JP2014048254A - 超音波検査方法及び超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査方法及び超音波検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥を高精度かつ容易に検出可能な超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することにある。
【解決手段】計算・校正部103は、受信部101Bにより得られた反射波形の中の健全部の探傷データを用いて、非健全部を残すことができる閾値(I1±ΔI、I2±ΔI)を設定し、設定された閾値と反射波形の探傷データとを比較して、非健全部のデータを残すように処理する。表示部104には、健全部のデータが除去され、非健全部のデータが表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波検査方法及び超音波検査装置に係り、特に、微細構造物の内部はく離の検査に適当な超音波検査方法及び超音波検査装置に関する。
半導体やICなどの微細な構造物(検査対象)の内部のはく離やボイドなどの検査においては、従来、単一焦点型の超音波プローブをスキャナなどにより機械的に二次元走査する方法が実用化されている。
また、半導体の構造が微細化する一方で、それを封止する材料であるモールド樹脂も、機械強度を高めるとともに半導体で発生する熱を排除するために、様々な材料が開発されている。モールド樹脂は、エポキシ系樹脂とカーボンやシリカガラスなどのフィラーと呼ばれる微細な繊維状や球形の充填剤を混ぜて製造されている。このようなモールド樹脂で封止された状態の半導体を超音波を用いて検査する際においては、このモールド樹脂中のフィラーがノイズ源となっていた。
そのため、アレイ型超音波センサを用いた超音波検査において、アレイ型超音波センサの一部の圧電振動素子に遅延時間を与えて超音波を集束して送・受信する際に、超音波の集束位置は同一の状態で前記圧電振動素子の送信素子と受信素子の組合せを複数回切替えることで超音波の伝搬経路の異なる反射信号を複数回収録し、得られた反射信号を加算あるいは平均化処理して、順次アレイ方向に電子的に走査し、検査対象内部を画像化することで、超音波の伝搬経路で重畳するノイズの影響を低減し、SN比を向上できるようにし、さらに、検査対象内部からの反射信号が超音波波形であっても、超音波波形の所定の時間にゲート処理を行った反射強度であっても、検査画像であっても、SN比を向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
モールド樹脂の他にも半導体で発生する熱を排除する方法には、半導体に凹凸形状の冷却ピン(ヒートシンク)を接着させる方法がある。これは、凹凸形状にして表面積を大きくすることで冷却効率を上げるものである。しかし、冷却ピンと半導体の間にボイドや欠陥が存在して接着状態が不完全な場合、冷却効率は低下してしまう。
ここで、例えば特許文献1で接着状態の超音波検査を実施する場合、半導体の構造上、凹凸形状側からの超音波入射が不可避である。そのため、検査場所によっては超音波の伝搬路にピンが存在し、そこでの超音波反射が大きいため検査領域まで超音波が伝搬せず、検査の不可能な領域が存在した。
それに対して、凹凸形状の検査体に超音波を入射して超音波検査する方法として、検査体の検査表面が平坦となるように、音響インピーダンス値が検査体と同一または近似する導波物質によって検査表面を覆うものが知られている(例えば、特許文献2)。この方法では、被検査物の欠陥を高精度に検出できるが、導波物質を覆う工程が必要である。
また、検査対象物による反射波に含まれる最初の波束の検出時刻により、超音波探触子から検査対象物までの距離の情報を取得し、その取得した距離の情報に応じてその検査座標が凹凸形状に対応する複数の領域のいずれに属するかを判定する領域判定と、領域判定の結果に応じて、その検査座標が属する領域における距離の情報にて接合面での反射波を検出できる焦点距離の超音波を超音波探触子から検査対象物に照射するとともに、検査対象物による反射波を取得し、取得した反射波に含まれる接合面での反射による波束の波束特徴値を、当該領域について波束特徴値に対して定められた閾値と比較することにより、接合面の剥離の有無を判定する良否判定とを行う検査方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、被検査物の欠陥を高精度に検出できるが、凹凸形状に対応する領域判定の工程が必要である。
特許4644621号公報 特開平9−133664号公報 特開2011−163918号公報
近年の検査対象である半導体やICの構造は微細化の一途をたどっている。半導体の構造が微細化する一方で、半導体で発生する熱を排除するために、半導体に凹凸形状の冷却ピン(ヒートシンク)を接着させて冷却効率を向上させているが、その接着状態の検査が必要とされている。
しかしながら、特許文献1の超音波検査においては、半導体の構造上、凹凸形状側からの超音波入射が不可避であるため、検査場所によっては超音波の伝搬路にピンが存在し、そこでの超音波反射が大きいため検査領域まで超音波が伝搬せず、検査の不可能な領域が存在した。
また、特許文献2の超音波検査においては、検査体の検査表面が平坦となるように、音響インピーダンス値が検査体と同一または近似する導波物質によって検査表面を覆う手法が開示されている。しかし、この方法では、前記導波物質によって検査表面を覆う工程が必要であり、時間と手間がかかる。
また、特許文献3の超音波検査においては、欠陥を高精度に検出するために、凹凸形状に対応する領域判定の工程が必要であり、時間と手間がかかる。
本発明の目的は、欠陥を高精度かつ容易に検出可能な超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、凹凸形状の被検査体の超音波探傷方法であって、超音波を送受信させて前記非検査体からの反射波形を取得する第1のステップと、該第1のステップにより取得された前記反射波形の中の健全部の探傷データを用いて、非健全部を残すことができる閾値を設定する第2のステップと、該第2のステップにより設定された前記閾値と前記反射波形の探傷データとを比較して、前記非健全部のデータを残す第3のステップと、該第3のステップにより残されたデータを画像化する第4のステップとを備えるようにしたものである。
かかる方法により、欠陥を高精度かつ容易に検出可能となる。
本発明によれば、欠陥を高精度かつ容易に検出可能となる。
本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による超音波検査装置による計算例である。 本発明の一実施形態による超音波検査装置の表示画面の例である。 本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による超音波検査装置の表示画面の例である。 本発明の他の実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。
以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による超音波検査装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態による超音波検査装置は、探傷部100と、送・受信部101と、制御部102と、計算・校正部103と、表示部104とから構成される。
検査対象は、例えば、半導体装置などである。検査対象が半導体装置の場合、検査対象の半導体装置は、例えば、被冷却体で、配線基板の上に形成された導体層と、導体層を封止する絶縁性のパッケージ部材と、パッケージ部材に固着された冷却ピンとからなる。ここで、本実施形態による超音波検査装置は、検査対象の被冷却体(導体層を封止したパッケージ部材)と冷却ピンとの間のはく離やボイドなどを検査するために用いられる。
探傷部100は、主に走査手段100Aと、検査対象に超音波を送・受信する超音波プローブ100Bとからなる。超音波プローブ100Bは、X−Y平面上に配置されている。超音波プローブ100Bから送信された超音波は、例えば、検査対象の配線基板と半導体層との間に集束するように、制御部102によって制御される。この超音波が集束する位置は、操作手段100Aにより、超音波プローブ100Bを、X−Y平面及びそれらに直交するZ軸方向について、機械的走査することによって調整できる。
送・受信部101は、パルサ101Aと、レシーバ101Bとを備える。パルサ101Aは、超音波プローブ100Bに超音波を送信するために電圧を印加する。レシーバ101Bは、超音波プローブ100Aによって受信した超音波を、アナログ・デジタル変換して受信信号とする。
制御部102は、走査制御回路102Aと、制御・処理用コンピュータ102Bと、記憶装置102Cとを備える。走査制御回路102Aは、走査手段100Aにより超音波プローブ100Bの走査を制御する。制御・処理用コンピュータ102Bは、これらを制御し、受信した信号を収録するとともに処理を行う。記憶装置102Cは、受信信号の情報や走査制御回路の情報などを保持している。
計算・校正部103は、計算・校正用コンピュータ103Aと、計算装置103Bと、校正装置103Cとを備える。校正装置103Cでは、レシーバ102Aで受信した受信信号を計算装置103Bで計算した数値で校正できる。
表示部104は、検査対象の情報を記入または選択できる入力部104Aと受信信号及び検査画像を表示する出力部104Bを備えるものである。出力部104Bは、検査モード切替器104Cを備えている。出力部104Bには、受信信号を表示する第1表示部104Dや、検査結果の画像を表示する第2表示部104E、検査結果の校正処理後の画像を表示する第3表示部104Fがある。検査モード切替器104Cは、受信信号を表示するか、画像を表示するかなど検査モードを切り替える。
まず、制御・処理用コンピュータ102Bは、走査手段100Aを動作する際には走査制御回路102Aへ制御信号を送信し、超音波を送・受信して検査対象からの反射信号を収録する際には超音波を送・受信して検査対象からの反射信号を収録する際には切替制御回路102Dにより制御・処理用コンピュータ102Bとパルサ101A及びレシーバ101Bの接続を切り替える。パルサ101Aより送信信号を受けた超音波プローブ100Bは、圧電効果で超音波を送信する。検査対象で反射した超音波は、圧電効果により生じた信号を超音波プローブ100Bで受信し、レシーバ101Bでアナログ・デジタル変換の処理をする。デジタル信号に変換された受信信号は、記憶装置102Cに記憶される。
次に、受信信号は、計算・校正用コンピュータ103Aに伝送され、検査対象の情報より計算装置103Bで求められた計算結果により、校正装置103Cで校正される。計算装置103Bでは、検査対象の検査領域における境界条件により、入力部104Aで入力・選択された検査対象の情報を用いて計算結果を得る。検査対象の検査領域における境界条件は、例えば、垂直方向および水平方向における変位の連続性と応力の相等性を用いる。検査対象の情報は、例えば、検査対象における検査領域の材料の音速、密度、音響インピーダンスなどである。検査対象の検査領域において、ボイドなどの欠陥の有無の違いにより、超音波の反射エネルギーが異なり、受信信号の情報に変化が生じる。前記境界条件と前記検査領域の材料の情報により、これら受信信号の反射エネルギーの相対的な変化量が計算できる。
ここで、図2を用いて、本実施形態による超音波検査装置の計算装置103Bによる計算例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による超音波検査装置による計算例の説明図である。
検査モデルは、例えば、冷却ピンの材料であるアルミニウムと、絶縁性のパッケージ部材であるエポキシ樹脂との境界におけるボイドの有無を探傷するモデルとする。前記境界条件と各材料の縦波音速、横波音速及び密度を用いて反射エネルギーの量を計算する。アルミニウム、エポキシ樹脂、ボイドの縦波音速、横波音速及び密度はそれぞれ、6300m/s、2600m/s、340m/sと、3200m/s、1300m/s、0m/s、及び2.7g/cm、1.2g/cm、0.1mg/cmである。音響インピーダンスは音速と密度の積で表わされるため、音速、密度、音響インピーダンスの項目の内、いずれか2つの項目の情報が入力できればよい。
図2は、横軸が水中からアルミニウムへの超音波の入射角度で、縦軸がアルミニウムとエポキシ樹脂の境界からの反射エネルギー量と、アルミニウムとボイドの境界からの反射エネルギー量との反射エネルギー量の差を示している。今回の例においては、入射角度が約10°まではエネルギー差が約3dBとなり、入射角度に依存しない。また、13°より鈍角の入射角度では、縦波は水とアルミニウムの境界面で全反射を起こすため、アルミニウム内部に超音波は透過しない。
この場合、例えば、検査対象に対して斜角に超音波を送受信することで、アルミニウム内に入射する際に横波にモード変換する伝搬モードを用いて、同様の解析手法を用いて境界条件と縦波音速、横波音速及び密度によりエネルギー差を求めることができる。
また、本発明における計算過程・結果は、材料の情報に起因する。そのため、超音波プローブ100Bは、一般的に用いられるシングルタイプ、アレイタイプなどいずれの超音波プローブでもよい。
アルミニウムとエポキシ樹脂の境界からの反射エネルギー量と、アルミニウムとボイドの境界からの反射エネルギー量との反射エネルギー量の差が3dBあるということが、エポキシ樹脂層から反射か、ボイドから反射かを識別する際に有効となる。
この反射エネルギーの差は、この例では、計算装置103Bにより算出するものとして説明するが、必要な情報としては、アルミニウムとエポキシ樹脂の境界からの反射エネルギー量と、アルミニウムとボイドの境界からの反射エネルギー量との反射エネルギー量の差(上記の例では、3dB)である。従って、前記境界条件と各材料の縦波音速、横波音速及び密度を用いて反射エネルギーの量を、予め計算しておき、計算結果による反射エネルギーの差を既知の値として校正装置103Cが保持するようにしてもよいものである。
次に、図3を用いて、本実施形態による超音波検査装置における表示例について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による超音波検査装置の表示画面の例の説明図である。
出力部104Bには、検査モード切替器104Cにより、X−Y面で2次元機械走査し、各位置における波高値をグレースケールに置き換えて画像化した探傷結果画面301とX−Y面の断面プロファイル302A,302Bを示すことができる。
この探傷結果と反射エネルギー量の差の計算結果を用いて、計算値を校正する。校正手順は、例えば、受信信号を画像化した表示部104の探傷結果画面301で、目視検査により健全部を判定する。この際、検査対象の凹凸表面形状により、凹部、凸部のそれぞれの領域で受信信号の情報が異なる。特に、超音波の伝搬経路が異なるため、受信信号の波高値が異なる。そのため、凹部、凸部のそれぞれの領域で健全部を選択する。選択した健全部のそれぞれの波高値を基準感度として、反射エネルギー量の差を用いて、ボイドの欠陥部の波高値の絶対値を校正する。
次に、図4を用いて、本実施形態による超音波検査装置を用いた検査内容について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。
ステップS10において、入力部104Aで検査対象の情報を入力または選択し、計算装置103Bにより反射対象毎に反射エネルギーを計算する。
この反射エネルギーの計算については前述の通りであり、冷却ピンの材料であるアルミニウムと、絶縁性のパッケージ部材であるエポキシ樹脂との境界におけるボイドの有無を探傷するモデルとした場合、アルミニウムとエポキシ樹脂の境界からの反射エネルギー量と、アルミニウムとボイドの境界からの反射エネルギー量との反射エネルギー量の差は、3dBとなる。
なお、ステップS10による計算を毎回行うのではなく、境界条件と各材料の縦波音速、横波音速及び密度を用いて反射エネルギーの量を、予め計算しておき、計算結果による反射エネルギーの差を既知の値として校正装置103Cに保持するようにしてもよいものである。
次に、ステップS20において、102走査制御回路でX−Y面方向に2次元走査しながら送・受信部101の信号により、超音波プローブ100Bを用いて検査対象の検査領域からの超音波を総・受信して、受信信号を記憶装置102Cに転送する。これにより、図3にて説明したような、各位置における波高値をグレースケールに置き換えて画像化した探傷結果画面301とX−Y面の断面プロファイル302A,302Bを示すことができる。
次に、ステップS30において、記憶装置102Cの受信信号を出力部104Bで画像化して、凹部、凸部それぞれの健全部の探傷データを用いて、健全部を除去する閾値を設定する。
ここで、凸部とは冷却ピンの位置であり、図3の例では、格子状に配列している丸が、それに該当する。凹部とは、エポキシ樹脂製のパッケージ部材であって、冷却ピンがない位置である。図3の例では、冷却ピンの丸がない位置が該当する。
図3の例では、中央に図示されている丸形状の冷却ピンの位置に楕円形状のボイドBOが重畳している。このボイドの位置は非健全部であり、それ以外の位置が健全部となる。
そこで、凸部の健全部として、例えば、図3に示した位置P1を選択する。
また、凹部の健全部として、例えば、図3に示した位置P2を選択する。なお、凸部の健全部は位置P1に限らず、位置P1’などでもよいものである。また、凹部の健全部は位置P2に限らず、位置P2’などでもよいものである。要するに、ボイドBOと重なっていない凹部や凸部の位置を選択する。
ここで、ステップS30で選択された凹部の健全部P1の反射エネルギー(波高値)をI1とする。また、凸部の健全部P2の反射エネルギー(波高値)をI2とする。
一方、ボイドBOによる反射エネルギー(波高値)は、図2にて説明したように、凸部や凹部よりも3dB高いものである。すなわち、図3に示した反射エネルギーの差ΔE1やΔE2は、3dBである。
一方、ゲート処理としては、凹部の健全部の波高値I1に対して、閾値としてI1±ΔIを設定する。ここで、ΔIは例えば、前述の反射エネルギーの差ΔE1,ΔE2の3dBよりも小さくすることで、凹部にボイドが重畳している場合にはこれを選択せず、凹部の健全部のみをゲート処理により選択できる。従って、ΔIとしては、例えば、1.0dBとする。また、ゲート処理としては、凸部の健全部の波高値I2に対して、閾値としてI2±ΔIを設定する。ここで、ΔIは例えば、前述の反射エネルギーの差ΔE1,ΔE2の3dBよりも小さくすることで、凸部にボイドが重畳している場合にはこれを選択せず、凸部の健全部のみをゲート処理により選択できる。
そして、ステップS40において、出力部104Bの探傷結果画像301を元に複数のゲート処理を施すことで、健全部を除去して、非健全部を残す。
すなわち、ゲート処理としては、ステップS30にて凹部の健全部の波高値I1に対して、閾値としてI1±ΔIが設定され、また、凸部の健全部の波高値I2に対して、閾値としてI2±ΔIが設定されているので、これらの閾値と探傷データを比較して、探傷データの中で、これらの閾値に含まれるデータは健全部のデータをして削除する事で、非健全部のデータが残る。
そして、ステップS50において、ゲート処理を施した探傷結果画像401を得て、欠陥部を判定し、検査を終了する。これにより、図5に示す画像が得られる。
ここで、図5を用いて、本実施形態による超音波検査装置におけるデータ処理後の表示例について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による超音波検査装置におけるデータ処理後の表示例説明図である。
図3の探傷結果画面300に対して、校正結果を用いて凹部と凸部のボイドがある欠陥部の波高値にそれぞれのゲート処理をかける。ゲート処理部の波高値を残し、健全部の波高値をゼロに変更する。ゲート処理は、測定誤差や材料・形状由来の波高値ばらつきを考慮して、ゲート幅を決定する。これらを考慮すると、例えば、ゲート幅は±1dBに決定される。ゲート処理後の画像は探傷出力画面401のように欠陥部のみが画像化される。また、X−Y面の断面プロファイル402A及び402Bについても、欠陥部の波高値のみが表示される。これにより、ボイド等がある欠陥部の領域が判定できる。
検査対象によっては、凹凸形状であっても、凸部(冷却ピン)の高さが異なることがある。その場合、各冷却ピンの高さの位置に対して、それぞれの波高値を校正し、複数のゲートを設置して処理を行うことで、欠陥部の領域が判定できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、凹凸形状の検査体の超音波検査において、導波物質で検査表面を覆うことなく、凹凸形状の情報も使用しないため簡便に検査可能な領域を拡大することができる。更に、検査工程を短縮できる。
次に、図6を用いて、本発明の他の実施形態による超音波検査装置を用いた検査内容について説明する。なお、本実施形態による超音波検査装置の構成は、図1に示したものと同様である。
図6は、本発明の他の実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。
ステップS10〜ステップS20、ステップS50においては、図4の本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートと同様である。
次に、ステップS30Aにおいて、記憶装置102Cの受信信号を出力部104Bで画像化して、凹部、凸部それぞれの健全部の探傷データを用いて、非健全部を選択する閾値を設定する。
ここで、凸部とは冷却ピンの位置であり、図3の例では、格子状に配列している丸が、それに該当する。凹部とは、エポキシ樹脂製のパッケージ部材であって、冷却ピンがない位置である。図3の例では、冷却ピンの丸がない位置が該当する。
図3の例では、中央に図示されている丸形状の冷却ピンの位置に楕円形状のボイドBOが重畳している。このボイドの位置は非健全部であり、それ以外の位置が健全部となる。
そこで、凸部の健全部として、例えば、図3に示した位置P1を選択する。
また、凹部の健全部として、例えば、図3に示した位置P2を選択する。ここで、ステップS30Aで選択された凹部の健全部P1の反射エネルギー(波高値)をI1とする。また、凸部の健全部P2の反射エネルギー(波高値)をI2とする。
一方、ボイドBOによる反射エネルギー(波高値)は、図2にて説明したように、凸部や凹部よりも3dB高いものである。すなわち、図3に示した反射エネルギーの差ΔE1やΔE2は、3dBである。
一方、ゲート処理としては、凹部の健全部の波高値I1に対して、閾値としてI1+3dB±ΔI’を設定する。ここで、ΔI’は例えば、前述の反射エネルギーの差ΔE1,ΔE2の3dBよりも小さくすることで、ゲート処理により凹部にボイドが存在する被健全部を選択できる。従って、ΔI’としては、例えば、1.0dBとする。また、ゲート処理としては、凸部の健全部の波高値I2に対して、閾値としてI2+3dB±ΔIを設定する。ここで、ΔIは例えば、前述の反射エネルギーの差ΔE1,ΔE2の3dBよりも小さくすることで、凸部にボイドが存在している非健全部を選択できる。
そして、ステップS40Aにおいて、出力部104Bの探傷結果画像301を元に複数のゲート処理を施すことで、非健全部を選択して残す。
検査工程上、想定される反射対象について、それらの材料情報より健全部の反射エネルギーとの差を計算した結果を用いて、複数のゲート処理を施すことで、反射対象を判定できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、凹凸形状の検査体の超音波検査において、導波物質で検査表面を覆うことなく、簡便に検査可能な領域を拡大することができる。更に、検査工程を短縮できると共に、一度の二次元走査において、検査可能であり、検査時間が短縮できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100…探傷部
100A…走査手段
100B超音波プローブ
101…送・受信部
101A…パルサ
101B…レシーバ
102…制御部
102A…走査制御回路
102B…制御・処理用コンピュータ
102C…記憶装置
103…計算・校正部
103A…計算・校正用コンピュータ
103B…計算装置
103C…校正装置
104…表示部
104A…入力部
104B…出力部
104C…検査モード切替器

Claims (6)

  1. 凹凸形状の被検査体の超音波探傷方法であって、
    超音波を送受信させて前記非検査体からの反射波形を取得する第1のステップと、
    該第1のステップにより取得された前記反射波形の中の健全部の探傷データを用いて、非健全部を残すことができる閾値を設定する第2のステップと、
    該第2のステップにより設定された前記閾値と前記反射波形の探傷データとを比較して、前記非健全部のデータを残す第3のステップと、
    該第3のステップにより残されたデータを画像化する第4のステップとを備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 請求項1記載の超音波探傷方法において、
    前記第2のステップにおいて、選択された前記健全部の探傷データの値に対して、前記健全部を選択可能な幅の値を加味して、前記健全部を選択可能な閾値を設定し、
    前記第3のステップにおいて、前記閾値により前記健全部を選択して削除する事により、前記非健全部のデータを残すことを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 請求項2記載の超音波探傷方法において、
    前記健全部を選択可能な幅を、前記健全部に対する反射エネルギーと前記非健全部に対する反射エネルギーとの差の値よりも小さく設定したことを特徴とする超音波探傷方法。
  4. 請求項1記載の超音波探傷方法において、
    前記第2のステップにおいて、選択された前記健全部の探傷データの値に対して、前記健全部を選択可能な幅及び前記健全部に対する反射エネルギーと前記非健全部に対する反射エネルギーとの差の値を加味して、前記非健全部を選択可能な閾値を設定し、
    前記第3のステップにおいて、前記閾値により前記非健全部を選択して残すことを特徴とする超音波探傷方法。
  5. 請求項4記載の超音波探傷方法において、
    前記健全部を選択可能な幅を、前記健全部に対する反射エネルギーと前記非健全部に対する反射エネルギーとの差の値よりも小さく設定したことを特徴とする超音波探傷方法。
  6. 超音波プローブと、
    該超音波プローブから検査対象に超音波を送信する送信部と、
    前記検査対象からの超音波の反射波を受信する受信部と、
    前記送信部及び前記受信部を制御する制御部と、
    前記受信部により受信された超音波信号に基づく前記検査対象の検査画像を表示する表示部と、
    前記超音波プローブをその超音波の送信方向に対して直交する平面上の2次元を機械的に走査する走査手段と、
    前記受信部により得られた反射波形の中の健全部の探傷データを用いて、非健全部を残すことができる閾値を設定し、設定された前記閾値と前記反射波形の探傷データとを比較して、前記非健全部のデータを残すように処理する計算・校正部とを備えることを特徴とする超音波検査装置。
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