JP2014045925A - まな板及びその製造方法並びに包丁及びその柄 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に亘って安定的に極めて高い抗菌性能・抗ウィルス性能を発揮し得る、まな板を実現する。
【解決手段】まな板の本体部1は、木製より成る。木製まな板本体部1は、包丁等の刃物の刃先で切られる食材等が載置される表面STと、表面STに対向した裏面SBと、4つの側面SSA,SSB,SSC,SSDとを、有する。そして、木製まな板本体部1の表面STの全面、及び、表面STから底面SBに向けた深さTA(例えば5mm)までの、木製まな板本体部1の内部全体には、多数の白金ナノ粒子が均一に分散して存在している。木製まな板本体部1に存在する、これらの白金ナノ粒子は、黄色ブドウ球菌、O157、及びO111の大腸菌に対して極めて高い抗菌性能を有する。且つ、白金ナノ粒子は、ノロウィルスに対しても極めて高い抗ウィルス性能を発揮し得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、まな板の抗菌化・抗ウィルス化の技術及びまな板に調理時に使用される包丁の抗菌化等の技術に関する。
市場で購入可能な汎用性の「まな板」としては、大要、1)プラスチックス製のもの、2)木製のもの、及び、3)ゴム製のものとが、ある。
「まな板」は、飲食店の調理場又は家庭の台所で、刃物を用いた食材の調理に於ける必需品であることから、食中毒等の被害を出さないためにも、「まな板」の衛生度の向上が指向される。この様な観点から、従来、抗菌化機能を有するゴム製の「まな板」が、製造・販売されている。その他の上記1)又は2)の材質の「まな板」に関しては、現時点では、抗菌作用を発揮するものは、市場に於いて販売されてはいない。
特開平7−165519号公報 特開2008−113929号公報
抗菌作用のあるゴム製の「まな板」は、通常、「まな板」の表面及びその近傍に付着されている銀イオンの粒子を有している。銀イオンは、細菌の細胞膜を損傷させる抗菌効果を呈する、言われている。
しかしながら、銀は酸化作用により黒ずむので、使用により酸化した後の銀イオンの抗菌作用は極端に低下する。そのため、銀イオンが付着された「まな板」は、長期間に亘って、常に安定して、抗菌作用を呈することが出来ないのが、実態である。同様な問題点は、調理場等で使用する包丁についても言えることである。
本発明は斯かる実情を克服すべく成されたものであり、その目的は、長期間に亘って且つ常に安定して、身体に有害なノロウィルス及び大腸菌に対する抗ウィルス作用・抗菌作用を奏することが可能な「まな板」及び「包丁」を世に提供することにある。
本発明の主題に係る「まな板」は、刃物で切り込まれる被切断物が搭載される表面と、前記表面に対向する裏面とを備える、木製まな板本体部と、前記表面より所定の深さに至る範囲内の前記まな板本体部内に存在している、粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子とを、備えたことを特徴とする。
本発明の主題に係る「包丁」は、刃と、差込側の一端を締め付けるための口輪を介して、その内部に差し込まれる前記刃の中子を有する、木製の柄と、前記柄の表面から前記柄の前記内部にまで存在する、粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子と、を備えたことを特徴とする。
本発明の主題に係る「まな板」によれば、木製まな板を用いた調理作業等に於いて、木製まな板本体部の表面と接触する、又は、当該表面から木製まな板本体部の内部に少しばかり食い込む、刃物の刃先に、付着した大腸菌又は/及びノロウィルスを確実に殺してしまう作用を、長期間に亘って発揮し続けることが出来る。
本発明の主題に係る「包丁」によれば、木製の柄に付着した大腸菌又は/及びノロウィルスを確実に殺してしまう作用を、長期間に亘って発揮し続けることが出来る。
以下、本発明の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
本発明の実施の形態1に係る木製のまな板の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る木製のまな板の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 実施の形態2の変形例1に係る木製のまな板の製造方法の他の一例を模式的に示す工程図である。 白金ナノ粒子水溶液の原液を水(精製水等。)で希釈化する工程を模式的に示す図である。 黄色ブドウ球菌に対する木製まな板の抗菌性試験結果を示す図である。 腸管出血性大腸菌O157に対する、2倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液が有する抗菌性の試験結果を示す図である。 腸管出血性大腸菌O111に対する、2倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液が有する抗菌性の試験結果を示す図である。 ノロウィルスに対する、80倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液の抗ウィルス性を示す試験結果である。 ノロウィルスに対する、80倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液の抗ウィルス性を示す試験結果である。 本発明の実施の形態2に係る包丁の構成を模式的に示す正面図である。
(実施の形態1):木製まな板の構成
図1は、本実施の形態に係る「木製まな板」の矩形状の構成を模式的に示す斜視図である。尚、図1における「ハッチング」は、記載の便宜上表示されているものにすぎないのであり、断面構成を示すためのハッチング部分ではない。
図1に於いて、木製まな板は、(1)木製まな板本体部1と、(2)粒系がナノサイズ(例:4nm〜5nmの数ナノメーター程度)の寸法である複数個の白金ナノ粒子とを、有している。
詳細には、木製まな板本体部1は、(1−a)刃物(例えば包丁又はナイフ。)の刃先で切り込まれる被切断物(例:食品又は食品の食材。)が調理時に搭載される表面STと、(1−b)表面STに対向する裏面SBと、(1−c)4つの側面SSA,SSB,SSC,SSD)とを備える。
そして、多数乃至は複数個の白金ナノ粒子が、木製まな板本体部1の表面STより所定の深さTAに至る範囲内の当該木製まな板本体部1内に、ほぼ均一に分散して存在している。ここで、上記の所定の深さTAは、例えば5mm程度又はその倍の10mm程度である。
個々の白金ナノ粒子は、後述する実施の形態3で実証されている通り、ノロウィルスに対する抗ウィルス性、及び、黄色ブドウ球菌、O111、又はO157等の大腸菌に対する抗菌性を、有している。
斯かる構成を備える本実施の形態の木製まな板は、次の効果を奏する。即ち、包丁・ナイフ等の刃物の内で、人の掌で握られる、木製・プラスチック等より成る柄(把持部分)には、大腸菌の様な病原菌又はノロウィルスの様な身体に有害なウィルスが多数存在し得る。この様な刃物の柄の部分を通じて、食材等の被切断物に切込み時に接触する刃物の刃先に、大腸菌等が生息して増殖する可能性がある。又は、調理者の細菌等で汚染された手の掌が刃物の刃先に接触することで、当該刃物の刃先に大腸菌等が生息・増殖することも有り得る。その様な大腸菌等の身体に有害な細菌又はノロウィルスの様なウィルスが付着した刃物の刃先が、被切断物の切断・切込みの作業時に、木製まな板本体部1の表面STに接触し、更には、木製まな板本体部1の表面STの直下部分までに食い込むことになる。その際に、表面STの全面に及び当該表面STから所定の深さTAに至るまでの範囲内に分散して存在する個々の白金ナノ粒子は、その抗菌作用・抗ウィルス作用を発揮して、様々な大腸菌及びノロウィルスの殆どを殺してしまう。その結果、木製まな板本体部1の表面STに於いて当該刃物を用いて調理される食材等の被切断物内に、身体に有害な大腸菌又はノロウィルスが調理時に刃物から移って調理後に生息し続けるという事態の発生は、未然に、ほぼ完全に防止される。或いは、調理者の汚染された手の掌が直接に当該木製まな板本体部1の表面ST等に触れたとしても、大腸菌等の細菌又はノロウィルスは、当該木製まな板本体部1内に存在する個々の白金ナノ粒子により殺されてしまい、木製まな板の衛生的に好ましい状態が維持される。しかも、木製まな板本体部1内に存在している個々の白金ナノ粒子は、空気に触れても酸化されることはなく、その抗菌性能・抗ウィルス性能を安定して保持し続ける。且つ、個々の白金ナノ粒子は、当該粒子が存在している表面ST部分が刃物の刃先との接触等により削り取られて無くなってしまわない限り、木製のまな板本体部1内に常に存在し続けるのであって、単に時の経過により完全消滅してしまうことはない。従って、本実施の形態に係る「木製まな板」を使用して調理等を行う場合には、調理者は、長期間に亘り、身体にとって安全で衛生面で優れて清潔な調理作業を常に行うことが出来る。この様な衛生面での利点は、特に、業務として調理を行う飲食店及びレストラン等の調理場の作業に於いて、多大なる効果を発揮し得る。
(実施の形態2):木製まな板の製造方法
図2は、図1に例示した「木製まな板」を製造する方法の一例を模式的に例示する工程図である。本実施の形態においては、「白金ナノ粒子水溶液の原液」(容量は1リットル。)を更に数倍の容量の水によって希釈化して成る「白金ナノ粒子水溶液」が使用される。「原液」はコスト的に高価なものであるので、低コスト化の観点から、更に「原液」を希釈化して成る白金ナノ粒子水溶液が常用される。その様な「希釈化されて成る白金ナノ粒子水溶液」であっても、「原液」と同様の抗菌性能を維持し続けていることは、後述する実施の形態3において詳述される。
図2(A)に例示される様に、先ず、横断面の形状が矩形状である、木製まな板本体部1Aを準備する。
更に、白金ナノ粒子水溶液の原液の容量(1リットル)に対して更に「所定の倍数」の範囲内までの容量の水で上記原液の濃度を薄めた、「希釈化された白金ナノ粒子水溶液3」を準備した上で、当該白金ナノ粒子水溶液3を容器2内に蓄える。ここで、「所定の倍数」とは、抗菌試験結果に基づいて、100倍(黄色ブドウ球菌に対して抗菌性有り。)、又は、80倍(黄色ブドウ球菌、ノロウィルスに対して抗菌性及び抗ウィルス効果有り。)、或いは、2倍(黄色ブドウ球菌、O111、O157の大腸菌に対して抗菌性有り。ノロウィルスに対して抗ウィルス効果有り。)である。
その上で、容器2内の白金ナノ粒子水溶液3中に、木製まな板本体部1Aの全体を浸す。その際に、図2(B)に例示される様に、木製まな板本体部1Aの表面STの全面が白金ナノ粒子水溶液3に触れ、裏面SBの全面が容器2の底面に接触して白金ナノ粒子水溶液3に直接に触れない様に、木製まな板本体部1Aの全体の浸漬を行う。
その状態で、図2(B)に例示する如く、木製まな板本体部1Bを、1時間ないし24時間内の何れかの時間内、コスト面の観点からでは好ましくは1時間程度の時間内、白金ナノ粒子水溶液3中に放置する。放置時間内に、白金ナノ粒子水溶液3中に溶け込んでいる各白金ナノ粒子は、木製まな板本体部1Bの表面STとの間の反応を通じて、木製まな板本体部1Bの表面ST直下の内部に浸み込んでいく。
本願発明者の実験結果によれば、放置時間が1時間では、木製まな板本体部1Bの表面STからその内部にかけて、5mm程度の深さに至るまで、多くの白金ナノ粒子が浸み込んで均一に分散して存在していることを、検出した。更に、本願発明者は、放置時間を5時間又は10時間と長く設定して実験を行った。しかし、これらの場合に於ける白金ナノ粒子の木製まな板本体部1Bの内部への侵入の深さは、反応が飽和状態に近くなっている様でもあり、1時間放置の場合の結果とそれほど大差が無いことが判明した。24時間放置の実験では、1時間放置の場合の結果の約2倍の深さまで、白金ナノ粒子が木製まな板本体部1Bの表面STからその内部にかけて浸入して存在していることも、本願発明者は確認した。
その後、図2(C)に例示する様に、上記放置時間の経過の後に、白金ナノ粒子水溶液3から木製まな板本体部1Cを取り出す。その後、取出した当該まな板本体部1Cを乾燥させる。これらの製造工程を経ることで、実施の形態1に於いて記載した木製のまな板が製作される。
以上の様に、実施の形態1に係る木製のまな板を製造する方法自体は、難しいものではないので、放置時間(浸漬時間)の設定の調整によって、当該木製のまな板の製造コストの低減化を図ることが望ましい。
その様な製造コストの削減化策の一つとして、木製まな板本体部1Dの放置時間ないしは浸漬時間をより短くする製造方法の変形例を、図3に示す。図3に於いては、木製まな板本体部1Dの浸漬時間中に、外部の装置(図示せず。)から容器2Aに対して圧力PRを間欠的に又は連続的に印下する。斯かる圧力PRの印加により、容器2A内部の白金ナノ粒子水溶液3中に溶け込んでいる白金ナノ粒子の運動が活発化されて、白金ナノ粒子と木製まな板本体部1Dの表面STとの反応も促進される。その結果、より短い時間で、表面STから深さ5mm程度の内部位置にまで、白金ナノ粒子を木製まな板本体部1D内に存在させることが出来る。本変形例の場合には、圧力PRの印加に応じて外形が変形し易い材質のものを容器2Aとして利用することが望まれる。
或いは、容器2A自体を間欠的に又は連続的に外部から振動を加えて揺らがせることで、容器2A内の白金ナノ粒子水溶液3を揺動させても良い。反応の一層の促進化により、より短時間で、白金ナノ粒子を木製まな板本体部1D内部のより深い位置までに浸入・存在させることが出来る。
(実施の形態3):希釈化された白金ナノ粒子水溶液3を用いて製造された木製まな板の抗菌性・抗ウィルス性の試験
粒径がナノサイズの白金の粒子(以下「白金ナノ粒子」という。)は、極めて高い殺傷能力の抗菌性・抗ウィルス性及び消臭性と言う性能を奏する貴金属の粒子である。この白金ナノ粒子の持つ抗菌性・抗ウィルス性等の性能を発揮し得る、白金ナノ粒子が、水中に完全に且つ経時変化無く安定して溶け込んだ低価格な白金ナノ粒子水溶液の実現化が希求されるところである。
1リットルの水(例えば精製水又は純水等。)により溶解された、上記の極めて高い抗菌・抗ウィルス・消臭性能を長時間の経過と共に持続して発揮し得る白金ナノ粒子を含んだ水溶液(白金ナノ粒子水溶液)は、取引市場より入手可能な商品である。この様な1リットルの容量の水で溶解された白金ナノ粒子水溶液がほぼ完璧な「抗菌性能」、「抗ウィルス性能」、及び、「消臭性能」を奏する点は、信頼し得る試験測定機関に於ける厳密な測定結果により、既に実証済みの公知事実である。以下では、上記の1リットルの精製水等で白金ナノ粒子の粉が溶解された「白金ナノ粒子水溶液」を、「白金ナノ粒子水溶液の原液」という。
上記の市場より購入出来る「白金ナノ粒子水溶液の原液」は、大腸菌等のバクテリア(細菌)に対する抗菌性を発揮すると共に、ノロウィルス又は鳥インフルエンザのウィルス又はサーズウィルス又はエイズのウィルス等の各種ウィルスに対する抗ウィルス性をも発揮することが、試験結果により実証されている。加えて、本白金ナノ粒子水溶液の原液は、アンモニア等に対する極めて高い消臭性をも発揮し得ることも、既述の通り、試験により実証されている。
そこで、本願の発明者は、低コスト化を図る観点から、図4に模式的に示す様に、1リットルの水(精製水又は純粋等)で白金ナノ粒子を溶解して成る白金ナノ粒子水溶液の原液OPLに、更に上記の水HLを加えることで、原液OPLを希釈化して水溶液中に溶解している白金の濃度値を更に小さくすることで、x(x>1)リットルの水で白金ナノ粒子を溶解して成る希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLを作成した。
そして、本願の発明者は、原液OPLに対してx倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLを実施の形態2の記載例に於ける白金ナノ粒子水溶液3として用いて、実施の形態2に記載の製造方法の例に基づいて、木製まな板を製造した。
その上で、製造後の木製まな板の抗菌性・抗ウィルス性という性能が、原液OPLの希釈化の倍数xの値を如何なる値までに設定するならば、時間の経過とともに劣化することなく、安定して発揮されるか否かを、本願発明者は、直接に木製まな板により、或いは、間接的に希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLにより、試験した。
(A)先ず、xの値が100、即ち、原液OPLに対して100倍の水により希釈化されて成る白金ナノ粒子水溶液PSLを用いて上記の製造方法により製造された2個の木製まな板(図1参照。)が、大腸菌の一種である「黄色ブドウ球菌」に対する抗菌性能を備えているか否かの確認試験を行った。その試験結果を、図5に示す。本試験は、本願発明者が上記白金ナノ粒子水溶液PSLを用いて作成した2個の木製まな板を、「一般財団法人カケンテストセンター」の大阪事業所の生物テストラボに、試料として提供することで、実施された。そして、その試験方法は、JIS L1902:2008定量試験(菌液吸収法)を準用したものである。供試菌は、黄色ブドウ球菌(NBRC12732)である。
図5に示されている結果の通り、木製まな板への黄色ブドウ球菌の接種直後から18時間経過後に於いて、当該まな板に生息している黄色ブドウ球菌の生菌数の常用対数値は、1.3未満であり、綿標準白布の場合に於ける18時間経過後の常用対数値7.1と比較して、各段に生菌数が減少していることが理解される。JIS規格で定められた判定基準によれば、図5に示されている「静菌活性値」が、試験対象の試料が「抗菌性」の性質を有するか否かを判定する際のメルクマールであり、その「静菌活性値」が2.0以上あれば、「抗菌性有り」との合格の判定が下される。図5の試験結果に於いては、試料の木製まな板の「静菌活性値」は、合格判定の閾値である2.0を遥かに上回る、5.7を超える値である。
従って、本願発明者が図4のx倍の値として採択した100倍の希釈度の白金ナノ粒子水溶液PSLを用いて既述の方法により製造した木製まな板であっても、当該木製まな板は、黄色ブドウ球菌の大腸菌に対して十分に抗菌性を備えていることが、当該試験結果より実証されている。
このことは、原液OPLに対して100倍以内の倍数の希釈度で希釈された白金ナノ粒子水溶液PSLは、包丁等の刃物の刃先等に付着した黄色ブドウ球菌(大腸菌)を消滅させてしまう木製まな板を製造するための低コストの水溶液として採用・利用可能であることを、意味している。
(B)次に、同じく大腸菌の一種であるO157及びO111の各細菌に対して、実施の形態2に於いて記載した木製まな板の製造方法に於いて用いられる2倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLが抗菌性能を有するか否かの試験を、本願発明者は行った。
当該試験を委託した機関は、「財団法人 北里環境科学センター」であり、平成23年7月27日に、当該センターより、試験結果が本願の出願人に対して報告された。当該試験に関する概要は、次の通りである。即ち、試験目的は、試験品による試験菌に対する殺菌効力を評価することである。試験品は、2倍に希釈された白金ナノ粒子水溶液である。試験条件に関しては、作用時間は、直後(対照の試験菌の接種直後。)及び当該直後から60分間である。
本試験による腸管出血性大腸菌O157に対する、2倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLが有する抗菌性の結果を、図6に示す。
又、本試験による腸管出血性大腸菌O111に対する、2倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLが有する抗菌性の結果を、図7に示す。
図6及び図7に示される様に、試験品に対して60分間、試験菌を作用させた後の試験菌数は、定量下限値未満(<10)となり、同条件の対照菌数と比較して4桁以上も減少している。上記の結果より、2倍以内の倍率で希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLは、大腸菌O157及びO111に対して、格段の殺菌効果を現に有することが、実証されている。
これらの結果を踏まえれば、2倍以内の倍率で希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLを用いて、実施の形態2に於いて例示記載した製造方法により製造された木製まな板も、当然の事ながら、大腸菌O157及びO111に対して、格段の殺菌効果を有することが、明確に理解される。
(C)更に、ノロウィルスに対して、80倍で希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLが抗ウィルス性能を有するか否かの試験を、本願発明者は行った。
当該試験を本願発明者が委託した試験機関は、同じく「財団法人 北里環境科学センター」である。当該センターが本願の出願人に対して報告してきた試験結果の試験に関する概要は、次の通りである。即ち、試験目的は、本願の発明者が提供した白金ナノ粒子水溶液による、ネコカリシウィルス(ノロウィルスの代替ウィルスである。)の不活化効果を評価することである。試験品は、原液に対して80倍に希釈化された白金ナノ粒子水溶液である。作用時間は、0時間(初期)及び3時間である。
本試験結果を、図8及び図9に示す(何れの図も、試験品作用後のネコカリシウィルス感染価の変化を示す図である。)。初期感染価8.9×10TCID50/mLのウィルスにコントロール(PBS)を3時間作用させた場合、感染価は殆ど変動しなかった。他方、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で80倍に希釈された試験品では、感染価は2.0×10TCID50/mLとなり、ウィルス感染価の対数減少値(LRV:log reduction value)は、2.6log10となった。試験品の抗ウィルス効果は、未加工品と加工品とのLRVの差で判定する必要性がある。本試験において、PBSで80倍に希釈された試験品と対照のLRVの差を求めると、2.3log10であった。抗菌試験においては、抗菌効果の判定基準として抗菌活性値が2.0log10以上の減少を「効果あり」として規定している。抗ウィルス効果についての判定基準は定められていないが、抗菌試験の判定基準を適応した場合、本試験においては、LRVが2.3log10であったため、抗ウィルス効果があると、「財団法人 北里環境科学センター」は、その報告書において、判断している。
図8及び図9の試験結果より、80倍で希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLは、ノロウィルスに対して格段の抗ウィルス性能を有していることが、実証された。
これらの結果を踏まえれば、80倍以内の倍率で希釈化された白金ナノ粒子水溶液PSLを用いて、実施の形態2に於いて例示記載した製造方法により製造された木製まな板も、当然の事ながら、ノロウィルスに対して、格段の抗ウィルス性能を有することが、明確に理解される。
(実施の形態4):白金ナノ粒子を有する柄を備えた包丁
図10は、包丁100の正面図である。包丁100は、大要、柄100Aと、刃100Bとより成る。
刃100Bは、同部の尖った先端である切っ先100BCと、食材等を切断ないしは切込む部分の刃先(刃線)100BEと、柄100Aの一端部より柄100Aの内部に差し込むための、他端側の中子100BNとを、有する。
他方、柄100Aは、木製から成る柄であり、刃100Bの中子100BNを柄100A内部に差し込むための、締め付けられた口輪100AWを有する。そして、その特徴点として、柄100Aは、その表面全体及び当該表面から所定の深さ(数mm程度)までの内部に均一に分散して存在する、粒系がナノサイズ(数nm程度)の寸法である複数(多数)の白金ナノ粒子100ANを有する。個々の当該白金ナノ粒子100ANは、既述した通りの抗菌性及び抗ウィルス性の性能を、発揮する。柄100Aの表面及び内部に白金ナノ粒子100ANを分散して存在させる方法は、例えば、実施の形態2で述べた、白金ナノ粒子水溶液中の浸漬法による。浸漬時間は、例えば1時間乃至24時間の範囲内の時間である。
柄100Aは、人間の掌により把持される部分であるから、場合によっては、大腸菌等の細菌または有害なウィルスにより汚染される蓋然性がある部分である。本実施の形態に係る包丁100によれば、柄100Aに存在する多数の白金ナノ粒子100ANが、柄100Aに付着した大腸菌等の細菌又はノロウィルスを確実に殺すことができるので、常に衛生上、清潔な包丁を実現化することが可能である。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
本発明は、家庭用又は業務用の調理用木製まな板に適用して好適である。
1 木製まな板本体部
2,2A 容器
3 白金ナノ粒子水溶液
ST まな板表面
SB まな板裏面
100 包丁
100A 柄
100AN 白金ナノ粒子

Claims (6)

  1. 刃物で切り込まれる被切断物が搭載される表面と、前記表面に対向する裏面とを備える、木製のまな板本体部と、
    前記表面より所定の深さに至る範囲内の前記まな板本体部内に存在している、粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子と
    を備えたことを特徴とする、まな板。
  2. 粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子が溶け込んだ白金ナノ粒子水溶液の原液の容量に対して更に所定の倍数の範囲内までの容量の水で前記原液の濃度を薄めた白金ナノ粒子水溶液中に、木製のまな板本体部を全体的に浸す工程と、
    前記まな板本体部を、1時間ないし24時間内の何れかの時間、前記白金ナノ粒子水溶液中に放置する工程と、
    前記放置時間の経過後に、前記白金ナノ粒子水溶液から前記まな板本体部を取り出して当該まな板本体部を乾燥させる工程と
    を備えたことを特徴とする、まな板の製造方法。
  3. 粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子が溶け込んだ白金ナノ粒子水溶液の原液の容量に対して更に所定の倍数の範囲内までの容量の水で前記原液の濃度を薄めた白金ナノ粒子水溶液をその内部に有する容器中に、木製のまな板本体部を全体的に浸す工程と、
    前記まな板本体部が前記白金ナノ粒子水溶液中に浸された状態に於いて前記容器に対して外部より圧力を印加して、所定の時間が経過した後に前記圧力の印加を止める工程と、
    前記圧力印加の終了後に、前記まな板本体部を前記白金ナノ粒子水溶液から取り出して当該まな板本体部を乾燥させる工程と
    を備えたことを特徴とする、まな板の製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の、まな板の製造方法であって、
    前記所定の倍数は、2倍、80倍又は100倍の内の何れかの倍数である
    ことを特徴とする、まな板の製造方法。
  5. 刃と、
    差込側の一端を締め付けるための口輪を介して、その内部に差し込まれる前記刃の中子を有する、木製の柄と、
    前記柄の表面から前記柄の前記内部にまで存在する、粒系がナノサイズの寸法である複数の白金ナノ粒子と
    を備えたことを特徴とする、包丁。
  6. 請求項5に記載の、前記複数の白金ナノ粒子がその内部に存在する前記木製の柄より成ることを特徴とする、包丁の柄。
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