JP2014036924A - アニオン交換樹脂の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶出金属量と溶出有機物量とがともに低減されたアニオン交換樹脂を得るためのアニオン交換樹脂の精製方法を提供する。
【解決手段】アニオン交換樹脂に鉱酸溶液を通液する酸処理工程と、酸処理工程ののち、アニオン交換樹脂にアルカリ溶液を通液するアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程ののち、アニオン交換樹脂に超純水を通水する洗浄工程と、を設ける。洗浄工程の少なくとも一部において、温度が50℃以上100℃以下の温超純水をアニオン交換樹脂に通水する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アニオン交換樹脂の精製方法に関し、特に、溶出金属量や溶出有機物量を低減させたアニオン交換樹脂を得るための精製方法に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体集積回路(IC)などの電子部品、さらには、DVD−RAMなどの各種の記録メディアなどの製造工程においては、種々の薬液、溶解溶剤(溶媒)、液状の電子材料、洗浄水などの液体が使用される。電子部品や各種の記録メディアのことを総称して電子工業製品と呼び、電子工業製品の製造工程において使用されるこれらの薬液、溶解溶剤、液状電子材料、洗浄液などを総称して製造用液と呼ぶ。製造用液の代表的なものの例としては超純水などが挙げられるが、水を含有しない液体である製造用液に対する需要も高まってきている。水分を含有しない製造用液の例としては、例えば、アルコールなどの薬液や非水溶媒などが挙げられる。近年、電子工業製品の高性能化や高品質化が進んでおり、それに伴って、製造用液に対しても、より高純度であることの要求が高まってきている。
電子工業製品の製造工程において用いられる製造用液にナトリウム(Na)などの金属成分や例えば有機酸などの有機系イオン性不純物が含まれていると、製造される電子工業製品の性能や品質に重大な影響が及ぼされる。そのため、製造用液に対してはそこに含まれる不純物の含有量が極めて低いこと、すなわち高純度であることが必要とされる。例えば、製造用液の代表的なものである超純水においては、金属成分の含有量が1ppt(すなわち1×10-12)以下程度であることが要求される。
このような高純度の製造用液を得るためには、製造用液自体を精製する必要があり、製造用液の精製工程には従来からイオン交換樹脂が使用されている。イオン交換樹脂は、水中または水以外を溶媒とする液中においてイオン交換能力を有しており、そのイオン交換反応によって、水やその他の液中に含まれるイオン性不純物を除去することができる。したがって、製造用液の精製にイオン交換樹脂を用いることによって、製造用液中のイオン性不純物を除去することができる。なお、電子工業製品の製造に用いられる固体原料に関しても、それを溶媒に溶解させたのちにイオン交換樹脂によって不純物を低減し、さらに、必要に応じて溶媒を取り除いて精製された固体とすることも可能である。
イオン交換樹脂によりイオン性不純物を除去する場合、アニオン性の不純物を除去するためにはアニオン交換樹脂が使用され、カチオン性の不純物を除去するためにはカチオン交換樹脂が使用される。特に、除去したいイオン性不純物が有機酸などである場合には、アニオン交換樹脂が使用される。また、水を含有しない製造用液の精製に際しては、イオン交換樹脂自体の乾燥の容易さから、アニオン交換樹脂としては、弱塩基性アニオン交換樹脂が適している。
しかしながら、製造用液の精製に用いられるアニオン交換樹脂といえども、その内部には微量ながらも金属や有機系の不純物が含有されている。アニオン交換樹脂を用いて製造用液を精製する際には、これらの不純物が製造用液に溶出する場合があり、高純度の製造用液が得られなくなるおそれがある。特に、製造用液が水を含有しない液体である場合には、イオン性不純物に関してイオン交換樹脂でのイオン交換反応の速度が遅いため、製造用液の精製を行う際にイオン交換樹脂に対するその製造用液の流速を非常に低い値、例えばSV5程度の空間速度とする必要がある。SV(space velocity)は、空間速度の単位であって、1時間当たりイオン交換樹脂の体積の何倍の体積の液が通過するかを示す量である。
そこで、製造用液の精製に用いるイオン交換樹脂自体の精製を行う必要がある。アニオン交換樹脂の精製に関しては、3質量%程度の塩酸(HCl)などの鉱酸の水溶液をアニオン交換樹脂に通液してアニオン交換樹脂に含有される金属不純物量を低減させたのち、4質量%程度の水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ水溶液を通液してアニオン交換樹脂からの有機物溶出量の低減を図る、逆再生処理が有効である。この処理方法では、酸による処理とアルカリによる処理とが併用されるのでイオン交換樹脂が膨潤と収縮とを行い、イオン交換樹脂に含まれる不要な有機物をより排除しやすくなる。その結果、この処理を経たアニオン交換樹脂では、既に不要な有機物が排除されているので、有機物溶出量が低減する。
アニオン交換樹脂は、通常、OH形(そのイオン交換基にヒドロキシイオン(OH-)が結合しているタイプ)で用いられるので、逆再生操作においては、最後にOH形となるように、酸処理を先に行いこの酸処理に引き続いてアルカリ処理を行う必要がある。典型的には塩酸を使用する酸処理をアルカリ処理の後に行った場合には、アニオン交換樹脂がCl形(イオン交換基に塩化物イオン(Cl-)が結合しているタイプ)となってしまい、製造用液中に塩素(Cl)が混入するため、製造用液の精製にこのアニオン交換樹脂を使用できなくなる。
なお特許文献1には、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を含めてイオン交換樹脂の精製を行う方法として、5質量%以上の濃度を有する鉱酸の水溶液にイオン交換樹脂を接触させる方法が開示されている。鉱酸溶液を用いた酸処理に引き続いてアルカリ処理を行うことについては、特許文献1には示されていない。
特開2007−117781号公報
上述した逆再生処理において最後に水酸化ナトリウムの水溶液などのアルカリ溶液を使用した場合、そのままではアニオン交換樹脂中にアルカリ溶液が残存しているので、超純水を用いてアニオン交換樹脂を洗浄する必要がある。しかしながら、常温(例えば25℃)程度において1時間あたり5L/L−樹脂程度(すなわちSV5程度)の通水速度で樹脂の体積の100倍程度の超純水を流してアニオン交換樹脂の洗浄を行ったとしても、アニオン交換樹脂内にナトリウムなどの微量のアルカリ金属成分が残留し、製造用液を精製する際にこれらの不純物が製造用液中に溶出することとなって、製造用液の純度の低下がもたらされる。アルカリ金属成分の溶出を抑えるためには、そもそもアルカリ処理を行わないことが考えられるが、その場合には、アニオン交換樹脂からの有機物溶出量を低減させることができない。
本発明の目的は、溶出金属量と溶出有機物量とがともに低減されたアニオン交換樹脂を得るためのアニオン交換樹脂の精製方法を提供することにある。
本発明のアニオン交換樹脂の精製方法は、アニオン交換樹脂に鉱酸溶液を通液する酸処理工程と、酸処理工程ののち、アニオン交換樹脂にアルカリ溶液を通液するアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程ののち、アニオン交換樹脂に超純水を通水する洗浄工程と、を有し、洗浄工程の少なくとも一部において、温度が50℃以上100℃以下の温超純水をアニオン交換樹脂に通水することを特徴とする。
本発明では、アルカリ処理工程においてアルカリ溶液によってアニオン交換樹脂を処理したのち、洗浄工程の少なくとも一部においてこのアニオン交換樹脂を50℃以上100℃以下の温超純水で洗浄することにより、樹脂内部に残留するアルカリ金属成分を速やかに排除することができる。温超純水の温度が50℃以上であればアルカリ金属成分排除の効果が得られるが、エネルギー効率や排除の確実性を考慮すると、温超純水の温度は、例えば、60℃以上80℃以下とすることが好ましい。
本発明では、酸処理工程において、鉱酸溶液をアニオン交換樹脂に通液したのちにそのアニオン交換樹脂に超純水を通水して鉱酸溶液を押し出すようにすることが好ましい。
本発明において、アニオン交換樹脂は、対象とする不純物をそのアニオン交換樹脂が処理対象とする被処理液から除去できるものであれば、材質(例えば、スチレン系あるいはアクリル系)、構造(例えば、ゲル型、MR(巨大網目構造:macro-reticular)型など)及びイオン交換基(例えば、4級アミンまたは3級アミン)の各項目において適宜に選択した任意のものを使用することができる。しかしながら、有機物の溶出が少ないという観点からは、スチレン系のものを選択することが好ましい。また、水を含有しない製造用液の精製用途にアニオン交換樹脂を用いる場合には、アニオン交換樹脂として、脱水や乾燥を容易に行うことができる弱塩基性アニオン交換樹脂を用いることが好ましい。そのような弱塩基性アニオン交換樹脂は、3級アミンを主体としたイオン交換基を有するものである。また、アニオン交換樹脂が対象とする不純物が比較的弱い酸である場合には、イオン交換基として4級アミンを有するアニオン交換樹脂(強塩基性アニオン交換樹脂)を用いることが好ましい。
鉱酸溶液は、例えば、塩酸、硝酸(HNO3)あるいは硫酸(H2SO4)などの鉱酸の水溶液である。また、アルカリ溶液は、例えば、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ金属水酸化物からなるアルカリ剤の水溶液である。鉱酸溶液、アルカリ溶液のいずれにおいても、含有金属不純物量が極力少ないことが好ましく、例えば、含有金属不純物量が一定値以下となるように管理されているものを用いることがさらに好ましい。アニオン交換樹脂からの有機物の排除の効果を高めるために、アルカリ溶液としては加温したものを用いてもよい。本発明において使用する超純水(温超純水も含む)も、極力高品質のもの(例えば、含有金属不純物量が1ppt以下)であることが好ましい。
本発明の方法によって精製されるアニオン交換樹脂が、水を含有しない被処理液(例えば、製造用液など)の精製に用いられる場合などには、上述した洗浄工程の実施後に、さらに、水分含有率が30%未満となるまでアニオン交換樹脂を脱水・乾燥させる乾燥工程を設けることが好ましい。
本発明のアニオン交換樹脂の精製方法の具体的操作条件の一例を示せば、酸処理工程では、鉱酸溶液での鉱酸の濃度を2質量%以上とし、1時間あたり2〜6L/L−樹脂の通液速度で、アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上の鉱酸溶液をアニオン交換樹脂に通液し、その後、アニオン交換樹脂の体積の2倍量以上の超純水をアニオン交換樹脂に通水して鉱酸溶液を押し出す。アルカリ処理工程では、アルカリ溶液でのアルカリ剤の濃度を2質量%以上とし、1時間当たり2〜6L/L−樹脂の通液速度で、アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上のアルカリ溶液をアニオン交換樹脂に通液する。洗浄工程では、アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上の超純水をアニオン交換樹脂に通水してアルカリ溶液を押し出し、その後、1時間当たり2〜6L/L−樹脂の通水速度で、アニオン交換樹脂の体積の5倍量以上の温超純水をアニオン交換樹脂に通水する。
本発明では、酸処理とそれに引き続くアルカリ処理とを行ったアニオン交換樹脂に対し、50℃以上100℃以下の温超純水による洗浄を行うことにより、アニオン交換樹脂内部に残留するアルカリ金属成分が速やかに排除されるようになる。酸処理とアルカリ処理とを行っていて有機物溶出量が低減されているから、本発明によれば、有機物溶出量が低減されるとともに金属溶出量も低減されたアニオン交換樹脂を得ることができる。本発明の方法によって精製されたアニオン交換樹脂では不純物の溶出が抑えられているので、このアニオン交換樹脂を用いることによって、高純度の製造用液を得ることができる。
本発明の実施の一形態の精製方法の実施に用いられるアニオン交換樹脂精製装置の構成の一例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態及び実施例は、本発明を実施するための一例を示すものであり、本発明は、以下の実施の形態及び実施例に限定されるものではない。
図1に示すアニオン交換樹脂精製装置は、本発明の実施の一形態のアニオン交換樹脂の精製方法を実施するものである。この精製装置には、精製の対象となるアニオン交換樹脂が充填されるアニオン交換樹脂充填塔1と、アニオン交換樹脂の酸処理に用いる鉱酸溶液として塩酸を貯蔵する塩酸貯槽2と、アニオン交換樹脂のアルカリ処理に用いるアルカリ溶液として水酸化ナトリウム溶液を貯蔵する水酸化ナトリウム溶液貯槽4と、を備えている。塩酸貯槽2に貯蔵される塩酸の濃度は、例えば、2質量%以上であり、水酸化ナトリウム溶液貯槽4に貯蔵される水酸化ナトリウム溶液の濃度は、例えば、2質量%以上である。
アニオン交換樹脂充填塔1には、外部から供給された超純水をアニオン交換樹脂充填塔1に供給する配管12が接続しており、この配管12にはバルブ7が設けられるとともに、バルブ7とアニオン交換樹脂充填塔1との間に、超純水を加温するための熱交換器6が設けられている。熱交換器6には、超純水を加温するための熱源として外部から蒸気が供給される配管16が接続し、配管16には、蒸気の供給量の制御を行うためのバルブ11が設けられている。アニオン交換樹脂充填塔1には、アニオン交換樹脂を通過したのちの液体を外部に排出するための配管13も接続され、配管13にはバルブ8が設けられている。
熱交換器6とアニオン交換樹脂充填塔1との間の位置において配管12には、塩酸貯槽2から塩酸が供給される配管14と、水酸化ナトリウム溶液貯槽4から水酸化ナトリウム溶液が供給される配管15とが接続している。配管14には、塩酸の供給ポンプ3とバルブ9が設けられ、配管15には、水酸化ナトリウム溶液の供給ポンプ5とバルブ10とが設けられている。
次に、図1に示したアニオン交換樹脂精製装置を用いたアニオン交換樹脂の精製の処理について説明する。本実施形態におけるアニオン交換樹脂の精製では、アニオン交換樹脂に含まれる金属不純物を低減するための酸処理工程と、アニオン交換樹脂に含まれる有機系の不純物を低減するアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程がなされたアニオン交換樹脂に残留するナトリウム成分を排除する洗浄工程とをこの順で実施する。さらに、必要に応じて、洗浄工程の実施後に、アニオン交換樹脂を脱水・乾燥する乾燥工程を実施する。精製対象のアニオン交換樹脂が既にアニオン交換樹脂充填塔1に充填されているとして、以下、各工程について説明する。
[酸処理工程]
酸処理工程では、供給ポンプ3を稼働させ、配管14のバルブ9及び配管13のバルブ8を開いて、塩酸貯槽2内の塩酸をアニオン交換樹脂充填塔1内へ送液する。このとき、バルブ7,10,11は閉じたままである。アニオン交換樹脂充填塔1内を通過した塩酸は、配管13を通じて系外に排出される。塩酸の送液速度は、アニオン交換樹脂の体積を基準として、例えば、1時間当たり2〜6L/L−樹脂である。
一定量(例えば、アニオン交換樹脂の体積以上)の塩酸の通液後、供給ポンプ3を停止し、バルブ9を閉じ、配管12のバルブ7を開いて、アニオン交換樹脂充填塔1に超純水を通水し、アニオン交換樹脂充填塔1内に残留する塩酸を系外に排出する。このときの超純水の通水量は、例えば、アニオン交換樹脂の体積の2倍量以上である。
[アルカリ処理工程]
酸処理工程の終了後、バルブ7を閉じてアルカリ処理工程を開始する。アルカリ処理工程では、供給ポンプ5を稼働させ、配管15のバルブ10を開いて、水酸化ナトリウム溶液貯槽4内の水酸化ナトリウム溶液をアニオン交換樹脂充填塔1内へ送液する。アニオン交換樹脂充填塔1内を通過した水酸化ナトリウム溶液は、配管13を通じて系外に排出される。水酸化ナトリウム溶液の送液速度は、例えば、1時間当たり2〜6L/L−樹脂である。アルカリ処理工程は、一定量(例えば、アニオン交換樹脂の体積以上)の水酸化ナトリウム溶液を通液した時点で終了する。アルカリ処理工程の終了時に供給ポンプ5を停止し、バルブ10を閉じる。
[洗浄工程]
アルカリ処理工程の終了後、配管12のバルブ7を開いて、アニオン交換樹脂充填塔1に超純水を通水し、アニオン交換樹脂充填塔1内に残留する水酸化ナトリウム溶液を系外に排出する。このときの超純水の通水量は、例えば、アニオン交換樹脂の体積以上である。また、この時点では、熱交換器6に蒸気が供給されていないので、アニオン交換樹脂充填塔1に供給される超純水の温度は室温程度である。
続いて、配管16のバルブ11を開いて蒸気を熱交換器6に供給し、アニオン交換樹脂充填塔1に送水されるべき超純水の加温を開始する。バルブ11の開度を制御して、超純水の温度が50℃以上100℃以下、好ましくは60℃以上80℃以下となるようにする。このように加温された超純水すなわち温超純水はアニオン交換樹脂充填塔1に送水され、温超純水によって、アニオン交換樹脂内部に残留する微量のナトリウム成分を系外に排除する。このときの温超純水の通水速度は、1時間当たり2〜6L/L−樹脂であり、送水量は、例えば、アニオン交換樹脂の体積の5倍量以上である。
以上のような洗浄工程を経ることによって、精製されたアニオン交換樹脂が得られる。精製されたアニオン交換樹脂の品質は、例えば、1時間当たり5L/L−樹脂の通水速度で超純水を2時間通水したときの出口でのTOC(全有機炭素;total organic carbon)の増加量が300μg/L以下であり、かつ、体積比が10倍量であって濃度が3質量%の塩酸に1時間浸漬したときに溶出するアルカリ金属量が2μg以下というものである。
なお、洗浄工程の全期間を通じて温超純水をアニオン交換樹脂充填塔1に通水するようにしてもよい。
[乾燥工程]
洗浄工程の終了後、アニオン交換樹脂充填塔1からアニオン交換樹脂を取り出し、公知の手段によってアニオン交換樹脂の脱水を行い、さらに、乾燥を行う。乾燥工程により、アニオン交換樹脂の水分含有率を例えば30%未満とする。このように乾燥させたアニオン交換樹脂は、例えば、水を含有しない製造用液の精製に適したものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例]
遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂として商品名「アンバーライトIRA96SB」(ダウ・ケミカル社製)体積1Lを使用し、このアニオン交換樹脂を樹脂製カラムに充填してアニオン交換樹脂充填塔を構成した。樹脂製カラムは円筒形状のものであり、その内直径は46.5mm、長さは1000mmであった。
このアニオン交換樹脂充填塔に対し、まず酸処理工程として、濃度が2質量%の塩酸を1時間当たり4L/L−樹脂の通液速度で4L通液し、続いて、常温(25℃)の超純水を1時間当たり4L/L−樹脂の通水速度で2L通水した。次に、アルカリ処理工程として、濃度が4質量%の水酸化ナトリウム溶液を1時間当たり4L/L−樹脂の通液速度で2L通液した。次に、洗浄工程として、第1段階の洗浄として常温の超純水を1時間あたり4L/L−樹脂の通水速度で1L通水したのち、第2段階の洗浄として、60℃に加温した超純水(すなわち温超純水)を1時間当たり3L/L−樹脂の通水速度で5L通水した。
このようにして精製したアニオン交換樹脂について、超純水を1時間当たり5L/L−樹脂の通水速度で2時間通水したときの出口のTOC増加量を湿式酸化法によって測定し、また、体積比10倍量の濃度が3質量%の塩酸に1時間浸漬させたときに溶出するナトリウム量をICP−MS(誘導結合プラズマ−質量分析)法によって測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例の洗浄工程の第2段階において、60℃に加温した温超純水の代わりに25℃の超純水を使用し、他は実施例と同様にしてアニオン交換樹脂を精製した。その後、実施例と同様にTOC増加量とナトリウム溶出量とを測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例におけるアルカリ処理工程と洗浄工程の第1段階とを省略し、他は実施例と同様にしてアニオン交換樹脂を精製した。その後、実施例と同様にTOC増加量とナトリウム溶出量とを測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014036924
高純度の製造用液の精製に用いられるアニオン交換樹脂は、一例として、TOC増加量が300μg/L未満かつナトリウム溶出量が2μg/L未満という条件を満たすべきである。表1から分かるように、実施例によれば、TOC増加量及びナトリウム溶出量のいずれについてもこの条件を満たすアニオン交換樹脂が得られた。これに対し、比較例1ではナトリウム溶出量が前記条件での上限を超過し、比較例2ではTOC増加量が前記条件での上限を超過した。
1 アニオン交換樹脂充填塔
2 塩酸貯槽
3,5 供給ポンプ
4 水酸化ナトリウム溶液貯槽
6 熱交換器
7〜11 バルブ
12〜16 配管

Claims (5)

  1. アニオン交換樹脂の精製方法において、
    前記アニオン交換樹脂に鉱酸溶液を通液する酸処理工程と、
    前記鉱酸処理工程ののち、前記アニオン交換樹脂にアルカリ溶液を通液するアルカリ処理工程と、
    前記アルカリ処理工程ののち、前記アニオン交換樹脂に超純水を通水する洗浄工程と、
    を有し、
    前記洗浄工程の少なくとも一部において、温度が50℃以上100℃以下の温超純水を前記アニオン交換樹脂に通水することを特徴とする、アニオン交換樹脂の精製方法。
  2. 前記アニオン交換樹脂は弱塩基性アニオン交換樹脂である、請求項1に記載のアニオン交換樹脂の精製方法。
  3. 前記アニオン交換樹脂は、3級アミンを主体とするイオン交換官能基を有する、請求項2に記載のアニオン交換樹脂の製造方法。
  4. 前記酸処理工程において、前記鉱酸溶液での鉱酸の濃度は2質量%以上であり、1時間当たり前記アニオン交換樹脂の体積の2倍以上6倍以下の通液量となる通液速度で、前記アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上の前記鉱酸溶液を前記アニオン交換樹脂に通液し、その後、前記アニオン交換樹脂の体積の2倍量以上の超純水を前記アニオン交換樹脂に通水して前記鉱酸溶液を押し出し、
    前記アルカリ処理工程において、前記アルカリ溶液でのアルカリ剤の濃度は2質量%以上であり、1時間当たり前記アニオン交換樹脂の体積の2倍以上6倍以下の通液量となる通液速度で、前記アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上の前記アルカリ溶液を前記アニオン交換樹脂に通液し、
    前記洗浄工程において、前記アニオン交換樹脂の体積の1倍量以上の超純水を前記アニオン交換樹脂に通水して前記アルカリ溶液を押し出し、その後、1時間当たり前記アニオン交換樹脂の体積の2倍以上6倍以下の通水量となる通水速度で、前記アニオン交換樹脂の体積の5倍量以上の前記温超純水を前記アニオン交換樹脂に通水する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアニオン交換樹脂の精製方法。
  5. 前記洗浄工程ののち、水分含有率が30%未満となるまで前記アニオン交換樹脂を脱水・乾燥させる乾燥工程を有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアニオン交換樹脂の精製方法。
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