JP2014037340A - グラフェン膜の製造装置及びグラフェン膜の製造方法 - Google Patents

グラフェン膜の製造装置及びグラフェン膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質なグラフェン膜を製造でき、且つ量産化に適したグラフェン膜の製造装置及びグラフェン膜の製造方法を提供する。
【解決手段】グラフェン膜を製造するプラズマCVD装置10は、炭素を含む成膜材料ガスを供給するガス供給系21と、基材を支持するステージ電極16と、ステージ電極16と対向し、ステージ電極16との間でプラズマを生成する対向電極20と、周波数が1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を対向電極20に印加するパルス電源装置25とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、グラフェン膜の製造装置及び製造方法に関する。
グラフェンは、単層のカーボン層を指し、高導電性、高透過率、高い熱伝導性といった特長をもつ材料として注目されている。また、グラフェン1層分の光吸収率は約2.3%であること、シリコンの約10倍の電子移動度を有すること、資源が豊富であること等から、ITOに替わる透明電極等のデバイスへの応用が期待されている。
デバイスの一部として用いられるグラフェン膜の製造方法としては、熱CVD法、13.56MHz等の高周波によってプラズマを生成するプラズマCVD法が採用されていた(例えば特許文献1参照)。
特開2011−168448号公報
熱CVD法を用いたグラフェン膜の製造方法では、900℃〜1000℃でグラフェン膜を形成する。この方法では高品質なグラフェン膜を供給することができる一方、高温、及び成膜時間が長いといった短所がある。成膜温度が900℃〜1000℃といった高温の場合、基材はその温度に耐えうる材料又は膜厚で構成される必要があり、制約が大きい。
一方、プラズマCVD法では、熱CVD法よりも低温でグラフェンを成膜することができる。しかし、従来のRFプラズマ源を用いると、生成したプラズマによってグラフェンにダメージを与えてしまい、膜質が劣化してしまう問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質なグラフェン膜を製造でき、且つ量産化に適したグラフェン膜の製造装置及びグラフェン膜の製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、炭素を含有する成膜材料ガスを供給するガス供給系と、基材を支持するステージ電極と、前記ステージ電極と対向する対向電極と、周波数が1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を前記対向電極に印加するパルス電源装置とを備え、前記ステージ電極と前記対向電極との間で前記成膜材料ガスのプラズマを生成することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、周波数1Hz以上20kHzの直流パルス電圧が対向電極に印加されるので、プラズマにより基材又はグラフェン膜に与えられるダメージが軽減される。このため高品質なグラフェン膜を形成することができる。また、直流パルス電圧の周波数を上記範囲にすることによって低温でグラフェン膜を形成できるので、グラフェン膜の下地となる基材の材料や膜厚等の自由度を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の負極性のパルス電圧を前記対向電極に印加することを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、パルス電源装置は、負極性のパルス電圧を対向電極に印加する。従って、プラズマ中の正イオンを対向電極側に引き付けることができるため、正イオンによって基材又はグラフェン膜に与えられるダメージを軽減することができる。さらにパルス幅を上記範囲にすることによって、パルス電圧が印加されない休止期間を比較的長く確保できるので、基材又はグラフェン膜に与えるダメージを極力小さくすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の正極性のパルス電圧を出力することを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、パルス幅を上記範囲にすることによって、パルス電圧が印加されない休止期間を比較的長く確保できるので、基材又はグラフェン膜に与えるダメージを極力小さくすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の負極性のパルス電圧と正極性のパルス電圧を交互に出力することを要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、負極性のパルス電圧と正極性のパルス電圧とをパルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下で交互に出力する。このため、パルス電圧が印加されない休止期間を比較的長く確保できるので、基材又はグラフェン膜に与えるダメージを極力小さくすることができる。
請求項5に記載の発明は、前記基材を加熱するヒータをさらに備え、前記ヒータは、基材温度を750℃以下に調整することを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、ヒータによって、基材温度が750℃以下に調整される。このため、グラフェン膜の合成を促すとともに、基材を、900℃程度の高温に耐えうる材料又は膜厚に構成する必要がなく、基材の材料及び膜厚の自由度を高めることができる。
請求項6に記載の発明は、炭素含有ガスを用いて、基材を支持するステージ電極と前記ステージ電極と対向する対向電極との間で前記炭素含有ガスのプラズマを生成するグラフェン膜の製造方法において、周波数が1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を前記対向電極に印加することを要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、周波数1Hz以上20kHzの直流パルス電圧が対向電極に印加されるので、プラズマにより基材又はグラフェン膜に与えられるダメージが軽減される。このため高品質なグラフェン膜を形成することができる。また、直流パルス電圧の周波数を上記範囲にすることによって低温でグラフェン膜を形成できるので、グラフェン膜の下地となる基材の自由度を高めることができる。
本発明のグラフェン膜の製造装置を具体化した第1実施形態のプラズマCVD装置の模式図。 同製造装置の対向電極に印加されるパルス電圧の波形。 (a)及び(b)は同製造装置の対向電極に印加されるパルス電圧の波形の変形例。 実施例1のラマンスペクトル。 実施例1の透過型電子顕微鏡写真。 実施例3のラマンスペクトル。 実施例3の透過型電子顕微鏡写真。 実施例4のラマンスペクトル。 実施例4の透過型電子顕微鏡写真。 比較例1のラマンスペクトル。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図2に従って説明する。本実施形態では、透明電極として用いられるグラフェン膜を、プラズマCVD法を用いて形成する方法について説明する。このグラフェン膜は、5層程度のグラフェンが積層されることにより構成されている。
グラフェン膜は、Cu、Ni等といった金属箔の上に直接形成される。基材としての金属箔は、900℃程度の高温になるとシワやよれが生じるといった短所を有する一方、スパッタ等によりガラス基板上に金属膜を形成する方法に比べ、量産性に適している。さらに、Cu箔を用いると、Ni箔よりもグラフェン膜を薄く形成することができる。
次にプラズマCVD装置について説明する。図1に示すように、プラズマCVD装置10は、ステンレス等からなるチャンバ11を有する。チャンバ11は、内側に反応室12と加熱室13とを備え、反応室12及び加熱室13は密閉可能に構成されている。
チャンバ11には、排気管14を介して排気装置15が接続されている。排気装置15を駆動することによって、チャンバ11内が真空圧に調整される。尚、図1では1つの排気装置15のみ図示しているが、反応室12及び加熱室13を別の排気系に接続してもよい。
チャンバ11内には、ステージ電極16が設けられている。ステージ電極16は、モリブデン等からなり、接地電位に接続されている。ステージ電極16の中央には、基材載置部16aが設けられている。また、ステージ電極16の下方の加熱室13には、ヒータ17が備えられている。ヒータ17は、図示しない温度調節機構に接続されている。基材としてCu箔を用いた場合には、ステージ電極16に載置された基材を、600℃以上750℃以下の温度範囲で加熱する。Ni箔を用いた場合には、500℃以上750℃以下の温度範囲で加熱する。
ステージ電極16の上方の反応室12には、対向電極20が備えられている。対向電極20は、成膜材料ガスを反応室12内に吐出するシャワーヘッドとしても機能し、その底面には成膜材料ガスを反応室12へ吐出する孔が貫通形成されている。また対向電極20の上側には成膜ガスを一時貯留する図示しないバッファ室が設けられ、このバッファ室は、成膜材料ガスを貯留したガス供給系21に接続されている。バッファ室とガス供給系21とを接続する流路の途中には、マスフローコントローラ22が設けられ、反応室12に供給されるガス流量を調整する。
成膜材料ガスは、メタン、エチレン、アセチレン等の炭素含有ガス、又は炭素含有ガスと水素やアルゴン等の希釈ガスとの混合ガスからなる。成膜材料ガスを炭素含有ガスのみから構成する場合には、グラフェンが水素終端されるのを抑制し、薄いグラフェン膜を合成しやすくなるが、グラフェン膜中のアモルファス成分が増加する。このため、アモルファス化を抑制しつつグラフェン膜を5層以下とする場合には、炭素含有ガスと希釈ガスとの流量比(例えばメタン:水素)を、5:200以上、10:200以下に調整することが好ましい。
対向電極20には、直流パルス電圧を印加するパルス電源装置25が接続されている。このパルス電源装置25は、対向電極20に1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を印加する。周波数が1Hz未満となると、パルス電源に負荷が掛かり、好ましくない。周波数が20kHz超であると、プラズマの熱による基材へのダメージが大きくなる他、グラフェンの欠陥も大きくなる。この欠陥の大きさは、グラフェンをラマン分光法で測定したときのラマンスペクトルにおける1350cm−1付近のピーク(以下、Dバンドという)の大きさによって判断することができる。また、パルス電圧の振幅は、100V以上800V以下が好ましい。
パルス電源装置25は、次のような波形の直流パルス電圧を出力する。例えば図2に示すように、負の極性を有するパルス電圧を出力する。このとき、パルス幅τは、3μ秒以上1000μ秒以下が好ましい。例えば、パルス幅が、5μ秒、デューティー比(τ/T1)が0.1である場合、パルス電圧が印加される間に、45μ秒の休止期間が設けられることになる。このため、プラズマによって基材及びグラフェンに加えられるダメージは小さくなる。また、負極性のパルス電圧を印加すると、対向電極20がマイナスの電位となり、プラズマ中の水素イオンを引き付けると推測される。水素イオンは、基材やグラフェン膜にダメージを与えるため、水素イオンの一部が対向電極20側に引き付けられると、基材やグラフェン膜に与えられるダメージが、より低減される。
また、図1に示すように、ステージ電極16と対向電極20との間には、メッシュ電極26が備えられている。メッシュ電極26は、金属材料からなり、接地電位に接続されている。また、メッシュ電極26には、直径1mm〜3mmの円形の孔(図示略)が多数貫通形成されている。このメッシュ電極26は、反応室12内にプラズマが生成されたときに、電荷をもつイオンや電子の一部を吸収する。
次に、プラズマCVD装置10の動作について説明する。まず厚さ5μm以上40μm以下のCu箔又はNi箔からなる基材を、ステージ電極16の基材載置部16aに載置し、ヒータ17を駆動して、基材を加熱する。このときの温度は、基材としてCu箔を用いている場合には、上述したように600℃以上750℃以下が好ましい。750℃を超えると、Cu箔にシワ等が生じてしまう他、Cuが溶融し、基材載置部16aに付着してしまう。600℃未満の場合には、グラフェンの品質が著しく低下してしまう。また、Ni箔を用いている場合には、500℃以上750℃以下が好ましい。
また、排気装置15を駆動してチャンバ11内を減圧し、ガス供給系21から成膜材料ガスをマスフローコントローラ22によって流量を調節しながらチャンバ11内に供給する。上述したように、成膜材料ガスを、炭素含有ガスと水素とから構成する場合には、流量比は、5:200以上、10:200以下が好ましい。
チャンバ11内が所定の圧力に調整されると、パルス電源装置25から対向電極20に対し、周波数1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を印加する。その結果、対向電極20及びメッシュ電極26の間に、炭素含有ガス等のプラズマが生成される。このとき炭化水素化合物等が、イオン、ラジカル及び電子に分解され、電荷を帯びるイオンや電子の一部はメッシュ電極26に吸収される。炭素含有ガスのラジカルは、基材まで到達し、基材上でグラフェンが合成される。
このとき、パルス電源装置25によって印加されるパルス電圧が、1Hz以上20kHz以下であるため、プラズマの熱による基材へのダメージが軽減されるとともに、グラフェンがプラズマによって破壊されることを抑制することができる。また炭素含有ガスと水素ガスとの流量を上記したように調整することによって、5層程度の薄いグラフェン膜を形成することができる。このようにグラフェン膜を、5層程度のグラフェンから構成することによって、透光性に優れた透明電極を得ることができる。
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1実施形態では、プラズマCVD装置10の対向電極20に、周波数1Hz以上20kHzの直流パルス電圧が印加される。このため、高周波プラズマ源等を用いる場合に比べ、プラズマにより基材又はグラフェン膜に与えられるダメージを軽減することによって、高品質なグラフェン膜を形成することができる。また、直流パルス電圧の周波数を上記範囲にすることによって比較的低い温度でグラフェン膜を形成できるので、高温に弱い金属箔を基材として用いることができる。
(2)第1実施形態では、パルス電源装置25は、負極性のパルス電圧を対向電極に印加する。従って、プラズマ中の正イオンを対向電極側に引き付けることができるため、水素イオンによって基材又はグラフェン膜に与えられるダメージを軽減することができる。さらにパルス幅を3μ秒以上1000μ秒以下にすることによって、パルス間の休止期間を長くし、基材又はグラフェン膜に与えるダメージを極力小さくすることができる。
(3)第1実施形態では、基材としてCu箔を用いた場合、ヒータ17によって、基材温度が600℃以上750℃以下に調整される。また、基材としてNi箔を用いた場合、基材温度が500℃以上750℃以下に調整される。このため、グラフェン膜の合成を促すとともに、基材を、900℃程度の高温に耐えうる材料又は膜厚に構成する必要がなく、基材の材料及び膜厚の自由度を高めることができる。
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、負極性の直流パルス電圧を対向電極20に印加したが、図3(a)に示すように、正の極性を有するパルス電圧を印加してもよい。このときのパルス電圧のパルス幅及びデューティー比は、図2と同様である。さらに、図3(b)に示すように、極性を反転させて、正の極性を有するパルス電圧と負の極性を有するパルス電圧を交互に印加してもよい。パルス幅τは、図2と同様である。例えば、パルス幅5μ秒、異なる極性のパルス間の周期T2は、極性を反転させるのに要する時間も含め、60μ秒である。この場合にも、55μ秒の休止期間が設けられることになるため、基材やグラフェンに加えられるダメージは小さくなる。
・上記実施形態では、本発明のグラフェン膜の製造装置及び製造方法を、透明電極に用いられるグラフェン膜の製造装置及び製造方法として適用したが、本発明を、例えば配線、放熱材等、透明電極以外の用途を有するグラフェン膜を製造する装置及び方法に適用してもよい。5層以上の比較的厚いグラフェン膜を形成する場合には、水素ガスの流量比を大きくすればよい。
・上記実施形態では、基材として金属箔を用いたが、ガラス基板の上に下地層として金属薄膜を形成して、その薄膜上にグラフェン膜を形成してもよい。
・第1実施形態では、ステージ電極16及び対向電極20の間にメッシュ電極26を設けたが、成膜条件に応じてメッシュ電極26は省略してもよい。
・本発明のグラフェン膜の製造装置は、ロール・ツー・ロール方式の装置に具体化してもよい。
(実施例1)
上記実施形態のプラズマCVD装置を用い、炭素源としてメタンガスを用いて、Cu箔上にグラフェン膜の合成を行った。成膜条件は、基材温度730℃、メタンガス流量200sccm、圧力900Pa、パルス電圧±400V、パルス幅5μ秒、周波数8.33kHz、成膜時間を2分間とした。このようにして得られたグラフェン膜をガラス基材上に転写し、ラマン分光装置及び透過型電子顕微鏡(TEM)によって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行った。グラフェンの欠陥は、ラマンスペクトルにおける1350cm−1付近のDバンドの増大により確認される。図4に示すように、ラマンスペクトルのうち、グラフェンの欠陥に起因する1350cm−1付近のDバンド(D)は低下した。図5に示すようにTEM像では、5層の良質なグラフェンが確認された。
(実施例2)
成膜ガスとしてメタンガス及びアルゴンガスを用いた他は、実施例1と同様にしてグラフェンの成膜を行った。メタンガス及びアルゴンガスの流量は、10sccm:200sccmとした。ラマン分光装置及びTEMによって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
(実施例3)
成膜ガスとしてメタンガス、アルゴンガス及び水素ガスを用いた他は、実施例1と同様にしてグラフェンの成膜を行った。メタンガス、アルゴンガス及び水素ガスの流量は、10sccm:100sccm:200sccmとした。ラマン分光装置及びTEMによって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行ったところ、図6に示すようにラマンスペクトルのDバンド(D)が増大するものの、図7に示すようにTEM像からは10層程度のグラフェンが確認できた。
(実施例4)
グラフェンの下地層となる金属箔を、Ni箔とする他は、実施例3と同様にしてグラフェンの成膜を行った。ラマン分光装置及びTEMによって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行った。図8に示すようにラマンスペクトルのDバンド(D)は実施例3に比べ低下し、図9に示すようにTEM像からは17層程度のグラフェンが確認できた。
(比較例1)
13.56MHzの高周波を出力するプラズマ源を用い、200Wのパワーで、Cu箔上にグラフェンを成膜した。成膜ガス及び流量、温度、圧力、及び成膜時間は実施例1と同様にした。そしてラマン分光装置及びTEMによって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行ったところ、図10に示すように、ラマンスペクトルのDバンド(D)は、実施例1に比べ増大した。RFプラズマでは、イオンによるダメージが大きいことが示唆された。
(比較例2)
成膜ガスを、メタンガス、アルゴンガス及び水素ガスにした以外は、比較例1と同様にグラフェンを成膜した。メタンガス、アルゴンガス及び水素ガスの流量は、10sccm:100sccm:200sccmとした。ラマン分光装置及びTEMによって、転写後のグラフェンに対し測定及び観察を行ったところ、比較例1と同様の結果が得られた。
10…グラフェンの製造装置としてのプラズマCVD装置、21…ガス供給系、16…ステージ電極、17…ヒータ、20…対向電極、25…パルス電源装置、F…基材。

Claims (6)

  1. 炭素を含有する成膜材料ガスを供給するガス供給系と、
    基材を支持するステージ電極と、
    前記ステージ電極と対向する対向電極と、
    周波数が1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を前記対向電極に印加するパルス電源装置とを備え、前記ステージ電極と前記対向電極との間で前記成膜材料ガスのプラズマを生成することを特徴とするグラフェン膜の製造装置。
  2. 前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の負極性のパルス電圧を前記対向電極に印加する請求項1のグラフェン膜の製造装置。
  3. 前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の正極性のパルス電圧を出力する請求項1のグラフェン膜の製造装置。
  4. 前記パルス電源装置は、パルス幅が3μ秒以上1000μ秒以下の負極性のパルス電圧と正極性のパルス電圧を交互に出力する請求項1のグラフェン膜の製造装置。
  5. 前記基材を加熱するヒータをさらに備え、
    前記ヒータは、基材温度を750℃以下に調整する請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフェン膜の製造装置。
  6. 炭素含有ガスを用いて、基材を支持するステージ電極と前記ステージ電極と対向する対向電極との間で前記炭素含有ガスのプラズマを生成するグラフェン膜の製造方法において、
    周波数が1Hz以上20kHz以下の直流パルス電圧を前記対向電極に印加することを特徴とするグラフェン膜の製造方法。
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