JP2011253055A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着ローラ210に遊嵌され、トナー像を記録シートに融着する定着ベルト201と、定着ベルト210の蛇行を防止する蛇行規制部材301と、を備える定着装置において、定着ベルト201に、通電によって発熱する無端ベルト状の抵抗発熱体層402と、何れも抵抗発熱体層402の外周面上に全周に亘って取着され、抵抗発熱体に通電するための電流を受電する1対の電極202と、を設ける。前記1対の電極202のうち少なくとも一方を、定着ベルト201の幅方向端から離隔させることによって定着ベルト201が蛇行規制板301に摺動することに起因する負荷によって電極202が剥離するのを防止する。
【選択図】図4
Description
しかしながら、定着ベルトを定着温度まで昇温させるのに要するウォーミングアップ時間の更なる短縮や、消費電力の更なる低減が常に求められている。この要求に応えるべく、例えば、定着ベルトそのものに抵抗発熱体を設け、この抵抗発熱体に通電して得られるジュール熱によってトナー像を定着させる方式が提案されている。このような方式によれば、ウォーミングアップ時間の短縮と省電力を図ることができる。
また、前記定着ベルトは、全幅、全周に亘る補強層を備えるとすれば、定着ベルトが変形し難くなるので、定着ベルトと蛇行規制板の摺動による負荷が電極に加わるのを更に防止することができる。
なお、この場合において、前記電極は定着ベルトの幅方向端から2[mm]以上離隔しているとすれば更に好適である。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を備えるを特徴とする。このようにすれば、本発明に係る定着装置が有する上述のような効果を得ることができる。
[1] 画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、原稿読取部100、画像形成部110及び給紙部120を備えている。原稿読取部100は原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。
作像部111Y〜111Kは、制御部120の制御の下、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のトナー像を形成し、各色のトナー像が重なり合うように中間転写ベルト113に静電転写(1次転写)する。中間転写ベルト113は無端状の回転体であって、矢印A方向に回転し、トナー像を2次転写位置まで搬送する。
2次転写ローラ対114は電位差を有する1対のローラからなっており、このローラ対は互いに圧接して転写NIP部を形成している。この転写NIP部において中間転写ベルト113上のトナー像が記録紙Pへ静電転写(2次転写)される。トナー像を転写された記録紙Pは定着装置115へ搬送される。
[2] 定着装置115の構成
次に、定着装置115の構成について説明する。
定着ローラ210は、長尺状の芯金212の周囲に弾性層213が積層されて成り、定着ベルト201の周回経路(定着ベルト201が周回走行するときの走行路。以下、「ベルト周回経路」という。)の内側に配される。軸部としての芯金212は、例えば、径が18[mm]のアルミニウムやステンレス等から成る。弾性層213は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム、もしくはその発泡材から成り(これらを積層させる場合もある)、厚さは、例えば5[mm]である。
このような構成をとると、定着ベルト201が定着ローラ210に密着する構成よりも、定着ベルト201から定着ローラ210への熱の伝達箇所の面積が小さくなり、定着ベルト201から発せられる熱の一部が定着ローラ210の芯金212を介して芯金212両端の軸部211を回転自在に支持する定着装置115の筐体に伝わって逃げるといった伝熱ロスを低減して高い熱効率の実現を図ることができる。
弾性層223は、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有するゴムや、これらの発泡材等から成り、厚さは1〜20[mm]の範囲内が望ましく、本実施の形態においては2.5[mm]とした。
定着ローラ210は、芯金212の軸方向両端の軸部211が定着装置115の筐体に軸受部材(不図示)を介して回転自在に支持されている。同様に加圧ローラ220も、芯金222の軸方向両端の軸部430が筐体に不図示の軸受部材を介して回転自在に支持されている。
定着ベルト201の外周面上の定着ローラ210の軸方向(以下、「ローラ軸方向」という。)における通紙領域を挟む両端部の外周面には全周に亘って電極202が設けられており、一対の給電部材230が定着ベルト201の外側から内側へと向かう方向の付勢力を受けて、それぞれ電極202に圧接されている。詳しくは後述する。
図3は、定着ベルト201と蛇行規制板の位置関係を例示する図である。図3に示されるように、定着ローラ210の回転軸方向両端部には蛇行規制板301が軸部211に取着されている。蛇行規制板301は定着ローラ210と共に回転して、定着ベルト201の蛇行を規制する。
次に、定着ベルト201の構成について説明する。
図4は、定着ベルト201の構成を示す断面斜視図である。図4中、一点鎖線は軸部211の中心線を示しており、中心線から下は図示を省略した。また、図4は定着ベルト201の回転軸方向の一方の端部に着目した図であるが、他方の端部においても定着ベルト201は同様の構成を備えている。
抵抗発熱体層402は電極202から給電を受けて、ジュール熱を発生させる。抵抗発熱体層402は、樹脂に導電性フィラーを分散させることにより所定の電気抵抗率に調整されている。樹脂はPI(Poly Imide)、PPS(Poly Phenilene Sulfide)、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)等の耐熱樹脂が望ましい。
また、離型層404は、フッ素ゴムの弾性層にPIやPPS等の樹脂を積層することによって補強、絶縁した3層以上の構成としてもよい。
また、電極202が定着ベルト201の端部から離隔しているので、電極202が蛇行規制部材301と直接、摺動することによって、電極202と抵抗発熱体層402との接合部に負担が加わり、電極202が抵抗発熱体層402から剥離するのを防止することができる。なお、定着ベルト201の端部から電極202までの距離は、2[mm]以上であるのが望ましい。
[4] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
図5は、本変形例に係る定着ベルト201の構成を示す断面斜視図である。図5に示されるように、本変形例に係る定着ベルト201は、回転軸方向において、抵抗発熱体層402の端部が定着ベルト201(補強層401)の端部から離隔する一方、電極の端部と一致している。図示を省略した他端においても同様である。このようにすれば、補強層401の端部が蛇行規制部材301と摺動しても、抵抗発熱体層402は蛇行規制部材301と摺動しない。
また、この他、電極202の端部を抵抗発熱体層402の端部から離隔させる場合には、補強層401を省略しても、電極202の剥離を防止することができる。ただし、この場合には、補強層401を省くので、抵抗発熱体層402が十分な強度を備えるべきであるのは言うまでもない。
固定部材の材料には、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、液晶ポリマー等の樹脂やアルミニウム、鉄等の金属、セラミック等を用いれば良く、シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる固定部材との2部品構成としても良い。
(3) 上記実施の形態においては、加圧ローラ220の回転に従動して、定着ベルト201や定着ローラ210が回転駆動される場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。すなわち、定着ローラ210を回転駆動して、定着ベルト201や加圧ローラ220を従動回転させても良い。また、定着ローラ210と加圧ローラ220とを共に回転駆動し、これに定着ベルトを従動回転させても良い。何れの場合にも本発明の効果は同じである。
(5) また、上記実施の形態においては、タンデム型のカラー複写機として機能する画像形成装置を例示したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外の画像形成装置やモノクロの画像形成装置、或いは、プリンタやファックス、MFP(MultiFunction Peripheral)等であって、上述のような定着装置を備えていれば、本発明の効果を得ることができる。
115………………………定着装置
201………………………定着ベルト
210………………………定着ローラ
220………………………加圧ローラ
230………………………給電部材
211、221……………軸部
212、222……………芯金
213、223、403…弾性層
224、404……………離型層
202………………………電極
231………………………導電線
232………………………電源
301………………………蛇行規制板
401………………………補強層
402………………………抵抗発熱体層
Claims (8)
- トナー像を記録シートに融着する定着ベルトと、定着ベルトの蛇行を防止する蛇行規制部材と、を備える定着装置であって、
定着ベルトは、
通電によって発熱する無端ベルト状の抵抗発熱体層と、
何れも抵抗発熱体層の外周面上に全周に亘って設けられ、抵抗発熱体に印加する電圧を受電する1対の電極と、を備え、
前記1対の電極のうち少なくとも一方が、定着ベルトの幅方向端から離隔して設けられている
ことを特徴とする定着装置。 - 前記電極は定着ベルトの幅方向端から2[mm]以上離隔している
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記定着ベルトは、全幅、全周に亘る補強層を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記補強層上に抵抗発熱体層と電極とが順次積層されており、
抵抗発熱体層が、定着ベルトの幅方向端から離隔して設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。 - 前記電極は定着ベルトの幅方向端から2[mm]以上離隔している
ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記定着ベルトの幅方向における前記電極の内側には抵抗発熱体層上に、弾性層及び離型層が順次積層されてなる
ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記抵抗発熱体層は、耐熱性絶縁樹脂に導電性フィラーを分散させてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 請求項1から7の何れかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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