JP2014046963A - 吐出体 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることができる。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2の口部21に装着されるとともに、容器本体2内に連通する連通孔3aが形成された装着部材4と、装着部材4に固定され、連通孔3aを閉塞する吐出部材6と、を備え、吐出部材6には、連通孔3aに対して容器本体2の外側に配置されるとともに、スリット部63が形成された弾性膜部60が備えられ、吐出部材6は、容器本体2の内圧の上昇に伴い、弾性膜部60がスリット部63を拡開させるように容器本体2の外側に向けて弾性変形することで、口部21の開口を開放し、装着部材4が弾性膜部60の中心軸が容器軸Oと同軸となるように容器本体2の口部21に装着され、スリット部63の平面視形状が弾性膜部60の中心軸に対して偏在した構成の吐出体3を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吐出体に関するものである。
この種の吐出体として、従来、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、該口部の開口を閉塞する吐出部材を備え、前記吐出部材には、スリット部が形成された弾性膜部が備えられ、前記吐出部材は、前記容器本体の内圧の上昇に伴い、前記弾性膜部が前記スリット部を拡開させるように前記容器本体の外側に向けて弾性変形することで、前記開口を開放する吐出体が知られている。
そして、近年では、例えば下記特許文献1に記載されるような、吐出部材を、弾性膜部の中心軸が容器軸に対して傾くように容器本体の口部に装着する構成とすることで、容器本体の内圧を上昇させたときに、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させる吐出体が知られている。
特開第4454203号公報
しかしながら、上述した従来の吐出体では、弾性膜部の中心軸を容器軸に対して傾かせる複雑な形状とする必要があることから、簡易な構造で、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることに改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることができる吐出体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る吐出体は、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、該口部の開口を閉塞する吐出部材を備え、前記吐出部材には、スリット部が形成された弾性膜部が備えられ、前記吐出部材は、前記容器本体の内圧の上昇に伴い、前記弾性膜部が前記スリット部を拡開させるように前記容器本体の外側に向けて弾性変形することで、前記開口を開放する吐出体であって、前記吐出部材は、前記弾性膜部の中心軸が容器軸と平行となるように前記容器本体の口部に装着され、前記スリット部の平面視形状は、前記弾性膜部の中心軸に対して偏在していることを特徴としている。
本発明に係る吐出体によれば、スリット部が弾性膜部の中心軸に対して偏在しているので、吐出部材を、弾性膜部の中心軸が容器軸と平行となるように容器本体の口部に装着させる構成としても、容器本体の内圧を上昇させると、内容物が容器軸に対して偏った向きに吐出されることとなる。
したがって、吐出部材を、弾性膜部の中心軸が容器軸に対して傾くように容器本体の口部に装着させる等の複雑な構造を採用しなくても、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることができる。
また、本発明に係る吐出体では、前記容器本体の口部に装着されるとともに、該口部の開口に連通する連通孔が形成された装着部材を備え、前記吐出部材は、前記装着部材に固定され、前記連通孔を閉塞するようにしてもよい。
この場合も、スリット部が弾性膜部の中心軸に対して偏在しているので、装着部材に固定された吐出部材を、弾性膜部の中心軸が容器軸と平行となるように容器本体の口部に装着させる構成としても、容器本体の内圧を上昇させると、内容物が容器軸に対して偏った向きに吐出されることとなり、上記と同様に、装着部材に固定された吐出部材を、弾性膜部の中心軸が容器軸に対して傾くように容器本体の口部に装着させる等の複雑な構造を採用しなくても、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることができる。
また、本発明に係る吐出体では、前記装着部材は、前記弾性膜部を囲繞し、かつ前記弾性膜部の中心軸に対して傾斜する方向に延びる吐出筒を備え、前記弾性膜部の平面視において、前記吐出筒が当該吐出体の外側に向けて開口する方向と、前記スリット部が前記弾性膜部の中心軸に対して偏る方向と、が互いに一致していることが好ましい。
この場合、弾性膜部の平面視において、吐出筒が当該吐出体の外側に向けて開口する方向と、スリット部が弾性膜部の中心軸に対して偏る方向と、が互いに一致しているので、容器本体の内圧を上昇させたときに内容物が吐出する向きを、使用者に容易に認識させることが可能となり、優れた操作性を具備させることができる。
本発明に係る吐出体によれば、スリット部を弾性膜部の中心軸に対して偏在させるといった簡易な構造で、内容物を、容器軸に対して偏った向きに吐出させることができる。
本発明の実施形態による吐出容器の縦断面図である。 図1に示す吐出容器における弾性膜部の上面図である。 図1に示す吐出容器の側面図であって、吐出筒の吐出口を正面から見た図である。 図1の吐出容器の吐出口から内容物を吐出する状態を説明する図である。 第1変形例による吐出容器の弾性膜部を示す上面図である。 第2変形例による吐出容器の弾性膜部を示す上面図である。
以下、本発明に係る吐出体の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の吐出容器1は、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2から内容物を吐出する吐出体3と、を備えている。容器本体2は、例えば弾性変形可能とされ、この容器本体2には、例えば液体や半固形状の内容物が収容される。
吐出体3は、容器本体2の口部21に装着されるとともに、容器本体2内に連通する連通孔3aが形成された装着部材4と、装着部材4に固定され、連通孔3aを閉塞する吐出部材6と、を備えている。
ここで、装着部材4は、多段筒状をなし、この装着部材4の中心軸と連通孔3aの中心軸とが共通軸上に配置され、これら中心軸が容器軸Oと同軸となるように容器本体2の口部21に装着されている。以下、容器軸O方向に沿った容器本体2側を下側といい、装着部材4側を上側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
装着部材4は、大径部41、中径部42および中径部42よりも小径の吐出筒43が、下方から上方に向けてこの順に連設された3段筒状に形成されている。大径部41、中径部42および吐出筒43は、一体に形成されている。大径部41は、外筒部41Aと内筒部41Bとからなる二重筒状に形成され、内筒部41Bが容器本体2の口部21に形成された雄ねじに螺着されている。中径部42は、口部21よりも小径である。大径部41と中径部42とを連結する連結段部44は、口部21の開口端縁の上方に位置しており、この連結段部44は、前記開口端縁に全周にわたって当接するシール部材44aが形成されている。このシール部材44aは、口部21内と大径部41内との連通を遮断している。
なお、前記シール部材44aを口部21に内嵌するように構成してもよい。
中径部42内には、容器軸Oと同軸に配置された環状の固定部5が嵌合されている。固定部5内は、容器本体2内に連通する前記連通孔3aとなっている。固定部5には、容器軸Oと同軸に配置された環状の突状部5aが形成されている。突状部5aは、固定部5から上方に向けて突設されている。
吐出部材6は、容器軸Oと同軸に配置された有頂筒状に形成されている。吐出部材6は、連通孔3aに対して容器本体2の外側(上方)に配置された弾性膜部60と、弾性膜部60の外周縁から下方に向けて延設された弾性筒部61と、弾性筒部61の下端から径方向の外側に向けて突設されたフランジ部62と、を備えている。弾性膜部60の中心軸は、容器軸Oと同軸となっている。弾性膜部60、弾性筒部61およびフランジ部62は、例えばシリコンゴム等の軟質材料により一体に形成されている。
フランジ部62は、固定部5の上面と吐出筒43の下端面との間に容器軸O方向に挟み込まれている。フランジ部62の下面には、突状部5aが嵌合する環状の凹溝部62aが形成されている。弾性筒部61は、吐出筒43内に配置されており、弾性筒部61の外周面と吐出筒43の内周面との間には、環状隙間が設けられている。尚、前記環状隙間は設けなくても良い。
弾性膜部60は、容器軸O上に位置するとともに連通孔3aよりも上方に位置し、連通孔3aと容器軸O方向に対向している。弾性膜部60は、下方に向けて凹となる凹球面状となっている。図2に示すように、弾性膜部60には、平面視形状で容器軸Oに対して偏在する略X字(略十字)状をなすスリット部63が形成されている。スリット部63は、第1スリット63Aと第2スリット63Bとが互いに直交するとともに、その交点63aが容器軸Oに対して偏った位置となっている。また、第1スリット63Aと第2スリット63Bとのうち一方の第1スリット63Aは、容器軸Oを通る径方向に沿って延びている。
このように吐出部材6は、容器本体2の内圧の上昇に伴い、弾性膜部60がスリット部63を拡開させるように容器本体2の外側(上方)に向けて弾性変形することで、連通孔3a(口部21の開口)を開放する構成となっている。
装着部材4の吐出筒43は、図1および図3に示すように、容器軸Oと同軸に設けられている本体部43Aと、弾性膜部60を囲繞し、かつ容器軸Oに対して傾斜する方向(図1に示す矢印E方向)に延びる傾斜部43Bと、からなり、その傾斜部43Bの斜め先端に吐出口43aが形成されている。弾性筒部61の上端の容器軸O方向の位置は、吐出筒43の本体部43Aの上端と略同じ位置となっている。そして、吐出体3は、弾性膜部60の平面視において、吐出筒43(吐出口43a)が吐出体3の外側に向けて開口する方向と、スリット部63が容器軸Oに対して偏る方向と、が互いに一致している。
なお、本実施形態の吐出容器1の吐出体3により吐出する内容物は、静止時及び流動時の別を問わず常に比較的粘度の低い材質だけでなく、静止時は比較的粘度が高く、流動時に限って粘度が低下する材質も好ましい。
以上説明した本実施形態による吐出体3によれば、以下の作用効果を奏する。
すなわち、図4に示すような前記吐出容器1の使用に際し、先ず、吐出口43aが下方に向くような吐出姿勢とした状態で、例えば容器本体2をスクイズ変形(弾性変形)させて、容器本体2を減容させる。これにより、容器本体2の内圧が正圧となり、この正圧によって弾性膜部60がスリット部63を拡開させるように容器本体2の外側に向けて弾性変形することで、連通孔3aが開放されて連通孔3aと外部とが連通する。
このとき容器本体2の内容物は、連通孔3aを通過して弾性膜部60に到達し、さらにスリット部63を通って吐出口43aから外部に吐出される。
その後、例えば容器本体2のスクイズ変形を停止したり解除したりすること等により、上昇した容器本体2の内圧が低下すると、弾性膜部60が、弾性復元力により容器本体2の内側に向けて復元変形し、スリット部63が閉じられる。
以上説明したように、本実施形態による吐出体3によれば、図1及び図2に示すように、スリット部63が弾性膜部60の中心軸に対して偏在しているので、吐出部材6を、弾性膜部60の中心軸が容器軸Oと同軸となるように容器本体2の口部21に装着させる構成としても、容器本体2の内圧を上昇させると、内容物が容器軸Oに対して偏った向き(図4の矢印F方向)に吐出されることとなる。
したがって、吐出部材6を、弾性膜部60の中心軸が容器軸Oに対して傾くように容器本体2の口部21に装着させる等の複雑な構造を採用しなくても、内容物を、容器軸Oに対して偏った向きに吐出させることができる。
また、本実施形態の吐出体3では、弾性膜部60の平面視において、吐出筒43が吐出体3の外側に向けて開口する方向と、スリット部63が弾性膜部60の中心軸(容器軸O)に対して偏る方向と、が互いに一致しているので、容器本体2の内圧を上昇させたときに内容物が吐出する向きを、使用者に容易に認識させることが可能となり、優れた操作性を具備させることができる。
このように本実施形態の吐出体3では、スリット部63を弾性膜部60の中心軸に対して偏在させるといった簡易な構造で、内容物を、容器軸Oに対して偏った向きに吐出させることができるという効果を奏する。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態におけるスリット部63として、平面視形状で略X字(略十字)状を形成させた一例を示したが、これに限定されることはなく、他の平面視形状のスリット部を採用することも可能である。例えば、図5に示す第1変形例によるスリット部63は、1つの第3スリット63Cのみからなり、平面視形状は弾性膜部60の中心軸(容器軸O)に対して偏在する位置に配置されている。また、図6に示す第2変形例によるスリット部63は、平面視形状で第4スリット63Dと第5スリット63EとがX字状に交差し、その交点63aが弾性膜部60の中心軸(容器軸O)に対して偏在する位置に配置され、且つ交点63aと容器軸Oとを結ぶ直線を中心として線対称となるように配置されている。
また、上記の実施形態では、弾性膜部60の平面視において、吐出筒43が吐出体3の外側に向けて開口する方向と、スリット部63が弾性膜部60の中心軸に対して偏る方向と、を互いに一致させることで、吐出する向きを使用者に容易に認識させることが可能な構成としているが、このような構成に限らず、例えばピンチグリップボトルや把手付きの容器であっても、容器本体2の内圧を上昇させたときに、内容物が吐出する向きを、使用者に容易に認識させることができる。
なお、上記実施形態のような吐出筒43の傾斜部43Bを省略することも可能である。
また、本実施形態では、吐出部材6を固定した装着部材4は、弾性膜部60の中心軸と容器軸Oとが同軸となるように容器本体2の口部21に装着されているが、弾性膜部60の中心軸と容器軸Oとが平行であれば良く、同軸であることに限定されることはない。尚、弾性膜部60の中心軸を容器軸Oに対して傾斜させることで、吐出方向を大きく傾けることができる。
さらに、上記の実施形態の吐出体3では、吐出部材6を固定するとともに、容器本体2の口部21に装着される装着部材4を備えているが、この装着部材4を省略することもできる。例えば、容器本体の口部に、該口部の開口を閉塞する吐出部材を直接、装着する構成とすることも可能である。この場合も、弾性膜部の中心軸が容器軸と平行となるように、吐出部材が容器本体の口部に装着されていれば良い。
また、装着部材4に対する吐出部材6の固定手段は、適宜設定することが可能であり、上記実施形態のように環状の固定部5を介して固定する構成に限定されることはなく、固定部5を省略することもできる。
さらに、容器本体2および装着部材4の形状、嵌合構造などの構成は、任意に変更することが可能であり、例えば装着部材4の形状に合わせて吐出部材6の形状も設定すればよい。また、上記実施形態の吐出容器1の吐出体3をさらに覆う有頂筒状の蓋部材を設けるようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 吐出容器
2 容器本体
3 吐出体
3a 連通孔
4 装着部材
5 固定部
6 吐出部材
21 口部
43 吐出筒
43A 本体部
43B 傾斜部
43a 吐出口
60 弾性膜部
61 弾性筒部
63 スリット部
63A〜63E 第1〜第5スリット
E 吐出筒(傾斜部)の傾斜方向
F 内容物の吐出方向
O 容器軸(弾性膜部の中心軸)

Claims (3)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、該口部の開口を閉塞する吐出部材を備え、
    前記吐出部材には、スリット部が形成された弾性膜部が備えられ、
    前記吐出部材は、前記容器本体の内圧の上昇に伴い、前記弾性膜部が前記スリット部を拡開させるように前記容器本体の外側に向けて弾性変形することで、前記開口を開放する吐出体であって、
    前記吐出部材は、前記弾性膜部の中心軸が容器軸と平行となるように前記容器本体の口部に装着され、
    前記スリット部の平面視形状は、前記弾性膜部の中心軸に対して偏在していることを特徴とする吐出体。
  2. 前記容器本体の口部に装着されるとともに、該口部の開口に連通する連通孔が形成された装着部材を備え、
    前記吐出部材は、前記装着部材に固定され、前記連通孔を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の吐出体。
  3. 前記装着部材は、前記弾性膜部を囲繞し、かつ前記弾性膜部の中心軸に対して傾斜する方向に延びる吐出筒を備え、
    前記弾性膜部の平面視において、前記吐出筒が当該吐出体の外側に向けて開口する方向と、前記スリット部が前記弾性膜部の中心軸に対して偏る方向と、が互いに一致していることを特徴とする請求項2に記載の吐出体。
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