JP2014044438A - 感光性絶縁樹脂組成物及びその硬化物並びに絶縁膜の製造方法 - Google Patents

感光性絶縁樹脂組成物及びその硬化物並びに絶縁膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する感光性絶縁樹脂組成物、及びこの組成物が硬化されてなる絶縁膜等の硬化物、並びに絶縁膜の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、(A)架橋性単量体由来の構造単位(a1)、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)を含有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)架橋剤と、(C)光感応性化合物と、(D)溶剤と、を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子等の層間絶縁膜、平坦化膜、表面保護膜(オーバーコート膜、パッシベーション膜等)、高密度実装基板用絶縁膜、感光性接着剤、感圧接着剤等に用いられる感光性絶縁樹脂組成物、及びそれが硬化されてなる絶縁性の硬化物、並びに絶縁膜の製造方法に関する。更に詳しくは、特定のアルカリ可溶性樹脂が含有されているため、絶縁膜を形成する際の基板の反りを抑えることができ、且つ永久膜レジストとして、解像性に優れるとともに、良好な密着性、熱衝撃性、電気絶縁性、パターニング性及び伸び等を有する硬化物を形成することができる感光性絶縁樹脂組成物、及びそれが硬化されてなる硬化物、並びに絶縁膜の製造方法に関する。
従来、電子機器の半導体素子に用いられる層間絶縁膜、表面保護膜等として、優れた耐熱性及び機械的特性等を有するポリイミド系樹脂が広く使用されている。また、生産性及び膜形成精度等を向上させるため、感光性を付与した感光性ポリイミド系樹脂が種々検討されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、それぞれ、ポリイミド前駆体にエステル結合又はイオン結合により光架橋基を導入したネガ型の樹脂、及びポリイミド前駆体とオルソキノンジアジド化合物からなるポジ型の樹脂が記載されている。
更に、半導体素子の高集積化にともなって、膜形成精度をより向上させるため、種々の感光性ポリイミド系樹脂が提案されている。例えば、特許文献3及び特許文献4には、それぞれ、ポリイミド前駆体にイオン結合により光架橋基を導入した感光性ポリイミド系樹脂を含有する組成物、及びポリイミド前駆体にエステル結合により光架橋基を導入した感光性ポリイミド系樹脂を含有する組成物が記載されている。また、特許文献5にも、芳香族ポリイミド前駆体に多官能アクリル化合物を配合したネガ型感光性組成物が記載されている。更に、ポリイミド系樹脂を含有する組成物ではない他の樹脂組成物として、特許文献6には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、架橋剤及び光感応性酸発生剤を含有する感光性絶縁樹脂組成物が記載されている。
特開平05−5996号公報 特開2000−98601号公報 特開昭54−145794号公報 特開平03−186847号公報 特開平08−50354号公報 特開2003−215802号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたネガ型の樹脂では、解像性や膜形成に問題があり、特許文献2に記載されたポジ型の樹脂では、耐熱性や電気絶縁性、基板への密着性等に問題がある。また、その他にも多数の特許出願がなされているが、半導体素子の高集積化、薄型化等による要求特性を十分に満足するものとはいえない。更に、硬化後の膜減り(体積収縮率)や硬化時の多段階ベーク、雰囲気制御等の問題点を抱えており、工業的に実施する場合には使用し難いという問題が指摘されている。また、特許文献3、4に記載された組成物では、イミド化するための閉環工程を必要としており、溶剤現像であるため解像性が十分でないという欠点があり、特許文献5に記載された組成物でも、同様な問題点が指摘されている。更に、特許文献6に記載された組成物を用いて形成される絶縁膜では、絶縁膜を形成する際に生じる基板の反りや伸びが問題になっている。
特に、近年半導体分野において、歩留まり向上を目的にウェハサイズが大きくなる傾向にある。ウェハサイズが大きくなると、ウェハ上に形成される絶縁膜の線膨張係数とウェハの線膨張係数との差が問題となってきている。つまり、ウェハ上に絶縁膜を形成する際、ウェハより線膨張係数の大きい絶縁膜により、ウェハが引っ張られることになるが、ウェハサイズが大きくなるにつれて、引っ張られる距離が伸びることになり、結果として、ウェハ上に絶縁膜を形成するとウェハが反るという問題が生じてきている。
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するものであり、より具体的には、絶縁膜等を形成する感光性絶縁樹脂組成物であって、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する感光性絶縁樹脂組成物、及びこの組成物が硬化されてなる絶縁膜等の硬化物、並びに絶縁膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1](A)架橋性単量体由来の構造単位(a1)、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)を含有するアルカリ可溶性樹脂と、
(B)架橋剤と、
(C)光感応性化合物と、
(D)溶剤と、を含有することを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。
[2]前記架橋性単量体由来の構造単位(a1)が、ジビニルベンゼン由来の構造単位である前記[1]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[3]前記(A)アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000〜300,000である前記[1]又は[2]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[4]前記構造単位(a1)と前記構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]が、0.001〜10である前記[1]乃至[3]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[5]更に、(E)密着助剤を含有する前記[1]乃至[4]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[6]更に、(F)架橋ポリマー粒子を含有する前記[1]乃至[5]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[7]前記光感応性化合物(C)が、光感応性酸発生剤であり、
且つ、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である前記[1]乃至[6]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[8]前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記[7]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[9]前記光感応性化合物(C)が、キノンジアジド基を有する化合物であり、
且つ、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である前記[1]乃至[6]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[10]前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記[9]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
[11]前記[1]乃至[10]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
[12](1)前記[1]乃至[10]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、
(2)前記塗膜を、マスクを介して露光する工程と、
(3)露光後の塗膜を加熱する工程と、
(4)加熱後の塗膜を現像する工程と、
(5)現像後の塗膜を加熱する工程と、を備えることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、特定のアルカリ可溶性樹脂が含有されているため、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
また、構造単位(a1)がジビニルベンゼン由来の構造単位である場合、反りや伸びをより十分に抑えられる点で好ましい。
更に、構造単位(a1)と構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]が0.001〜10である場合は、優れたアルカリ現像性が得られると共に、得られる絶縁膜の応力を十分に低減することができる。
また、(E)密着助剤を含有する場合は、基材と絶縁膜等の硬化物との密着性をより向上させることができる。
更に、(F)架橋ポリマー粒子を含有する場合は、硬化物の耐久性及び熱衝撃性等をより向上させることができる。
また、光感応性化合物(C)が、光感応性酸発生剤であり、且つ、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ネガ型のパターンを形成することができ、絶縁膜等を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。更には、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
更に、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物における架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である場合には、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
また、光感応性化合物(C)が、キノンジアジド基を有する化合物であり、且つ、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ポジ型のパターンを形成することができ、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。更には、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。
更に、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物における架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である場合には、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
本発明の硬化物は、本発明の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなり、優れた解像性、電気絶縁性等を有する。
本発明の絶縁膜の製造方法によれば、絶縁膜を形成する際における基板(基材)の反りや伸びを十分に抑えることができ、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜を容易に製造することができる。
電気絶縁性評価用の基材を説明する模式図である。 熱衝撃性の評価用基材の断面を説明する模式図である。 熱衝撃性の評価用基材を説明する模式図である。
以下、本発明を詳しく説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。
[1]感光性絶縁樹脂組成物
本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、(A)架橋性単量体由来の構造単位(a1)、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)を有するアルカリ可溶性樹脂〔以下、「アルカリ可溶性樹脂(A)」又は「樹脂(A)」ともいう。〕と、(B)架橋剤〔以下、「架橋剤(B)」ともいう。〕と、(C)光感応性化合物〔以下、「光感応性化合物(C)」ともいう。〕と、(D)溶剤〔以下、「溶剤(D)」ともいう。〕と、を含有する。
[アルカリ可溶性樹脂(A)]
前記樹脂(A)は、アルカリ可溶性の樹脂であり、架橋性単量体由来の構造単位(a1)〔以下、単に「構造単位(a1)」ともいう。〕、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)〔以下、単に「構造単位(a2)」ともいう。〕を含有するものである。
尚、「アルカリ可溶性」とは、例えば、2.38質量%のテトラヒドロキアンモニウムハイドロオキサイド水溶液100質量部に対して、樹脂(A)を少なくとも10質量部以上溶解できる場合をいう。
前記構造単位(a1)は、架橋性単量体に由来する構造単位であり、架橋性単量体とは、少なくとも2つ以上の重合性不飽和結合を有する単量体のことである。つまり、架橋性単量体中に存在する少なくとも2つ以上の重合性不飽和結合が、少なくとも2つ以上開裂し、樹脂(A)の構造中に架橋構造を形成しうる単量体のことである。樹脂(A)中に架橋構造を形成することで、絶縁膜の伸びを良くし、更に絶縁膜の反りを抑えることが可能となる。更には、樹脂(A)中に架橋構造を形成することで、樹脂(A)の分子量が大きい場合でも、十分なアルカリ可溶性を維持することができるため、解像度を維持することができる。
前記架橋性単量体としては、例えば、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジビニルエーテル等のポリエチレングリコールジビニルエーテル;下記式(x1)〜(x4)で表される化合物、下記一般式(y)で表される化合物等の重合性不飽和基を複数有する化合物等が挙げられる。更には、商品名「RAPI−CURE DVE−3」(ISPジャパン社製)等の市販品が挙げられる。これらのなかでも、伸びや反りの点からp−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテルが好ましい。
Figure 2014044438
Figure 2014044438
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[式(y)において、Xは2価の有機基を示す。]
前記一般式(y)におけるXの2価の有機基としては、−O−、−S−、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R)−、−C=(O)−O−、−C(R)=N−、−C=(O)−、スルホニル基、複素環基等、及び、これらが2以上結合してなる2価の有機基が挙げられる。ここでR及びRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。尚、これらの2価の有機基は、更に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
前記2価の有機基が複素環基を含む場合、その複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられる。尚、これらの複素環基は前記置換基を有していてもよい。
前記式(y)で表される具体的な化合物としては、下記式(y1)〜(y7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014044438
Figure 2014044438
[式(y6)及び(y7)において、nは、各々独立に、1〜50の数である。]
特に、本発明においては、反りや伸びをより十分に抑えられる観点から、前記構造単位(a1)が、ジビニルベンゼンに由来する構造単位、前記式(y)で表される化合物に由来する構造単位、若しくはトリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位であることが好ましい。この場合、ジビニルベンゼン、前記式(y)で表される化合物、若しくはトリエチレングリコールジビニルエーテルに存在する2つの重合性不飽和結合は2つとも開裂している。
尚、樹脂(A)は、構造単位(a1)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
前記構造単位(a2)は、フェノール性水酸基を有している限り特に限定されないが、例えば、ヒドロキシスチレン単位(即ち、ヒドロキシスチレンにおける重合性不飽和結合が開裂した単位)、イソプロペニルフェノール単位(即ち、イソプロペニルフェノールにおける重合性不飽和結合が開裂した単位)等であることが好ましい。この構造単位(a2)を含有することで、十分な解像力を維持しつつ、反りや伸びを良くすることができる。
構造単位(a2)を形成し得る単量体としては、例えば、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有化合物が挙げられる。これらのなかでも、p−イソプロペニルフェノール、p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
また、前記構造単位(a2)は、例えば、t−ブチル基、アセタール基等でフェノール性水酸基が保護された単量体から得ることもできる。得られた重合体及び共重合体は、公知の方法、例えば、酸触媒下で脱保護することにより、フェノール性水酸基を有する構造単位に変換することができる。
前記フェノール性水酸基が保護された単量体としては、例えば、p−1−メトキシエトキシスチレン、p−1−エトキシエトキシスチレン等のアセタール基で保護されたヒドロキシスチレン類、t−ブトキシスチレン、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、アセトキシスチレン等が挙げられる。
尚、樹脂(A)は、構造単位(a2)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
本発明における前記樹脂(A)は、前記構造単位(a1)及び(a2)以外にも、その他の単量体に由来する構造単位(a3)〔以下、単に「構造単位(a3)」ともいう。〕を含有していてもよい。
前記構造単位(a3)を形成し得る「その他の単量体」としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン類;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸あるいはそれらの酸無水物類;
不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プロピルエステル、n−ブチルエステル、i−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、n−アミルエステル、n−ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステル、3−ヒドロキシプロピルエステル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルエステル、ベンジルエステル、イソボロニルエステル、トリシクロデカニルエステル、1−アダマンチルエステル等のエステル類;
(メタ)アクリロニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル類;
(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセンなどの脂環式骨格を有する化合物;
(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール類、N−ビニルアニリン、ビニルピリジン類、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
これらのなかでも、スチレン、p−メトキシスチレンが好ましい。
尚、樹脂(A)は、構造単位(a3)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
特に、本発明における樹脂(A)は、(1)前記構造単位(a1)がジビニルベンゼンに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、ジビニルベンゼンと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、前記その他の単量体と、を用いて得られる樹脂、(2)前記構造単位(a1)がジビニルベンゼンに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、ジビニルベンゼンと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、を用いて得られる樹脂、(3)前記構造単位(a1)がトリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、トリエチレングリコールジビニルエーテルと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、前記その他の単量体と、を用いて得られる樹脂、又は(4)前記構造単位(a1)がトリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、トリエチレングリコールジビニルエーテルと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、を用いて得られる樹脂であることが、反り、伸び、解像度の点で好ましい。
また、樹脂(A)において、前記構造単位(a1)及び(a2)の含有割合の合計は、樹脂(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とした場合に、50〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは60〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。この含有割合が50〜100モル%である場合、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
更に、構造単位(a1)と構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]は、0.001〜10であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5、更に好ましくは0.01〜1である。このモル比が0.001〜10である場合、優れたアルカリ現像性が得られると共に、得られる絶縁膜の応力を十分に低減することができるため、ウェハの反りを抑えることができる。
また、前記構造単位(a3)の含有割合は、樹脂(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とした場合に、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0〜40モル%、更に好ましくは0〜10モル%である。この含有割合が50モル%以下である場合、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
前記樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、絶縁膜の解像性、熱衝撃性、耐熱性及び残膜率等の観点から、10,000〜300,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜150,000、更に好ましくは20,000〜110,000である。
また、前記樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が0℃を超えていることが好ましい。
前記樹脂(A)の重合は、例えば、ラジカル重合によって行うことができる。
この重合方法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられる。これらのなかでも、溶液重合法が好ましい。
樹脂(A)を製造する際に用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。具体的には、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。尚、前記有機過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合には、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
また、樹脂(A)を溶液重合法で製造する際に用いられる重合溶媒としては、使用される単量体成分と反応せず、生成する重合体を溶解するものであれば特に限定されるものでない。
この重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル等のエステル類が挙げられる。
これらのなかでも、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類等が好ましい。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物において、樹脂(A)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)架橋剤
本発明における架橋剤(B)は、熱や酸等の外部刺激により反応し、架橋剤同士や他の成分(例えば樹脂(A))と架橋反応して、3次元架橋構造を形成するものであればよく、特に限定されない。
この架橋剤(B)としては、例えば、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(以下、「アミノ基含有化合物」という。)(b1);オキシラン環含有化合物(b2);オキセタニル環含有化合物(b3);イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。);o−ヒドロキシベンズアルデヒド等のアルデヒド基含有フェノール化合物、;2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール等のメチロール基含有フェノール化合物等が挙げられる。これらのなかでも、アミノ基含有化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)、及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
これらの架橋剤(B)は、組成物の種類(ポジ型又はネガ型)や各成分の配合組成等に応じて適宜選択して用いられる。また、これらの架橋剤(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基含有化合物(b1)は特に限定されないが、例えば、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CHOH基)の全部又は一部(少なくとも2個)がアルキルエーテル化された化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果、オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。
感光性絶縁樹脂組成物中に、アミノ基含有化合物(b1)を含有することにより、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜を得られるため好ましい。
オキシラン環含有化合物(b2)としては、分子内にオキシラン環が含有されていればよく、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
感光性絶縁樹脂組成物中に、オキシラン環含有化合物(b2)を含有することにより、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜を得られるため好ましい。
オキセタニル環含有化合物(b3)としては、分子内にオキセタニル環が含有されていればよく、特に限定されないが、例えば、下記一般式(b3−1)で表される化合物、下記一般式(b3−2)で表される化合物、及び下記一般式(b3−3)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2014044438
前記一般式(b3−1)〜(b3−3)の各々において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、Rはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基であり、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、キシリル基等のアリール基;下記式(i)で表されるジメチルシロキサン残基;メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;フェニレン基;又は下記式(ii)〜(vi)で表される基を示し、iはRの価数に等しく、1〜4の整数である。
Figure 2014044438
前記式(i)におけるxは0〜50の整数であり、前記式(ii)におけるyは1〜50の整数である。
また、前記式(iii)におけるZは、単結合、又は、−CH−、−C(CH−、−C(CF−若しくは−SO−で表される2価の基である。
前記一般式(b3−1)〜(b3−3)で表わされる化合物の具体例としては、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン(商品名「OXT−121」、東亜合成社製)、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(商品名「OXT−221」、東亜合成社製)、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(宇部興産製、商品名「ETERNACOLL OXBP」)、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕エーテル、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕プロパン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕スルホン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ケトン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ヘキサフロロプロパン、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、テトラ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、及び下記の化学式(b3−4)、(b3−6)〜(b3−8)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2014044438
また、これらの化合物以外に、以下のオキセタン環を有する化合物を用いることができる。具体的には、例えば、オキセタンオリゴマー(商品名「Oligo−OXT」、東亞合成社製)、及び下記の化学式(b3−9)〜(b3―10)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2014044438
前記式(b3−9)〜(b3―10)におけるp、q及びsは、それぞれ独立に、0〜10000の整数である。
これらのオキセタニル環含有化合物(b3)のなかでも、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン(商品名「OXT−121」、東亜合成社製)、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(商品名「OXT−221」、東亜合成社製)、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(宇部興産製、商品名「ETERNACOLL OXBP」)が好ましい。
感光性絶縁樹脂組成物中に、オキセタニル環含有化合物(b3)を含有することにより、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜を得られるため好ましい。
架橋剤(B)としては、アミノ基含有化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)が好ましく、アミノ基含有化合物(b1)とオキシラン環含有化合物(b2)とを併用することもできる。また、併用する場合、合計を100質量%としたときに、オキシラン環含有化合物(b2)が50質量%以下であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。このような質量割合で併用した場合、高解像性を損なうことなく、且つ耐薬品性に優れた絶縁膜等の硬化膜を形成することができるため好ましい。
架橋剤(B)の含有量は、樹脂(A)を100質量部とした場合に、1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。この架橋剤(B)の含有量が1〜100質量部であれば、硬化反応が十分に進行し、形成される絶縁膜は高解像度で良好なパターン形状を有し、且つ耐熱性、電気絶縁性等に優れるため好ましい。
(C)光感応性化合物
本発明における光感応性化合物(C)は、放射線等の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)であればよく、特に限定されない。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物がネガ型の樹脂組成物である場合、光感応性化合物(C)としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる(以下、これらを「光感応性酸発生剤(C1)」又は「酸発生剤(C1)」ともいう。)。
この光感応性酸発生剤(C1)は、放射線等の照射により酸を発生し、この酸の触媒作用により、架橋剤(B)中のアルキルエーテル基と、樹脂(A)又はフェノール性低分子化合物中のフェノール環とが脱アルコールをともなって反応することにより、ネガ型のパターンが形成される。
尚、本発明の組成物が、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ネガ型のパターンを形成することができ、絶縁膜等を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。更には、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート等が挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のs−トリアジン誘導体が挙げられる。
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等が挙げられ、具体例としては、フェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物等が挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物等が挙げられ、具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等が挙げられる。
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等が挙げられる。好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等が挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
前記酸発生剤(C1)としては、オニウム塩化合物が好ましく、ヒドロキシル基含有オニウム塩化合物がより好ましい。
これらの酸発生剤(C1)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤(C1)の含有量は、感光性絶縁樹脂組成物の感度、解像度、パターン形状等を確保する観点から、樹脂(A)、又はフェノール性低分子化合物が配合される場合は、これらの合計を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量部である。酸発生剤(C1)の含有量が0.1質量部未満である場合、硬化が不十分になり、耐熱性が低下するおそれがある。一方、10質量部を超える場合、放射線に対する透明性が低下し、パターン形状の劣化を招くおそれがある。
また、本発明の感光性絶縁樹脂組成物がポジ型である場合に用いられる酸発生剤(C)(以下、「酸発生剤(C2)」ともいう。)としては、キノンジアジド基含有化合物が好ましく用いられる。
尚、本発明の組成物が、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ポジ型のパターンを形成することができ、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。更には、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。
キノンジアジド基含有化合物とは、フェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物である。
フェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物は特に限定されないが、下記式(c2−1)〜(c2−5)に記載の構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2014044438
[式(c2−1)において、X〜X10は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はヒドロキシル基である。尚、X〜Xのうちの少なくとも1個はヒドロキシル基である。また、Aは単結合、O、S、CH、C(CH、C(CF、C=O、又はSOである。]
Figure 2014044438
[式(c2−2)において、X11〜X24は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はヒドロキシル基である。尚、X11〜X15のうちの少なくとも1個はヒドロキシル基である。また、R〜Rは、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
Figure 2014044438
[式(c2−3)において、X25〜X39は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はヒドロキシル基である。尚、X25〜X29のうちの少なくとも1個及びX30〜X34のうちの少なくとも1個はヒドロキシル基である。また、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
Figure 2014044438
[式(c2−4)において、X40〜X58は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はヒドロキシル基である。尚、X40〜X44のうちの少なくとも1個、X45〜X49のうちの少なくとも1個及びX50〜X54のうちの少なくとも1個はヒドロキシル基である。また、R〜R10は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
Figure 2014044438
[式(c2−5)において、X59〜X72は、それぞれ相互に同一でもよく、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はヒドロキシル基である。尚、X59〜X62のうちの少なくとも1個及びX63〜X67のうちの少なくとも1個はヒドロキシル基である。]
キノンジアジド基含有化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エタン等と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物などが挙げられる。これらのキノンジアジド基含有化合物は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸発生剤(C2)の含有量は特に限定されないが、樹脂(A)を100質量部とした場合に、10〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは15〜30質量部である。この酸発生剤(C2)の含有量が10質量部未満である場合、未露光部の残膜率が低下したり、マスクパターンに忠実な像が形成されなかったりするおそれがある。一方、この含有量が50質量部を超えると、パターン形状が劣化したり、硬化時に発泡してしまったりするおそれがある。
[溶剤(D)]
本発明の感光性絶縁樹脂組成物においては、前記溶剤(D)を含有させることにより、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりすることができる。
この溶剤(D)は特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類等が挙げられる。
これらの溶剤(D)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤(D)の使用量は、形成する絶縁膜の膜厚により適宜選択可能であり、感光性絶縁樹脂組成物の貯蔵安定性の点から、通常、溶剤(D)以外の全成分100質量部に対して、溶剤(D)は10〜1000質量部の範囲で用いられる。
[密着助剤(E)]
本発明の感光性絶縁樹脂組成物には、基材との密着性を向上させるため、密着助剤〔以下、「密着助剤(E)」ともいう。〕を更に含有させることができる。
この密着助剤(E)としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤等が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
これらの密着助剤(E)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記密着助剤(E)の含有量は特に限定されないが、樹脂(A)を100質量部とした場合に、0.2〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8質量部である。密着助剤(E)の含有量が0.2〜10質量部である場合、貯蔵安定性に優れ、且つ良好な密着性を有する樹脂組成物とすることができるため好ましい。
[架橋ポリマー粒子(F)]
本発明の感光性絶縁樹脂組成物には、硬化物の耐久性及び熱衝撃性等を向上させるため、架橋ポリマー粒子〔以下、「架橋ポリマー粒子(F)」ともいう。〕を更に含有させることができる。
前記架橋ポリマー粒子(F)は、この架橋ポリマー粒子(F)を構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であることを除いて、特に限定されない。具体的には、例えば、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性単量体(以下、単に「架橋性単量体」という。)と、架橋ポリマー粒子(F)のTgが0℃以下となるように選択される1種又は2種以上の「他の単量体」とを共重合させた共重合体を用いることが好ましい。特に、他の単量体を2種以上併用し、且つ他の単量体のうちの少なくとも1種が、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等の重合性基以外の官能基を有するものであることがより好ましい。
また、この架橋ポリマー粒子(F)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、100万以上である。
更に、この架橋ポリマー粒子(F)を20質量%の乳酸エチル溶液としたときの、溶液の曇り価(ヘイズ)は、通常、8%以上である。尚、前述の樹脂(A)の20質量%の乳酸エチル溶液における曇り価は、通常、0.5%以下である。よって、この架橋ポリマー粒子(F)は、曇り価の点において、樹脂(A)とは異なるものである。
前記架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を複数有する化合物が挙げられる。これらのなかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
また、前記他の単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール等の芳香族ビニル化合物;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル等の不飽和酸化合物;ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物等が挙げられる。
これらの他の単量体のなかでも、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン化合物、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等が好ましい。
架橋ポリマー粒子(F)を製造する際における、前記架橋性単量体の使用量は、共重合に用いられる単量体の合計を100質量%とした場合に、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
また、架橋ポリマー粒子(F)を製造する際において、前記ジエン化合物(特に、ブタジエン)を他の単量体として用いる場合には、ジエン化合物の使用量は、共重合に用いられる単量体の合計を100質量%とした場合に、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。ジエン化合物の使用量が20〜80質量%である場合、架橋ポリマー粒子(F)がゴム状の軟らかい微粒子となり、形成される絶縁膜等の硬化物にクラック(割れ)が発生するのを防止することができ、より耐久性に優れる絶縁膜等とすることができる。
また、架橋ポリマー粒子(F)の平均粒径は、通常、30〜500nmであり、好ましくは40〜200nm、更に好ましくは50〜120nmである。この架橋ポリマー粒子(F)の粒径の制御方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合により架橋ポリマー粒子を合成する場合、使用する乳化剤の量により乳化重合中のミセルの数を制御することにより、粒径を調整することができる。尚、架橋ポリマー粒子(F)の平均粒径は、光散乱流動分布測定装置(大塚電子社製、型式「LPA−3000」)を使用し、架橋ポリマー粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。
これらの架橋ポリマー粒子(F)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物における架橋ポリマー粒子(F)の含有量は、樹脂(A)を100質量部とした場合に、0.5〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。架橋ポリマー粒子(F)の含有量が0.5〜50質量部である場合、他の成分との相溶性又は分散性に優れ、形成される絶縁膜等の熱衝撃性及び耐熱性等を向上させることができる。
[他の添加剤]
本発明の感光性絶縁樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加剤を、本発明の特性を損なわない程度に含有させることができる。この他の添加剤としては、フェノール性低分子化合物、無機フィラー、増感剤、熱感応性酸発生剤、クエンチャー、レベリング剤、界面活性剤等が挙げられる。
前記フェノール性低分子化合物としては、例えば、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール、4,4’−{1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
これらのフェノール性低分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール性低分子化合物の配合量は、前記樹脂(A)を100質量部とした場合に、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。
[2]感光性絶縁樹脂組成物の製造方法
本発明の感光性絶縁樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。また、各々の成分をサンプル瓶に投入し、その後、密栓し、ウェーブローター上で攪拌することによっても製造することができる。
[3]硬化物
本発明の硬化物は、本発明の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなる。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、解像性、密着性、熱衝撃性、電気絶縁性、パターニング性能、及び伸び等の諸特性に優れているため、その硬化物は、回路基板(半導体素子)、半導体パッケージ等の電子部品の表面保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜、高密度実装基板用絶縁膜材料、感光性接着剤、感圧接着剤等として好適に用いることができる。特に、硬化物を、層間絶縁膜又は平坦化膜として備える回路基板とすることができる。
[4]絶縁膜の製造方法
本発明の絶縁膜の製造方法は、(1)感光性絶縁樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する工程〔以下、「工程(1)」という。〕と、(2)前記塗膜を、マスクを介して露光する工程〔以下、「工程(2)」という。〕と、(3)露光後の塗膜を加熱する工程〔以下、「工程(3)」という。〕と、(4)加熱後の塗膜を現像する工程〔以下、「工程(4)」という。〕と、(5)現像後の塗膜を加熱する工程〔以下、「工程(5)」という。〕と、を備える。
[工程(1)]
前記工程(1)は、具体的には、感光性絶縁樹脂組成物を基材上に塗布し、乾燥して溶剤等を揮散させて塗膜を形成する工程である。尚、「感光性絶縁樹脂組成物」については、前述の説明をそのまま適用することができる。
前記基材(支持体)としては、樹脂付き銅箔、銅張り積層板並びに金属スパッタ膜を付設したシリコンウエハー及びアルミナ基板等が挙げられる。
また、樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等の各種の塗布方法を採用することができる。尚、塗布膜の厚さは、塗布手段、樹脂組成物溶液の固形分濃度及び粘度等を調整することにより、適宜制御することができる。
[工程(2)]
前記工程(2)は、所望のパターンを有するマスクを介して、前記工程(1)で形成された塗膜を露光する工程である。
露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、h線ステッパー、i線ステッパー、KrFステッパー、ArFステッパー、EB露光装置等から照射される、紫外線、電子線、レーザー光線等が挙げられる。
また、露光量は、使用する光源及び樹脂膜厚等によって適宜設定することができ、例えば、高圧水銀灯から照射される紫外線の場合、樹脂膜厚1〜50μmでは、100〜20,000J/m程度とすることができる。
[工程(3)]
前記工程(3)は、露光後の塗膜に対して加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行う工程である。この工程により、露光によって発生した酸の作用により、樹脂(A)と架橋剤(B)との硬化反応が促進される。
前記PEB条件は、塗膜形成に用いられた樹脂組成物溶液の組成や固形分濃度、及び塗膜の膜厚等によって異なるが、通常、70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分程度である。
[工程(4)]
前記工程(4)は、具体的には、アルカリ性現像液により現像して、未露光部又は露光部を溶解、除去することにより、所望のパターンを形成する工程である。
現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件は、通常、20〜40℃で1〜10分程度である。
また、アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を、1〜10質量%濃度となるように水に溶解させたアルカリ性水溶液が挙げられる。また、アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤及び界面活性剤等を適量配合することもできる。尚、アルカリ性現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥させる。
[工程(5)]
前記工程(5)は、具体的には、現像後の塗膜に対して加熱処理を行い、絶縁膜を形成する工程である。この加熱処理により、絶縁膜としての特性を十分に発現させることができる。更には、加熱処理により現像後の塗膜を十分に硬化させることができる。
このような硬化条件は特に限定されないが、50〜250℃の温度で、30分〜10時間程度加熱し、硬化させることができる。また、硬化を十分に進行させたり、形成されたパターン形状の変形を防止するため、二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50〜120℃の温度で、5分〜2時間程度加熱し、更に80〜250℃の温度で、10分〜10時間程度加熱して硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブン及び赤外線炉等を用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]アルカリ可溶性樹脂の製造
製造例1〔樹脂(A−1)の合成〕
ジビニルベンゼン(新日鐵化学製、純度57質量%)1質量部と、p−t−ブトキシスチレン60質量部と、スチレン4質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してp−ヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、ジビニルベンゼン/p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「樹脂(A−1)」という)]を得た。得られた樹脂(A−1)は、13C−NMR分析の結果、ジビニルベンゼンに由来する構造単位(a1−1)の割合が1モル%、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が89モル%、スチレンに由来する構造単位(a3−1)の割合が10モル%のものであった。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は24,000であった。
尚、13C−NMR分析には、日本電子社製、型式「JNM−EX270」を用いた。また、Mwの測定には、東ソー社製、型式「HLC−8220GPC」のGPCを用いた。具体的には、カラムとして、G2000HXLを2本、G3000HXLを1本及びG4000HXLを1本使用し、流量;1.0ミリリットル/分、溶出溶媒;テトラヒドロフラン、カラム温度;40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した。
製造例2〔樹脂(A−2)の合成〕
単量体として、製造例1と同様のジビニルベンゼン2質量部と、p−t−ブトキシスチレン65質量部とを用いたこと以外は、製造例1と同様の手法にて樹脂(A−2)を合成した。樹脂(A−2)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、ジビニルベンゼンに由来する構造単位(a1−1)の割合が2モル%、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が98モル%であった。また、樹脂(A−2)のポリスチレン換算の重量平均分子量は83,000であった。
製造例3〔樹脂(A−3)の合成〕
単量体として、製造例1と同様のジビニルベンゼン6質量部と、p−t−ブトキシスチレン60質量部と、スチレン4質量部とを用いたこと以外は、製造例1と同様の手法にて樹脂(A−3)を合成した。樹脂(A−3)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、ジビニルベンゼンに由来する構造単位(a1−1)の割合が6モル%、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が84モル%、スチレンに由来する構造単位(a3−1)の割合が10モル%であった。また、樹脂(A−3)のポリスチレン換算の重量平均分子量は104,000であった。
製造例4〔樹脂(A−4)の合成〕
単量体として、トリエチレングリコールジビニルエーテル(ISPジャパン社製、商品名「RAPI−CURE DVE−3」)2質量部と、製造例1と同様のp−t−ブトキシスチレン64質量部とを用いた以外は、製造例1と同様の手法にて樹脂(A−4)を合成した。樹脂(A−4)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、トリエチレングリコールジビニルエーテルに由来する構造単位(a1−2)の割合が1モル%、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が99モル%であった。また、樹脂(A−4)のポリスチレン換算の重量平均分子量は92,000であった。
比較製造例1〔樹脂(AR−1)の合成〕
p−t−ブトキシスチレン70質量部と、スチレン10質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してp−ヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「樹脂(AR−1)」という)]を得た。樹脂(AR−1)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が80モル%、スチレンに由来する構造単位(a3−1)の割合が20モル%であった。また、樹脂(AR−1)のポリスチレン換算の重量平均分子量は32,000であった。
比較製造例2〔樹脂(AR−2)の合成〕
p−t−ブトキシスチレン80質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してp−ヒドロキシスチレンに変換した。得られた重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン重合体(以下、「樹脂(AR−2)」という)]を得た。樹脂(AR−2)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量は55,000であった。
比較製造例3〔樹脂(AR−3)の合成〕
スチレン70質量部と、ビニル安息香酸25質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル2質量部を用いて10時間重合させた。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、スチレン/ビニル安息香酸共重合体(以下、「樹脂(AR−3)」という)]を得た。樹脂(AR−3)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、スチレンに由来する構造単位(a3−1)の割合が80モル%、ビニル安息香酸に由来する構造単位(a3−2)の割合が20モル%であった。また、樹脂(AR−3)のポリスチレン換算の重量平均分子量は10,000であった。
比較製造例4〔樹脂(AR−4)〕
市販のノボラック樹脂[クレゾールノボラック樹脂〔m−クレゾール:p−クレゾール=55:45(モル比)〕、住友ベークライト(株)製、商品名「スミライトレジン」、ポリスチレン換算の重量平均分子量;6,500]を、樹脂(AR−4)として用いた。
比較製造例5〔樹脂(AR−5)の合成〕
p−t−ブトキシスチレン70質量部と、スチレン10質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させ、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間重合させた。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してp−ヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(以下、「樹脂(AR−5)」という)]を得た。樹脂(AR−5)を製造例1の場合と同様にして分析したところ、p−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(a2)の割合が80モル%、スチレンに由来する構造単位(a3−1)の割合が20モル%であった。また、樹脂(AR−5)のポリスチレン換算の重量平均分子量は10,000であった。
尚、上述の各アルカリ可溶性樹脂[樹脂(A−1)〜(A−4)及び(AR−1)〜(AR−5)]を構成する構造単位の割合(モル%)及び重量平均分子量(Mw)をまとめて表1に記載する。
Figure 2014044438
[2]感光性絶縁樹脂組成物の製造
実施例1
表2のように、樹脂(A−1)を100質量部、架橋剤(B−1)を5質量部、架橋剤(B−9)を15質量部、光感応性化合物(C−2)を1質量部、溶剤(D−1)を120質量部、密着助剤(E−1)を2.5質量部、架橋ポリマー粒子(F−3)を5質量部、及び界面活性剤(G−1)を0.2質量部配合し、各々の成分を溶剤に溶解させて感光性絶縁樹脂組成物を製造した。
実施例2〜7及び比較例1〜9
表2に記載の樹脂、架橋剤、光感応性化合物、溶剤、密着助剤及び界面活性剤を、表2に記載の質量割合となるように配合し、感光性絶縁樹脂組成物を製造した。
尚、上記の成分の他に、実施例5、比較例8及び比較例9では、フェノール化合物を、表2に記載の質量割合となるように配合した。また、実施例3、実施例4、比較例1〜3、比較例6及び比較例7では、架橋ポリマー粒子を、表2に記載の質量割合となるように配合した。
また、実施例6はポジ型感光性絶縁樹脂組成物であり、実施例1〜5、7及び比較例1〜9は全てネガ型感光性絶縁樹脂組成物である。
Figure 2014044438
表2に記載の各成分のうちアルカリ可溶性樹脂(A)を除く他の成分の詳細は下記のとおりである。
(a)フェノール化合物
a−1:4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール
a−2:4,4’−{1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール(本州化学工業(株)製、商品名「TrisP−PA」)
(B)架橋剤
B−1:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル[共栄社化学製、商品名「エポライト100MF」]
B−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート828」]
B−3:脂肪族エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、商品名「デナコールEX−610U−P」)
B−4:フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂[日本化薬(株)製、商品名「XD−1000」]
B−5:1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成社製、商品名「OXT−121」)
B−6:4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(宇部興産製、商品名「ETERNACOLL OXBP」)
B−7:o−ヒドロキシベンズアルデヒド
B−8:2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール
B−9:ヘキサメトキシメチルメラミン[(株)三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−390」]
(C)光感応性化合物
C−1(光感応性酸発生剤):2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル製、商品名「TFE−トリアジン」)
C−2(光感応性酸発生剤):2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル製、商品名「TME−トリアジン」)
C−3(光感応性酸発生剤):4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(サンアプロ社製、商品名「CPI−210S」)
C−4(キノンジアジド基含有化合物):1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とをエステル化反応させてなるキノンジアジドスルホン酸エステル(2.0モル縮合物)
(D)溶剤
D−1:乳酸エチル
D−2:2−ヘプタノン
(E)密着助剤
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[日本ユニカー(株)製、商品名「A−187」]
E−2:1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート[GE東芝シリコーン(株)製、商品名「Y−11597」]
(F)架橋ポリマー粒子
F−1:ブタジエン/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン共重合体(モル比;ブタジエン:ヒドロキシブチルメタクリレート:メタクリル酸:ジビニルベンゼン=50:47:2:1)
F−2:ブタジエン/スチレン/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン共重合体(モル比;ブタジエン:スチレン:ヒドロキシブチルメタクリレート:メタクリル酸:ジビニルベンゼン=48:20:24:6:2)
F−3:ブタジエン/アクリロニトリル/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン共重合体(モル比;ブタジエン:アクリロニトリル:ヒドロキシブチルメタクリレート:メタクリル酸:ジビニルベンゼン=48:20:24:6:2)
F−4:ブタジエン/メタクリル酸/ジビニルベンゼン共重合体(モル比;ブタジエン:メタクリル酸:ジビニルベンゼン=78:20:2)
(G)界面活性剤
G−1:フッ素系界面活性剤[(株)ネオス製、商品名「FTX−218」]
G−2:シリコーン系界面活性剤[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「SH−28PA」]
[3]感光性絶縁樹脂組成物の評価
実施例1〜7及び比較例1〜9の感光性絶縁樹脂組成物の特性を、下記の方法に従って評価した。結果は表3のとおりである。
(1)解像度
6インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、厚さ20μmの均一な樹脂塗膜を作製した。次いで、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−100」)を使用し、パターンマスク[ネガ型感光性絶縁樹脂組成物の場合は、スクエアー状の透光部(それ以外は遮光部)を有するマスク、ポジ型感光性絶縁樹脂組成物の場合は、スクエアー状の遮光部(それ以外は透光部)を有するマスク]を介して高圧水銀灯から照射される紫外線を、波長365nmにおける露光量が500mJ/cmとなるように露光した。その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)し、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で120秒間、浸漬し、現像した。このようにして得られたパターンの最小寸法を解像度とする。
また、現像残りの有無について確認を行い、現像残りがない場合を「○」、現像残りがある場合を「×」と評価した。
(2)感度
6インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、厚さ20μmの均一な樹脂塗膜を作製した。次いで、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−100」)を使用し、パターンマスク(5ミクロン×5ミクロンのパターン)を介して高圧水銀灯から照射される紫外線(波長365nm)を露光した。その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)し、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で120秒間、浸漬し、現像した。5ミクロン×5ミクロンのパターンが形成される最低露光量を「感度」として評価した。
(3)絶縁膜の応力(反り)
8インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、厚さ20μmの均一な樹脂塗膜を作製した。次いで、アライナー(Karl Suss社製、型式「MA−100」)を使用し、高圧水銀灯から照射される紫外線を、波長365nmにおける露光量が500mJ/cmとなるように全面露光した(但し、この全面露光は、ネガ型感光性絶縁樹脂組成物を使用した場合のみ行った。即ち、ポジ型感光性絶縁樹脂組成物を使用した場合は、樹脂塗膜作製後、露光を行わずに次工程に移った。)。その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)し、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で120秒間、浸漬し、現像した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱し、樹脂塗膜を硬化させて絶縁膜を形成した。そして、絶縁膜形成前後の基板の応力差を応力測定装置(TOHOテクノロジー(旧技術所有KLA−Tencor)社製「FLX−2320−s」)にて測定し、応力を評価した。
(4)伸び
PETフィルムに感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、対流式オーブンを用いて110℃で10分間加熱した。次いで、対流式オーブンにて200℃で1時間加熱した後、PETフィルムから塗膜を剥離し、50μm厚の硬化フィルムを得た。この硬化フィルムを5mm幅のダンベルで打ち抜き、試験片を作製した。そして、セイコーインスツルメンツ(株)製の熱機械分析装置「TMA/SS6100」を用いて、JIS K7113(プラスチックの引張試験方法)に準じて、試験片の伸びを測定した。
(5)電気絶縁性
図1のように、基板1上にパターン状の銅箔2(銅箔の膜厚=10μm)を有している絶縁性評価用の基材3に、感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱し、銅箔2上での厚さが10μmである樹脂塗膜を有する基材を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱し、樹脂塗膜を硬化させて絶縁膜を形成した。尚、各電極間の絶縁膜の体積は1.6×10−8cmである。この基材3をマイグレーション評価システム(タバイエスペック社製、型式「AEI,EHS−221MD」)に投入し、温度121℃、湿度85%、圧力1.2気圧、印加電圧5Vの条件で200時間処理した。次いで、試験基材の抵抗値(Ω)を測定し、絶縁性を評価した。
(6)密着性
SiOをスパッタしたシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンを用いて200℃で1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得た。次いで、この硬化膜をプレッシャークッカー試験装置(タバイエスペック(株)社製「EHS−221MD」で、温度121℃、湿度100%、圧力2.1気圧の条件下で168時間処理した。そして、試験前後での密着性をJIS K5400−5−6に準拠してクロスカット試験(碁盤目テープ法)を行い、評価した。
(7)熱衝撃性(ヒートサイクル試験)
図2及び図3に示すような、基板5上にパターン状の銅箔4(銅箔の膜厚=10μm)を有している熱衝撃性評価用の基材6に、感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて110℃で5分間加熱し、銅箔4上での厚さが10μmである樹脂塗膜を有する基材を作製した。その後、対流式オーブンを用いて190℃で1時間加熱し、樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得た。この基材6を冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)社製「TSA−40L」)で、−65℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして耐性試験を行った。この処理の後、顕微鏡を用いて200倍の倍率で観察し、硬化膜にクラック等の欠陥が発生するまでのサイクル数を100サイクル毎に確認した。
Figure 2014044438
表3の結果によれば、実施例1〜7は、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びを抑制することができ、且つ解像性、感度、電気絶縁性、密着性及び熱衝撃性に優れていることが分かった。
1;基板
2;銅箔
3;絶縁性評価用の基材
4;銅箔
5;基板
6;熱衝撃性評価用の基材
本発明は以下のとおりである。
[1](A)架橋性単量体由来の構造単位(a1)、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)を含有するアルカリ可溶性樹脂と、
(B)架橋剤と、
(C)光感応性化合物と、
(D)溶剤と、を含有する感光性絶縁樹脂組成物であって、
前記構造単位(a1)が、ジビニルベンゼン由来の構造単位であり、
前記構造単位(a1)と前記構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]が、0.001〜5であることを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。
]前記(A)アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000〜300,000である前記[1]記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]更に、(E)密着助剤を含有する前記[1]又は]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]更に、(F)架橋ポリマー粒子を含有する前記[1]乃至[]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]前記光感応性化合物(C)が、光感応性酸発生剤であり、
且つ、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である前記[1]乃至[]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記[]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]前記光感応性化合物(C)が、キノンジアジド基を有する化合物であり、
且つ、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である前記[1]乃至[]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記[]に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
]前記[1]乃至[]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
10](1)前記[1]乃至[]のうちのいずれかに記載の感光性絶縁樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、
(2)前記塗膜を、マスクを介して露光する工程と、
(3)露光後の塗膜を加熱する工程と、
(4)加熱後の塗膜を現像する工程と、
(5)現像後の塗膜を加熱する工程と、を備えることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
本発明の感光性絶縁樹脂組成物は、特定のアルカリ可溶性樹脂が含有されているため、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
また、構造単位(a1)がジビニルベンゼン由来の構造単位であるため、反りや伸びをより十分に抑えられる。
更に、構造単位(a1)と構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]が特定の範囲であるため、優れたアルカリ現像性が得られると共に、得られる絶縁膜の応力を十分に低減することができる。
また、(E)密着助剤を含有する場合は、基材と絶縁膜等の硬化物との密着性をより向上させることができる。
更に、(F)架橋ポリマー粒子を含有する場合は、硬化物の耐久性及び熱衝撃性等をより向上させることができる。
また、光感応性化合物(C)が、光感応性酸発生剤であり、且つ、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ネガ型のパターンを形成することができ、絶縁膜等を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。更には、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
更に、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物における架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である場合には、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
また、光感応性化合物(C)が、キノンジアジド基を有する化合物であり、且つ、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である場合には、ポジ型のパターンを形成することができ、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。更には、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びを十分に抑えることができる。
更に、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物における架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である場合には、解像度及び耐薬品性の点で優れた絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
本発明の硬化物は、本発明の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなり、優れた解像性、電気絶縁性等を有する。
本発明の絶縁膜の製造方法によれば、絶縁膜を形成する際における基板(基材)の反りや伸びを十分に抑えることができ、優れた解像性、電気絶縁性等を有する絶縁膜を容易に製造することができる。
発明においては、反りや伸びをより十分に抑えられる観点から、前記構造単位(a1)、ジビニルベンゼンに由来する構造単位あるこの場合、ジビニルベンゼン存在する2つの重合性不飽和結合は2つとも開裂している。
尚、ジビニルベンゼンとしては、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼンが挙げられる。
特に、本発明における樹脂(A)は、(1)前記構造単位(a1)がジビニルベンゼンに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、ジビニルベンゼンと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、前記その他の単量体と、を用いて得られる樹脂、(2)前記構造単位(a1)がジビニルベンゼンに由来する構造単位であり、且つ前記構造単位(a2)がヒドロキシスチレン単位であって、原料モノマーとして、ジビニルベンゼンと、前記ヒドロキシスチレン単位を与える単量体と、を用いて得られる樹脂あることが、反り、伸び、解像度の点で好ましい。
また、樹脂(A)において、前記構造単位(a1)及び(a2)の含有割合の合計は、樹脂(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とした場合に、50〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは60〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。この含有割合が50〜100モル%である場合、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
更に、構造単位(a1)と構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]は0.001〜であ、より好ましくは0.01〜5、更に好ましくは0.01〜1である。このモル比が0.001〜10である場合、優れたアルカリ現像性が得られると共に、得られる絶縁膜の応力を十分に低減することができるため、ウェハの反りを抑えることができる。
また、前記構造単位(a3)の含有割合は、樹脂(A)を構成する全構造単位の合計を100モル%とした場合に、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0〜40モル%、更に好ましくは0〜10モル%である。この含有割合が50モル%以下である場合、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びが十分に抑えられ、且つ優れた解像性、感度、電気絶縁性等を有する絶縁膜等の硬化物を形成することができる。
実施例2〜6、参考例1及び比較例1〜9
表2に記載の樹脂、架橋剤、光感応性化合物、溶剤、密着助剤及び界面活性剤を、表2に記載の質量割合となるように配合し、感光性絶縁樹脂組成物を製造した。
尚、上記の成分の他に、実施例5、比較例8及び比較例9では、フェノール化合物を、表2に記載の質量割合となるように配合した。また、実施例3、実施例4、比較例1〜3、比較例6及び比較例7では、架橋ポリマー粒子を、表2に記載の質量割合となるように配合した。
また、実施例6はポジ型感光性絶縁樹脂組成物であり、実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜9は全てネガ型感光性絶縁樹脂組成物である。
Figure 2014044438
[3]感光性絶縁樹脂組成物の評価
実施例1〜6、参考例1及び比較例1〜9の感光性絶縁樹脂組成物の特性を、下記の方法に従って評価した。結果は表3のとおりである。
Figure 2014044438
表3の結果によれば、実施例1〜は、絶縁膜を形成する際の基板の反りや伸びを抑制することができ、且つ解像性、感度、電気絶縁性、密着性及び熱衝撃性に優れていることが分かった。

Claims (12)

  1. (A)架橋性単量体由来の構造単位(a1)、及びフェノール性水酸基を有する構造単位(a2)を含有するアルカリ可溶性樹脂と、
    (B)架橋剤と、
    (C)光感応性化合物と、
    (D)溶剤と、を含有することを特徴とする感光性絶縁樹脂組成物。
  2. 前記架橋性単量体由来の構造単位(a1)が、ジビニルベンゼン由来の構造単位である請求項1に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  3. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000〜300,000である請求項1又は2に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  4. 前記構造単位(a1)と前記構造単位(a2)とのモル比[構造単位(a1)/構造単位(a2)]が、0.001〜10である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  5. 更に、(E)密着助剤を含有する請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  6. 更に、(F)架橋ポリマー粒子を含有する請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  7. 前記光感応性化合物(C)が、光感応性酸発生剤であり、
    且つ、ネガ型の感光性絶縁樹脂組成物である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  8. 前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項7に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  9. 前記光感応性化合物(C)が、キノンジアジド基を有する化合物であり、
    且つ、ポジ型の感光性絶縁樹脂組成物である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  10. 前記架橋剤(B)が、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(b1)、オキシラン環含有化合物(b2)及びオキセタニル環含有化合物(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項9に記載の感光性絶縁樹脂組成物。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
  12. (1)請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の感光性絶縁樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、
    (2)前記塗膜を、マスクを介して露光する工程と、
    (3)露光後の塗膜を加熱する工程と、
    (4)加熱後の塗膜を現像する工程と、
    (5)現像後の塗膜を加熱する工程と、を備えることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
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