JP2014048045A - 燃焼圧センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 中空筒状のハウジングと、中空筒状のハウジングの受圧側先端に配設されたダイアフラムと、ハウジング内の軸方向であって、ダイアフラムの圧力を伝達する圧力伝達部材と、圧力伝達部材の後端に当接する圧電素子と、圧電素子の後端を支持する支持部材と、一端が圧力伝達部材に固定され他端は支持部材に固定され二つの固定部間が筒状部よりなる加圧部材とから構成され、加圧部材は筒状部が荷重調整部となるように構成した。これにより、ダイアフラムの受圧感度が向上する。また、圧電素子に対して精度の高い予荷重を与え、その感度および直線性を高めることができる。
【選択図】図5
Description
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決しようとするものであり、ダイアフラムの受圧感度を向上させ、かつ、圧電素子に高精度の予荷重を与え、高精度の圧力信号を得られる燃焼圧センサを提供することにある。
燃焼室内の燃焼圧を受けて電気信号を発生させる圧力検出部と、検出信号を処理する信号処理部と、検出信号を信号処理部へ伝送する伝送部とを有する燃焼圧センサにおいて、圧力検出部は中空筒状のハウジングと、中空筒状のハウジングの受圧側先端に配設されたダイアフラムと、ハウジング内の軸方向であって、ダイアフラムの圧力を伝達する圧力伝達部材と、圧力伝達部材の後端に当接する圧電素子と、圧電素子の後端を支持する支持部材と、一端が圧力伝達部材に固定され他端は支持部材に固定され二つの固定部間が筒状部よりなる加圧部材とから構成され、加圧部材は筒状部が荷重調整部となっていることを特徴とする。
第1の実施形態の特徴は、本発明の基本的な構成例であり、内燃機関等で使用される燃焼圧センサの圧力検出部において、一端を圧力伝達部材に固定し、他端を支持部材に固定した筒状の加圧部材に予荷重を与える機能を持たせ、ダイアフラムには予荷重を与える機能を持たせない構成にした燃焼圧センサである。第2の実施形態はそのダイアフラムと圧力伝達部材を一体化し、当接部のバウンスと摩耗を防止した燃焼圧センサである。第3の実施形態〜第8の実施形態は加圧部材に各種のバネ構造を構成した燃焼圧センサである。
まず、一般的な内燃機関に従来の燃焼圧センサを取り付けた概略構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1において、符号1は本発明の燃焼圧センサが組み込まれる内燃機関である。この内燃機関1はシリンダ2aを有するシリンダブロック2とシリンダ2a内を往復動するピストン3と、シリンダブロック2に締結されてシリンダ2aおよびピストンなどとともに燃焼室Cを構成するシリンダヘッド4を備えている。
第1の実施形態の燃焼圧センサ5sの構成および組立手順について、図4、図5、図6を用いて説明する。図4は第1の実施形態の燃焼圧センサ5sの断面図であり、図5は図4の圧力検出部100の拡大断面図であり、図6は圧力検出部100の組立手順を示す断面図である。
[圧力検出部100の説明:図4、図5]
まず、圧力検出部100の構成について説明する。圧力検出部100は圧力検出部の枠体となるハウジング31と、ハウジング31の先端側の開口部を塞ぐように設けられ燃焼室Cの圧力が作用するダイアフラム40と、ダイアフラムの中心線方向に形成された突出部42aの後端面が接しダイアフムから圧力を伝達する圧力伝達部材50と、圧力伝達部材50に接し圧力伝達部材50から圧力を受けて電荷を発生する圧電素子10と、圧電素子10を支持し発生した電荷を電気信号として受ける第2の電極部55と(第1の電極部については後述する)、第2の電極55を支持し絶縁する絶縁リング60と、絶縁リング60を支持する支持部材65と、一端を圧力伝達部材50に固定し他端を支持部材65に固定し固定部間が筒状よりなる加圧部材80Aとから構成されている。
ダイアフラム40は、円筒状の円筒状部41と、その内側に形成された内側部42とを有している。円筒状部41の後端部は、ハウジング31の先端部の孔としまりばめで嵌合(圧入)されて、この先端部の孔に入り込む進入部41aと、ハウジング端面31aに突き当たる突当面41bとを有している。内側部42は、円筒状部41における先端側の開口を塞ぐように設けられた円盤状の薄肉部材であり、後端面の中央部にはこの面から圧電素子10側に突出する突出部42aが設けられている。
ハウジング31は、円筒状の部材であり、外周面には、突出部315がリング状に設けられている。突出部315は、先端側から後端側にかけて徐々に径が大きくなる傾斜面315aを有し、その後端部に、垂直面315bを有している。ハウジング31の先端側の内周面は、圧電素子部が収納され、後端側の内周面は支持部材65の外周面がしまりばめで嵌合(圧入)され、さらに、溶接により強固に固定される。又、ハウジング31の中央部の外周面は後述する筐体32の先端側の孔321にしまりばめで嵌合(圧入)され、さらに、溶接により強固に固定される。
筐体32は、内部に、先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された筒状の孔320が形成され、外部には先端側から後端側にかけて段階的に径が異なるように形成された外周面330が形成されている。筐体32における先端部の孔321は、ハウジング31の中央部の外周面にしまりばめで嵌合(圧入)できるようにハウジング31の外周面の径以下となるように設定されている。
圧力伝達部材50は、円柱状の部材であり、先端側の外周には面取部が形成されている。その先端側の端面50aがダイアフラム40の突出部42aに当接し、後端側の端面が圧電素子10の先端側の端面10aに当接するように配置されている。外周面は加圧部材80Aの内周面と接し、先端側の端面がダイアフラム40の突出部42aに当接することによって、圧電素子10の先端部は、ハウジング31と電気的に接続される。このため圧力伝達部材50は第1の電極部を兼ねている。圧力伝達部材50は、燃焼室C内の圧力を圧電素子10に作用させるものであり、圧力伝達部材50の後端側の端面が圧電素子10の全面を押すことが可能な大きさに形成されている。又、圧力伝達部材50は、ダイアフラム40から伝達する圧力を均等に圧電素子10に作用させるように、両端面が平行(中心線方向に直交)かつ平滑面に形成されている。圧力伝達部材50の材質としては、ステンレスを用いて構成するとよい。
圧電素子10は、圧電縦効果の圧電作用を示す圧電体を有している。圧電縦効果とは、圧電体の電荷発生軸と同一方向の応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。本実施形態に係る圧電素子10は、中心線方向が応力印加軸の方向となるようにハウジング31内に収納されている。
第2の電極部55は、円柱状の部材であり、先端側の端面が圧電素子10における後端側の端面に当接し、後端側の端面が絶縁リング60に当接するように配置されている。第2の電極部55における後端側の端面には、この端面から後端側に突出する円柱状の突出部55aが設けられている。突出部55aは、端面側の基端部と、この基端部の外径よりも小さな外径の先端部とを有する。突出部55aの基端部の外径は絶縁リング60の内径よりも小さく設定されるとともに、突出部55aの長さは絶縁リング60の幅よりも長く突出部55aが絶縁リング60から露出している。
絶縁リング60は、アルミナセラミックス等により形成された円筒状の部材であり、内径(中央部の孔径)は、第2の電極部55の突出部55aの基端部の外径よりもやや大きく、外径は、加圧部材80Aの内周の孔径より少し小さい径に設定されている。第2の電極部55は、突出部55aが絶縁リング60の中央部の孔に挿入されて配置されることで、加圧部材80Aの内周と同心に構成される。
支持部材65は、先端側から後端側にかけて、内部に、径が異なる複数の孔が形成され、外周面も複数の外周を持つ筒状の部材である。孔は、先端側から後端側にかけて順に形成された、第1の孔と、第1の孔の孔径よりも大きな孔径の第2の孔とから構成される。第1の孔の孔径は、第2の電極部55の突出部55aの基端部の外径よりも大きく、この突出部55aの先端部が支持部材65の第2の孔まで露出する。第2の孔の孔径は、後述する信号処理部200の伝導部材22において、コイルスプリング70の挿入孔22aを有する先端部の外径よりも大きい。また、第2の孔の孔径は、後述する信号処理部200の絶縁部材23の端部23aの外径よりも小さく、この絶縁部材23の端部23aが第2の孔にしまりばめで嵌合(圧入)される。これにより、支持部材65は、絶縁部材23の先端部を支持する部材として機能する。
加圧部材80Aは、圧力伝達部材50、圧電素子10、第2の電極部55、絶縁リング60および支持部材65などの外周を覆う筒状の部材であり、先端側から筒状部80a、筒状部80b、筒状部80cと、後端側のリング状の突起部80dより構成される。筒状部80aは圧力伝達部材50の外周部に嵌合し、溶接により固定される。又、筒状部80bは圧電素子10に予荷重をかけるための薄肉状のバネ部である。又、筒状部80cはその一部が支持部材65に形成されたリング状の突起65aと嵌合する。又、加圧部材80Aの筒状部80dは支持部材65のリング状の突起65aに対して掛止させて位置決めする。加圧部材の材質はステンレスを用いて構成するとよい。
コイルスプリング70は、内径が第2の電極部55の突出部55aの先端部の外径より少し小さく、外径は、後述する伝導部材22の挿入孔22aの径よりも小さい。コイルスプリング70の内側に第2の電極部55の突出部55aの先端部が軽圧入で挿入されるとともに、コイルスプリング70は、伝導部材22の挿入孔22aに挿入される。コイルスプリング70の長さは、第2の電極部55と挿入孔22aとの間に圧縮した状態になるように設定され、圧電素子10からの圧力信号を伝導部材22に伝導する。コイルスプリング70の材質は、弾性が高く、かつ耐久性、耐熱性、耐触性等に優れた合金を用い、また表面に金メッキを施し、電気伝導性を高める構成とするとよい。
次に、信号処理部200について説明する。信号処理部200は、圧力検出部100の圧電素子10から得られる微弱な電荷である電気信号を少なくとも増幅処理する回路基板部21と、圧電素子10に生じた電荷を回路基板部21まで導く棒状の伝導部材22と、これら回路基板部21、伝導部材22などを覆う絶縁部材23と、回路基板部21などを密封するOリング24とを備えている。
回路基板部21は、圧力検出部100の圧電素子10から得られる微弱な電荷を増幅するための回路を構成する電子部品などが実装されたプリント配線基板210を有する。プリント配線基板210の先端側には、伝導部材22の後端部22bを電気的に接続するために、半田付けなどにより接続されている。又、接地用の第1の接続ピン21bが半田付けなどにより接続されている。又、プリント配線基板210における後端部には、伝送ケーブル8の先端部のコネクタ8aを介して制御装置6と電気的に接続する第2の接続ピン21cが3つ、半田付けなどにより接続されている。3つの第2の接続ピン21cは、それぞれ、制御装置6からプリント配線基板210への電源電圧およびGND電圧の供給、プリント配線基板210から制御装置6への出力電圧の供給に用いられる。
伝導部材22は、棒状の部材であり、先端部には、第2の電極部55の突出部55aの先端部に挿入されたコイルスプリング70が挿入される挿入孔22aが形成されている。伝導部材22における後端部22bは、回路基板部21のプリント配線基板210に、直接電気的に接続される。伝導部材22の材質としては、真鍮及びベリリウム銅等を用いて構成するとよい。この場合、加工性およびコストの観点からは、真鍮が望ましい。これに対して、電気伝導性、高温強度、信頼性の観点からは、ベリリウム銅が望ましい。
絶縁部材23は、伝導部材22の外周を覆う伝導部材被覆部231と、回路基板部21のプリント配線基板210の側面および下面を覆う基板被覆部232と、プリント配線基板210に接続された第2の接続ピン21cの周囲を覆うとともに伝送ケーブル8の先端部のコネクタ8aが嵌め込まれるコネクタ部233と、を有している。(図2)
次に、保持部材300について説明する。保持部材300は、薄肉円筒状の部材であり、後端部に内周面から内側に突出した突出部300aが設けられている。保持部材300は、筐体32に装着された後、外部から、第5の外周面335に設けられた凹部335aに対応する部位が加圧されることでかしめられる。これにより、保持部材300は、筐体32に対して固定され、信号処理部200が筐体32に対して緩むことを抑制することができる。又、同時に電気的にも接続(GND)され、回路基板部21を保護する。
以上のように構成された燃焼圧センサ5sの組立手順について、図4、図5、図6を用いて説明する。ここで、図6(a)は圧力検出部100の内部の圧電素子部の組立手順を示し、図6(b)は圧力検出部100の組立手順を示し、図6(c)は筐体32に圧力検出部100を組立てる手順を示す。尚、図6において、溶接部には便宜上「●」印を付してあるが、実際の形状を示すものではなく単に、「溶接部」を示す印である。又、以下の説明においても同様である。
まず、図6(a)工程において、支持部材65に加圧部材80Aを取り付ける。支持部材65の後端側から加圧部材80Aの筒状部を通す。この時、支持部材65の外周に形成されたリング状の突起65aに対して加圧部材80Aの内周に形成されたリング状の突起80dが掛止するまで押し込む。支持部材65に形成されたリング状の突起65aの外径は対応する加圧部材80Aの内径よりも大きく、しまりばめで嵌合(圧入)される。次に、加圧部材80Aの先端側から絶縁リング60、第2の電極部55、圧電素子10、圧力伝達部材50の順で挿入する。
次に、信号処理部200を筐体32に挿入する。絶縁部材23の先端部23aが支持部材65の第2の孔にしまりばめで嵌合(圧入)され、同時に第2の電極部に形成された突出部55aに組み付けられたコイルスプリング70が伝導部材22に設けられた穴部22aに挿入される。一方で筐体32の突当面340aに形成されたピン用穴部340aに第1の接続ピン21bがしまりばめで嵌合(圧入)される。次に、保持部材300を後端面側から絶縁部材23を嵌めこむ。保持部材300の後端面300aが基板被覆部232の端面232cに突当った状態で止める。次に、筐体32の後端部に形成された凹部335aに対して保持部材300の対応部をリング状にかしめる。これにより、筐体32に対して信号処理部200が固定され、振動等により緩むことのない燃焼圧センサ5sが完成する。
次に、燃焼圧センサ5sにおいて、電気的な接続構成及び動作について説明する。圧電素子10の先端側の端面10aは金属製の圧力伝達部材50、および、金属製のダイアフラム40を介して(又は、金属製の加圧部材80Aおよび支持部材65を介して)金属製のハウジング31と電気的に接続される。又、信号処理部200においては、金属製のハウジング31と溶接により電気的に接続された筐体32の当接面340に設けられたピン用穴部340aに第1の接続ピン21bがしまりばめで嵌合(圧入)されるため、プリント配線基板210のGNDが筐体32に接地される。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、次に示す効果が得られる。
(効果1)
圧電素子に加える予荷重は、一端を圧力伝達部材に固定し、他端を支持部材に固定し、二つの固定部間が筒状部よりなる加圧部材に予荷重を与える機能を持たせるようにしたので、ダイアフラムに予荷重を与える機能を持たせる必要がない。これにより、ダイアフラムは燃焼圧を受圧し、圧力伝達部材に伝達するために必要な剛性のみを持てばよく、燃焼圧の受圧感度を向上させ、高精度の圧力信号を得ることができる。
(効果2)
加圧部材は一端が圧力伝達部材に固定され他端は支持部材に固定され、固定部間が筒状部よりなり、筒状部を荷重調整部としたため、固定部間をバネ部として広く使用できる。それにより、長さの変化に対して荷重変化の小さいバネを設計できる。つまり、圧力伝達部材、圧電素子、第2の電極、絶縁リング、支持部材の中心線方向の寸法バラツキに対して荷重変動が少ないバネ構成を得られる。これにより、圧電素子に対して精度の高い予荷重を与えることができ、感度および直線性を高め、高精度の圧力信号を得ることができる。
(効果3)
加圧部材は一端を圧力伝達部材に固定し、他端を支持部材に固定し、固定部間が筒状部よりなり、中空筒状のハウジングと協働して2重構造になるため、燃焼室の温度を圧電素子に対して伝え難くなり、温度変化による圧電素子の特性変化を抑制する。これにより、サイクル間温度ドリフトのような短期の温度ドリフトを抑制する効果があり、高精度の圧力信号を得ることができる。
次に、第2の実施形態の燃焼圧センサ5Aの構成および組立手順について、図7、図8を用いて説明する。第2の実施形態の燃焼圧センサ5Aは、前述した第1の実施形態の燃焼圧センサ5sにおいて、ダイアフラムと圧力伝達部材の当接部のバウンスおよび摩耗を防止することを目的として、ダイアフラムと圧力伝達部材を一体構成にしたものであるが、他の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので同一要素、同じ組立工程には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
(効果1)
以上の構成によって、燃焼圧センサ5Aは、ダイアフラム45のダイアフラム部(40)と圧力伝達部(50)が一体構成になっているため、ダイアフラム部と圧力伝達部の組立工程において、当接する位置を測定しながら位置決めする工程が不要となる。これにより、ダイアフラム部と圧力伝達部の位置のバラツキがなくなり、高精度に圧力が伝達される。
(効果2)
内燃機関の燃焼工程において、ノッキングなどが発生した場合に、異常燃焼とともに過大な圧力変動が発生する。そのとき、燃焼圧センサの検出部において、ダイアフラムと圧力伝達部材の当接面でバウンスが発生し、ダイアフラムと圧力伝達部材の間で圧力が正確に伝達されず、さらには当接部が摩耗するような現象が起きる。しかし、第2の実施形態においては、ダイアフラム部(40)と圧力伝達部(50)が一体に構成されているため、当接部にバウンスが発生せず、摩耗も発生しない。これにより、高精度で高信頼性の圧力信号を得ることができる。
次に、第3の実施形態の燃焼圧センサ5Bの構成および組立手順について、図9を用いて説明する。第3の実施形態の燃焼圧センサ5Bは、前述した第2の実施形態の燃焼圧センサ5Aにおいて、加圧部材80Aの荷重調整部である薄肉バネ部80b(図5(b)参照)の範囲が中央部にあったものを固定部間全体に広げたものである。他の基本的な構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は一部省略する。
(効果1)
以上の構成によって、燃焼圧センサ5Bは、受圧部と圧力伝達部が一体構成となったダイアフラムと、一端が圧力伝達部材に固定され他端は支持部材に固定され固定部間が筒状部よりなり筒状部を荷重調整部とした加圧部材との構成において、固定部間全てをバネ部として利用できるようにした。これにより、長さの変化に対して、より荷重変化の小さいバネを設計できる。つまり、圧力伝達部材、圧電素子、第2の電極、絶縁リング、支持部材の中心線方向の寸法バラツキに対して荷重変動がより少ないバネ手段を得られる。これにより、圧電素子に対して精度の高い予荷重を与えることができ、感度および直線性を高め高精度の圧力信号を得ることができる。
(効果2)
加圧部材は一端を圧力伝達部材に固定し、他端を支持部材に固定し、固定部間が筒状部よりなる構成において、支持部材側は溶接又は掛止によるいずれかの固定方法を選択できる。これにともない、加圧部材の形状は掛止部が不要な単純な筒形状(パイプ)を採用することができる。これにより、低コストの加圧部材を採用した構成とすることができる。
次に、第4〜第8の実施形態の燃焼圧センサ(5C、5D、5E、5F、5G)の構成、組立手順および効果について、図10〜図14を用いて説明する。第4〜第8の実施形態の燃焼圧センサ(5C、5D、5E、5F、5G)の各構成では、一端が圧力伝達部材に固定され他端は支持部材に固定され固定部間が筒状部よりなり筒状部を荷重調整部とした構成において、加圧部材のバネ構造、バネ部位置、固定部の溶接方法、及び、その組み合わせにおいて代表的な構成例を示す。
まず、第4の実施形態について、図10を用いて説明する。図10(a)は加圧部材80Cを使用した燃焼圧センサ5Cの圧力検出部100の拡大断面図であり、図10(b)は加圧部材80Cの部分断面図である。第4の実施形態において、第2の実施形態による燃焼圧センサ5Aと異なる点は、加圧部材80Cの構造において、中央部のバネ部が蛇腹状のバネ構造になっている点であり、固定方法は第2の実施形態と同様で、支持部材65側は掛止、ダイアフラム45側は溶接による固定方法である。他の構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。これにより、第4の実施形態による燃焼圧センサ5Cを得る。
次に、第5の実施形態について、図11を用いて説明する。図11(a)は加圧部材80Dを使用した燃焼圧センサ5Dの圧力検出部100の拡大断面図であり、図11(b)は加圧部材80Dの平面図である。第5の実施形態において、第2の実施形態による燃焼圧センサ5Aと異なる点は、加圧部材80Dの構造において、中央部のバネ部が複数の切欠きと複数の板部によるバネ構造になっている点であり、固定方法は第2の実施形態と同様で、支持部材65側は掛止、ダイアフラム45側は溶接による固定方法である。他の構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。これにより、第5の実施形態による燃焼圧センサ5Dを得る。
次に、第6の実施形態について、図12を用いて説明する。図12(a)は加圧部材80Eを使用した燃焼圧センサ5Eの圧力検出部100の拡大断面図であり、図12(b)は加圧部材80Eの部分断面図である。第6の実施形態において、第2の実施形態による燃焼圧センサ5Aと異なる点は、加圧部材80Eの構造において、中央部のバネ部がコイル状のバネ構造になっている点であり、固定方法は第2の実施形態と同様で、支持部材65側は掛止、ダイアフラム45側は溶接による固定方法である。他の構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。これにより、第6の実施形態による燃焼圧センサ5Eを得る。
次に、第7の実施形態について、図13を用いて説明する。図13(a)は加圧部材80Fを使用した燃焼圧センサ5Fの圧力検出部100の拡大断面図であり、図13(b)は加圧部材80Fの部分断面図である。第7の実施形態において、第2の実施形態による燃焼圧センサ5Aと異なる点は、加圧部材80Fの構造において、バネ部が薄板状のバネ構造になっていて、そのバネ部が支持部材65側に設けられている点であり、固定方法は第2の実施形態と同様で、支持部材65側は掛止、ダイアフラム45側は溶接による固定方法である。他の構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。これにより、第7の実施形態による燃焼圧センサ5Fを得る。
次に、第8の実施形態について、図14を用いて説明する。図14(a)は加圧部材80Gを使用した燃焼圧センサ5Gの圧力検出部100の拡大断面図であり、図14(b)は加圧部材80Gの部分断面図である。第8の実施形態において、第2の実施形態による燃焼圧センサ5Aと異なる点は、加圧部材80Gの構造において、バネ部が薄板状のバネ構造になっていて、そのバネ部が支持部材65側に位置している点であり、また、固定方法は第3の実施形態と同様で、支持部材65側、ダイアフラム45側ともに溶接による固定方法である。他の構成は第2の実施形態と同様であるので同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。これにより、第8の実施形態による燃焼圧センサ5Gを得る。
第4〜第8の実施形態では、加圧部材の荷重調整部は、薄板状のバネ部、蛇腹状のバネ部、複数の切欠きと複数の板部からなるバネ部、コイル状のバネ部の何れかを設けているため、長さの変化に対して、荷重変化の小さいバネ手段を得られる。このため、ダイアフラム45と支持部材65との間の各部材の中心線方向の寸法バラツキに対して荷重変動の少ないバネ構成を得られる。これにより、圧電素子に対して高精度の予荷重を与えることができ、感度および直線性を高め、高精度の圧力信号を得ることができる。
また、加圧部材の2か所の固定部において、ダイアフラム側の固定部は溶接による固定方法を採用し、支持部材側の固定部は掛止による固定方法、又は、溶接による固定方法とした。これにより、組立方法に応じて加圧部材の固定方法を選べるので製造コストを抑制することができる。
また、加圧部材のバネ部の肉厚を薄くして段差を設けたが、かかる形態に限定されない。バネ部と固定部は同じ肉厚でもよいし、逆にバネ部の肉厚を厚くしてもよい。また、加圧部材の2か所の固定部において、ダイアフラム側の固定部は溶接による固定方法を採用し、支持部材側の固定部は掛止による固定方法、又は、溶接による固定方法としたが、かかる形態に限定されない。ダイアフラム側の固定を掛止による構成としてもよい。
2 シリンダブロック
2a シリンダ
3 ピストン
4 シリンダヘッド
4a 連通孔
5、5s、5A、5B、5C、5D、5E、5F、5G 燃焼圧センサ
6 制御装置
7 シール部材
8 伝送ケーブル
8a コネクタ
10 圧電素子
10a 圧電素子の電極側端面
21 回路基板部
21b 第1の接続ピン
21c 第2の接続ピン
22 伝導部材
23 絶縁部材
24 Oリング
31 ハウジング
32 筐体
40 ダイアフラム
45 一体型ダイアフラム
50 圧力伝達部材(第1の電極部)
55 第2の電極部
60 絶縁リング
65 支持部材
70 コイルスプリング
80A、80B、80C、80D、80E、80F、80G 加圧部材
100 圧力検出部
200 信号処理部
210 プリント配線基板
300 保持部材
Claims (7)
- 燃焼室内の燃焼圧を受けて電気信号を発生させる圧力検出部と、検出信号を処理する信号処理部と、検出信号を信号処理部へ伝送する伝送部とを有する燃焼圧センサにおいて、前記圧力検出部は中空筒状のハウジングと、前記中空筒状のハウジングの受圧側先端に配設されたダイアフラムと、前記ハウジング内の軸方向であって、前記ダイアフラムの圧力を伝達する圧力伝達部材と、前記圧力伝達部材の後端に当接する圧電素子と、前記圧電素子の後端を支持する支持部材と、一端が前記圧力伝達部材に固定され他端は前記支持部材に固定され前記二つの固定部間が筒状部よりなる加圧部材とから構成され、前記加圧部材は前記筒状部が荷重調整部となっていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 前記加圧部材に設けられた前記荷重調整部は薄肉状のバネ部であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
- 前記加圧部材に設けられた前記荷重調整部は蛇腹状のバネ部であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
- 前記加圧部材に設けられた前記荷重調整部は複数の切り欠きと前記切り欠きの間に位置する複数の板部とからなるバネ部であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
- 前記加圧部材に設けられた前記荷重調整部はコイル状のバネ部であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼圧センサ。
- 前記加圧部材に設けた前記荷重調整部が前記筒状部の中央より前記支持部材側に設けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の燃焼圧センサ。
- 前記ダイアフラムと前記圧力伝達部材は一体に構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の燃焼圧センサ。
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