以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る本発明の放送受信システムの外観を示す概念図である。本発明の放送受信システムは、放送の受信が可能な受像機1と、受像機1に接続された受信装置2とを含んでなる。受信装置2は、受像機1とは独立に放送の受信及び録画が可能な録画装置である。受像機1は、視聴者が操作するリモートコントローラ(リモコン)3を用いて視聴者からの指示を受け付ける構成となっている。
図2は、受像機1及び受信装置2の内部構成を示すブロック図である。受信装置2は、演算を行う演算部、演算に伴う情報を記憶するRAM、演算に必要なプログラムを記憶するROM等からなり、受信装置2の各部の動作を制御する制御部21を備える。また受信装置2は、受信装置2に必要な映像処理及び音声処理を行う処理部26を備える。処理部26には、CD又はDVD等の光ディスクを受け入れ、光ディスクに記録されたデータを読み出す光ディスクドライブ28と、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクに対してデータを読み書きするハードディスクドライブ(HDD)27とが接続されている。処理部26は、光ディスクドライブ28及びHDD27が読み出したデータをデコードして映像信号及び音声信号を生成する処理を行い、また、データを光ディスクドライブ28及びHDD27に記録させるために映像信号及び音声信号をエンコードする処理を行う。
また処理部26には、地上波放送、衛星放送又は有線放送等の各種の放送を受信し、信号の復調及びデコードを行い、映像信号及び音声信号を生成するチューナ22が接続されている。処理部26は、チューナ22が生成した映像信号及び音声信号をエンコードし、光ディスクドライブ28及びHDD27は処理部26がエンコードしたデータを記録する。また受信装置2は、HDMIの規格に従ったデータを送信するHDMI送信部23を備えており、HDMI送信部23には、チューナ22及び処理部26が接続されている。HDMI送信部23は、チューナ22及び処理部26が生成した映像信号及び音声信号をHDMIの規格に従ったデータにエンコードし、エンコードにより生成したHDMIのデータを送信する処理を行う。HDMI送信部23には、更にHDMIの規格に従って構成された通信ケーブルであるHDMIケーブルが接続されるHDMI端子24が接続されており、HDMI端子24は更に制御部21に接続されている。HDMI端子24を介して、HDMI送信部23はHDMIのデータを送信し、制御部21はCEC(Consumer Electronics Control)の規格に従った制御データを送受信する。HDMI端子24及びHDMIケーブルは、HDMIのデータとCECのデータとを互いに分離して送信する構成となっている。
受信装置2では、録画時には、チューナ22が生成した映像信号及び音声信号を処理部26がエンコードし、エンコードしたデータをHDD27がハードディスクに記録するか、又は光ディスクドライブ28が光ディスクに記録する。ダビング時には、HDD27がハードディスクから読み出したデータを、光ディスクドライブ28が光ディスクに記録する。また録画された番組を使用者が視聴するときには、HDD27又は光ディスクドライブ28が読み出したデータを処理部26がデコードし、HDMI送信部23は、処理部26がデコードした映像信号及び音声信号をHDMIのデータにエンコードし、HDMI端子24を介してHDMIのデータを受像機1へ送信する。また放送されている番組を使用者が視聴するときには、HDMI送信部23は、チューナ22が生成した映像信号及び音声信号をHDMIのデータにエンコードし、HDMI端子24を介してHDMIのデータを受像機1へ送信する。このようにして、受信装置2は、HDMIのデータ形式で、受信した放送に係る映像信号及び音声信号を受像機1へ送信する。
更に制御部21には、使用者が操作するリモコン3からの信号を受信するリモコン受信部25が接続されている。リモコン3は、使用者がリモコン3を受信装置2へ向けて所定のボタンを押下した場合に所定の信号を発信することにより、受信装置2の停止を指示する停止指示を受信装置2へ送信することができる。またリモコン受信部25は、リモコン3から発信された信号を受信することにより、停止指示を受け付けることができる。リモコン受信部25が停止指示を受け付けた場合、制御部21は、電源から各部への電力の供給を遮断する等の方法により、受信装置2の各部の動作を停止させ、受信装置2を停止状態にする。停止状態では、HDMI送信部23でのデータの送信は停止する。しかしながら、停止状態であっても、制御部21が行うCECのデータの送受信は続行される。制御部21は、CECの規格に従った制御データを受信した場合に、受信した制御データに従って受信装置2の各部の動作を制御する。例えば、制御部21は、停止状態で動作開始を指示する制御データを受信した場合には、受信装置2の各部の動作を開始させる処理を実行する。また制御部21には、使用者の操作を直接に受け付ける押下ボタン等からなる操作部29が接続されている。操作部29は、使用者の操作を受け付けることにより、録画開始の指示又は再生開始の指示等、各種の指示を受け付ける。
受像機1は、演算を行う演算部、演算に伴う情報を記憶するRAM、演算に必要なプログラムを記憶するROM等からなり、受像機1の各部の動作を制御する制御部11を備える。また受像機1は、HDMIの規格に従ったデータを受信するHDMI受信部13を備え、HDMI受信部13及び制御部11にはHDMI端子14が接続されている。HDMI端子14は、受信装置2のHDMI端子24とHDMIケーブルで互いに接続されている。HDMI端子14は、受信装置2から送信されたデータの内、CECのデータを制御部11へ入力し、HDMIのデータをHDMI受信部13へ入力する。HDMI受信部13は、HDMIに従ったデータを受信し、受信したデータを映像信号及び音声信号へデコードする。
また受像機1は、映像信号及び音声信号を分離するAVスイッチ16を備え、AVスイッチ16はHDMI受信部13に接続されている。またAVスイッチ16には、液晶ディスプレイパネル又はプラズマディスプレイパネル等の表示部を含み、映像信号に基づいた映像を出力する映像出力部17と、スピーカ又は音声出力端子等を含み、音声信号に基づいた音声を出力する音声出力部18とが接続されている。HDMI受信部13は、受信したデータをデコードした映像信号及び音声信号をAVスイッチ16へ入力し、AVスイッチ16は、HDMI受信部13から入力された映像信号を映像出力部17へ入力し、音声信号を音声出力部18へ入力する。更にAVスイッチ16には、チューナ12が接続されている。チューナ12は、放送を受信して生成した映像信号及び音声信号をAVスイッチ16へ入力し、AVスイッチ16は、チューナ12から入力された映像信号を映像出力部17へ入力し、音声信号を音声出力部18へ入力する。映像出力部17は、AVスイッチ16から入力された映像信号に基づいて映像を出力し、音声出力部18は、AVスイッチ16から入力された音声信号に基づいて音声を出力する。このようにして、受像機1は、HDMIのデータ形式で受信装置2から送信された映像信号及び音声信号を受信し、受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力する。
更に制御部11には、使用者が操作するリモコン3からの信号を受信するリモコン受信部15が接続されている。リモコン受信部15は、使用者が操作するリモコン3から信号を受信することにより、チャンネル変更の指示等の各種の指示を受け付け、本発明における受付手段として機能する。制御部11は、リモコン受信部15が受け付けた指示に従って、受像機1の各部の動作を制御する処理を実行する。また制御部11には、使用者の操作を直接に受け付ける押下ボタン等からなる操作部19が接続されている。操作部19は、使用者の操作を受け付けることにより、チャンネル変更の指示等の各種の指示を受け付け、制御部11は、操作部19が受け付けた指示に従って、受像機1の各部の動作を制御する処理を実行する。
以上の構成でなる本発明の放送受信システムは、受信装置2から受信したデータに基づいて受像機1が映像を出力している状態で受信装置2が停止した場合に、受像機1で放送の受信を開始する処理を行う。図3は、受信装置2が停止する際に実施の形態1に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受信装置2の制御部21は、使用者がリモコン3を操作することによる停止指示をリモコン受信部25で受け付けた場合に、受信装置2を停止状態にする。このとき、チューナ22で放送を受信する処理、及びHDMI送信部23でデータを受像機1へ送信する処理等、チューナ22で受信した放送に係る映像信号及び音声信号を受像機1へ送信するための処理が停止される。この結果、受信装置2から受像機1への映像信号及び音声信号の送信が停止される。受像機1が受信装置2から受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力している間、制御部11は、受信装置2から送信される映像信号及び音声信号の受信が停止することを検出する処理を行う(S101)。具体的には、HDMI受信部13が受信したデータをデコードし、デコードしたデータからクロック信号が得られない場合は、HDMI受信部13はHDMIのデータを受信できていないことになるので、この場合に、制御部11は、映像信号及び音声信号の受信が停止していると判定する。なお、受信装置2が停止する以外の原因でHDMIのデータの受信が途切れることもあるので、制御部11は、HDMIのデータを受信できない状態が予め定められた所定の時間継続した場合に、映像信号及び音声信号の受信が停止したと判定すればよい。
ステップS101で映像信号及び音声信号の受信が停止していない場合は(S101:NO)、制御部11は、検出の処理を続行する。ステップS101で映像信号及び音声信号の受信が停止している場合は(S101:YES)、制御部11は、映像信号及び音声信号の送信元がチューナ22を備えた受信装置2であり、しかも受像機1から送信するCECの規格に従った制御データを受信可能な受信装置2であるか否かを判定する(S102)。例えば、映像信号及び音声信号の送信元が光ディスクの再生専用機であった場合は、送信元は受信装置2ではない。また送信元がチューナを備えていたとしても、CECの規格に従った制御データに対応していない場合は、送信元は制御データを受信可能な受信装置2ではない。外部機器が受像機1に接続され、外部機器を認識する処理を行った際に、制御部11は、外部機器がどのような機器であるのかを示す情報を記憶している。ステップS102では、制御部11は、記憶している情報に基づいて、映像信号及び音声信号の送信元が制御データを受信可能な受信装置2であるか否かを判定する。なお、CEC通信に応答がない場合に送信元が制御データを受信可能な受信装置2ではないと判定する等、制御部11は、その他の方法を用いて判定してもよい。
映像信号及び音声信号の送信元が制御データを受信可能な受信装置2ではない場合は(S102:NO)、制御部11は、チューナ12に放送の受信を開始させる(S103)。このとき、チューナ12は、予め設定されているチャンネル、又はランダムに決定されたチャンネルで放送の受信を開始する。チューナ12は、放送を受信して映像信号及び音声信号を生成し、映像出力部17は映像を出力し、音声出力部18は音声を出力する。
ステップS102で映像信号及び音声信号の送信元が制御データを受信可能な受信装置2である場合は(S102:YES)、制御部11は、受信装置2が停止するまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報の要求を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S104)。受信装置2は、チャンネル情報の要求をHDMI端子24で受信し(S105)、制御部21は、停止するまでチューナ22で受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S106)。チャンネル情報は、地上波放送、衛星放送又は有線放送等の放送の種類を示す情報と、チャンネル番号、周波数帯又は放送局名等の表現で特定のチャンネルを示す情報とを含んでいる。制御部21及びHDMI端子24が実行するステップS105及びステップS106の処理は、本発明におけるチャンネル情報送信手段に対応する。なお、ステップS105でCECのデータであるチャンネル情報の要求を受信装置2が受信したとしても、チャンネル情報の要求を表すCECのコマンドに受信装置2が対応していない場合は、受信装置2はチャンネル情報を送信できない。この場合、受信装置2は、チャンネル情報の要求を表すCECのコマンドに対応していないことを示す情報を受像機1へ送信してもよい。また、受信装置2が停止する際に受像機1へ送信していた映像信号及び音声信号が、チューナ22で受信した放送に係る信号ではなく、ハードディスク又は光ディスクに記録されたデータをデコードした信号である場合は、受信していた放送のチャンネルが存在しないので、受信装置2はチャンネル情報を送信できない。なお、この場合、受信装置2は、放送を受信していなかったことを示す情報を受像機1へ送信してもよい。
ステップS104が終了した後、受像機1の制御部11は、受信装置2から送信されたチャンネル情報をHDMI端子14で受信することを待ち受ける(S107)。ステップS104の終了から所定時間が経過してもチャンネル情報の受信がない場合は(S107:NO)、制御部11は、処理をステップS103へ進める。またチャンネル情報の要求を表すCECのコマンドに対応していないことを示す情報、又は放送を受信していなかったことを示す情報を受信装置2から受信した場合でも、制御部11は、チャンネル情報の受信がないと判定し、処理をステップS103へ進める。
ステップS107でチャンネル情報をHDMI端子14で受信した場合は(S107:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、チューナ12で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S108)。例えば、チューナ12が地上波放送のみに対応し、チューナ22が衛星放送にも対応しており、受像機1がステップS107で衛星放送のチャンネルを示すチャンネル情報を受信した場合は、チャンネル情報が示すチャンネルの放送をチューナ12では受信できない。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルではない場合は(S108:NO)、制御部11は、処理をステップS103へ進める。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S108:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S109)。チューナ12は、放送を受信して映像信号及び音声信号を生成し、映像出力部17は映像信号に基づいた映像を出力し、音声出力部18は音声信号に基づいた音声を出力する。
ステップS103又はステップS109が終了した後は、制御部11は、使用者からの指示を一定時間受け付けない場合に受像機1を停止させるためのタイマーを設定して、計時を開始し(S110)、受信装置2が停止する際の処理を終了する。制御部11は、計時を続行し、使用者がリモコン3を操作することによりリモコン受信部15が何らかの指示を受け付けた場合に、計時を終了する。何の指示をも受け付けることなく予め定められた所定時間が経過した場合は、制御部11は、電源から各部への電力の供給を遮断する等の方法により、受像機1の各部の動作を停止させ、受像機1を停止状態にする。停止状態では、映像出力部17による映像の出力は停止され、音声出力部18による音声の出力も停止される。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、受像機1は、受信装置2からの映像信号の受信が停止したことを検出した場合に、受信装置2が受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を受信装置2に要求する。受像機1は、受信装置2から受信したチャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。これらの処理により、受信装置2が受信した放送に基づいた映像を受像機1が出力している状態で受信装置2が停止した場合、受像機1は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、受信した放送に基づいた映像を出力する。使用者は、受信装置2を用いて放送番組を視聴している状態で受信装置2を停止させた場合に、設定の切換又はチャンネルの指定等の操作を行うことなく、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。直前まで使用者が視聴していた放送番組は、使用者が引き続いて視聴する可能性が高いので、本発明は従来技術に比べてより適切な選局を行い、放送受信システムの利便性が向上する。また本発明では、受信装置2を停止させたとしても受像機1は映像を出力しつづけるので、使用者が受像機の電源もオフになったと勘違いして受像機の電源をオフにし忘れる可能性が低下する。
また本実施の形態に係る放送受信システムでは、受像機1は、放送の受信を開始した後で使用者から何の指示も受け付けずに所定時間が経過した場合は、電源のオフ等により、映像の出力を停止する。使用者がリモコン3の停止ボタンを押下する等して受信装置2を停止させる場合は、使用者は放送番組の視聴を止めることを意図している可能性がある。このとき、使用者は受像機1が動作していることを確認せずに立ち去り、受像機1が動作した状態で放置される虞がある。本発明においては、受信を開始してからチャンネルの変更又は音量の変更等の指示を受け付けずに所定時間が経過した場合に受像機1での映像の出力を停止することにより、受像機1が放置されたとしても受像機1を確実に停止させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、受信装置2の停止時に受信装置2からチャンネル情報を送信する形態を説明する。実施の形態2に係る放送受信システムの構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図4は、受信装置2が停止する際に実施の形態2に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受信装置2が放送に係る映像信号及び音声信号を受像機1へ送信している間、制御部21は、使用者がリモコン3を操作することによる停止指示をリモコン受信部25で受け付けることを待ち受けている(S21)。停止指示の受け付けがない場合は(S21:NO)、制御部21は、停止指示の待ち受けを続行する。停止指示を受け付けた場合は(S21:YES)、制御部21は、受信装置2を停止状態にする(S22)。制御部21は、次に、受信装置2が停止するまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S23)。制御部21及びHDMI端子24が実行するステップS23の処理は、本発明におけるチャンネル情報送信手段に対応する。なお、制御部21は、先にチャンネル情報を送信し、次に受信装置2を停止状態にする処理を行ってもよい。
受像機1は、チャンネル情報をHDMI端子14で受信し(S24)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、チューナ12で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S25)。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルではない場合は(S25:NO)、制御部11は、予め設定されているチャンネル又はランダムに決定されたチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S26)。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S25:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S27)。ステップS26又はステップS27が終了した後は、制御部11は、使用者からの指示を一定時間受け付けない場合に受像機1を停止させるためのタイマーを設定して、計時を開始し(S28)、受信装置2が停止する際の処理を終了する。制御部11は、計時を続行し、リモコン受信部15が何らかの指示を受け付けた場合に、計時を終了する。何の指示をも受け付けることなく予め定められた所定時間が経過した場合は、制御部11は、受像機1を停止状態にする。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、受信装置2は、受信した放送に係る映像信号及び音声信号の送信を停止する際に、受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を受像機1へ送信し、受像機1は、受信装置2から受信したチャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。従って、本実施の形態においても、受信装置2が停止した場合、受像機1は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、放送受信システムは、受信装置2の停止を指示する停止指示を受像機1で受信し、受信装置2を停止させることができる。実施の形態3に係る放送受信システムの構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図5は、受信装置2が停止する際に実施の形態3に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受像機1が受信装置2から映像信号及び音声信号を受信して映像及び音声を出力している間、制御部11は、使用者がリモコン3を操作することにより、受信装置2の停止を指示する停止指示をリモコン受信部15で受け付けることを待ち受けている(S301)。停止指示の受け付けがない場合は(S301:NO)、制御部11は、停止指示の待ち受けを続行する。停止指示を受け付けた場合は(S301:YES)、制御部11は、受信装置2を停止させるための停止命令を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S302)。
受信装置2は、停止命令をHDMI端子24で受信し(S311)、制御部21は、受信装置2を停止状態にする(S312)。制御部21は、次に、受信装置2が停止するまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S313)。なお、制御部21は、先にチャンネル情報を送信し、次に受信装置2を停止状態にする処理を行ってもよい。制御部21及びHDMI端子24が実行するステップS311及びステップS313の処理は、本発明におけるチャンネル情報送信手段に対応する。なお、実施の形態1と同様に、受信装置2はチャンネル情報を送信できないことがある。
ステップS302が終了した後、制御部11は、停止命令の送信先がチューナ22を備えた受信装置2であるか否かを判定する(S303)。停止命令の送信先がチューナ22を備えた受信装置2ではない場合は(S303:NO)、チャンネル情報を受信することはできず、制御部11は、チューナ12に放送の受信を開始させる(S304)。このとき、チューナ12は、予め設定されているチャンネル、又はランダムに決定されたチャンネルで放送の受信を開始する。ステップS303で停止命令の送信先がチューナ22を備えた受信装置2である場合は(S303:YES)、受像機1の制御部11は、受信装置2から送信されたチャンネル情報をHDMI端子14で受信することを待ち受ける(S305)。放送を受信していなかったことを示す情報を受信装置2から受信する等、チャンネル情報の受信がない場合は(S305:NO)、制御部11は、処理をステップS304へ進める。チャンネル情報をHDMI端子14で受信した場合は(S305:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、チューナ12で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S306)。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルではない場合は(S306:NO)、制御部11は、処理をステップS304へ進める。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S306:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S307)。
ステップS304又はステップS307が終了した後は、制御部11は、使用者からの指示を一定時間受け付けない場合に受像機1を停止させるためのタイマーを設定して、計時を開始し(S308)、受信装置2が停止する際の処理を終了する。制御部11は、計時を続行し、リモコン受信部15が何らかの指示を受け付けた場合に、計時を終了する。何の指示をも受け付けることなく予め定められた所定時間が経過した場合は、制御部11は、受像機1を停止状態にする。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、受像機1は、受信装置2を停止させることを指示する停止指示を受け付けた場合に、停止命令を受信装置2へ送信し、受信装置2は、映像信号及び音声信号の送信を停止する際に、チャンネル情報を受像機1へ送信する。受像機1は、受信装置2から受信したチャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。従って、本実施の形態においても、受信装置2が停止する場合、受像機1は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4においては、受信装置2の停止を指示する停止指示を受像機1で受信した場合に、受像機1で放送の受信を開始してから受信装置2を停止させる形態を説明する。実施の形態4に係る放送受信システムの構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図6は、受信装置2が停止する際に実施の形態4に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受像機1が受信装置2から映像信号及び音声信号を受信して映像及び音声を出力している間、制御部11は、使用者がリモコン3を操作することにより、受信装置2の停止を指示する停止指示をリモコン受信部15で受け付けることを待ち受けている(S401)。停止指示の受け付けがない場合は(S401:NO)、制御部11は、停止指示の待ち受けを続行する。停止指示を受け付けた場合は(S401:YES)、制御部11は、映像信号及び音声信号の送信元がチューナ22を備えた受信装置2であり、しかも受像機1から送信するCECの規格に従った制御データを受信可能な受信装置2であるか否かを判定する(S402)。映像信号及び音声信号の送信元が制御データを受信可能な受信装置2ではない場合は(S402:NO)、制御部11は、チューナ12に放送の受信を開始させる(S403)。このとき、チューナ12は、予め設定されているチャンネル、又はランダムに決定されたチャンネルで放送の受信を開始する。
ステップS402で映像信号及び音声信号の送信元が制御データを受信可能な受信装置2である場合は(S402:YES)、制御部11は、受信装置2がそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報の要求を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S404)。受信装置2は、チャンネル情報の要求をHDMI端子24で受信し(S405)、制御部21は、チューナ22でそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S406)。制御部21及びHDMI端子24が実行するステップS405及びステップS406の処理は、本発明におけるチャンネル情報送信手段に対応する。なお、実施の形態1と同様に、受信装置2はチャンネル情報を送信できないことがある。
ステップS404が終了した後、受像機1の制御部11は、受信装置2から送信されたチャンネル情報をHDMI端子14で受信することを待ち受ける(S407)。放送を受信していなかったことを示す情報を受信装置2から受信する等、チャンネル情報の受信がない場合は(S407:NO)、制御部11は、処理をステップS403へ進める。チャンネル情報をHDMI端子14で受信した場合は(S407:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、チューナ12で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S408)。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルではない場合は(S408:NO)、制御部11は、処理をステップS403へ進める。チャンネルがチューナ12で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S408:YES)、制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S409)。チューナ12は、放送を受信して映像信号及び音声信号を生成し、映像出力部17は映像信号に基づいた映像を出力し、音声出力部18は音声信号に基づいた音声を出力する。ステップS403又はステップS409が終了した後は、制御部11は、受信装置2を停止させるための停止命令を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S410)。受信装置2は、停止命令をHDMI端子24で受信し(S411)、制御部21は、受信装置2を停止状態にし(S412)、処理を終了する。
ステップS410が終了した後は、制御部11は、使用者からの指示を一定時間受け付けない場合に受像機1を停止させるためのタイマーを設定して、計時を開始し(S413)、受信装置2が停止する際の処理を終了する。制御部11は、計時を続行し、リモコン受信部15が何らかの指示を受け付けた場合に、計時を終了する。何の指示をも受け付けることなく予め定められた所定時間が経過した場合は、制御部11は、受像機1を停止状態にする。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、受像機1は、受信装置2を停止させることを指示する停止指示を受け付けた場合に、チャンネル情報の要求を受信装置2へ送信し、受信装置2から受信したチャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。更に受像機1は停止命令を受信装置2へ送信し、受信装置2は停止命令に従って停止する。従って、本実施の形態においても、受信装置2が停止する場合、受像機1は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
なお、実施の形態1に係る放送受信システムは、実施の形態3又は4で説明した機能をも備えた形態であってもよく、実施の形態2に係る放送受信システムも、実施の形態3又は4で説明した機能をも備えた形態であってもよい。
(実施の形態5)
実施の形態1〜4においては、放送を受信する装置を受信装置2から受像機1へ切り換える形態を示したが、実施の形態5においては、放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換える形態を説明する。実施の形態5に係る放送受信システムの構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図7は、実施の形態5に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受像機1がチューナ12で受信した放送に基づいて映像及び音声を出力している間、制御部11は、映像を出力するために放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換えるための指示の受け付けを待ち受ける処理を行う(S501)。例えば、受像機1は、使用者がリモコン3を操作することにより、放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換える指示をリモコン受信部15で受け付ける。また受像機1は、使用者が操作部19を操作することにより、放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換える指示を操作部19で受け付けることもできる。また受信装置2は、受像機1のチューナ12で受信する放送に基づいた録画を行うことが可能であり、チューナ12を用いた録画の予約が行われ、チューナ12で受信した放送に基づいた映像が出力されている最中に受信装置2で録画が開始された場合、受像機1は、受信装置2から切り換えのための指示を受け付ける。
ステップS501で切り換えのための指示の受付がない場合は(S501:NO)、受像機1は映像及び音声の出力を行いながら、制御部11は、切り換えのための指示の受付の待ち受けを続行する。ステップS501で切り換えのための指示を受け付けた場合は(S501:YES)、制御部11は、受像機1での映像出力の設定を、チューナ12で受信する放送に基づいた映像を出力する設定から、受信装置2から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更する(S502)。制御部11は、次に、受信装置2に放送を受信することを指示する受信指示を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S503)。
受信装置2は、受信指示をHDMI端子24で受信し(S504)、受信装置2の制御部21は、受像機1がそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報の要求を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S505)。受像機1は、チャンネル情報の要求をHDMI端子14で受信し(S506)、制御部11は、チューナ12でそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受信装置2へ送信する(S507)。
受信装置2は、チャンネル情報をHDMI端子24で受信し(S508)、制御部21は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、受信装置2のチューナ22で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S509)。チャンネルがチューナ22で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S509:YES)、制御部21は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ22に放送の受信を開始させる(S510)。チャンネルがチューナ22で放送を受信可能なチャンネルでない場合は(S509:NO)、制御部21は、受信可能な他のチャンネルでチューナ22に放送の受信を開始させる(S511)。放送受信システムは、以上で受信切り換えの処理を終了する。放送の受信を開始した後は、受信装置2は、チューナ22が受信した放送に基づいた映像信号及び音声信号をHDMI端子24から受像機1へ送信し、受像機1は、受信装置2から受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力する。
なお、受信装置2は、ステップS509でチャンネルがチューナ22で放送を受信可能なチャンネルでない場合に、放送を受信できないことを示すエラー情報を受像機1へ送信し、受像機1は、エラーを映像出力部17に出力する処理を行ってもよい。また受像機1に複数の受信装置2,2,…が接続されている形態では、一の受信装置2からエラー情報を受信した場合に、他の受信装置2へ改めて受信指示を送信する処理を行ってもよい。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、映像を出力するために放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換えるための指示を受け付けた場合に、受信装置2は、受像機1からチャンネル情報を受信し、チャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。これにより、映像を出力するために放送を受信する装置が受像機1から受信装置2へ切り換わる場合に、受信装置2は、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。また受像機1のチューナ12を用いた録画の予約が行われており、チューナ12を用いた視聴が行われている最中に録画が開始された場合においても、受信装置2は、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
また本発明の放送受信システムでは、受像機1がチューナ12で受信した放送に基づいた映像を出力している途中で、放送に基づいた映像の出力を中止し、受信装置2が録画した映像の再生を行い、その後再生を終了した場合に、放送に基づいた映像の出力を再開する処理を行うことができる。本発明では、この処理の際に、ステップS501〜S511の処理を行うことにより、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルを選局する処理を行う。まず、受像機1は、受信装置2が録画した映像の再生を開始する際に、ステップS501の受信切り換えのための指示を受け付ける。例えば、光ディスク又はHDD27で記録したデータのリストを映像出力部17で出力し、使用者がリモコン3を操作して、再生すべき映像のデータを選択する指示をリモコン受信部15で受け付けることにより、受像機1はステップS501の指示を受け付ける。また使用者がリモコン3を操作して、映像再生の指示をリモコン受信部15で受け付けることにより、受像機1はステップS501の指示を受け付ける。また使用者が受信装置2の操作部29を操作することにより、受信装置2が映像再生の指示を操作部29で受け付けた場合、受信装置2が映像切り換えの指示を受像機1へ送信することにより、受像機1はステップS501の指示を受け付ける。
その後、放送受信システムは、ステップS502〜S508の処理を実行する。受信装置2は、受信したチャンネル情報を制御部21で記憶し、映像再生の処理を実行する。即ち、受信装置2は、HDD27又は光ディスクドライブ28から読み出したデータに基づいた映像信号を送信し、受像機1は、受信装置2からの映像信号に基づいた映像を出力する。映像再生の処理が終了した後、受信装置2がステップS510の処理を実行することにより、映像再生の前に受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルが選局される。このように、本実施の形態の処理により、放送に基づいた映像を出力している途中で録画映像の再生を行い、その後再生を終了した場合においても、受信装置2は、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
なお、本実施の形態に係る放送受信システムは、実施の形態1〜4で説明した機能をも備えた形態であってもよい。
(実施の形態6)
実施の形態5においては、放送の受信を行う受信装置2から受像機1へチャンネル情報を要求する形態を示したが、実施の形態6においては、受像機1に複数の受信装置2,2,…接続が可能であり、切り換え対象の受信装置2を受像機1で選択する形態を説明する。受像機1には、複数の受信装置2,2,…が接続可能であるとする。その他の点においては、実施の形態6に係る放送受信システムの構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図8は、実施の形態6に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受信機1には、複数の受信装置2,2,…が接続されている。受像機1がチューナ12で受信した放送に基づいて映像及び音声を出力している間、制御部11は、映像を出力するために放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換えるための指示の受け付けを待ち受ける処理を行う(S61)。受像機1が切り換えのための指示を受け付ける具体的な方法は、実施の形態5と同様である。また、受像機1は、複数の受信装置2,2,…の内で放送を受信する装置を切り換える先の受信装置2を指定する指示をリモコン受信部15で受け付けることも可能である。切り換えのための指示の受付がない場合は(S61:NO)、受像機1は映像及び音声の出力を行いながら、制御部11は、切り換えのための指示の受付の待ち受けを続行する。
ステップS61で切り換えのための指示を受け付けた場合は(S61:YES)、制御部11は、各受信装置2は受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能な装置であるかを示す情報を取得する処理を行う(S62)。具体的には、制御部11は、各受信装置2にチューナが備えられているか否か、チューナが使用中であるか否か、地上波放送等の各種の放送の内で受像機1が受信している放送を各受信装置2のチューナで受信できるか否か、及び受像機1が受信しているチャンネルの放送を各受信装置2のチューナで受信できるか否か等を問い合わせる命令を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して各受信装置2へ送信する。例えば、受信装置2がチューナ22を備えていたとしても、地上波放送又は衛星放送等の受像機1で受信している放送の種類にチューナ22が対応していない場合は、受信装置2は受像機1と同一チャンネルの放送を受信することはできない。また録画等のためにチューナが使用中である場合は、放送の受信に使用することはできない。またチューナ22が受像機1で受信中の放送の種類に対応していたとしても、受像機1と同一チャンネルの放送をデコードするための情報を取得していない場合は、受信装置2は受像機1と同一チャンネルの放送を受信することはできない。デコードのための情報は、例えば、放送受信のための契約が行われた上で必要な情報が記録された図示しないメモリカードが装着されることで、受信装置2が取得することができる。受像機1からの問合せ命令に対して、各受信装置2は返信のCECデータを受像機1へ送信する。各受信装置2からの返信のCECデータをHDMI端子14で受信することにより、制御部11は、各受信装置2は受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能な装置であるかを示す情報を取得する。なお、受像機1は、起動時又は受信装置2の接続時に受信装置2の機能に関する情報を取得し、取得した情報を制御部11等で記憶しておき、制御部11は、記憶している情報を読み出すことにより、ステップS62の処理を実行してもよい。
制御部11は、次に、取得した情報に基づいて、複数の受信装置2,2,…の中から、切り換え先の受信装置2として、受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能な受信装置2を選択する(S63)。ステップS61で切り換え先の受信装置2が指定されており、指定された受信装置2が受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能である場合は、ステップS63で、制御部11は指定された受信装置2を選択する。ステップS61で切り換え先として指定された受信装置2であっても、指定された受信装置2が受像機1と同一チャンネルの放送を受信できない場合は、ステップS63で、制御部11は他の受信装置2を選択する。また受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能な受信装置2が複数存在する場合は、ステップS63で、制御部11は、管理のために各受信装置2に付している管理番号がより若い受信装置2を選択する等、所定のルールに従って一の受信装置2を選択する。また受像機1と同一チャンネルの放送を受信可能な受信装置2が存在しない場合は、制御部11は、受信切り換えの処理を終了するか、又は他のチャンネルを受信装置2に選局させる処理を行う。
制御部11は、次に、受像機1での映像出力の設定を、チューナ12で受信する放送に基づいた映像を出力する設定から、選択した受信装置2から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更する(S64)。制御部11は、次に、受信装置2に放送を受信することを指示する受信指示、及びチューナ12で受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、ステップS63で選択した受信装置2へHDMI端子14を介して送信する(S65)。
受信装置2は、受信指示及びチャンネル情報をHDMI端子24で受信し(S66)、受信装置2の制御部21は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ22に放送の受信を開始させる(S67)。放送受信システムは、以上で受信切り換えの処理を終了する。放送の受信を開始した後は、受信装置2は、チューナ12が受信した放送に基づいた映像信号及び音声信号をHDMI端子24から受像機1へ送信し、受像機1は、受信装置2から受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力する。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、実施の形態5と同様に、映像を出力するために放送を受信する装置が受像機1から受信装置2へ切り換わる場合に、受信装置2は、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信する。使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。また同様に、チューナ12を用いた視聴が行われている最中にチューナ12を用いた録画が開始された場合においても、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
なお、本実施の形態においては、複数の受信装置2,2,…が受像機1に接続されている形態を示したが、本発明の放送受信システムは、単数の受信装置2が受像機1に接続されている場合であっても、ステップS61〜S67の処理を実行することは可能である。また、本実施の形態においても、実施の形態5と同様に、受像機1がチューナ12で受信した放送に基づいた映像を出力している途中で受信装置2が録画した映像の再生を行い、その後再生を終了した場合に、受信装置2は、受像機1が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信する処理を行うことが可能である。
また、本実施の形態に係る放送受信システムは、実施の形態1〜4で説明した機能をも備えた形態であってもよい。
(実施の形態7)
実施の形態1〜4においては、放送を受信する装置を受信装置2から受像機1へ切り換える形態を示し、実施の形態5及び6においては、放送を受信する装置を受像機1から受信装置2へ切り換える形態を示したが、実施の形態7においては、受像機1に接続されている受信装置間で放送を受信する装置を切り換える形態を説明する。図9は、実施の形態7に係る放送受信システムの外観を示す概念図である。受像機1には、受信装置2及び受信装置4が接続されている。受像機1及び受信装置2の内部構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。図10は、受信装置4の内部構成を示すブロック図である。受信装置4は、受信装置2と同様に、制御部41、チューナ42、HDMI送信部43、HDMI端子44、リモコン受信部45、処理部46、HDD47、光ディスクドライブ48及び操作部49を備えている。HDMI端子44は、受像機1のHDMI端子14とHDMIケーブルで互いに接続されている。
本実施の形態では、放送を受信する装置を、切り換え元の受信装置2から切り換え先の受信装置4へ切り換える処理を説明する。図11は、実施の形態7に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受信装置2がチューナ22で放送を受信して映像信号を受像機1へ送信し、受像機1が映像信号に基づいて映像を出力している間、受信装置2の制御部21は、映像を出力するために放送を受信する装置を受信装置2から受信装置4へ切り換えるための指示の受け付けを待ち受ける処理を行う(S701)。例えば、受像機1は、使用者がリモコン3を操作することにより、放送を受信する装置を受信装置2から受信装置4へ切り換える指示をリモコン受信部15で受け付け、受け付けた指示を受信装置2へ送信し、受信装置2は、切り換えの指示を受信する。また受信装置2は、使用者がリモコン3を操作することにより、放送を受信する装置を受信装置2から受信装置4へ切り換える指示をリモコン受信部25で受け付けることもできる。
ステップS701で切り換えのための指示の受付がない場合は(S701:NO)、受信装置2は放送の受信を行いながら、制御部21は、切り換えのための指示の受付の待ち受けを続行する。ステップS701で切り換えのための指示を受け付けた場合は(S701:YES)、制御部21は、受像機1での映像出力の設定を、受信装置2からの映像信号に基づいた映像を出力する設定から、受信装置4からの映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更することを指示する変更指示を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S702)。受像機1は、映像出力の設定の変更指示をHDMI端子14で受信し(S703)、制御部11は、映像出力の設定を、受信装置2から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定から、受信装置4から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更する(S704)。
ステップS702の後、受信装置2の制御部21は、受信装置4に放送を受信することを指示する受信指示を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受像機1へ送信する(S705)。受像機1は、受信装置2からの受信指示を受信装置4へ中継し(S706)、受信装置4は、受信指示をHDMI端子44で受信する(S707)。受信装置4の制御部41は、受信装置2がそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報の要求を、CECのデータとして、HDMI端子44を介して受像機1へ送信する(S708)。受像機1は、受信装置4からのチャンネル情報の要求を受信装置2へ中継し(S709)、受信装置2は、チャンネル情報の要求をHDMI端子24で受信する(S710)。受信装置2の制御部21は、チューナ22でそれまで受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受像機1へ送信する(S711)。受像機1は、受信装置2からのチャンネル情報を受信装置4へ中継し(S712)、受信装置4は、チャンネル情報をHDMI端子44で受信する(S713)。
受信装置4の制御部41は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルが、チューナ42で放送を受信可能なチャンネルであるか否かを判定する(S714)。チャンネルがチューナ42で放送を受信可能なチャンネルである場合は(S714:YES)、制御部41は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ42に放送の受信を開始させる(S715)。チャンネルがチューナ42で放送を受信可能なチャンネルでない場合は(S714:NO)、制御部41は、受信可能な他のチャンネルでチューナ42に放送の受信を開始させる(S716)。放送受信システムは、以上で受信切り換えの処理を終了する。放送の受信を開始した後は、受信装置4は、チューナ42が受信した放送に基づいた映像信号及び音声信号をHDMI端子44から受像機1へ送信し、受像機1は、受信装置4から受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力する。
なお、受信装置4は、ステップS714でチャンネルがチューナ42で放送を受信可能なチャンネルでない場合に、放送を受信できないことを示すエラー情報を受像機1へ送信し、受像機1は、エラーを映像出力部17に出力する処理を行ってもよい。また受像機1に更に別の受信装置が接続されている形態では、受信装置4からエラー情報を受信した場合に、別の受信装置へ改めて受信指示を送信する処理を行ってもよい。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、映像を出力するために放送を受信する装置を受信装置2から受信装置4へ切り換えるための指示を受け付けた場合に、受信装置4は、受信装置2からチャンネル情報を受信し、チャンネル情報が示すチャンネルで放送の受信を開始する。これにより、映像を出力するために放送を受信する装置が受信装置2から受信装置4へ切り換わる場合に、受信装置4は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで放送を受信し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
また、本実施の形態に係る放送受信システムは、実施の形態5又は6で説明した機能をも備えた形態であってもよい。
(実施の形態8)
実施の形態7においては、受信の切り換え先の受信装置4から受信装置2へチャンネル情報を要求する形態を示したが、実施の形態8においては、受像機1及び受信装置4の中から受信の切り換え先を受信装置2で選択する形態を説明する。実施の形態8に係る放送受信システムの構成は実施の形態7と同様であり、その説明を省略する。図12及び図13は、実施の形態8に係る放送受信システムが行う処理の手順を示すフローチャートである。
受信装置2がチューナ22で放送を受信して映像信号を受像機1へ送信し、受像機1が映像信号に基づいて映像を出力している間、受信装置2の制御部21は、映像を出力するために放送を受信する装置を受信装置2から受像機1又は受信装置4へ切り換えるための指示の受け付けを待ち受ける処理を行う(S801)。例えば、受像機1は、使用者がリモコン3を操作することにより、放送を受信する装置を受信装置2から切り換える指示をリモコン受信部15で受け付け、受け付けた指示を受信装置2へ送信し、受信装置2は、切り換えの指示を受信する。また受信装置2は、使用者がリモコン3を操作することにより、放送を受信する装置を受信装置2から切り換える指示をリモコン受信部25で受け付けることもできる。また、チューナ22を用いた録画の予約が行われており、チューナ22で放送を受信している最中に録画が開始された場合、制御部21は、切り換えのための指示を受け付けたと判定する。また受信装置2は、受像機1及び受信装置4の内で放送を受信する装置を切り換える先を指定する指示を受像機1のリモコン受信部15又は受信装置2のリモコン受信部25で受け付けることも可能である。切り換えのための指示の受付がない場合は(S801:NO)、受信装置2は放送の受信を行いながら、制御部21は、切り換えのための指示の受付の待ち受けを続行する。
ステップS801で切り換えのための指示を受け付けた場合は(S801:YES)、制御部21は、受像機1及び受信装置4は受信装置2と同一チャンネルの放送を受信可能な装置であるかを示す情報を取得する処理を行う(S802)。具体的には、制御部21は、チューナが備えられているか否か、チューナが使用中であるか否か、受信装置2が受信している種類の放送を受信できるか否か、及び受信装置2が受信しているチャンネルの放送を受信できるか否か等を問い合わせる命令を、CECのデータとして、受像機1へ送信し、更に受像機1を経由して受信装置4へ送信する。受信装置2からの問合せ命令に対して、受像機1は返信のCECデータを受信装置2へ送信し、受信装置4は、返信のCECデータを受像機1を経由して受信装置2へ送信する。返信のCECデータをHDMI端子14で受信することにより、受信装置2の制御部21は、受像機1及び受信装置4と同一チャンネルの放送を受信可能な装置であるかを示す情報を取得する。なお、受信装置2は、起動時又は受信装置2若しくは受信装置4が受像機1に接続されたときに、受像機1及び受信装置4の機能に関する情報を取得し、取得した情報を制御部21等で記憶しておき、制御部21は、記憶している情報を読み出すことにより、ステップS802の処理を実行してもよい。
制御部21は、次に、取得した情報に基づいて、受像機1及び受信装置4の中から、受信装置2と同一チャンネルの放送を受信可能な受信の切り換え先の装置を選択する(S803)。ステップS801で切り換え先の装置が指定されており、指定された装置が受信装置2と同一チャンネルの放送を受信可能である場合は、ステップS803で、制御部21は受信の切り換え先として指定された装置を選択する。ステップS801で切り換え先として指定された装置であっても、指定された装置が受信装置2と同一チャンネルの放送を受信できない場合は、ステップS803で、制御部21は切り換え先として他の装置を選択する。また受像機1及び受信装置4の両方で受信装置2と同一チャンネルの放送を受信可能である場合は、ステップS803で、制御部21は、受像機1を優先的に選択する等、所定のルールに従って受信の切り換え先の装置を選択する。また受像機1及び受信装置4のいずれもが受信装置2と同一チャンネルの放送を受信できない場合は、制御部21は、受信切り換えの処理を終了するか、又は他のチャンネルを受像機1若しくは受信装置4に選局させる処理を行う。
制御部21は、次に、ステップS803で選択した受信の切り換え先の装置は受像機1であるか否かを判定する(S804)。切り換え先が受像機1である場合は(S804:YES)、制御部21は、受像機1に放送を受信することを指示する受信指示、及びチューナ22で受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、受像機1へHDMI端子14を介して送信する(S805)。受像機1は、受信指示及びチャンネル情報をHDMI端子14で受信し(S806)、受像機1の制御部11は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ12に放送の受信を開始させる(S807)。受像機1で放送の受信を開始した後は、放送受信システムは受信切り換えの処理を終了し、受像機1は、受信した放送に基づいて映像及び音声を出力する。
ステップS804で切り換え先が受像機1ではなく、受信装置4である場合は(S804:NO)、制御部21は、受像機1での映像出力の設定を、受信装置2からの映像信号に基づいた映像を出力する設定から、受信装置4からの映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更することを指示する変更指示を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して受像機1へ送信する(S808)。受像機1は、映像出力の設定の変更指示をHDMI端子14で受信し(S809)、制御部11は、映像出力の設定を、受信装置2から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定から、受信装置4から入力された映像信号に基づいた映像を出力する設定へ変更する(S810)。
ステップS808の後、受信装置2の制御部21は、受信装置4に放送を受信することを指示する受信指示、及びチューナ22で受信していた放送のチャンネルを示すチャンネル情報を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して受像機1へ送信する(S811)。受像機1は、受信装置2からの受信指示及びチャンネル情報を受信装置4へ中継し(S812)、受信装置4は、受信指示及びチャンネル情報をHDMI端子44で受信する(S813)。受信装置4の制御部41は、受信したチャンネル情報が示すチャンネルでチューナ42に放送の受信を開始させる(S814)。放送受信システムは、以上で受信切り換えの処理を終了する。放送の受信を開始した後は、受信装置4は、チューナ42が受信した放送に基づいた映像信号及び音声信号をHDMI端子44から受像機1へ送信し、受像機1は、受信装置4から受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像及び音声を出力する。
以上詳述した如く、本実施の形態に係る放送受信システムでは、映像を出力するために放送を受信する装置を受信装置2から受像機1又は受信装置4へ切り換えるための指示を受け付けた場合に、受像機1及び受信装置4の内で受信装置2と同一のチャンネルで放送を受信できる装置で放送の受信を開始する。これにより、映像を出力するために放送を受信する装置が受信装置2から切り換わる場合に、受像機1は、受信装置2が受信していた放送のチャンネルと同一のチャンネルで受像機1又は受信装置4が受信した放送に基づいて映像を出力し、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。また、受信装置2のチューナ22を用いた視聴が行われている最中にチューナ22を用いた録画が開始された場合においても、使用者は、同一の放送番組を引き続いて視聴することができる。
なお、本実施の形態においては、単数の受信装置4が受像機1に接続されている形態を示したが、本発明の放送受信システムは、複数の受信装置4,4,…が受像機1に接続されている形態であってもよい。この形態の場合でも、ステップS803で受像機1及び受信装置4,4,…の中から適切な装置を選択する処理を行うことにより、本発明の放送受信システムは、ステップS801〜S814の処理を実行することは可能である。また、本実施の形態に係る放送受信システムは、実施の形態5又は6で説明した機能をも備えた形態であってもよい。
なお、以上の実施の形態1〜8においては、受信装置2,4は録画装置であるとしたが、これに限るものではない。本発明の受信装置2,4はチューナ22,42を備えていればよく、受像機1に接続することが可能なチューナ装置又はセットトップボックスであってもよい。また実施の形態1〜8においては、データを機器間で送受信するためのインタフェースとしてHDMIを用いた形態を示したが、本発明は、受像機1に映像を出力させるための映像信号と停止命令等の制御データとを個別に送受信できるフォーマットであれば、その他のインタフェースを用いた形態であってもよい。