JP2014043383A - 溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みのマグネシア−カーボンレンガを破砕して得られた細粒を使用可能であり、耐食性および強度を備えるとともに、使用後に容易にウェア耐火物から解体できるコーティング材の、溶鋼槽の内面への施工方法を提供する。
【解決手段】溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法であって、コーティング材が、使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物とマグネシア質原料とを含み、レンガの粉砕物の配合率が10〜60質量%、レンガの粉砕物とマグネシア質原料との合計配合率が90質量%以上であり、レンガの粉砕物が粒径3mm以下のものからなるとともに粒径0.3mm以下のものを含み、(ステップ1)コーティング材に水分を添加すること、(ステップ2)コーティング材で前記溶鋼槽の内面を被覆すること、(ステップ3)雰囲気温度を900℃以上とし、1時間以上加熱処理すること、の一連の各ステップを含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法に関し、特に、使用済みの耐火物を配合したコーティング材の施工方法に関する。
連続鋳造用のタンディッシュ等のように製鋼工程で溶鋼を収容する容器(以下「溶鋼槽」ともいう。)は、シャモット質、アルミナ質またはアルミナ−スピネル質といった耐火キャスタブルやレンガ(以下、これらを総称して「ウェア耐火物」という。)で内張りされている。さらに、ウェア耐火物の表面には、ウェア耐火物を保護すること、使用後の容器内の残留溶鋼を取り除きやすくすること、および容器内に収容した溶鋼を清浄化することを目的として、マグネシア質のコーティング材が薄く被覆されている。
コーティング材に要求される特性としては、ウェア耐火物を保護するための耐食性、および溶鋼静圧で圧縮破壊されない強度が挙げられる。さらに、これらと相反する特性として、ウェア耐火物に焼き付かず、使用後に容易にウェア耐火物から解体できるという性質も要求される。これは、このコーティング材の耐久性が、1個の取鍋に収容可能な溶鋼の量を1チャージとし1チャージ分の鋼の連続鋳造を1heatとして1〜30heat程度であり、解体と施工が繰り返されるからである。
特に、近年、鋳込時間が長く、鋳造温度が高い高級鋼の生産比率が高まっているところ、比較的ウェア耐火物に焼き付きにくい吹付材またはコーティング材であっても、ウェア耐火物に焼き付く頻度が高くなっていることから、ウェア耐火物に焼き付かない性質の要求が高まっている。
ところで、現在、転炉に代表される溶融金属精錬容器に設けられる内張り耐火物は、大部分が使用後廃棄処分されている。しかし、環境負荷の低減、処理コストの低減、および資源の有効活用の観点から再利用が試みられている。転炉では、内張り耐火物としてマグネシア−カーボン質からなるレンガが広く使用されている。特許文献1〜6には、このマグネシア−カーボンレンガ等の使用済み耐火物の再利用方法が記載されている。
特許文献1では、使用済みのマグネシア−カーボン含有耐火物から得られた耐火物屑を配合したカーボン含有吹き付け補修材が提案されている。この補修材を得るには、あらかじめ使用済みの耐火物の破砕物に対して加熱酸化処理を施して脱炭層を形成し、表面処理剤としてリン酸等を含浸処理しなければならない。表面処理材の含浸により、親水性および耐食性が向上するものの、未使用の耐火原料を使用した場合と比較して、耐食性、強度等の点で劣り、含浸処理工程の付加により無視できないコストの増加が発生する。また、破砕物の粒径が1mm未満では加熱酸化処理で粉化し、脱炭層を形成できないため、また、5mmを超えると補修材を吹き付ける際にリバウンドによって付着しにくいため、使用可能な破砕物の粒径は1mm以上5mm以下に限定されている。
特許文献2では、このマグネシア−カーボンレンガの廃材を利用したマグネシア質キャスタブルが記載されている。このマグネシア質キャスタブルを得るには、廃材を5〜60mmに整粒した上で、シリカゾル溶液等に真空下で数十分間浸漬させたのち、乾燥させなければならない。
このように、特許文献1および2で提案された再利用方法では、使用済みの耐火物の破砕物の粒径が1mmまたは5mm以上に限定されている。
また、特許文献3では、骨材と有機結合材を主成分とする熱間補修材の骨材に粒径0.3〜20mmの使用済みのマグネシア−カーボンレンガを20〜70質量%含有させることが提案されている。同文献には、使用済みのマグネシア−カーボンレンガのうち粒径0.3mm未満のものを使用しない理由として、粒径0.3mm未満の微粉にはカーボンおよび夾雑物や塵埃等の不純物が集積・富化し、この微粉を使用すると熱間補修材の耐食性の低下が著しいことが挙げられている。
特許文献4には、使用済みのマグネシア−カーボンレンガを使用した吹付補修剤にドロマイト原料を配合することが提案されている。同文献では、特許文献3に記載の熱間補修材では使用できなかった、使用済みのマグネシア−カーボンレンガを粉砕して得られる粒径0.3mm未満の微粉も含めて吹付け補修材のマグネシア質原料として使用可能となるとされている。
しかし、特許文献4に記載の使用済みのマグネシア−カーボンレンガにドロマイト原料を配合したものは、吹付補修材としては使用できるものの、コーティング材としては使用することができない。これは、ドロマイトを配合したコーティング材は、ウェア耐火物への焼き付きが著しいため、使用後に容易にウェア耐火物から解体することができないからである。また、ドロマイトを配合した吹付補修材には、加熱酸化処理で粉化するという問題もある。
特許文献5および6には、MgO質等のコーティング材で被覆されているタンディッシュの内張りを補修する吹付け用不定形耐火物として、使用中に溶鋼の熱により生成したムライトを含むアルミナ−シリカ質使用済み不定形耐火物または使用中に溶鋼の熱により生成したスピネルを含むアルミナ−マグネシア質使用済み不定形耐火物であって、粒径が1mm未満のものを含むものが提案されている。しかし、これらの吹付け用耐火物は、目的の成分が生成しているかどうかをX線回折装置等で確認しなければならず、大量の使用は困難である。また、目的の成分が生成していない使用済み耐火物は使用することができない。
特開平9−278548号公報 特開平6−219853号公報 特開2004−162952号公報 特開2011−121798号公報 特許第4348174号公報 特許第4351526号公報
上述のように、使用済みのマグネシア−カーボンレンガから得られた粒径1mm未満、特に0.3mm未満の粒子は溶鋼槽の内面のコーティング材として使用することは困難であった。また、粒径1mm未満の粒子を使用可能であっても、施工前にX線回折による分析が必要であった。さらに、粒径0.3mm未満の粒子を使用した場合、耐食性が低いという問題があった。
本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、使用済みのマグネシア−カーボンレンガを破砕して得られた粒径0.3mm未満の粒子を使用可能であり、施工前に含浸処理工程やX線回折による分析が不要であり、かつ、耐食性および強度を備えるとともに、使用後に容易にウェア耐火物から解体できるコーティング材の、溶鋼槽の内面への施工方法を提供することを目的とする。
コーティング材を溶鋼槽の内面に施工する場合、一般に厚さが10〜30mm程度と比較的薄いため、本発明者らは、使用済みのマグネシア−カーボンレンガを破砕して得られた粒径が3mm以下の粒子(0.3mm未満のものを含む)の使用が適切であると予想した。また、本発明者らは、粒径が3mmを超えるとコーティング材が溶鋼槽の内面から剥がれやすくなることを確認した。
この予想に基づき、本発明者らが検討した結果、粒径が3mm以下のものに加えて0.3mm未満のものも含むマグネシア−カーボンの粒子をコーティング材として、適切な水分を添加して溶鋼槽の内面を被覆し、900℃以上で1時間以上加熱処理することにより、コーティング材が耐食性および強度を備えるとともに、使用後に容易に解体できるものとなることを知見した。
容易に解体できる理由は、加熱処理によりカーボンが除去されコーティング材が多孔質となるからであり、強度を備える理由は、加熱処理の前に水分を添加しているためコーティング材の粉化を抑制できるからである。また、耐食性を備える理由は、コーティング材の表面が焼結しているからである。
さらに、本発明者らは、コーティング材に適切な水分を添加した上で溶鋼槽の内面を被覆し、加熱処理を施すことにより、粒径0.3mm未満の微粉に集積・富化した炭素および夾雑物や塵埃等の不純物を解消することができることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示す溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法にある。
(1)溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法であって、前記コーティング材が、使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物とマグネシア質原料とを含み、前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物の配合率が10〜60質量%、前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物とマグネシア質原料との合計配合率が90質量%以上であり、前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物が粒径3mm以下のものからなるとともに粒径0.3mm以下のものを含み、(ステップ1)前記コーティング材にその15〜30%の質量の水分を添加すること、(ステップ2)前記水分を添加したコーティング材で、常温から200℃の範囲の温度である前記溶鋼槽の内面を被覆すること、(ステップ3)前記溶鋼槽の内面を被覆したコーティング材を、雰囲気温度を900℃以上とし、1時間以上加熱処理すること、の一連の各ステップを含むことを特徴とする溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
(2)前記マグネシア−カーボンレンガが、炭素を10〜25質量%、マグネシアを70〜85質量%含有し、その他不純物の含有率が5質量%以下であることを特徴とする前記(1)に記載の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
(3)前記溶鋼槽の内面がウェア耐火物からなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
本発明の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法によれば、従来使用できていなかった使用済みのマグネシア−カーボンレンガを破砕して得られる粒径が0.3mm未満の粒子を使用し、耐食性および強度を備えるとともに、使用後に容易に解体できるコーティング材とすることができる。溶鋼槽に用いられるコーティング材は使用量が多いため、リサイクル量を飛躍的に増加させることができる。また、施工前に含浸処理工程やX線回折による分析が不要であるため不要なコストの増加を抑制できる。
マグネシア−カーボンレンガの配合率と焼付発生率との関係を示す図である。
1.コーティング材の組成
本発明に用いるコーティング材は、使用済みのマグネシア−カーボンレンガを10〜60質量%、マグネシア質原料を40〜90質量%配合し、使用済みのマグネシア−カーボンレンガとマグネシア質原料の合計配合率を90質量%以上とする。マグネシア質原料は、コーティング材の耐食性を担う材料であり、マグネシアの含有率が95質量%以上の電融マグネシアを使用することが好ましい。
使用済みのマグネシア−カーボンレンガの配合率が10質量%未満では、溶鋼槽の内面への焼き付きが生じやすく解体が困難となる。また、配合率が60質量%を超えると、溶鋼槽の内面に付着しにくく施工が困難となる、施工後の強度が低下する、および、収容した溶鋼に炭素が移行しやすい、という問題点が生じる。そのため、使用済みのマグネシア−カーボンレンガの配合率は10〜60質量%とする。
使用済みマグネシア−カーボンレンガの化学組成は、炭素(C):10〜25質量%、マグネシア(MgO):70〜85質量%、その他不純物:5質量%以下であることが好ましい。炭素の含有率が10質量%未満では溶鋼槽の内面への焼き付きが生じやすく、25質量%を超えると強度が低下し、機械的損傷が発生しやすくなるからである。
配合する使用済みマグネシア−カーボンレンガは、粒径が3mm以下の粒子とし、粒径が0.3mm以下の粒子も含む。粒径0.3mm未満の粒子は従来廃棄されていたものであるため、これを利用することによりリサイクル量を増やすことができる。使用済みマグネシア−カーボンレンガの粒子の粒度分布は、粒径1〜3mm:40質量%、0.3〜1mm:40質量%、0.3mm以下:20質量%が最も好ましい。これは、ジョークラッシャーで破砕した場合、微粉部を効率的に利用でき、コーティング材の多孔質化で良好な性質が得られるためである。
使用済みのマグネシア−カーボンレンガの粒径を3mm以下とする理由は、溶鋼槽の内面を被覆する際にコーティング材の厚さを10〜30mm程度とするため、3mmよりも大きいと溶鋼槽の内面から剥がれやすくなるからである。
使用済みマグネシア−カーボンレンガの粒子は、レンガの破砕によって得られ、レンガの破砕は例えばジョークラッシャーによって行うことができる。また、粒度分布の調整は、ジョークラッシャーによる破砕の調整によって行うことができ、また、篩で分級したものを所定の比率で混合することによっても行うことができる。
コーティング材には、使用済みのマグネシア−カーボンレンガおよびマグネシア質原料の他に、結合材を配合してもよい。結合材としては、従来の吹き付け用耐火物に使用される、粘土類(例えば、クレー、シリカフラワー等)、アルカリ金属珪酸塩もしくはアルカリ金属リン酸塩、またはこれらのうち2以上を組み合わせたものを使用することができる。
さらに、コーティング材の付着性の向上や乾燥の促進(水抜け性の向上)等の効果を得るために、有機質短繊維または無機質短繊維を3質量%以下配合してもよい。使用可能な有機質短繊維の代表例としては、ナイロン、ビニロンおよびポリビニルアルコールがあり、無機質短繊維の代表例としては、アルミナ、シリカおよびロックウールがある。
2.コーティング材の施工方法
上記コーティング材を、水分を添加した上で、こて塗り、流し込み、乾式吹き付け、または湿式吹き付けで溶鋼槽の内面を被覆する。これら以外の方法で被覆してもよい。
乾式吹き付けとは、コーティング材を材料タンクからエアーによって圧送し、ノズルまたはノズルの直前で加水して吹き付ける方法である。湿式吹き付けとは、材料タンクから排出したコーティング材を加水混練しつつエアーによって圧送し、ノズルから吹き付ける方法である。
被覆するコーティング材の厚さは10〜30mm程度とする。また、溶鋼槽の内面の温度は常温から200℃の範囲とする。溶鋼槽は、シャモット質、アルミナ質またはアルミナ−スピネル質の耐火キャスタブルまたはレンガ(ウェア耐火物)で内張りされている。
溶鋼槽の内面に被覆する直前の、コーティング材に添加される水分は、コーティング材の質量に対して外数で15〜30質量%とする。水分の添加率は、コーティング材の流動性および付着性に影響を及ぼす。水分の添加率が15質量%未満では、流動性が不足するため溶鋼槽の内面に付着しにくくなる。また、後述の加熱処理時に粉化が発生しやすくなる。一方、30質量%を超えると、流動性が過多となり水分のダレが発生しやすくなるとともに、加熱処理後に溶鋼槽の内面から剥離しやすくなる。
溶鋼槽の内面をコーティング材で被覆したのち、ガスバーナーにより雰囲気を加熱して雰囲気温度を900℃以上とし、1時間以上加熱する。これにより、コーティング材に含まれるカーボンが酸化され、コーティング材から除去されるとともに、コーティング材が焼結され、多孔質となる。本発明者らは、加熱処理後のコーティング材について分析し、溶鋼槽の内面に接する面も含め、カーボンが検出されなかったことを確認した。すなわち、加熱処理により、マグネシア−カーボンレンガの微粉に含まれるカーボンおよび夾雑物や塵埃等の不純物が集積・富化するのを防止することができる。
コーティング材からカーボンが除去されることにより、溶鋼槽に収容する溶鋼をカーボンで汚染することがない。また、コーティング材が焼結されることにより、耐食性が向上し、多孔質であることにより、溶鋼槽の内面に焼き付きにくくなり、使用後の解体が容易となる。
コーティング材からカーボンを除去するには、加熱処理温度は、1000℃以上が好ましく、1200℃以上がより好ましく、また、加熱処理時間は、2時間以上が好ましく、3時間以上がより好ましい。
本発明のコーティング材の施工方法は、タンディッシュ、その他コーティング材の解体が容易に行えることが要求される溶鋼槽に適用できる。
以下に、本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。
1.試験方法
使用したコーティング材は、表1に示す配合率および水分添加率で、粒径が3mm以下の使用済みマグネシア−カーボンレンガとマグネシア質原料を配合し、水分を添加した。使用済みマグネシア−カーボンレンガは、粒径が1mm以下の粒子および0.3mm以下の粒子も含むものとした。マグネシア質原料は、マグネシアの含有率が95質量%以上の電融マグネシアとした。これらのコーティング材を乾式吹き付けにより、厚さ30mmとしてウェア耐火物からなるタンディッシュの内面を被覆し、雰囲気温度1200℃で3時間の加熱処理を施し、コーティング材の施工を完了した。
Figure 2014043383
比較例1および2は、粒径が3mm以下の使用済みマグネシア−カーボンレンガの配合率が本発明の規定範囲より小さく、比較例3は大きかった。本発明例1〜6は、いずれも本発明の規定を満足した。
タンディッシュは溶鋼の容量が30tのものを使用した。コーティング材を施工し、加熱処理を施したタンディッシュを用いて、コーティング材が使用不能となるまでいわゆる連々鋳による連続鋳造に使用し、使用後にコーティング材を解体した。
2.評価項目
評価項目は、機械的性質の評価として、使用前のコーティング材のかさ比重、曲げ強さおよび圧縮強さとした。また、実際に溶鋼を収容した場合の性能の評価として、コーティング材の耐食性、タンディッシュ実機の耐用性、焼付き発生率、および付着性とした。
コーティング材のかさ比重は、JIS R2205(耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法)によって測定した値とした。圧縮強さおよび曲げ強さはJIS R2553(キャスタブル耐火物の強さ試験方法)によって測定した値とした。
コーティング材の耐食性とは、コーティング材の溶損のしにくさの指標であり、溶損速度によって評価した。連々鋳による連続鋳造の終了後にタンディッシュの内面のコーティング材の溶損状況を観察した上で、侵食深さを測定し、その侵食深さをチャージ数で除した値を溶損速度とした。
タンディッシュ実機の耐用性とは、コーティング材が使用不能となるまでの溶鋼のチャージ数である。
焼付発生率とは、15チャージ、4500tの溶鋼の鋳造に使用した後解体したタンディッシュのうち、タンディッシュの内面の耐火物へのコーティング材の焼き付きが発生したものの比率であり、下記(1)式で表される。解体したタンディッシュについては全て焼き付きの有無を評価した。
R=n/N …(1)
ここで、R:焼き付き発生率、n:焼き付きが発生したタンディッシュの個数、N:解体したタンディッシュの個数である。比較例1〜3および本発明例1〜6のそれぞれにおいて、N=150であった。
また、付着性とは、タンディッシュの内面へのコーティング材の付着のしやすさの指標であり、リバウンドロス発生率によって評価した。リバウンドロスとは、吹付け装置でタンディッシュの内面に向けて吹き付けたコーティング材がタンディッシュの内面に付着せずに落ちてしまうことをいう。リバウンドロス発生率は、吹き付けたコーティング材のうち、付着せずに落ちてしまったものの比率(質量比)であり、下記(2)式で表される。
L=w/W …(2)
ここで、L:リバウンドロス発生率、w:吹き付けたコーティング材のうち、付着せずに落ちてしまったものの質量、W:吹き付けたコーティング材の質量である。
3.試験結果
表1には、原料の配合率と併せて、上記評価項目の結果を示す。耐食性および実機の耐用性は、マグネシア−カーボンレンガの配合率が高いほど優れている傾向であった。ただし、マグネシア−カーボンレンガの配合率が65質量%である比較例3は、60質量%である本発明例よりも劣っていた。
図1は、マグネシア−カーボンレンガの配合率と焼付発生率との関係を示す図である。同図と表1に示すように、焼付発生率は、マグネシア−カーボンレンガの配合率が0質量%では10%であったものの、配合率が5質量%では5%に減少し、配合率が10質量%以上であれば0%であった。
付着性は、リバウンドロス発生率が15%以下を○(良)、15〜30%を△(可)、30%以上を×(不可)とした。マグネシア−カーボンレンガは、マグネシア質原料と比較して比重が小さいため、本発明例1〜6は、比較例1および2と比べて比重が小さく、リバウンドロス発生率が小さかった。その結果、比較例1および2の評価は△であったのに対し、本発明例1〜6の評価は○であった。マグネシア−カーボンレンガの配合率が本発明例よりも高かった比較例3は、リバウンドロスが大きく、評価は×であった。
なお、上述の実施例については、コーティング施工が鉄皮ままよりも不利なウェア耐火物の内張りのあるタンディッシュで効果を確認した。したがって、内張りがない鉄皮のままの溶鋼槽でも適用できることは言うまでもない。
本発明の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法によれば、従来使用できていなかった使用済みのマグネシア−カーボンレンガを破砕して得られる粒径が1mm以下の粒子を使用し、耐食性および強度を備えるとともに、使用後に容易に解体できるコーティング材とすることができる。溶鋼槽に用いられるコーティング材は使用量が多いため、リサイクル量を飛躍的に増加させることができる。また、施工前に含浸処理工程やX線回折による分析が不要であるため不要なコストの増加を抑制できる。

Claims (3)

  1. 溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法であって、
    前記コーティング材が、使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物とマグネシア質原料とを含み、
    前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物の配合率が10〜60質量%、前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物とマグネシア質原料との合計配合率が90質量%以上であり、
    前記使用済みマグネシア−カーボンレンガの粉砕物が粒径3mm以下のものからなるとともに粒径0.3mm以下のものを含み、
    (ステップ1)前記コーティング材にその15〜30%の質量の水分を添加すること、
    (ステップ2)前記水分を添加したコーティング材で、常温から200℃の範囲の温度である前記溶鋼槽の内面を被覆すること、
    (ステップ3)前記溶鋼槽の内面を被覆したコーティング材を、雰囲気温度を900℃以上とし、1時間以上加熱処理すること、
    の一連の各ステップを含むことを特徴とする溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
  2. 前記マグネシア−カーボンレンガが、炭素を10〜25質量%、マグネシアを70〜85質量%含有し、その他不純物の含有率が5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
  3. 前記溶鋼槽の内面がウェア耐火物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の溶鋼槽の内面へのコーティング材の施工方法。
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