JP5804497B2 - ラム波損傷画像化システム - Google Patents

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Description

本発明は、ラム波損傷画像化システムに関し、特に薄板材料で造られている航空機、宇宙構造物、高速車両、船舶などの大型構造物に対して、ラム波の振幅減衰の性質を利用して、効率良く高精度に損傷を画像化するためのラム波損傷画像化システムに関する。
従来から、超音波エコーを利用して、検査対象の断面映像を捉えることにより非破壊で検査対象のき裂、円孔、内部はく離などの損傷の画像化を行えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このレーザ超音波法を用いた画像化装置は、以下のようにして使用される。
超音波伝播の映像化装置等として、発振レーザによって被検体の表面を走査してパルスレーザ光を走査路に沿って複数の計測点に照射し、これら複数の計測点で熱励起超音波を発生させ、この超音波を被検体に装着し固定した受信用圧電センサで照射するレーザ光のパルスと同期して検出し、この検出した信号をディジタルオシロスコープ等のA/D変換器により波形列データとしてPCに収録し、PCによって収録した波形列データを各時刻における振幅値を輝度変調して画像化することが開示されている。(例えば、特許文献2参照)
特開2000−28589号公報 特開2006−300634号公報
従来技術によれば、超音波振動を与える位置を物体に対し2次元的に移動走査し、物体に配置された探触子によって超音波振動を検出し、検出された信号を処理することで、物体における2次元的な超音波振動分布を画像化することができる。
しかしながら、超音波振動の受信に際しては、非接触式走査あるいは接触式走査において、受信点が走査点から離れるに従い、超音波減衰による画像の乱れが生じ、また、反射波の影響によってアーチファクトと呼ばれる虚像が生じることがある。このような画像の乱れの原因の一つである反射波は、物体における損傷の形状、寸法、超音波の周波数などによって発生状況が異なる。また、画像乱れのほかの原因である超音波減衰は超音波振動の伝播距離に大きく影響を受けるため、広範囲の検査には適していない。
また、超音波探傷法は検査領域を格子要素に分割し、全ての格子要素に対して超音波を励起させるため、検査時間と検査データが膨大になる。
本発明の目的は、広範囲の検査を一度にできることを可能にし、また、検査データを従来技術のものより少なくすることで、検査時間を短縮させることを可能とするラム波損傷画像化システムを提供することである。
本発明に係るラム波損傷画像化システムは、伝播による振幅減衰が少なく長距離伝播が可能なラム波を用いることで広範囲の損傷を一度に検出することを可能する。
本発明に係るラム波損傷画像化システムは、検査対象に対してパルスレーザを放射するパルスレーザ装置と、前記レーザ装置によりラム波が伝播する検査板と、前記板を伝播するラム波の振幅を測定する受信センサと、検出信号の波形処理を行うディスクリミネータと、信号をA/D変換して表示するオシロスコープと、得られたラム波の振幅値から、損傷の領域と形状を計算するアルゴリズムと、2次元面に損傷を画像化する画像表示部と、を備えることを特徴とするラム波損傷画像化システム。
また、本発明に係るラム波損傷画像化システムにおいて、検査領域を正方形に取り、各辺A1、A2、B1、B2のように名前をつけ、等間隔で格子要素に分割し、レーザを照射する点は検査領域の辺A1、A2上の格子点の中点のみとし、センサを貼付する点は検査領域の辺B1、B2上の格子点の中点のみとする。
前記検査領域において取得する振幅データは、辺A1−B1間のX軸に平行に入射した振幅データ、辺A2−B2間のY軸に平行に入射した振幅データ、辺A1の下端レーザ照射点から辺B1上の下端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺A2の左端レーザ照射点から辺B2上の左端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺A1の上端レーザ照射点から辺B1上の上端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺B2上の左端を除くすべてのレーザ照射点から辺A2の左端センサ貼付点への斜め方向の振幅データのみである。
検査領域をN×N個の格子要素に分割した場合、従来技術での必要データ数はN個である。それと比べて本発明に係るラム波損傷画像化システムでの必要データ数は6N−4個となる。従って、例えば、検査領域を60×60個の格子要素に分割すれば、従来の必要データ数は3600個、本発明での必要データ数は356個となり、従来のほぼ10%程度まで必要データ数が減るため、大幅な検査時間の短縮も可能となる。
また、本発明に係るラム波損傷画像化システムにおいて、画像化アルゴリズムは、X軸、Y軸に対して平行に入射したラム波の振幅データから予め定めた閾値を基準にしておおよその損傷領域を特定し、斜めに入射したラム波の振幅データから損傷形状を同定することが好ましい。
また、本発明に係るラム波損傷画像化システムにおいて、ラム波は材料内部を伝播する弾性波のため、検査対象を液体に入れる必要はない。
また、本発明に係るラム波損傷画像化システムにおいて、レーザ照射点を走査する際に、検査対象表面に超音波振動としてラム波を伝播させるようにして超音波振動を与える点を移動走査する走査手段を有していることが好ましい。
また、本発明に係るラム波損傷画像化システムにおいて、受信センサを走査する際に、常に一定の圧力で検査対象表面に受信センサを貼付できる移動走査手段を有していることが好ましい。
上記構成により、本発明に係るラム波損傷画像化システムは、第1ステップとしておおよその損傷領域を特定し、第2ステップとして損傷形状を同定するという2つのステップを踏むことで、従来のシステムよりも必要とするデータを減らすことができ、検査時間の短縮が可能となる。
すなわち、非破壊で検査対象の欠陥検査を短時間で行えるといったラム波損傷画像化装置を提供することができる。
本発明に係る実施の形態のラム波損傷画像化システムの構成を説明する図である。 同実施形態における検査領域の詳細である。 同実施形態におけるPCの制御部を示すブロック線図である。 同実施形態における損傷同定アルゴリズム部を示すフローチャートである。 同実施形態における物体2の寸法と検査領域の説明図である。 同実施形態における物体2、70の損傷領域特定方法および損傷形状同定方法の説明図である。 同実施形態における物体2、70の健全部の減衰率を求めるためのモデル図である。 同実施形態における物体2、70の健全部の減衰率のプロット図である。 同実施形態における物体2の損傷画像である。 同実施形態における物体70の寸法と検査領域の説明図である。 同実施形態における物体70の損傷画像である。 同実施形態における物体80の表面の寸法と検査領域の説明図である。 同実施形態における物体80の裏面の寸法と検査領域の説明図である。 同実施形態における物体80の健全部の各角度における減衰率を求めるためのモデル図である。 同実施形態における物体80の健全部の各角度における減衰率のプロット図である。 同実施形態における物体80の損傷領域特定方法および損傷形状同定方法の説明図である。 同実施形態における物体80の表面の損傷画像と、従来の超音波探傷での損傷画像である。 同実施形態における物体80の裏面の損傷画像と、従来の超音波探傷での損傷画像である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下では、走査手段として、検査対象である物体の表面に集光してレーザを照射し、物体にラム波を励起するものを説明するが、これ以外のラム波励起装置を用いてもよい。例えば、圧電素子を用いたラム波励起装置を検査対象に接触させる構成としてもよい。
以下では、受信手段として、AEを用いた接触式の超音波探触子を説明するが、これ以外の超音波振動検出装置を用いてもよい。例えば、接触式の圧電素子を用いた超音波振動検出装置、非接触式の電磁超音波センサ等を用いるものとしてよい。
以下で説明する検査範囲、損傷の寸法は説明のための一例であって、薄板材料であれば検査の仕様に応じて適宜変更することが可能である。
図1はラム波損傷画像化システム10の構成を説明する図である。図1には、ラム波損傷画像化システム10の構成要素ではないが、検査対象として物体2の一部分が図示されている。検査対象の物体2としてはラム波を伝播するものであればよいが、以下では、平板状アルミニウム合金に模擬損傷として円孔を設けた物体2と物体70、平板状CFRP板に模擬損傷として円形内部はく離を設けた物体70を用いて説明する。具体的に検査対象とした物体2、70、80の内容についてはその都度後述する。
このラム波損傷画像化システム10は、レーザ光を照射して検査対象にラム波を励起させるためのレーザ装置1、検査対象となる物体2、ラム波を検知するための受信センサ3、検出信号をフィルタリングなどの波形処理を行うディスクリミネータ4、信号をディジタルデータに変換して表示するオシロスコープ5、得られたデータを集計しそのデータから画像化処理を行うPC6等で構成される。以下、各部を具体的に説明する。
レーザ駆動装置1は、所定の間隔でパルスレーザ光を出力する装置で、例えばYAGレーザ等を用いることができる。レーザ駆動装置1がパルスレーザ光を出力するタイミングを示す信号は、トリガ信号としてオシロスコープ5に伝送される。
物体2は、図2に示すように検査領域の各辺にA1、A2、B1、B2のように名前をつけ格子要素に分割し、レーザを照射する点は検査領域の辺A1、A2上の格子点の中点のみとし、センサを貼付する点は検査領域の辺B1、B2上の格子点の中点のみとする。また取得する振幅データは、辺A1−B1間のX軸に平行に入射した振幅データ、辺A2−B2間のY軸に平行に入射した振幅データ、辺A1の下端レーザ照射点12から辺B1上の下端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺A2の左端レーザ照射点13から辺B2上の左端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺A1の上端レーザ照射点14から辺B1上の上端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、辺B2上の左端を除くすべてのレーザ照射点から辺A2の左端センサ貼付点22への斜め方向の振幅データのみである。
受信センサ3は、AEセンサであり、レーザ駆動装置1によって検査対象である物体2にパルスレーザ光が照射され、それによって走査点において発生するラム波が物体2を伝播する超音波振動信号を検出信号として受信する機能を有する超音波振動の受信手段である。
ディスクリミネータ4は、受信センサ3からのアナログ検出信号のノイズを除去する装置である。本発明に係るラム波損傷画像化システムでは、ラム波の最低次の反対称モードであるAモード以上を含まないAモードのラム波を支配的に発生させるために、100〜200kHz以外の範囲の周波数を除去することが好ましい。
オシロスコープ5は、ディスクリミネータ4から送られてきたアナログ信号をA/D変換してディジタルデータに変換して検知したラム波の波形を表示する。
PC6は、図3に示されるように、得られたデータを集計し、損傷の領域と形状を計算する損傷同定アルゴリズム部32と、計算結果から2次元面に損傷を画像化する画像表示部33を有している。
次に検査対象となる物体2について内容を説明する。物体2は図5に示すように、縦1000mm、横660mm、板厚5。0mmのアルミニウム平板で、模擬損傷として中央部に長径15mm、短径12mmの楕円孔が存在している。検査領域は60mm×60mmである。以下ではこの物体2に対してのラム波損傷画像化システムについて説明する。
損傷同定アルゴリズム部32について説明する。このアルゴリズムのフロートチャートは図4のようになっている。
最初に、得られた振幅データをすべて損傷同定アルゴリズム部32に読み込む(S1)。
次に、損傷領域の特定を行う(S2)。最初にレーザ照射位置とセンサ貼付位置を結ぶ直線がX軸に平行な場合(辺A1−辺B1)のデータのみを使用する。それらのデータの任意の組み合わせについて、センサでの透過波の振幅をH1iとする。従って、辺A1−辺B1での平均振幅について、下記式で表すことができる。
1以下の任意の値αを用いて(2)式を表す。
(2)式を満たすH1iは平均振幅よりも著しく減衰している場合である。従って(2)式を満たすときのレーザ照射位置、センサ間には損傷があると判断でき、その領域を図6に示すように直線51、52で囲む。
同様に、辺A2−辺B2の組においても前記手法で(3)、(4)式を表す。
(4)式を満たす領域を図6に示すように直線53、54で囲み、先ほど求めた直線51、52とで囲まれる範囲をφと定義し、φ内に損傷があると仮定する。すなわち、可能な損傷領域になる。
次に、損傷形状の同定を行う(S3)。
まずφ以外の領域を通過した場合のラム波の単位長さ当たりの減衰をx、φ以内ではxとする。ここでxは、図7にあるように、アルミニウム平板の損傷がない領域の一点でセンサを固定し、レーザを図の軸に沿って5.0mm間隔で照射しセンサでラム波の振幅を測定する。こうして得られた振幅をY軸、センサとレーザ照射位置の距離をX軸にとり図8のようにプロットしていく。このプロットを線形近似した直線の傾きがxとなる。またその近似直線のy切片をHとしておく。
図6で示されるように、レーザ照射位置、センサを結ぶ直線がφ上を通過するとき、検査領域内での減衰幅は(5)式で表される。
ここでDはレーザ照射位置で発生したラム波の振幅Hとセンサで得られた振幅の差である。またLは格子要素iにおけるレーザ照射位置、センサを結ぶ直線の長さを表している。Mはφ上を通過する直線の組み合わせの数を意味する。(5)式の右辺の第一項は格子要素がφ以外の減衰幅の和を意味し、第二項は格子要素がφ内にあるときの減衰幅の和を示している。ここで可能な損傷領域φにおける減衰率x
と書き換える。この式は未知の減衰率xが、無損傷時の減衰率xとΔxだけずれていることを示し、Δxが0以外の場合損傷があると判断できる。(6)式を(5)式に代入すると下記(7)式が得られる。
(7)式をベクトル表記すると、
(8)式は以下の最小二乗法で解くことができる。
(9)式は二次計画法で求めることができる。これにより未知数である可能な損傷領域φにおける減衰率xを求めることが可能である。
損傷アルゴリズム部32により得られた各格子要素の減衰率から、健全部と損傷部の減衰率の差Δxをカラー色調に替えて画像表示部33により、表示することで損傷の画像化を可能にする。
本発明に係るラム波損傷画像化システムによって、物体2の損傷を画像化したものを図9に示す。白線は実際の損傷の位置、形状とサイズを示しており、損傷画像はほぼ精確に一致している。
また検査対象を物体70とした場合も全く同様の損傷同定アルゴリズムにより計算する。物体70は図10に示すように、縦750mm、横750mm、板厚5.0mmのアルミニウム平板で、模擬損傷として中央部に直径20mmの円孔が存在している。検査領域は150mm×150mmである。
本発明に係るラム波損傷画像化システムによって、物体70の損傷を画像化したものを図11に示す。白線は実際の損傷の位置、形状とサイズを示しており、こちらも物体2と同様に損傷画像はほぼ精確に一致している。
上記では、物体2、70として模擬損傷を設けたアルミニウム板を説明したが、CFRP板においても、取得するデータを変更せず、損傷同定アルゴリズムを少し変更するだけで損傷を画像化することが可能である。
物体80について内容を説明する。物体80は図12、13に示すように、縦152mm×横102mm×厚さ4。8mm、積層構成[(45/0/−45/90)]のCFRP積層板で、表面中央部に直径18mm、裏面中央部に直径24mmの円形内部はく離が存在する。この内部はく離は衝撃荷重により発生させたものである。以下では検査対象としてこの物体80に対してのラム波損傷画像化システムについて説明する。
検査領域は40mm×40mmとし、X軸を表面繊維方向、Y軸を表面繊維と90°をなす方向に設定する。
検査対象がCFRP板でも、検査の手順はアルミニウム板である物体2、70の場合と基本的に同じである。相違するのは、損傷同定アルゴリズム32が物体2、70の場合と比べて複雑となることである。なぜなら、ラム波がCFRP板を伝播する場合、伝播する方向によって初期振幅および伝播距離あたりの減衰率が異なるからである。従って予め、検査に用いるCFRP板と同じ積層構成と厚さを有する無損傷のCFRP板において、各方向における減衰率と初期振幅のデータを取る必要がある。
図14にあるように、物体80と同じ積層構成と厚さを有するCFRP板において、損傷がない領域の一点でセンサを固定し、表面繊維と伝播方向のなす角度を10°間隔で変化させて、センサとレーザ照射位置を5。0mm間隔で離しながら測定する。こうして得られた振幅をY軸、センサとレーザ照射位置の距離をX軸にとり図15のようにプロットしていく。このプロットを線形近似した直線の傾きがxθとなる。またその近似直線のy切片をH0,θとしておく。
損傷領域の特定を行う(S3)。
アルミニウム板の場合と同様に、レーザ照射位置とセンサ貼付位置を結ぶ直線がX軸に平行な場合(辺A1−辺B1)の透過波の振幅をH1iとし、Y軸に平行な場合(辺A2−辺B2)の透過波の振幅をH2iとする。また図15の0°方向と90°方向の40mm地点の振幅をそれぞれH40,0°、H40,90°とし、1以下の任意の値βを用いて(10)、(11)式を表す。
(10)、(11)式を満たすH1i、H2iは損傷のないCFRP板での振幅に対して著しく減衰している場合である。従って(10)、(11)式を満たすときのレーザ照射位置、センサ間には損傷があると判断できる。
次に、損傷形状の同定を行う(S3)。表面繊維方向とラム波伝播方向のなす角度をθとおいて、レーザ照射位置、センサを結ぶ直線がφ上を通過するとき、検査領域内での全減衰幅は(12)式で表される。
アルミニウム板の場合と同様に、Dはレーザ照射位置で発生したラム波の振幅H0,θとセンサで得られた振幅の差であり、xθはφ以外の領域を通過した場合のラム波の単位長さあたりの減衰でxはφ以内でのラム波の単位長さの減衰である。またLは図16に示すように格子要素iにおけるレーザ照射位置、センサを結ぶ直線の長さを表している。Mはφ上を通過する直線の組み合わせの数を意味する。(12)式の右辺の第一項は格子要素がφ以外の減衰幅の和を意味し、第二項は格子要素がφ内にある時の減衰幅の和を示している。CFRP板では伝播する角度によってxθとH0,θが異なるため、表1に示すような伝播角度θの範囲によって減衰率の式を近似する。なお、下記表1は、本発明に係る実施の形態のラム波損傷画像化システムにおける、物体80に対する損傷同定アルゴリズムの減衰率近似を行うためのθの範囲を説明する表である。
このようにすればアルミニウム板の場合の形状同定方法と同じように
を表して(13)式を(12)式に代入して
となり、(14)式をベクトル表記して
(15)式は以下の最小二乗法で解けば
(16)式は二次計画法で求めることができる。これにより未知数である損傷領域における減衰率xを求めることが可能である。
後は、アルミニウム板の場合と同様に、損傷アルゴリズム部32により得られた各格子要素の減衰率から、健全部と損傷部の減衰率の差Δxをカラー色調に替えて画像表示部33により、表示することで損傷の画像化を可能にする。
本発明に係るラム波損傷画像化システムによって、物体80の損傷を画像化したものを図17、18に示す。白線は実際の損傷の位置、形状とサイズを示しており、形状は一致できなかったが位置、サイズにおいては同定を可能としている。
各部の具体的構成は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…レーザ駆動装置
2…検査対象[アルミニウム板(楕円孔)]
3…センサ
4…ディスクリミネータ
5…オシロスコープ
6…PC
11〜15…レーザ照射点
21〜25…センサ
31…ラム波
32…損傷同定アルゴリズム部
33…画像表示部
41…検査領域
42…楕円孔
43…検査領域詳細
51〜54…直線
55…損傷
56…ラム波
61…レーザ照射点
62…センサ
63…アルミニウム板
70…検査対象[アルミニウム板(円孔) ]
71…検査領域
72…円孔
73…検査領域詳細
80…検査対象[CFRP板(内部はく離) ]
81…表面繊維方向
82…検査範囲
83…内部はく離
84…検査領域詳細
91…表面繊維方向
92…検査領域
93…内部はく離
94…検査領域詳細
101、102…レーザ照射点
103〜107 …センサ
108…表面繊維方向
109…CFRP板
111…内部はく離
112…ラム波
113…表面繊維方向
121…物体80表面
122…超音波探傷画像
123…損傷画像詳細
131…物体80裏面
132…超音波探傷画像
133…損傷画像詳細
φ…損傷領域
Li…格子要素iにおけるレーザ照射位置、センサを結ぶ直線の長さ
40、0°…0°方向における40mm地点の振幅
40、90°…90°方向における40mm地点の振幅

Claims (4)

  1. 検査対象に対してパルスレーザを放射するパルスレーザ装置と、
    前記検査対象を伝播するラム波の振幅を測定する受信センサと、
    前記受信センサから受ける検出信号の波形処理を行うディスクリミネータと、
    前記波形処理された検出信号をディジタルデータに変換して表示するオシロスコープと、
    得られたラム波の振幅値から、損傷の領域と形状を計算するアルゴリズム部と、
    2次元面に損傷を画像化する画像表示部と、を備えることを特徴とするラム波損傷画像化システムであって、
    検査領域をX軸及びY軸からなる正方形に取り、等間隔で格子要素に分割し、レーザを照射する点は検査領域の左辺、下辺上の格子点の中点のみであり、またセンサを貼付する点は検査領域の右辺、上辺上の格子点の中点のみであり、レーザ照射位置とセンサ貼付位置が検査領域の境界上のみとし、
    前記検査領域において取得する振幅データは、前記左辺と前記右辺間の前記X軸に平行に入射した振幅データ、前記下辺と前記上辺間の前記Y軸に平行に入射した振幅データ、前記左辺の下端レーザ照射点から前記右辺上の下端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、前記下辺の左端レーザ照射点から前記上辺上の左端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、前記左辺の上端レーザ照射点から前期右辺上の上端を除くすべてのセンサ貼付点への斜め方向の振幅データ、前記上辺上の左端を除くすべてのレーザ照射点から前記下辺の左端センサ貼付点への斜め方向の振幅データのみである、ラム波損傷画像化システム。
  2. 受信センサと被検体の間にはグリスを塗り、受信センサを固定することを特徴とする請求項1記載のラム波損傷画像化システム。
  3. 画像化アルゴリズムは、第1ステップとしておおよその損傷領域を特定し、第2ステップとして損傷形状を同定することを特徴とする請求項1記載のラム波損傷画像化システム。
  4. 健全な被検体における距離あたりのラム波の振幅減衰率と、実験で得られた各格子要素の振幅減衰を対比し、健全部での振幅減衰率と各格子要素の振幅減衰率との差をカラー色調に替えて画像表示することを特徴とする請求項1記載のラム波損傷画像化システム。
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