JP2014040783A - ガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電機出力と燃料流量指令OLCSOとが関連付けられた第1情報を用いて、発電機出力に対応する第1燃料流量指令を決定する過負荷抑制部13と、フィードバック制御により、発電機出力を所定の目標値に追従させるような燃料流量指令LDCSOを決定する出力制御部11と、少なくとも燃料流量指令OLCSO及びLDCSOを含む複数の燃料流量指令が入力され、入力された複数の燃料流量指令のうち最も小さい燃料流量指令を選択する低値選択部14とを具備し、第1情報は、発電機出力が過負荷状態とみなす所定の第1閾値を超える過負荷領域において、燃料流量指令OLCSOが燃料流量指令LDCSOよりも小さな値をとるように設定されているガスタービン制御装置を提供する。
【選択図】図2
Description
高炉ガスは、製鉄所内の高炉などの運転状況に応じてガスカロリーが大きく変化することが知られており、ガスタービン本体の挙動にも影響を与えることが懸念されている。
特許文献1には、増熱/減熱ガスを高炉ガスと混合し、ガスタービンへ投入する混合ガスのカロリーが一定となるように制御することが開示されている。
また、特許文献2に開示されたガスタービン制御方法によれば、負荷制御指令LDCSOの算出過程におけるPID制御の制御ゲインを大きな値に変更することで、過負荷時における応答性を高め、過負荷によるトリップを抑制する効果を高めることが可能となる。しかしながら、このような制御ゲインの調整は非常に難しく、適切な制御ゲインの設定に多大な労力を費やすこととなる。
また、第1情報は、過負荷領域において、第1燃料流量指令が第2燃料流量指令よりも小さい値をとるように設定されている。このことから、過負荷状態となった場合には、過負荷抑制手段によって決定された第1燃料流量指令が、低値選択手段によって速やかに選択され、この第1燃料流量指令に基づく燃料投入量の制御が行われることとなる。
従って、過負荷時における燃焼器への燃料投入量をいち早く効果的に低減させることが可能となり、トリップを防止することが可能となる。
また、上記第2測定項目としては、例えば、発電機出力、ガスタービンの回転数、回転速度などが挙げられる。
上記構成によれば、過温度抑制手段は、ガスタービンの温度に関する第3測定項目と第3燃料流量指令とが関連付けられた第2情報を用いることにより、第3測定値から直接的に第3燃料流量指令を決定するので、制御ゲインの調整を行うことなく、比較的簡便な処理により速やかに第3燃料流量指令を得ることができる。
また、第2情報は、過温度領域において、第3燃料流量指令が第4燃料流量指令よりも小さい値をとるように設定されている。このことから、過温度状態となった場合には、過温度抑制手段によって決定された第3燃料流量指令が、低値選択手段によって速やかに選択され、この第3燃料流量指令に基づく燃料投入量の制御が行われることとなる。
従って、過温度時における燃焼器への燃料投入量をいち早く効果的に低減させることが可能となる。
上記第3測定項目としては、例えば、ブレードパス温度、排ガス温度などが挙げられる。また、第3測定項目と第4測定項目とは異なっていても良いし、同じであってもよく、同じである場合には同じ測定値(例えば、ブレードパス温度)を用いることができる。
上記構成によれば、過負荷領域であることが検知された場合に、過温度抑制手段が、第4燃料流量指令よりも小さな値を持つ第3燃料流量指令を出力するので、温度制御を先行的に行うことができ、過温度状態になることを未然に防ぐことを期待できる。
また、第2情報は、過温度領域において、第3燃料流量指令が第4燃料流量指令よりも小さい値をとるように設定されている。このことから、過温度状態となった場合には、過温度抑制手段によって決定された第3燃料流量指令が、低値選択手段によって速やかに選択され、この第3燃料流量指令に基づく燃料投入量の制御が行われることとなる。
従って、過温度時における燃焼器への燃料投入量をいち早く効果的に低減させることが可能となる。
上記第3測定項目としては、例えば、ブレードパス温度、排ガス温度などが挙げられる。また、第3測定項目と第4測定項目とは異なっていても良いし、同じであってもよく、同じである場合には同じ測定値(例えば、ブレードパス温度)を用いることができる。
以下に、本発明の第1実施形態に係るガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発電システムの全体概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、発電システムは、ガスタービン1と、ガスタービン制御装置10とを備えている。ガスタービン1は、空気を圧縮して出力する圧縮機2、圧縮機2からの圧縮空気と燃料配管を経て供給される燃料とを混合燃焼し、燃焼ガスを出力する燃焼器3、燃焼器3からの燃焼ガスにより駆動されるタービン4、及びタービン4により駆動される発電機5を備えている。このガスタービン1において、圧縮機2、タービン4、及び発電機5は互いに連結されている。
タービン4を通った排気ガスは、排気ダクトを経て蒸気タービン(図示略)等へ送られ、排気ガスのエネルギーが活用される。
圧縮機2へ空気を供給する空気配管には、空気流量を調整するための空気流量調節弁(以下「IGV調整弁」という。)7が設けられている。
出力制御部11は、ガスタービン1の出力に関するパラメータに基づいて燃料流量指令を決定するものである。ここでは、出力制御部11として、負荷制御部21及びガバナ制御部22が設けられている。
負荷制御部21は、発電機出力、買電制御値等を入力信号として取得し、発電機出力を目標値に一致させるような燃料流量指令LDCSOを決定する。例えば、負荷制御部21は、発電機出力と目標出力とを比較し、比例積分(PI)演算を行い、この結果を燃料流量指令LDCSOとして出力する。
ブレードパス温度制御部23は、タービン4のブレードパス温度BPTを入力信号として取得し、このブレードパス温度BPTがブレードパス温度上限値を超えないような燃料流量指令BPCSOを決定する。例えば、ブレードパス温度制御部23は、ブレードパス温度とブレードパス温度設定値とを比較し、比例積分(PI)演算を行い、この結果を燃料流量指令BPCSOとして出力する。
過負荷抑制部13は、発電機出力と燃料流量指令とが関連付けられた第1情報を用いて、発電機出力の測定値に対応する燃料流量指令OLCSOを決定する。
図3には、発電機出力と燃料流量指令OLCSOとの関係が示されている。図3に示すように、発電機出力が過負荷状態とみなす所定の第1閾値を超える過負荷領域において、燃料流量指令OLCSOが出力制御部11から出力される燃料流量指令であるLDCSO、GVCSOよりも小さな値をとるように設定されている。より具体的には、図3に示すように、過負荷領域において、燃料流量指令OLCSOを急激に減少させるような特性とされており、また、その下限値は、ガスカロリーが取り得る最大値を想定し、このガスカロリーの最大値において失火を防ぎうる最小の燃料流量を取得し、この燃料流量に所定のマージンを加えた値に設定されている。
低値選択部14は、入力された燃料流量指令のうち、最も低値の燃料流量信号を選択し、これを燃料流量指令CSOとして出力する。これにより、燃料流量指令CSOに基づいて燃料流量調整弁6の弁開度が調整され、適切な流量の高炉ガスが燃焼器3へ供給されることとなる。
図4からわかるように、過負荷抑制部13を有している場合には、ガスカロリーが上昇した場合に、過負荷運転状態から定格運転状態へ速やかに移行させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システムについて説明する。本実施形態に係るガスタービン制御装置が上述の第1実施形態と異なる点は、図5に示すように、過負荷抑制部13´が大気温度に応じて燃料流量指令を補正する補正部16を備える点である。
以下、本実施形態のガスタービン制御装置について、上記第1実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
補正情報は、図6に示すように、例えば、予め設定された基準温度において補正係数が「1」となるように設定され、大気温度が小さくなるほど補正係数が大きくなるように設定されている。
次に、本発明の第3実施形態に係るガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システムについて説明する。本実施形態に係るガスタービン制御装置が上述の第1実施形態と異なる点は、図7に示すように、過負荷抑制部13に代えて、過温度抑制部18を備えている点である。
以下、本実施形態のガスタービン制御装置10aについて、上記第1実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
なお、ブレードパス温度に代えて、例えば、排ガス温度等を用いることとしてもよい。
図8には、ブレードパス温度と燃料流量指令OTCSOとの関係が示されている。図8に示すように、ブレードパス温度が予め設定されている所定の温度制限値を超える過温度領域において、燃料流量指令OTCSOが温度制御部12から出力される燃料流量指令であるBPCSO、EXCSOよりも小さな値をとるように設定されている。
この燃料流量指令OTCSOは、低値選択部14に入力される燃料流量指令のうち最も小さい値となるので、低値選択部14では、過温度抑制部18から出力された燃料流量指令OTCSOが選択される。これにより、この燃料流量指令OTCSOに基づいて燃料流量調整弁6の弁開度が調整されることにより、弁開度が速やかに絞られ、燃焼器3に供給される燃料流量が速やかに減少させられる。
図9からわかるように、過温度抑制部18を有している場合には、ガスカロリーが上昇した場合に、過温度状態にあるブレードパス温度を温度制限値以下に速やかに移行させることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システムについて説明する。図10に示すように、本実施形態に係るガスタービン制御装置10bは、上述の第1実施形態に係る過負荷抑制部13と、第3実施形態に係る過温度抑制部18の両方を備え持つ構成とされている。このように、過負荷抑制部13と過温度抑制部18とを有することにより、ガスカロリーが上昇して過負荷状態や過温度状態になった場合には、速やかに燃料流量を低減させることが可能となる。なお、第1実施形態に係る過負荷抑制部13に代えて、第2実施形態に係る過負荷抑制部(図5参照)を採用することとしてもよい。
次に、本発明の第5実施形態に係るガスタービン制御装置及びガスタービン制御方法並びに発電システムについて説明する。
図11に示すように、本実施形態に係るガスタービン制御装置10cは、図10に示した第4実施形態に係るガスタービン制御装置10bの構成に更に加えて、温度先行抑制部20を備えている。
指令決定部31は、ブレードパス温度と燃料流量指令F−OTCSOとが関連付けられた第3情報を有し、該第3情報を用いてブレードパス温度の測定値に対応する燃料流量指令F−OTCSOを決定する。図13に、第3情報の一例を示す。図13に示すように、第3情報は、ブレードパス温度が基準温度よりも小さい値である第2閾値を超えた場合に、燃料流量指令を減少させるような特性とされている。
選択部33は、指令決定部31からの燃料流量指令F−OTCSOが入力されるとともに、一定の燃料流量指令(例えば、100%)が入力され、条件判定部32からの信号に基づいて出力する燃料流量指令を選択する。具体的には、条件判定部32からオン信号が入力されている場合に、指令決定部31からの燃料流量指令F−OTCSOを出力し、オフ信号が入力されている場合に、一定の燃料流量指令を出力する。
このように、本実施形態に係るガスタービン制御装置10cによれば、温度先行抑制部20の作用により、過温度抑制部18よりも更に早期に燃料流量を低減させることが可能となる。
なお、上述したように温度先行抑制部を設ける代わりに、温度先行抑制部が有する第3情報を過温度抑制部18が用いる第2情報に組み合わせることにより、1つのテーブル或いは関数式を用いた温度抑制制御を実現することが可能となる。
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 発電機
6 燃料流量調整弁
7 空気流量調節弁
8 BPTセンサ
9 EXTセンサ
10 ガスタービン制御装置
11 出力制御部
12 温度制御部
13 過負荷抑制部
14 低値選択部
15、31 指令決定部
16 補正部
18 過温度抑制部
20 温度先行抑制部
21 負荷制御部
22 ガバナ制御部
23 ブレードパス温度制御部
24 排ガス温度制御部
32 条件判定部
33 選択部
Claims (10)
- 燃焼器に投入される燃料ガスのカロリーが変動するガスタービンに適用されるガスタービン制御装置であって、
発電機出力の測定値を取得する第1取得手段と、
前記発電機出力と第1燃料流量指令とが関連付けられた第1情報を用いて、前記第1取得手段によって取得された前記発電機出力の測定値に対応する第1燃料流量指令を決定する過負荷抑制手段と、
フィードバック制御により、ガスタービンの出力に関する第2測定項目の第2測定値を、予め設定されている所定の目標値に追従させるような第2燃料流量指令を決定する出力制御手段と、
少なくとも前記第1燃料流量指令及び前記第2燃料流量指令を含む複数の燃料流量指令が入力され、入力された複数の燃料流量指令のうち最も小さい燃料流量指令を選択する低値選択手段と
を具備し、
前記第1情報は、前記発電機出力が過負荷状態とみなす所定の第1閾値を超える過負荷領域において、前記第1燃料流量指令が前記第2燃料流量指令よりも小さな値をとるように設定されているガスタービン制御装置。 - 前記第1情報は、前記発電機出力が前記第1閾値未満である領域において、前記第1燃料流量指令が、前記低値選択手段に入力される各前記燃料流量指令の最小値よりも大きな値に設定されている請求項1に記載のガスタービン制御装置。
- 前記過負荷抑制手段は、前記第1情報を用いて決定された前記第1燃料流量指令を、大気温度に基づく補正値を用いて補正する補正手段を有し、補正後の第1燃料流量指令を前記低値選択手段に出力する請求項1または請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- ガスタービンの温度に関する第3計測項目の第3測定値を取得する第2取得手段と、
前記第3計測項目と第3燃料流量指令とが関連付けられた第2情報を用いて、前記取得手段によって取得された前記第3測定値に対応する第3燃料流量指令を決定する過温度抑制手段と、
フィードバック制御により、ガスタービンの温度に関する第4測定項目の第4測定値を、予め設定されている所定の目標値に追従させるような第4燃料流量指令を決定する温度制御手段と
を有し、
前記低値選択手段には、前記第1燃料流量指令及び前記第2燃料流量指令に加えて前記第3燃料流量指令及び前記第4燃料流量指令が入力され、
前記第2情報は、前記第3測定値が予め設定されている所定の温度制限値を超える過温度領域において、前記第3燃料流量指令が前記第4燃料流量指令よりも小さな値をとるように設定されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスタービン制御装置。 - 前記第2情報は、前記第3測定値が前記温度制限値未満である領域において、前記第3燃料流量指令が、前記低値選択手段に入力される各前記燃料流量指令の最小値よりも大きな値に設定されている請求項4に記載のガスタービン制御装置。
- 前記過温度抑制手段は、前記過負荷領域において、前記温度制御手段から出力される第4燃料流量指令よりも小さな値の第3燃料流量指令を出力する請求項4または請求項5に記載のガスタービン制御装置。
- 燃焼器に投入される燃料ガスのカロリーが変動するガスタービンに適用されるガスタービン制御装置であって、
ガスタービンの温度に関する第3計測項目の第3測定値を取得する取得手段と、
前記第3計測項目と第3燃料流量指令とが関連付けられた第2情報を用いて、前記取得手段によって取得された前記第3測定値に対応する第3燃料流量指令を決定する過温度抑制手段と、
フィードバック制御により、ガスタービンの温度に関する第4測定項目の第4測定値を、予め設定されている所定の目標値に追従させるような第4燃料流量指令を決定する温度制御手段と、
少なくとも前記第3燃料流量指令及び前記第4燃料流量指令を含む複数の燃料流量指令が入力され、入力された複数の燃料流量指令のうち最も小さい燃料流量指令を選択する低値選択手段と
を具備し、
前記第2情報は、前記第3測定値が予め設定されている所定の温度制限値を超える過温度領域において、前記第3燃料流量指令が前記第4燃料流量指令よりも小さな値をとるように設定されているガスタービン制御装置。 - 燃焼器に投入される燃料ガスのカロリーが変動するガスタービンに適用されるガスタービン制御方法であって、
発電機出力の測定値を取得する第1取得工程と、
前記発電機出力と第1燃料流量指令とが関連付けられた第1情報を用いて、前記発電機出力の測定値に対応する第1燃料流量指令を決定する過負荷抑制工程と、
フィードバック制御により、ガスタービンの出力に関する第2測定項目の第2測定値を、予め設定されている所定の目標値に追従させるような第2燃料流量指令を決定する出力制御工程と、
少なくとも前記第1燃料流量指令及び前記第2燃料流量指令を含む複数の燃料流量指令が入力され、入力された複数の燃料流量指令のうち最も小さい燃料流量指令を選択する低値選択工程と
を含み、
前記第1情報は、前記発電機出力が過負荷状態とみなす所定の第1閾値を超える過負荷領域において、前記第1燃料流量指令が前記第2燃料流量指令よりも小さな値をとるように設定されているガスタービン制御方法。 - 燃焼器に投入される燃料ガスのカロリーが変動するガスタービンに適用されるガスタービン制御方法であって、
ガスタービンの温度に関する第3計測項目の第3測定値を取得する取得工程と、
前記第3計測項目と第3燃料流量指令とが関連付けられた第2情報を用いて、前記第3測定値に対応する第3燃料流量指令を決定する過温度抑制工程と、
フィードバック制御により、ガスタービンの温度に関する第4測定項目の第4測定値を、予め設定されている所定の目標値に追従させるような第4燃料流量指令を決定する温度制御工程と、
少なくとも前記第3燃料流量指令及び前記第4燃料流量指令を含む複数の燃料流量指令が入力され、入力された複数の燃料流量指令のうち最も小さい燃料流量指令を選択する低値選択工程と
を含み、
前記第2情報は、前記第3測定値が予め設定されている所定の温度制限値を超える過温度領域において、前記第3燃料流量指令が前記第4燃料流量指令よりも小さな値をとるように設定されているガスタービン制御方法。 - 燃焼器に投入される燃料ガスのカロリーが変動するガスタービンと、
請求項1から請求項7のいずれかに記載のガスタービン制御装置と
を具備する発電システム。
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