JP2014044224A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトとの摺擦による摩耗や削ずれなどの少ない蛇行規制部材を備えた抵抗発熱体方式の定着装置並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】抵抗発熱体方式の定着装置において、定着ベルト200の蛇行を規制する蛇行規制部材240を、定着ローラー210の回転軸方向から見た場合に定着ベルト200のベルト周回経路を近似する楕円の2つの焦点の中点を中心とし、当該中心から、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る直線までの距離を半径とする円の内部に、回転中心が位置するようにして、定着ベルト200に従動回転させる。定着ベルト200には給電ブラシ231が圧接されているので、蛇行規制部材240の回転中心は、前記直線と、前記直線に直交し定着ローラーの回転中心を通る直線との何れについても、給電部材とは反対側であって、かつ、定着ベルトのベルト周回経路の内側に位置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に、抵抗発熱体方式の定着装置における定着ベルトの蛇行を規制する技術に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、記録シートに担持されたトナー像を熱定着する際の熱効率を向上させるために、無端ベルト形状の定着回転体(以下、「定着ベルト」という。)を用いた構成が知られている。定着ベルトは、その厚みを薄くして、熱容量を小さくすれば、ウォームアップ時間を短縮したり、ウォームアップ時や定着時の熱効率を高めたりすることができる。また、電磁誘導加熱方式や抵抗発熱体方式などのように、定着ベルトが熱源を兼ねている場合には、熱源から記録シートに至る導熱経路が極めて短いために熱損失が少ない。
記録シートにトナー像を熱定着する場合には、定着ベルトに加圧ローラーを圧接して、定着ニップを形成する必要がある。このため、定着ベルトの内周面の定着ニップに対応する領域には定着ローラー等の押圧部材が圧接される。この押圧部材への定着ベルトからの熱伝導によって発生する熱損失を低減するためには、定着ベルトと押圧部材との間に隙間を設ける緩嵌め構成が有効である。この隙間に高い断熱性を有する空気が流入して、定着ベルトと押圧部材との間に介在すれば、上記の熱伝導による熱損失が効果的に低減される。
しかしながら、緩嵌め構成においては、定着ベルトが固定的に保持されないので、回転軸方向へ定着ベルトが蛇行してベルト片寄りが発生するという問題がある。特に、回転軸上の同じ方向に定着ベルトが片寄り続けると、定着不良や定着装置の破損、脱落を招く虞がある。このため、定着ベルトの蛇行を規制する蛇行規制部材を定着ベルトの両端部に対向して配設する対策が提案されている。
例えば、特許文献1においては、電磁誘導加熱方式の定着装置において、定着ローラーに対して独立して回転できるように保持した蛇行規制部材を、定着ベルトの回転軸方向から見た定着ニップ以外の箇所においてのみ定着ベルトに当接させる技術が提案されている。このようにすれば、蛇行規制部材が定着ローラーに固定されている場合とは異なって、蛇行規制部材を定着ベルトに従動回転させるので、定着ベルトと蛇行規制部材との当接箇所における周速差を最小化することができる。従って、定着ベルトが蛇行規制部材に摺擦することに起因する摩耗や削ずれを防止することができる。
また、定着ベルトの周速は、定着ベルトの回転軸からの距離に関わらず定着ニップにおける周速に一致する一方、蛇行規制部材の周速は、蛇行規制部材の回転中心からの距離に従って変化する。定着ベルトの回転軸からの距離が特に小さくなる定着ニップにおいて蛇行規制部材を定着ベルトに当接させなければ、蛇行規制部材と定着ベルトとの当接箇所における周速差を更に小さくすることができる。
特開2010−249917号公報 特開2009−109997号公報
電磁誘導加熱方式の定着装置においては、定着ベルトは、定着ニップ以外の箇所において外力を受けないので、回転軸に直交する断面が定着ニップを除いてほぼ円乃至楕円に沿うような周回経路を走行する。また、この円や楕円は、回転軸に直交する断面において加圧ローラーの回転中心と定着ローラーの回転中心とを結んだ直線(以下、「加圧方向直線」という。)上に、中心や焦点を有することになる。
これに対して、抵抗発熱体方式の定着装置においては、抵抗発熱体層に給電する必要上、定着ベルトの回転軸方向における両端に電極部を設けて、給電ブラシを当接させなければならない。この給電ブラシが、加圧方向直線上以外の箇所で電極部に当接している場合には、定着ベルトは回転軸に直交する断面においてほぼ楕円に沿うような周回経路を走行するものの、この楕円の2焦点を結んだ直線は、給電ブラシの押圧力によって、加圧方向直線から外れることになる。このため、上記の従来技術をそのまま適用しても、定着ベルトと蛇行規制部材との間の周速差を十分小さく抑えることができない。
しかしながら、抵抗発熱体方式の定着装置において、定着ベルトが蛇行して、定着ベルトの電極部が蛇行規制部材に圧接、摺擦すると、電極部が変形して浮き上がって、給電ブラシが当接する箇所において瞬間的な導通不良が発生し、高電位差が生じることによってスパーク放電が誘発される。その結果、スパーク放電の発熱や衝撃によって電極部に溶融や破損が生じて、凹凸が発生する。このような電極部の面精度の変化によって給電ブラシと電極部との摺擦状態が一定しなくなり、電極部、延いては抵抗発熱体層への安定した給電が阻害される。また、スパーク放電の発生頻度も高くなるので、電極部の耐久性が低下して寿命の極端な短縮を来すこととなる。したがって、抵抗発熱体方式の定着装置においても、定着ベルトの蛇行防止は必須の課題である。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、定着ベルトとの摺擦による摩耗や削ずれなどの少ない蛇行規制部材を備えた抵抗発熱体方式の定着装置並びにこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体層と、抵抗発熱体層に通電するための電極部と、を有する無端状の定着ベルトと、前記電極部の外周面に当接して、給電する一対の給電部材と、前記定着ベルトに遊挿された定着ローラーと、前記定着ベルトの外周面に圧接され、定着ニップを形成する加圧部材と、前記定着ベルトの回転軸方向における両端部に対向配設され、前記定着ベルトが回転軸方向に蛇行するのを規制する一対の蛇行規制部材と、前記定着ローラーとは独立して回転できるように前記蛇行規制部材を保持する規制部材ホルダーと、を備え、前記規制部材ホルダーは、前記定着ローラーの回転軸方向から見て、前記定着ベルトのベルト周回経路を近似する楕円の2つの焦点の中点を中心とし、前記中心から、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る直線までの距離を半径とする円の内部に、回転中心が位置するように前記蛇行規制部材を保持することを特徴とする。
このようにすれば、抵抗発熱体方式の定着装置においては、給電部材が圧接されることにより、前記定着ローラーの回転軸方向から見て、前記定着ベルトのベルト周回経路を近似する楕円の2つの焦点の中点、すなわち、当該楕円の長径と短径との交差点が、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る直線上から外れるところ、蛇行規制部材の回転中心を当該中点(交差点)に従来技術よりも近づけるので、定着ベルトと蛇行規制部材との摺接位置における周速差を従来技術よりも小さくすることができる。したがって、蛇行規制部材との摺擦による定着ベルトの摩耗や削ずれ等を低減して、定着ベルトの長寿命化を図ることができる。
この場合において、前記中心に回転中心が位置するように前記蛇行支持部材を保持するのが最も望ましい。また、前記近似する楕円とは、前記定着ローラーの回転軸方向から見て前記定着ベルトのベルト周回経路の外接円内に含まれ、かつ、当該ベルト周回経路の内接円を含む楕円である。
また、前記規制部材ホルダーは、前記蛇行規制部材の回転軸が、当該回転軸に直交する平面上、前記蛇行規制部材の径方向において、前記定着ベルトが当接する最外周位置までの距離と、ニップ位置までの距離とが等しくなる位置となるように、前記蛇行規制部材を保持しても良い。
また、前記定着ベルト、前記給電部材、前記定着ローラー、前記加圧部材、前記蛇行規制部材及び前記規制部材ホルダーを収容するハウジングを備え、前記規制部材ホルダーは、前記ハウジングの内壁面上に固定されており、前記定着ローラーと前記蛇行規制部材とのそれぞれを別個のベアリングを介在させて、回転可能に保持しても良い。このようにすれば、蛇行規制部材を保持するために要する構成を小さくすることができるので、定着装置の小型化を図ることができる。
また、前記蛇行規制部材は、外周に円筒面を有しており、前記規制部材ホルダーは、3つ以上のコロを前記円筒面に当接させることによって、前記蛇行規制部材を保持しても良い。近年、定着装置の小型化が進んでおり、機械強度等の理由から複雑な規制ホルダーを用いることが難しい場合には、コロを用いるのが有効である。
また、前記蛇行規制部材は、前記定着ベルトに摺擦することによって、前記定着ベルトに従動回転すれば、定着ベルトの回転速度の変動に容易に対応して、摺擦位置における周速差を低減することができる。
また、前記定着ベルトの回転に合わせて、前記蛇行規制部材を回転駆動する駆動手段を備えても良い。定着ベルトとの摩擦によって蛇行規制部材を従動回転させる場合には、定着ベルトに摩擦による負荷が加わる。そのような負荷が定着ベルトに加わって、定着ベルトの変形や疲労が生じるのを避けたい場合には、蛇行規制部材を別途、回転駆動すると有効である。
この場合において、前記駆動手段は、前記定着ベルトの回転速度を検出する検出手段と、検出した定着ベルトの回転速度に合わせて前記蛇行規制部材の回転速度を調節する調速手段と、を備えるのが望ましい。
また、前記給電部材は、前記定着ローラーの回転軸方向から見て、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る第1の直線と、定着ローラーの回転中心を通り前記第1の直線に直交する第2の直線とによって区画される4つの領域のうち、前記定着ベルトの回転方向について、前記定着ニップのすぐ上流側の区画に入るように配設されているのが好適である。このようにすれば、給電部材の圧接によって定着ベルトに加わる機械的負荷を低減し、かつ、給電部材と定着ベルトとの接触状態を安定化させることができる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を備えることを特徴としている。これによって、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置の上述のような効果を奏することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。 定着装置100の主要な構成を示す一部切り欠き斜視図である。 定着ベルト200の積層構造を示す断面図である。 蛇行規制部材240の概形を示す分解図である。 蛇行規制部材240の断面図であって、(a)は定着ローラー210の回転軸に直交する平面における断面図であり、(b)は(a)の加圧方向直線B−Bにおける断面図である。 本発明の実施の形態と従来技術との間で蛇行規制部材240の配置を比較する断面図であって、(a)は電磁誘導加熱方式の定着装置に関する従来技術に係る配置、(b)は抵抗発熱体方式の定着装置に従来技術の配置を適応したもの、(c)は本実施の形態に係る配置をそれぞれ示している。 本発明の変形例に係る定着装置の主要な構成を示す断面図であって、(a)は定着ローラー210の回転軸に直交する平面における断面図であり、(b)は(a)の加圧方向直線B−Bにおける断面図である。 蛇行規制部材230の回転中心O240から定着ベルト200までの距離を例示する図であって、(a)は距離変動幅が大きい場合を示し、(b)は距離変動幅が小さい場合を示す。 蛇行規制部材240の定着ベルト200に当接する面が環状である場合の蛇行規制部材240と定着ベルト200との摺擦範囲を例示する図である。 蛇行規制部材240を回転駆動するために必要な構成を示すブロック図である。 蛇行規制部材240を回転駆動するために必要な構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 画像形成装置の構成
まず、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。画像形成装置1は、いわゆる中間転写方式のカラープリンター装置であって、図1に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)各色のトナー像を形成する作像ユニット101Y〜101Kを備えている。作像ユニット101Y〜101Kは何れも同様の構成を備えているので、作像ユニット101Yの説明を以て、作像ユニット101M〜101Kの説明に代える。画像形成時において、作像ユニット101Yは、円筒形状の感光体ドラム102の外周面を帯電装置103にて所定の電位に一様に帯電させる。次に、露光装置104は、一様に帯電した感光体ドラムの外周面に、原稿画像に応じた画像信号に従って露光が施され、静電潜像が形成される。
現像装置105は、トナーカートリッジ108Y(作像ユニット101M〜101Kにあってはそれぞれトナーカートリッジ108M〜108K)から供給されたY色のトナー(作像ユニット101M〜101KにあってはそれぞれM〜K色のトナー)を、現像バイアスを印加された現像ローラー105aによって感光体ドラム102の外周面上に供給して静電潜像を現像し、可視トナー像とする。1次転写ローラー106Y〜106Kには1次転写バイアスが印加されており、トナーを静電吸着することによって、感光体ドラム102の外周面上から中間転写ベルト110上へ可視トナー像を1次転写する。中間転写ベルト110上へ可視トナー像を1次転写した後に、感光体ドラム102の外周面に残留するトナーは清掃装置107によって除去される。
中間転写ベルト110は、2次転写対向ローラー111と従動ローラー112とに張架されている。2次転写対向ローラー111は不図示のメインモーターによって回転駆動され、中間転写ベルト110は2次転写対向ローラー111との間の摩擦力によって従動回転する。中間転写ベルト110は、矢印A方向に回転走行しながら、作像ユニット101Y〜101KからYMCK各色のトナー像を順次、重ね合わせて1次転写され、これによってカラートナー像が形成される。従動ローラー112は、回転走行する中間転写ベルト110との間の摩擦力によって従動回転する。
上と並行して、記録シートSを収容した給紙カセット120においては、ピックアップローラー121によって記録シートSが1枚ずつ送り出され、タイミングローラー115を経由して、2次転写対向ローラー111と2次転写ローラー113とが形成する2次転写ニップへと搬送される。2次転写ニップにおいては、2次転写ローラー113が、中間転写ベルト110を介して2次転写対向ローラー111に圧接されると共に、2次転写バイアスが印加されている。記録シートSは、2次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト110上に担持されるカラートナー像が静電転写(2次転写)される。
なお、タイミングローラー115は、タイミングクラッチ(図示省略)を介してメインモーターの回転駆動力が伝達されており、当該タイミングクラッチがオンオフされることによって、中間転写ベルト110上に担持されたトナー像が記録シートS上の所望の位置に転写されるように、記録シートSを搬送するタイミングを調節する。また、ピックアップローラー121からタイミングローラー115に至る記録シートSの搬送経路上にはタイミング前センサー114が配設されており、記録シートSの通過を検出する。トナー像を担持する記録シートSは、定着ループセンサー116によって通過を検出された後、定着装置100へ搬送される。
定着装置100は、抵抗発熱体方式の定着装置であって、後述するように、トナー像を加熱する定着ベルトと、定着ベルトに圧接して定着ニップを形成する加圧ローラーとを備えており、記録シートSが定着ニップに通紙されることにより、トナー像が溶融され、記録シートSに圧着される。その後、記録シートSは、排紙センサー117によって定着装置100から排出されたのを検出され、排紙ローラー130によって排紙トレイ131上に排出される。一方、2次転写後に中間転写ベルト110上に残留するトナーは矢印A方向に搬送された後、清掃装置109によって残留トナーを清掃、除去される。
制御部118は、画像形成装置1の動作を統括制御しており、不図示の通信手段によって他の装置から画像形成ジョブを受け付けると、定着装置100や作像ユニット101Y〜101K等を制御して、当該画像形成ジョブに応じた画像形成動作を実行させる。制御部118は、また、不図示の温度センサーによって画像形成装置1の機内各所の温度を監視しており、不図示の冷却ファンを制御して、画像形成装置1の機内各部の過熱を防止する。
[2] 定着装置100の構成
次に、本実施の形態に係る定着装置100の構成について説明する。
図2は、定着装置100の主要な構成を示す一部切り欠き斜視図である。図2に示されるように、定着装置100は、弾性変形可能な無端状の定着ベルト200と、定着ベルト200が遊嵌された定着ローラー210と、定着ベルト200を介して定着ローラー210に圧接された加圧ローラー220とを備えている。また、定着ベルト200は、抵抗発熱体層をジュール発熱させるために、不図示の交流電源から交流電力の供給を受ける。定着ベルト200と加圧ローラー220が圧接することによって定着ニップが形成されており、当該定着ニップに記録シートSが通紙されることによって、トナー像が熱定着される。なお、熱効率を高めるために、記録シートSは未定着トナー像を担持する面が定着ベルト200に当接するように、定着ニップに通紙される。
また、定着ベルト200の回転軸方向における両端部分は電極部201になっており、導電線(ハーネス)232を介して交流電源230に接続された給電ブラシ231が当接することによって、定着ベルト200の抵抗発熱体層(図示省略)に交流電流が通電される。なお、給電ブラシ231は、定着ベルト200の回転方向における定着ニップのすぐ上流側において定着ベルト200に当接する。これによって、回転駆動時における定着ベルト200の姿勢(定着ベルト200の変形状態)が安定する。更に、定着装置100は、定着ベルト200の蛇行を規制するために後述のような蛇行規制部材240を備えており、蛇行規制部材240は後述する規制部材ホルダーに保持されている。
定着ベルト200は、無端状のベルトであって、組立て前には円筒形状となっている一方、半径方向にある程度の外力を加えると弾性変形し、変形状態から外力の付与を停止すると自身の弾性復元力により元の状態に戻る自己形状保持可能なものが用いられている。本実施の形態においては、加圧ローラー220と給電ブラシ231とが外周面に圧接することによって、定着ベルト200は回転軸方向に直交する断面において楕円形状をとるように変形する。換言すれば、定着ベルト200は断面楕円形状の周回経路を走行する。この楕円形状は、定着ベルト200の寸法や弾性復元力の大小、加圧ローラー220や給電ブラシ231の圧接力等に応じて決定される。定着ベルト200の径方向の寸法は、例えば、外径が41[mm]で、内径が40[mm]である。
定着ベルト200は、上記の抵抗発熱体層を含んだ多層構造を有している。図3は、定着ベルト200の積層構造を示す断面図である。図3に示されるように、定着ベルト200は抵抗発熱体層301上に絶縁体層302、弾性体層303及び離型層304を順次積層した構造をとっており、回転軸方向における両端部に有する電極部201は抵抗発熱体層301に電気的に接続されている。給電ブラシ231から電極部201を介して抵抗発熱体層301に交流電流が通電され、抵抗発熱体層301がジュール発熱する。
抵抗発熱体層301は、樹脂に導電フィラーを分散させることによって所定の電気抵抗率に調整されている。樹脂材料としてはポリイミド(PI: Polyimide)、ポリフェニレンサルファイド(PPS: Polyphenylene sulfide)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK: Polyether ether ketone)等の耐熱性樹脂材料を用いるのが好適であり、これらの耐熱性樹脂材料の中ではPIが最も高い耐熱性を有している。
また、導電性フィラーとしては銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属粉末や、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル等の炭素系化合物粉末、無機化合物ではヨウ化銀(AgI)、ヨウ化銅(CuI)等の高イオン導電体粉末を用いればよく、これらのうち2種類以上を混合して分散させても良い。導電性フィラーの形状としては同一含有量でフィラーどうしの接触する確率を高くし、浸透(パーコレーション)し易くするため、繊維状が望ましい。
炭素化合物や高イオン導電体は温度が上ると体積抵抗率が低下する負の抵抗変化率(NTC: Negative Temperature Coefficient)を有しており、抵抗発熱体層301にNTC特性を付与するために用いることができる。また、高イオン導電体は抵抗発熱体層301の機械的強度を低下させないので有効である。しかしながら、炭素化合物や高イオン導電体のみでは、抵抗発熱体層301の電気抵抗率を商用電源で500[W]から1500[W]まで程度の定着装置に適した発熱量に調整することが困難なため、金属粉末を併用して、抵抗発熱体層301の電気抵抗率を調整することが望ましい。
金属粉末としては、針状やフレーク状の銀やニッケルが好ましく、粒径は0.01[μm]から10[μm]までの範囲内が良い。このようにすれば、炭素化合物や高イオン導電体と線状に絡み合うので、均一な体積抵抗率を有する抵抗発熱体層301を成形することができる。耐熱樹脂中に分散させる導電フィラーは耐熱樹脂の重量に対して金属粉末が50[重量%]から300[重量%]までの範囲内、炭素化合物及び高イオン導電体が5[重量%]から100[重量%]までの範囲内であることが好ましい。また、炭素化合物の体積分率は、20[体積%]から60[体積%]とするのが好ましい。金属粉末が多過ぎると、抵抗発熱体層301の電気抵抗率が下がり過ぎて、抵抗発熱体層301に印加される電流や電力が電源許容範囲を超えてしまい使用し辛い。逆に、少な過ぎると、抵抗発熱体層301の電気抵抗率が大きくなり過ぎて所望の電力を得ることができないので使用し辛い。
抵抗発熱体層301の厚さは、5[μm]から200[μm]程度までの範囲内が望ましい。電気抵抗率は、印加する電圧、電力、抵抗発熱体層301の厚さ、定着ベルト200の径や長さ等に応じて決定されるべきであるのは言うまでもないが、例えば、1.0×10-6[Ω・m]から1.0×10-2[Ω・m]までの範囲内とすれば良く、1.0×10-5[Ω・m]から5.0×10-3[Ω・m]までの範囲内とすれば更に好適である。尚、抵抗発熱体層301の電気抵抗率を調整するために、金属合金や金属間化合物などの導電性粒子を加えても良い。また、機械的強度を向上させるために、ガラスファイバーやウィスカー、酸化チタン(TiO2)、チタン酸カリウム(K4O4Ti)等を加えても良い。さらに、抵抗発熱体層301の熱伝導率を向上させるために窒化アルミ(AlN)やアルミナ(Al2O3)等を加えても構わない。
抵抗発熱体層301は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリイミドワニスに導電フィラーを均一分散させてから金型に塗布しイミド転化させて製造される。抵抗発熱体層301の製造安定性を考慮すれば、イミド化剤、カップリング剤、界面活性剤、消泡剤を加えると有効である。
絶縁体層302は、導電フィラーを分散させることによって強度が低下した抵抗発熱体層301を補強すると共に、抵抗発熱体層301と他の層との絶縁を確保する。このため、抵抗発熱体層301が十分な強度を備えており、かつ、抵抗発熱体層301と他の層との絶縁を確保する必要がない場合には絶縁体層302を省いても良い。絶縁体層302は、例えば、ポリイミドやポリフェニレンサルファイド等の絶縁性の樹脂からなっている。なお、絶縁体層302の材料として、抵抗発熱体層301と同種の材料を用いれば、抵抗発熱体層301との接着性を高めることができる。絶縁体層302の厚さは、5[μm]から100[μm]の範囲内であるのが望ましい。
弾性体層303は、色ごとにトナー厚が異なるカラー画像の光沢ムラを防止するための層である。弾性体層303は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性材料からなっており、厚さは100[μm]から300[μm]までの範囲内であるのが望ましい。
離型層304は、定着ベルト200の最外周に配設されており、パーフルオロアルコキシ(PFA: Perfluoroalkoxy)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE: Polytetrafluoroethylene)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE: Ethylene tetrafluoroethylene)等のフッ素系チューブ及びフッ素系コーティング等の離型性を付与した構成が望ましく、導電性の材料を用いても良い。フッ素系チューブとしては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製のPFA350−J、451HP−J、951HP Plus等の製品を利用することができる。離型層304と水との接触角は90°以上とすれば良く、110°以上とすれば更に好適である。離型層304の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.01[μm]から50[μm]までの範囲内とするのが望ましい。離型層304の厚さは、例えば、5[μm]から100[μm]までの範囲内とするのが望ましい。
電極部201は定着ベルト200の回転軸方向両端部において、定着ベルト200の全周に亘って積層されている。このような形状を採用すれば、電極部201に通電した際に、抵抗発熱体層301全体に均一な電流分布を実現することができるので、均一な発熱を得ることができる。
電極部201の材料としては、定着ベルト200の周方向に電気抵抗が均一で、かつ、電気抵抗率が低い金属が望ましく、金(Au)、銀、銅、アルミニウム、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、ニッケル、黄銅、リン青銅、ステンレス(SUS: Stainless Use Steel)等を用いれば良い。電極部201を抵抗発熱体層301に積層するに当たっては、化学メッキや電気メッキ等の方法を用いたりするのが望ましい。抵抗発熱体層301との接着性を確保するためには、抵抗発熱体層301の接着面の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.1[μm]から5[μm]までの範囲内となるように、当該接着面を予め粗面化しておくと良い。
抵抗発熱体層301に直接電極を形成する場合は化学メッキを施した後、電気メッキを施すと良い。中でも銅やニッケルが望ましく、銅の化学メッキ、電気メッキの上にニッケルメッキを施すと更に良い。また、銅箔やニッケル箔を導電性接着剤で接着しても良いし、導電性インクや導電性ペーストを塗布しても良い。リング状の金属(ステンレスやニッケル等)薄板部材をインサート成形し、一体的に構成しても良い。
さて、図2に戻って、定着ローラー210は、長尺状の芯金212の外周面上に弾性体層211が積層されて成り、定着ベルト200の周回経路(定着ベルト200が周回走行するときの走行路。以下、「ベルト周回経路」という。)の内側に配されている。
軸部としての芯金212は、例えば、軸径が18[mm]のアルミニウムやステンレス等から成る。芯金212には、厚さが0.1[mm]から10[mm]までの範囲内のパイプ状の部材を用いても良いし、中実の部材を用いても良い。また、断面が三ツ矢形状等の異型の部材を用いても良い。芯金212は、後述するように、軸方向両端において規制部材ホルダー(図示省略)に、ベアリングを介して回転自在に軸承されている。
弾性体層211には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有する材料を用いるのが望ましい。また、弾性体層211は、ソリッド材としても良いが、スポンジ状の発泡材とすれば断熱性を高めることができるので、定着装置100の熱効率を高めることができる。また、スポンジ材にソリッド材を積層した2層構造とすれば耐久性を高めることもできる。弾性体層211の厚さは、1[mm]から20[mm]までの範囲内とするのが望ましい。
定着ローラー210の外径は、定着ベルト200の内径よりも小さく、例えば、20[mm]から100[mm]までの範囲内が望ましい。また、定着ローラー210と定着ベルト200は、定着ベルトの内周面のうち定着ニップに対応する部分で接しており、定着ニップに対応する部分以外の部分においては両者間に隙間(空間)が設けられるようになっている。
このような構成をとると、定着ベルト200を定着ローラー210に密着させる場合よりも、定着ベルト200から定着ローラー210への熱の伝達箇所の面積が小さくなり、定着ベルト200から発せられる熱の一部が、定着ローラー210の芯金212を経由して、芯金212両端部から軸承部材を介して定着装置100のハウジングに伝わって逃げるといった伝熱ロスを低減して高い熱効率の実現を図ることができる。
加圧ローラー220は、長尺状の芯金223の周囲に弾性体層222を介して離型層221が積層されて成り、定着ベルト200のベルト周回経路の外側に配置されている。また、加圧ローラー220は、芯金223の軸方向両端部が、ベアリング等を介して、不図示の付勢機構に回転自在に軸承されており、当該付勢機構により付勢されて定着ベルト200の外側から定着ベルト200を介して定着ローラー210を押圧し、定着ベルト200表面との間に定着ニップNを確保する。
加圧ローラー220は、駆動モータ(不図示)からの駆動力の伝達により矢印B方向に回転駆動される。加圧ローラー220の回転に従動して、定着ベルト200が矢印C方向に沿って周回走行されると共に、定着ローラー210が矢印D方向に回転駆動される。なお、定着ローラー210を駆動側、定着ベルト200と加圧ローラー220を従動側としても良い。加圧ローラー220の外径は20[mm]〜100[mm]の範囲内が望ましい。
芯金223は、例えば、アルミニウムや鉄(Fe)等の金属から成る中空のパイプ形状で、外径は、例えば、30[mm]である。また、厚さは0.1[mm]〜10[mm]の範囲内が望ましい。なお、中実の円柱状のものや、断面形状が三ツ矢形状等のものを用いても良い。弾性体層222は、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の高い耐熱性を有するゴムや、これらの発泡材等から成り、厚さは1[mm]〜20[mm]の範囲内が望ましい。離型層221は、PFAやPFTE等のフッ素樹脂チューブやフッ素樹脂コーティング等から成り、帯電によるトナーのオフセットを防止するために導電性が付与されたものを用いてもよい。離型層221の厚さは5[μm]〜100[μm]の範囲内が望ましい。
給電ブラシ231は、例えば、寸法が縦10[mm]、横5[mm]、高さ7[mm]の直方体状のブロックであって、摺動性および導電性を有する銅黒鉛質や炭素黒鉛質等の材料から成るいわゆるカーボンブラシである。給電ブラシ231は、何れもバネ等の弾性部材によって、定着ベルト200の外周側から内周側へと向かう方向の付勢力を受け、電極部201に圧接されている。給電ブラシ231は、電極部201よりも低硬度であることが望ましい。なぜならば、摺動により給電ブラシ231から削られた摩耗粉が電極部201の外周面上に薄膜を形成することによって、より安定した給電状態を得ることができるからである。また、電極部201との接触面の形状を電極部201の外周面に沿うように陥凹させると、給電ブラシ231と電極部201との接触面積を大きくすることができるので、接触面を通過する電流密度を小さくすることができる。
[3] 蛇行規制部材240の構成
次に、蛇行規制部材240の構成について説明する。
蛇行規制部材240は、定着ベルト200の回転軸方向における両端部に当接することによって、定着ベルト200の変位(蛇行)を規制する部材であり、摺接による定着ベルト200の摩耗や破損等を低減するために、定着ローラー210とは異なる位置に回転中心を有することを特徴としている。このため、定着ベルト200の両端部に対向して、互いに鏡面対称な一対の蛇行規制部材240が配設される。
図4は、蛇行規制部材240の概形を示す分解図である。また、図5は、蛇行規制部材240の断面図であって、(a)は定着ローラー210の回転軸に直交する平面における断面図であり、(b)は(a)の加圧方向直線B−Bにおける断面図である。上述のように、加圧方向直線B−Bは、定着ローラー210の回転中心O210と、加圧ローラー220の回転中心O220とを結ぶ直線である。なお、加圧方向直線B−Bは、定着ローラー210の回転方向(周方向)における定着ニップの中心を通過する。従って、加圧方向直線B−Bは、定着ローラーの回転中心と、定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通過する直線であるとも言える。
図4、5に示されるように、一対の蛇行規制部材240は、それぞれ円筒部401、底部402及びベアリング403を有しており、例えば、金属や耐熱性の樹脂からなる部材である。
円筒部401は、定着ベルト200の回転軸方向における端部の外周面に当接して、定着ベルト200の半径方向への変位を規制する。上述のように、定着ベルト200が走行するベルト周回経路は断面楕円形状となっており、ベルト周回経路のうち当該楕円の中心から最も離れた位置において円筒部401に当接することになる。円筒部401の当接位置は、定着ベルト200の外周面に加圧ローラー220や給電ブラシ231が当接する位置からもっとも離れた位置であって、加圧ローラー220や給電ブラシ231の当接力に拮抗するように、円筒部401の当接力が定着ベルト200の外周面に作用する。これによって、定着ベルト200が走行するベルト周回経路が安定化され、定着ベルト200に対する給電ブラシ231の接触状態が良好に保たれる。
底部402は、定着ベルト200の回転軸方向における両端部に対向し、かつ、定着ベルト200の回転軸に垂直な平面部分を有している。底部402は、当該平面部分を定着ベルト200の端部に当接させることによって、定着ベルト200が回転軸方向に変位するのを規制する。また、当該平面部分が定着ベルト200の端部に摺接することによって、蛇行規制部材240が回転駆動される。
ベアリング403は、例えば、ボールベアリングであって、後述する規制部材ホルダー410が有する円筒形状の保持部411に外嵌される。これによって、蛇行規制部材240が規制部材ホルダー410に回転可能に保持される。なお、図5(a)に示されるように、蛇行規制部材240の回転軸は加圧方向直線上にはないので、図5(b)には示されていないが、円筒形状の保持部411の外周面の中心軸に一致する。
規制部材ホルダー410は、円筒形状の保持部411と板状の固定部412とを有している。保持部411の外周面と内周面とは何れも円筒面になっており、前述のように、外周面上に蛇行規制部材240のベアリング403が外嵌される。また、保持部411の内周側にはベアリング420が内嵌され、このベアリング420を介して定着ローラー210の芯金212が回転可能に支持される。
保持部411の外周面の中心軸と内周面の中心軸とは互いに異なっている。図5(a)に示されるように、給電ブラシ231は付勢手段440によって付勢され、定着ベルト200の電極部201に圧接されている。この圧接力のうち加圧方向直線に直交する方向の成分によって、定着ベルト200は、加圧方向直線について給電ブラシ231とは反対側へ膨らむように弾性変形する。また、図5(a)において、C−C線は定着ローラー210の回転中心O210を通り、加圧方向直線に直交する直線(以下、「直交直線」という。)である。定着ベルト200は、給電ブラシ231の圧接力のうち直交直線C−Cに直交する方向の成分によって、直交直線C−Cについて給電ブラシ231とは反対側へ膨らむように弾性変形する。
このように変形した定着ベルト200と摺擦する際の速度差を最小化するために、蛇行規制部材240の回転中心O240もまた加圧方向直線と直交直線C−Cとの両方について給電ブラシ231とは反対側となる位置に配されている。
図6は、本実施の形態と従来技術との間で蛇行規制部材240の配置を比較する断面図であって、(a)は電磁誘導加熱方式の定着装置に関する従来技術に係る配置、(b)は抵抗発熱体方式の定着装置に従来技術の配置を適応したもの、(c)は本実施の形態に係る配置をそれぞれ示している。なお、図6(a)〜(c)の何れにも定着ローラー210の回転軸に直交する断面が示されており、対応する部材には同じ符号が付されている。
図6(a)に示されるように、電磁誘導加熱方式の定着装置においては定着ベルト200に給電ブラシ231が圧接しないので、定着ベルト200のベルト周回経路はほぼ円形状になる。また、定着ベルト200のベルト周回経路の回転中心は、定着ローラー210の回転中心O210と加圧ローラー220の回転中心O220とを結ぶ加圧方向直線B−B上に存在する。このため、蛇行規制部材240の回転中心O240を定着ベルト200のベルト周回経路の回転中心に一致させれば、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺接位置から蛇行規制部材240の回転中心O240までの距離を一定にすることができるので、周速差を小さくすることができる。
次に、図6(b)に示されるように、抵抗発熱体方式の定着装置においては、定着ベルト200が給電ブラシ231に圧接されて、定着ローラー210の回転中心O210を原点とする第I象限へ膨出し、ベルト周回経路が概ね楕円形状にな
る。給電ブラシ231の圧接位置は第III象限である。このため、図6(a)と同
じ蛇行規制部材240を採用すると、定着ベルト200と蛇行規制部材240との定着ニップにおける摺接位置601から蛇行規制部材240の回転中心O240までの距離D601と、回転中心O240から最も遠い摺接位置602までの距離D602とが異なるので、摺接位置601、602における蛇行規制部材240の周速も互いに異なっている。
一方、ベルト周回経路上における定着ベルト200の周速は摺接位置601、602に関わらず一定であるので、定着ベルト200と蛇行規制部材240との間に周速差が生じるのを避けることができない。定着ベルト200との摩擦によって蛇行規制部材240が従動回転する場合には、蛇行規制部材240の回転中心に近い摺擦位置では定着ベルト200の方が周速が速くなり、逆に、蛇行規制部材240の回転中心に近い摺擦位置では定着ベルト200の方が周速が遅くなって、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺擦をさせることができない。このため、抵抗発熱体方式の定着装置において従来技術に係る蛇行規制部材240を採用すると、定着ベルト200と蛇行規制部材240とが摺擦して定着ベルト200の摩耗、破損等が生じる恐れがある。
これに対して、図6(c)に示されるように、本実施の形態においては、やはり給電ブラシ231の圧接位置が第III象限にある場合に、蛇行規制部材240の
回転中心O240が、定着ベルト200の膨出に合わせて、定着ローラー210の回転中心O210を原点とする第I象限内に存在している。詳述すれば、蛇行規制
部材240の回転中心O240は、概ね楕円形状となる定着ベルト200のベルト周回経路の2つの焦点の中点にある。
このような位置に蛇行規制部材240の回転中心O240を配置すれば、当該回転中心O240から定着ベルト200のベルト周回経路までの最大距離と最小距離との差を最小化することができる。蛇行規制部材240の周速はその回転中心O240からの距離に比例するので、ベルト周回経路までの距離の変動を最小化すれば、周速差を最小化することができる。したがって、蛇行規制部材240との摺擦による定着ベルト200の摩耗、破損等を抑制することができる。
また、他の従来技術として、定着ベルト200の周長を長くし、複数の定着ローラー210に定着ベルト200を張架する構成も考えられている。このような従来構成においても、複数の定着ローラー210のそれぞれに蛇行規制部材240を設けることによって定着ベルト200の蛇行を規制することはできるものの、これらの蛇行規制部材240を回転可能に支持することは装置構成が複雑になり過ぎて困難である。
このため、複数の定着ローラー210を用いる従来構成において、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺擦による問題を解決することが困難である。これに対して、本発明によれば、上述のように、定着ベルト200を支持し、その蛇行を規制するために過度に複雑な構成を採ることなく、定着ベルト200と蛇行規制部材240との周速差を最小化することによって、これらの摺擦に起因する問題を解決することができる。
さて、図5に戻って、固定部412には、貫通孔413が設けられており、定着ローラー210の芯金212の端部を迎え入れる。規制部材ホルダー410は、例えば、固定部412をネジ止めすることによって、定着装置100のハウジング500に固定され、保持される。
ベアリング420は、上述のように、規制部材ホルダー410の保持部411に内嵌されており、定着ローラー210の芯金212を規制部材ホルダー410に対して回転可能に軸承する。ベアリング420は、その定着ベルト200側において、ローラー弾性層規制部材430に当接する。
ローラー弾性層規制部材430は、リング状の部材であって、ボス部431とフランジ部432とからなっており、フランジ部432が定着ローラー210の弾性層211の両端面に当接するように、定着ローラー210の芯金121の両端部それぞれに外嵌される。定着ローラー210の弾性層211は、定着ニップにおいて加圧ローラー220の押圧力により圧縮されると、自身の弾性復元力によって両端部方向へ押し出す力を生じ、当該方向へ膨出しようとする。
その結果、弾性層211が蛇行規制部材240や規制部材ホルダー410に当接すると、弾性層211(定着ローラー210)は蛇行規制部材240や規制部材ホルダー410に対して回転自在であるので、弾性層211とこれらの部材とが摺擦して、弾性層211が削れる等の破損が生じ、弾性層211の短寿命化を招く恐れがある。また、上述の両端部方向へ押し出す力が、弾性層211と芯金212との接着層に作用し続けると、弾性層211が芯金212から剥離する恐れもある。
これに対して、定着ローラー210と一体に回転するローラー弾性層規制部材430のフランジ部432を弾性部211に当接させれば、弾性部211が蛇行規制部材240や規制部材ホルダー410に摺擦するのを防止することができる。また、弾性層211が両端部方向へ変位するのを抑制することができるので、弾性層211が芯金212から剥離するのも防止することができる。
なお、本発明によれば、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺擦を低減することができるので、定着ベルト200が摩耗することによって生じる摩耗粉を無くすることができる。このため、摩耗粉による装置内の汚染や、記録シートの汚損を無くして高品質の画像形成を実現することができる。また、摩耗粉に起因する2次災害も無くすることができる。
[4] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、内周面と外周面との間で中心軸が異なる円筒形状の保持部411を有する規制部材ホルダー410にて蛇行規制部材240を回転可能に支持することによって、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺擦を低減する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、これに代えて以下のように蛇行規制部材240を支持しても良い。
図7は、本変形例に係る定着装置の主要な構成を示す断面図であって、(a)は定着ローラー210の回転軸に直交する平面における断面図であり、(b)は(a)の加圧方向直線B−Bにおける断面図である。なお、図5に対応する部材がある場合には同じ符号が付されている。図7に示されるように、本変形例に係る定着装置は上記実施の形態に係る定着装置と概ね同様の構成を備える一方、蛇行規制部材240を支持する構造が異なっている。
すなわち、本変形例においては、蛇行規制部材240は、上記実施の形態に係る蛇行規制部材240と同様に、円筒部401及び底部402を有する一方、上記実施の形態に係る蛇行規制部材240のベアリング403に代えて被支持部711を備えている。この被支持部711において、蛇行規制部材240は3つのコロ701〜703によって回転可能に支持されている。
コロ701〜703は、蛇行規制部材240の回転軸周りに120度間隔で配設され、何れもハウジング500に対して回転可能に軸支されている。蛇行規制部材240の回転軸の位置は上記実施の形態における蛇行規制部材240の回転軸と同じ位置にある。
また、本変形例に係るホルダー410は、上記実施の形態に係る規制部材ホルダー410と同様に、ベアリング420を介して定着ローラー210の芯金212を回転可能に支持する一方、上記実施の形態に係るベアリング402が省かれているので、蛇行規制部材240とは非接触である。
このように蛇行規制部材240を支持しても、定着ベルト200の端部と蛇行規制部材240との摺擦箇所における両者の間の周速差を最小化して、定着ベルトの200の摩耗や破損等を防止することができる。
(2) 上記実施の形態においては、定着ローラー210の回転軸方向から見て、蛇行規制部材240の回転中心O240が定着ベルト200のベルト周回経路がなす楕円形の2つの焦点の中点に位置する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、当該2つの焦点を結ぶ線分上に回転中心O240が位置するように蛇行規制部材240を配設すれば、蛇行規制部材240との周速差を低減して、定着ベルト200の摩耗等を防止することができる。
また、定着ローラー210の回転中心O210と加圧ローラー220の回転中O220とを通過する加圧方向直線と、定着ローラー210の回転中心O210を通り加圧方向直線B−Bに直交する直交直線C−Cと、の何れについても給電ブラシ231とは反対側であって、定着ベルト200のベルト周回経路の内部に回転中心O240が位置するように蛇行規制部材240を配設しても一定の効果を得ることができる。
(3) 上記実施の形態においては、定着ローラー210の回転軸方向から見て、蛇行規制部材240の回転中心O240が定着ベルト200のベルト周回経路がなす楕円形の2つの焦点の中点に位置する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、定着ベルト200のベルト周回経路が楕円形から外れている場合には、当該ベルト周回経路を近似する楕円形の2つの焦点の中点に回転中心O240が位置するように蛇行規制部材240を配設しても良い。ここで、ベルト周回経路を近似する楕円形とは、ベルト周回経路に外接する円内に含まれ、かつ、ベルト周回経路に内接する円を内部に含む楕円形をいう。このようにしても、定着ベルト200の摩耗等を低減し、定着ベルト200の寿命短縮を防止することができる。
(4) 上記実施の形態においては、定着ベルト200のベルト周回経路がなす楕円形の2つの焦点の中点に回転中心O240が位置するように蛇行規制部材240を配設する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、楕円形を想定せずに蛇行規制部材240の回転中心O240の位置を決定しても良い。
例えば、蛇行規制部材240の周速は回転中心O240からの距離に比例することを考慮して、回転中心O240から定着ベルト200までの距離の最小値と最大値との差(以下、「距離変動幅」という。)が最小になるように回転中心O240の位置を決定しても良い。摺擦位置における定着ベルト200の周速は一定であるので、距離変動幅が最小になるように、回転中心O240の位置を決定すれば、摺擦位置における周速差の変動幅を最小化することができる。
図8は、回転中心O240から定着ベルト200までの距離を例示する図である。図8(a)に示されるように、最大距離Dmaxと最小距離Dminとの差である距離変動幅が大きい場合には、最大距離Dmaxに係る摺擦位置における蛇行規制部材240の最大周速Vmaxが、定着ベルト200の周速Vbeltよりもかなり大きくなる。また、最小距離Dminに係る摺擦位置における蛇行規制部材240周速の最大周速Vminは、定着ベルト200の周速Vbeltよりもかなり小さくなる。
更に、図8(a)においては、最大距離Dmaxに係る摺擦位置における定着ベルト200と蛇行規制部材240との間で接線方向の差(角度θ)が大きくなっている。すなわち、周速の方向が異なっているという意味においても、蛇行規制部材240と定着ベルト200とが摺擦する。したがって、最大距離Dmaxと最小距離Dminとの距離変動幅が大きい場合には、蛇行規制部材240との摺擦による定着ベルト200の摩耗等が発生し易くなる。
一方、距離変動幅が小さい場合には、図8(b)に示されるように、最大距離Dmaxに係る摺擦位置における蛇行規制部材240の最大周速Vmaxと、最小距離Dminに係る摺擦位置における蛇行規制部材240の最小周速Vminとの差が小さくなる。定着ベルト200に蛇行規制部材240が従動して回転する場合には、最大周速Vmaxは定着ベルト200の周速Vbeltよりも大きくなり、最小周速Vminは定着ベルト200の周速Vbeltよりも小さくなるので、蛇行規制部材240と定着ベルトとの周速差は小さくなる。したがって、距離変動幅を最小化すれば、定着ベルト200の摩耗等を低減して長寿命化を図ることができる。
なお、定着ベルト200のベルト周回経路が楕円形ならば、楕円形の長径と短径との交点に回転中心O240を配したときに距離変動幅が最小になるが、この交点は前記楕円形の2つの焦点の中点に一致する。
また、蛇行規制部材240の回転中心O240から定着ベルト200までの距離Dを定着ベルト200の全周に亘って積分すれば、定着ベルト200と摺擦する位置における蛇行規制部材240の周速の平均値を指標する値(以下、「平均指数」という。)Mを得ることができる。更に、蛇行規制部材240の回転中心O240から定着ベルト200までの距離Dから平均指数Mを差し引いて2乗した値(D−M)2を定着ベルト200の全周に亘って積分すれば、定着ベルト200と摺擦する位置における蛇行規制部材240の周速の分散値を指標する値(以下、「分散指数」という。)Sを得ることができる。この分散指数が最小になるように、回転中心O240の位置を決定すれば、摺擦位置における周速差を更に厳密に最小化することができる。
また、上記のようにして蛇行規制部材240の回転中心O240の位置を決定するに際して、定着ベルト200の全周のうちの一部に蛇行規制部材240が接触しない場合には、当該非接触位置を除外して平均指数や距離変動幅を最小化するのが望ましい。図9は、蛇行規制部材240の定着ベルト200に当接する面が環状である場合の蛇行規制部材240と定着ベルト200との摺擦範囲を例示する図である。なお、蛇行規制部材240の回転中心O240の位置は図8(a)と同じとした。
図9においては、蛇行規制部材240は環状の当接面の一部(当接範囲900)においてのみ定着ベルト200に摺擦する。このような場合には、当接範囲900についてのみ、回転中心O240から定着ベルト200までの距離変動幅が最小になるように回転中心O240の位置を決定すれば良い。蛇行規制部材240と定着ベルト200とが当接しない範囲まで考慮する必要はないからである。
なお、上述のように、蛇行規制部材240の回転中心O240を最適位置に配置しなくても、当該最適位置から一定の範囲内に回転中心O240が入るように蛇行規制部材240を配設すれば、蛇行規制部材240と定着ベルト200との摺擦位置における周速差を従来技術におけるよりも低減することができる。
図10は、従来技術よりも周速差を低減することができる回転中心O240の存在範囲を示す断面図である。図10に示されるように、蛇行規制部材240の最適な回転中心O240を中心として、当該回転中心O240から加圧方向直線B−Bまでの距離Rを半径とする円1000の内部に回転中心O240が入るように、蛇行規制部材240を配設すれば、加圧方向直線B−B上に回転中心O240がある従来技術よりも、蛇行規制部材240と定着ベルト200との周速差を低減して、摺擦力を緩和することができる。なお、円の内部とは、円全体から円周を除外した領域をいい、換言すれば、半径Rの円のうち半径R未満の同心円上である。
(5) 上記実施の形態においては、定着ベルト200の端部に摺擦することによって蛇行規制部材240が定着ベルト200に従動回転する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、定着ベルト200の回転走行に合わせて蛇行規制部材240を回転駆動しても良い。図11は、蛇行規制部材240を回転駆動するために必要な構成を示すブロック図である。図11に示されるように、定着ベルト200の外周面上には定着ベルト200の回転速度を検出するためのマークが付されている。ロータリーエンコーダー1100は、定着ベルト200の外周面に付された前記マークに検出光を照射するLED(Light Emitting Diode)とその反射光を検出する光センサーを備えており、所定時間内において反射光が明滅する回数を測定する。
反射光の明滅回数が多ければ定着ベルト200の回転速度が速く、少なければ遅いと判断されるので、ロータリーエンコーダー1100は反射光の明滅回数に応じて、モーター駆動信号を出力する。駆動モーター1101は、ロータリーエンコーダー1100が出力するモーター駆動信号に応じた回転速度で蛇行規制部材240を回転駆動する。このようにすれば、蛇行規制部材240の軸受け部等が摩耗劣化によって経年変化して、定着ベルト200との摩擦による滑らかな回転が阻害される恐れがある場合に、蛇行規制部材240を強制的に回転駆動して、摺擦による定着ベルト200の摩耗等を低減することができる。
この場合において、定着ベルト200と蛇行規制部材240との摺擦位置によって周速差が異なる場合には、全体として、周速差が最も小さくなるように、ロータリーエンコーダー1100の出力するモーター駆動信号を調節しても良い。
なお、駆動モーター1101は、加圧ローラー220の駆動源を兼ねても良い。また、この場合において、蛇行規制部材240の回転速度を調整する代わりに、加圧ローラー220の回転速度を調整しても良い。すなわち、蛇行規制部材240を一定速度で回転駆動し、これに合わせた回転速度で定着ベルト200が回転するように加圧ローラー220の回転速度を調整しても良い。このようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、加圧ローラー220の回転に合わせて定着ローラー210を回転駆動しても良い。このようにすれば、定着ベルト200による記録シートSの搬送スピードを安定化させることができるので、印字率の大小等の原因によって発生する搬送スピードの変動に起因する画像の歪みを防止することができる。
(6) 上記実施の形態においては、定着ローラー210に加圧ローラー220を圧接させることによって形成される定着ニップに記録シートを通紙してトナー像を定着する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、加圧ローラー220に代えて固定式の加圧部材を用いても同様の効果を得ることができる。
すなわち、図10における加圧方向直線B−Bを、定着ローラー210と固定式の加圧部材とが形成する定着ニップの定着ローラーの回転方向における中心と、定着ローラー210の中心O210とを通る直線と考える。そして、定着ローラー210の回転軸方向から見て、定着ベルト200のベルト周回経路を近似する楕円の2つの焦点の中点を中心として、当該中心から、定着ローラー210の回転中心O210と定着ローラー210の回転方向における定着ニップの中心とを通る加圧方向直線B−Bまでの距離を半径とする円1000の内部に、蛇行規制部材240の回転中心O240が位置するように、規制部材ホルダー410が蛇行規制部材240を保持すれば、定着ベルト200の摩耗等を低減し、定着ベルト200の寿命短縮を防止することができる。
(7) 上記実施の形態においては、蛇行規制部材240が円筒部401を有する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、定着ベルト200の蛇行を規制するという目的のみを考慮すれば、円筒部401を有さず、底部402とベアリング403のみを有する構成を採っても良い。
(8) 上記実施の形態においては、定着ベルト200の回転軸方向の両端部にそれぞれ1つずつ給電ブラシ231を当接させて給電する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、それぞれ複数個の給電ブラシ231を当接させて給電しても良い。このようにすれば、複数個の給電ブラシ231のすべてが同時に電極部201から離間することは発生し難く、常に何れかの給電ブラシ231が電極部201に当接し続けるので、スパーク放電の発生を防止して、定着ベルト200の耐久性を高め、長寿命化を図ることができる。
(9) 上記実施の形態においては、中間転写方式のカラープリンター装置に本発明を適用する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないことは言うまでも無く、中間転写方式以外の方式を用いたカラープリンター装置に本発明を適用しても良いし、モノクロプリンター装置に適用しても良い。また、現行読み取り装置を備えた複写装置や、更に通信機能を有するファクシミリ装置に本発明を適用しても良い。また、これらの機能を兼ね備えた多機能機(MFP: Multi Function Peripheral)に本発明を適用しても良い。本発明を適用する画像形成装置の如何に関わらず本発明を適用して、その効果を得ることができる。
本発明に係る定着装置及び画像形成装置は、抵抗発熱体方式の定着装置における定着ベルトの蛇行を規制する技術として有用である。
1……………………………画像形成装置
100………………………定着装置
200………………………定着ベルト
210………………………定着ローラー
212………………………芯金
220………………………加圧ローラー
231………………………給電ブラシ
240………………………蛇行規制部材
401………………………円筒部
402………………………底部
403………………………ベアリング
410………………………規制部材ホルダー
411………………………保持部
412………………………固定部
413………………………貫通孔
420………………………ベアリング
440………………………付勢手段
500………………………ハウジング
601、602……………摺接位置
701〜703……………コロ
711………………………被支持部
210、O220、O240…回転中心

Claims (11)

  1. 通電によりジュール発熱する抵抗発熱体層と、抵抗発熱体層に通電するための電極部と、を有する無端状の定着ベルトと、
    前記電極部の外周面に当接して、給電する一対の給電部材と、
    前記定着ベルトに遊挿された定着ローラーと、
    前記定着ベルトの外周面に圧接され、定着ニップを形成する加圧部材と、
    前記定着ベルトの回転軸方向における両端部に対向配設され、前記定着ベルトが回転軸方向に蛇行するのを規制する一対の蛇行規制部材と、
    前記定着ローラーとは独立して回転できるように前記蛇行規制部材を保持する規制部材ホルダーと、を備え、
    前記規制部材ホルダーは、前記定着ローラーの回転軸方向から見て、前記定着ベルトのベルト周回経路を近似する楕円の2つの焦点の中点を中心とし、前記中心から、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る直線までの距離を半径とする円の内部に、回転中心が位置するように前記蛇行規制部材を保持する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記中心に回転中心が位置するように前記蛇行支持部材を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記近似する楕円とは、前記定着ローラーの回転軸方向から見て前記定着ベルトのベルト周回経路の外接円内に含まれ、かつ、当該ベルト周回経路の内接円を含む楕円である
    ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記規制部材ホルダーは、前記蛇行規制部材の回転軸が、当該回転軸に直交する平面上、前記蛇行規制部材の径方向において、前記定着ベルトが当接する最外周位置までの距離と、ニップ位置までの距離とが等しくなる位置となるように、前記蛇行規制部材を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記定着ベルト、前記給電部材、前記定着ローラー、前記加圧部材、前記蛇行規制部材及び前記規制部材ホルダーを収容するハウジングを備え、
    前記規制部材ホルダーは、前記ハウジングの内壁面上に固定されており、
    前記定着ローラーと前記蛇行規制部材とのそれぞれを別個のベアリングを介在させて、回転可能に保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記蛇行規制部材は、外周に円筒面を有しており、
    前記規制部材ホルダーは、3つ以上のコロを前記円筒面に当接させることによって、前記蛇行規制部材を保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記蛇行規制部材は、前記定着ベルトに摺擦することによって、前記定着ベルトに従動回転する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 前記定着ベルトの回転に合わせて、前記蛇行規制部材を回転駆動する駆動手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記駆動手段は、
    前記定着ベルトの回転速度を検出する検出手段と、
    検出した定着ベルトの回転速度に合わせて前記蛇行規制部材の回転速度を調節する調速手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記給電部材は、前記定着ローラーの回転軸方向から見て、定着ローラーの回転中心と定着ローラーの回転方向における定着ニップの中心とを通る第1の直線と、定着ローラーの回転中心を通り前記第1の直線に直交する第2の直線とによって区画される4つの領域のうち、前記定着ベルトの回転方向について、前記定着ニップのすぐ上流側の区画に入るように配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  11. 請求項1から10に記載の定着装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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