JP2018100344A - 石鹸 - Google Patents
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Abstract
【課題】 持続的な抗菌性、抗ウィルス性及び消臭性に優れた石鹸を提供する。【解決手段】 ゲル状の石鹸素地に白金ナノコロイド溶液を混合した混合液を素材とする石鹸において、前記白金ナノコロイド溶液は、前記石鹸素地に対して5質量%〜10質量%で混合され、平均粒径が1nm〜10nmの白金ナノ粒子が含有されており、当該石鹸を使用すると、白金ナノ粒子の持続的な抗菌効果、抗ウィルス効果及び消臭性を十分に得ることができ、洗浄対象を清潔に保つことができる。【選択図】図1
Description
本発明は、持続的な抗菌性、抗ウィルス性及び消臭性に優れた石鹸に関する。
石鹸は、その用途によって固形石鹸、粉石鹸又は液体石鹸等の種類に大別され、例えば、固形石鹸であれば、基本的には油脂に苛性ソーダを反応させてなる脂肪酸ナトリウムを石鹸素地として製造されている。当該石鹸は、通常、主として汚れを落とす効果が認められるところ、抗菌効果を得ることのできる石鹸としては、以下の技術が提供されている。
例えば、銀ゼオライトを含有し、即効性があり非常に強い抗菌効果を有する固形洗浄剤が提供されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、抗菌性の金属として銀を使用しており、銀の酸化による変色によって抗菌効果が低下するため、持続的な抗菌効果を得ることはできなかった。また、銀には抗ウィルス効果はないという問題があった。
そこで、本発明は、持続的な抗菌性、抗ウィルス性及び消臭性に優れた石鹸を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に係る請求項1に記載の石鹸は、ゲル状の石鹸素地に白金ナノコロイド溶液を混合した混合液を素材とすることを特徴としている。
また、請求項2に記載の石鹸は、前記白金ナノコロイド溶液が、前記石鹸素地に対して5質量%〜10質量%で混合されてなることを特徴としている。
また、請求項3に記載の石鹸は、前記白金ナノコロイド溶液に、平均粒径が1nm〜10nmの白金ナノ粒子が含有されていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の石鹸は、前記白金ナノコロイド溶液が、常温の水中で、還元剤により当該白金イオンを還元することで調製したものであることを特徴としている。
さらに、請求項5に記載の石鹸は、前記白金イオンが、安定化剤としてクエン酸を添加されていることを特徴としている。
本発明に係る請求項1乃至3に記載の石鹸によれば、使用者の手洗いの際に石鹸成分を洗い流しても手の表面に白金ナノ粒子が残留し、当該白金ナノ粒子による持続的な抗菌効果、抗ウィルス効果及び消臭性を得ることができる。
また、請求項4に記載の石鹸によれば、常温の水中で、還元剤により白金イオンを還元しているため、高温加熱等することなく、容易に白金ナノコロイド溶液を調製できる。
また、請求項5に記載の石鹸によれば、安定化剤としてクエン酸を添加することにより、石鹸素地に対して白金ナノ粒子の比重が軽くなることから、白金ナノ粒子が沈殿することなく、白金ナノ粒子を分散させた状態で石鹸を製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明に係る石鹸は、ゲル状の石鹸素地に白金ナノコロイド溶液を混合した混合液を素材として製造される。なお、当該石鹸には、固形石鹸、紙石鹸、粉末石鹸又は液体石鹸等の各種石鹸を含む。
前記白金ナノコロイド溶液は、平均粒径が1〜10nmの白金ナノ粒子を含有する溶液あって、例えば、塩化白金酸イオン(PtCl4 2-)とアスコルビン酸などの白金イオンに対して還元能力を有する還元剤を常温の水中で反応させ、白金イオンを還元することで調製される。この水中における白金イオン(塩化白金酸イオン)の濃度は、0.001〜0.1mol/Lであり、また、還元剤の濃度は、5〜20倍である。さらに、水中において白金イオンを安定に存在させるために、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸(ナトリウム塩などの塩の状態であってもよい)を安定化剤として添加しており、その水中における濃度は白金イオンの濃度の0.5〜2倍である。
本発明に係る石鹸は、ゲル状の石鹸素地に対して前記調製された白金ナノコロイド溶液を5質量%〜10質量%で含有して製造される。製造工程は特に限定されないものの、前記クエン酸などのヒドロキシカルボン酸を安定化剤として添加したことにより、白金ナノ粒子の比重が石鹸素地に対して軽くなり、石鹸の固化等の工程においても白金ナノ粒子が沈殿せずに分散した状態で石鹸を製造することができる。
以下に、前記白金ナノコロイド溶液の抗菌効果についての試験結果を示す。
試験溶液は、以下の手順で作製した。E.coli(ATCC25922)を室温で解凍し、標準寒天平板培地で3代継代したのち、平板培地より菌を適量採取し、1mlの滅菌生理食塩水に懸濁して菌原液を作製する。そして、当該菌原液を25000倍希釈し、標準寒天平板培地に2μl、20μl及び200μl滴下したのち、コンラージ棒で均一に塗抹して、37℃で24時間培養後にコロニー数を計測し、そのコロニー数から菌数が1×107CFU/mlとなるように菌原液を調製し、試験菌液とした。
また、前記白金ナノコロイド溶液を滅菌生理食塩水で5倍段階にて希釈し、原液、5倍、25倍、125倍及び625倍の希釈溶液を作製し、試験溶液を作製した。
当該各段階で希釈した試験溶液につき、以下の通り、抗菌試験を行った。
前記各濃度の試験溶液0.9mlと試験菌液(菌数1×106CFU)を混合し、室温で、6時間、1日、3日及び7日間の各間隔で静置したのち、各溶液0.1mlを標準寒天平板培地に滴下し、コンラージ棒で均一に塗抹した。そして、37℃で24時間培養後にコロニー数を計数し、抗菌効果の検討を行った。なお、滅菌生理食塩水を使用し、同様のコントロール試験も行った。
図1乃至図4は、前記各濃度の試験溶液と各静置時間における菌の発育状況を示す図である。図1は、各濃度の試験溶液を6時間静置したのちの菌の発育状況を示す図であり、図2は、1日、図3は、3日、そして、図4は、7日静置したのちの菌の発育状況を示す図である。各図におけるプレートAは、試験溶液の原液、プレートBは、5倍希釈した試験溶液、プレートCは、25倍希釈した試験溶液、プレートDは、125倍希釈した試験溶液、プレートEは、625倍希釈した試験溶液、を0.1ml滴下した標準寒天平板培地を示すものである。なお、プレートFは、コントロール試験として滅菌生理食塩水を0.1ml滴下した標準寒天平板培地を示すものである。
図1に示すように、6時間反応させた状況では、プレートAからプレートDでは、菌の発育を確認することができず、プレートEでは、コントロール試験のプレートFと同様に、菌が発育してしまった。一方で、図2乃至図4に示すように、1日、3日又は7日反応させた状況では、全ての希釈段階で菌の発育を確認することができなかった。このように、前記白金ナノコロイド溶液によれば、持続的に優れた抗菌効果を発揮することができる。
次に、前記白金ナノコロイドの殺菌効力に関する試験の結果を、以下に示す。
試験菌液は、冷凍保存した菌株(Escherichia coli(O−157)及びEscherichia coli(O−111))をTryptic Soy Agar(Difco、以下「TSA」)培地で、35℃〜37℃で18〜24時間培養したのち、この培養菌を新たなTSA培地に移植して35℃〜37℃で18〜24時間培養し、菌の発育した集落をかき取り、滅菌イオン交換水に懸濁して約107CFU/mlに調製した。
試験溶液は、前記白金ナノコロイド溶液を2倍希釈して作製し、23℃〜27度の環境下で、直後と60分後の前記試験溶液によるO−157及びO−111に対する殺菌効力の試験を行った。なお、コントロール試験として生理食塩水を用いた試験も行った。
当該試験結果を以下の表1及び表2に示す。
表1及び2に示すように、当該白金ナノコロイド溶液によれば、O−157及びO−111の大腸菌を、夫々340,000個及び360,000個から僅か10個に減少しており、持続的に高い殺菌効果を確認することができた。
次に、前記白金ナノコロイド溶液のウィルス不活性化試験の結果につき、以下に示す。
供試ウィルスの培養は、ネコカリシウィルスを猫腎臓経由細胞(CRFK:Crandell−Reese feline kidney)に感染させ、細胞培養面積の約90%以上が細胞変性効果(CPE:Cytopathic effect)を示したとき−80℃の冷凍庫に冷凍保存し、その後、冷凍融解操作を2回繰り返し、3,500rpmで10分間遠心した上澄みを採取し、限外ろ過膜で濃縮精製したウィルス液を供試ウィルスとした。
また、前記白金ナノコロイド溶液を原液として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS:phosphate buffered saline)で45倍に希釈し、試験溶液とした。
ウィルス不活性試験は、試験管内に900μlの前記試験溶液と100μlの前記供試ウィルスを夫々加え、ボルテックスミキサーでよく混合した後、室温で所定の時間反応させることにより行った。所定時間経過後、ただちに当該混合液100μlを0.2%のウシ胎児血清(FBS:fetal bovine serum)を含むDulbecco’s modified Eagle’s Medium(DMEM)9.9mlに添加し、100倍に希釈して試験溶液の作用を停止させ、当該液をウィルス感染価測定用試料原液としてウィルス感染価を測定した。なお、作用時間0時間の試料は、試験溶液に代えてリン酸緩衝生理食塩水を使用した。
試験結果は、以下の表3及び図5に示すように、初期感染価5.6×104TCID/mlのウィルスにリン酸緩衝生成食塩水を2時間作用させた場合、感染価はほぼ変動することはなかった。一方で、前記試験溶液にウィルスを2時間作用させた場合、その感染価は検出限界値(6.3TCID50/ml)以下となり、3.9log10以上のウィルス感染価対数減少値を確認することができた。このように、前記試験溶液によれば、持続的なウィルス不活性化効果を認めることができる。
次に、前記白金ナノコロイド溶液の消臭性試験を行ったので、その結果を以下に示す。
消臭試験は、社団法人繊維評価技術協議会の消臭加工繊維製品認証基準を準用し、検知管法及びガスクロマトグラフィー法にて行った。
以下の表4は、ガス初期濃度を示し、表5は、2時間経過後の減少率を示すものである。
表4及び表5に示すように、前記白金ナノコロイド溶液によれば、臭気成分の全体において、90%〜99%の減少率となり、高い消臭性を持続的に確認することができた。
以上のように、白金ナノ粒子を含有する白金ナノコロイド溶液によれば、持続的に優れた抗菌効果、抗ウィルス効果及び消臭性を発揮することができる。
当該白金ナノコロイド溶液を素材として製造され、白金ナノ粒子を含有する前記石鹸を実際に使用すると、前記白金ナノ粒子の持続的な抗菌効果、抗ウィルス効果及び消臭性を十分に得ることができ、当該石鹸による洗浄対象を清潔に保つことができる。
Claims (5)
- ゲル状の石鹸素地に白金ナノコロイド溶液を混合した混合液を素材とする石鹸。
- 前記白金ナノコロイド溶液は、前記石鹸素地に対して5質量%〜10質量%で混合されてなることを特徴とする請求項1に記載の石鹸。
- 前記白金ナノコロイド溶液には、平均粒径が1nm〜10nmの白金ナノ粒子が含有されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の石鹸。
- 前記白金ナノコロイド溶液は、常温の水中で、還元剤により当該白金イオンを還元することで調製したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれに記載の石鹸。
- 前記白金イオンは、安定化剤としてクエン酸を添加されていることを特徴とする請求項4に記載の石鹸。
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WO2021033590A1 (ja) * | 2019-08-20 | 2021-02-25 | 有正 宮本 | 屁及び/又は大便の悪臭の低減剤 |
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WO2021033590A1 (ja) * | 2019-08-20 | 2021-02-25 | 有正 宮本 | 屁及び/又は大便の悪臭の低減剤 |
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