JP2014041735A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
複数の加熱部で同時に調理するとき、使用者に対し不便さを与えないようにした誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】 加熱コイル6に電力を供給するインバータ回路と、加熱手段を有するオーブン5と、加熱手段へ電力を供給するオンオフ回路706と、交流の商用電源電圧を検出する電圧検出部712と、オンオフ回路706の制御は電圧検出部712の検出結果に基づいて行う制御部713とを備え、制御部713は、加熱手段へ電力の供給が要求され調理が行われると、電圧検出部712の検出した電圧が定格電圧より低い場合は、定格電圧時に行われる調理時間より長く加熱手段へ電力を供給し、電圧検出部712の検出した電圧が定格電圧より高い場合は、定格電圧時に供給する電力より低い電力を加熱手段へ供給するものである。
【選択図】図7
複数の加熱部で同時に調理するとき、使用者に対し不便さを与えないようにした誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】 加熱コイル6に電力を供給するインバータ回路と、加熱手段を有するオーブン5と、加熱手段へ電力を供給するオンオフ回路706と、交流の商用電源電圧を検出する電圧検出部712と、オンオフ回路706の制御は電圧検出部712の検出結果に基づいて行う制御部713とを備え、制御部713は、加熱手段へ電力の供給が要求され調理が行われると、電圧検出部712の検出した電圧が定格電圧より低い場合は、定格電圧時に行われる調理時間より長く加熱手段へ電力を供給し、電圧検出部712の検出した電圧が定格電圧より高い場合は、定格電圧時に供給する電力より低い電力を加熱手段へ供給するものである。
【選択図】図7
Description
本発明は、オーブン機能を備えた誘導加熱調理器に関するものである。
オーブンでは、供給される電源電圧が変動しても調理に影響を受けないように被加熱物を加熱している。
例えば、特許文献1に示すオーブントースターでは、電源電圧に応じて通電率を変化させて被調理物に与える熱量を一定にして加熱している。また、特許文献2に示すオーブンレンジでは、電源電圧に応じて加熱時間を補正している。
しかしながら、上記の従来技術において、使用者が複数の加熱部を使い複数の調理を行おうとした場合、一般家庭の電源事情(電源容量、配線容量、コンセントの種類等)の制約や、法律上の制約から、機器全体の最大の総合電力が所定の値に収まる範囲でしか加熱部を使用できないことがある。
このため、トッププレート部の加熱部の調理が終わってからオーブンで、例えば魚焼き等を行うと、全ての調理が終わるまで長時間掛かってしまい、先に出来た料理が冷えてしまい食味を損なってしまう。
特に忙しい朝は、オーブンでの魚焼きを含めて全ての加熱部を使用して一度に食卓に料理を運び、又、お弁当を作るなど、使用率が非常に高いものである。更には、夕食では家族そろって食卓を囲むためにも多くの料理が一度にできる必要がある。このように、複数の加熱部を有していながら使用できない加熱部があると不便である。
これに対し、特許文献1に示すように、電源電圧に応じて通電率を変化させて被調理物に与える熱量を一定にして加熱するものでは、電源電圧が低下した時には通電率を上げられるように、定格電圧が印加されている時には90%程度の通電率で調理が出来る定格のヒータを備える必要が有る。そのため、機器の定格電力に対してオーブンに使用するヒータの消費電力が大きくなり、その大きくなった消費電力分を他の加熱部の最大火力を低下させる必要が生じ、使い勝手が悪くなる課題がある。
また、特許文献2に示すように、電源電圧に応じて加熱時間を補正するものでは、電源電圧が高い時には加熱時間を短く補正した場合では、被加熱物の表面のみが焦げて、中心に火が通らない場合が考えられる。
上記の課題を解決するために本発明の誘導加熱調理器は、本体の上面に設けられたトッププレートと、該トッププレート上に載せられた金属製鍋を加熱する加熱コイルと、該加熱コイルに電力を供給するインバータ回路と、前記本体に設けられ加熱手段を有するオーブンと、前記加熱手段へ電力を供給するオンオフ回路と、前記加熱手段に供給される交流の商用電源電圧を検出する電圧検出部と、前記インバータ回路と前記オンオフ回路とを制御し、該オンオフ回路の制御は前記電圧検出部の検出結果に基づいて行う制御部とを備え、該制御部は、前記加熱手段へ電力の供給が要求され調理が行われると、前記電圧検出部の検出した電圧が定格電圧より低い場合は、前記定格電圧時に行われる調理時間より長く前記加熱手段へ電力を供給し、前記電圧検出部の検出した電圧が定格電圧より高い場合は、前記定格電圧時に供給する電力より低い電力を前記加熱手段へ供給するものである。
本発明によれば、少なくとも一つの誘導加熱部とオーブンを備えた誘導加熱調理器において、多くの加熱部を効率良く並行して使用でき、使用者は調理時に不便さを感じることなく快適に調理することが出来、非常に使い勝手が良いものである。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は一実施例の誘導加熱調理器をシステムキッチンに組み込んだ状態の外観斜視図である。図1において、誘導加熱調理器の本体1はトッププレート2の下に設けられている。このトッププレート2は、耐熱性の高い結晶化ガラスからなる。トッププレート2に被加熱物である調理用の鍋等の調理器具が載置される。トッププレート枠3は、トッププレート2の周囲の端部を覆っている。トッププレート2との間にはシール材(図示せず)が充填していてトッププレート2の周りに固着している。シール材によりトッププレート2の上に液体がこぼれても、本体1内部に水が漏れない水密構造を持つ。トッププレート枠3は本体1にも固定されている。本体1をシステムキッチン10に取り付ける際は、トッププレート枠3で本体1を吊り下げて設置する。
トッププレート枠3の後枠部に開口する吸気部1aは、本体1の後部に設けられた吸排気通路と連通して、本体1内の制御部ユニット(図示せず)や加熱コイル6の冷却用の空気を吸気する。吸気部1aと同様に、トッププレート枠3の後枠部に開口する排気部1bは、制御部ユニット(図示せず)や加熱コイル6などを冷却した空気やオーブン5からの排煙を排気する。
トッププレート2の上面に設けられた複数の鍋位置表示部4は、トッププレート2の下部に配置される加熱コイル6(図示せず)の真上になる位置に設けられた表示部である。
複数の加熱コイル6は、トッププレート2の下であって本体1の上部に略水平に設けられている。トッププレート2の前面よりである手前左側に加熱コイル6aが、トッププレート2の前面よりである手前右側に加熱コイル6bが、加熱コイル6aと加熱コイル6bとの間の奥寄りであるトッププレート2の中央後側に加熱コイル6cが設けられている。トッププレート2に載置された調理用の鍋等を誘導加熱する。
鍋位置表示部4aはトッププレート2手前左側に配置される加熱コイル6aに対応して設けられ、鍋位置表示部4bはトッププレート2手前右側に配置される加熱コイル6bに対応して設けられ、鍋位置表示部4cはトッププレート2中央後側に配置される加熱コイル6cに対応して設けられている。
トッププレート2の手前側左右の加熱コイル6a、6bは、炒め物や揚げ物など比較的大きい出力が必要な調理用である。本実施例においては、夫々最大消費電力3.0kWの加熱出力(火力)を有している。
また、トッププレート2の中央後側に配置された加熱コイル6cは、保温や煮込み料理、炊飯調理など、調理時の作業がそれ程必要なく、且つ手前側左右の加熱コイル6a、6bに比べて比較的出力が弱い調理用である。本実施例においては、加熱コイル6cは、最大消費電力1.6kWの加熱出力(火力)を有している。但し、加熱コイル6cにおいては、誘導加熱に限定することなく、電熱加熱のラジエントヒータでも良い。
オーブン5は、加熱コイル6の下方で本体1内の左側または右側(本実施例では左側)に設けている。このオーブン5は矩形状の箱体であり、中に入れられた被加熱物を加熱する加熱手段を有する。本実施例において、この加熱手段は定格消費電力が1.2kWの加熱出力を有するシーズヒータ702(図7)である。更にオーブン5は、取っ手5bを備えた扉5aと、この扉5aと供に本体1の前面から出し入れ可能な受皿(図示せず)とを備える。
受皿には被加熱物を載せる網(図示せず)を置いて加熱調理を行う。オーブン5は、この網の上に魚やピザ、グラタン等の被加熱物である調理物を載せて加熱調理する。オーブン5で調理する場合、臭いや煤煙がオーブン5内で発生する。それらが排気部1bから室内に排気され室内の空気を汚すことを防ぐため、オーブン5からの排気を触媒により浄化する仕組みを備えても良い。触媒は加熱を要するため、0.3kWのヒータ(図示せず)が組み込まれている。したがって、触媒を備えたオーブン5で調理を行う場合は、合計1.5kWの電力消費となる。
パネル操作部7は、オーブン5の横の位置である本体1の右側前面に設けている。図2に示すように誘導加熱調理器の電源の入り切りを行う電源切/入スイッチ7aと、オーブン5の加熱手段であるシーズヒータの入り切りを行う切/スタートキー7bで構成されている。パネル表示部7cは、パネル操作部7で操作した内容を使用者にわかり易く表示する。
上面操作部8は、トッププレート2の手前に設けられたプレート枠3の前枠部に設けられている。本実施例ではプレート枠3の前枠部に設けてあるが、トッププレート2に設けるようにしてもよい。
図3に示された上面操作部8は、加熱コイル6a、6b、6cの夫々に対応した上面操作部8a、8b、8cからなる。上面操作部8a、8b、8cには図4に示すように、夫々の加熱コイル6a、6b、6cの通電をオンオフするときに押す切/スタートキー401と、夫々の加熱コイル6a、6b、6cの出力(出力)やタイマー値、自動調理を設定(選択)するときに押す設定キー402と、夫々の加熱コイル6a、6b、6cのタイマー時間を設定する時に押すタイマーキー403と、夫々の加熱コイル6a、6b、6cの自動調理を設定する時に押すメニューキー404が設けられている。
設定キー402は、図5に示すように、夫々の加熱コイル6a、6b、6cに対し段階的な出力を設定することが出来る。図5において、加熱コイル6a、6bは最大出力が3.0kWとなっているが、同じ加熱コイル6a、6bを用いても、加熱対象の材質により最大出力が変わる場合、例えば磁性材料からなる調理鍋と非磁性材料からなる調理鍋とで最大出力が変わる場合は、それぞれの最大出力に応じて段階的な出力を設定するようにしてもよい。
また、図示はしないが、タイマーキー403を押すと、タイマー制御の設定要求が制御部713(図7)に発せられ、設定時間を段階的なタイマー値として設定することができる。
また、メニューキー404を押すと、自動調理設定処理が開始する。そして、設定キー402を操作することで、図6に示す4種類の自動調理機能が基本的に設けられていて、これらが表示され、選択可能となる。
自動調理機能は、被加熱物である調理鍋の温度を制御して行うプログラムが制御部に記憶されていて、本実施例の場合は保温、炊飯、揚げ物、湯沸しである。図6中、トッププレート2の中央後ろ側に設けられた加熱コイル6cは、設定された最大出力(1.6kW)と自動調理で求められる最大出力との関係で、保温と炊飯とが自動調理を設定可能であるが、加熱コイル6cはこの他にも煮込みの設定が可能である。また、加熱コイル6cよりも設定最大消費電力が大きい、トッププレート2の前側左右に設けられた加熱コイル6a、6bについては、それぞれ鉄やステンレスを加熱する場合には3.0kWの最大消費
電力で出力させることができるので、本実施例で挙げる自動調理メニュー(保温、煮込み、炊飯、揚げ物、湯沸し)のいずれも設定最大出力が低いことからいずれの自動調理も設定可能である。
電力で出力させることができるので、本実施例で挙げる自動調理メニュー(保温、煮込み、炊飯、揚げ物、湯沸し)のいずれも設定最大出力が低いことからいずれの自動調理も設定可能である。
例えば、自動調理メニューの保温を設定すると、入力された設定キー402に対応する加熱コイル6は、加熱出力がその自動調理メニューの間、最大0.5kWの出力に設定される。
同様に他の自動調理メニューが設定された場合、炊飯では最大1.1kW、揚げ物では最大1.8kW、湯沸しでは最大2kWの出力に設定される。
自動設定メニューが設定された加熱コイル6は、後記する温度検出器711により調理鍋の温度を検知して、その温度に応じて出力を調整し、設定された自動調理の制御プログラムに従い調理(加熱処理)を実行する。
上面表示部9は、図3に示すように、トッププレート2の手前側であって各加熱コイルの上面操作部8と対応する位置に設けられている。上面操作部8で操作した出力の設定値や、自動調理メニューの内容や、調理のタイマー時間等を、上面操作部8のそばで使用者にわかり易く表示するものである。
なお、上面操作部8a、8b、8cと上面表示部9a、9b、9cは、設定する加熱コイル6a、6b、6cとの対応関係を分かり易くするため、加熱コイル6a、6b、6cから真直ぐ手前側のトッププレート2の辺部に直線状に並べて設けた。
図7は、誘導加熱調理器の回路ブロック図である。図7において、誘導加熱調理器に入力する商用電源の交流701は、オーブン5の加熱手段であるシーズヒータ702と、加熱コイル6a、6b、6cの出力(電力)を制御する駆動回路であるインバータ回路703、704、705とに供給される。オンオフ回路706はオーブン5の加熱手段であるシーズヒータ702をオンオフ制御して電力を供給する。
上面操作回路部707は上面操作部8と接続し入力された情報を信号に変えて制御部713へ送信する。上面表示回路部708は制御部713からの表示信号を上面表示部9で表示する。パネル操作回路部709はパネル操作部7での入力を制御部713に送る信号に変える。パネル表示回路部710は制御部713の出力をパネル表示部7cで表示する。
温度検出器711は、オーブン5の温度を検出するもので、検出された温度情報に基づいて、後述する制御部713はオンオフ回路706を介してオーブン5の加熱手段であるシーズヒータ702の通電率、通電時間(加熱時間)を制御する。
電圧検出部712は、交流701の商用電源の電圧を検出し、その検出結果を制御部713に出力するものである。
制御部713は、マイクロコンピュータで構成された制御手段である。この制御部713は、上面操作回路部707やパネル操作回路部709の操作信号や、温度検出器711の出力信号を入力して、上面表示回路部708や、パネル表示回路部710に表示信号を出力する。オーブン5の加熱手段であるシーズヒータ702をオンオフするオンオフ回路706や、加熱コイル6a、6b、6cの出力を複数段階に調整するインバータ回路703、704、705には制御信号を出力している。
次に、以上の構成による動作を説明する。
オーブン5で魚等(被加熱物)を焼く場合、使用者は網の上に魚を載せ、網をオーブン5に収納した後、パネル操作部7の電源切/入スイッチ7aを入れる。電源切/入スイッチ7aの電源入操作により他の加熱手段と供に、オーブン5でも加熱準備状態となる。
次にパネル操作部7の切/スタートキー7bを押されると、オーブン5への加熱要求があったと判断して、制御部713は、電圧検出部712の検出結果に基づいてオンオフ回路706にオーブン5のシーズヒータ702への通電を制御して、網に載せられた被加熱物の加熱を開始する。
図示はしないが、オーブン5の加熱庫内には、温度検出器711が設けられ、その温度センサの検知結果を制御部713で受信し、被加熱物の加熱状態を判断し加熱庫内の温度調節をしながらオーブン5の加熱調理を行う。
加熱庫内の被加熱物によっては温度調節処理が異なる。図2には示されていないが、例えば、魚焼き調理の場合は、被加熱物である魚の焼きの進み具合に応じて加熱量を変化させる。庫内の温度変化が少なくなったのを検知したら制御部713にてシーズヒータ702への通電を停止する。使用者は調理が終了したら、他の調理が無い時には、電源切/入スイッチ7aを押して電源を切る。このように、オーブン5はその調理対象によって要求出力に幅がある。従って、設定最大出力を予め確保しておく必要がある。本実施例では、以下に述べるようにオーブン5の設定最大出力を1.5kWとした。
図8の例1は、加熱コイル6cを上面操作部8cの設定キー402により設定可能な最大出力の1.6kWに設定して調理を開始した場合である。
加熱コイル6cでの加熱開始後に、加熱コイル6bが、上面操作部8bの設定キー402により設定可能な最大出力の3.0kWに設定された場合、加熱コイル6cの1.6kWと加熱コイル6bの要求出力3.0kWとの合計出力が4.6kWである。これは、本実施例における定格出力である5.8kW以内である。よって制御部713は、加熱コイル6bの当該出力要求を受け入れる。そして、制御部713は上面表示部9bには3.0kWに相当する表示を行い、加熱コイル6bへの電力供給をインバータ回路704に要求して、使用者は調理を開始する。
さらに加熱コイル6aで調理しようとして出力設定を1.1kWを超える設定にしようとすると、機器全体の消費電力が所定の定格電力の5.8kWを超えないように制御部713で制御するため、加熱コイル6aの出力を設定する設定キー402の操作は1.1kWを超える出力要求は受け付けず、上面表示部9aには1.1kWより大きな出力を表示させない。各加熱コイル6は設定可能な火力が離散的に設定されているため、この場合は、定格電力の5.8kWに対して1.2kWは設定されない。
したがって、加熱コイル6aの出力は1.1kWまでしか設定することが出来ない。
このように、トッププレート2上で3口の加熱コイル6a、6b、6cにより同時に調理しようとする場合、設定最大火力出力が異なる2口の加熱コイル6では設定可能な最大出力で調理することが可能であり、残り1口の加熱コイル6では調節した出力で調理することができる。
従って、本実施例の場合、設定最大火力出力が異なる2口の加熱コイルは設定可能な最大出力で調理が可能となり、しかも残りの1口の加熱コイルでも調節した出力で調理が可能であるため、調理時に出力の制限による使いにくさによる不便さを感じることなく、快適に調理することが出来、使い勝手が非常に良い。
図8の例2は、加熱コイル6cで自動調理の炊飯(設定最大出力1.1kW)調理を開始し、次に加熱コイル6bで設定可能な最大出力の3.0kWを設定して調理を開始し、次に加熱コイル6aで自動調理の揚げ物(設定最大出力1.8kW)を設定しようとする場合である。このときの機器全体の消費電力が5.9kWとなり所定の定格電力の5.8kWを超えるため、制御部713は加熱コイル6aでの揚げ物の自動調理機能を設定できないように制御する。
このように、調理中の出力及びこれから設定しようとする調理の出力は、手動の出力設定であればそのとき設定された出力とし、自動調理の場合は自動調理機能により出力が途中で変動するように制御された場合、その自動調理機能における最大出力(設定最大出力)で計算を行う。このようにすることにより、所定の定格電力を超えることを無くすことができる。この場合、加熱コイル6bでの設定出力を手動で下げた後(例えば、3.0kWを2.5kWに下げた場合)、加熱コイル6c及び加熱コイル6bの合計出力が3.6kWなので加熱コイル6aで揚げ物調理メニューを選択しても、5.4kWとなり、この場合は、加熱コイル6aの揚げ物調理メニューの設定要求を制御部713は受け入れる。
図8の例3は、加熱コイル6aで自動調理の湯沸し(設定最大出力2kW)を行い、加熱コイル6bで自動調理の揚げ物(設定最大出力1.8kW)を行い、さらに加熱コイル6cで炊飯(設定最大出力1.1kW)を行った例である。このときの機器全体の消費電力は最大4.9kWで所定の定格電力の5.8kWを超えることはない。
このように、トッププレート2上で3口の加熱コイル6a、6b、6cにより同時に自動調理を行うことが可能であるため、使い勝手が非常に良い。
いずれかの自動調理の設定において、最後の自動調理を設定する際の上面表示部9の表示について説明する。該当する加熱コイル6のメニューキー404が押され、自動調理モードになったときに、各自動調理メニューは予め設定最大出力が登録してあるので、制御部713は、上面表示部9に設定可能な自動メニューを表示させる。例3の場合、加熱コイル6bでの自動調理設定が最後であった場合は、保温、炊飯、揚げ物、湯沸しの各自動メニューを表示する。
図8の例4は、オーブン5の加熱手段により魚等を調理する場合の例であり、加熱コイル6aで自動調理の炊飯(設定最大出力1.1kW)中に、オーブン5で魚焼き等の調理を開始する場合である。
オーブン5の調理に際し、パネル操作部7の切/スタートキー7bが押され、オーブン5の出力要求が制御部713に対してあると、加熱コイル6aは自動調理中(炊飯)であるため設定最大出力1.1kWなので、(所定の定格電力5.8kW)−(調理中の出力の合計1.1kW)が4.7kWであり、オーブン5の消費電力の1.5kW以上であるので、制御部713は、オーブン5の加熱を受け付ける。
次に加熱コイル6bの出力要求が制御部713に対してなされた場合、要求出力が2.4kWであると、機器の合計最大消費出力が5.0kWであるので定格電力5.8kWより小さい値である。それにより、この加熱コイル6bの出力要求を制御部713は受け入れ、インバータ回路704が要求出力2.4kWの出力を行うよう制御する。
さらに加熱コイル6cに対応する上面操作部8cの切/スタートキー401からの加熱開始の入力を制御部713が検知すると、既に機器の合計最大消費出力が5.0kWとなっているので、制御部713は上面表示部9cには出力として0.8kWの表示までしか行わない。
そこで、加熱コイル6cに対する出力要求が0.8kWに設定されると、制御部713はインバータ回路705が0.8kWの出力を行うように制御する。この時の機器全体の消費電力は5.8kWとなり、所定の定格電力の5.8kWを超えることはない。
この場合、オーブン5は、被調理物がどのようなものであっても、設定最大出力が予め設定されているため、他の加熱コイル6とは異なり、一定の出力を確保する必要がある。この例4では定格電力に対してオーブン5の加熱に必要な要求出力が満たされたためオーブン5の出力要求を制御部713が受け入れ許可できた。
このようにトッププレート2上の3口の加熱コイル6と、オーブン5とで同時に調理を行うことができるため、使い勝手が非常に良い。
図8の例5は、加熱コイル6aの設定可能な最大出力3.0kWで加熱を行い、加熱コイル6bが出力2.4kWで加熱を行っているときに、オーブン5で魚焼き等の調理を要求する場合である。
オーブン5で調理開始しようとして、使用者がパネル操作部7の切/スタートキー7bを押すと、制御部713にグリル部5の出力要求が入力される。制御部713では、処理を実行し、この出力要求の可否を判断する。
まず、加熱コイル6aが最大出力3.0kWで調理中であるが、自動調理ではないので、加熱コイル6aの出力を自動的に3.0kWから特定値の1.6kWに減じることにより、オーブン5の加熱手段の切/スタートキー7bによるオーブン5の出力要求を制御部713が受け付ける。
次に加熱コイル6cの出力要求が制御部713にあった場合、機器の合計最大消費電力は5.5kWであるため、制御部713は加熱コイル6cに対応する設定キー402を操作されても、上部表示部9cでは0.3kWの表示を行う。加熱コイル6cに対する設定火力が0.3kWに設定されたら、制御部713はインバータ回路705に当該要求火力が出力されるよう制御して、使用者は調理を行う。
この時の合計消費電力は5.8kWとなり、所定の定格電力5.8kWを超えない。なお、特定値の1.6kWはこの値に限定されるものではなく、誘導加熱調理器が設置される電気設備の電源容量に応じて適宜選定すれば良い。
本実施例におけるこの特定値(1.6kW)は、出力が制限された加熱コイル6aにおいて、自動調理メニューとして揚げ物(設定最大出力1.8kW)と湯沸し(設定最大出力2.0kW)は行えない電力値である。
しかし、少なくとも加熱コイル6aと同じ最大出力3.0kWを磁性体の鍋で出力可能な加熱コイル6bにおいては、オーブン5のシーズヒータ702に電力を供給しても、加熱コイル6a及び6bよりも最大出力が小さい加熱コイル6cの設定出力によっては、加熱コイル6bに予め設定した全ての自動調理メニューを実行できる出力を確保し供給できることが好ましい。
具体的には、出力が制限された加熱コイル6aが1.6kW及びオーブン5のシーズヒータ702の設定最大出力が1.5kWであり、これらを合わせると3.1kWである。これは、本実施例で想定する定格電力5.8kWに対して2.7kWの余裕がある。この余剰電力は、加熱コイル6bに予め設定された自動調理メニューの中で最大の設定火力を要求する湯沸し調理(2.0kW)を行い得る出力である。
本実施例では、例え加熱コイル6aへの電力供給が行われていたときに、オーブン5のシーズヒータ702に電力を供給するように電力供給部であるオンオフ回路706に対する出力要求があったとしても、加熱コイル6aへの電力供給が制限された結果、加熱コイル6bでは全ての設定された自動調理(保温、炊飯、揚げ物、湯沸し)が行え、更に、加熱コイル6a及び6bよりも設定最大出力が小さい加熱コイル6cでも少なくとも一つの自動調理(保温)が可能となる。
このように加熱コイル6aの出力を自動的に特定値の1.6kWに減じることにより、トッププレート2上の3口の加熱コイル6と、オーブン5で同時に調理を行うことができるため、使い勝手が非常に良い。
また、オーブン5の加熱手段で魚焼き等の調理を開始しようとするとき、自動的に出力を減じる特定の加熱コイル6は、オーブン5の上に設けられたトッププレート2の手前左側の加熱コイル6aに特定しているため、使用者は出力が途中で変化しても調理の仕上がりに支障がない調理を予めこの特定の加熱コイル6aで行うことができるため、使い勝手が非常に良い。
また、オーブン5の加熱手段で魚焼き等の調理を開始しようとするとき、自動的に出力が減じられた加熱コイルがあっても、機器としては、少なくとも一つの加熱コイルが設定された自動調理を全て行うことができるので、実質的な使い勝手に影響が少ない。
以上のような構成を備えたオーブン付き誘導加熱調理器において、オーブン5を使用した調理では、交流701の商用電源の電圧変動によって被加熱物の調理具合に不具合を生じないように、交流701の商用電源の電圧が定格電圧より低い場合は、電圧検出部712によって低い前記電圧を検出して、制御部713によって低下した電圧により減少したシーズヒータ702の熱量を補う程度にオンオフ回路706を制御して加熱時間を延長して調理を行う。交流701の商用電源の電圧の低下による加熱時間の延長時間は事前に確認して、検出した電圧から延長する時間を求められる簡易式などに置き換えて制御部713に記憶しておくものである。
また、交流701の商用電源の電圧が定格電圧より高い場合は、電圧検出部712によって高い前記電圧を検出して、制御部713によって高い電圧により上昇したシーズヒータ702の熱量を補う程度にオンオフ回路706からシーズヒータ702へ供給する電源(交流701)の通電率を減じて調理時間の総電力を低減して調理を行う。交流701の商用電源の電圧の上昇による総電力の低減するための通電率は、前記同様に事前に確認した結果を制御部713に記憶しておくものである。
このようにオーブン5の調理時の補正方法でシーズヒータ702への供給電力を上昇する補正を行なわないことで、シーズヒータ702の定格消費電力に余裕を持って大きくする必要が無いので、他の加熱部の使用できる火力を最大限に大きく保ちながら、同時に複数の加熱を使用できるようになる。
以上のことから、使用者が調理に応じた加熱部を使用する際に、日本人の多くが好む魚焼きやピザやグラタン等が調理できるオーブン5を使用しながら、さらには自動調理も使用可能となり、その他の加熱部の一箇所に供給する電力を自動的に下げるように電力配分することで、全ての加熱部が使用できるようになり、多くの料理を一度に食卓に運ぶことができる。
したがって、複数の料理を並行して調理できる。更には調理を数回に分ける必要がなくなる。そのため、使用者は調理時に不便さを感じることなく快適に調理することが出来、非常に使い勝手が良い。
1 本体
2 トッププレート
5 グリル部
6 加熱コイル
702 シーズヒータ
703、704、705 インバータ回路
713 制御部
2 トッププレート
5 グリル部
6 加熱コイル
702 シーズヒータ
703、704、705 インバータ回路
713 制御部
Claims (2)
- 本体の上面に設けられたトッププレートと、
該トッププレート上に載せられた金属製鍋を加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルに電力を供給するインバータ回路と、
前記本体に設けられ加熱手段を有するオーブンと、
前記加熱手段へ電力を供給するオンオフ回路と、
前記加熱手段に供給される交流の商用電源電圧を検出する電圧検出部と、
前記インバータ回路と前記オンオフ回路とを制御し、該オンオフ回路の制御は前記電圧検出部の検出結果に基づいて行う制御部とを備え、
該制御部は、前記加熱手段へ電力の供給が要求され調理が行われると、
前記電圧検出部の検出した電圧が定格電圧より低い場合は、前記定格電圧時に行われる調理時間より長く前記加熱手段へ電力を供給するように前記オンオフ回路を制御し、
前記電圧検出部の検出した電圧が定格電圧より高い場合は、前記定格電圧時に供給する電力より低い電力を前記加熱手段へ供給するように前記オンオフ回路を制御することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
前記制御部は、前記オンオフ回路を制御して前記加熱手段に電力を供給するとともに、前記インバータ回路も制御して前記加熱コイルに電力を供給することを特徴とする誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012182836A JP2014041735A (ja) | 2012-08-22 | 2012-08-22 | 誘導加熱調理器 |
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JP2012182836A JP2014041735A (ja) | 2012-08-22 | 2012-08-22 | 誘導加熱調理器 |
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JP2014041735A true JP2014041735A (ja) | 2014-03-06 |
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ID=50393834
Family Applications (1)
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JP2012182836A Pending JP2014041735A (ja) | 2012-08-22 | 2012-08-22 | 誘導加熱調理器 |
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-
2012
- 2012-08-22 JP JP2012182836A patent/JP2014041735A/ja active Pending
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