JP2014038749A - 透明電極の製造方法、透明電極および有機電子素子 - Google Patents

透明電極の製造方法、透明電極および有機電子素子 Download PDF

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Abstract

【課題】透明樹脂基板を用いたフレキシブルな透明電極を製造する場合において、透明性および導電性を図ることができる透明電極の製造方法を提供する。
【解決手段】透明電極の製造方法では、透明樹脂基板10に対し、金属ナノ粒子含有組成物を所定のパターン状に印刷して金属細線パターン20を形成する工程と、金属細線パターン20に対し中赤外線を照射する工程と、金属細線パターン20に対しフラッシュ光を照射して加熱焼成を行う工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は透明電極の製造方法にかかり、より詳しくは、透明性および導電性に優れた透明電極の製造方法、その製造方法で製造された透明電極、およびかかる透明電極を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、有機太陽電池等の有機電子素子に関する。
近年、有機EL素子や有機太陽電池といった有機電子素子を用いた有機電子デバイスが注目されており、このようなデバイスにおいて、透明電極は必須の構成技術となっている。
有機電子デバイスにおいては、大面積化への要望が益々高くなってきている。
従来用いられている酸化インジウムスズ(ITO)や導電性ポリマーのような透明電極の場合、電流の面均一性のため特に低い表面抵抗が必要とされる大面積用途においては、成膜コストが飛躍的に高くなるばかりか、実用上充分低い表面抵抗を得ることは非常に困難である。
このように有機電子デバイスの大面積化に伴い、透明電極には「透明性」と「導電性」との両立が求められるようになってきている。
たとえば、特許文献1には、透明性と導電性とを両立するため、ITOの透明導電膜と、パターン状に形成された金属導電層を組み合わせた透明電極が開示されている。かかる透明電極の透明性を高めるには、金属導電パターンの微細化が必須となる。微細化された金属導電パターンを形成する手段としては、近年、印刷法により微細化された金属導電パターンをダイレクトに形成する方法が着目されている。印刷法による金属導電パターンの形成は工程が単純となり、低コストで実施することが可能な特長を有している。印刷法による金属導電パターンの形成においては、金属導電パターンを形成する基板上に、金属ナノインクなどの導電体を含むインクをパターン状に印刷し、金属導電パターンを形成する方法が採用される。金属導電パターンは高温で加熱し焼成することにより、導電性が向上する。
かかる状況において、有機電子デバイスにフレキシブル性を付与する場合、基板としてポリエチレンテレフターレート(PET)等の樹脂フィルムが用いられるが、基板にダメージを与えないために、金属ナノ粒子より形成された導電性の金属細線パターンを局所加熱により焼成することは知られている。例えば、フラッシュ光によって焼成する例が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、局所加熱により焼成した金属細線パターン上に導電性ポリマー含有層であるPEDOT/PSS層を設ける例が、記載されている(例えば、非特許文献1参照。)。金属細線パターン上に導電性ポリマー含有層を設けることで、透明電極表面の平滑性が向上し、有機電子デバイスに用いる際において電極間の電流リークが抑えられる。
しかし、例えばフラッシュ光によって焼成する場合、金属細線パターンの抵抗値を充分に低いものとするために、フラッシュ光の照射強度を高めていくと、金属ナノインク中の溶媒が急激に加熱されて爆発し、金属細線パターンの表面に凹凸、断線、アブレーションによる消失等の欠陥が生じる等の問題があり、充分な低抵抗化の効果を得ることが困難であった。非特許文献1には、こうした問題の示唆や解決の示唆は何らなされていない。
この問題を解決する方法として、特許文献2では、金属膜の膜厚を薄くすることや真空中でフラッシュ光焼成する方法が提案されている(実施例12(段落0052参照))。しかし、前者の金属膜の膜厚については、金属細線パターンに求める性能に基づき設計すべきものであり、焼成プロセスによって制限されることは好ましくない。後者の光焼成を真空中で行う方法については、設備コストの増大や生産性の低下を招くため好ましい方法と言えない。
また、前記特許文献2では、上記課題を解決する別の手段として、金属インクに結合剤を添加する方法が提案され実施されているが(実施例13(段落0053、0057〜0058参照))、このような添加剤を用いた場合には、フラッシュ光照射後に得られる導電性が、結合剤を用いない場合に比較し顕著に低下してしまう。
金属細線パターン表面に凹凸、断線、アブレーション等の発生を抑える別の方法としては、基板が熱変形する温度未満の温度で回路を形成した基板全体を予備加熱処理する工程と、形成された回路をフラッシュ光照射により加熱焼成する工程とを含む方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、予備加熱処理をホットプレート、ボックス炉、コンベア炉のような電気炉を用いて、基板自体も加熱するような方法で行う場合、基板が熱変形する温度未満の温度で処理を実行すると、金属ナノインクに好適に用いられる高沸点の溶媒については、溶媒の揮発が不十分となる。かかる状況は、回路基板用途においては問題にならないが、高い平滑性が求められる有機EL素子、有機太陽電池等の様な有機電子デバイスの透明電極に用いる場合においては、フラッシュ光照射に伴う残留溶媒の急激な揮発によって、金属細線パターン表面の平滑性が劣化して電極間リークを引き起こす原因となりうる。
特開2006−352073号公報 特表2008−522369号公報 特開2009−124029号公報
Towards R2R fabricated organic devices,TNO Holst Centre, High Tech Campus 31, Eindhoven, The Netherlands,April 27, 2010,Paul Blom,et.al.
したがって、本発明の主な目的は、透明樹脂基板を用いたフレキシブルな透明電極を製造する場合において、透明性および導電性を図ることができる透明電極の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、かかる製造方法で製造された透明電極と、当該透明電極を用いた有機電子素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、透明樹脂基板上に、金属ナノ粒子含有組成物から構成される金属細線パターンが形成された透明電極の製造方法において、金属ナノ粒子含有組成物を印刷することにより、微細な金属細線パターンを形成可能であって透明性の低下を抑制することができ、その金属細線パターンに中赤外線を照射してその後にフラッシュ光を照射することにより、基板ダメージを抑制しながら、金属細線パターンの導電性を向上させることができ、結果的に透明性と導電性との両立を図ることができる透明電極が得られることを見出した。
更には、金属細線パターン上に導電性ポリマー含有層を設けることで、電流の面均一性と透明電極表面の平滑性が得られるだけでなく、有機電子デバイスに好適に用いるための特性である、透明電極のガスバリア性能が著しく向上するという想定外の効果をも見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
透明樹脂基板に対し、金属ナノ粒子含有組成物を所定のパターン状に印刷して金属細線パターンを形成する工程と、
前記金属細線パターンに対し中赤外線を照射する工程と、
前記金属細線パターンに対しフラッシュ光を照射して加熱焼成を行う工程と、
を有することを特徴とする透明電極の製造方法が提供される。
好ましくは、かかる透明電極の製造方法において、
前記透明樹脂基板上の前記金属細線パターンが形成された面に対し導電性ポリマー含有層を形成し、前記金属細線パターンを前記導電性ポリマー含有層で被覆する工程を有するのがよい。
本発明によれば、透明樹脂基板を用いたフレキシブルな透明電極を製造する場合において、透明性および導電性を図ることができる。
透明電極の概略的な構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
〔透明電極(1)〕
図1に示すとおり、透明電極1は主に透明樹脂基板10、金属細線パターン20および導電性ポリマー含有層30から構成されている。
金属細線パターン20は透明樹脂基板10の一方の面上に形成され、所定のパターン状を呈している。
導電性ポリマー含有層30は金属細線パターン20上に形成され、金属細線パターン20とその間隙から露出している透明樹脂基板10の表面とを被覆している。
透明電極1は全光線透過率が好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であることが望ましい。全光線透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
透明電極1の導電部の電気抵抗値としては、大面積の有機電子素子に用いるためには、表面比抵抗は100Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
〔透明樹脂基板(10)〕
(1)特性や材質など
透明樹脂基板は、高い光透明性を有していれば特に制限はなく、全光線透過率は、70%以上であるのがよく、好ましくは80%以上である。全光線透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
透明樹脂基板としては、生産性の観点や軽量性と柔軟性といった性能の観点から、透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム、等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における全光線透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
これらの中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム等の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムであることがより好ましい。
(2)保護層
透明樹脂基板の片面または両面には保護層が形成されてもよい。
フラッシュ照射による基板ダメージを抑制するために、透明樹脂基板の金属細線パターンの形成面または両面に保護層を形成するのが好ましい。
保護層は、有機保護層と無機保護層を組み合わせてもよく、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性及び平滑性を付与する観点から、有機保護層はハードコート層であるのが好ましく、有機電子デバイスに好適に用いるためには、無機保護層はガスバリア層であるのが好ましい。
保護層の形成順としては、透明樹脂基板、有機保護層、無機保護層の順に形成するのが好ましい。
(2.1)ハードコート層
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。
例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
ハードコート層の膜厚は、通常0.5〜50μmの範囲であり、好ましくは1〜20μmの範囲であり、さらに好ましくは2μm〜10μmの範囲であり、最も好ましくは3〜7μmの範囲である。
またハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
さらに、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
(2.2)ガスバリア層
ガスバリア層及びその形成方法としては特に制限はなく、シリカ等の無機化合物による膜を真空蒸着やCVD法により形成することができる。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布乾燥後、酸素及び水蒸気を含む窒素雰囲気下で紫外線照射により酸化処理し、ガスバリア層を形成してもよく、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
ガスバリア層としては1層でもよく、2層、3層と積層してもよい。
ガスバリア層の間には応力緩和層が介在されてもよい。
単層の場合でも積層した場合でも1つのガスバリア層の膜厚は、好ましくは30〜1000nmの範囲であるのがよく、更に好ましくは30〜500nmの範囲であり、特に好ましくは90〜500nmの範囲である。30nm以上とすると膜厚均一性が良好となり、ガスバリア性能に優れる。1000nm以下にすると、屈曲によるクラックが急激に入ることが極めて少なくなり、成膜時の内部応力の増大をとどめて、欠陥の生成を防止することができる。
ガスバリア層のガスバリア性としては、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下(1atmは、1.01325×10Paである)、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。
〔金属細線パターン(20)〕
(1)特性や材質など
金属細線パターンは、金属ナノ粒子含有組成物により形成される。
ここでいう「金属ナノ粒子」とは、粒子径が原子スケールからnmサイズの微粒子状の金属又は金属酸化物のことである。
金属ナノ粒子は一般的には球状であることが好ましいが、球状に近い不定形を呈していてもよい。
金属ナノ粒子の金属材料は、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属やその合金であり、導電性及び安定性の観点から銀であることが好ましい。
金属ナノ粒子の平均粒径は1〜100nmの範囲内であることが好ましく、1〜50nmの範囲内であることがより好ましく、1〜30nmの範囲内であることがより好ましい。
金属ナノ粒子の平均粒径は、金属ナノ粒子の電子顕微鏡観察から、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子をランダムに200個以上観察し、各金属ナノ粒子の粒径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。
ここでいう「平均粒径」とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。
なお、平均粒径を測定する際、明らかに金属ナノ粒子の側面などを表しているものは測定しない。
金属ナノ粒子含有組成物は、前述の金属ナノ粒子および溶媒を含有し、分散剤、粘度調整剤、バインダー等の添加剤が含有されてもよい。
金属ナノ粒子含有組成物に含有される溶媒としては特に制限はないが、中赤外線照射により効率的に溶媒を揮発できる点で、OH基を有する化合物が好ましく、水、アルコール、グリコールエーテルが好ましい。
そのような溶媒として、水、メタノール、エタノール、プロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ファルネソール、デデカジエノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、ヘプタジエノール、テトラデセノール、ヘキサデセネオール、フィトール、オレイルアルコール、デデセノール、デセノール、ウンデシレニルアルコール、ノネノール、シトロネロール、オクテノール、ヘプテノール、メチルシクロヘキサノール、メントール、ジメチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキセノール、テルピネオール、ジヒドロカルベオール、イソプレゴール、クレゾール、トリメチルシクロヘキセノール、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘプタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
(2)パターン特性
金属細線パターンのパターン形状には特に制限はなく、例えば、パターン形状がストライプ状、ハニカム状あるいはメッシュ状であってもよいが、開口率は透明性の観点から80%以上であることが好ましい。
ここでいう「開口率」とは、透光性を有する導電部が全体に占める割合である。
例えば、光不透過の金属細線パターンがストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、およそ90%である。
金属細線パターンの線幅は、10〜200μmの範囲が好ましい。細線の線幅が10μm以上だと、所望の導電性が得られ、また200μm以下だと、透明電極として十分な透明性が得られる。
金属細線パターンの高さは、0.1〜5μmの範囲が好ましい。細線の高さが0.1μm以上だと所望の導電性が得られ、また5μm以下では、有機電子素子の形成において、その凹凸差が機能層の膜厚分布に影響を与えない範囲である。
〔導電性ポリマー含有層(30)〕
(1)特性など
導電性ポリマー含有層は、少なくとも導電性ポリマーを含有する組成物から形成される。
導電性ポリマー含有層の乾燥膜厚は、30〜2000nmの範囲であることが好ましい。導電性の点から、100nm以上であることがより好ましく、電極の表面平滑性の点から、300nm以上であることがさらに好ましい。また、透明性の点から、1000nm以下であることがより好ましく、800nm以下であることがさらに好ましい。
導電性ポリマー含有層は、前述のグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷方法に加えて、ロールコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の塗布法を用いて形成することができる。
(2)導電性ポリマー
導電性ポリマーは、導電性を有するものであればよく、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んでなるのが好ましい。
こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(2.1)π共役系導電性高分子
π共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。
これらの中でも、導電性、透明性、安定性等の観点、及び、金属ナノ粒子への吸着のしやすさから、ポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンが最も好ましい。
(2.2)π共役系導電性高分子前駆体モノマー
π共役系導電性高分子の形成に用いられる前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。
例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(2.3)ポリアニオン
ポリアニオンは、遊離酸状態の酸性ポリマーであり、アニオン基を有するモノマーの重合体、あるいはアニオン基を有するモノマーとアニオン基を有しないモノマーとの共重合体である。遊離酸は、一部が中和された塩の形をとっていてもよい。置換もしくは未置換のポリアルキレン、置換もしくは未置換のポリアルケニレン、置換もしくは未置換のポリイミド、置換もしくは未置換のポリアミド、置換もしくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、少なくともアニオン基を含むものである。
このポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。
ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にさらにF(フッ素原子)を有するポリアニオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100〜120℃で5分以上の加熱乾燥処理を施してもよい。これにより塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、水酸基含有非導電性ポリマーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有しないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
導電性ポリマーに含まれるπ共役系導電性高分子とポリアニオンの比率、「π共役系導電性高分子」:「ポリアニオン」は質量比で1:1〜20の範囲が好ましい。導電性、分散性の観点からより好ましくは1:2〜10の範囲である。
π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーをポリアニオンの存在下で化学酸化重合して、本発明に係る導電性ポリマーを得る際に使用される酸化剤は、例えばJ.Am.Soc.,85、454(1963)に記載されるピロールの酸化重合に適する、いずれかの酸化剤である。
実際的な理由のために、安価でかつ取扱い易い酸化剤、例えば鉄(III)塩、例えばFeCl、Fe(ClO、有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩、又は過酸化水素、重クロム酸カリウム、過硫酸アルカリ(例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム)又はアンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム及び銅塩例えば四フッ化ホウ酸銅を用いることが好ましい。加えて、酸化剤として随時触媒量の金属イオン例えば鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン及びバナジウムイオンの存在下における空気及び酸素も使用することができる。過硫酸塩並びに有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の使用が腐食性でないために大きな応用上の利点を有する。
有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例としては、炭素数1〜20のアルカノールの硫酸半エステルの鉄(III)塩、例えばラウリル硫酸;炭素数1〜20のアルキルスルホン酸、例えばメタン又はドデカンスルホン酸;脂肪族炭素数1〜20のカルボン酸、例えば2−エチルヘキシルカルボン酸;脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸及びパーフルオロオクタノン酸;脂肪族ジカルボン酸、例えばシュウ酸並びに殊に芳香族の、随時炭素数1〜20のアルキル置換されたスルホン酸、例えばベンゼセンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸のFe(III)塩が挙げられる。さらに公知の酸化触媒を用いて酸化重合を行うことができる。
こうした導電性ポリマーとして、市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、Heraeus社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
(3)第2ドーパント
導電性ポリマー含有層には、第2ドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。
かかる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。
前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。
前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(4)樹脂成分
導電性ポリマー含有層は、少なくともπ共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んでなる導電性ポリマー以外に、成膜性や膜強度を確保するために、透明な樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。
透明な樹脂成分としては、導電性高分子と相溶又は混合分散可能であれば特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらの中でも水系溶剤に均一分散可能なバインダ樹脂又は水溶性バインダ樹脂とから形成されることが、高い透明性と導電性を保持したまま、高い表面平滑性が得られる点から好ましい。
(4.1)水系溶剤に均一分散可能なバインダ樹脂
水系溶剤に均一分散可能なバインダ樹脂とは、水系溶剤に均一分散可能なものであり、水系溶剤中に凝集せずにバインダ樹脂からなるコロイド粒子が分散している状況であることを意味する。コロイド粒子の大きさは一般的に0.001〜1μm(1〜1000μm)程度である。
上記のコロイド粒子については、光散乱光度計により測定することができる。
また、上記水系溶剤とは、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)のみならず酸、アルカリ、塩などを含む水溶液、含水の有機溶媒、さらには親水性の有機溶媒など溶媒であることを意味し、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水とアルコールの混合溶媒等が挙げられる。
本発明に係る水系溶剤に均一分散可能なバインダ樹脂としては透明であることが好ましい。
本発明の水系溶剤に均一分散可能なバインダとしては、皮膜を形成する媒体であれば、特に限定はない。水系溶剤に均一分散可能なバインダとしては、例えば:アクリル系樹脂エマルジョン、水性ウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂エマルジョンは、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸−スチレンの重合体、或いはその他のモノマーとの共重合体からなる。また、酸部分がリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム塩とつい塩を形成したアニオン性、窒素原子を有するモノマーとの共重合体からなり、窒素原子が塩酸塩等を形成したカチオン性があるが、好ましくはアニオン性である。
水性ウレタン樹脂としては、水分散型ウレタン樹脂、アイオノマー型水性ウレタン樹脂(アニオン性)等がある。水分散型ウレタン樹脂には、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂である。
アイオノマー型水性ウレタン樹脂には、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂等があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂である。
水性ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分とポリオール成分とから合成される。
多塩基酸成分とは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸などであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできる多塩基酸成分としては、工業的に多量に生産されており、安価であること等から、テレフタル酸とイソフタル酸が特に好ましい。
ポリオール成分として代表的なものを挙げれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールなどであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできるポリオール成分としては、工業的に量産されているので安価であり、しかも樹脂被膜の耐溶剤性や耐候性が向上等、諸性能にバランスがとれていることから、エチレングリコール、プロピレングリコールあるいはネオペンチルグリコールが特に好ましい。
上記水系溶剤に均一分散可能なバインダは1種でも複数種でも使用することができる。
水系溶媒に分散可能なポリマーの使用量は、透明性と導電性の観点から好ましくは導電性高分子に対して50〜1000質量%の範囲であり、より好ましくは導電性高分子に対して100〜900質量%の範囲であり、更に好ましくは導電性高分子に対して200〜800質量%の範囲である。
(4.2)水溶性バインダ樹脂
水溶性バインダ樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を含む水溶性バインダ樹脂であることが好ましい。
一般式(1);
Figure 2014038749
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基を表し、Qは−C(=O)O−、−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子、アルキル基を表し、Aは置換又は無置換アルキレン基、−(CHCHRbO)CHCHRb−を表す。Rbは水素原子又はアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表す。
こうした樹脂は導電性ポリマーと容易に混合可能で、また、前述の第2ドーパント的な効果も有するため、該水溶性バインダ樹脂を併用することにより、導電性、透明性を低下させることなく、導電性ポリマー含有層の膜厚を上げることが可能となる。
水溶性バインダ樹脂とは、水溶性のバインダ樹脂であり、水溶性バインダ樹脂が、25℃の水100gに0.001g以上溶解するバインダ樹脂を意味する。前記溶解は、ヘイズメーター、濁度計で測定することができる。
水溶性バインダ樹脂としては透明であることが好ましい。
水溶性バインダ樹脂は、前記一般式(1)で表される構造単位を含む構造を有することが好ましい。前記一般式(1)で表されるホモポリマーであってもよいし、他の成分を共重合されていてもよい。他の成分を共重合する場合は、前記一般式(1)で表される構造単位を10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することがより好ましく、50モル%以上含有することがさらに好ましい。
また、水溶性バインダ樹脂は、導電性ポリマー含有層中に40質量%以上、95質量%以下含まれていることが好ましく、50質量%以上、90質量%以下であることがさらに好ましい。
一般式(1)で表される水酸基を有する構造単位において、Rは水素原子又はメチル基を表す。Qは−C(=O)O−、−C(=O)NRa−を表し、Raは水素原子又はアルキル基を表す。
アルキル基は、例えば炭素原子数1〜5の直鎖、あるいは分岐アルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。また、これらのアルキル基は置換基で置換されていてもよい。
これら置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ウレイド基、アラルキル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アシルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等で置換されてもよい。これらのうち好ましくは、水酸基、アルキルオキシ基である。
上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。
上記アルキル基は分岐を有していてもよく、炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜8であることがさらに好ましい。アルキル基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が含まれる。
上記シクロアルキル基の炭素原子数は、3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が含まれる。
上記アルコキシ基は、分岐を有していてもよく、炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−メトキシ−2−エトキシエトキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基が含まれ、好ましくはエトキシ基である。
上記アルキルチオ基の炭素数は、分岐を有していてもよく、炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルキルチオ基の例としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が含まれる。
上記アリールチオ基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリールチオ基の例にはフェニルチオ基及びナフチルチオ基等が含まれる。
上記シクロアルコキシ基の炭素原子数は、3〜12であることが好ましく、より好ましくは3〜8である。シクロアルコキシ基の例には、シクロプロポキシ基、シクロブチロキシ基、シクロペンチロキシ基及びシクロヘキシロキシ基が含まれる。
上記アリール基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリール基の例にはフェニル基及びナフチル基が含まれる。
上記アリールオキシ基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリールオキシ基の例にはフェノキシ基及びナフトキシ基が含まれる。
上記へテロシクロアルキル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましく、3〜5であることがさらに好ましい。へテロシクロアルキル基の例にはピペリジノ基、ジオキサニル基及び2−モルホリニル基が含まれる。
上記へテロアリール基の炭素原子数は、3〜20であることが好ましく、3〜10であることがさらに好ましい。へテロアリール基の例にはチエニル基、ピリジル基が含まれる。
上記アシル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アシル基の例にはホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基が含まれる。
上記アルキルカルボンアミド基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アルキルカルボンアミド基の例にはアセトアミド基等が含まれる。
上記アリールカルボンアミド基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アリールカルボンアミド基の例にはベンズアミド基等が含まれる。
上記アルキルスルホンアミド基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。スルホンアミド基の例にはメタンスルホンアミド基等が含まれる。
上記アリールスルホンアミド基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アリールスルホンアミド基の例には、ベンゼンスルホンアミド基及びp−トルエンスルホンアミドが基含まれる。
上記アラルキル基の炭素原子数は7〜20であることが好ましく、7〜12であることがさらに好ましい。アラルキル基の例にはベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が含まれる。
上記アルコキシカルボニル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。アルコキシカルボニル基の例にはメトキシカルボニル基が含まれる。
上記アリールオキシカルボニル基の炭素原子数は7〜20であることが好ましく、7〜12であることがさらに好ましい。アリールオキシカルボニル基の例にはフェノキシカルボニル基が含まれる。
上記アラルキルオキシカルボニル基の炭素原子数は8〜20であることが好ましく、8〜12であることがさらに好ましい。アラルキルオキシカルボニル基の例にはベンジルオキシカルボニル基が含まれる。
上記アシルオキシ基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。アシルオキシ基の例にはアセトキシ基及びベンゾイルオキシ基が含まれる。
上記アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。アルケニル基の例に、ビニル基、アリル基及びイソプロペニル基が含まれる。
上記アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。アルキニル基の例にはエチニル基が含まれる。
上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アルキルスルホニル基の例に、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基が含まれる。
上記アリールスルホニル基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリールスルホニル基の例に、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基が含まれる。
上記アルキルオキシスルホニル基の炭素原子数は1〜20あることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アルキルオキシスルホニル基の例に、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基が含まれる。
上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリールオキシスルホニル基の例に、フェノキシスルホニル基、ナフトキシスルホニル基が含まれる。
上記アルキルスルホニルオキシ基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがさらに好ましい。アルキルスルホニルオキシ基の例に、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基が含まれる。
上記アリールスルホニルオキシ基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。アリールスルホニルオキシ基の例に、フェニルスルホニルオキシ基、ナフチルスルホニルオキシ基が含まれる。置換基は同一でも異なっていても良く、これら置換基がさらに置換されてもよい。
前記一般式(1)で表される水酸基を有する構造単位において、Aは置換あるいは無置換アルキレン基、−(CHCHRbO)−CHCHRb−を表す。アルキレン基は、例えば炭素原子数1〜5が好ましく、より好ましくはエチレン基、プロピレン基である。これらのアルキレン基は前述した置換基で置換されていてもよい。また、Rbは水素原子、アルキル基を表す。アルキル基は、例えば炭素原子数1〜5の直鎖、あるいは分岐アルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。また、これらのアルキル基は前述の置換基で置換されていてもよい。さらに、xは平均繰り返しユニット数を表し、0〜100が好ましく、より好ましくは0〜10である。繰り返しユニット数は分布を有しており、表記は平均値を示し、小数点以下1桁で表記してもよい。
以下に、一般式(1)で表される構造単位の代表的具体例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
Figure 2014038749
本発明の水溶性バインダ樹脂は、汎用的な重合触媒を用いたラジカル重合により得ることができる。重合様式としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ、好ましくは溶液重合である。重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃の範囲、好ましくは0〜200℃の範囲、より好ましくは10〜100℃の範囲で実施される。
本発明の水溶性バインダ樹脂の数平均分子量は3000〜2000000の範囲が好ましく、より好ましくは4000〜500000の範囲であり、さらに好ましくは5000〜100000の範囲内である。
本発明の水溶性バインダ樹脂の数平均分子量、分子量分布の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。使用する溶媒は、バインダ樹脂が溶解すれば特に限りはなく、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
〔透明電極の製造方法〕
上記で説明した透明電極の製造方法は、基本的に、
(1)透明樹脂基板に対し金属細線パターンを形成する工程と、
(2)金属細線パターンに対し中赤外線を照射する工程と、
(3)中赤外線照射後の金属細線パターンに対しフラッシュ光を照射して加熱焼成を行う工程と、
(4)透明樹脂基板上に導電性ポリマー含有層を形成する工程と、
で構成される。
以下、各工程の処理内容について説明する。
(1)金属細線パターンの形成工程
金属細線パターンを形成する方法としては、金属ナノ粒子含有組成物を所望のパターン形状に印刷する。
印刷方法としては特に制限はなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法により所望の形状に印刷し形成できる。
(2)中赤外線の照射工程
一般に、赤外線とは可視放射の波長より長波長の光のことをいい、本発明に係る「中赤外線」は、最大エネルギー波長域(ピーク波長)が2μm以上4μm以下の光をいう。
金属ナノ粒子含有組成物に含有される溶媒として好ましく用いられるOH基を有する化合物は、OH伸縮振動により約3μm付近に強い吸収波長を持つため、中赤外線照射により、溶媒が効率的に揮発される。
中赤外線照射はフラッシュ光照射に比べてエネルギー密度が低いため、溶媒が急激に加熱されて爆発することもない。
また、透明樹脂基板として好ましく用いられるポリエステル樹脂フィルムは、中赤外線波長域に強い吸収波長を持たないので、中赤外線照射工程で、加熱による基材変形が生じない。
なお、本照射工程では、金属細線パターンに対し、中赤外線以外の赤外線(ピーク波長が2μm未満または4μm超の光)を部分的に照射してもよい。
ただ、本照射工程では、ピーク波長が2μm未満の赤外線を照射しても(照射し続けても)、金属細線パターンの表面が焼結しその内部の溶媒の揮発が進行しないし、ピーク波長が4μm超の赤外線を照射すると(照射し続けると)、透明樹脂基板が加熱され変形する可能性があるため、好ましくは中赤外線を特定的に照射し続けるのがよい。
中赤外線照射の方法について特に限定はないが、赤外線ヒーターで行うのが好ましい。赤外線ヒーターを使用する場合では、赤外線ヒーターのフィラメントの温度が高まると、放射スペクトルのピークが短波長側に移行することが知られており、特にフィラメントの温度を500℃〜1200℃にすると、放射スペクトルの主波長が中赤外線波長域となり好ましい。
中赤外線照射に用いる赤外線ヒーターとしては、例えば特許第4790092号公報(特に段落0019〜0025参照)に記載されている様な、赤外線ヒーターのフィラメントの外周を、石英ガラスやホウ珪酸クラウンガラス等複数のガラス管によって同心円状に覆い、これらの複数のガラス管の間に、赤外線ヒーターの表面温度の上昇を抑制する冷却流体の流路を形成した構造を有するものを用いるのがよい。かかる赤外線ヒーターによれば、赤外線を放射する際に、石英ガラスやホウ珪酸クラウンガラスなどが、3.5μm以下の波長の赤外線を透過させ3.5μm以上の波長の赤外線を吸収するローパスフィルタとして機能するため、ガラス管からの二次放射による熱での基材変形を抑制することができる。
中赤外線の照射時間は、溶媒の揮発程度に応じて任意に設定することができるが、1秒〜10分の範囲で行うのが好ましい。
なお、基材変形や金属ナノ粒子の焼成が生じない程度であれば、フラッシュ光照射を行う工程の前に、別途予備加熱処理工程を有していてもよい。
予備加熱処理を行うタイミングは、フラッシュ光照射を行う工程の前であれば特に限定されないが、中赤外線照射を行う工程の前に行うのが好ましい。
予備加熱処理方法としては特に限定はなく、ホットプレート、ボックス炉、コンベア炉のような電気炉を使用する方法や、近赤外線ヒーター、中赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーター、温風、熱風、マイクロ波等を使用する方法が挙げられ、これら方法を単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
(3)フラッシュ光の照射工程
金属細線パターンの焼成は、フラッシュランプを用いた光照射により行う。
その結果、透明樹脂基板にダメージを与えることなく導電性を向上させることができる。
フラッシュランプの放電管として、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴンを用いることが出来るが、キセノンを用いることが好ましい。
フラッシュランプの好ましいスペクトル帯域は240〜2000nmの範囲である。かかる範囲では、フラッシュ光照射により透明樹脂基板に対して熱変形等のダメージを与えないため好ましい。
フラッシュランプの光照射条件は、光照射エネルギーの総計が0.1〜50J/cmの範囲が好ましく、0.5〜10J/cmの範囲であるのがより好ましい。光照射時間は10μ秒〜100m秒の範囲が好ましく、100μ秒〜10m秒の範囲で行うのがより好ましい。光照射回数は1回でも複数回でも良く、1〜50回の範囲で行うのが好ましい。これらの好ましい条件範囲でフラッシュ光照射を行うことにより、透明樹脂基板にダメージを与えることなく金属細線パターンを加熱焼成し、高い導電性を得ることができる。
透明樹脂基板の素材が透明体であるため、当該透明樹脂基板に対するフラッシュランプの照射は、金属細線パターンの印刷してある表側からの照射だけではなく、裏側から照射しても良く、両側から照射しても良い。
フラッシュ光照射は大気中で行ってもよいが、必要に応じ、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
フラッシュランプの光照射装置は上記の照射エネルギー、照射時間を満たすものであれば、いかなる装置も使用可能である。
(4)導電性ポリマー含有層の形成工程
導電性ポリマー含有層の形成工程では、導電性ポリマーを含有する組成物を、透明樹脂基板上の金属細線パターンが形成された面に対して印刷または塗布し、金属細線パターンとそこから露出する透明樹脂基板の表面を導電性ポリマー含有層で被覆する。
導電性ポリマー含有層は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷方法に加えて、ロールコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の塗布法を用いて形成することができる。
なお、本発明にかかる透明電極の製造方法では、当該導電性ポリマー含有層の形成工程は必須の工程ではなく、本発明にかかる透明電極は少なくとも透明樹脂基板および金属細線パターンで構成されていればよい。
〔有機電子素子〕
有機電子素子は、上記製造方法で製造された透明電極と有機化合物層(有機機能層)とを有する。
例えば、上記製造方法で製造された透明電極を第1電極部として使用し、この第1電極部の上に有機機能層を形成し、さらにこの有機機能層の上に対向電極として第2電極部を形成することによって、有機電子素子を得ることができる。
有機機能層としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層など特に限定無く挙げることができるが、本発明は、有機機能層が薄膜でかつ電流駆動系のものである有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。
以下、本発明の有機電子素子が、有機EL素子及び有機光電変換素子である場合のその構成要素について説明する。
(1)有機EL素子
(1.1)有機発光層
有機機能層としての有機発光層を有する有機EL素子は、有機発光層に加えて、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層、ホールブロック層、電子ブロック層などの発光を制御する層を有機発光層と併用しても良い。
透明電極上の導電性ポリマー含有層は、ホール注入層として働くことも可能であるので、ホール注入層を兼ねることも可能だが、独立にホール注入層を設けても良い。
有機機能層の構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)(第1電極部)/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(ii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(iii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(第2電極部)
(iv)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
(v)(第1電極部)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
ここで、発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。
本発明の有機EL素子としては、発光層は白色発光層であることが好ましい。
有機発光層に使用できる発光材料又はドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素及び希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部の範囲、ドーピング材料を0.5〜10質量部の範囲含むようにすることも好ましい。
有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。
(1.2)電極
本発明の透明電極は、上記の第1電極部または第2電極部で使用される。
第1電極部が陽極で、第2電極部が陰極であることが好ましい態様である。
第2電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第2電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μmの範囲で、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第2電極部の導電材として金属材料を用いれば、第2電極部側に伝播した光は反射されて第1電極部側にもどる。第2電極部の導電材として金属材料を用いることで、この光が再利用可能となりより取り出しの効率が向上する。
(2)有機光電変換素子
有機光電変換素子は、第1電極部、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層及びn型半導体層)を有する光電変換層(以下、バルクヘテロジャンクション層とも呼ぶ)、第2電極部が積層された構造を有することが好ましい。
本発明の透明電極は、少なくとも入射光側に用いられる。
光電変換層と第2電極部との間に電子輸送層などの中間層を有しても良い。
(2.1)光電変換層
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成していることが好ましい。
p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。
ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、さらには特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらの共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ペンタセン類がより好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載の置換アセン類及びその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、及び米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。
これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔ブロック層・電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
p型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱・光・放射線・化学反応を引き起こす化合物の蒸気に晒す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも熱によって科学構造変化を起こす化合物が好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。
これは、フラーレンが主鎖に含有されているポリマーは、ポリマーが分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングができ、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。
本発明の有機電子素子を、太陽電池などの光電変換デバイスとして用いる形態としては、有機電子素子を単層で利用してもよいし、積層(タンデム型)して利用してもよい。
また、光電変換デバイスは、環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。
(2.2)電極
有機光電変換素子においても、本発明の透明電極は、上記の第1電極部または第2電極部で使用される。
かかる第1電極部および第2電極部の特性や材質などは上記有機EL素子で説明した内容と同様である。
以上の実施形態によれば、透明性、導電性、平滑性及びガスバリア性に優れた透明電極を製造することができ(実施例1参照)、ひいては素子特性に優れた有機電子素子をも提供することができる(実施例2参照)。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本実施形態にかかる透明電極の製造方法においては、金属ナノ粒子含有組成物から構成される金属細線パターンに対し、フラッシュ光照射による加熱焼成を行うようになっており、特にフラッシュ光照射を行う工程の前に、中赤外線照射を行う工程を有する。これによって、基板が熱変形することなく、溶媒が選択的かつ効率的に揮発され、導電性が向上し、フラッシュ光照射に伴う金属細線パターン表面の平滑性劣化も効果的に抑えられるものと推測される。
更には、前記金属細線パターン上に、導電性ポリマー含有層を設けることで、金属細線パターンが存在しない窓部にも電気を供給することが可能となり、面状の電極として機能させることができるだけでなく、有機電子デバイスに好適に用いるための特性である、透明電極のガスバリア性能が著しく向上するという想定外の効果をも見出された。
これは、導電性ポリマー含有層が透明電極の補強膜となり、曲げや熱などによる基板変形やクラックに対する強度が向上し、更には、透明樹脂基板に微細なクラック等が生じた場合においても、導電性ポリマー含有層自体が吸湿層となってデシカント(乾燥剤)様の効果を発現し、ガスバリア性能を著しく向上させるものと考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《透明電極の作製》
(1)透明電極TCF−1の作製(比較例)
両面にハードコート層およびガスバリア層を形成した、厚さが100μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、銀ナノ粒子インク1(TEC−PA−010;InkTec社製)を用いて、小型厚膜半自動印刷機STF−150IP(東海商事社製)で、50μm幅、1mmピッチ、正方形格子状のスクリーン版パターンにて、焼成後の細線の高さが1μmになるようスクリーン印刷方式で金属細線パターンの印刷を行った。
パターンを印刷するエリアの面積は150mm×150mmとした。
印刷後、ホットプレートで焼成処理(120℃で30分間の熱処理)を施して、透明電極TCF−1を作製した。
(2)透明電極TCF−2の作製(比較例)
TCF−1の作製において、ホットプレートによる焼成処理を施す代わりに、金属細線パターンを印刷した後、250nm以下の短波長カットフィルターを装着したキセノンフラッシュランプ2400WS(COMET社製)を用いて、印刷面側から照射エネルギー2.5J/cm、照射時間0.5m秒でフラッシュ光を照射した。
それ以外はTCF−1の作製と同様にして、透明電極TCF−2を作製した。
(3)透明電極TCF−3の作製(比較例)
TCF−2の作製において、フラッシュランプによる照射を行う前に、ホットプレートで予備加熱処理(115℃で5分間の加熱処理)を行った。
それ以外はTCF−2の作製と同様にして、透明電極TCF−3を作製した。
(4)透明電極TCF−4の作製(本発明の実施例)
TCF−2の作製において、フラッシュランプによる照射を行う前に、特許第4790092号公報(特に段落0019〜0025、0028〜0029)の記載を参考にしながら、石英二重管内に空冷機構を有した赤外線ヒーターを用いて、フィラメント温度が1000℃と、ヒーター表面温度が120℃となるよう出力を調整し、印刷面側から中赤外線を照射した(照射時間は1分間とした。)。
それ以外はTCF−2の作製と同様にして、透明電極TCF−4を作製した。
(5)透明電極TCF−5の作製(本発明の実施例)
TCF−4の作製において、中赤外線を照射する前に、ホットプレートで予備加熱処理(115℃で5分間の加熱処理)を行った。
それ以外はTCF−4の作製と同様にして、透明電極TCF−5を作製した。
(6)透明電極TCF−6の作製(比較例)
TCF−3を対象として、フラッシュランプによる照射後の金属細線パターンの上に、金属細線パターンの印刷領域に合わせて、下記の様に調製した導電性ポリマー液を、塗布幅150mmのアプリケーターを用いて、乾燥平均膜厚が500nmとなるよう塗布し、金属細線パターンの印刷領域と同じになるよう不要な周辺部分を拭き取り、ホットプレートで乾燥処理(120℃で30分間の熱処理)を施し、導電性ポリマー含有層を形成した。
それ以外はTCF−3の作製と同様にして、透明電極TCF−6を作製した。
<導電性ポリマー液>
CLEVIOS PH510(Heraeus社製、固形分濃度1.89%) 1.60g
プラスコートZ−561(互応化学工業社製、固形分濃度25%) 0.32g
ジメチルスルホキシド 0.10g
(7)透明電極TCF−7の作製(本発明の実施例)
TCF−6の作製において、導電性ポリマー含有層を形成する対象を、TCF−3からTCF−4に変更した。
それ以外はTCF−6の作製と同様にして、透明電極TCF−7を作製した。
《透明電極の観察、測定および評価》
下記方法で、各透明電極の金属細線パターンを観察するとともに、各透明電極の導電部の全光線透過率、表面比抵抗及び水蒸気透過度について測定し、透明性、導電性及びガスバリア性を評価した。
(1)SEM観察
各透明電極について、集束イオンビーム加工装置(FIB:日立製作所製、FB−2000)にて加工し、金属細線パターンの断面を露出させた後、その断面及び表面を走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所製、S−5000H、加速電圧1.0kV)で観察した。
(2)全光線透過率
全光線透過率は、東京電色社製AUTOMATICHAZEMETER(MODEL TC−HIIIDP)を用いて、透明電極の全光線透過率を測定した。
(3)表面比抵抗
表面比抵抗は、ダイアインスツルメンツ製抵抗率計ロレスタGPを用いて、透明電極の表面比抵抗を四端子法で測定した。
(4)水蒸気透過度
本発明においては下記Ca法による評価を行った。
<本発明評価に用いたCa法>
(4.1)使用した装置など
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
水蒸気バリア性評価用セルの作製:各透明電極の電極面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、金属カルシウム蒸着側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着した。アルミニウム蒸着後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
(4.2)評価方法
作製した評価用セルを60℃、90%RHの高温高湿下で100時間保存し、特開2005−283561号公報(特に段落0016参照)に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。
なお、透明電極から以外の水蒸気の透過が無いことを確認するために、比較試料として厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて作製した評価用セルを、同様に60℃、90%RHの高温高湿下で保存して、1000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
金属細線パターン部分のSEM観察結果と併せて、測定及び評価の結果を表1に示す。
Figure 2014038749
(5)まとめ
表1に示すとおり、金属細線パターンに中赤外線を照射したTCF−4、TCF−5、TCF−7は、いずれも金属細線パターンの銀ナノ粒子が高密に融着し、金属細線パターンの剥離等は見られなかった。
これに対し、TCF−1は金属細線パターンの銀ナノ粒子の融着が不完全であった。TCF−2は金属細線パターンが殆ど剥離し、基板に僅かしか残っていなかった。TCF−3、TCF−6については、金属細線パターンの銀ナノ粒子に一部剥離箇所があった。
透明電極の透明性、導電性およびガスバリア性についても、金属細線パターンに中赤外線を照射したTCF−4、TCF−5、TCF−7は、基板にダメージを与えることなく透明性、導電性に優れており、そのなかでも導電性ポリマー含有層を形成したTCF−7は高いガスバリア性能を有していた。
以上から、透明電極の製造工程において、金属細線パターンに対し中赤外線を照射することは、透明性および導電性の両立を図るうえで、有用であることがわかる。
《有機EL素子の作製》
実施例1で作製した透明電極TCF−6及びTCF−7を第1電極(陽極)に用いて、以下の手順でそれぞれ有機EL素子OLED−1、OLED−2を作製した。
第1電極の上に、PEDOT−PSS CLEVIOS P AI 4083(固形分1.5%)(Heraeus社製)を、塗布幅150mmのアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が30nmとなるよう導電性ポリマー含有層の上に塗布し、導電性ポリマー含有層形成領域と同じになるよう不要な周辺部分を拭き取り、乾燥させた。
次に、かかる透明電極を市販の真空蒸着装置内にセットし、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。
蒸着用るつぼはモリブデン製又はタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
次いで、以下の手順で各発光層を設けた。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧した後、下記α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚30nmの正孔輸送層を設けた。
下記Ir−1が13質量%、下記Ir−14が3.7質量%の濃度になるように、Ir−1、Ir−14及び下記化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、下記E−66が10質量%になるように、E−66及び化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、下記M−1を蒸着して層厚5nmの正孔阻止層を形成し、さらにCsFを層厚比で10%になるようにM−1と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
各層形成に用いた化合物を下記に示す。
Figure 2014038749
形成した電子輸送層の上に、第1電極用外部取り出し端子及び150mm×150mmの第2電極(陰極)形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmの第2電極を形成した。
さらに、第1電極及び第2電極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き第2電極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを基板としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア150mm×150mmの有機EL素子を作製した。
接着剤は、2液性エポキシ配合樹脂(スリーボンド社製)2016Bと2103を100:3の割合で配合したものを用いた。
作製した有機EL素子OLED−1、OLED−2は、いずれも均一に発光した。
《有機EL素子の測定及び評価》
上記のように作製した各有機EL素子に対し、下記方法で、整流比の測定および発光寿命の評価を行った。
(1)整流比
整流比は、各有機EL素子に、+4V/−4Vの電圧を印加した時の電流値を測定し、下記の計算式により整流比を求めた。
「整流比」=(+4V印加時の電流値)/(−4V印加時の電流値)
電極間リークがあると、整流比が低い値となる。
1×10以上であることが実用的範囲である。
(2)発光寿命
各有機EL素子について、初期の輝度が5000cd/mになるよう一定電圧で連続発光させ、輝度が半減するまでの時間を求めた。
OLED−1の半減時間を100とし、相対値で評価した。
測定及び評価の結果を表2に示す。
Figure 2014038749
(3)まとめ
表2に示すとおり、本発明の実施例にかかる透明電極を用いた有機EL素子OLED−2は、OLED−1に比べて、整流比および発光寿命も良好であった。
かかる結果から、有機EL素子の素子特性を向上させるうえで、本発明の実施例にかかる透明電極を使用することが有用であることがわかる。
1 透明電極
10 透明樹脂基板
20 金属細線パターン
30 導電性ポリマー含有層

Claims (4)

  1. 透明樹脂基板に対し、金属ナノ粒子含有組成物を所定のパターン状に印刷して金属細線パターンを形成する工程と、
    前記金属細線パターンに対し中赤外線を照射する工程と、
    前記金属細線パターンに対しフラッシュ光を照射して加熱焼成を行う工程と、
    を有することを特徴とする透明電極の製造方法。
  2. 請求項1に記載の透明電極の製造方法において、
    前記透明樹脂基板上の前記金属細線パターンが形成された面に対し導電性ポリマー含有層を形成し、前記金属細線パターンを前記導電性ポリマー含有層で被覆する工程を有することを特徴とする透明電極の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の透明電極の製造方法により製造された透明電極。
  4. 陽極、陰極および有機機能層を備え、前記有機機能層が前記陽極と前記陰極との間に配置された有機電子素子において、
    前記陽極として、請求項1または2に記載の透明電極の製造方法により製造された透明電極が使用されていることを特徴とする有機電子素子。
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