JP2014040497A - 自己粘着性フィルム、これを用いた飛散防止ガラスの製造方法、及び自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に、下記(a)〜(d)成分を含有する自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物から形成されてなる接着層を有してなる、自己粘着性フィルム。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤
【選択図】なし
Description
近年、このような保護フィルムとして、自己粘着性を有する接着層を備えたフィルム(以下、「自己粘着性フィルム」という)が開発されている。
自己粘着性とは、押圧することなく、フィルムの自重で素早く被着体に貼着するものであり、当該性質がゆえに、自己粘着性フィルムは貼着時の作業性に優れている。
このような自己粘着性フィルムとしては、例えば特許文献1〜3のものが提案されている。
特許文献2には、基材上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体とテルペン系樹脂との混合物を含む接着層を有する自己粘着性フィルムが記載されている。
特許文献3には、基材上に、熱可塑性樹脂とアクリル系又はアマイド系から選択される滑剤を含む接着層を有する自己粘着性フィルムが記載されている。
また、そもそも従来の自己粘着性フィルムは、貼着時に空気が混入した際や、貼着する位置を誤った際等に容易に貼り直しできること(リワーク性)を考慮しているため、リワーク性の低下につながる接着力を強くすることは全く意図していない。
本発明が解決しようとする課題は、自己粘着性を有しながら、強固な接着力を有する自己粘着性フィルム、これを用いた飛散防止ガラスの製造方法、及び自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤
また、本発明の飛散防止ガラスの製造方法は、自己粘着性フィルムを容易に貼り直しできることから、位置決めが容易で気泡混入を防ぐことができ、その一方、自己粘着性フィルムとガラスとの接着力が経時的に増加してガラス飛散防止性を満足することができる。
<自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物>
本発明の自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物は、下記(a)〜(c)成分を含む主剤と、下記(d)成分を含む副剤との組み合わせからなるものである。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤
(a)成分の未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、後述する(c)成分との相互作用で自己粘着性を発現する役割を有する。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントであるポリスチレンと、ソフトセグメントから構成されるものである。
ソフトセグメントとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン等を単独で含む場合や、ポリエチレンとポリブチレン、ポリエチレンとポリプロピレンといった2種を含む場合等があげられる。これらの中でも耐久性及び透明性の観点から、ソフトセグメントとしては、ポリエチレンとポリブチレンの2種、またはポリエチレンとポリプロピレンの2種が好適であり、ポリエチレンとポリブチレンの2種が特に好適である。
なお、ソフトセグメントとしてポリエチレンとポリブチレンの2種を有するポリスチレン系熱可塑性エラストマーはSEBSと呼ばれ、ソフトセグメントとしてポリエチレンとポリプロピレンの2種を有するポリスチレン系熱可塑性エラストマーはSEPSと呼ばれている。SEBSは、例えばソフトセグメントがポリブタジエンであるポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SBS)に水素添加することにより製造でき、SEPSは、例えばソフトセグメントがポリイソプレンであるポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SIS)に水素添加することにより製造できる。
ハードセグメント(ポリスチレン)とソフトセグメントとの質量比率は、接着の凝集力、固さ、柔軟性のバランスの観点から、10:90〜40:60であることが好ましく、20:80〜35:65であることがより好ましい。
(a)成分の重量平均分子量は、20000〜500000であることが好ましく、50000〜350000であることがより好ましい。
(b)成分のエポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、後述する(d)成分と反応することにより、被着体(特にガラス)への接着力を経時的に増加する役割を有する。このような(b)成分は、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーをエポキシ基と反応可能に変性してなるものである。
なお、(b)成分の元となるポリスチレン系熱可塑性エラストマーと、(a)成分のポリスチレン系熱可塑性エラストマーとは、相溶性の観点から同一成分であることが好ましい。例えば、(b)成分の元となるポリスチレン系熱可塑性エラストマーと、(a)成分のポリスチレン系熱可塑性エラストマーを何れもSEBS又はSEPSとすることが好ましく、特に何れもSEBSとすることが好ましい。
カルボキシル基含有不飽和化合物としては、アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びオレイン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及びメサコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
これらカルボキシル基含有不飽和化合物の中でも、脂肪族不飽和ジカルボン酸が好ましく、脂肪族不飽和ジカルボン酸の中でもマレイン酸が特に好ましい。
無水カルボキシル基含有不飽和化合物としては、上述した脂肪族不飽和モノカルボン酸の一種又は二種を脱水してなるカルボン酸無水物、上述した脂肪族不飽和ジカルボン酸を脱水してなるカルボン酸無水物等が挙げられる。
これら無水カルボキシル基含有不飽和化合物の中でも、脂肪族不飽和ジカルボン酸を脱水してなるカルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
少なくとも一個の不飽和結合を有し、かつ水酸基を有する化合物としては、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するアルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸の非置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコールとのエステル、および非置換五価以上のアルコールとのエステルが挙げられる。
具体的には、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、5−ヒドロキシ−2−ペンテン、1,4−ヒドロキシ−2−ブテン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有不飽和化合物としては、アミノ基または置換アミノ基を有するビニル系単量体が挙げられる。
具体的には、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、およびN−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン等のN−メチルアリルアミン等のアリルアミン系誘導体類、アクリルアミドおよびN−メチルアクリルアミン等のアクリルアミド系誘導体類およびp−アミノスチレン等のアミノスチレン類等が挙げられる。
(c)成分の可塑剤は、主として上述した(a)成分の間に入り込み、(a)成分との相互作用により、自己粘着性を発現する役割を有するものである。可塑剤としては、ポリブテン等の液状ゴム;アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル;フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等のゴム用潤滑油等が挙げられる。これらの中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等のゴム用潤滑油が好適である。
(c)成分の可塑剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることがより好ましい。30質量部以上とすることにより、自己粘着性を発現させやすくすることができ、200質量部以下とすることにより、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
(d)成分のエポキシ基を有するシランカップリング剤は、自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物の副剤であり、上述した(b)成分と反応することにより、経時的に被着体との接着力を増加する役割を有する。特に、被着体がガラス等の無機物である場合に、貼付後に接着力を経時的に増加させやすい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、メトキシ基、エトキシ基等の加水分解可能なアルコキシ基と、有機官能基であるエポキシ基とを有してなるものであり、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等があげられる。これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
かかる顕著な効果は、上述した(a)〜(d)成分という特定の成分の組み合わせであるからなし得るものである。例えば、主剤としてシリコーン系ゴム等の別の熱可塑性エラストマーを用いた場合や、副剤としてアミノ基を有するシランカップリング剤等の別のシランカップリング剤を用いた場合には、本願発明の顕著な効果はなし得ない。
自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物は、主剤である(a)〜(c)成分、副剤である(d)成分の他に、(e)成分として添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、硬化剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤等が挙げられる。
硬化剤としては、イソシアネート系硬化剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系硬化剤等が挙げられ、基材との密着性の観点でイソシアネート系硬化剤が好適である。
硬化剤の添加量は、(b)成分100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。0.5質量部以上とすることにより、接着層の凝集力及び基材への密着性を良好にすることができ、10質量部以下とすることにより、未反応の架橋剤が残留することを防止しやすくできる。
本発明の自己粘着性フィルムは、基材上に、(a)〜(d)成分を含有する自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物により形成されてなる接着層を有する。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤
基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル等があげられる。これらの中でも、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度、寸法安定性、ガラス飛散防止性及び透明性に優れる点で好ましい。
また、基材表面にコロナ放電処理を施したり、易接着層を設けることによって、接着層との密着性を向上させたものも好適に用いられる。
基材の厚みとしては、一般には25〜500μmであるが、ガラス飛散防止性及び取り扱い性の観点から、50〜350μmであることが好ましい。
接着層は、例えば、基材上に、(a)〜(d)成分、必要に応じて添加する添加剤成分((e)成分)、及び希釈溶剤(トルエン等)を含有する自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物を塗布、乾燥することにより形成することができる。
接着層を形成する自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物に含まれる(a)〜(d)成分、及び必要に応じて含まれる(e)成分は、上述の通りである。
接着層の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、15〜50μmであることがさらに好ましい。
なお、接着層上には、取り扱い性を向上するために、離型フィルムを積層しておくことが好ましい。離型フィルムとしては、シリコーン等の離型剤で表面処理したフィルムや、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
本発明の自己粘着性フィルムは、ガラス面に貼り合わせて、23℃で30分経過後の接着力(以後「ad30min」と記す。)が、0.5N/25mm以下であることが好ましく、0.01〜0.1N/25mmであることがより好ましい。また、ガラス面に貼り合わせて、23℃で24時間経過後の接着力(以後「ad24h」と記す。)が、0.05N/25mm以上であることが好ましく、0.25〜1N/25mmであることがより好ましい。また、ガラス面に貼り合わせて、23℃で100時間経過後の接着力(以後「ad100h」と記す。)が、1N/25mm以上であることが好ましく、4〜15N/25mmであることがより好ましい。
さらに、[ad24h]/[ad30min]の比が、1.5以上であることが好ましく、5〜15であることがより好ましい。また、[ad100h]/[ad30min]の比が、40以上であることが好ましく、100〜250であることがより好ましい。また、[接着層をガラスに貼り合わせて23℃250時間経過後の接着力(以後「ad250h」と記す。)]/[ad30min]の比が、100以上であることが好ましく、150〜300であることがより好ましい。また、[ad250h]/[ad24h]の比が15以上であることが好ましい。
さらに、本発明の自己粘着性フィルムは、接着層をガラス面に貼り合わせた際の接着力の関係が、[23℃で24時間〜250時間の間に1時間あたりに上昇する接着力/23℃で30分〜24時間の間に1時間あたりに上昇する接着力]の比が1.5以上であることが好ましい。当該比は2.0以上がより好ましい。また、当該比は、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、5.0以下がさらに好ましい。
なお、ガラスとはソーダガラスのことをいう。また、23℃で所定時間経過後の接着力は、相対湿度50%の環境で測定することが好ましい。
なお、従来のガラス飛散防止フィルムは、初期接着力が強いため、気泡を混入することなくガラスの全面に貼着するには、水貼りを行う必要があり、作業性に劣るものである。また、従来の自己粘着性フィルムは、初期接着力が弱いためリワーク性に優れるが、経時的に接着力が増加しないため、強固な接着力が求められるガラス飛散防止用には使用することができない。
自己粘着性フィルムは、基材の接着層とは反対側の面に機能層を有していてもよい。
機能層としては、赤外線吸収層、赤外線反射層等の遮熱層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、紫外線吸収層、紫外線反射層、防曇層、光拡散層、インク受容層、防汚層及び光触媒層等が挙げられる。また、これら機能を兼用する層でもよい。このような機能層は、従来公知のものを用いることができる。
機能層や上述した接着層は、各層を構成する材料からなる組成物を必要に応じて溶剤に溶かし、公知の塗布方法により基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化することにより形成することができる。
本発明の飛散防止ガラスの製造方法は、ガラスの表面に、上述した本発明の自己粘着性フィルムの接着層側の面を貼り合わせるものである。
このような本発明の飛散防止ガラスの製造方法は、初期の貼り合わせ時に自己粘着性フィルムを容易に貼り直しできることから、位置決めが容易で気泡混入を防ぐことができ、その一方、自己粘着性フィルムとガラスとの接着力が経時的に増加してガラス飛散防止性を満足することができる。また、本発明の飛散防止ガラスの製造方法は、水貼り不要であり作業性も良好である。
なお、本発明の自己粘着性フィルムを貼り合せる前に、ガラスの表面を清浄な状態にしておくことが好ましい。
自己粘着性フィルムを25mm×150mm片に切断して、サンプルとした。サンプルの離型フィルムを剥離した後、接着層表面をガラス板(セントラル硝子製、ソーダガラス)に2kgローラーで圧着し、表1の条件で放置したものについて(相対湿度は50%)、島津製作所製のAUTOGRAPH AGS−50D(製品名)を用いて、剥離角度180°剥離速度300mm/minの条件で剥離し、剥離力(接着層とガラス面との間の接着力)を測定した。各実施例及び比較例で3つのサンプルの測定を行い、その平均値を接着力(N/25mm)とした。
自己粘着性フィルムを100mm×150mmサイズにカットし、離型フィルムを剥離して、接着層が上側となるようにガラス板の4隅にセロハン製粘着テープで固定し、サンプルとした。
次いで、厚み125μmのポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT60)を40mm×90mm片に切断し、被着体とした。被着体の対向する2つの短辺が重なるようにして、短辺の中心部を親指と人差し指で持ち、被着体の長辺側がループ状になるように丸めた。
ループの中央部をサンプルに接触させた後に指を放し、指を放してから、被着体の片側の面(ループ中央部を中心として、そこから何れか一方の側の面)がサンプルに全て接した時間(片面接触時間(秒))を測定し、下記式より、自己粘着性速度(mm/秒)を算出した。なお、各実施例及び比較例で3回測定を行い、その平均値を結果とした。
自己粘着性速度(mm/秒) = 45mm/片面接触時間(秒)
自己粘着性フィルムの離型フィルムを剥がし、接着層面を指の腹で5往復擦り、基材からの接着層の剥がれ具合を観察した。その結果、基材からの剥がれがないものを「○(良)」、基材から容易に剥がれるものを「×(不可)」とした。
厚み125μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT60)の一方の面に、表1の材料を表1の配合量で含む自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物を有機溶剤に希釈して、塗布、乾燥し、厚み35μmの接着層を形成した。次いで、接着層上に、離型フィルム(三井化学東セロ社製、SP-PET-01-25BU)を貼り合わせ、実施例1〜4及び比較例1〜6の自己粘着性フィルムを得た。
未変性SEBS:クレイトンポリマー社製、クレイトンG1652
無水マレイン酸変性SEBS:旭化成エラストマー社製タフテックM1911
(酸価2mgCH3ONa/g)(無水マレイン酸導入率:0.4質量%)
シリコーン粘着剤:東レ・ダウコーニング社製、DC7651 ADHESIVE
パラフィンオイル:シェル化学社製、シェルフレックス210
粘着剤:東レ・ダウコーニング社製、DC7651 ADHESIVE
エポキシ基含有シランカップリング剤:東レ・ダウコーニング社製、SH6040
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
アミノ基含有シランカップリング剤:東レ・ダウコーニング社製社製、SH6020
イソシアネート基含有シランカップリング剤:信越化学工業社製、KBE−9007
ビニル基含有シランカップリング剤:東レ・ダウコーニング社製社製、SZ6300
アクリロイル基含有シランカップリング剤:信越化学工業社製、KBM−5103
硬化剤A:日本ポリウレタン工業社製、コロネートHL、イソシアネート系
硬化剤B:東レ・ダウコーニング社製、BY24−742
白金触媒:東レ・ダウコーニング社製、NC−25
一方、比較例1〜6の自己粘着性フィルムは、初期接着力が弱くリワーク性に優れるといった自己粘着性の基本性能は有するものの、ガラスへの接着力を経時的に上昇できるものではなかった。なお、比較例2、3、5及び6の自己粘着性フィルムは、シランカップリング剤を含んでいるにも関わらず、本発明のように特定の熱可塑性エラストマーと特定のシランカップリング剤の組み合わせではないことから、ガラスへの接着力を経時的に上昇できるものではなかった。
Claims (11)
- 基材上に、下記(a)〜(d)成分を含有する自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物により形成されてなる接着層を有する、自己粘着性フィルム。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤 - 前記(b)成分が、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーに、カルボキシル基、無水カルボキシル基、水酸基及びアミノ基から選ばれる何れか1種又は2種以上の官能基を導入したものである請求項1に記載の自己粘着性フィルム。
- 前記(d)成分の含有量が、前記(b)成分100質量部に対して0.1〜15質量部である請求項1又は2に記載の自己粘着性フィルム。
- 前記(c)成分の含有量が、前記(a)成分100質量部に対して30〜200質量部である請求項1〜3の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- 前記自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物の全固形分に占める、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計質量が、80質量%以上である請求項1〜4の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- 前記(a)成分及び(b)成分のソフトセグメントが、それぞれポリエチレンとポリブチレンの2種である請求項1〜5の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- 前記自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物中に、硬化剤をさらに含み、当該硬化剤の含有量が、前記(b)成分100質量部に対して0.5〜10質量部である請求項1〜6の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- [ガラス面に貼り合わせて、23℃で100時間経過後の接着力]/[ガラス面に貼り合わせて、23℃で30分経過後の接着力]の比が、40以上である請求項1〜7の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- 前記基材の接着層とは反対側の面に機能層を有する、請求項1〜8の何れかに記載の自己粘着性フィルム。
- 下記(a)〜(c)成分を含む主剤と、下記(d)成分を含む副剤との組み合わせからなる、自己粘着性熱可塑性エラストマー組成物。
(a)未変性のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(b)エポキシ基と反応性を有する変性ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
(c)可塑剤
(d)エポキシ基を有するシランカップリング剤 - ガラスの表面に、請求項1〜9の何れか1項記載の自己粘着性フィルムの接着層側の面を貼り合わせる、飛散防止ガラスの製造方法。
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