JP2014045739A - 焼き菓子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たに特別な製造機械や製造工程を必要とせず、内層が不均一な空隙に富み、これら空隙が安定に維持され、口溶けが良く、粉っぽさのない、サクサク感を有する食感に優れた焼き菓子を提供すること。
【解決手段】焼き菓子用の生地に、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質、あるいはこれを含む改良素材を添加した後に焼成して焼き菓子を製造する。上記トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質は、焼き菓子粉体原料に対して0.02〜7.5質量%添加することが好ましい。焼き菓子用の生地に膨張剤を、焼き菓子粉体原料に対して0.1〜3.0質量%配合することができる。また、上記改良素材や焼き菓子用の生地には、油脂を配合することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼き菓子の製造方法に関し、更に詳しくはトランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を所定量含有する改良素材を焼き菓子用の生地に添加し、焼成して、目の開き(気泡)、サク味、ソフトな食感等を向上させた焼き菓子の製造方法に関する。
従来、焼き菓子等の焼成物の内層の空隙や目の開き(気泡)をよくするため、乳化剤や増粘剤を用いる方法、或いはこれらの添加剤の使用とホイップ工程を設けて生地の比重を小さくする方法が採用されていた。例えば、食用油脂10〜65質量%、糖質20〜60質量%、水分10〜40質量%、及び乳化剤0.1〜5質量%を水中油型に乳化してなる焼き菓子用改質剤(例えば、特許文献1参照)や、平均粒子径が20μm以下の増粘安定剤を含有する製菓・製パン用品質改良剤(例えば、特許文献2参照)や、卵白、乳化剤及び増粘剤を混合し、起泡させた気泡組成物を用いて焼成する焼成菓子の製造方法(例えば、特許文献3参照)や、所定量の小麦粉に対して、A)所定量の油脂、B)所定量の保湿剤、C)所定量の乳化剤、D)所定量の糖類を配合し、予め含気させ、クリーム状に組成物を調製した後、他の副材料及び小麦粉と混合して得られる生地を用いて、成形、焼成する焼き菓子類(例えば、特許文献4参照)が知られている。
一方、乳清タンパク質は、従来から熱凝固性、ゲル化性、乳化性、起泡安定性等の機能性が認められており、その物性について多くの研究がなされている。起泡安定性には起泡性(起泡能力、どの程度の泡を保持し得るか)と泡沫安定性(一度形成された泡をどの程度維持し得るか)の2つの見解があり、溶液の起泡安定性は蛋白質含量、pH、塩及びイオン強度、糖及び脂質含量、熱処理等に影響されるといわれている。
かかる物性を有する乳清タンパク質の食品への利用のための、乳清タンパク質処理技術として、乳清タンパク質のプロテアーゼ処理物及び乳脂のリパーゼ処理物を有効成分として含有する飲食品の風味改良剤(例えば、特許文献5参照)や、乳ホエイ蛋白含有組成液にトランスグルタミナーゼを作用させた後に加熱し、次にこれを乾燥処理して得られる、畜肉練り製品等加工食品用の乳ホエイ蛋白含有粉末(例えば、特許文献6参照)や、トランスグルタミナーゼを作用させて安定化した乳ホエイタンパク質及び所望による呈味料を含有する乳ホエイタンパク質含有飲料(例えば、特許文献7参照)や、チーズホエイにトランスグルタミナーゼを作用させる工程を有する改質されたチーズホエイ蛋白の製造方法において、イ.当該トランスグルタミナーゼを作用させる前に、アルカリ処理及び予熱処理する工程1;及び/又はロ.アルカリ性下及び/又は高くともトランスグルタミナーゼが失活しない温度での加熱下で当該トランスグルタミナーゼを作用させる工程2を含むチーズホエイの製造方法及び得られたチーズホエイ蛋白及びこれを含有又は使用した食品(例えば、特許文献8参照)が知られている。
さらに、少なくともホエイ蛋白単離物及び有機酸を水に溶解し、加熱し、混合物の濁度を420nmにおける吸光度で3.9乃至6.5に調整する工程、b)冷却する工程、c)前記b)工程で得られた混合物そのもの又はこれにその他の焼菓子原料を混合し、泡立てる工程、d)前記c)工程で得られた混合物を耐熱性容器に所定量充填する工程、及びe)混合物を充填した容器をオーブンにより焼成する工程、の各工程からなる気泡含有焼菓子の製造方法(例えば、特許文献9参照)が知られている。
しかしながら、焼き菓子の製造方法において、乳化剤や増粘剤に頼らずに、また、特別の装置を備えるホイップ工程を要せず、生地の成形時、圧力により生地から気泡が抜けることのない、安定的に内層に不均一に形成された目の開いた焼成物を得る技術は知られていない。
特開平10−327738号公報 特開2002−291396号公報 特開2003−199536号公報 特開2006−166909号公報 特開平9−37735号公報 特許第3635801号公報 特開平10−42842号公報 特許第3733748号公報 特開2001−269122号公報
焼き菓子の製造方法において、ベーキングパウダーや重曹などの膨張剤の配合率を増やすことで生地を強制的に膨化させ焼き菓子の空隙や目を開かせる方法もあるが、焼き菓子の生地はガス保持力が弱いため、生地表面からガスが抜けてしまい、焼成中あるいは焼成後に窯落ちしてしまう問題があった。本発明の課題は、新たに特別な製造機械や製造工程を必要とせず、良好なボリューム、口溶け、食感を有する新規な焼き菓子や、その製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、風味良好な焼き菓子を得るべく、従来の乳化剤、増粘剤等の食品添加剤、その他種々の食品素材を検討し、鋭意研究したところ、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を含む改良素材を用いて焼き菓子を製造したところ、意外にも内層に不均一な空隙(目開き)が生じ、しかもこれら空隙が安定に維持され、良好なボリューム、口溶け、食感を有する焼き菓子が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)焼き菓子用の生地に、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を添加した後に焼成することを特徴とする焼き菓子の製造方法や、(2)トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を、焼き菓子粉体原料に対して0.02〜7.5質量%添加することを特徴とする前記(1)記載の焼き菓子の製造方法や、(3)焼き菓子用の生地に、さらに油脂を添加することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の焼き菓子の製造方法や、(4)焼き菓子用の生地に、さらに膨張剤を添加することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の焼き菓子の製造方法に関する。
また、本発明は、(5)前記(1)〜(4)のいずれか記載の焼き菓子の製造方法により得られた、内層が不均一な空隙に富み、これら空隙が安定に維持され、口溶けが良く、粉っぽさのない、サクサク感を有する食感に優れた焼き菓子に関する。
本発明により、新たに特別の製造機械や製造工程を必要とせず、従来の乳化剤や、増粘剤等の食品添加剤の使用は、できるだけ抑えて、内層が不均一な空隙に富み、これら空隙が安定に維持され、口溶けが良く、粉っぽさのない、サクサク感を有する食感に優れた焼き菓子を得ることができる。同じボリュームや空隙率を有する場合でも、内層の目開きが極小さい均一な気泡に富むときは、喫食事に唾液が均一な気泡に吸収され、口溶けや食感に劣る焼き菓子となる。
本発明の焼き菓子の製造方法としては、焼き菓子用の生地に、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を添加した後に焼成する方法であれば特に制限されず、また、本発明の焼き菓子としては、上記本発明の焼き菓子の製造方法によって得られ、良好なボリューム、口どけ、食感を有するものであれば特に制限されない。トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質の添加は、該乳清タンパク質を2〜15質量%含む改良素材の形態で添加することもできる。
本発明における焼き菓子としては、ビスケット(ビスケットとクッキーは同じもので、アメリカで主としてクッキーと呼ばれ、イギリスではビスケットといわれることが多い)、クラッカー、乾パン、プレッツエル、パイ(パフ)、ウエファース等を挙げることができる。上記ビスケットには、サクサクとした食感を有するハードビスケットと、しっとりとした柔らかい食感を有するソフトビスケットがあり、ハードビスケットとして、カッチングビスケットがあり、ソフトビスケットとして、カッチングビスケット(エンボス)、ロータリービスケット、ワイヤーカットビスケット、ルートプレスビスケット、ドロップビスケット、ハンドメイクビスケット、その他ステンシルクッキー等がある。上記クラッカーとしては、ソーダクラッカー、クリームクラッカー、酵素タイプクラッカー、スナッククラッカーがある。
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質の、焼き菓子粉体原料に対する添加量は、0.02〜7.5質量%が好ましく、0.02%未満の添加量では生地のガス保持力を向上させる効果が得られないおそれがあり、その場合、サク味、口溶けに優れた焼き菓子を製造することができない。一方、7.5質量%を超える添加量では、焼成後の生地が硬くなり過ぎるおそれがあるなど、食感に問題が生じるほか、他の点でも効果が劣る場合がある。
また、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を2〜15質量%を含む改良素材として用いる場合、2質量%未満の低濃度のときは改良素材として不充分であり、サク味、口溶けに優れた焼き菓子を製造することができず、また、15質量%を超える高濃度のときは改良素材を製造する際に加熱殺菌工程中にゲル化やコゲが生じてしまい、さらに、焼き菓子生地に添加する際に、均一に混合することができず、サク味、口溶けにも影響し、好ましい食感にはならない。
トランスグルタミナーゼ処理の対象となる乳清タンパク質としては、牛乳や脱脂(粉)乳等を原料としてチーズ、カゼイン等を製造する際に副産物として得ることのできる乳清タンパク質を挙げることができ、かかる乳清タンパク質を含有する乳清が普通原料として用いられる。乳清は、例えば、水分約94%、蛋白約1%、糖質約4.5%、灰分約0.5%、その他脂肪などの微量成分からなる組成液であり、このような乳清の固形成分は乳糖と蛋白が主成分である。本発明においては、このような組成液や、この組成液を限外濾過などでタンパク質等の成分を約2〜5倍濃縮して得られる濃縮物や、通常市販されているタンパク質含量30%以上の乳清タンパク質含有粉末を用いることができる。
トランスグルタミナーゼとしては、カルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものが知られており、前者の例としては微生物由来のもの、後者の例としては、動物血液由来のもの、遺伝子組換え法により製造されたものなどを挙げることができ、いずれもトランスグルタミナーゼとして用いることができ、起源および製法に限定されることはない。また、市販のトランスグルタミナーゼを有利に用いることができる(例えば、味の素(株)製「アクティバ」TG−B)。
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質や改良素材を調製するには、まず、乳清タンパク質含有液にトランスグルタミナーゼを添加混合する。その添加量は、乳清タンパク質含有組成液中の蛋白1g当たり0.2〜50ユニット、好ましくは0.5〜10ユニットである。
乳清等の乳清タンパク質含有液にトランスグルタミナーゼを作用させるには、トランスグルタミナーゼを添加混合した乳清タンパク質含有液を、トランスグルタミナーゼの酵素作用条件(反応条件)下に保持すればよく、酵素反応条件としては、反応温度15〜60℃で、反応時間5分から10時間程度とすることができ、好ましくは25〜50℃で30分から5時間程度とすることができる。反応条件が低温又は短時間過ぎると酵素作用が不十分であり、高温長時間過ぎるとトランスグルタミナーゼが失活する。本発明においては、トランスグルタミナーゼ処理前に、乳清タンパク質含有液のアルカリ処理を必要とせず、また、トランスグルタミナーゼ処理をアルカリ性下で行うことを必要としない。
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質含有液は、次に、殺菌や酵素失活の目的で加熱することが好ましい。加熱処理は、90〜140℃で1〜180秒、好ましくは100〜130℃で2〜120秒間が望ましい。高温で長時間過熱すると蛋白が熱変性することから好ましくない。このため、高温で短時間過熱処理するUHT方式が好ましく、かかるUHT方式として、蒸気をプレートに通す間接加熱方式を採用することも、蒸気を直接送り込む直接加熱方式を採用することもできる。
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質含有液は、加熱処理された後、噴霧乾燥等の乾燥処理を行うこともできる。噴霧乾燥には、スプレードライヤーやディスクドライヤーを用いることができるが、蛋白の熱変性を極力抑えるために、ドライヤー内の特に排風温度を80℃以下に保持することが望ましい。このようにして、本発明のトランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質の水溶液(液体タイプの改良素材)や粉末(粉体タイプの改良素材)を得ることができるが本発明におけるトランスグルタミナーゼ処理乳清タンパク質の使用形態としては、生地に混合する利便性から、乳清タンパク質水溶液の形態で焼き菓子の生地に添加混合することが好ましい。
焼き菓子用の生地には、上記のトランスグルタミナーゼ処理乳清タンパクの他に油脂、澱粉、糖類等の副素材を必要に応じて添加することができるが、油脂を添加することが好ましい。これら油脂等の副素材は、あらかじめ改良素材に添加しておくこともできる。上記油脂としては、食用油脂であればよく、例えば牛脂、豚脂等の動物性油脂、米油、パーム油、大豆油、菜種油、菜種白絞油、コーン油、ひまわり油等の植物性油脂、あるいはこれらに水素添加した微硬化油、部分硬化油、極度硬化油等の硬化油等が挙げられる。また、チーズ、バター等の油脂含有原料を用いることができる。上記澱粉や糖類としては、各種穀物、例えば、小麦、大麦、ライ麦、コーン等から得られる澱粉、これらを加工して得られる化工澱粉、例えば、α化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉を挙げることができる。
その他、必要に応じて、卵黄、糖アルコール、乳原料、重曹、果実片、スパイス、フレーバー、着色料などの製菓材料、カルシウム、鉄分、ビタミン等のミネラル、食物繊維などの有用栄養成分等の副素材を添加混合することができる。これら副素材は、焼き菓子生地中に添加する場合の他、改良素材に添加することもできる。
上記改良素材の好ましい態様として、酵素処理乳清タンパク質水溶液80質量%に菜種油20質量%を混合・撹拌し、ホモゲナイザーにより油脂の粒径を均一化、例えば油脂の平均粒径を2.5μm以下になるように均一化した改良素材を挙げることができる
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質や、これを含む改良素材を焼き菓子用の生地に添加した後に焼成することにより本発明の焼き菓子を得ることができるが、内層が不均一な空隙に富み、これら空隙が安定に維持され、口溶けが良く食感に優れた焼き菓子を得る上で、小麦粉、デンプン等の焼き菓子粉体原料に対して、前記したように、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を、焼き菓子粉体原料に対して0.02〜7.5質量%、好ましくは0.1〜4.5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%添加することが望ましい。また、改良素材として添加する場合は、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%添加することが望ましく、1質量%未満では前記のような品質改良効果が不十分となるおそれがあり、50質量%以上では、コスト面で有利でなく、焼き菓子の食感、風味が損なわれるおそれもある。
トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質や改良素材の焼き菓子用生地への適用方法は、特に限定されるものではないが、前記のとおり、酵素処理乳清タンパク質は、水溶液の形態で焼き菓子原料に添加することが好ましい。また、焼き菓子用の生地に、さらに膨張剤を添加した後に焼成することが好ましい。膨張剤としては、ベーキングパウダー、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムを例示することができる。また、膨張剤の添加量としては、膨張剤の種類にもよるが、重曹の場合、焼き菓子粉体原料に対して0.1〜3.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%加えることができる。
本発明の焼き菓子の主な原材料としては、小麦粉等の穀粉を主体として、澱粉、砂糖等の糖類、ショートニング、マーガリン、バター等の油脂、食塩、及び水が基本の材料として含まれるが、必要に応じて牛乳、濃縮乳、生クリーム、脱脂粉乳、練乳、チーズなどの乳製品、果実及び果実加工品、ココアやチョコレート類、ナッツ類、洋酒類、乳化剤、膨張剤、液卵、その他呈味原料、食品添加物を挙げることができる。これら焼き菓子用生地原料に本発明の改良素材と水を加え、ミキサーで混合して生地を調製した後、成型(ロール、ワイヤーカット、ルートプレス、ロータリーモルダー、デポジッター、ステンシル等)し、その後焼成して製造する。例えば、ハードビスケットは、ソフトビスケットに比べて油脂類や砂糖などの糖分含量を低くし、クラッカー、プレッツエル、ウエファースも同様に油脂類含量は低くし、砂糖含量はさらに低くする。乾パンは、保存上油脂類が含まれない。ある種のクラッカー、乾パン、プレッツエルには、イーストを用いて発酵させることもできる。
(改良素材の製造例)
チーズ製造時に副生したチーズホエイ溶液を一般的な限外濾過法により濃縮したホエイ濃縮物(蛋白80%)の10%水溶液にトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG−B)を、乳清蛋白1g当たり1ユニットの割合で添加混合し、反応温度50℃で5時間反応させた。その後、前記反応液を120℃で3秒間加熱してトランスグルタミナーゼを熱失活した。得られた酵素処理乳清タンパク質水溶液80質量%に菜種油20質量%を混合し、撹拌し、その後ホモゲナイザーにより油脂の平均粒径を2.5μm以下になるように均一化して、酵素処理乳清タンパク質を6.4質量%含む液体タイプの改良素材を得た。
表1に示す実施例2の各原料とそれらの配合量により、先ず、マーガリン、上白糖、全卵、食塩及び水をミキサーにて混合し、これに薄力粉、膨張剤(旭硝子社製 重炭酸ナトリウムKF)、実施例1で得られた液体タイプの改良素材を加えてサックリと混合し、生地を調製した。この生地を、ワイヤーカットで成形し、10gずつの小塊とした。その後、200℃、10分で焼成し、クッキーを得た。
表1に示す実施例3の各原料とそれらの配合量により、実施例2と同様の方法により、クッキーを製造した。この実施例3では、改良素材を実施例2の2倍である20質量部を用いている。
(比較例)
表1に示す比較例の各原料とその配合量を用いて、実施例2と同様の方法により、クッキーを製造した。この比較例では、改良素材を使用していない。
実施例2,実施例3及び比較例の方法により得られた各クッキーについて、その高さ(cm)を測定し、平均高さ(n=10)を求めると共に、膨張剤添加量0.2質量部の比較例のクッキーの高さを1としたときの他のクッキーの高さの相対値を算出した。それらの結果を表2に示す。また、得られた各クッキーの外観を図1に示す。
表2に示されるように、実施例のクッキーの高さは、膨張剤の量が多くなるにしたがって高くなるのに対して、比較例のクッキーの高さは、膨張剤の量が多くなるにしたがって低くなる。より具体的には、比較例に比べて、0.2質量部の膨張剤添加では、実施例2が1.43倍で、実施例3が1.71倍を示し、0.5質量部の膨張剤添加では、実施例2が1.71倍で、実施例3が2.14倍を示し、1.0質量部の膨張剤添加では、実施例2が2倍で、実施例3が2.43倍を示した。このように、実施例のクッキーでは、膨張剤の添加量依存的に発生したガスを保持することができ、ボリュームが大きくなっていくのに対して、比較例のクッキーでは、膨張剤の添加量依存的に発生したガスを保持することができず、生地表面よりガスが抜け出てボリュームが低下していることがわかる。
訓練された5人のパネラーにより、クッキーの内層の目の開き(空隙)、サク味(サクサク性)、口溶け(食感)について官能評価を行った。それらの結果を表3〜5に示す。なお、表中、○○:非常に良好、○:良好、△:普通、×:やや劣っている、××:劣っている、を表す。また、比較例(無添加)と実施例3により製造されたクッキーについて、外観と断面を図2に示す。
表3〜5に示すように、本発明の実施例のクッキーは、比較例のクッキーに比べて内層の目が開き、サク味、口溶けがよい。また、実施例のクッキーは膨張剤の添加量が多くなるにしたがって内層の目が開き、サク味、口溶けが良くなっていることが分かるが、比較例のクッキーは膨張剤の添加量が多くなると生地の表面からガスが抜け出てしまうため、目の開きが小さく、サク味、口溶けが劣っていることがわかる。特に、図2から、実施例のクッキーでは、大きさ及び局在において不均一な目開が内層に認められる。
膨張剤0.2質量部使用の本発明の実施例2、3及び比較例の外観を示す。 膨張剤0.2質量部使用の本発明の実施例3及び比較例のそれぞれの外観と断面を示す。

Claims (5)

  1. 焼き菓子用の生地に、トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を添加した後に焼成することを特徴とする焼き菓子の製造方法。
  2. トランスグルタミナーゼ処理した乳清タンパク質を、焼き菓子粉体原料に対して0.02〜7.5質量%添加することを特徴とする請求項1記載の焼き菓子の製造方法。
  3. 焼き菓子用の生地に、さらに膨張剤を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の焼き菓子の製造方法。
  4. 焼き菓子用の生地に、さらに油脂を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の焼き菓子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の焼き菓子の製造方法により得られた、内層が不均一な空隙に富み、これら空隙が安定に維持され、口溶けが良く、粉っぽさのない、サクサク感を有する食感に優れた焼き菓子。
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