JP2014037388A - エステル化合物の製造方法およびアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エステル化合物の製造方法、およびこれを利用したアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法に関する。
農園芸用病害防除剤および工業用材料保護剤の有効成分として優れた活性を示すアゾリルメチルシクロペンタノール化合物が知られている。例えば、特許文献1には、人畜に対する毒性が低く、広範な植物病害に対する高い防除効果と種々の農園芸植物に対する高い生長効果を示す2−(ハロゲン化炭化水素置換)−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体が記載されている。
本発明は、有機溶媒の使用を低減しつつ目的とするエステル化合物を短時間に製造可能な方法を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、溶媒中、酸触媒の存在下で亜硝酸化合物を用いて下記式(I)で表される化合物から下記式(II)で示されるエステル化合物を生成する工程を含むことを特徴とするエステル化合物の製造方法を提供する。
本発明に係るエステル化合物の製造方法では、亜硝酸化合物を用いたジアゾ化反応により、式(I)で表されるイミデート化合物から式(II)で示されるエステル化合物を得ることができる。従って、本発明に係るエステル化合物の製造方法では、有機溶媒を使用することなく、目的とする式(II)で示されるエステル化合物を、亜硝酸化合物を用いない場合と比べて短時間に得ることができる。
本発明に係るエステル化合物の製造方法では、前記溶媒として水を用いることが好ましく、前記酸触媒には、硫酸、塩酸、硝酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも一種の酸が含まれていることが好ましい。
本発明に係るエステル化合物の製造方法において、亜硝酸化合物には、亜硝酸塩および亜硝酸エステルの少なくともいずれかを用いることが好ましい。
本発明に係るエステル化合物の製造方法において、上記各式における上記Arは、下記式(a)〜(d)のいずれか一つで表される置換基であることが好ましい。
また、本発明は、上記のエステル化合物の製造方法を含むことを特徴とする下記式(11)記載のアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法も包含する。
本発明に係るエステル化合物の製造方法によれば、有機溶媒の使用を低減しつつ目的とするエステル化合物を短時間に製造できる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.エステル化合物の製造方法
エステル化合物の製造方法は、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いて下記式(I)で表されるイミデート化合物(化合物(I))から下記式(II)で示されるエステル化合物(化合物(II))を得る工程を含む。
1.エステル化合物の製造方法
エステル化合物の製造方法は、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いて下記式(I)で表されるイミデート化合物(化合物(I))から下記式(II)で示されるエステル化合物(化合物(II))を得る工程を含む。
(1)化合物(I)、化合物(II)における置換基
R1は、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表している。
R1は、水素原子または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表している。
炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基および1,1−ジメチルエチル基を挙げることができる。なかでも炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
R1で示されるアルキル基における水素原子は、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基およびn−プロポキシ基等を挙げることができる。置換される水素原子の数に制限はなく、1以上であり得る。
R2は、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を表している。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基およびn−ヘキシル基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基およびエチル基であることがより好ましい。
Arは、水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、または水素原子が置換されていてもよい5〜10員の芳香族複素環基を表している。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデン基およびアズレン基等を挙げることができる。
また、5〜10員の芳香族複素環基を構成する芳香族複素環としては、例えば、チオフェン、ピリジン、チアゾール、フラン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フラサン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンゾフラン、クマリンおよびイソキノリン等を挙げることができる。
Arにおける芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有し得る置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基および炭素数1〜4のハロアルコキシ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子等が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基およびn−ブチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基およびブロモメチル基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびn−プロポキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のハロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。また置換基としてのフェニル基における水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Arの芳香族炭化水素基および芳香族複素環基における置換基の数および位置は特に限定されない。また、置換基が複数である場合、それぞれは同じであってもよく、互いに異なるものであってもよい。
Arの一例としては、例えば、以下の式(a)〜(d)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。以下の式(a)〜(d)以外のArとしては、例えば、ナフタレンおよびアズレンなどの多環芳香族炭化水素、またはキノリン、ベンゾチオフェンなどの多環芳香族複素環を挙げることができる。
Arのより具体的な例としては下記式(e)〜(l)で示される芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、本明細書等において同一の記号により示される置換基は全て同一のものである。例えばR1で示される置換基は、いずれの式においても上述したR1を意味する。
(2)エステル化反応
上述したように、化合物(I)から化合物(II)を得るエステル化反応は、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いる反応である。すなわち、このエステル化反応は、亜硝酸化合物を用いたジアゾ化反応により行われる。
上述したように、化合物(I)から化合物(II)を得るエステル化反応は、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いる反応である。すなわち、このエステル化反応は、亜硝酸化合物を用いたジアゾ化反応により行われる。
亜硝酸化合物としては、亜硝酸塩および亜硝酸エステルの少なくともいずれかを用いることが好ましい。亜硝酸化合物の具体例としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸エチル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸n−ブチルおよび亜硝酸n−プロピル等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
亜硝酸化合物の量は、化合物(I)に対して、1倍モル〜10倍モルであることが好ましく、1倍モル〜5倍モルであることがより好ましい。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、メタンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸の少なくとも1種を含む酸を用いることが好ましい。酸触媒の存在下での化合物(I)と亜硝酸化合物を用いた反応は、水を溶媒に用いて行うことができる。
酸触媒の量は特に限定されないが、化合物(I)に対して、0.5倍モル〜100倍モルであることが好ましく、1倍モル〜10倍モルであることがより好ましい。
反応温度は、0℃〜90℃であることが好ましく、0℃〜50℃であることがより好ましい。化合物(I)のアミド化を抑制するため、反応温度は35℃以下とすることがさらに好適である。また、反応時間は、数時間〜数日であり、好適には1時間〜24時間である。
本工程では、特に有機溶媒を用いる必要がないため、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等の特定の有機溶媒の使用を回避することができ、化合物(I)をエステル化して化合物(II)を得ることができる。従って、本工程では、反応後の有機溶媒を回収する工程を省略でき、有機溶媒の使用及び回収に伴うコストが不要である。また、本工程は、化合物(I)を有機溶媒中で酸触媒と反応させて化合物(II)を得る方法に比べて、反応効率において同等以上であり、反応時間についてもより短い時間とすることができる。
なお、本工程で使用回避可能な有機溶媒には、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類;ならびにベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類等が含まれる。ただし、本工程において、化合物(I)、(II)を溶解することなどを目的として、安価なトルエンなどを敢えて使用することもできる。この場合にも、トルエンなどに比べて高価で、引火性が高いジエチルエーテル及びジメトキシエタンなどの特定の有機溶媒の使用は回避が可能となる。
2.アゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法
次に、本発明に係るアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法について説明する。製造されるアゾリルメチルシクロペンタノール化合物は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。また、アゾリルメチルシクロペンタノール化合物を有効成分として含む農園芸用病害防除剤は、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す。
次に、本発明に係るアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法について説明する。製造されるアゾリルメチルシクロペンタノール化合物は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。また、アゾリルメチルシクロペンタノール化合物を有効成分として含む農園芸用病害防除剤は、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す。
このアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造方法は、その一工程に、上述のエステル化合物の製造方法を含む。以下、下記式(11a)で表されるアゾリルメチルシクロペンタノール化合物(化合物(11a))を例に挙げて、その製造方法を具体的に説明する。化合物(11a)は、1位のヒドロキシ基と2位のハロゲン化メチル基および1位のヒドロキシ基と5位の−CH2−Ar基のいずれもがシス型である。
化合物(11a)の製造スキームの概略は次の通りである。以下、製造スキームの各工程について順に説明する。なお、本実施形態において説明する各工程において用いられる溶媒の種類、および反応条件(反応時間および反応温度)については、特定する記載のない限り、特に限定されるものではない。反応に用いられる物質などに基づいて適宜設定すればよい。
(1)工程1:ヒドロキシメチル化
工程1では、化合物(1)をヒドロキシメチル化することにより、化合物(2)を得る(下記反応式(1)参照)。
工程1では、化合物(1)をヒドロキシメチル化することにより、化合物(2)を得る(下記反応式(1)参照)。
化合物(2)を得る具体的な方法としては、溶媒中、塩基存在下で、化合物(1)をホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド誘導体(以下、ホルムアルデヒド等という)と反応させる方法が挙げられる。
ホルムアルデヒド誘導体としては、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサンおよびホルムアルデヒドジアルキルアセタール等を挙げることができる。
化合物(1)に対するホルムアルデヒド等の量は、例えば、0.5倍モル〜20倍モルであり、好適には0.8倍モル〜10倍モルである。
塩基としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ならびに炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
化合物(1)に対する塩基の使用量は、例えば、0.1倍モル〜10倍モルであり、好適には0.2倍モル〜5倍モルである。
反応終了後、塩酸水溶液で処理することにより、過剰反応分の一部を目的物(化合物(2))に戻してもよい。
なお、ここで使用される化合物(1)は、特許文献2の記載に準じて製造すればよい。
(2)工程2:脱離基への変換
工程2では、化合物(2)における所定のヒドロキシ基を、脱離基に変換することにより、化合物(3)を得る(下記反応式(2)参照)。
工程2では、化合物(2)における所定のヒドロキシ基を、脱離基に変換することにより、化合物(3)を得る(下記反応式(2)参照)。
化合物(3)におけるX1は、ハロゲン原子または−OSO2R3を表しており、R3は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基またはナフチル基を表している。
−OSO2R3としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、プロパンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基、o−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基およびジメチルアミノナフチルスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
R3における炭素数1〜3のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基を挙げることができる。
R3におけるフェニル基およびナフチル基における水素原子はハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基またはアミノ基で置換されていてもよい。置換し得るハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。
ヒドロキシ基を脱離基(X1)に変換する方法としては、(i)過剰量の塩基の存在下、溶媒中で、化合物(2)をスルホニルクロライド類と反応させる方法、および(ii)化合物(2)をハロゲン化チオニル類と反応させる方法を挙げることができる。
スルホニルクロライド類としては、メタンスルホニルクロライド、プロパンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、クロロベンゼンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド、ナフタレンスルホニルクロライド、o−ニトロベンゼンスルホニルクロライドおよびジメチルアミノナフチルスルホニルクロライド等を挙げることができる。
塩基としては特に限定されないが、例えば、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン等の脂肪族アミン類、水素化ナトリウム等の無機塩基、ならびにピリジン等の芳香族有機塩基等を挙げることができる。
スルホニルクロライド類としてp−トルエンスルホニルクロライドを用いる場合には、N−メチルイミダゾールおよびジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下で反応を行うことが好ましい。
スルホニルクロライド類の量は、化合物(2)に対して、例えば、0.8倍モル〜10倍モルであり、好適には0.9倍モル〜5倍モルである。塩基の量は、化合物(2)に対して、例えば、0.9倍モル〜20倍モルであり、好適には1倍モル〜10倍モルである。
ハロゲン化チオニル類としては、チオニルブロマイドおよびチオニルクロライド等を用いることができる。
(3)工程3:加水分解および脱炭酸
工程3では、化合物(3)のメトキシカルボニル基を水素で置換することにより、化合物(4)を得る(下記反応式(3))。
工程3では、化合物(3)のメトキシカルボニル基を水素で置換することにより、化合物(4)を得る(下記反応式(3))。
化合物(4)におけるX2は、上述のX1と同義であるが、化合物(3)のX1と異なり得る。
メトキシカルボニル基を水素で置換する方法としては、酸触媒により化合物(3)のメトキシカルボニル基を加水分解するとともに脱炭酸する方法を挙げることができる。
酸触媒としては、臭化水素、塩化水素、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸等の置換スルホン酸、ならびに硫酸等が挙げられる。酸触媒として臭化水素を用いた場合には、一部の化合物(3)においてX1が臭素に置換される。
(4)工程4:オキセタン閉環
工程4では、化合物(4)をシアン化物塩と反応させてオキセタン化することにより化合物(5)を得る(下記反応式(4)参照)。
工程4では、化合物(4)をシアン化物塩と反応させてオキセタン化することにより化合物(5)を得る(下記反応式(4)参照)。
シアン化物塩としては、シアン化ナトリウムおよびシアン化カリウム等のアルカリ金属シアン化物、シアン化カルシウム、ならびにシアン化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
シアン化物塩の量は、化合物(4)に対して、例えば、0.8倍モル〜20倍モルであり、好適には、1倍モル〜5倍モルである。
本工程における反応では、溶媒に、触媒を添加してもよい。用いられる触媒としては、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、トリエチルアミン、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムおよび1,8−ジアザビシクロ−7−[5,4,0]ウンデセン等が好適に用いられる。
本工程において、化合物(5)の幾何異性体としては、シス体が優先して得られることになる。例えばN−メチル−2−ピロリドン溶媒中、室温反応から得られた場合には、シス体:トランス体=約9:1となる。
(5)工程5:イミデート化
工程5では、化合物(5)をアルコキシドと反応させることにより、化合物(6a)を得る(下記反応式(5)参照)。
工程5では、化合物(5)をアルコキシドと反応させることにより、化合物(6a)を得る(下記反応式(5)参照)。
アルコキシドは、有機基としてR2の説明において列挙したアルキル基を有する。すなわち、本工程で用いられるアルコキシドは、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシドである。具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドおよびカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドなどが挙げられる。
アルコキシドの量は、化合物(5)に対して、例えば、0.8倍モル〜100倍モルであり、好適には、1倍モル〜50倍モルである。
本工程におけるシアノ基に対するアルコキシドの付加反応は、化合物(5)の1,5−シス体においてのみ進行する。そのため、得られる生成物は、この時点で単一の幾何異性体(1,2−シス体、かつ1,5−シス体)となる。
(6)工程6:エステル化
工程6では、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いてジアゾ化反応を行うことにより、化合物(6a)からエステル化合物(7a)を得る(下記反応式(6)参照)。工程6の反応に関する具体的な説明については上述しているため省略する。
工程6では、溶媒中、酸触媒存在下で亜硝酸化合物を用いてジアゾ化反応を行うことにより、化合物(6a)からエステル化合物(7a)を得る(下記反応式(6)参照)。工程6の反応に関する具体的な説明については上述しているため省略する。
(7)工程7:還元反応
工程7では、エステル化合物(7a)を還元することにより、化合物(8a)を得る(下記反応式(7)参照)。
工程7では、エステル化合物(7a)を還元することにより、化合物(8a)を得る(下記反応式(7)参照)。
エステル化合物(7a)を還元するための還元剤としては、ヒドリド型還元剤を挙げることができる。ヒドリド型還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素リチウムおよび水素化リチウムアルミニウム等を挙げることができる。また、還元剤は必要に応じて系内で調製することも可能である。
還元剤の量は、エステル化合物(7a)に対して、例えば、0.2倍モル〜50倍モルであり、好適には、0.5倍モル〜20倍モルである。
(8)工程8:脱離基への置換
工程8では、化合物(8a)のヒドロキシ基を脱離基に置換することにより、化合物(9a)を得る(下記反応式(8)参照)。
工程8では、化合物(8a)のヒドロキシ基を脱離基に置換することにより、化合物(9a)を得る(下記反応式(8)参照)。
化合物(9a)におけるX3は、脱離基であれば特に制限されないが、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子等のハロゲン原子、ならびにメタンスルホニルオキシ基、プロパンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、ナフタレンスルホニルオキシ基、o−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基およびジメチルアミノナフチルスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基を挙げることができる。
ヒドロキシ基を脱離基に置換する方法としては、(i)過剰量の塩基の存在下、溶媒中で、化合物(8a)をスルホニルクロライド類と反応させる方法、および(ii)化合物(8a)をハロゲン化チオニル類と反応させる方法を挙げることができる。
本工程において使用可能なスルホニルクロライド類、ハロゲン化チオニル類、塩基および溶媒は、上記工程2において使用可能なものと同じである。
スルホニルクロライド類としてp−トルエンスルホニルクロライドを用いる場合には、N−メチルイミダゾールおよびジメチルアミノピリジンなどの触媒存在下で反応を行うことが好ましい。
スルホニルクロライド類の量は、化合物(8a)に対して、例えば、0.8倍モル〜10倍モルであり、好適には、0.9倍モル〜5倍モルである。塩基の量は、化合物(8a)に対して、例えば、0.9倍モル〜12倍モルであり、好適には、1倍モル〜6倍モルである。
(9)工程9:アゾール付加
工程9では、化合物(9a)をトリアゾール化合物またはイミダゾール化合物と反応させることにより、化合物(10a)を得る(下記反応式(9)参照)。
工程9では、化合物(9a)をトリアゾール化合物またはイミダゾール化合物と反応させることにより、化合物(10a)を得る(下記反応式(9)参照)。
化合物(10a)におけるAは、窒素原子またはメチン基を表している。
化合物(10a)を得る方法としては、塩基の存在下、溶媒中で、化合物(9a)をイミダゾール化合物またはトリアゾール化合物と反応させる方法が挙げられる。
イミダゾール化合物およびトリアゾール化合物としては、下記式(VI)で示される1,2,4−トリアゾールの金属塩またはイミダゾールの金属塩が挙げられる。
式(VI)中、Aは窒素原子またはメチン基を表しており、Mは金属を表している。Mとしては、アルカリ金属が好適に用いられ、なかでも、ナトリウムおよびカリウムが特に好ましい。
用いる塩基としては、特に制限されない。また、この塩基については、予めアゾール化合物と処理して塩を形成するのに用いてもよく、系内に共存させて用いてもよい。
イミダゾール化合物およびトリアゾール化合物の量は、化合物(9a)に対して、例えば、0.8倍モル〜20倍モルであり、好適には、1倍モル〜5倍モルである。
(10)工程10:オキセタン開環
工程10では、化合物(10a)の有するオキセタン環を開環することにより、化合物(11a)を得る(下記反応式(10)参照)。
工程10では、化合物(10a)の有するオキセタン環を開環することにより、化合物(11a)を得る(下記反応式(10)参照)。
化合物(11a)におけるX4は、ハロゲン原子を表している。
化合物(10a)の有するオキセタン環を開環する方法としては、化合物(10a)とハロゲン酸とを溶媒中で混合し、ハロゲン化メチル基と3級ヒドロキシ基とを生成する方法が好適に用いられる。
ハロゲン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素を挙げることができる。
ハロゲン酸の量は、化合物(10a)に対して、例えば、0.5倍モル〜50倍モルであり、好適には、1倍モル〜20倍モルである。
オキセタンにハロゲン酸が付加する場合、1位が3級ヒドロキシ基となり、2位がハロゲン化メチル基となる。
[付記事項]
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
なお、本明細書において「室温」とは、10℃〜30℃の範囲であることを意図している。
〔製造例1:1−(4−クロロベンジル)−3−ヒドロキシメチル−3−メチル−2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(2−1))の合成〕
既知の化合物である1−(4−クロロベンジル)−3−メチル−2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(1−1))1.12gに、37%ホルムアルデヒド水溶液0.90mlおよび炭酸カリウム276mgを加え、室温で4時間激しく撹拌した。反応終了後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物(2−1)の異性体(A)227mgを無色液体として、異性体(B)953mgを無色固体としてそれぞれ得た。
また、本製造例と同様の方法により、表1に示される各化合物を合成した。
〔製造例2:1−(4−クロロベンジル)−3−メタンスルホニルオキシメチル−3−メチル−2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸メチルエステル(化合物(3−1−1))の合成〕
製造例1で得た化合物(2−1)1.00gを塩化メチレン20mlに溶解し、トリエチルアミン0.68mlおよびメタンスルホニルクロライド0.324mlを加え室温で1.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物(3−1−1)1.141gを、2種の異性体を含む無色油状物として得た(収率:91.1%)。
〔製造例3:メタンスルホン酸3−(4−クロロベンジル)−1−メチル−2−オキソ−シクロペンチルメチルエステル(化合物(4−1−1))の合成〕
製造例2で合成した化合物(3−1−1)1.26gにメタンスルホン酸0.255mlおよび水88.3mgを加え、110℃で3.5時間撹拌した。反応終了後、水を加えて酢酸エチルで抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物(4−1−1)794mgを淡黄色油状物として得た(収率:74.1%)。
〔製造例4:(1RS,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプタン−5−カルボニトリル(化合物(5−1))の合成〕
シアン化ナトリウム96.3mgを水0.5mlに溶解した。製造例3で得られた化合物(4−1−1)500mgをトルエン1mlに溶解して、シアン化ナトリウム水溶液に添加した。塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(BTEAC)34.4mgを加え、70℃で20時間撹拌した後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物(5−1)305.9mgを無色液体として得た(収率77.4%)。
また、本製造例と同様の方法により、表2に示される各化合物を合成した。
〔製造例5:(1RS,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプタン−5−カルボキシミド酸メチルエステル(化合物(6a−1−1))の合成〕
化合物(5−1)100.6g(純度:74.3wt%)をメタノール550mlに溶解した。ここに、28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液88.67gを加え、室温で26時間撹拌した。反応終了後、1mol/l硫酸水溶液を加え、中和した後、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物(6a−1−1)の粗反応物105.1gを得た(収率86%)。
分析結果は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.10(3H,s),1.39-1.48(1H,m),1.79-2.00(3H,m),2.44-2.58(3H,m),3.64(3H,s),4.22(1H,d,J=5.9Hz),4.27(1H,dd,J=5.9,1.4Hz),7.04(2H,d,J=8.5Hz),7.19(2H,d,J=8.5Hz),7.96(1H,brs).
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.10(3H,s),1.39-1.48(1H,m),1.79-2.00(3H,m),2.44-2.58(3H,m),3.64(3H,s),4.22(1H,d,J=5.9Hz),4.27(1H,dd,J=5.9,1.4Hz),7.04(2H,d,J=8.5Hz),7.19(2H,d,J=8.5Hz),7.96(1H,brs).
また、本製造例と同様の方法により、表3に示される各化合物を合成した。
〔製造例6A:(1RS,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプタン−5−カルボン酸メチルエステル(化合物(7a−1))の合成〕
化合物(6a−1−1)の粗反応物96.4g(純度:69%)をトルエン216mlに溶解した。ここに、硫酸水(濃硫酸62.1g(633.16mM)に水97.0g加えた物)を加えた。次いで、亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝酸ナトリウム50.7gを水97.0gに溶解した物)を83分かけて滴下した。滴下完了時の内温は36℃であった。なお、滴下完了時点で化合物(6a−1−1)が消失していることを確認した。
滴下終了後、炭酸ナトリウム水溶液を加え、中和した。溶液を分配後、水層をトルエンで抽出した。有機層を合せ、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去して、化合物(7a−1)の粗反応物を油状物として94.05g得た。
分析結果は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.14(3H,s),1.45-1.54(1H,m),1.79-1.85(1H,m),1.95-2.04(2H,m),2.58-2.72(3H,m),3.51(3H,s),4.27(1H,d,J=5.8Hz),4.39(1H,dd,J=5.8,1.4Hz),7.07(2H,d,J=8.4Hz),7.19(2H,d,J=8.4Hz).
1H-NMR(CDCl3)δ=
1.14(3H,s),1.45-1.54(1H,m),1.79-1.85(1H,m),1.95-2.04(2H,m),2.58-2.72(3H,m),3.51(3H,s),4.27(1H,d,J=5.8Hz),4.39(1H,dd,J=5.8,1.4Hz),7.07(2H,d,J=8.4Hz),7.19(2H,d,J=8.4Hz).
〔参考製造例6B:化合物(7a−1)の合成(比較例)〕
製造例6Aにおいて用いた化合物(6a−1−1)と同様に製造した化合物(6a−1−1)の粗反応物84.7gをジメトキシエタン1700mlに溶解し、次いで、室温下、1M硫酸水 290mlを加え、26時間攪拌した。反応液からジメトキシエタンを減圧留去し、残分に水とトルエンを加え抽出分配した。さらに水層をトルエン抽出した。有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、減圧下で溶媒を留去して、化合物(7a−1)の粗反応物を油状物として84.0g得た。
製造例6Aでは、参考製造例6Bに示すようにジメトキシエタンを溶媒に用いることなく、短時間に化合物(7a−1)を製造することができた。
〔製造例7:(1RS,4SR,5RS)−4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプト−5−イル−メタノール(化合物(8a−1))の合成〕
製造例6Aで合成し、精製した化合物(7a−1)970.6mgをエタノール20mlに溶解した後、0℃に冷却した。ここに、水素化ホウ素ナトリウム249mgおよび塩化カルシウム(粉末)365mgを加え、同温度で2時間撹拌した。反応終了後、1mol/lクエン酸水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(8a−1)845.3mgを無色固体として得た(収率:96.2%)。
〔製造例8:(1RS,4SR,5RS)−メタンスルホン酸4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプト−5−イルメチルエステル(化合物(9a−1−1))の合成〕
化合物(8a−1)300mgをトルエン6mlに溶解した。ここに、トリエチルアミン(TEA)235μlおよびメタンスルホニルクロライド122μlを加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(9a−1−1)378.3mgを無色粘稠物として得た(収率:97.2%)。
〔製造例9:(1RS,4SR,5RS)−1−[4−(4−クロロベンジル)−1−メチル−6−オキサ−ビシクロ[3,2,0]ヘプト−5−イルメチル−1H−[1,2,4]]−トリアゾール(化合物(10a−1))の合成〕
化合物(9a−1−1)47.1mgをジメチルホルムアミド(DMF)1.5mlに溶解した。ここに、トリアゾールナトリウム塩14.9mgを加え、60℃で45分間撹拌した。80℃に昇温してさらに45分間撹拌した後、トリアゾールナトリウム塩10.0mgを追加した。同温度でさらに45分間撹拌した後、反応温度を100℃にしてさらに3時間撹拌した。さらに昇温して120℃として6時間撹拌した後、トリアゾールナトリウム塩12.5mgを加え、同温度でさらに9.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去して水を加えた後に、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(10a−1)35.4mgを無色固体として得た(収率:81.4%)。
また、本製造例と同様の方法により、表4に示される各化合物を合成した。
〔製造例10:(1RS,2SR,5SR)−5−(4−クロロベンジル)−2−クロロメチル−2−メチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール)−1−イルメチルシクロペンタノール(化合物(11a−1))の合成〕
化合物(10a−1)20.79gをジメチルホルムアミド(DMF)200mlに溶解し、80℃に加熱した。ここにリチウムクロライド39.59gおよびp−トルエンスルホン酸1水和物14.20gを加え、1.5時間撹拌した。反応終了後、DMFを減圧下で留去し、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣を再結晶することにより化合物(11a−1)22.24gを得た(収率:95.9%)。
また、本製造例と同様の方法により、表5〜表7に示される各化合物を合成した。
本発明は、農園芸用の殺菌剤、植物生長調節剤および工業用材料保護剤の有効成分として利用することができるアゾリルメチルシクロペンタノール化合物の製造に好適に利用することができる。
Claims (5)
- 前記溶媒が水であり、前記酸触媒が、硫酸、塩酸、硝酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される少なくとも一種の酸を含むことを特徴とする請求項1に記載のエステル化合物の製造方法。
- 前記亜硝酸化合物が、亜硝酸塩および亜硝酸エステルの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のエステル化合物の製造方法。
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