお、循環冷却部500は、例えば、蓄電池装置Aが自動車に搭載される場合、自動車のエンジン用の冷却系を適用(兼用)してもよい。
<変形例>
本変形例では、図20に示されるように、熱交換器503が収容体100に面して位置され、ファン504が熱交換器503および収容体100に向けて送風を行う。以上の構成によれば、ファン504によって生じた風が熱交換器503に加えて収容体100にも当たるので、収容体100を冷却することができる。よって、収容体100内の液体200がより冷却されるので、組電池1をより効率的に冷却することができる。
<第8実施形態>
本実施形態は、基本的な構成は第7実施形態と同様であるが、図21に示されるように、蓄電池装置Aに温度計測部520が設けられている点が第7実施形態に対して異なる。
温度計測部520は、収容体100(図13参照)の内部と収容体100の外部との少なくとも一方の温度を計測する。本実施形態では、温度計測部520は、収容体100の内部の温度を計測する。一例として、温度計測部520は、収容体100の内部における単電池3の周囲(近傍)の温度を計測する。温度計測部520は、一例として、組電池1に設けられた温度センサ521(第一温度センサ、センサ)を含む。温度センサ521は、各単電池3に対応して設けられている。温度センサ521は、組電池1の筐体2または単電池3に設けられる。本実施形態では、筐体2の底壁2aに、各単電池3に対応して設けられている。各温度センサ521は、対応する単電池3または単電池3の周囲温度を計測する。各温度センサ521は、配線を介して監視装置33に接続されている。
温度センサ521は、CPU51に監視装置33を介して接続されている。これにより、各温度センサ521の検出結果がCPU51に入力される。また、CPU51には、第7実施形態で説明したファン504とポンプ502を駆動するモータ509(駆動源)が接続されている。CPU51は、ファン504を駆動制御するとともに、モータ509を駆動制御することでポンプ502(の動作)を駆動制御する。
CPU51は、プログラムに従うことにより、温度制御処理を実行する。温度制御処理では、CPU51は、温度計測部520の計測結果を用いて循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)を制御する。一例として、図22に示されるように、CPU51は、まずは、組電池1の温度を取得する(ステップS1)。詳細には、各温度センサ521の検出結果を受信する。次に、CPU51は、組電池1の温度が規定値以上かを判定する(ステップS2)。組電池1の温度は、一例としては、複数の温度センサ521の検出温度の平均値である。また、組電池1の温度は、別の一例としては、複数の温度センサ521の検出温度のうちの最高温度または最低温度である。なお、温度センサ521が単一の場合、CPU51は、その温度センサ521の検出温度を組電池1の温度として取得する。CPU51は、組電池1の温度が規定値以上であると判定した場合(ステップS2のYes)、ポンプ502およびファン504の駆動を開始してポンプ502およびファン504を動作させる(ステップS3)。この際、ポンプ502およびファン504が既に動作中の場合には、CPU51は、ポンプ502およびファン504の動作を続行させる。一方、CPU51は、組電池1の温度が規定値以上でなく規定値未満であると判定した場合(ステップS2のNo)、ポンプ502およびファン504の駆動を停止してポンプ502およびファン504の動作を停止させる(ステップS4)。この際、ポンプ502およびファン504が停止状態の場合には、CPU51は、ポンプ502およびファン504の停止状態を維持する。CPU51は、上記の処理を規定時間毎に繰り返し行う。
以上説明したとおり、本実施形態では、CPU51が、温度計測部520の計測結果を用いて循環冷却部500を制御する。よって、CPU51によって液体200の温度を制御して、組電池1の温度の制御を行うことができる。
また、本実施形態では、温度計測部520が収容体100の内部の温度を計測し、温度計測部520の計測結果が規定値以上となった場合、CPU51が、循環冷却部500を動作させる。したがって、温度計測部520の計測結果が規定値以上となった場合、循環冷却部500による液体200の冷却が行われ、組電池1をより冷却することができる。なお、一例として、ファン504を常時回転させていてもよい。この場合、CPU502は、温度計測部520の計測結果が規定値以上となった場合、ポンプ502の駆動を開始してポンプ502を動作させる。
なお、本実施形態では、温度センサ521が単電池3毎に設けられた例を説明したが、これに限るものではない。例えば、温度センサ521を、単電池3毎に代えて、組電池1毎に設けてもよい。
<第9実施形態>
本実施形態は、基本的な構成は第8実施形態と同様であるが、図23に示されるように、温度計測部520の温度センサ521が、収容体100の内部における組電池1の外側に設けられている点が第8実施形態に対して異なる。
温度計測部520は、収容体100の内部の温度を計測する。一例として、温度計測部520は、収容体100の内部における組電池1の周囲(近傍)の液体200の温度を温度センサ521によって計測する。温度センサ521は、各組電池1に対応して設けられている。温度センサ521は、一例として、取付部108に固定されている。なお、温度センサ521を組電池1間に設けて、組電池1間の液体200の温度を計測してもよい。
また、本実施形態では、図24に示されるように、温度センサ521は、一例として、CPU51に監視装置33を介さずに接続されている。これにより、各温度センサ521の検出結果が監視装置33を介さずにCPU51に入力される。
CPU51は、プログラムに従うことにより、温度制御処理を実行する。温度制御処理では、CPU51は、温度計測部520の計測結果を用いて循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)を制御する。一例として、図25に示されるように、CPU51は、まずは、液体200の温度を取得する(ステップS1)。詳細には、各温度センサ521の検出結果を受信する。次に、CPU51は、液体200の温度が規定値以上かを判定する(ステップS2)。液体200の温度は、一例としては、複数の温度センサ521の検出温度の平均値である。また、液体200の温度は、別の一例としては、複数の温度センサ521の検出温度のうちの最高温度または最低温度である。なお、温度センサ521が単一の場合、CPU51は、その温度センサ521の検出温度を液体200の温度として取得する。CPU51は、液体200の温度が規定値以上であると判定した場合(ステップS2のYes)、ポンプ502およびファン504の駆動を開始してポンプ502およびファン504を動作させる(ステップS3)。この際、ポンプ502およびファン504が既に動作中の場合には、CPU51は、ポンプ502およびファン504の動作を続行させる。一方、CPU51は、液体200の温度が規定値以上でなく規定値未満であると判定した場合(ステップS2のNo)、ポンプ502およびファン504の駆動を停止してポンプ502およびファン504の動作を停止させる(ステップS4)。この際、ポンプ502およびファン504が停止状態の場合には、CPU51は、ポンプ502およびファン504の停止状態を維持する。CPU51は、上記の処理を規定時間毎に繰り返し行う。
以上説明したとおり、本実施形態では、CPU51が、温度計測部520の計測結果を用いて循環冷却部500を制御する。よって、本実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第10実施形態>
本実施形態は、基本的な構成は第9実施形態と同様であるが、図26、27に示されるように、温度計測部520が、温度センサ521(第一温度センサ)の他に、温度センサ523(第二温度センサ)を有している点が第9実施形態に対して異なる。なお、図26では、点検部100jおよび閉塞部材104が、収容体100に設けられている例が示されているが、点検部100jおよび閉塞部材104は、循環流路506に設けられていてもよい。
温度センサ523は、図26に示されるように、収容体100の外部に設けられて収容体100の外部の温度(環境温度)を計測する。温度センサ523は、一例として、収容体100の側壁100bに突設された腕部100r(支持部)に固定されている。温度計測部520は、収容体100の内部の温度と収容体100の外部の温度とを計測する。収容体100の内部の温度は、温度センサ521により計測され、収容体100の外部の温度は、温度センサ523により計測される。また、本実施形態では、収容体100の内部の温度として、収容体100の内部の液体200の温度が温度センサ521により計測される。なお、温度センサ521として、第8実施形態の温度センサ521を用いてもよい。
また、本実施形態では、図27に示されるように、温度センサ523は、CPU51に接続されている。これにより、温度センサ523の検出結果がCPU51に入力される。
ここで、温度制御処理の実行中に、例えば、熱交換器503に目詰まり等が発生して循環冷却部500が動作不良を起こした場合には、循環冷却部500の動作を停止させることが望ましい。循環冷却部500が動作不良を起こした場合の液体200の温度について図28を参照して説明する。図28には、温度制御処理中の外気温度T2の変化の様子と液体200の温度T1の変化の様子との一例が示されている。図28中の破線で示す液体200の温度T1は、循環冷却部500が動作不良を起こした場合の温度を示しており、図28中の実線で示す液体200の温度T1は、循環冷却部500が正常に動作した場合の温度を示している。循環冷却部500が動作不良を起こした場合は、循環冷却部500が正常に動作した場合に比べて、液体200の温度T1が上昇する。この場合、例えば、外気温度T2だけを用いてCPU51が温度制御処理を実行していると、循環冷却部500に動作不良が発生したことを検出できず、循環冷却部500の動作を停止させることができない。そこで、本実施形態では、液体200の温度T1(収容体100の内部の温度)と外気温度T2(収容体100の外部の温度)とを用いて温度制御処理を行うことで、循環冷却部500の動作の良否を判定できるようにしている。一例として、液体200の温度T1から外気温度T2を引いた値βが規定値α以上か否かで循環冷却部500の動作の良否を判定する。以下に、本実施形態の温度制御処理を詳しく説明する。
温度制御処理では、図29に示されるように、CPU51は、まずは、循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)を駆動して、循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)を動作させる(ステップS11)。
次に、CPU51は、液体200の温度T1と外気温度T2とを取得する(ステップS12)。詳細には、各温度センサ521,523の検出結果を受信する。次に、CPU51は、液体200の温度T1(収容体100の内部の温度)が外気温度T2(収容体の外部の温度)に対して規定値α以上高いかを判定する(ステップS13)。つまり、CPU51は、T1−T2≧αかを判定する。液体200の温度は、一例としては、複数の温度センサ521の検出温度の平均値である。また、液体200の温度は、別の一例としては、複数の温度センサ521の検出温度のうちの最高温度または最低温度である。なお、温度センサ521が単一の場合、CPU51は、その温度センサ521の検出温度を液体200の温度として取得する。CPU51は、液体200の温度T1(収容体100の内部の温度)が外気温度T2(収容体100の外部の温度)に対して規定値α以上高くないと判定した場合(ステップS13のNo)、循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)の動作を継続させて、ステップS12に戻る。一方、CPU51は、液体200の温度T1(収容体100の内部の温度)が外気温度T2(収容体100の外部の温度)に対して規定値α以上高いと判定した場合(ステップS13のYes)、循環冷却部500(ポンプ502およびファン504)の動作を停止させる(ステップS14)。この際、CPU51は、一例として、循環冷却部500の動作不良(エラー)が発生した旨を報知部132に報知させる。
以上説明したとおり、本実施形態では、CPU51は、計測された液体200の温度T1(収容体100の内部の温度)と外気温度T2(収容体100の外部の温度)とを用いて循環冷却部500を制御する。よって、循環冷却部500の動作不良を良好に判定することができる。
以上のとおり、上記各実施形態および変形例によれば、一例として、覆部5によって、相互に離間した導電部(正電極部3bや、負電極部3c、導電部材4等)間でのスパークや短絡の発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態および変形例を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態、変形例およびそれらの変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
また、上記各実施形態および変形例では、筐体2内で液体200に浸された電池として、組電池1の例を説明したが、これに限るものではない。筐体2内で液体200に浸された電池としては、例えば、単電池3であってもよい。