JP2014043572A - シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性、耐クラック性及び密着性に優れた硬化物を得るためのシリコーン樹脂組成物の提供。
【解決手段】20℃以上50℃以下の温度範囲で液体であり、シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物であって、29Si−NMR測定において、−200ppm以上100ppm以下の化学シフトの範囲に含まれるケイ素原子由来の全シグナルの面積に含まれる、A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積の割合が、51%以上69%以下であるシリコーン樹脂組成物。(A3ケイ素原子は、ケイ素原子と結合した酸素原子が3つ結合しているケイ素原子を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂組成物に関する。
近年、半導体発光素子の封止材としてシリコーン樹脂組成物の硬化物を用いることが提案されている。しかしながら、シリコーン樹脂組成物の硬化物は、ガス透過性が高く、空気中の硫化水素ガスのバリア性が低い。このため、シリコーン樹脂組成物の硬化物を用いて封止した場合、封止された半導体発光素子の背面反射板である銀膜が空気中の硫化水素によって腐食され、半導体発光素子の輝度が低下するという問題があった。
上記問題を解決するシリコーン樹脂組成物として、硬化後のシリコーン樹脂組成物の屈折率が1.50〜1.55のシリコーン樹脂と、シリコーン樹脂中に1〜30質量%の濃度で均一に分散された平均粒子径1〜10μmの酸化ケイ素フィラーからなることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照。)。
特開2012−41496号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシリコーン樹脂組成物は、硫化水素ガスに対するバリア性、耐熱性、及び耐クラック性が十分ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体発光素子の封止材として、硫化水素ガスのバリア性、耐熱性、及び半導体発光素子の基板やパッケージとの界面におけるクラックが抑制される耐クラック性が高い新規なシリコーン樹脂組成物、当該シリコーン樹脂組成物の硬化物、当該硬化物からなる半導体発光素子用封止材、並びに、当該硬化物を備える半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下のように本発明に至った。
すなわち、本発明の一態様は、20℃以上50℃以下の温度範囲で液体であり、シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物であって、29Si−NMR測定においてケイ素原子由来の全シグナルの面積に含まれる、下記A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積の割合が、51%以上69%以下であるシリコーン樹脂組成物を提供する。
ここで、「A3ケイ素原子」は、ケイ素原子と結合した酸素原子が3つ結合しているケイ素原子を示す。
なお、「ケイ素原子由来の全シグナル」とは、29Si−NMR測定において、−200ppm以上100ppm以下の化学シフトの範囲に含まれるケイ素原子由来の全シグナルのことを指す。
本発明の一態様においては、前記シリコーン樹脂が、下記樹脂Aと下記オリゴマーBとを含む構成としてもよい。
樹脂A:下記A1ケイ素原子と、下記A2ケイ素原子と、前記A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合が、20%以上90%以下であり、且つ重量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂
オリゴマーB:下記A1ケイ素原子と、下記A2ケイ素原子と、前記A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上30%以下であり、且つ重量平均分子量が1500未満であるオリゴマー
ここで、「A1ケイ素原子」は、ケイ素原子と結合した酸素原子が1つ結合しているケイ素原子を示す。また、「A2ケイ素原子」は、ケイ素原子と結合した酸素原子が2つ結合しているケイ素原子を示す。
本発明の一態様においては、前記樹脂Aが式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂である構成としてもよい。
Figure 2014043572
(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表し、Rはそれぞれ独立してアルコキシ基、アルケニル基、水素原子、又は水酸基を表し、p、q、a、及びbは、[p+b×q]:[a×q]=1:0.25〜9となる任意の正数を表す。)
本発明の一態様においては、前記オリゴマーBが式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するオリゴマーである構成としてもよい。
Figure 2014043572
(一般式(2)中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表し、p、q、r、a、及びbは、[a×q]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0〜0.3となる任意の0以上の数を表す。)
本発明の一態様においては、樹脂AとオリゴマーBの混合比率が、樹脂A:オリゴマーB=100:0.1〜20(質量比)である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、さらに、無機粒子を含む構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記無機粒子がケイ素の酸化物、チタンの酸化物、及びアルミニウムの酸化物からなる群より選択される1種以上である構成としてもよい。
本発明の一態様においては、さらに、蛍光体を含む構成としてもよい。
本発明の一態様においては、さらに、シランカップリング剤を含む構成としてもよい。
本発明の一態様においては、5℃/分の昇温速度で室温から150℃まで昇温させた後、150℃で3時間加熱し硬化させて得られる硬化物の比重が1.20g/cm以上1.35g/cm以下の範囲である構成としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記のシリコーン樹脂組成物を、100℃以上250℃以下に加熱することにより得られる硬化物を提供する。
本発明の一態様においては、比重が1.20g/cm以上1.35g/cm以下の範囲である構成としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記の硬化物からなる半導体発光素子用封止材を提供する。
また、本発明の一態様は、上記の硬化物を備える半導体発光装置を提供する。
また、本発明の一態様は、上記のシリコーン樹脂組成物を、100℃以上250℃以下に加熱して硬化させる工程を有する半導体発光装置の製造方法を提供する。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、硫化水素ガスに対するバリア性、耐熱性及び耐クラック性に優れるシリコーン樹脂組成物の硬化物を与える。このため、本発明に係るシリコーン樹脂組成物の硬化物は、半導体発光素子用封止材として有用である。
実施例2のシリコーン樹脂組成物(α1)の29Si−NMRチャートである。 実施例3のシリコーン樹脂組成物(α2)の29Si−NMRチャートである。 比較例2のシリコーン樹脂X1の29Si−NMRチャートである。 比較例2のシリコーン樹脂X2の29Si−NMRチャートである。 比較例3のシリコーン樹脂組成物β3の29Si−NMRチャートである。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
[シリコーン樹脂組成物]
本発明に係るシリコーン樹脂組成物(以下、本組成物と言うことがある。)は、20℃以上50℃以下の温度範囲で液体であり、シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物であって、29Si−NMR測定においてケイ素原子由来の全シグナルの面積に含まれる、下記A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積の割合が、51%以上69%以下のものである。
ここで、本明細書のシリコーン樹脂組成物を構成するシリコーン樹脂やオリゴマーは、下記式の繰り返し単位を含んでいる。
Figure 2014043572
(式中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはそれぞれ独立してアルコキシ基、アルケニル基、水素原子、又は水酸基を表す)
本明細書では、他のケイ素原子と結合している酸素原子3個及びRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位A3(上記式(A3))という。
同じく、他のケイ素原子と結合している酸素原子2個、R及びRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位A2(上記式(A2))という。
また、他のケイ素原子と結合している酸素原子1個、R及び2個のRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位A1(上記式(A1))という。
さらに、R及び2個のRと結合しているケイ素原子を含み、当該ケイ素原子が他の繰り返し単位中の酸素原子と結合する繰り返し単位を、繰り返し単位A1’(上記式(A1’))という。
さらに、以下の説明においては、本発明における「ケイ素原子と結合した酸素原子が3つ結合しているケイ素原子」のことを「A3ケイ素原子」と称する。「A3ケイ素原子」は、繰り返し単位A3に含まれるケイ素原子が該当する。
同様に、本発明における「ケイ素原子と結合した酸素原子が2つ結合しているケイ素原子」のことを「A2ケイ素原子」と称する。「A2ケイ素原子」は、繰り返し単位A2に含まれるケイ素原子が該当する。
同様に、本発明における「ケイ素原子と結合した酸素原子が1つ結合しているケイ素原子」のことを「A1ケイ素原子」と称する。「A1ケイ素原子」は、繰り返し単位A1、A1’に含まれるケイ素原子が該当する。
繰り返し単位A1及びA1’は、オルガノポリシロキサン鎖の末端を構成している。また、繰り返し単位A3は、1又は2本のオルガノポリシロキサン鎖による分岐鎖構造を構成している。つまり、繰り返し単位A3は、樹脂の網目構造や環構造の一部を形成している。
本組成物において、前記A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積が上記範囲内にあると、前記シリコーン樹脂組成物の硬化物(以下、本硬化物ということがある。)において、硫化水素ガスに対するバリア性、耐熱性及び耐クラック性に優れる。前記A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積が69%を超えると、本硬化物にクラックが生じ易くなるため好ましくない。前記A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積が51%を下回ると、本硬化物の硫化水素ガスに対するバリア性及び耐熱性が低くなるため好ましくない。
前記A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は、好ましくは55%以上68%以下である。
なお、本明細書において、ケイ素原子のNMRのシグナルの面積は、29Si−NMRを用いて測定したNMRチャートに基づいて算出する。
具体的には、ケイ素原子のNMRの測定装置に通常付属している解析装置を用い、測定対象となるシグナルについて積分値を求めることにより、シグナルの面積を求める。
各ケイ素に由来するシグナルが他の種類のケイ素に由来するシグナルと重ならず独立して観測される場合には、測定対象のケイ素に対応するシグナルの両側のベースライン上で、積分の始点と終点とを設定し、シグナル面積を求める。
また、各ケイ素に由来するシグナルが他の種類のケイ素に由来するシグナルと重なって観測された場合には、解析装置に通常付属している波形分離処理ソフトを用いて重なったシグナルを分離することで各々のシグナルの面積を求める。例えば、Gauss関数をフィット関数として用い、重畳した複数のシグナルを波形分離した後に、上述のシグナルが独立して観測される場合と同様に積分の始点と終点とを設定して、シグナル面積を求める。
また、NMR測定において、ケイ素原子に結合する原子、官能基及び置換基の構造等は、公知のデータベースや文献を参考にすることで決定することができる。
本組成物は、5℃/分の昇温速度で室温から150℃まで昇温させた後、150℃で3時間加熱し硬化させて得られる硬化物の比重が1.20g/cm以上1.35g/cm以下の範囲であると好ましい。前記比重はより好ましくは1.23g/cm以上1.30g/cm以下である。
前記比重が上記範囲内にあると、硫化水素ガスに対するバリア性がより優れるため好ましい。前記比重が1・35g/cmを超えると本硬化物にクラックが生じ易くなるため好ましくない。前記比重は本組成物が含むシリコーン樹脂の含有量及びA3ケイ素原子の存在比を変えることにより調整することができる。
前記比重は、一般的に体積と質量から求めることができる。硬化物の形状が不定形である場合は、市販されているアルキメデス法による比重測定装置により測定することができる。
前記シリコーン樹脂は、シリコーン樹脂を構成する上述した各繰り返し単位に対応し、シロキサン結合を生じ得る官能基を有する有機ケイ素化合物を出発原料として合成することができる。「シロキサン結合を生じ得る官能基」としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を挙げることができる。例えば、繰り返し単位A3に対応する有機ケイ素化合物としては、オルガノトリハロシランやオルガノトリアルコキシラン等を出発原料とすることができる。シリコーン樹脂は、このような出発原料を各繰り返し単位の存在比に対応した比で加水分解縮合法で反応させることにより合成することができる。かかる出発原料を選択することにより、A3ケイ素原子の存在比及び本硬化物の比重を調整することができる。また、こうして合成されたシリコーン樹脂は、シリコーンレジンやアルコキシオリゴマーとして工業的に市販されている。
本組成物が含むシリコーン樹脂は、好ましくは、以下の樹脂A及びオリゴマーBである。
樹脂Aは、A1ケイ素原子と、A2ケイ素原子と、A3ケイ素原子との合計含有量に対する、A3ケイ素原子の含有量の割合が20%以上90%以下であり、且つ、重量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂である。A1ケイ素原子と、A2ケイ素原子と、A3ケイ素原子との合計含有量に対する、A3ケイ素原子の含有量の割合は、好ましくは50%以上90%以下であり、より好ましくは60%以上90%以下であり、さらに好ましくは70%以上85%以下である。当該A3ケイ素原子の含有量の割合は、29Si−NMR測定において求められるA1ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積と、A2ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積と、A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積との合計面積で、A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積を除することで求めることができる。
オリゴマーBは、A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対する、A3ケイ素原子の含有量の割合が0%以上30%以下であり、且つ、重量平均分子量が1500未満であるオリゴマーである。A2ケイ素原子とA1ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対する、A3ケイ素原子の含有量の割合は、好ましくは0%以上25%以下である。当該A3ケイ素原子の含有量の割合は、29Si−NMR測定において求められるA1ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積と、A2ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積と、A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積との合計面積で、A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積を除することで求めることができる。
A3ケイ素原子は、3個のオルガノポリシロキサン鎖による分岐鎖構造を構成し得るため、A3ケイ素原子を有する樹脂A及びオリゴマーBは、網目構造や環構造を形成し得る。
樹脂A及びオリゴマーBをはじめとする樹脂における、ケイ素原子に結合する官能基の種類及び存在比については、例えば核磁気共鳴分光法(NMR法)により測定することができる。当該測定法については各種文献等に詳述されており、専用の測定装置も広く市販されている。具体的には、測定対象の樹脂を特定の溶媒に溶解させ、樹脂中の水素原子核又は硅素原子核に強力な磁場と高周波のラジオ波を与え、原子核中の核磁気モーメントを共鳴させることによって、当該樹脂中の各官能基の種類及び存在比が測定できる。水素原子核を測定する方法をH−NMR、硅素原子核を測定する方法を29Si−NMRと呼ぶ。溶媒としては重クロロホルム、重ジメチルスルホキシド、重メタノール、重アセトン、重水等を各種官能基の種類によって選択すればよい。
[樹脂A]
がアルキル基の場合、当該アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。また、当該アルキル基の炭素数は特に限定されるものではないが、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。
当該アルキル基は、当該基を構成する1又は2以上の水素原子が、他の基で置換されていてもよい。当該アルキル基の置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
で表されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の無置換のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソプロピル基がより好ましい。
がアリール基の場合、当該アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。また、当該アリール基は、当該基を構成する1又は2以上の水素原子が、他の基で置換されていてもよい。当該アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
で表されるアリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基等のアルキルフェニル基のようなアルキルアリール基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
はそれぞれ独立してアルコキシ基、アルケニル基、水素原子又は水酸基を表す。好ましくはアルコキシ基又は水酸基を表す。
がアルコキシ基の場合、当該アルコキシ基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が好ましく、直鎖状のアルコキシ基がより好ましい。また、当該アルコキシ基の炭素数は特に限定されるものではないが、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。Rで表されるアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基がより好ましい。
がアルケニル基の場合、当該アルケニル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、直鎖状のアルケニル基がより好ましい。また、当該アルケニル基の炭素数は特に限定されるものではないが、炭素数2〜4のアルケニル基が好ましい。Rで表されるアルケニル基としては、具体的には、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
樹脂Aは好ましくは、アルケニル基及びヒドロシリル基を有さない。すなわち、樹脂Aは好ましくは、Rとしてケイ素原子に結合するアルケニル基及び水素原子を有さない。樹脂Aが、アルケニル基又はヒドロシリル基を有すると、本硬化物の硫化水素ガスに対するバリア性及び耐熱性が低くなる傾向がある。
樹脂Aは、好ましくは下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する。
Figure 2014043572
(式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。p、q、a、及びbは、[p+b×q]:[a×q]=1:0.25〜9となる任意の正数を表す。)
複数あるR及びRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物が含む樹脂Aとしては、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとして、アルキル基又はアリール基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有し、Rとして、アルコキシ基、アルケニル基、水素原子、又は水酸基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有するものが好ましい。樹脂Aとしては、特に、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとしてメチル基、エチル基、及びフェニル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、及び水酸基からなる群より選択される1種以上を有しているものが好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、及び水酸基からなる群より選択される1種以上を有しているものがより好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基からなる群より選択される1種以上と水酸基とを有しているものがさらに好ましい。
式(1)で表される樹脂中の各繰り返し単位の存在比は、A2ケイ素原子及びA3ケイ素原子の存在比で表すことができる。つまり、理論上、A2ケイ素原子:A3ケイ素原子=[p+b×q]:[a×q]である。すなわち、樹脂A中のA2ケイ素原子及びA3ケイ素原子の存在比は、p、q、a、及びbの数値を適宜調整することによって調整される。
式(1)中、p、q、a、及びbは、[p+b×q]:[a×q]=1:0.25〜9となる任意の正数を表す。つまり、式(1)中のp、q、a、及びbは、A2ケイ素原子の数(x)とA3ケイ素原子の数(y)の存在比がx:y=1:0.25〜9の範囲内となるように、適宜調整される。
本組成物が含む樹脂Aは、好ましくは、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂であって、A2ケイ素原子とA3ケイ素原子の合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量[y/(x+y)]が、0.2〜0.9の範囲内である。樹脂Aは、A3ケイ素原子の存在比が高いため、樹脂Aを硬化させることによって、オルガノポリシロキサン鎖が網目状に構成された硬化物が得られる。A3ケイ素原子の存在比が当該範囲より高くなった場合、本硬化物の耐クラック性が低くなる場合があり、当該範囲より低くなった場合、硫化水素ガスに対するバリア性が低くなる場合がある。樹脂Aは、前記式(1)におけるA3ケイ素原子の存在比が前記範囲内であるオルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂であるため、樹脂Aの硬化物は、硫化水素等のガスに対するバリア性が高い。樹脂Aとしては、[y/(x+y)]が0.5〜0.9の範囲内(x:y=1:1〜9)であるものがより好ましく、0.6〜0.9の範囲内(x:y=1:1.5〜9)であるものがさらに好ましく、0.7〜0.85の範囲内(x:y=1:2.33〜5.67)であるものがよりさらに好ましい。
樹脂Aの一分子当たりのA2ケイ素原子及びA3ケイ素原子の数は、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂が、所望の分子量となるように適宜調整される。本発明においては、樹脂Aの一分子当たりのA2ケイ素原子の数とA3ケイ素原子の数の和は、5以上であることが好ましい。
樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、1500以上8000以下である。樹脂Aの重量平均分子量が小さすぎる場合には、本硬化物の硫化水素ガスに対するバリア性が低くなる傾向がある。樹脂Aの重量平均分子量が当該範囲内であることにより、硫化水素ガスに対するバリア性がより優れた硬化物が得られる。樹脂Aの重量平均分子量は、1500以上7000以下が好ましく、2000以上5000以下がより好ましい。
樹脂Aは、樹脂Aを構成する上述した各繰り返し単位に対応し、シロキサン結合を生じ得る官能基を有する有機ケイ素化合物を出発原料として合成することができる。「シロキサン結合を生じ得る官能基」は、上述したものと同じ意味を表す。例えば、繰り返し単位A3に対応する有機ケイ素化合物としては、オルガノトリハロシランやオルガノトリアルコキシラン等を出発原料とすることができる。シリコーン樹脂は、このような出発原料を各繰り返し単位の存在比に対応した比で加水分解縮合法で反応させることにより合成することができる。また、こうして合成されたシリコーン樹脂は、シリコーンレジンやアルコキシオリゴマーとして工業的に市販されている。
[オリゴマーB]
及びRは上記と同じ意味を表す。
オリゴマーBは好ましくは、アルケニル基及びヒドロシリル基を有さない。すなわち、オリゴマーBは好ましくは、Rとしてケイ素原子に結合するアルケニル基及び水素原子を有さない。オリゴマーBが、アルケニル基又はヒドロシリル基を有すると、本硬化物の硫化水素ガスに対するバリア性及び耐熱性が低くなる傾向がある。
オリゴマーBは好ましくは、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するオリゴマーである。
Figure 2014043572
(式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。p、q、r、a、及びbは、[a×q]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0〜0.3となる任意の0以上の数を表す。)
複数あるR及びRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
オリゴマーBとしては、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとして、アルキル基又はアリール基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有し、Rとして、アルコキシ基、アルケニル基、水素原子、又は水酸基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有するものが好ましい。オリゴマーBとしては、特に、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとしてメチル基、エチル基、及びフェニル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとして、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、及び水酸基からなる群より選択される1種以上を有しているものが好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基からなる群より選択される1種以上を有しているものがより好ましい。
式(2)で表されるオリゴマーの各繰り返し単位の存在比は、A1ケイ素原子、A2ケイ素原子及びA3ケイ素原子の存在比で表すことができる。つまり、理論上、A1ケイ素原子:A2ケイ素原子:A3ケイ素原子=[r+q]:[p+b×q]:[a×q]である。すなわち、オリゴマーB中の各ケイ素原子の存在比は、p、q、r、a、及びbの数値を適宜調整することによって調整できる。例えば、aとqの少なくとも一方が0の場合、当該オリゴマーBにはA3ケイ素原子が存在せず、直鎖状又は環状分子のみが含まれる。一方で、rとqの両方が0の場合、当該オリゴマーBはA2ケイ素原子のみが存在し、環状分子のみが含まれる。
また、式(2)中、A2ケイ素原子の数をxとし、A3ケイ素原子の数をyとし、A1ケイ素原子の数をzとした場合、式(2)中の繰り返し単位A3ケイ素原子の存在比は、[y/(x+y+z)]で表される。
式(2)中、p、q、r、a、及びbは、[a×q]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0〜0.3となる任意の0以上の数を表す。ここで、[a×q]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]は、式(2)中の繰り返し単位A3ケイ素原子の存在比[y/(x+y+z)]に等しい。つまり、式(2)中のp、q、r、a、及びbは、A3ケイ素原子の存在比が0〜0.3の範囲内となるように、適宜調整される。
すなわち、本発明に係るシリコーン樹脂組成物が含むオリゴマーBは、好ましくは前記式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂であって、A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子の合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量[y/(x+y+z)]が0〜0.3であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が1500未満である。A3ケイ素原子の存在比が前記範囲内であれば、A2ケイ素原子の存在比[x/(x+y+z)]及びA1ケイ素原子の存在比[z/(x+y+z)]については特に限定されない。オリゴマーBとしては、[y/(x+y+z)]が0〜0.25の範囲内であるものが好ましく、0.05〜0.2の範囲内であるものがより好ましい。
オリゴマーBは、A3ケイ素原子の存在比が比較的低いため、分岐鎖構造が少なく、直鎖状や環状の分子を多く含む。オリゴマーBとしては、環状分子のみを含む樹脂であってもよいが、直鎖状の分子を多く含む樹脂であるほうが好ましい。例えば、オリゴマーBとしては、前記A1ケイ素原子の存在比[z/(x+y+z)]が0〜0.80の範囲内であるものが好ましく、0.30〜0.80の範囲内であるものがより好ましく、0.35〜0.75の範囲内であるものがさらに好ましく、0.35〜0.55の範囲内であるものがよりさらに好ましい。
オリゴマーBの重量平均分子量は1500未満である。オリゴマーBの重量平均分子量が大きすぎる場合には、得られた硬化物の耐クラック性の改善効果が不充分となるおそれがある。オリゴマーBの重量平均分子量は、200以上1500未満が好ましく、250〜1000がより好ましい。
オリゴマーBの一分子中のA1ケイ素原子、A2ケイ素原子及びA3ケイ素原子の数は、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂が、所望の分子量となるように適宜調整される。本発明においては、オリゴマーBの一分子中のA1ケイ素原子の数とA2ケイ素原子の数とA3ケイ素原子の数との和は、2以上であることが好ましい。
樹脂AにオリゴマーBを配合したものを硬化させることにより、樹脂Aの高いガスバリア性を損なうことなく、耐クラック性及び密着性がより改善された硬化物を得ることができる。オリゴマーBの添加により、樹脂Aを含む樹脂組成物の耐クラック性及び他の材質との密着性が向上する理由は明らかではないが、低分子のオリゴマーが、樹脂Aの高分子間を架橋するように結合する結果、可とう性が向上すると共に、オリゴマー中の官能基により樹脂全体の極性が増加することによって、他の材質との接着力が向上するためと推察される。
オリゴマーBは、オリゴマーBを構成する上述した各繰り返し単位に対応し、シロキサン結合を生じ得る官能基を有する有機ケイ素化合物を出発原料として合成することができる。「シロキサン結合を生じ得る官能基」は、上述したものと同じ意味を表す。例えば、繰り返し単位A3に対応する有機ケイ素化合物としては、オルガノトリハロシランやオルガノトリアルコキシラン等を出発原料とすることができる。シリコーン樹脂は、このような出発原料を各繰り返し単位の存在比に対応した比で加水分解縮合法で反応させることにより合成することができる。
オリゴマーBの合成時には、出発原料に上述した繰り返し単位A1、A1’に対応する有機ケイ素化合物を混合することとなる。この繰り返し単位A1、A1’に対応する有機ケイ素化合物は、出発原料が加水分解縮合反応して重合する際に、重合反応の末端に結合し重合反応を停止させる。そのため、出発原料に繰り返し単位A1、A1’に対応する有機ケイ素化合物を含まない樹脂Aよりも重合平均分子量が小さくなりやすい。
また、樹脂Aとの重量平均分子量の違いは、例えば、出発原料を加水分解縮合反応させる際の反応温度や、反応系内への出発原料の追加速度を制御することによっても制御することができる。
また、こうして合成されたシリコーン樹脂は、シリコーンレジンやアルコキシオリゴマーとして工業的に市販されている。
重量平均分子量(Mw)は、一般的にゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を用いることができる。具体的には、樹脂(若しくはオリゴマー)を可溶性の溶媒に溶かした後、細孔(ポア)が数多く存在する充てん剤を用いたカラム内に移動相溶液と共に通液し、カラム内で分子量の大小によって分離させ、それを示差屈折率計やUV計、粘度計、光散乱検出器等を検出器として用いて検出する。実際にはGPC専用装置が広く市販されており、標準ポリスチレン換算によって測定することが一般的であり、本発明における重量平均分子量(Mw)は、この標準ポリスチレン換算によって測定されたものである。
樹脂(若しくはオリゴマー)を溶解させるために使用する溶媒としては、GPC測定に用いる移動相溶媒と同一溶媒が好ましく、具体的にはテトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が用いることができる。
使用するカラムとしても、その多くは市販されており、想定される分子量に従って特定のカラムを用いればよい。
また、本発明及び本願明細書において、シリコーン樹脂中のアルケニル基、ヒドロシリル基の存在の有無については、上記のH−NMRや29Si−NMR、又は赤外分光光度計での測定により判断することが出来る。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、好ましくは樹脂AとオリゴマーBを任意の割合で混合することにより得られる。樹脂Aに対して、樹脂Aよりも少量のオリゴマーBを混合することが好ましい。特に、本発明に係るシリコーン樹脂組成物の樹脂AとオリゴマーBの混合比を、樹脂A:オリゴマーB=100:0.1〜20(質量比)とすることにより、硫化水素ガスに対するバリア性と、耐クラック性がより優れた硬化物を得ることができる。樹脂AとオリゴマーBの混合比は、樹脂A:オリゴマーB=100:0.2〜15(質量比)が好ましく、樹脂A:オリゴマーB=100:0.5〜10(質量比)がより好ましい。
樹脂AとオリゴマーBとの混合方法は特に限定されるものではなく、2種類以上の高分子を混合する際に通常行われる公知の方法のいずれを用いてもよい。例えば、樹脂AとオリゴマーB(必要に応じてその他の樹脂)を有機溶媒に溶解することで混合することができる。
好ましくは、より均一に混合させることができ、かつその後の樹脂溶液の安定性を向上させられるため、樹脂A等を一旦揮発性及び溶解性が高い有機溶媒中で溶解した後、別の溶媒に置換するのが好ましい。具体的には、揮発性の高い有機溶媒(以下、有機溶媒P)中に樹脂Aを投入し、有機溶媒Pの沸点付近の温度まで加熱し攪拌させることによって溶解させる。次いで、オリゴマーBを投入して同様にして混合溶解させる。その後、有機溶媒Pよりも揮発性が低い溶媒(以下、溶媒Q)を投入し、有機溶媒Pの濃度が1%以下になるまで加熱することによって、有機溶媒Pから溶媒Qへの溶媒置換を行うことができる。その際、より効率的に溶媒置換を行う手段として、容器内を減圧にした状態で加熱することも可能である。
このような処理を行うことにより、樹脂AやオリゴマーBを合成した際に使用した残存溶媒や未反応のまま残った水等が溶媒置換を行うことで同伴して除去することが出来、樹脂溶液の安定性に有効である。
有機溶媒Pとしては、沸点が100℃未満の有機溶媒が好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン等の炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒;ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましく、中でもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール系溶媒がより好ましい。
溶媒Qとしては、沸点が100℃以上の有機溶媒が好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノベンジルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノベンジルエーテルアセテート等の、前記記載のグリコールエーテル系溶媒に酢酸基を付加させた、グリコールエステル系溶媒等が好ましく、中でもエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートがより好ましい。
[その他添加物]
本組成物は好ましくは、さらに無機粒子、蛍光体、シランカップリング剤及び硬化用触媒を含む。
(無機粒子、蛍光体)
本硬化物を半導体発光素子の封止材として利用する場合、発光素子からの光をそのまま利用するために、本組成物をそのまま用いることもできる。また、発光素子からの光の強度を高めるためには、本組成物に、光によって蛍光を発する蛍光体及び無機粒子を含有させることができる。当該無機粒子は、本硬化物中で光を散乱させて蛍光体を効果的に励起させると共に、蛍光体が樹脂中で沈降することを防止することができる。
本組成物に蛍光体や無機粒子を混合させる場合、沈降しやすい蛍光体を混合する前に、あらかじめ無機粒子を混合させておき、その後蛍光体を混合した後には、速やかに半導体発光素子の封止に供することが、蛍光体の沈降をより防止するためには有効である。
当該無機粒子としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、鉄、亜鉛等の酸化物、カーボンブラック、チタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等が好ましい。中でもケイ素の酸化物、チタンの酸化物、及びアルミニウムの酸化物よりが好ましい。
当該無機粒子の形状としては、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状が挙げられ、これらのいずれでもよい。より均一な本組成物が得られることから、略球状であることが好ましい。
本組成物に含まれる無機粒子は、組成の種類としては1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよいが、粒子の大きさについては2種類以上の粒径機粒子を含むことが好ましく、一次粒子の平均粒子径が100nm以上500nm以下である無機粒子Aと、同じく一次粒子の平均粒子径が100nm未満である無機粒子Bの少なくとも2種類を含むことがより好ましい。一次粒子の平均粒径が異なる2種類以上の無機粒子を含むことにより、光の散乱による蛍光体の励起効率がより向上し、蛍光体の沈降防止に効果を発揮することができる。
ここで一次粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡等により直接粒子を観察する画像イメージング法等により求めることができる。具体的には、測定対象となる無機粒子を任意の溶媒に、超音波等を照射して充分に分散させた液をスライドガラス等に滴下乾燥させたもの、又は接着テープの接着面に直接無機粒子を振りかける等により付着させたものを、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)等により直接粒子を観察し、その形状から寸法を割り出すことによって得られる。
本組成物における無機粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂の含有量100質量部に対して、無機粒子の総含有量が0.01〜100質量部、好ましくは0.1〜50質量部となるように混合させることが好ましい。
本組成物に含ませる蛍光体の組成や種類については特に制限はなく、波長570nmから700nmの範囲で蛍光を発する赤色蛍光体、490nmから570nmの範囲で蛍光を発する緑色蛍光体、420nmから480nmの範囲で蛍光を発する青色蛍光体等を含むことができる。また、明るさや色度によって複数の蛍光体を混合させることもできる。本組成物における蛍光体の含有量も、特に限定されるものではなく、発光素子の光量や、半導体発光装置として必要な色度や明るさによって適時比率は調整することができる。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は、本硬化物と半導体発光素子やパッケージとの密着性を向上させる効果がある。シランカップリング剤としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上を有するシランカップリング剤が好ましく、中でもエポキシ基又はメルカプト基を含むカップリング剤が好ましい。具体的には2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本組成物にシランカップリング剤が含まれる場合、シランカップリング剤に含まれるケイ素原子も29Si−NMRのシグナルとして検出されるが、本発明においては、本組成物のシグナル面積の計算時にシランカップリング剤のシグナルも含めるものとする。
本組成物におけるカップリング剤の含有量は、シリコーン樹脂の含有量100質量部に対して、好ましくは0.0001〜1.0質量部であり、より好ましくは0.001〜0.1質量部である。シランカップリング剤の含有量が上記範囲よりも高いと、シランカップリング剤自身が光を吸収することによって、本硬化物の透明性を低下させる場合がある。
当該シランカップリング剤は、本組成物に混合して使用してもよいが、半導体発光素子やパッケージの表面に予め当該シランカップリング剤をコーティングや浸漬処理により付着させておき、その後本組成物をポッティング等で形成し、硬化させる方法に使用してもよい。
(硬化用触媒)
硬化用触媒としては、シリコーン樹脂成分の架橋反応を促進し得るものであれば特に制限はない。樹脂A及びオリゴマーBにおける官能基(上記R)が、アルコキシ基や水酸基である場合は、加水分解縮合反応を促進するため、硬化用触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、コハク酸等の有機酸を用いることができる。また、酸性化合物だけではなく、アルカリ性の化合物を用いることも可能である。具体的には、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等を用いることができる。
また、樹脂A及びオリゴマーBにおける官能基(上記R)がアルケニル基や水素原子の場合は、ヒドロシリル化反応を促進するため、白金系、パラジウム系、ロジウム系の金属触媒が用いられる。白金系であれば、具体的には、白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、HPtCl・mHO、KPtCl、KHPtCl・mHO、KPtCl、KPtCl・mHO、PtO・mHO(mは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を用いることができる。
硬化用触媒は、所定の濃度で添加するために、水、有機溶媒、又はシリコーン樹脂組成物に馴染みやすいシリコーン系モノマーやアルコキシシランオリゴマー等により希釈した状態でシリコーン樹脂組成物に添加させることができる。
本組成物に添加される硬化用触媒の量は、硬化反応時の加熱温度、反応時間、触媒の種類等を考慮して、適宜調整することができる。本組成物100質量部に対する、硬化用触媒の含有量は好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.01〜10質量部である。硬化用触媒は、硬化反応を行う直前に、本組成物へ添加されてもよいし、本組成物が元々含んでいてもよい。好ましくは硬化反応を行う直前に本組成物へ添加される。
(その他の添加剤)
本組成物は、さらに樹脂A及びオリゴマーBとは異なるシリコーン化合物、並びに添加剤を含んでいてもよい。
樹脂A及びオリゴマーBとは異なるシリコーン化合物としては、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、30%を超え90%以下であり、且つ重量平均分子量が1500未満であるオリゴマー、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、90%を超え、且つ重量平均分子量が1500未満であるオリゴマー、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上20%未満であり、且つ重量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、90%を超え、且つ重量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上30%未満であり、且つ重量平均分子量が8000を超え、15000以下である樹脂、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、30%以上90%以下であり、且つ重量平均分子量が8000を超え、15000以下である樹脂、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上30%未満であり、且つ重量平均分子量が15000を超える樹脂、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、30%以上90%以下であり、且つ重量平均分子量が15000を超える樹脂、
及び、
A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、90%を超え、且つ重量平均分子量が8000を超える樹脂等が挙げられる。
当該シリコーン化合物としては、工業的に市販されている一般的なシリコーン化合物を挙げることができる。当該改質用シリコーンを加えることにより、本硬化物に柔軟性を付与することができる。
本組成物にシリコーン化合物が含まれる場合、シリコーン化合物に含まれるケイ素原子も29Si−NMRのシグナルとして検出されるが、本発明においては、本組成物のシグナル面積の計算時にシリコーン化合物のシグナルも含めるものとする。
樹脂組成物中における改質用シリコーンの含有量としては、シリコーン樹脂の含有量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。改質用シリコーンの含有量が上記範囲よりも多いと、本硬化物の透明性が損なわれる場合がある。
前記添加剤としては、本組成物の混合時に発生する気泡を抑制させるための消泡剤等が挙げられる。
[硬化物]
本組成物は、硬化させることができる。
本組成物を硬化させるための条件としては、好ましくは40〜250℃、5分間〜6時間で加熱をする方法が挙げられる。本組成物に硬化用触媒を加えた後、250℃以下の温度の雰囲気内に放置することによって硬化させることが好ましく、40〜200℃の温度の雰囲気内に放置することによって硬化させることがより好ましい。また、硬化の際には、本組成物中に存在する溶媒や水を除去し、シリコーン樹脂の縮合反応速度を制御するために、例えば、40〜60℃で5〜30分間、次いで60〜100℃で10〜60分間、その後140〜200℃で30分間〜5時間というように、段階的に硬化させることがより好ましい。
本硬化物においては、ケイ素原子が他のケイ素原子との間で1以上の原子を介して結合を形成し、全体として網目構造を形成することで、ガスバリア性を発現する。例えば、ケイ素原子に結合している酸素原子がさらに他のケイ素原子に結合してシロキサン結合を形成したり、2つのケイ素原子間を炭素原子で架橋したりすることで、網目構造を形成する。
ここで、ケイ素原子に結合している酸素原子がさらに他のケイ素原子に結合することなく、水素原子と結合してシラノール基を形成していると、当該シラノール基が形成された箇所では網目構造が形成されない。そのため、本硬化物の物性を把握する上で、残存するシラノール基の量を評価することがある。
このようなシラノール基の量は、本硬化物の全質量に対する、シラノール基の質量の比率として評価することができる。以下、このような比率を「シラノール含有率」と称する。シラノール含有率の単位は質量%である。
シラノール含有率は、以下のようにして求めることができる。
まず、本硬化物の固体29Si−NMRスペクトルを測定し、得られるスペクトルにおける全シグナル面積に対するシラノール由来のシグナル面積の比率を算出する。これにより、本硬化物に含まれる全ケイ素原子に対するシラノール基に含まれるケイ素原子の比が求められる。得られたNMRスペクトルが多くのノイズを含むものである場合、例えば、得られたスペクトルをまずフーリエ変換し、100Hz以上の高周波成分を除いた後に逆フーリエ変換するなどの方法により、スムージング処理することとしてもよい。
一方で、本硬化物について誘導結合高周波プラズマ分光分析を行うことにより、本硬化物に含まれるケイ素含有率(質量%)が求められる。
これらの測定結果の積から、「本硬化物の全質量に対する、シラノール基となっているケイ素原子の質量比」(質量%)が求められる。
得られた質量比に45/28(=Si,O,Hの原子量の和)/(Siの原子量))をかけることで、本硬化物の全質量に対するシラノール基の質量比、すなわち「シラノール含有率」を求めることができる。求めたシラノール含有率は、本硬化物の評価に用いることができる。
本組成物を硬化させて得られた硬化物は、硫化水素ガスに対するガスバリア性、耐熱性及び耐クラック性が高いため、半導体発光素子、フォトダイオード、CCD、CMOS等の封止材として有用であり、特に半導体発光素子用封止材として有用である。
本組成物によって基板上の半導体発光素子を封止した後、当該本組成物を硬化させることにより、本硬化物によって封止された半導体発光素子を備える半導体発光装置を製造することができる。当該本硬化物は、基板やパッケージとの密着性が高く、かつ硫化水素ガスに対するバリア性が高い。このため、当該本硬化物により半導体発光素子が封止されている半導体発光装置は、基板やパッケージとの界面でクラックやハガレが発生し難い上に、半導体発光素子の背面反射板である銀膜が変色し難く、経時的な輝度低下が生じ難いという利点を備える。当該半導体発光装置は、良好な発光輝度を有しており、一般照明に使用することもできる。
当該半導体発光装置は、具体的には、本組成物によって基板上の半導体発光素子を封止した後、熱硬化反応を行うことにより製造できる。半導体発光素子の封止方法は特に限定されるものではなく、例えば、本組成物を半導体発光素子表面に滴下したり、半導体発光素子表面を本組成物でコーティングすることにより、本組成物で半導体発光素子を被覆することによって封止できる。また、本組成物をシート状にあらかじめ硬化させておき、硬化後のシートを半導体発光素子表面に貼り付けるといったことでも封止できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、下記実施例で用いたオルガノポリシロキサンを主鎖とする樹脂AやオリゴマーBの種類と存在比を測定するための手段としては、H−NMR法、29Si−NMR法を用いた。また、樹脂A、オリゴマーBの分子量測定についてはGPC法を用いた。各測定法における測定条件は、以下の通りである。
H−NMR測定条件>
装置名 :JEOL RESONANCE社製 ECA−500
観測核 :
観測周波数 :500.16MHz
測定温度 :室温
測定溶媒 :DMSO−d6
パルス幅 :6.60μsec(45°)
パルス繰り返し時間:7.0sec
積算回数 :16回
試料濃度(試料/測定溶媒):300mg/0.6ml
29Si−NMR測定条件>
装置名 :Agilent社製 400−MR
観測核 :29Si
観測周波数 :79.42MHz
測定温度 :室温
測定溶媒 :CDCl
パルス幅 :8.40μsec(45°)
パルス繰り返し時間:15.0sec
積算回数 :4000回
試料濃度(試料/測定溶媒):300mg/0.6ml
<樹脂AのGPC測定条件>
装置 :東ソー社製 HLC−8220
カラム :TSKgel Multipore HXL−M×3+Guardcolu
mn−MP(XL)
流量 :1.0mL/min、
検出条件 : RI(ポラリティー+)
濃度 :100mg+5mL(THF)
注入量 : 100μL
カラム温度: 40℃
溶離液 : THF
<オリゴマーBのGPC測定条件>
装置 :東ソー社製 HLC−8220
カラム :TSKgel G2000HHR×2+G1000HHR×2
流量 :1.0mL/min、
検出条件 : RI(ポラリティー−)
濃度 :100mg+5mL(THF)
注入量 : 200μL
カラム温度: 40℃
溶離液 : THF
<シリコーン樹脂硬化物の比重測定法>
装置名:アルファーミラージュ社製 電子比重計MDS−300
使用液体:水
測定温度:24℃
計算式: ρ=A/(A−B)×ρ0 を使用
ρ:硬化樹脂の比重(単位:g/cm
A:硬化樹脂の空気中での重さ(単位:g)
B:硬化樹脂の液体中での重さ(単位:g)
ρ0:液体の比重(単位:g/cm
(水準1)
<樹脂の調合例>
[実施例1]
シリコーン樹脂Aとして、前記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂1(Mw=3500、前記一般式(1)中、R=メチル基、R=メトキシ基又は水酸基)と、シリコーンオリゴマーBとして、前記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂2(Mw=450、前記一般式(1)中、R=メチル基、R=メトキシ基)とを用いて、樹脂組成物を得た。樹脂1及び樹脂2の各繰り返し単位の存在比率を、表1及び2にそれぞれ示す。
Figure 2014043572
Figure 2014043572
具体的には、オイルバス内に設置したフラスコ内に、シリコーン樹脂Aとして354gの前記樹脂1と、190gのイソプロピルアルコールを投入し、液温が85℃になるまで昇温攪拌して樹脂を充分に溶解させた。次いで、シリコーンオリゴマーBとして35gの前記樹脂2を投入し、1時間以上攪拌し溶解させた。
その後、得られた樹脂組成物に、123gの酢酸2ブトキシエチルと、シランカップリング剤として0.1gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えた後、エバポレーターにセットし、当該樹脂組成物の温度が70℃、圧力が4kPaAの条件に放置し、当該樹脂組成物中のイソプロピルアルコール濃度が1質量%以下になるまでイソプロピルアルコールを留去した。これにより、樹脂AとオリゴマーBの混合比率が樹脂A:オリゴマーB=100:10のシリコーン樹脂組成物を得た。
[比較例1]
オリゴマーBを投入することを省略した以外は、実施例1と同一の操作により、樹脂Aのみを高分子成分として含むシリコーン樹脂組成物を得た。
<硬化用触媒含有シリコーン樹脂組成物の調製>
実施例1、比較例1で得られた各シリコーン樹脂組成物に対して、シリコーン樹脂組成物100質量部に対し、硬化用触媒として、リン酸15%と下記一般式(3)で表されるアルコキシシラン(n=3〜7の正数)との混合物を1質量部添加し、充分に攪拌混合し、硬化用触媒含有シリコーン樹脂組成物を得た。
Figure 2014043572
<クラック耐性評価>
得られた触媒含有シリコーン樹脂組成物に対し、クラック耐性を評価した。具体的には、触媒含有シリコーン樹脂組成物を、膜厚が50μmになるように無アルカリガラス基板上にスピンコートにより成膜した。成膜後のガラス基板を、40℃の温度のオーブン内で10分間、次いで160℃のオーブン内で3時間放置し、樹脂硬化を行った。
その後、オーブンから取り出したガラス基板を観察した結果、実施例1で得られたシリコーン樹脂組成物を熱硬化した膜は、クラックがなく良好であった。これに対して、比較例1で得られたシリコーン樹脂組成物を硬化した膜にはクラックが発生していた。
<硫化物耐性評価>
得られた触媒含有シリコーン樹脂組成物に対し、硫化物耐性を評価した。具体的には、まず、膜厚10nmのクロム膜、その上に膜厚100nmの銀膜を成膜した無アルカリガラス基板を準備し、その上に各触媒含有シリコーン樹脂組成物を膜厚が20μmになる条件でスピンコートし、40℃10分間の熱処理、次いで160℃3時間の熱処理を行うことにより、銀膜上にシリコーン樹脂硬化膜を成膜させた。
この樹脂硬化膜を成膜した銀膜ガラス基板と、なにも成膜していない銀膜付きガラス基板を、硫化水素濃度2〜6ppm、温度85〜90℃、相対湿度90%以上の閉鎖された環境下に90分間放置した。
その結果、なにも成膜していない銀膜付きガラス基板の表面は、硫化水素の腐食によって黒く変色していた。一方で、実施例1、比較例1で得られた各シリコーン樹脂組成物に硬化用触媒を添加したものを成膜した銀膜は、いずれも全く変色していなかった。
(水準2)
〔実施例2〕
前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂(A−1)(Mw=3500、前記式(1)中、R=メチル基、R=メトキシ基又は水酸基)(以下、樹脂(A−1)という。)と、前記式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するオリゴマー(B−1)(Mw=450、前記式(2)中、R=メチル基、R=メトキシ基)(以下、オリゴマー(B−1)という。)とを混合して、シリコーン樹脂組成物(α1)を得た。
前記樹脂(A−1)の繰り返し単位の存在比を表3に示す。前記オリゴマー(B−1)の繰り返し単位の存在比を表4に示す。
Figure 2014043572
Figure 2014043572
樹脂(A−1)およびオリゴマー(B−1)の繰り返し単位の存在比については、樹脂(A−1)およびオリゴマー(B−1)について上述の測定条件で29Si−NMRを測定して求めた
樹脂(A−1)は、本明細書中の定義によるA1ケイ素原子と、A2ケイ素原子と、A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合は77%である。
また、A2ケイ素原子の含有量と、前記A3ケイ素原子の含有量との比は、[A2ケイ素原子の含有量]:[A3ケイ素原子の含有量]=1:3.35である。
オリゴマー(B−1)は、本明細書中の定義によるA1ケイ素原子と、A2ケイ素原子と、A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合が12%である。
具体的には、オイルバス内に設置したフラスコ内に、前記樹脂(A−1)311g及びイソプロピルアルコール190gを加え、内温が85℃になるまで加熱攪拌して前記樹脂(A−1)を溶解させた。次いで、前記オリゴマー(B−1)78gを加え、1時間以上攪拌して前記オリゴマー(B−1)を溶解させて混合物を得た。
得られた混合物に、酢酸2ブトキシエチル123g及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)0.1gを加えた後、エバポレーターを用いて、温度が70℃、圧力が4kPaAの条件で、イソプロピルアルコール濃度が1質量%以下になるまでイソプロピルアルコールを留去し、前記樹脂(A−1)と前記オリゴマー(B−1)の混合比が80:20のシリコーン樹脂組成物(α1)を得た。
得られたシリコーン樹脂組成物(α1)の29Si−NMR測定の結果、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は60%であった。図1には、シリコーン樹脂組成物(α1)の29Si−NMRチャートを示す。また、シリコーン樹脂組成物(α1)には、アルケニル基及びヒドロシリル基は含まれていなかった。
シリコーン樹脂組成物(α1)100質量部に対し、リン酸15%を含む硬化用触媒1質量部添加し、充分に攪拌混合してシリコーン樹脂組成物(α1−1)を得た、その後アルミニウム製カップ内に得られた混合物を約5g投入し、オーブンの中で5℃/分の速度で室温から150℃まで昇温し、150℃で3時間放置することで、シリコーン樹脂組成物(α1−1)の硬化物を得た。得られた硬化物の比重は1.27であった。
〔実施例3〕
実施例2で用いた樹脂(A−1)354gをイソプロピルアルコール190gへ加え、内温が85℃になるまで加熱攪拌して前記樹脂(A−1)を溶解させた。次いで、同じく実施例2で用いたオリゴマー(B−1)35gを加え、その後、本明細書における樹脂A及びオリゴマーBとは異なる、市販のシリコーン化合物3.8gを加え、1時間以上攪拌して溶解させた。
用いたシリコーン化合物は、A1ケイ素原子とA2ケイ素原子とA3ケイ素原子との合計含有量に対するA3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上30%未満であり、且つ重量平均分子量が8000を超え、15000以下である樹脂である。
その後実施例2と同様の処理を行うことで樹脂(A−1)とオリゴマー(B−1)の混合比が100:10のシリコーン樹脂組成物(α2)を得た。
得られたシリコーン樹脂組成物(α2)の29Si−NMR測定の結果、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は65%であった。図2には、シリコーン樹脂組成物(α2)の29Si−NMRチャートを示す。また、シリコーン樹脂組成物(α2)には、アルケニル基及びヒドロシリル基は含まれていなかった。
シリコーン樹脂組成物(α2)100質量部に対し、リン酸15%を含む硬化用触媒2質量部添加し、実施例2と同じ条件でシリコーン樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物の比重は1.26であった。
〔比較例2〕
下記式(A)で示されるシリコーン樹脂X1(Mw=5100)と、下記式(B)で示されるシリコーン樹脂X2(Mw=2100)を、X1:X2=1:4(質量比)で混合し、そこに白金を含む触媒を加えシリコーン樹脂組成物(β1)を得た。
シリコーン樹脂X1は、29Si−NMR測定の結果、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は8%であった。図3には、シリコーン樹脂X1の29Si−NMRチャートを示す。
シリコーン樹脂X2は、29Si−NMR測定の結果、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は60%であった。図4には、シリコーン樹脂X2の29Si−NMRチャートを示す。
得られたシリコーン樹脂組成物(β1)の、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は、式(A)で示されるシリコーン樹脂X1と式(B)で示されるシリコーン樹脂X2との混合比から50%と算出された。
Figure 2014043572
(式中、c,d,e及びfは、各繰り返し単位の単位数を示す整数を表す)
Figure 2014043572
(式中、k,l,m及びnは、各繰り返し単位の単位数を示す整数を表す)
アルミニウム製カップ内にシリコーン樹脂組成物(β1)約5g投入し、オーブンの中で5℃/分の速度で室温から150℃まで昇温し、さらに150℃で4時間保温することでシリコーン樹脂組成物(β1)の硬化物を得た。得られた硬化物の比重は1.18であった。
<硫化物耐性評価1>
シリコーン樹脂組成物(α1−1)、シリコーン樹脂組成物(α2)及びシリコーン樹脂組成物(β1)について、硫化水素ガスに対するバリア性の評価を行った。
具体的には、まず膜厚10nmのクロム膜、その上に膜厚100nmの銀膜を成膜した無アルカリガラス基板を準備し、その上に各シリコーン樹脂組成物を膜厚が20μmになる条件でスピンコートし、実施例2におけるシリコーン樹脂組成物の硬化物の製造と同じ条件で熱処理を行うことにより、銀膜上にシリコーン樹脂組成物の硬化物を成膜した。
かかる、シリコーン樹脂組成物の硬化物を成膜した銀膜ガラス基板2枚と、シリコーン樹脂組成物の硬化物を成膜していない銀膜付きガラス基板1枚とを、硫化水素ガス濃度2〜6ppm、温度85〜90℃、相対湿度90%以上の環境下に90分間放置した。
その結果、シリコーン樹脂組成物(α1−1)又はシリコーン樹脂組成物(α2)の硬化物を成膜した銀膜は、放置前とほとんど変化はなかったが、シリコーン樹脂組成物(β1)の硬化物を成膜した銀膜、並びに、硬化物を成膜していない銀膜は、硫化水素による腐食で黒く変色した。
<硫化物耐性評価2>
シリコーン樹脂組成物(α2)について、硫化水素ガスに対するバリア性を評価した。
具体的には、銀の反射膜をそのパッケージの底にメッキ成膜した市販の半導体発光素子用樹脂製パッケージSMD−3602B(松下半導体元器件(蘇州)有限公司社製)に、銀の反射膜を完全に覆うようにシリコーン樹脂組成物(α2)を滴下し、その後、実施例2におけるシリコーン樹脂組成物の硬化物の製造と同じ条件で熱処理を行うことにより、パッケージ内に前記シリコーン樹脂組成物の硬化物を作成した。
かかるパッケージを、硫化水素濃度2〜6ppm、温度85〜90℃、相対湿度90%以上の閉鎖された環境下に5時間間放置した。
その結果、シリコーン樹脂組成物(α2)を硬化させたパッケージでは、パッケージ底の銀の反射膜はほとんど変化しなかった。
<耐熱性評価>
シリコーン樹脂組成物(α1)、シリコーン樹脂組成物(α2)及びシリコーン樹脂組成物(β1)について、耐熱性の評価を行った。
具体的には、厚さ1mmになるように液量を調整した以外は、実施例2におけるシリコーン樹脂組成物の硬化物の製造と同じ条件で熱処理を行うことにより各シリコーン樹脂組成物の硬化物を得た、アルミニウム製カップから取り出し、波長400nm及び350nmでの透過率を測定した。その後これら硬化物を、200℃のオーブンの中に60時間放置した後、再び同じ波長での透過率を測定した。結果を表5に示す。
シリコーン樹脂組成物(α1)及びシリコーン樹脂組成物(α2)の硬化物の各波長に対する透過率は、200℃での放置前後でも殆ど変化はなかったが、シリコーン樹脂組成物(β1)の硬化物は著しい透過率の変化が見られ、また硬化物の外観も、シリコーン樹脂組成物(α2)の硬化物は200℃放置前後で透明であったが、シリコーン樹脂組成物(β1)の硬化物は200℃放置前では透明であったが、放置後はやや黄色く変色しており、200℃の環境での耐熱性に劣っていた。
Figure 2014043572
[比較例3]
オリゴマー(B−1)を加えない以外は、実施例2と同一の操作により、樹脂(A−1)のみをシリコーン樹脂成分として含むシリコーン樹脂組成物(β3)を得た。
得られたシリコーン樹脂組成物(β3)を、29Si−NMR測定の結果、ケイ素原子由来の全シグナルのうち、A3ケイ素原子に由来するシグナルの面積は70%であった。図5には、シリコーン樹脂組成物(β3)の29Si−NMRチャートを示す。また、シリコーン樹脂組成物(β3)には、アルケニル基及びヒドロシリル基は含まれていなかった。
シリコーン樹脂組成物(β3)100質量部に対し、リン酸15%を含む硬化用触媒2質量部添加し、実施例2と同じ条件で樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物の比重は1.28であった。
<耐クラック性評価>
シリコーン樹脂組成物(α1−1)、シリコーン樹脂組成物(α2)及びシリコーン樹脂組成物(β3)について、耐クラック性を評価した。
具体的にはこれら各シリコーン樹脂組成物を、市販の半導体発光素子用樹脂製パッケージSMD−3602Bの中に、容器内がほぼ満杯になるように滴下した後、40℃の温度のオーブン内で10分間、次いで150℃のオーブン内で3時間放置し、前記各シリコーン樹脂組成物の硬化物を得た。
その後、オーブンから取り出したパッケージを観察した結果、シリコーン樹脂組成物(α1−1)及びシリコーン樹脂組成物(α2)の硬化物はクラックがなく良好であったが、シリコーン樹脂組成物(β3)の硬化物にはクラックが発生していた。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、硫化水素ガスに対するバリア性及び200℃のような高温での耐熱性が高く、さらに、硬化時における耐クラック性にも優れていることから、半導体発光素子の封止材として非常に有効である。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物の硬化物は、半導体発光素子用封止材として有用である。

Claims (15)

  1. 20℃以上50℃以下の温度範囲で液体であり、シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂組成物であって、
    29Si−NMR測定においてケイ素原子由来の全シグナルの面積に含まれる、下記A3ケイ素原子として帰属されるシグナルの面積の割合が、51%以上69%以下であるシリコーン樹脂組成物。
    (A3ケイ素原子は、ケイ素原子と結合した酸素原子が3つ結合しているケイ素原子を示す)
  2. 前記シリコーン樹脂が、下記樹脂Aと下記オリゴマーBとを含む請求項1に記載のシリコーン樹脂組成物。
    樹脂A:下記A1ケイ素原子と、下記A2ケイ素原子と、前記A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合が、20%以上90%以下であり、且つ重量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂
    オリゴマーB:下記A1ケイ素原子と、下記A2ケイ素原子と、前記A3ケイ素原子との合計含有量に対する、前記A3ケイ素原子の含有量の割合が、0%以上30%以下であり、且つ重量平均分子量が1500未満であるオリゴマー
    (A1ケイ素原子は、ケイ素原子と結合した酸素原子が1つ結合しているケイ素原子を示す。
    また、A2ケイ素原子は、ケイ素原子と結合した酸素原子が2つ結合しているケイ素原子を示す)
  3. 前記樹脂Aが式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂である請求項2に記載のシリコーン樹脂組成物。
    Figure 2014043572
    (一般式(1)中、Rはそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表し、Rはそれぞれ独立してアルコキシ基、アルケニル基、水素原子、又は水酸基を表し、p、q、a、及びbは、[p+b×q]:[a×q]=1:0.25〜9となる任意の正数を表す。)
  4. 前記オリゴマーBが式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するオリゴマーである請求項2又は3に記載のシリコーン樹脂組成物。
    Figure 2014043572
    (一般式(2)中、R及びRは、前記一般式(1)と同じ意味を表し、p、q、r、a、及びbは、[a×q]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0〜0.3となる任意の0以上の数を表す。)
  5. 樹脂AとオリゴマーBの混合比率が、樹脂A:オリゴマーB=100:0.1〜20(質量比)である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  6. さらに、無機粒子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  7. 前記無機粒子がケイ素の酸化物、チタンの酸化物、及びアルミニウムの酸化物からなる群より選択される1種以上である請求項6に記載のシリコーン樹脂組成物。
  8. さらに、蛍光体を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  9. さらに、シランカップリング剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  10. 5℃/分の昇温速度で室温から150℃まで昇温させた後、150℃で3時間加熱し硬化させて得られる硬化物の比重が1.20g/cm以上1.35g/cm以下の範囲である請求項1〜9のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物を、100℃以上250℃以下に加熱することにより得られる硬化物。
  12. 比重が1.20g/cm以上1.35g/cm以下の範囲である請求項11に記載の硬化物。
  13. 請求項11または12に記載の硬化物からなる半導体発光素子用封止材。
  14. 請求項11または12に記載の硬化物を備える半導体発光装置。
  15. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物を、100℃以上250℃以下に加熱して硬化させる工程を有する半導体発光装置の製造方法。
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