JP5831188B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に、抵抗発熱体方式の定着装置を備える画像形成装置において、抵抗発熱体に給電するための電極のスパークによる黒化を検出する確度を向上させる技術に関する。
近年、簡素な装置構成で省エネルギー化を図ることができる定着装置として、抵抗発熱体方式の定着装置が注目されている。抵抗発熱体方式の定着装置においては、定着ベルト内に抵抗発熱体層と電極部とを設け、電極部に給電部材を摺接させることにより、抵抗発熱体層に通電して発熱させる構成が多く提案されている。
しかしながら、定着ベルトは外力によって弾性変形し易く、これによって給電中に定着ベルトの電極部から給電部材が離隔すると、電極部と給電部材との間でスパーク(火花放電)が発生する。このスパークによって電極部が黒化してスパーク痕(電極部の焦げ跡)が形成されると、電極部が剥離して、抵抗発熱体層への給電に支障が生じ、定着不良を招くおそれがある。また、剥離した電極部が画像形成装置内の他のユニットに接触すると、地絡が生じる危険もある。
特開2000−182786号公報
このような問題に対して、例えば、特許文献1に開示された従来技術を適用して、スパーク痕を検出することが考えられる。当該従来技術は、監視対象が放射する赤外線量の多寡を検出することによって、監視対象の状態変化(特許文献1においては、セラミックス電極の寿命。)を検出するというものである。
定着ベルトの電極部は、スパーク痕部分と他の部分とで放射される赤外線量が異なるので、放射赤外線量を監視すれば、スパーク痕の有無を判定することができる。このようにしてスパーク痕が検出された場合に、抵抗発熱体層への給電を停止すれば、定着不良や地絡等の問題を回避することができる。
しかしながら、定着ベルトの電極部からの放射赤外線量は、スパーク痕以外の原因によっても変化する。例えば、他所から飛散してきたトナーや紙粉、電極部との摩擦によって削られた給電部材の磨耗粉、或いは埃などが電極部の表面に付着しても放射赤外線量が変化する。これをスパーク痕と誤検出すると、抵抗発熱体層への給電が不必要に停止されてしまい、ユーザーの利便性が損なわれる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、定着ベルトの電極部表面に生じたスパーク痕を高い確度で検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、抵抗発熱体層を有する無端状の定着ベルトの外周面に対して、加圧部材を圧接させて形成される定着ニップに記録シートを通紙することによってトナー像を定着する定着装置であって、前記定着ベルトの軸方向における端部に周設され、前記抵抗発熱体層に電気的に接続されている電極部と、前記電極部に摺接して、前記抵抗発熱体層に給電する給電部材と、前記給電部材による給電中に、前記電極部表面から放射される赤外線量を検出する検出手段と、前記定着ベルトの一回転する前後において前記検出手段が検出した赤外線量を比較して、前記赤外線量が増加したか否かを判定する増加判定手段と、前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されたら、前記電極部と前記給電部材との間のスパーク放電を抑制するスパーク抑制手段と、を備えることを特徴とする。
スパーク痕は一旦、形成される持続的に面積を拡大させ、これに伴って放射赤外線量も増大する。従って、本発明によれば、定着ベルトの一回転の前後において赤外線の検出量が持続的に増加しているか否かを監視することによって、スパーク痕と紙粉等によるノイズとを判別して、スパーク痕を確実に検出して、電極の破損や漏電を防止することができる。
この場合において、前記スパーク抑制手段は、前記抵抗発熱体層への給電を減少させることによって前記スパーク放電を抑制するのが望ましい。
また、スパーク痕が形成される位置を予め推定することは困難であるので、前記増加判定手段は、前記電極部表面における複数の位置について、同一位置ごとに、定着ベルトの一回転の前後における赤外線量を比較するのが好適である。
また、スパーク痕は一旦、形成されると面積を持続的に増大させるので、前記増加判定手段は、前記電極部表面における複数の位置において検出された赤外線量の合計を、定着ベルトの一回転の前後において比較すれば、より的確にスパーク痕の大きさを把握することができる。
また、電極部への給電を停止すればスパーク痕の面積の拡大も停止するので、給電を停止した状態で赤外線量が増大しなければ、スパーク痕であることを更に確実に判定することができる。したがって、前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されたら、前記スパーク放電の抑制を解除する抑制解除手段を備えるのが好ましく、また、前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されなければ、前記定着ベルトの回転停止と、ユーザーへの報知との少なくとも一方を行う最終停止手段を備えれば好適である。
また、本発明に係る画像形成装置は、抵抗発熱体層を有する無端状の定着ベルトの外周面に対して、加圧部材を圧接させて形成される定着ニップに記録シートを通紙することによってトナー像を定着する定着装置であって、前記定着ベルトの軸方向における端部に周設され、前記抵抗発熱体層に電気的に接続されている電極部と、前記電極部に摺接して、前記抵抗発熱体層に給電する給電部材と、前記給電部材による給電中に、前記電極部表面から放射される赤外線量を検出する検出手段と、前記電極部表面における複数の検出位置について前記赤外線量を所定の閾値と比較して、前記定着ベルトの一回転するたびに前記赤外線量が前記閾値を越えた検出位置の数を計数する計数手段と、前記定着ベルトの回転に伴い、前記計数手段が計数した前記検出位置の数が、所定回数以上連続して増加したと判定されたら、前記電極部と前記給電部材との間のスパーク放電を抑制するスパーク抑制手段と、を備えることを特徴とする。このようにしても、スパーク痕の面積の持続的な拡大を検出することによって、スパーク痕の誤検出を回避することができる。
この場合においても、前記スパーク抑制手段が、前記抵抗発熱体層への給電を減少させることによって前記スパーク放電を抑制すれば有効である。また、前記スパーク抑制手段が前記スパーク放電を抑制するのが、前記計数された検出位置が前記電極部の周方向において連続する位置である場合に限れば、更に紙粉等による影響を排除することができる。
また、前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、所定回数以上連続して、前記計数手段によって計数された検出位置の数が増加したら、前記スパーク放電の抑制を解除する抑制解除手段を備えれば、ノイズの影響を排除して、より確実にスパーク痕を検出することができる。
また、前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、所定回数以上連続して、前記計数手段によって計数された検出位置の数が増加しなければ、前記定着ベルトの回転停止と、ユーザーへの報知との少なくとも一方を行う最終停止手段を備えれば、電極部の破損や漏電を防止して、ユーザーの安全を確保することができる。
本発明に係る画像形成装置主要な構成を示す図である。 定着装置100の主要な構成を示す一部切り欠き斜視図である。 定着装置100の主要な構成を示す断面図であって、(a)は定着ベルト201の回転軸に平行な平面による断面図であり、(b)は定着ベルト201の回転軸に直交する平面による断面図である。 定着ベルト201の構成を示す断面斜視図である。 監視制御系の主要な構成を示す図である。 制御部140の動作を表すフローチャートである。 赤外線センサー200の出力信号を例示するグラフであって、(a)はスパーク痕を検出したときのグラフを示し、(b)はスパーク痕以外を検出したときのグラフを示す。 本発明の変形例に係る制御部140の動作を示すフローチャートである。 定着ベルト201が1回転する間に赤外線センサー200の出力レベルが閾値以上であるサンプル点が検出された回数を計数するための処理を表すフローチャートである。 本発明の変形例に係る画像形成装置1における、定数N1を設定するための操作パネル132の表示を例示する図である。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 画像形成装置の構成
まず、本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置主要な構成を示す図である。画像形成装置1は、いわゆる中間転写方式のカラー画像形成装置であって、図1に示されるように、作像ユニット101Y〜101Kを備えている。作像ユニット101Y〜101Kは何れも同様の構成を備えており、円筒形状の感光体ドラム102の外周面を帯電装置103にて一様に帯電させて所定の電位とした後、その帯電領域に露光装置104によって原稿画像に応じた画像露光が施され、静電潜像が形成される。
現像装置105は、トナーカートリッジ108Y〜108Kから供給されたYMCK各色のトナーを、現像バイアスを印加された現像ローラー105aによって感光体ドラム102の外周面上に供給して静電潜像を現像し、可視トナー像とする。1次転写ローラー106には1次転写電圧が印加されており、トナーを静電吸着することによって、感光体ドラム102の外周面上から中間転写ベルト110上へ可視トナー像を1次転写する。中間転写ベルト110上へ可視トナー像を1次転写した後に、感光体ドラム102の外周面に残留するトナーは清掃装置107によって除去される。
中間転写ベルト110は、2次転写対向ローラー111と従動ローラー112とに張架されており、不図示の駆動源によって回転駆動された2次転写対向ローラー111に従動回転することによって矢印A方向に回転走行しながら、YMCK各色のトナー像を順次、1次転写される。従動ローラー112は、回転走行する中間転写ベルト110との間の摩擦力によって従動回転する。
上と並行して、記録シートSを収容した給紙カセット120においては、ピックアップローラー121によって記録シートSが1枚ずつ送り出され、2次転写対向ローラー111と2次転写ローラー113とが形成する2次転写ニップへと搬送される。2次転写ローラー113には2次転写バイアスが印加されており、2次転写ニップにおいて、中間転写ベルト110上に担持されるトナー像が記録シートSに静電転写される。
トナー像を担持する記録シートSは、抵抗発熱体方式の定着装置100へ搬送され、トナー像を熱定着される。その後、記録シートSは排紙ローラー130によって排紙トレイ131上に排出される。一方、2次転写後に中間転写ベルト110上に残留するトナーは矢印A方向に搬送された後、清掃装置109によって除去される。
操作パネル132は、液晶タッチパネル並びに入力キーを備えており、画像形成装置1のユーザーに対する情報表示を行ったり、ユーザーからの指示入力を受け付けたりする。
制御部140は、画像形成装置1の動作を統括し、ユーザーからの指示に従って、画像形成装置1に画像形成を実行させる。
[2] 定着装置100の構成
次に、定着装置100の構成について説明する。
図2は、定着装置100の主要な構成を示す一部切り欠き斜視図である。図2に示されるように、定着装置100は、弾性変形可能な無端状の定着ベルト201と、定着ベルト201が遊嵌された定着ローラー210と、定着ベルト201を介して定着ローラー210に圧接された加圧ローラー220と、定着ベルト201に発熱のための電力を供給する給電部材230と、定着ベルト201の外周面の温度を検出するサーミスター240とを有する。なお、定着装置100は、定着ベルトの蛇行を規制する蛇行規制板も備えているが、図2においては、装置構成を見易くするために、蛇行規制板の図示が省かれている。
また、図3は、定着装置100の主要な構成を示す断面図であって、(a)は定着ベルト201の回転軸に平行な平面による断面図であり、(b)は定着ベルト201の回転軸に直交する平面による断面図である。なお、図3においても、蛇行規制板の図示が省かれている。図3に示されるように、定着装置100はハウジング300を備えており、ハウジング300に固設されたベアリング301、302によって定着ローラー201、加圧ローラー220がそれぞれ軸承されている。
さて、定着ベルト201は、組立て前には円筒形状となっている一方、半径方向にある程度の外力を加えると弾性変形し、変形状態から外力の付与を停止すると自身の弾性復元力により元の状態に戻る自己形状保持可能なものが用いられている。定着ベルト201の径方向の寸法は、例えば内径が30[mm]である。定着ベルト201の構成については後に詳述する。
定着ローラー210は、長尺状の芯金212の外周面上に弾性層213が積層されて成り、定着ベルト201の周回経路(定着ベルト201が周回走行するときの走行路。以下、「ベルト周回経路」という。)の内側に配される。軸部としての芯金212は、例えば、軸径が18[mm]のアルミニウム(Al)やステンレス(SUS: Steel Use Stainless)等から成る。弾性層213は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム、もしくはその発泡材から成り(これらを積層させる場合もある)、厚さは、例えば5[mm]である。
定着ローラー210の外径は、定着ベルト201の内径よりも小さく(例えば、28[mm])、定着ローラー210と定着ベルト201は、定着ニップNで接して、定着ニップN以外の部分においては両者間に隙間(空間)が設けられるようになっている。
このような構成をとると、定着ベルト201が定着ローラー210に密着する構成よりも、定着ベルト201から定着ローラー210への熱の伝達箇所の面積が小さくなり、定着ベルト201から発せられる熱の一部が定着ローラー210の芯金212を経由して、芯金212両端の軸部211をベアリング301にて回転自在に軸承する定着装置100のハウジング300に伝わって逃げるといった伝熱ロスを低減して高い熱効率の実現を図ることができる。
加圧ローラー220は、長尺状の芯金222の周囲に弾性層223を介して離型層224が積層されて成り、ベルト周回経路の外側に配置されている。また加圧ローラー220は、不図示の付勢機構により付勢されて定着ベルト201の外側から定着ベルト201を介して定着ローラー210を押圧し、定着ベルト201表面との間に定着ニップNを確保する。加圧ローラー220の外径は20[mm]〜100[mm]の範囲内が望ましく、本実施の形態では35[mm]である。
芯金222は、例えばアルミニウムや鉄(Fe)等から成る中空のパイプ形状で、外径は、例えば、30[mm]である。また、厚さは0.1[mm]〜10[mm]の範囲内が望ましく、本実施の形態においては2[mm]である。なお、中実の円柱状のものや、断面形状が三ツ矢形状等のものを用いてもよい。
弾性層223は、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有するゴムや、これらの発泡材等から成り、厚さは1[mm]〜20[mm]の範囲内が望ましく、本実施の形態においては2.5[mm]とした。
離型層224は、PFA(Per Fluoro Alkoxy)やPFTE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)等のフッ素樹脂チューブやフッ素樹脂コーティング等から成り、帯電によるトナーのオフセットを防止するために導電性が付与されたものを用いてもよい。離型層224の厚さは5[μm]〜100[μm]の範囲内が望ましく、本実施の形態においては20[μm]である。
定着ローラー210は、芯金212の軸方向両端の軸部211が定着装置100のハウジング300にベアリング301を介して回転自在に軸承されている。同様に加圧ローラー220も、芯金222の軸方向両端の軸部221がハウジング300にベアリング302を介して回転自在に軸承されている。
加圧ローラー220は、駆動モータ(不図示)からの駆動力の伝達により矢印A方向に回転駆動される。加圧ローラー220の回転に従動して、定着ベルト201が矢印B方向に沿って周回走行されると共に、定着ローラー210が同方向に回転駆動される。なお、定着ローラー210を駆動側、定着ベルト201と加圧ローラー220を従動側としても良い。
定着ベルト201の外周面上の定着ローラー210の軸方向(以下、「ローラー軸方向」という。)における通紙領域を挟む両端部の外周面には全周に亘って電極部202が設けられており、一対の給電部材230が定着ベルト201の外側から内側へと向かう方向の付勢力を受けて、それぞれ電極部202に圧接されている。電極部202に対向して赤外線センサー200が設けられており、電極部202の外周面から放射される赤外線量に応じた電圧信号を出力する。赤外線センサー200の出力信号はA/D(Analogue to digital)変換され、制御部140によって読み取られる。
給電部材230は、大きさが例えば、縦10[mm]、横5[mm]、高さ7[mm]の直方体状のブロックであって、摺動性および導電性を有する銅黒鉛質や炭素黒鉛質等の材料から成るいわゆるカーボンブラシであり、それぞれ導電線(ハーネス)231を介して電源232に電気的に接続されている。給電部材230は、電極部202との摩擦によって従動回転する回転体であっても良い。
なお、定着ローラー210の回転軸方向両端部においては、蛇行規制板が軸部211に取着されている。蛇行規制板は定着ローラー210と共に回転して、定着ベルト201の蛇行を規制する。
[3] 定着ベルト201の構成
次に、定着ベルト201の構成について説明する。
図4は、定着ベルト201の構成を示す断面斜視図である。図4中、一点鎖線は軸部211の中心線を示しており、中心線から下は図示を省略した。また、図4は定着ベルト201の回転軸方向の一方の端部に着目した図であるが、他方の端部においても定着ベルト201は同様の構成を備えている。なお、図を見易くするために、各部材の寸法は本実施の形態において例示する寸法とは異なっている。
図4に示されるように、定着ベルトは絶縁層401上に抵抗発熱体層402、弾性層403及び離型層404を順次積層してなっている。また、定着ローラー210の回転軸方向、弾性層403の外側には電極部202が抵抗発熱体層402上に取着されている。
抵抗発熱体層402は電極部202から給電を受けて、ジュール熱を発生させる。抵抗発熱体層402は、樹脂に導電性フィラーを分散させることにより所定の電気抵抗率に調整されている。樹脂材料としてはPI(Poly imide)、PPS(Poly phenylene sulfide)、PEEK(Poly ether ether ketone)等の耐熱樹脂を用いるのが望ましく、これらの中ではPIが最も高い耐熱性を有している。
また、導電性フィラーとしては銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属粉末や、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル等の炭素系化合物粉末、ヨウ化銀(AgI)、ヨウ化銅(CuI)等の高イオン導電体粉末を用いればよく、これらのうち2種類以上混合して分散させても良い。導電性フィラーの形状としては同一含有量でフィラーどうしの接触する確率を高くし、パーコレーションし易くするため、繊維状が望ましい。
炭素化合物や高イオン導電体は温度が上ると体積抵抗率が低下する負の抵抗変化率(NTC: Negative Temperature Coefficient)を有しており、抵抗発熱体層402にNTC特性を付与するために用いることができる。また、高イオン導電体は抵抗発熱体層402の機械的強度を低下させないので有効である。しかしながら、炭素化合物や高イオン導電体のみでは、抵抗発熱体層402の電気抵抗率を商用電源で500[W]〜1500[W]程度の定着装置に適した発熱量に調整することが困難なため、金属粉末を併用して、抵抗発熱体操402の電気抵抗率を調整することが望ましい。
金属粉末としては、針状やフレーク状の銀やニッケルが好ましく、粒径は0.01[μm]〜10[μm]が良い。このようにすれば、炭素化合物や高イオン導電体と線状に絡み合うので、均一な体積抵抗率を有する抵抗発熱体層402を成形することができる。耐熱樹脂中に分散させる導電フィラーは耐熱樹脂重量に対して金属粉末が50[重量%]〜300[重量%]、炭素化合物及び高イオン導電体が5[重量%]〜100[重量%]であることが好ましい。金属粉末が多過ぎると、抵抗発熱体層402の電気抵抗率が下がり過ぎて使用し辛い。逆に、少な過ぎると、抵抗発熱体層402の電気抵抗率が大きくなり過ぎて使用し辛い。
抵抗発熱体層402の厚さは、5[μm]〜100[μm]程度が望ましい。電気抵抗率は、印加する電圧、電力、及び抵抗発熱体層402の厚さ、定着ベルト201の径や長さ等に応じて決定されるべきであるのは言うまでもないが、例えば、1.0×10-6[Ω・m]〜1.0×10-2[Ω・m]の範囲内とすれば良く、1.0×10-5[Ω・m]〜1.0×10-3[Ω・m]の範囲内とすれば更に好適である。尚、抵抗発熱体層402の電気抵抗率を調整するために、金属合金や金属化合物などの導電性粒子を加えても良い。また、機械的強度を向上させるために、ガラスファイバーやウィスカー、酸化チタン、チタン酸カリウム等を加えても良い。さらに、熱伝導率の向上のために窒化アルミ、アルミナ等を加えても構わない。
抵抗発熱体層402は芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリイミドワニスに導電フィラーを均一分散させてから金型に塗布しイミド転化させて製造する。抵抗発熱体層402の製造安定性を考慮すれば、イミド化剤、カップリング剤、界面活性剤、消泡剤を加えると有効である。
離型層404は、定着ベルト201の最外周に配設されており、PFA、PTFE、ETFE(Ethylene tetra fluoro ethylene)等のフッ素系チューブ及びフッ素系コーティング等の離型性を付与した構成が望ましく、導電性の材料を用いても良い。フッ素系チューブとしては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製のPFA350−J、451HP−J、951HP Plus等の製品を利用することができる。離型層404と水との接触角は90°以上とすれば良く、110°以上とすれば更に好適である。
離型層404の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.01[μm]〜50[μm]の範囲内とするのが望ましい。離型層404の厚さは、例えば、5[μm]〜100[μm]の範囲内とするのが望ましい。また、離型層404は、シリコーンゴムやフッ素ゴムの弾性層にPIやPPS等の樹脂を積層することによって補強、絶縁した3層以上の構成としてもよい。
電極部202は定着ベルト201の回転軸方向両端部において、定着ベルト201の全周に亘って積層されている。このような形状を採用すれば、電極部202に通電した際に、抵抗発熱体層402全体に均一な電流分布を実現することができるので、均一な発熱を得ることができる。
電極部202の材料としては電気抵抗率が低い金属が望ましく、銅、アルミニウム、黄銅、リン青銅などを用いれば良い。電極部202を抵抗発熱体層402に積層するに当たっては、化学メッキや電気メッキ等の方法を用いたりするのが望ましい。抵抗発熱体層402に直接電極を形成する場合は化学メッキを施した後、電気メッキを施すと良い。中でもCuやNiが望ましく、Cuの化学メッキ、電気メッキの上にNiメッキを施すと更に良い。またCuやNi箔を導電性接着剤で接着しても良いし、導電性インクやペーストを塗布しても良い。
このようにすれば、抵抗発熱体層402に均一な電流を流すことができるので、発熱分布を均一にすることができる。また、抵抗発熱体層402を定着ベルト201の内周側に配設する場合でも、電極部202を外周側に露出するように配置するので、複雑な構成を用いることなく、抵抗発熱体層402に給電することができる。従って、定着装置100の耐久性を高めることができる。
定着ベルト201の両端部の外側には、蛇行規制部材401が配設されており、定着ベルト201が蛇行するのを防止することができる。
絶縁層401は、PI、PPS、PEEK等の耐熱性絶縁樹脂からなっており、厚さは5[μm]〜100[μm]の範囲内であるのが望ましい。絶縁層401の外周面はすべて抵抗発熱体層402にて覆われている。
定着ベルト201と加圧ローラー220がなす定着ニップNに記録シートが通紙されると、定着ベルト201の通紙された部分の温度は低下する。サーミスター204が温度低下を検出すると定着ベルト201が加熱されるので、定着ベルト201の通紙領域は定着温度に維持されるが、非通紙通紙領域は記録シートに熱を奪われていないので過昇温してしまう。
これに対して、抵抗発熱体層402の材料として炭素化合物や高イオン導電体を用いれば、そのNTC特性により、過昇温が生じた領域では電気抵抗値が低下して、発熱量が低下するので過昇温が抑制される。特に、高イオン導電体としてAgIやCuIを用いた場合、相転移温度を超えると急激に電気抵抗値が低下するので、過昇温の防止効果がより顕著である。相転移温度は、AgIであれば通常147℃である一方、AgIまたはCuIではその粒径に依存して異なり、粒径が小さいほど低温になる。したがって、粒子径を調整することによって定着温度に合った相転移温度を得ることができる。
特に、粒径を小さくしたい場合には、硝酸銀(AgNO3)水溶液、ヨウ化ナトリウム(NaI)水溶液及び銀イオン伝導性の誘起ポリマーであるPVP(poly-N-vinyl-2-pyrrolidone)の水溶液を、常温常圧下で混合し、ろ過、乾燥するといった簡便な方法で粒子を合成すれば良い。また、溶液の濃度や混合手順を変えることで10nm〜50nmの範囲で異なるサイズのナノ粒子を作ることができる。
また、定着ベルト201と加圧ローラー220との回転駆動については、何れを従動回転させても良いし、また双方をモーター等の駆動源にて回転させても良い。
[4] 監視制御系の構成
次に、定着ベルト201を監視し、電極部202のスパーク痕(黒化箇所)の大きさに応じて、抵抗発熱体層402への給電量を制御するための仕組みについて説明する。
図5は、監視制御系の主要な構成を示す図である。図5に示される監視制御系5は、制御部140、定着装置100及び低圧電源装置500からなっている。制御部140はCPU(Central Processing Unit)511、ROM(Read Only Memory)512及びRAM(Random Access Memory)513を備えている。CPU511は、電源投入時に自動的にリセットされた後、ROM512から制御プログラムを読み出すと、RAM513を作業用記憶領域として、当該制御プログラムに従って動作する。
低圧電源装置500は、交流電源501とトライアック502とを備えている。交流電源501は抵抗発熱体層402に交流電力を供給する。トライアック502は、CPU511による制御の下、交流電源501から抵抗発熱体層402への給電をオンオフする。CPU511は、赤外線センサー200が検出する電極部202からの赤外線量を定期的に参照して、赤外線量が増加しているか否かを判定し、トライアック502を制御する。
なお、赤外線センサー200が出力するアナログ信号はA/D(Analogue to Digital)変換器を経由してCPU511に入力されるが、これに代えて、赤外線センサー200自体が検出赤外線量をデジタル出力しても良い。CPU511からトライアック502への指示出力についても、トライアック502の仕様によって、デジタル入力しても良いし、D/A(Digital to Analogue)変換器を経由しても良い。
[5] 制御部140の動作
次に、制御部140の動作について説明する。
給電部材230との間でスパーク放電が発生することによって電極部202の外周面上にスパーク痕が形成されると、その箇所においては電気抵抗が大きくなり、事実上、通電することができなくなる。すると、給電部材230から電極部202に給電する際にスパーク痕を避けて電流が流れるようになって、スパーク痕の周辺における電流密度が高くなる。このため、電極部202のスパーク痕周辺において異常昇温が発生し、スパーク痕周辺も焦げると、スパーク痕の面積が拡大する。
すなわち、スパーク痕は一旦、形成されると当該箇所に給電される毎に拡大するという特徴を有している。一方、電極部202に紙粉等が付着しても、その付着量が継続して増大することはない。このため、定着ベルト201が一回転するたびに赤外線センサー200によって検出された赤外線量を監視して、増大し続けるか否かを判定すれば、スパーク痕か否かを判定することができる。
このため、制御部140は、定着ベルト201が一回転する毎に所定回数だけ赤外線センサー200の検出量をサンプリングする。
また、本実施の形態においては、スパーク痕が形成されている可能性があると判定するまでをスパーク痕の探索フェーズとし、一旦、スパーク痕が形成されている可能性があると判定されたら、給電部材230から電極部202への給電を停止して、赤外線量が増大し続けていないことを確認する確認フェーズを実行する。これによって、更に、確実にスパーク痕を検出することができる。
図6は、制御部140の動作を表すフローチャートである。図6に示されるように、制御部140は、まず、定着ベルト201が一回転する間の赤外線センサー200の検出量の合計量を変数Aに格納する(S601)。変数A並びに後述の変数Bは赤外線センサー200の合計検出量を一時的に格納するための変数であって、変数Aには定着ベルト201の前の1周分の合計検出量が格納され、変数Bには次の1周分の合計検出量が格納される。
次に、変数Countを0に初期化する(S602)。変数Countは、探索フェーズにおいては、合計検出量が引き続いて増大した回数(定着ベルト201の回転回数)を記録するための変数である。また、確認フェーズにおいては、合計検出量が変動しなかった回数(定着ベルト201の回転回数)が変数Countに記録される。
制御部140は、定着ベルト201の次の1周分の合計検出量を変数Bに格納する(S603)。そして、今回の合計検出量Bが前回の合計検出量Aよりも多くなければ(S604:NO)、スパーク痕が形成された可能性はないので、変数Bの値を変数Aに退避して(S605)、ステップS602へ戻って、次の合計検出量を記録する。
今回の合計検出量Bが前回の合計検出量Aよりも多ければ(S604:YES)、スパーク痕が形成された可能性があるので、変数Bの値を変数Aに退避して(S606)、変数Countの値を1だけ増大させる(S607)。変数Countの値が定数N1に満たなければ(S608:YES)、ステップS603に進んで上記の処理を繰り返す。なお、本実施の形態において、定数N1は5としたが、電極部202の材質や給電電圧等を勘案して定数N1を他の値に調整しても良い。
変数Countの値が定数N1に達したら(S608:NO)、給電部材230から電極202への給電を停止して(S609)、スパーク痕の面積が拡大しないようにして、探索フェーズから確認フェーズへと移行する。
確認フェーズでも、制御部140は、まず、変数Countの値を0に初期化してから(S610)、定着ベルト201の次の1周分の合計検出量を変数Bに格納する(S611)。そして、今回の合計検出量Bと前回の合計検出量Aとの差が誤差ε以上ならば(S612:NO)、給電を停止した状態でスパーク痕は拡大し得ず、スパーク痕が形成された可能性はないので、変数Bの値を変数Aに退避して(S605)、ステップS602へ戻って、再び探索フェーズを開始する。
今回の合計検出量Bと前回の合計検出量Aとの差が誤差εより小さければ(S612:YES)、給電停止によってスパーク痕の拡大も止まるので、スパーク痕を検出した可能性がある。そこで、変数Bの値を変数Aに退避して(S613)、変数Countの値を1だけ増加させる(S614)。変数Countの値が定数N2未満ならば(S615:YES)、ステップS611に進んで、更に合計検出量を監視する。
変数Countの値が定数N2に達したら(S615:NO)、スパーク痕が形成されていることが確定したと判断されるので、定着ベルト201の回転を停止すると共に(S616)、操作パネル132において画像形成装置1のユーザーに対してスパーク痕が形成されたために定着処理を停止した旨の警告表示を行って(S617)、処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、定数N1、N2を何れも5とした。また、定数εは赤外線センサー200の検出誤差に相当する定数であって、変数A、Bの差がε未満である場合には、変数A、Bは実質上同じ値をとっているとみなすことができる。
図7は、赤外線センサー200の出力信号を例示するグラフであって、(a)はスパーク痕を検出したときのグラフを示し、(b)はスパーク痕以外を検出したときのグラフを示す。なお、何れのグラフにおいても、縦軸は赤外線センサー200の出力レベルを表し、横軸は経過時間を表している。また、定着ベルト201が一回転する間に、制御部140は赤外線センサー200の出力を6回だけ参照する。
図7(a)に示されるように、電極部202にスパーク痕が形成される過程において赤外線センサー200の出力は、例えば、定着ベルト201の回転の1周目においては、6つのサンプリング点の何れにおいても赤外線センサー200の出力レベルがV0になっており、スパーク痕がまったく形成されていないことがわかる。定着ベルト201の回転の2周目においては、出力レベルがV2のサンプリング点が1つ検出されている。
また、2周目においては、このサンプリング点の出力レベルまでV3に上昇する他、隣接するサンプリング点においてもV3に近い出力レベルが検出されている。さらに、3周目においては、2周目までに出力レベルの上昇が検出されたサンプリング点において更なる出力レベルの上昇が検出され、かつ、隣接する第3のサンプリング点においても、出力レベルの上昇が検出されている。
したがって、図7(a)のグラフにおいては、定着ベルト201の回転の1周目から4周目にかけて、毎周、赤外線センサー200による出力レベルの合計値が増加している。このような増加が10周に亘って継続すると、最初の5周でスパーク痕が検出され、後の5周で検出された赤外線センサー200の出力がスパーク痕によるものであることが確認される。
一方、スパーク痕以外の原因、すなわち、紙粉等によって赤外線センサー200の出力が増加する場合には、例えば、図7(b)に示されるように、定着ベルト201の回転の1周目にはすべてのサンプル点において出力レベルがV0になっており、2周目には出力レベルV1のサンプル点が検出され、3周目には、当該サンプル点の出力レベルがV3まで上昇するとともに、隣接するサンプル点でも出力レベルがV3近くまで上昇している。しかしながら、4周目には、何れのサンプル点においても出力レベルが低下しており、V0以外の出力レベルが認められるサンプル点は1つだけになっている。
スパーク痕が形成された場合には、このような出力低下は発生し得ないので、スパーク痕以外の原因によって出力レベルが上昇したものと判断される。このように、赤外線センサー200の出力レベルの経時的変化を監視することによって、スパーク痕とスパーク痕以外とを判別することができる。また、一旦、スパーク痕が形成された判断した後も、継続して赤外線センサー200の出力レベルを監視すれば、紙粉等が付着して出力レベルが上昇した場合には、当該紙粉等が脱落して出力レベルが低下することによって出力レベルが低下して、スパーク痕でないことが確認され得る。このようにすれば、抵抗発熱体層402への給電を再開すれば、定着処理を再開して、ユーザーの利便性を高めることができるので有効である。
[6] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、定着ベルト201が一回転する間に検出される赤外線センサー200の出力レベルの合計の増減を監視することによって、スパーク痕の形成の有無を判定する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
図8は、本変形例に係る制御部140の動作を示すフローチャートである。図8に示されるように、制御部140は、まず、定着ベルト201が一回転する間において赤外線センサー200の出力レベルが閾値以上であるサンプル点の数(以下、単に「検出数」という。)を変数Aに格納する(S801)。変数A並びに後述の変数Bは検出数を一時的に格納するための変数であって、変数Aには定着ベルト201の前の1周分の検出数が格納され、変数Bには次の1周分の検出数が格納される。
図9は、1周分の検出数を計数するための処理を表すフローチャートである。図9に示されるように、まず、1周分のサンプル点数を計数するための変数Sampleを0に初期化し(S901)、検出数を一時的に格納するための変数Numberも0に初期化する(S902)。また、検出数を記録するための変数Recordも0に初期化する(S903)。次に、赤外線センサー200の出力を参照して、その出力レベルをテンポラリ変数Aに格納する(S904)。
出力レベルが閾値(例えば、出力レベルV2)未満ならば(S905:NO)、変数Numberの値と変数Recordの値とを比較して、変数Number
の値の方が大きければ(S907:YES)、変数Numberの値を変数Recordに格納する(S908)。ステップS908の処理の後、並びに変数Numberの値が変数Recordの値以下である場合には(S907:NO)、変数Numberの値を0にする(S909)。
ステップS906及びステップS909の処理の後、変数Sampleの値を1だけ増加させ(S910)、変数Sampleの値が定数Ns(定着ベルト201の1周分のサンプリング点の個数。)に満たなければ(S911:YES)、ステップS904へ進んで上記の処理を繰り返す。変数Sampleの値が定数Nsに達したら(S911:NO)、処理を終了して上位ルーチンに復帰する。
図8に戻って、次に、変数Countを0に初期化する(S802)。変数Countは、探索フェーズにおいては、検出数が引き続いて増大した回数(定着ベルト201の回転回数)を記録するための変数である。また、確認フェーズにおいては、検出数が変動しなかった回数(定着ベルト201の回転回数)が変数Countに記録される。
制御部140は、定着ベルト201の次の1周分の検出数を変数Bに格納する(S803)。そして、今回の検出数Bが前回の検出数Aよりも多くなければ(S804:NO)、スパーク痕が形成されている可能性はないので、変数Bの値を変数Aに退避して(S805)、ステップS802へ戻って、次の検出数を記録する。
今回の検出数Bが前回の検出数Aよりも多ければ(S804:YES)、スパーク痕が形成されている可能性があるので、変数Bの値を変数Aに退避して(S806)、変数Countの値を1だけ増大させる(S807)。変数Countの値が定数N1に満たなければ(S808:YES)、ステップS803に進んで上記の処理を繰り返す。なお、本変形例においても、定数N1は5としたが、電極部202の材質や給電電圧等を勘案して定数N1を他の値にしても良い。
変数Countの値が定数N1に達したら(S808:NO)、給電部材230から電極202への給電を停止して(S809)、スパーク痕の面積が更に拡大しないようにして、探索フェーズから確認フェーズへと移行する。
確認フェーズでも、制御部140は、まず、変数Countの値を0に初期化してから(S810)、定着ベルト201の次の1周分の検出数を変数Bに格納する(S811)。そして、今回の検出数Bと前回の検出数Aとが異なっていたら(S812:NO)、給電を停止した状態でスパーク痕は拡大し得ず、スパーク痕が形成された可能性はないので、変数Bの値を変数Aに退避して(S805)、ステップS802へ戻って、再び探索フェーズを開始する。
今回の検出数Bと前回の検出数Aとが等しければ(S812:YES)、給電停止によってスパーク痕の拡大も止まるので、スパーク痕を検出した可能性がある。そこで、変数Bの値を変数Aに退避して(S813)、変数Countの値を1だけ増加させる(S814)。変数Countの値がN2未満ならば(S815:YES)、ステップS811に進んで、更に合計検出量を監視する。
変数Countの値がN2に達したら(S815:NO)、スパーク痕が形成されていることが確定したと判断されるので、定着ベルト201の回転を停止すると共に(S816)、操作パネル132において画像形成装置1のユーザーに対してスパーク痕が形成されたために定着処理を停止した旨の警告表示を行って(S817)、処理を終了する。
このようにしても、紙粉等によるノイズとスパーク痕とを判別することができるので、スパーク痕を確実に検出することができる。また、上記実施の形態に示したスパーク痕の存否判定方法と、本変形例に係る方法とを併用して、何れか一方においてスパーク痕である旨が確認されたら、
(2)上記実施の形態、並びに変形例においては、スパーク痕である可能性がある赤外線センサー200の出力レベルの変化を検出したら、一旦、給電を停止してから(S609、S809)、更に確認を行う場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、給電を停止する代わりに、スパーク放電が発生しない程度に給電量を減少させても良い。
このようにしても、スパーク痕の面積の拡大を抑えることができるので、スパーク痕か否かの確認を行うことができる。また、給電を停止しないので、定着ベルト201の温度低下を防止することができるので、スパーク痕でないことが確認され、定着処理を再開する際のウォームアップ時間を短縮することができる。
なお、スパーク痕であると確認された場合には、定着ベルト201の回転停止や操作パネル132による警告表示と併せて給電を停止すべきであることは言うまでもない。
(3)上記実施の形態においては、定数N1、N2の値を5とする場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、電極部202の材質や給電電圧等を勘案して定数N1を他の値に調整しても良い。
また、定数Nsについては、スパーク痕の検出精度を向上させるためには多いほうが望ましいのは言うまでもないが、サンプリング点が多いほど制御部140の処理負荷が大きくなるので、無制限に増大させることは現実的ではない。また、定着ベルト201の周長の大小や、赤外線センサー200の検出精度の制約もあるので、定数Nsを決定するためには、これらの条件を勘案すべきである。
定数εについては、赤外線センサー200の検出精度よりも細かくすると、変数A、Bが実質上同じ値をとっているか否かが、赤外線センサー200の検出誤差に左右されてしまう。また、赤外線センサー200の検出位置についても厳密に一致させることには限界があり、同値性の判定を左右するおそれがある。このため、定数εは上のような誤差に起因する判定の不安定性を回避できる程度の値とするのが望ましい。
また、画像形成装置の経時変化や環境条件の変化等に寄らずに、スパーク痕の判定確度を向上させるためには、様々な条件に応じて上記の定数を設定し直すほうが望ましい。図10は、定数N1を設定するための操作パネル132の表示を例示する図である。図10に示されるように、操作パネル132は液晶タッチパネル部1001とテンキー部1002とを備えている。
画像形成装置1のユーザーは、液晶タッチパネル部1001の表示に従って操作することによって、電極異常判定フローのループ回数(定数N1)を設定するための画面を表示させることができる。制御部140は、当該画面が表示された状態において、テンキー1002から定数N1の値を受け付けて不揮発性の記憶装置に設定値を記憶し、スパーク痕の判定に用いる。他の定数についても同様にすることができる。
このようにすれば、上述の諸条件の変化に対応して定数を設定し直すことができるので、スパーク痕の検出確度を更に向上させることができる。
(4)上記実施の形態においては、中間転写方式のカラー画像形成装置を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、中間転写方式以外のカラー画像形成装置に本発明を適用しても良いし、モノクロ画像形成装置に適用しても良い。また、画像形成装置が、プリンタ装置や複写装置、ファクシミリ装置等の単機能機であるか、これらの機能のうちの複数を兼ね備えた多機能機(MFP: Multi Function Peripheral)であるかに関わらず本発明の効果を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置は、抵抗発熱体方式の定着装置において、抵抗発熱体に給電するための電極のスパークによる黒化を検出する確度を向上させた画像形成装置として有用である。
1………画像形成装置
100…定着装置
132…操作パネル
140…制御部
200…赤外線センサー
201…定着ベルト
202…電極部
210…定着ローラー
220…加圧ローラー
230…給電部材
402…抵抗発熱体層

Claims (11)

  1. 抵抗発熱体層を有する無端状の定着ベルトの外周面に対して、加圧部材を圧接させて形成される定着ニップに記録シートを通紙することによってトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの軸方向における端部に周設され、前記抵抗発熱体層に電気的に接続されている電極部と、
    前記電極部に摺接して、前記抵抗発熱体層に給電する給電部材と、
    前記給電部材による給電中に、前記電極部表面から放射される赤外線量を検出する検出手段と、
    前記定着ベルトの一回転する前後において前記検出手段が検出した赤外線量を比較して、前記赤外線量が増加したか否かを判定する増加判定手段と、
    前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されたら、前記電極部と前記給電部材との間のスパーク放電を抑制するスパーク抑制手段と、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記スパーク抑制手段は、前記抵抗発熱体層への給電を減少させることによって前記スパーク放電を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記増加判定手段は、前記電極部表面における複数の位置について、同一位置ごとに、定着ベルトの一回転の前後における赤外線量を比較する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記増加判定手段は、前記電極部表面における複数の位置において検出された赤外線量の合計を、定着ベルトの一回転の前後において比較する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されたら、前記スパーク放電の抑制を解除する抑制解除手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、前記定着ベルトの回転に伴い、前記増加判定手段によって所定回数以上連続して、前記赤外線量が増加したと判定されなければ、前記定着ベルトの回転停止と、ユーザーへの報知との少なくとも一方を行う最終停止手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 抵抗発熱体層を有する無端状の定着ベルトの外周面に対して、加圧部材を圧接させて形成される定着ニップに記録シートを通紙することによってトナー像を定着する定着装置であって、
    前記定着ベルトの軸方向における端部に周設され、前記抵抗発熱体層に電気的に接続されている電極部と、
    前記電極部に摺接して、前記抵抗発熱体層に給電する給電部材と、
    前記給電部材による給電中に、前記電極部表面から放射される赤外線量を検出する検出手段と、
    前記電極部表面における複数の検出位置について前記赤外線量を所定の閾値と比較して、前記定着ベルトの一回転するたびに前記赤外線量が前記閾値を越えた検出位置の数を計数する計数手段と、
    前記定着ベルトの回転に伴い、前記計数手段が計数した前記検出位置の数が、所定回数以上連続して増加したと判定されたら、前記電極部と前記給電部材との間のスパーク放電を抑制するスパーク抑制手段と、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記スパーク抑制手段は、前記抵抗発熱体層への給電を減少させることによって前記スパーク放電を抑制する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記スパーク抑制手段が前記スパーク放電を抑制するのは、前記計数された検出位置が前記電極部の周方向において連続する位置である場合に限る
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、所定回数以上連続して、前記計数手段によって計数された検出位置の数が増加したら、前記スパーク放電の抑制を解除する抑制解除手段を備える
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  11. 前記スパーク抑制手段によって前記スパーク放電を抑制した後、所定回数以上連続して、前記計数手段によって計数された検出位置の数が増加しなければ、前記定着ベルトの回転停止と、ユーザーへの報知との少なくとも一方を行う最終停止手段を備える
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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