JP2014047185A - エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物 - Google Patents

エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】もっちりとした泡質と優れた染毛力を両立したエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の提供。
【解決手段】複数剤を使用時に吐出して混合するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物であって、下記(A)の条件を満たす剤を構成に含むエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物。
(A)両性界面活性剤を配合し、かつ、両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比が、両性界面活性剤/全界面活性剤=0.01〜0.5である。
【選択図】なし

Description

本願に係る発明は、酸化染毛剤組成物に関する。詳しくは、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物に関する。
従来、LPG等の噴射剤を用いて泡状に吐出するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物が知られている。エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、各剤を原液として、噴射剤と共にエアゾール容器に収容される。
エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、使用の際、液状やクリーム状の剤型と比べて、エアゾール容器のボタンを押すだけで泡状に吐出可能と操作が簡便である。また、複数回に分けて使用可能とのメリットもある。
エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、通常、アルカリ剤及び染料成分を配合する第1剤と、酸化剤を配合する第2剤とを構成に含む。そして、第1剤及び第2剤は別々に収容され、使用時に混合する。
下記特許文献1に記載されるように、刺激臭が抑制され、染毛又は脱色処理後の毛髪の手触りが良く、低温条件下における泡形成性を向上させたエアゾール式泡沫状染毛・脱色剤組成物が知られている。特許文献1に開示される実施例では、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が配合されている。
下記特許文献2表5に記載のように、両性界面活性剤であるヤシ油脂肪酸プロピルベタインが配合されたエアゾール式の酸化染毛剤組成物が知られている。
また、下記特許文献2に開示されるエアゾール容器をはじめ、様々なエアゾール容器が知られている。下記特許文献2に開示されるエアゾール容器は同時混合吐出機構を備え、2本の缶とヘッド部とを構成に含み、アルカリ剤を配合する第1剤と酸化剤を配合する第2剤が噴射剤と共に別々の缶に収容されている。エアゾール容器のレバー30dを押圧することにより吐出部30cが外部に導通し、第1剤及び第2剤は、各缶30fから、それぞれステム30j、連通孔30lを経て、混合通路30mに至り、混合され、泡状の剤型で、吐出部30cから吐出される。
特開2010−280580号公報 特開2002−284655号公報
泡状剤型の組成物は嵩高く軽量であり、ある程度の嵩を維持したまま立体形状を変形することも可能である。もっちりとした泡は、垂れ落ちしにくく、塗布時の操作性がよい。
一方、液状剤型の方が泡状剤型に比べて染毛力が優れる場合が多かった。よって、優れた泡質と染毛力の並立は、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物において重要である。
上記特許文献1に記載のエアゾール式泡沫状染毛・脱色剤組成物はもっちりとした泡にしにくく、また、染毛力において改善の余地があった。
上記特許文献2表5に記載の二剤式泡状染毛剤組成物はヤシ油脂肪酸プロピルベタインを配合するが泡質は評価の対象としていない。
本願発明者は鋭意研究を重ねた結果、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物が、両性界面活性剤を配合し、かつ、当該両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比を一定の範囲内とした剤を構成に含むと、意外なことに、当該剤がもっちりした泡質となり、かつ、優れた染毛力を両立できることを見出した。当該剤のもっちりした泡と、別の泡を混合しても、混合物の泡はもっちりすることが多い。
上記特許文献2段落0037ではアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤が染色性及び堅牢性の観点から好ましい旨の開示があるが、もっちりとした泡を実現するためにどのような成分が有効かまでの開示はない。
よって、もっちりとした泡質と優れた染毛力を両立したエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を提供することを解決すべき課題とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、
複数剤を使用時に吐出して混合するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物であって、下記(A)の条件を満たす剤を構成に含むエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物である。
(A)両性界面活性剤を配合し、かつ、両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比が、両性界面活性剤/全界面活性剤=0.01〜0.5である。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、
前記(A)の条件を満たす剤において、油性成分の配合量が10質量%以下である第1発明に記載のエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物である。
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、もっちりとした泡質と優れた染毛力を両立する。
以下、本願が開示する発明の実施形態を、その最良の実施形態を含めて説明する。
まず、用語の説明をする。本明細書において「毛髪」とは、特に限定されないが、好ましくは頭に生えた状態の毛髪をいう。また、毛髪は、好ましくはヒトの毛髪である。
本明細書において「酸化染毛剤組成物」とは、酸化染料を配合する染毛剤組成物を意味する。噴射剤とともにエアゾール容器に収容し、泡状に吐出して使用するので、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物である。当該エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は複数剤式である。2剤式としても良いし、3剤式以上としても良い。好ましくは、2剤式である。
説明の便宜上、本願が開示する発明の説明において、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を構成する各剤は噴射剤を含有しないものとして記載する。なお、後述する実施例では、噴射剤を含有しない当該各剤は「原液」と呼び、噴射剤を充填してエアゾール容器に封入される。噴射剤及びエアゾール容器については後述する。
本明細書においてエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の「混合物」とは、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を構成する複数剤の混合物を指す。本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は複数剤が使用時にエアゾール容器から吐出されるため、当該混合物は泡状である場合が多い。しかし、毛髪に適用した後の、破泡した混合物を指す場合もある。
複数剤式のエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、アルカリ剤を配合する第1剤と酸化剤を配合する第2剤とを含む複数剤を使用直前に混合して染毛処理を行う。本願が開示する発明において当該複数剤の混合方法と毛髪への適用方法は特に限定されないが、好ましくは、
(1)複数剤をエアゾール容器から別々に吐出させた後、毛髪に適用する前に混合する、
(2)複数剤をエアゾール容器から別々に吐出させた後、毛髪に適用する際に混合する、
(3)複数剤をエアゾール容器から別々に吐出させた後、毛髪に適用後に毛髪上で混合する、
(4)エアゾール容器内やヘッド部において複数剤を混合するようにし、当該混合物をエアゾール容器から吐出させた後、毛髪に適用する、
のいずれかである。
吐出させた各剤又は混合物は、いったん手やブラシに取った後、あるいは直接、毛髪に適用することが好ましい。ここで手を用いる場合は、手袋を装着することが好ましい。泡を適用する範囲は、毛髪全体であってもよく、特定の部分のみであってもよい。
以上の通り、本願はエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を用いる染毛方法をも開示する。
〔エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物〕
本願は、複数剤を使用時に吐出して混合するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物であって、下記(A)の条件を満たす剤を構成に含むエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を開示する。
(A)両性界面活性剤を配合し、かつ、両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比が、両性界面活性剤/全界面活性剤=0.01〜0.5である。
当該(A)条件の説明に先立って、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の基本的な構成を説明する。
−第1剤−
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、アルカリ剤を配合する第1剤を構成に含む。
第1剤におけるアルカリ剤の配合量は0.5〜20質量%であることが好ましい。また、第1剤のpHは8〜12であることが好ましい。
第1剤の剤型は、エアゾール容器から泡状に吐出できる限り特に限定されない。乳化物、可溶化物等を例示できる。好ましくは、乳化物である。
第1剤はアルカリ剤を配合する。アルカリ剤として、例えば、アンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用できる。
第1剤は酸化染料を配合する。更に、直接染料を配合しても良い。
酸化染料は、酸化重合によって発色可能な化合物である。酸化染料は特に限定されないが、例えば、染料中間体、カップラー、メラニン前駆物質等が挙げられる。
より具体的には、例えば、酸化染料として、フェニレンジアミン及びその誘導体、フェノール誘導体、アミノフェノール及びその誘導体、ジフェニルアミン及びその誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピロリジン誘導体、トルエン誘導体、インドール誘導体、ピロール誘導体、並びにイミダゾール誘導体等が挙げられる。
更に具体的には、例えば、染料中間体としては、フェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く)等が挙げられる。
カップラーとしては、ピロガロール、レゾルシン、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール等が挙げられる。
酸化染料は、酸化重合によって発色可能な化合物の塩を含む概念である。例えば、上記した各化合物の酸付加塩等が挙げられる。好ましくは、有機酸の付加塩、無機酸の付加塩等が挙げられる。
これら酸化染料は単独で配合しても良く、組み合わせて配合しても良い。
直接染料として、例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、分散染料等がある。これら直接染料は単独で配合しても良く、組み合わせて配合しても良い。
上記酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等を例示できる。
上記塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等を例示できる。
上記天然染料としては、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素等を例示できる。
上記ニトロ染料としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等を例示できる。
上記分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等を例示できる。
−第2剤−
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、酸化剤を配合する第2剤を構成に含む。
第2剤における酸化剤の配合量は0.1〜15質量%であることが好ましい。また、第2剤のpHは1〜5であることが好ましい。
第2剤の剤型は、好ましくは乳化物、可溶化物である。より好ましくは、乳化物である。
第2剤は酸化剤を配合する。酸化剤として、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの酸化剤の中でも、メラニンの分解に優れることから、好ましくは過酸化水素である。
−各剤における他の成分−
上記第1剤及び第2剤を含む複数剤を、本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は含む。複数剤は上述した成分の他、任意の成分を配合しても良い。例えば、水、ヒドロキシエチルセルロースを含む水溶性ポリマー、高級アルコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールを含む溶剤、界面活性剤、増粘剤、塩基性アミノ酸を除くアミノ酸類、脂肪酸、油性成分、ソルビトール、マルトース等の糖類、パラベン、安息香酸ナトリウム、等の防腐成分、EDTA−2Na、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート成分、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、フェノキシエタノール、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定成分、pH調整成分、亜硫酸Na等の酸化防止剤、植物又は生薬抽出物、アスコルビン酸類を含むビタミン類、香料等から選ばれる1種以上を配合しても良い。また、例えば、「医薬部外品原料規格2006」(薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
〔複数剤の少なくとも1つが満たすべき条件〕
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は複数剤式で構成される。その複数剤のうちの1つが、以下の(A)条件を満たす必要がある。以下の(A)条件を満たすのは第1剤又は第2剤が好ましい。より好ましくは、以下の(A)条件を第1剤が満たす。また、2以上の複数剤が以下の(A)条件を満たしても良く、第1剤及び第2剤が以下の(A)条件を満たしても良い。
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、複数剤のうちの少なくとも1つが以下の(A)条件を満たす。以下の(A)条件を満たす当該剤を、説明の便宜上、(A)剤と称する。
(A)両性界面活性剤を配合し、かつ、両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比が、両性界面活性剤/全界面活性剤=0.01〜0.5である。
全界面活性剤とは、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤である。
(A)剤は両性界面活性剤を配合し、かつ、他の界面活性剤をも配合する。(A)剤における界面活性剤の配合量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。当該界面活性剤の配合量とは、上記した4種の界面活性剤の総量である。
両性界面活性剤として、カルボベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、イミダゾリニウム型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アミノ酸系両性界面活性剤型、アミンオキサイド型がある。これらの1種又は2種以上を使用可能である。以下の具体例においても同様である。好ましくは、アルキルベタイン型、アミドベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリニウム型である。
より具体的には、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイル−カルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸等を例示できる。好ましくは、ラウリルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインである。
(A)剤は両性界面活性剤を配合する。両性界面活性剤の配合量は0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.07〜1.7質量%が更に好ましい。
(A)剤は非イオン性界面活性剤を配合してもよい。非イオン性界面活性剤として、ポリオキシアルキレン付加型、糖付加型、グリセリン付加型、アルカノールアミド付加型がある。これらの1種又は2種以上を使用してよい。以下の具体例においても同様である。
ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEとも称する。)アルキルエーテル、POEアルケニルエーテル、POEポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型、POE脂肪酸エステル等のエステル型を例示できる。糖付加型非イオン性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド等の糖エーテル類、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖エステル類、脂肪酸グリコールアミド等の糖アミド類を例示できる。グリセリン付加型非イオン性界面活性剤としては、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル等を例示できる。アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等を例示できる。
エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例として、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレン(以下、POPともいう)セチルエーテル等を例示できる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例として、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等を例示できる。
非イオン性界面活性剤の配合量は0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
また、非イオン性界面活性剤として、起泡性向上の観点から、(A)剤がC14以下のPOEアルキルエーテルを配合することが好ましい。具体的には、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、を例示できる。当該ポリオキシエチレンの重合数は、2〜30であることが好ましい。C14以下のアルキル基は飽和であることが好ましく、また、直鎖型であることが好ましい。
上記C14以下のPOEアルキルエーテルと、C16以上のPOEアルキルエーテルを併用することがより好ましい。C16以上のPOEアルキルエーテルとして、POEセチルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEベヘニルエーテルを例示できる。当該ポリオキシエチレンの重合数は、2〜50であることが好ましい。C16以上のアルキル基は飽和であることが好ましく、また、直鎖型であることが好ましい。
(A)剤における、非イオン性界面活性剤の質量比「C16以上のPOEアルキルエーテル/C14以下のPOEアルキルエーテル」=0.1〜7とすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜3である。これらの比率の範囲内であれば、起泡性がより向上する。
(A)剤はカチオン性界面活性剤を配合してもよい。その1種又は2種以上を使用してよい。以下の具体例においても同様である。カチオン性界面活性剤は、置換基を有しても良い炭化水素基が窒素原子に結合している、という基本構造を有する。当該置換基どうしが結合して環構造を形成してもよい。通常、当該窒素原子は4級である。当該4級窒素原子はカチオン性であり、通常対イオンが存在する。当該対イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、サッカリンを例示できる。前記炭化水素基は直鎖型でも分岐型でもよい。
カチオン性界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、アルキロイルアミドプロピルジメチルアミン、アルキルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩を例示できる。
具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ココイルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム、塩化ベヘン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アンモニウム、タロウジメチルアンモニオプロピルトリメチルアンモニウムジクロライド、塩化ベンザルコニウムを例示できる。
カチオン性界面活性剤の配合量は0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
(A)剤は、起泡性向上の観点から、カチオン性界面活性剤であるC16以下のアルキルトリメチルアンモニウム及びその塩を配合してもよい。具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム及びこれらの塩を例示できる。また、カチオン性界面活性剤におけるC16以下のアルキル基は飽和であることが好ましく、また、直鎖型であることが好ましい。
(A)剤はアニオン性界面活性剤を配合してもよい。アニオン性界面活性剤として、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステルがある。これらの1種又は2種以上を使用してよい。以下の具体例においても同様である。
これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミンを例示できる。
アルキルエーテル硫酸塩として、POEアルキル硫酸ナトリウムを例示できる。
アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムを例示できる。スルホコハク酸エステルとしては、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムを例示できる。
アニオン性界面活性剤の配合量は0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
(A)剤において、全界面活性剤(両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤)と両性界面活性剤との質量比「両性界面活性剤/全界面活性剤」=0.01〜0.5である。当該比率の値が0.01未満であるともっちりとした泡が得られず、泡質について改善の余地がある。一方、当該比率の値が0.5を超えると染毛力が不十分となる。当該比率の値は好ましくは0.03〜0.4であり、より好ましくは0.04〜0.35である。これらの好ましい範囲内であると泡質及び染毛力がバランスよく良好となる。
上記全界面活性剤と両性界面活性剤との質量比の演算において、両性界面活性剤は好ましくはアルキルベタイン型、アルキルアミノベタイン型、及びアミノベタイン型である。さらに好ましくは、ラウリルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、及びラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸である。
(A)剤は油性成分を配合しても良い。油性成分を配合すると、毛髪へうるおい感やツヤが付与できる。泡質向上の観点から、油性成分の配合量は10質量%以下であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。油性成分の配合量が多いと泡がカスカスになり、消泡しやすくなる傾向にある。
泡質や混合性向上の観点から、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を構成する(A)剤以外の他の剤においても、油性成分の配合量を上記好ましい範囲内とするのがよい。第1剤及び第2剤における油性成分の配合量が上記好ましい範囲内とするのがよい。
油性成分として、油脂、ロウ、炭化水素、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーンがある。これらの1種又は2種以上を使用してよい。以下の具体例においても同様である。本願において、高級アルコールは油性成分ではない。
油脂として、ラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油を例示できる。
ロウとして、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油を例示できる。
炭化水素としてパラフィン、流動パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンを例示できる。
アルキルグリセリルエーテルとして、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテルを例示できる。
エステルとして、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチルを例示できる。
シリコーンとして、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンを例示できる。
(A)剤は、高級アルコールを配合しても良い。高級アルコールとは、炭素数6以上の1価の高級アルコールを言う。当該高級アルコールは直鎖型及び分岐型の高級アルコールを含む概念である。直鎖型及び分岐型高級アルコールを併用しても良い。また、当該高級アルコールは飽和及び不飽和の高級アルコールを含む概念である。これらの1種又は2種以上を使用してよい。
(A)剤における高級アルコールの配合量は、0.5質量%以上が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%が更に好ましい。これらの好ましい配合量の範囲内である場合、泡質及び染毛力がバランスよく良好となる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール、デシルテトラデカノールを例示できる。
(A)剤は、溶剤を配合しても良い。溶剤として、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の炭素数5以下の1価の低級アルコール、ポリオール類やその低級アルキルエーテル類が挙げられる。ポリオール類としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。ポリオールの低級アルキルエーテル類としては、前述のポリオールのモノ低級アルキルエーテルやポリ低級アルキルエーテル(例えば、ジ低級アルキルエーテル)などが挙げられる。
(A)剤における溶剤の配合量は10質量%以下とすることが好ましく、0.5〜8質量%とすることがより好ましく、2〜8質量%とすることがより好ましい。これらの好ましい範囲内とすることで、染毛力が向上し、(A)剤を乳化状にしやすくなる。
(A)剤の剤型は限定されない。乳化物、可溶化物等を例示できる。好ましくは、乳化物である。
〔各剤の混合〕
前記第1剤及び第2剤を含む複数剤の混合比は適宜決定可能である。前記第1剤と第2剤の混合比は、第1剤:第2剤=1:5〜5:1が好ましい。また、混合物のpHは7〜12であることが好ましい。
〔噴射剤〕
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物には、周知の噴射剤を使用することができる。例えば、LPG、ジメチルエーテル等の液化ガス、炭酸ガス、窒素ガス等の圧縮ガスを例示できる。これらの中でも液化ガスが好ましい。これらの1種又は2種以上を使用できる。
エアゾール容器に収容するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を構成する各剤と噴射剤の充填比は、質量比で90:10〜98:2であることが好ましい。
上記(A)剤が乳化物である場合、製造の工程から考えて、(A)剤は噴射剤を含まない原液の段階においても、噴射剤を充填した後においても、乳化物である。即ち、噴射剤充填後に乳化物であれば、(A)剤に該当する原液も乳化物であったと合理的に推定できる。
〔エアゾール容器〕
本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物は、周知のエアゾール容器に収容可能である。アルカリ剤を配合する第1剤と酸化剤を配合する第2剤とを使用直前に混合する必要があるため、通常、第1剤と第2剤は別々に収容される。第1剤と第2剤は、別々のエアゾール容器に収容されても良い。噴射剤の力により吐出されると、噴射剤が膨張して泡が形成される。
例えば、上記特許文献2に開示されたエアゾール容器を使用できる。当該エアゾール容器は第1剤と第2剤を別々の容器に収容し、ヘッド部から泡状の酸化染毛剤組成物を吐出する。後述する実施例では、このタイプのエアゾール容器を使用する。
また、例えば、1本の缶の中に2つのパウチ及び連結部材を収容し、混合物を泡状に吐出するエアゾール容器も使用できる。内袋を有するエアゾール容器において、内袋の中に各剤と噴射剤(発泡用)を収容し、内袋の外に噴射剤(押出し用)を収容するエアゾール容器も使用できる。
エアゾール容器の材質や内圧は、アルカリ剤、酸化剤、噴射剤の種類やエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の収容方法に合わせて適宜決定可能である。
以上の通り、エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物、並びに噴射剤及びエアゾール容器を構成に含む製品をも本願は開示する。
以下、実施例について記載する。本願が開示するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の技術的範囲は、以下の実施例に限定されない。評価結果は表1〜4に示した。表1実施例1〜8、表2実施例13〜17、表3実施例18〜25、表4実施例26〜32及び比較例1〜3、並びに、表6に示す処方は第1剤に該当する。表2実施例9〜12、及び表5に示す処方は第2剤に該当する。
<エアゾール式泡状酸化染毛剤組成物の調製>
〔実施例1〜32〕
表1〜6に示される各成分を配合することにより、実施例1〜32の第1剤用原液及び第2剤用原液を調製した。実施例1〜8、13〜32は表1〜4に示す第1剤用原液及び表5に示す第2剤用原液を使用した。実施例9〜12は表2に示す第2剤用原液及び表6に示す第1剤用原液を使用した。なお、表1〜6の配合量を示す数値の単位は、質量%である。また、実施例中の精製水の「残量」とは、各実施例の第1剤用原液及び第2剤用原液を各100質量%として、その残量を意味する。
更に、各実施例の第1剤用原液及び第2剤用原液を特許文献2に記載の同時混合吐出機構を備えたエアゾール容器に充填し、それぞれ表1〜6に示される質量比で噴射剤(LPG)を充填して、各実施例の第1剤及び第2剤を調製した。
このエアゾール容器より各実施例の第1剤及び第2剤を吐出させて、実施例1〜32のエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を得た。
〔比較例1〜3〕
また、表4及び5に示される各成分を配合することにより、比較例1〜3の第1剤用原液及び第2剤用原液を調製した。なお、表4及び5の配合量を示す数値の単位は、質量%である。また、比較例中の精製水の「残量」とは、各比較例の第1剤用原液及び第2剤用原液を各100質量%として、その残量を意味する。
更に、各比較例の第1剤用原液及び第2剤用原液を特許文献2に記載の同時混合吐出機構を備えたエアゾール容器に充填し、それぞれ表4及び5に示される質量比で噴射剤(LPG)を充填して、各比較例の第1剤及び第2剤を調製した。
このエアゾール容器より各比較例の第1剤及び第2剤を吐出させて、比較例1〜3のエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物を得た。
<染毛処理>
実施例1〜32及び比較例1〜3の各組成物を上記エアゾール容器より1.5g吐出し、10cmの長さの白毛の人毛毛束(以下、単に「毛束」という)1gに、手を用いて塗布し、その毛束を恒温槽(30℃)で30分間放置した。次いで、毛束に付着した前記組成物を水洗し、その後、毛束をシャンプー及びリンス(コンディショナー)で、それぞれ1回処理した。続いて、その毛束を温風で乾燥した。このようにして、前記組成物を用いて毛束に染毛処理を施した。
<評価1:泡質>
「もっちり感」は手で泡に触れることや、泡を見ることで認識できる。数値化の便宜から、下記の試験でもっちり感を評価した。
実施例1〜32及び比較例1〜3の各組成物を、25℃の条件下、平らな板上に上記エアゾール容器より3g吐出した。この吐出直後に手で第1剤と第2剤を混合し、そのまま45°板を傾けて1分後、泡が流れ落ちる度合い(泡のもっちり感)をパネラー10名が目視で評価(官能評価)した。移動の程度を、動きが無いものを「5」、動きがあまりないものを「4」、動きが少ないものを「3」、動きが大きいものを「2」、非常に動きが大きいものを「1」として5段階評価した。こうして得られた各評価対象ごとの10名のパネラーの評価の平均点を算出し、平均点に少数点以下の数値がある場合には四捨五入を行って評価を決定した。
なお、実施例1〜8及び13〜32の第1剤、並びに、実施例9〜12の第2剤は、各剤のみを吐出した状態でも、もっちりとした泡質であった。
<評価2:染毛力>
実施例1〜32及び比較例1〜3の各組成物を用いた染毛処理後の毛束をパネラーが目視で観察し、染毛力を評価(官能評価)した。具体的には、「染毛力が優れている」場合を「5」、「染毛力が幾分優れている」場合を「4」、「染毛力が普通である」場合を「3」、「染毛力がやや劣る」場合を「2」、「染毛力が劣る」場合を「1」とした。こうして得られた各評価対象ごとの10名のパネラーの評価の平均点を算出し、平均点に少数点以下の数値がある場合には四捨五入を行って評価を決定した。
<評価3:起泡性>
実施例1〜32及び比較例1〜3の各組成物を25℃の条件下、平らな板上に上記エアゾール容器より3g吐出した。この吐出直後に泡の嵩高さ(起泡性)をパネラー10名が目視で評価(官能評価)した。
実施例1〜32はいずれも良好な起泡力を発揮した。特に、実施例15〜17は「嵩高い」と評価したパネラーが多く、より優れた起泡性を発揮した。この試験の結果は表への記載を省略した。
表の記載方式の説明をする。高級アルコールの右側に記載した括弧書は当該高級アルコールの炭素数を示す。非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤のPOEに続く括弧書はPOEの重合数を示す。表には、原液である第1剤又は第2剤の処方(質量%表記)と、原液と噴射剤の充填比が記載してあり、原液と噴射剤の充填比は質量比である。「両性界面活性剤/全界面活性剤」は全界面活性剤に対する両性界面活性剤の質量比を意味する。モノエタノールアミン液、アンモニア水、過酸化水素水は%(w/w)である。
〔表1〕
〔表2〕
〔表3〕
〔表4〕
〔表5〕
〔表6〕
もっちりとした泡質と優れた染毛力を両立したエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物が提供される。

Claims (2)

  1. 複数剤を使用時に吐出して混合するエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物であって、下記(A)の条件を満たす剤を構成に含むエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物。
    (A)両性界面活性剤を配合し、かつ、両性界面活性剤と全界面活性剤との質量比が、両性界面活性剤/全界面活性剤=0.01〜0.5である。
  2. 前記(A)の条件を満たす剤において、油性成分の配合量が10質量%以下である請求項1に記載のエアゾール式泡状酸化染毛剤組成物。
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