JP2017161230A - 超音波検査方法及び超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査方法及び超音波検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査対象中に存在する微小な欠陥を、簡易的に高精度に検出できる超音波検査方法を提供する。【解決手段】超音波検査方法は、被検体の表面に超音波探触子を走査させながら超音波探触子から被検体に向けて超音波を送出し、被検体から戻ってくる反射エコー波を超音波探触子で受信し、反射エコー波に係る受信信号を演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って被検体の欠陥を検査する超音波検査方法であって、演算処理手段は、反射エコー波と欠陥での回折波とを相殺する相殺波長を、超音波の波長に設定する設定ステップと、受信信号の振幅に対して、第1のしきい値と、第1のしきい値より小さな第2のしきい値を設定し、受信信号の振幅が第1のしきい値以上の場合と、受信信号の振幅が第2のしきい値以下の場合とに、欠陥として検出する検出ステップとを実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、超音波検査方法及び超音波検査装置に関し、特に微小欠陥を有する被検体の検査に適した超音波検査方法及び超音波検査装置に関する。
一般的に被検体の欠陥を超音波で検出するには、音響インピーダンスの違いによる反射特性を利用する。欠陥からの反射波の強度変化または位相変化を検出することによって、被検体内に存する欠陥の有無を把握できる。被検体内において、音響インピーダンスの大きい物質から音響インピーダンスの小さい物質に超音波が入射されると、2つの物質の境界面で超音波が反射する。反射波の位相は、入射波の位相に比較して、180°変化する。例えば固体物質から水や空気等の音響インピーダンスの小さい物質へ超音波が入射すると、入射波に対応する入射信号に対して、剥離等からの反射波に対応する反射信号は、その位相が180°シフトし、反転する。反射信号の位相が入射信号の位相に対して反転しているかまたは非反転であるかを判断することにより、超音波を利用して被検体内部における欠陥の有無を検出することができる。
欠陥検査装置では、通常、時間軸上の波形信号における非反転信号と反転信号の波形で、それぞれ、正ピークの最大値と負ピークの絶対値の最大値とを検出し、これらの2つの最大値を比較する。そして、反転した反射波に対応する負ピークの絶対値の最大値が、正ピークの最大値よりも大きいときには、被検体の内部に欠陥が存在すると判定する。判定結果は、表示装置の画面上に2次元画像等として表示される。
また、従来技術として特許文献1に記載された超音波検査装置がある。この超音波検査装置では、多層構造を有する被検体の内部の界面を検査する。被検体の表面に平行な平面方向に超音波探触子を走査させながら超音波探触子から被検体に向けて超音波を送出し、被検体から戻ってくる反射エコー波を超音波探触子で受信し、反射エコー波に係る信号をデジタル波形データに変換し、デジタル波形データを演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って被検体の内部欠陥を検査する。前記の演算処理手段は、被検体から戻ってくる反射エコー波が複数であってかつ相互に干渉するとき、干渉した複数の反射エコー波に係る受信波形の周波数領域での波形特性(周波数パワースペクトル特性)で生じる変化部位(ディップ周波数または干渉周波数の部位)を抽出する抽出手段と、抽出された変化部位に基づき内部欠陥に係る画像を作成する画像作成手段とを備える。こうして作成された画像に基づいてユーザの検査オペレータは内部欠陥を検査する。
前記の抽出手段は、受信波形に係るデータをフーリエ変換(FFT等)による処理を行い、パワースペクトルを算出する変換処理手段と、フーリエ変換処理により算出されたパワースペクトル上でパワースペクトル値が低下している少なくとも1つのディップ周波数を計算する演算手段と、ディップ周波数に対して帯域を設定する帯域設定手段とを備えることを特徴とする。
前記の画像作成手段は、帯域のパワー値または逆フーリエ変換により得られた波形のピーク値を検出する値検出手段と、検出されたパワー値またはピーク値のデータを輝度に変換して2次元画像を作成する画像作成手段と、を備えることを特徴とする。
前記の構成において、被検体は複数の界面を有する多層構造を含み、複数の界面の各々に対応してディップ周波数が計算され、2次元画像は複数のディップ周波数の各々に応じて複数作成されることを特徴とする。
また、超音波の回折波を利用した欠陥(き裂)の検出方法として特許文献2に記載された方法がある。一般的に、TOFD法(Time of flight diffraction)と呼ばれる方法で、1つまたは2つの超音波センサを用いて、き裂の開先で発生する干渉波を収録し、伝搬時間及び振幅値の大きさにより、欠陥の位置及び寸法を計測する方法である。
特許文献2では、き裂の向きがいかなる場合も、確実にき裂の深さを評価する方法として、複数の振動子を備えた送信用超音波アレイセンサと、複数の振動子を備えた受信用超音波アレイセンサとを用いて、被検体内に対して超音波の送受信を行い、その超音波の受信結果に基づいて被検体内の欠陥の位置あるいは大きさを測定する超音波検査方法において、送信用及び受信用各超音波アレイセンサを、被検体の表面上に、送信用及び受信用各超音波アレイセンサの振動子長手方向と送信用及び受信用各超音波アレイセンサの振動子面中心位置を通る直線の方向がなす外積の方向が被検体表面の法線方向と直交するように配置し、送信用超音波アレイセンサと受信用超音波アレイセンサの直線の方向の間隔を変化させ、且つ送信用超音波アレイセンサから発生させる超音波を電気的に走査し、被検体から受信用超音波アレイセンサで超音波を受信して超音波の送受信を行い、超音波の受信結果に基づいて、被検体内の欠陥の位置あるいは大きさを測定することを特徴とした超音波検査方法を提供している。
特許第5075850号明細書 特許第4600335号明細書
特許文献1に記載のものは、被検体から戻ってくる反射エコー波が複数であってかつ相互に干渉するとき、干渉した複数の反射エコー波に係る受信波形の周波数領域での波形特性(周波数パワースペクトル特性)で生じる変化部位(ディップ周波数または干渉周波数の部位)を抽出する方法であり、欠陥の有無で生じる各層の厚さ変化に由来する反射エコーの干渉変化を利用するものであり、周波数領域で特徴量を抽出している。そのため、欠陥部と健全部の境界では、反射エコーの干渉変化が部分的となり、周波数領域での特徴量抽出の効果が低下する課題がある。
特許文献2に記載のものは、き裂の向きがいかなる場合も、確実にき裂の深さを評価するために、一般的なTOFD法を応用したものであり、超音波センサとき裂の位置関係について言及した内容である。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであって、被検査対象中に存在する微小な欠陥を、簡易的に高精度に検出できる超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の超音波検査方法は、被検体の表面に超音波探触子を走査させながら超音波探触子から被検体に向けて超音波を送出し、被検体から戻ってくる反射エコー波を超音波探触子で受信し、反射エコー波に係る受信信号を演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って被検体の欠陥を検査する超音波検査方法であって、演算処理手段は、反射エコー波と欠陥での回折波とを相殺する相殺波長を、超音波の波長に設定する設定ステップと、受信信号の振幅に対して、第1のしきい値と、第1のしきい値より小さな第2のしきい値を設定し、受信信号の振幅が第1のしきい値以上の場合と、受信信号の振幅が第2のしきい値以下の場合とに、欠陥として検出する検出ステップとを実行することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、被検査対象中に存在する微小な欠陥を、簡易的に高精度に検出できる。
実施形態に係る超音波検査装置の全体的な装置構成を示す外観図である。 本実施形態に係る超音波検査装置の制御系及び信号処理系の構成を示すブロック図である。 表示装置に表示された測定画像の例であり、(a)は第1のしきい値により欠陥が検出できる場合、(b)は第2のしきい値により欠陥が検出できる場合、(c)は欠陥が未検出の場合である。 超音波探触子と被検体間の超音波伝搬を示す説明図であり、(a)は第1のしきい値により欠陥が検出できる場合、(b)は第2のしきい値により欠陥が検出できる場合である。 被検体にシリコン半導体を用いた計測結果であり、(a)は比較例のモード1の計測結果であり、(b)はモード2での計測結果である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る超音波検査装置及びそれを用いた超音波検査方法を説明する。
図1と図2を参照して本発明に係る超音波検査装置の基本的構成を説明する。図1は、超音波検査装置の機械的構造部も含めた全体を示す外観図である。図2は、電気系、制御系、及び信号処理系を示すシステム構成図である。
図1において、符号10はX,Y,Zの直交3軸の座標系を示している。11はスキャナ台、12はスキャナ台11の上に設けられた水槽、13はスキャナ台11上で水槽12を跨ぐように設けられたスキャナ装置である。スキャナ台11はほぼ水平に設置された基台である。水槽12内には水14が注入されており、当該水14の中に被検体15が水没状態で置かれている。水槽12内の水14は、超音波探触子16の下端の開口面から放射された超音波を、被検体15の内部に効率良く伝播させるために必要な媒体である。
波形処理装置17では、被検体15と超音波探触子16の間に水14を介在させる必要がある。被検体15は例えば水槽12の底部に置かれている。被検体15は、例えば多層構造(または積層構造)等を含む半導体パッケージである。超音波探触子16は、被検体15の上方位置に配置され、下端の開口面が被検体15の表面に臨んでいる。超音波探触子16は、開口面(先端の超音波出射部)から超音波を送出し、被検体15から戻ってくる反射エコー波(または反射エコー)を開口面で受信する。超音波探触子16はホルダ18で支持されて設置されている。ホルダ18はX軸スキャナ19に取り付けられ、さらにX軸スキャナ19はY軸スキャナ20に取り付けられている。アーム状のX軸スキャナ19はホルダ18をX軸方向に移動させ、Y軸スキャナ20はX軸スキャナ19をY軸方向に移動させる機能を有している。X軸スキャナ19とY軸スキャナ20によって前記のスキャナ装置13が構成される。当該スキャナ装置13によって超音波探触子16をXY方向に自在に移動させることができる。この移動動作に基づいて、超音波探触子16は被検体15の表面における予め定められた測定範囲を走査し、超音波を送受し、測定範囲内において予め設定された複数の測定点で反射エコー波を受信し、当該測定範囲に含まれる内部構造の欠陥を検査することができる。超音波探触子16はケーブル21を介して図示しない探傷器等と接続されている。
波形処理装置17では、複数の測定点で得られた反射エコー波に基づき内部構造を映像化することにより内部平面画像を作成し、当該内部平面画像の画像内容に基づいて欠陥等の不具合部位を検査(または計測)する。
図2に示すように、波形処理装置17はデジタル式の超音波検査装置である。超音波探傷器31は超音波探触子16にパルス信号を与えて駆動し、超音波探触子16から被検体15に対して超音波U1を送出する。また超音波探傷器31は、被検体15の表面あるいは内部の複数の界面から戻ってくる反射エコー波U2を受信し、電気信号(反射信号)に変換する。反射信号は、その後、増幅され、フィルタリングされる。超音波探傷器31の受信経路で必要な処理が行われた反射信号は、さらにその後、A/D変換器32によってデジタル信号すなわちデジタル波形データ(または受信波形データ)に変換される。当該デジタル波形データはA/D変換器32からメモリ33に伝送され、メモリ33のデータ格納部34に格納される。メモリ33は、さらに機械走査プログラム35、測定条件設定プログラム36、波形演算処理プログラム37を格納している。デジタル波形データは、その後、メモリ33に格納されている波形演算処理プログラム37が実行されるときに演算処理対象として用いられ、当該波形演算処理によって2次元の画像データに変換され、画像メモリ38に格納される。画像メモリ38に格納された画像データは、表示回路39を介して表示装置40に表示される。また表示装置40の画面には、取り込まれた反射信号の波形も表示される。
メモリ33に格納されている機械走査プログラム35、測定条件設定プログラム36、波形演算処理プログラム37については、必要に応じて、マイクロプロセッサ41(演算処理手段)がバス42を介して読み出し、実行する。機械走査プログラム35は、スキャナ装置13の走査動作を制御するためのプログラムである。測定条件設定プログラム36(設定手段)は、被検体15に応じた測定条件を設定するためのプログラムである。波形演算処理プログラム37(検出手段)は、得られたデジタル波形データに演算処理し、映像化を行うための2次元の画像データを作成するプログラムである。
波形演算処理プログラム37は、予め決められた被検体15の測定領範囲において多層構造の表面及び各界面等から戻ってくる反射波を利用して映像作成処理を行い、欠陥等を抽出するための処理機能を実行する。
ホルダ18に固定された超音波探触子16は、スキャナ装置13によって2軸方向(XY方向)に機械的に走査される。スキャナ装置13は、スキャナ制御回路43及びインターフェース44を介して制御される。これにより超音波探触子16は、走査動作を行い、任意の位置に移動し、静止することが可能である。また入力装置45が、インターフェース46を介してバス42に接続されている。
被検体15が多層構造を有していたとしても、反射波を生じる表面や界面等が十分な間隔を有しているときには、各界面からの反射信号は伝播時間の差による時間差が生じ、界面の反射エコー信号を分離して抽出することができる。反射エコー信号を抽出できれば、この反射エコー信号の所望の時間領域に映像化ゲートをかけることにより、任意の時間領域を切り出し、当該映像化ゲート内のピーク値を検出して映像化することができる。
ここで、本実施形態の特徴的なプログラムについて説明する。
測定条件設定プログラム36は、従来は、安全に動作させるために、超音波探触子16(図2参照)の印加電圧限界値、深さ方向の可動範囲限界値、パルス幅を設定するものであった。本発実施形態では、従来に加えて相殺波長(図4で詳細に説明する)または検査対象幅、及び各点での波形収録の繰り返し数を設定するものである。
波形演算処理プログラム37は、従来は、描画について、被検体の検査位置の各測定点にて時間幅で設定したゲート範囲に収録された波形の正または負の振幅値をカラースケールに変換してプロットしていた。また、検査では、振幅値にしきい値を設けて、2値化処理により、欠陥有無の判定をしていた。本実施形態では、描画方法は従来と同様であるが、検査方法は、振幅値に複数のしきい値(例えば、第1のしきい値、第2のしきい値)を設けて、3値化処理を行う。このことで、従来の波形収録方法をモード1とし、相殺波長を用いた波形収録方法をモード2とした場合、モード1とモード2の両方を同時にも実施できるようにしている。
次に、実施形態に係る欠陥を検査する超音波検査方法について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、表示装置に表示された測定画像の例であり、(a)は第1のしきい値により欠陥が検出できる場合、(b)は第2のしきい値により欠陥が検出できる場合、(c)は欠陥が未検出の場合である。図3を参照して、表示装置40(図2参照)に表示された反射エコーの測定画像の例を説明する。表示画像300A,300B,300Cは、横軸が時間(または路程、深さ等)で、縦軸が振幅(または電圧等)である。画像中、波形演算処理プログラム37で設定されたしきい値の値が大きい第1のしきい値302、第1のしきい値302よりも小さいしきい値である第2のしきい値303が示されている。
図3(a)に示す表示画像300Aの場合、超音波の波長よりも被検体15の欠陥が大きい場合に得られる波形である。この場合においては、振幅が第1のしきい値302以上であることにより、欠陥の検出ができる。
図3(b)に示す表示画像300Bの場合、超音波の波長よりも被検体15の欠陥が小さい場合で、相殺波長を選択または使用した場合に得られる波形である。この場合においては、振幅が第2のしきい値303以下に所定時間検出できていることにより、欠陥の検出ができる。
図3(c)に示す表示画像300Cの場合、反射エコーの測定波形が第1のしきい値302、第2のしきい値303の間にあり、欠陥のない検査対象からの反射波の受信信号を示している。
図4は、超音波探触子と被検体間の超音波伝搬を示す説明図であり、(a)は第1のしきい値により欠陥が検出できる場合、(b)は第2のしきい値により欠陥が検出できる場合である。図4を参照して、相殺波長を説明する。図4に示す説明図400A,400Bは、超音波探触子16と被検体15内にある欠陥1501,1502の間の超音波伝搬を模擬した図である。超音波U11〜U13は送信波の一部、超音波U21〜U24は反射波の一部、超音波U25、U26は回折波の一部を示している。
図4(a)に示す説明図400Aの場合、超音波U11〜U13は、同位相で欠陥方向へと伝搬する。欠陥で反射した超音波U21〜U23は同位相で超音波探触子16へと到達し、波形処理装置17で信号処理をされた後、表示装置40にて表示例300A(図3(a)参照)に示すような反射エコーとして表示される。
一方、図4(b)に示す説明図400Bの場合、超音波U11〜U13は、説明図400Aと同様に、同位相で欠陥方向へと伝搬する。超音波U24は欠陥1502で反射するが、欠陥1502の端面では、回折現象が起こり、超音波探触子16には、反射波である超音波U24と回折波である超音波U25,U26が到達する。その際、回折によって超音波U25,U26の伝搬経路(音軸)が変化するが、超音波U24の伝搬経路と半波長の整数倍の差になった場合、超音波探触子16への到達場面で超音波U24と超音波U25,U26が打ち消しあい、表示装置40にて表示例300B(図3(b)参照)に示すような反射エコーとして表示される。この際の超音波の波長を相殺波長と定義する。
図3(b)及び図4(b)の場合、回折波と反射波の干渉を利用し、受信信号の振幅値の大小により欠陥判定をしている。この点が、一般的なTOFD法とは異なる点である。通常、受信信号の振幅値は、反射波、散乱波、回折波、電気ノイズ等を合算した値となる。本実施形態の回折波と反射波の干渉を利用すると、反射波と回折波とが打ち消しあい(相殺され)、受信信号の振幅値は、散乱波と電気ノイズ等のみになり、受信信号の振幅値が小さくなる現象を見出し、その現象を利用したことが特徴である。なお、図3(a)、図3(c)は、図3(b)で設定した超音波の波長のまま測定しており、モード2での測定例である。ただし、超音波はパルス波を利用しているため、相殺波長を含む前後の波長成分は含まれている。
相殺波長は、超音波U24と超音波U25,U26の打ち消しあいの効果が高くなる長さがよく、欠陥の幅の5倍以上かつ20倍以下に設定することが望ましい。欠陥の幅の5倍よりも短い場合、超音波U24のような反射波のエネルギーが減少し、打ち消しあいの均衡が低下する。欠陥の幅が20倍よりも大きい場合、超音波U24のような反射波のエネルギーが超音波U25、U26の回折波のエネルギーを上回り、打ち消しあいの均衡が低下する。
相殺波長の値は、超音波探触子16の動作周波数の選択により決定する。波長は音速に比例し、周波数に反比例するので、被検体の音速を考慮して、周波数が選択される。超音波探触子16の動作周波数は、圧電素子の厚さ、共振モード等により決定される。その他、相殺波長の値は、超音波探傷器31により超音波探触子16に印加される電圧波形で制御することも可能である。
図3に戻り、表示画像300A,300B,300Cでは、振幅値が大きい第1のしきい値302、振幅値が小さい第2のしきい値303が設定されている。各しきい値の設定では、しきい値判定をする波形領域の開始時間、時間幅、しきい値とする振幅値が設定される。入力は、表示装置40に表示された表示例300Aの画面で入力装置45(図2参照)を用いてGUI(Graphical User Interface)操作で行えばよい。その他、必要な設定値を表示装置40に表示させて、入力装置45にて数値入力してもよい。
表示画像300A及び300Bの場合、波形301A及び波形301Bが1波長の超音波エコーを検出しており、正側だけにしきい値設定を行っている。負側だけのしきい値設定でもよいし、正負の両側にしきい値設定を行ってもよい。その場合、大小関係は、絶対値で判定するとよい。
図5は、被検体にシリコン半導体を用いた計測結果であり、(a)は比較例のモード1の計測結果であり、(b)はモード2での計測結果である。図5に示す計測結果500A、計測結果500Bについて説明する。2次元画像501A及び2次元画像501Bは、平面方向に機械走査して、各点ごとの振幅値の絶対値の最大値をグレースケールで表示して示している。プロファイル502A及びプロファイル502Bは、一方向の各点の振幅値をプロットして表示している。
被検体は、超音波検査装置の検出精度を検証するためのものであり、欠陥の幅をモデルとした複数本の異なる幅の溝が形成されているものを使用した。溝の幅は、図5において、反射信号506Bに対応する溝が2.5μm、反射信号505Bに対応する溝が4.0μm、反射信号504Bに対応する溝が6.5μm、反射信号503B及び反射信号503Aに対応する溝が10μmである。
プロファイル502A,502Bは、各測定点の時間波形での最大振幅値をプロットすることで断面ビームプロファイルを作成できる。特に、本実施形態の超音波検査方法(モード2)は、第1のしきい値以上の振幅値がある場所で欠陥ありと判定する。また、第2のしきい値以下の振幅値がある場所で欠陥ありと判定する。
図5(a)に示す計測結果500Aは、一般的な超音波検査装置を用いて、一般的な超音波検査方法(モード1)で収録した結果である。10μmの幅の欠陥の反射信号503Aまで第1のしきい値で判定できる(波長の1/5倍)が、6.5μmの幅の欠陥は判定できない。
一方、図5(b)に示す計測結果500Bは、相殺波長50μmで本実施形態の超音波検査方法(モード2)で収録した結果である。計測結果500Aと同様に、10μmの幅の欠陥まで第1のしきい値で判定できる。さらに、6.5μmの幅の欠陥の反射信号504B及び4μmの幅の欠陥からの反射信号505Bが第2のしきい値で判定できる。6.5μm及び4μmの欠陥の幅に対して相殺波長はそれぞれ7.7倍、12.5倍である。2.5μmの幅の欠陥(波長の1/20倍)の反射信号506Bは第2のしきい値で判定できていない。
未知のサイズの欠陥に対しては、各しきい値で検出した欠陥の寸法を推定することができる。第1のしきい値より大きい振幅値の欠陥は、モード1にて映像化で示されたサイズまたは振幅値の大きさで推定できる。第2のしきい値より小さい振幅を示した欠陥に対しては、モード2が有効な範囲として、相殺波長は欠陥の幅の5倍以上、20倍以下と推定できる。
以上より、本実施形態の超音波検査装置により、被検査対象中に存在する微小な欠陥を、簡易的に高精度に検出し、さらに減衰の大きい高い周波数領域でも微小な欠陥サイズを推定できる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、水14を使用せずに超音波探触子16と被検体15を直接接触させて検査を行う方法を選択しても構わない。この場合は水槽12を用いない構成できるため、コスト削減の効果を得る。また、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10 座標系
11 スキャナ台
12 水槽
13 スキャナ装置
14 水
15 被検体
16 超音波探触子
17 波形処理装置
18 ホルダ
19 X軸スキャナ
20 Y軸スキャナ
21 同軸ケーブル
31 超音波探傷器
32 A/D変換器
33 メモリ
34 データ格納部
35 機械走査プログラム
36 測定条件設定プログラム(設定手段)
37 波形演算処理プログラム(検出手段)
38 画像メモリ
39 表示回路
40 表示装置
41 マイクロプロセッサ(演算処理手段)
42 バス
43 スキャナ制御回路
44 インターフェース
45 入力装置
46 インターフェース
100 超音波検査装置
302 第1のしきい値
303 第2のしきい値(所定のしきい値)

Claims (7)

  1. 被検体の表面に超音波探触子を走査させながら前記超音波探触子から前記被検体に向けて超音波を送出し、前記被検体から戻ってくる反射エコー波を前記超音波探触子で受信し、前記反射エコー波に係る受信信号を演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って前記被検体の欠陥を検査する超音波検査方法であって、
    前記演算処理手段は、
    前記反射エコー波と前記欠陥での回折波とを相殺する相殺波長を、前記超音波の波長に設定する設定ステップと、
    前記受信信号の振幅に対して、第1のしきい値と、前記第1のしきい値より小さな第2のしきい値を設定し、前記受信信号の振幅が前記第1のしきい値以上の場合と、前記受信信号の振幅が第2のしきい値以下の場合とに、前記欠陥として検出する検出ステップとを実行する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  2. 被検体の表面に超音波探触子を走査させながら前記超音波探触子から前記被検体に向けて超音波を送出し、前記被検体から戻ってくる反射エコー波を前記超音波探触子で受信し、前記反射エコー波に係る受信信号を演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って前記被検体の欠陥を検査する超音波検査方法であって、
    前記演算処理手段は、
    前記反射エコー波と前記欠陥での回折波とを相殺する相殺波長を、前記超音波の波長に設定する設定ステップと、
    前記受信信号の振幅に対して、前記受信信号の振幅が所定のしきい値以下の場合に、前記欠陥として検出する検出ステップとを実行する
    ことを特徴とする超音波検査方法。
  3. 前記設定ステップで、前記相殺波長を検査対象の検出幅に対応付けて選択する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波検査方法。
  4. 前記設定ステップで、前記相殺波長を前記検査対象の検出幅の5倍以上かつ20倍以下に設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波検査方法。
  5. 被検体の表面に超音波探触子を走査させながら前記超音波探触子から前記被検体に向けて超音波を送出し、前記被検体から戻ってくる反射エコー波を前記超音波探触子で受信し、前記反射エコー波に係る受信信号を演算処理手段に送り、当該演算処理手段で演算処理を行って前記被検体の欠陥を検査する超音波検査装置であって、
    前記演算処理手段は、
    前記反射エコー波と前記欠陥での回折波とを相殺する相殺波長を設定する設定手段と、
    前記受信信号の振幅に対して、第1のしきい値と、前記第1のしきい値より小さな第2のしきい値を設定し、前記受信信号の振幅が前記第1のしきい値以上の場合と、前記受信信号の振幅が第2のしきい値以下の場合とに、前記欠陥として検出する検出手段を有する
    ことを特徴とする超音波検査装置。
  6. 前記設定手段で、前記相殺波長を検査対象の検出幅に対応付けて選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載の超音波検査装置。
  7. 前記設定手段で、前記相殺波長を前記検査対象の検出幅の5倍以上かつ20倍以下に設定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の超音波検査装置。
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