JP2001335315A - ホウ素溶離液の精製装置及び精製方法 - Google Patents
ホウ素溶離液の精製装置及び精製方法Info
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Abstract
溶液を処理液のホウ素濃度低下を少なくし、且つホウ素
回収率も高い状態で得、更に処理液への酸根の混入を完
全に防ぐことができる、酸根を含有するホウ素溶離液の
精製方法を提供する。 【解決手段】OH型に調整したI型強塩基性陰イオン交
換樹脂、OH型に調整したII型強塩基性陰イオン交換樹
脂、及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂の
群から選択された陰イオン交換樹脂を充填した少なくと
も二塔のイオン交換塔51,52を脱液状態にする工程
と、脱液状態のイオン交換塔に酸根を含むホウ素溶離液
を通液させて酸根を除去し、高純度のホウ酸溶液を溶離
する工程と、溶離した酸根を含むホウ素をホウ素溶離液
に混合する工程とを備えたことを特徴とするホウ素溶離
液の精製方法。
Description
溶離液を精製し、固体として回収するホウ素溶離液の精
製装置及び精製方法に関する。
面処理液中にはホウ素化合物(ホウ酸等)が含まれてお
り、これらを扱う工場においてはホウ素を含有する洗浄
排水が発生する。またガラス、釉薬、アルミコンデンサ
ー等ホウ素を使用する工場においてもホウ素を含む工場
排水が発生する。ホウ素化合物は植物にとっては必須微
量元素であり、海水には4〜5mg/L程度含まれてい
ることは周知のことである。一方、ホウ素が人体に与え
る影響は必ずしも明確ではないものの、低濃度の継続摂
取において生殖機能の低下などの健康障害を起こす可能
性が指摘されている。平成11年2月、ホウ素の環境基
準として1mg/L以下が告示され、追って排水基準も
定められることになるものと予想されるため、これらの
ホウ素を含む工程排水中のホウ素除去処理が必要とな
る。
水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を用いて
凝集沈殿によりホウ素化合物を分離除去する方法(特公
昭58-15193号公報、同59-24876号公報)或いはニッケル
メッキ洗浄排水にマグネシウム塩を添加して凝集沈殿に
よりホウ素を分離除去する方法等(平成11年度東京都
立産業技術研究所発表会予稿集p52)が知られてい
る。しかし、ホウ素を不溶化させるために多量の薬剤を
使用する必要があり、発生汚泥も多くその処理が困難で
あるという問題がある。更にこの方法ではアルミニウ
ム、カルシウム或いはマグネシウム化合物が大量に含ま
れており、ホウ素を再利用することは不可能である。
或いはホウ素選択吸着樹脂により吸着処理する方法も数
多く知られている(特許公報平2-32952号公報、その
他)。しかし、ホウ素含有水を、ホウ素を吸着するイオ
ン交換樹脂に通液させて処理した後、当該イオン交換樹
脂からホウ素を溶離するためには酸溶液を使用するた
め、再生した酸根を含むホウ素含有水の処理に課題を持
っている。
は、アルカリで中和しホウ酸と中和によって生成する塩
の混合溶液にした後ホウ酸と塩との溶解度差を利用して
分離する方法が知られているが(12695の化学商品
P−151、無機ファインケミカルの原単位&プロセス
中日社刊1990年)、この方法は工程も複雑であり、
かつ設備費も高くホウ酸の製造プラントのように規模が
大きくないと実用的ではない。
抽出し、逆抽出剤と接触させて逆抽出させ晶析法によっ
てホウ素化合物を結晶化させる方法も知られている。
(特公平1-50476号公報)抽出剤としてはオクチレング
リコール、2−エチルヘキサノール等が知られている
が、これらは消防法で定める危険物であり火気を避ける
など取り扱いが難しい。
みてなされたもので、工程が簡単で、設備費も安く、高
純度のホウ素溶液を得るための酸根を有するホウ素溶離
液の精製方法を提供することを課題とする。
解決するためになされたもので、 (1) OH型に調整したI型強塩基性陰イオン交換樹
脂、OH型に調整したII型強塩基性陰イオン交換樹脂、
及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂の群か
ら選択された陰イオン交換樹脂を充填し、互いに直列に
連通した少なくとも二塔のイオン交換塔と、イオン交換
塔内の陰イオン交換樹脂を脱液状態にする脱液手段と、
陰イオン交換樹脂を脱液状態にした際にイオン交換塔か
ら押出されるホウ素溶離液を貯溜する精製ホウ素溶離液
タンクとを備え、イオン交換塔に酸根を含むホウ素溶離
液を通液させて酸根を除去して高純度のホウ酸溶液を得
るようにしたことを特徴とするホウ素溶離液の精製装
置。
イオン交換樹脂、OH型に調整したII型強塩基性陰イオ
ン交換樹脂、及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交
換樹脂の群から選択された陰イオン交換樹脂を充填し、
互いに直列に連通した少なくとも二塔のイオン交換塔を
脱液状態にする工程と、脱液状態のイオン交換塔に酸根
を含むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去し、高純度
のホウ酸溶液を得る工程とを備えたことを特徴とするホ
ウ素溶離液の精製方法。
塔に充填された陰イオン交換樹脂から酸根が漏出するの
を検知する工程と、漏出を検知した時点で圧縮空気によ
り上流側の第一塔目及び下流側の第二塔目の陰イオン交
換塔に残留するホウ素溶離液を精製ホウ酸溶液タンクに
押出す工程と、第一塔目の陰イオン交換塔に充填され、
ホウ素を付着し酸根を吸着した陰イオン交換樹脂に水を
通液してイオン交換塔に残留するホウ素及び酸根を溶離
する工程と、溶離した酸根を含むホウ素をホウ素溶離液
に混合する工程と、前記ホウ素を溶離した第一塔目のイ
オン交換塔にアルカリ溶液を通液してイオン交換塔に充
填されたイオン交換樹脂のイオン型をOH型に調整する
工程と、第二塔目の陰イオン交換塔を上流側に、第一塔
目の陰イオン交換塔を下流側にして直列に接続した後こ
れらイオン交換塔を脱液状態にして、再び、酸根を含む
ホウ素溶離液を通液させて酸根を除去し、高純度のホウ
酸溶液を得る工程とを備えたことを特徴とする(2)に
記載のホウ素溶離液の精製方法。
通液してイオン交換塔に残留するホウ素及び酸根を溶離
する工程では、通常、水洗よりイオン交換樹脂に残留す
るホウ素は全量流出するが、吸着している酸根は一部し
か流出しない。
る際に、その調整をタイマーにより制御し、イオン交換
塔に酸根を含むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去す
る際は、第一のイオン交換塔出口のpHが7〜1に低下
する時点を検知して、この検知信号に基づいて通液停止
を制御し、圧縮空気によるイオン交換塔に残留するホウ
素溶離液を押出す際は、タイマーによって制御し、つい
で、通液停止後に第一のイオン交換塔を水洗、及びアル
カリ処理によりイオン交換塔内に充填したイオン交換樹
脂をOH型に調整する際に、その調整を積算流量により
制御し、しかる後、第二塔目のイオン交換塔を上流側
に、第一塔目を下流側にして直列に接続する(2)また
は(3)に記載のホウ素溶離液の精製方法。、 (5) 充填されたイオン交換塔を脱液する際に、その
調整をタイマーにより制御し、イオン交換塔に酸根を含
むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去する際は、第一
のイオン交換塔出口での電気伝導率が1000μs/c
m以上となる時点を検知して、この検知信号に基づいて
通液停止を制御し、圧縮空気によるイオン交換塔に残留
するホウ素溶離液を押出す際は、タイマーによって制御
し、ついで、通液停止後に第一のイオン交換塔を水洗、
及びアルカリ処理によりイオン交換塔内に充填したイオ
ン交換樹脂をOH型に調整する際に、その調整を積算流
量により制御し、しかる後、第二塔目のイオン交換塔を
上流側に、第一塔目を下流側にして直列に接続する
(2)または(3)に記載のホウ素溶離液の精製方法。
御する」とは、積算流量制御計での制御に限定されるも
のではなく、例えば、水及びアルカリ溶液の流速を一定
にすることによりタイマーで制御する方法をも含むもの
である。
の精製方法で得られた高純度のホウ酸溶液を濃縮、結晶
化してホウ酸固体とすることを特徴とするホウ素原料の
製造方法である。
含むホウ素溶離液から酸根を除去して高純度のホウ酸溶
液を得ることができる。更に当該ホウ酸溶液は通常の濃
縮結晶化によりホウ酸結晶として、ガラス、釉薬、アル
ミコンデンサー、ニッケルめっき液等ホウ酸を使用する
工程、或いは酸化ホウ素、ボロン系合金鉄等の原料とし
て使用することができる。
した後、酸根を含むホウ素溶離液に通液するので、ホウ
素濃度の低下を防ぎ、且つ、ホウ素回収率を高めながら
酸根を除去し、高純度のホウ酸溶液を得ることができ
る。更に、イオン交換塔からの酸根の漏出はpHの急激
な低下或いは電気伝導率の上昇によって判定できるが、
一塔目から酸根が漏出しても二塔目で吸着するため処理
液への酸根の混入を完全に防ぐことができる。更に一塔
目出口で酸根が漏出した後、圧縮空気でイオン交換塔残
留するホウ素溶離液を押出すことにより、ホウ素回収率
も飛躍的にアップできる。
ば、ホウ素含有水を通液して、ホウ素を吸着したI型若
しくはII型強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂、或いはN−メチルグルカミン基を有するホ
ウ素選択吸着樹脂を充填したイオン交換塔に酸溶液を通
液することにより生じる。
に説明する。
素及び種々の酸根のイオン選択性及びイオン交換樹脂の
物性を鋭意研究し、酸根を含むホウ素溶離液から酸根を
効率的に分離し、高純度のホウ酸溶液を得る精製装置及
び精製方法を開発した。すなわち、ホウ素は溶液中酸性
領域ではイオン化することなくH3 BO3 分子として溶
解している。従って酸根を含むホウ素溶離液のように酸
性の液をOH型に調整したI型若しくはII型強塩基性陰
イオン交換樹脂、或いはOH型に調整した弱塩基性陰イ
オン交換樹脂を充填したイオン交換塔に通液すると酸根
のみ吸着してホウ素はそのまま漏出することが明らかに
なった。処理液のpHは酸根が吸着されている間はアル
カリ或いは中性であり、電気伝導率も数100μs/cm
であるが酸根が漏出し始めるとpH値の急激な低下或い
は電気伝導率の急激な上昇により終点は容易に管理でき
る。しかし、この際、少量ではあるが酸根の漏出は避け
られなかった。このためイオン交換塔を二塔直列に接続
することにより、一塔目から酸根が漏出しても二塔目で
吸着し精製ホウ酸溶液に酸根が混入するのを完全に防止
することができた。
イオン交換樹脂と液との接触しない部分の生成をなくす
ため充水状態で行うのが通常であるが、この場合、処理
液のホウ素濃度低下が避けられず、且つ、ホウ素回収率
も低いという問題がある。このため脱液状態のイオン交
換塔にダウンフローで流速を大きくして通液する、或い
はアップフローで通液することによりイオン交換樹脂と
液との接触しない部分の生成をなくしながら、ホウ素濃
度の低下を防ぎ、且つ、ホウ素回収率を高めることがで
きた。更に一塔目出口で酸根が漏出した後、圧縮空気で
イオン交換塔に残留するホウ素溶離液を押出すことによ
り、ホウ素回収率も飛躍的に向上することができる。
型に調整したI型若しくはII型強塩基性陰イオン交換樹
脂、或いはOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂
は粒子中に数10%の水を含んでいるため、酸根を含む
ホウ素溶離液をOH型に調整したI型若しくはII型強塩
基性陰イオン交換樹脂、或いはOH型に調整した弱塩基
性陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔を予め脱液
状態にした後酸根を含む溶離液を通液すると当該イオン
交換樹脂中にホウ素が残留することが明らかになった。
当該イオン交換樹脂をそのまま通常のアルカリ溶液で再
生すると、残存しているホウ素も流出してしまい、ホウ
素の回収率が低下してしまうとともに、当該液のホウ素
除去も必要となる。
したものである。すなわち酸根を含むホウ素溶離液をO
H型に調整したI型若しくはII型強塩基性陰イオン交換
樹脂、或いはOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹
脂を充填したイオン交換塔を予め脱液状態にした後酸根
を含む溶離液を通液し、引き続いて水を通液することに
より当該イオン交換樹脂に残留するホウ素を回収し当該
液は酸根を含むホウ素溶離液に混合し、再び陰イオン交
換樹脂等に通液する。この方法によって、ホウ素は高純
度のホウ酸として回収できる。
具体的に説明する。
この装置は、酸根を含有するホウ素溶離液タンク(1
0)と、水タンク(20)と、NaOH溶液タンク(3
0)とを配置し、夫々のタンクの液出口に自動バルブ
(61)、(62)、(63)を設け、これらの液をそ
れぞれ液供給ポンプ(80)によりOH型に調整したI
型若しくはII型強塩基性陰イオン交換樹脂、或いはOH
型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填した陰イ
オン交換塔(51)又は(52)に供給するようになっ
ている。液供給ポンプ出口には自動バルブ(64)を設
けている。さらに陰イオン交換塔(51)、(52)の
入り口側配管には陰イオン交換樹脂を脱液状態とするた
めの圧縮空気の供給を制御する自動バルブ(76)を設
けている。陰イオン交換塔(51)及び(52)の接続
配管には自動バルブ(65)〜(72)が取付けられ、
陰イオン交換塔(51)及び(52)の液出口には、p
H制御計(PHC)、積算流量制御計(FQC)が装着
されている。陰イオン交換塔(51)、(52)の出側
は、途中で分岐され、一つは排水処理工程に、他の一つ
は精製ホウ素溶離液タンク(40)に、残りはホウ素溶
離液タンク(10)へ戻る配管が配設されている。夫々
の配管には、自動バルブ(73)、(74)、(75)
が設けられている。
バルブ(65)、(68)、(69)、(72)、(7
4)、(76)を開き、圧縮空気をタイマーで制御しな
がら行い、タイマー信号を検知すると自動バルブ(6
5)、(68)、(69)、(72)、(74)、(7
6)を閉じる。次に、酸根含有ホウ素溶離液通液時に
は、液供給ポンプ(80)を起動し、自動バルブ(6
1)、(64)、(65)、(67)、(70)、(7
2)、(73)を開き、pH制御計により一塔目出口の
pH値を制御しながらホウ酸溶液を精製する。
たのを検知すると、自動バルブ(61)、(64)を閉
じ、自動バルブ(76)を開き、圧縮空気により陰イオ
ン交換塔(51)、(52)に残留するホウ素溶離液を
押出す。(この間、自動バルブ(65)、(67)、
(70)、(72)、(73)は開いたままである。)
この制御はタイマーによって行い、所定の時間を検知す
ると、自動バルブ(67)、(70)、(72)、(7
3)を閉じ、液供給ポンプ(80)を起動し、自動バル
ブ(62)、(64)、(69)、(75)を開き、水
洗により第一塔に吸着するホウ素を溶離してホウ素溶離
液タンク(10)に戻す。陰イオン交換塔(50)を水
洗する。(この間、自動バルブ(65)は開いたまま)
この水洗の制御は、積算流量制御計により行い、所定の
流量を検出すると、自動バルブ(62)、(75)を閉
じ、自動バルブ(63)、(74)を開き、陰イオン交
換塔(51)をアルカリ処理する。(アルカリ処理から
水洗の間、自動バルブ(64)、(65)、(69)、
(74)は開いたまま) このアルカリ処理の制御は、
積算流量制御計により行い、所定の流量を検出すると、
自動バルブ(63)を閉じ、自動バルブ(62)を開
き、陰イオン交換塔(51)を水洗する。この水洗の制
御は、積算流量制御計により行ない、自動バルブ所定の
流量を検出すると、水洗が完了し、液供給ポンプ(8
0)を停止する。続いて、自動バルブ(65)、(6
9)、(74)、(76)を開き、陰イオン交換塔(5
1)を脱液状態にする。この制御はタイマーによって行
い、所定の時間を検出すると、自動バルブ(65)、
(69)、(74)、(76)を閉じ、再使用が可能と
なる。なお、次回は陰イオン交換塔(52)を第一塔目
とし、陰イオン交換塔(51)を第二塔目とする。表1
にホウ素溶離液の分析例を示す。
がらホウ酸溶液を精製したが、これに限らず、電気伝導
率を検出して(1000μs/cm以上となった時点を
検出して)この値に基づいて制御することもできる。
mmのアクリル製カラムを二塔用意し、それそれにOH
型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂を300mL充
填する。樹脂床にイオン交換水を流速3,000mL/
Hrで1時間通液してイオン交換樹脂に残存する薬剤を
抽出、洗浄し、圧縮空気によって脱液状態にする。その
後、表1に示す組成を示すホウ素を吸着したN−メチル
グルカミン基を有するホウ素選択吸着樹脂を充填したイ
オン交換塔に5%硫酸を通液することにより再生した硫
酸を含むホウ素溶離液を流速3,000mL/Hrで直
列に通液した。一塔目及び二塔目出口水のホウ素、硫酸
濃度曲線は図1(a),(b)のとおりであり、一塔目
処理液のpHが急激に低下するまでの二塔目出口水は硫
酸が除去されたホウ酸溶液であった。一塔目出口液に硫
酸が漏出するまでに得られる処理液のホウ素濃度は0.
93g/Lであり、処理液中のホウ素回収率は硫酸を含
むホウ素溶離液の通液量に対し、85%であった。
pH値を取ったが、右縦軸に電気伝導率を取ると、図2
(a),(b)のようになる。この図から、pHととも
に電気伝導率によっても制御可能であることがわかる。
また、本発明は、pHと電気伝導率の両方で制御するこ
とも可能である。
mmのアクリル製カラムを用意し、OH型に調整した弱
塩基性陰イオン交換樹脂を300mL充填する。樹脂床
にイオン交換水を流速3,000mL/Hrで1時間通
液してイオン交換樹脂に残存する薬剤を抽出、洗浄、圧
縮空気により脱液状態にする。その後表1に示す組成を
示すホウ素を吸着したN−メチルグルカミン基を有する
ホウ素選択吸着樹脂を充填したイオン交換塔に5%硫酸
を通液することにより再生した硫酸を含むホウ素溶離液
を流速3,000mL/Hrで通液した。出口水のホウ
素、硫酸濃度曲線は図3に示すとおりであり、処理液の
pHが低下するまでの出口水は硫酸が除去されたホウ酸
溶液であった。
ウ素濃度は0.77g/Lであり、処理液中のホウ素回
収率は硫酸を含むホウ素溶離液の通液量に対し、70%
であった。
脱液状態に調整した、OH型に調整したI型若しくはII
型強塩基性陰イオン交換樹脂、或いはOH型に調整した
弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔に、
酸根を含むホウ素溶離液を通液することにより、処理液
のホウ素濃度低下を少なくし、且つホウ素回収率も高い
状態で酸根のみを吸着し、高純度のホウ酸溶液として回
収することができる。更に処理液への酸根の混入を完全
に防ぐことができる。
線を示す図で、(a)は一塔目出口分析値、(b)は二
塔目出口分析値。
導率を示す図で、(a)は一塔目出口分析値、(b)は
二塔目出口分析値。
曲線を示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】 OH型に調整したI型強塩基性陰イオン
交換樹脂、OH型に調整したII型強塩基性陰イオン交換
樹脂、及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂
の群から選択された陰イオン交換樹脂を充填し、互いに
直列に連通した少なくとも二塔のイオン交換塔と、イオ
ン交換塔内の陰イオン交換樹脂を脱液状態にする脱液手
段と、陰イオン交換樹脂を脱液状態にした際にイオン交
換塔から押出されるホウ素溶離液を貯溜する精製ホウ素
溶離液タンクとを備え、イオン交換塔に酸根を含むホウ
素溶離液を通液させて酸根を除去して高純度のホウ酸溶
液を得るようにしたことを特徴とするホウ素溶離液の精
製装置。 - 【請求項2】 OH型に調整したI型強塩基性陰イオン
交換樹脂、OH型に調整したII型強塩基性陰イオン交換
樹脂、及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂
の群から選択された陰イオン交換樹脂を充填し、互いに
直列に連通した少なくとも二塔のイオン交換塔を脱液状
態にする工程と、脱液状態のイオン交換塔に酸根を含む
ホウ素溶離液を通液させて酸根を除去し、高純度のホウ
酸溶液を得る工程とを備えたことを特徴とするホウ素溶
離液の精製方法。 - 【請求項3】 上流側の第一塔目の陰イオン交換塔に充
填された陰イオン交換樹脂から酸根が漏出するのを検知
する工程と、漏出を検知した時点で圧縮空気により上流
側の第一塔目及び下流側の第二塔目の陰イオン交換塔に
残留するホウ素溶離液を精製ホウ酸溶液タンクに押出す
工程と、第一塔目の陰イオン交換塔に充填され、ホウ素
を付着し酸根を吸着した陰イオン交換樹脂に水を通液し
てイオン交換塔に残留するホウ素及び酸根を溶離する工
程と、溶離した酸根を含むホウ素をホウ素溶離液に混合
する工程と、前記ホウ素を溶離した第一塔目のイオン交
換塔にアルカリ溶液を通液してイオン交換塔に充填され
たイオン交換樹脂のイオン型をOH型に調整する工程
と、第二塔目の陰イオン交換塔を上流側に、第一塔目の
陰イオン交換塔を下流側にして直列に接続した後これら
イオン交換塔を脱液状態にして、再び、酸根を含むホウ
素溶離液を通液させて酸根を除去し、高純度のホウ酸溶
液を得る工程とを備えたことを特徴とする請求項2に記
載のホウ素溶離液の精製方法。 - 【請求項4】 充填されたイオン交換塔を脱液する際
に、その調整をタイマーにより制御し、イオン交換塔に
酸根を含むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去する際
は、第一のイオン交換塔出口のpHが7〜1に低下する
時点を検知して、この検知信号に基づいて通液停止を制
御し、圧縮空気によるイオン交換塔に残留するホウ素溶
離液を押出す際は、タイマーによって制御し、ついで、
通液停止後に第一のイオン交換塔を水洗、及びアルカリ
処理によりイオン交換塔内に充填したイオン交換樹脂を
OH型に調整する際に、その調整を積算流量により制御
し、しかる後、第二塔目のイオン交換塔を上流側に、第
一塔目を下流側にして直列に接続する請求項2または3
に記載のホウ素溶離液の精製方法。 - 【請求項5】 充填されたイオン交換塔を脱液する際
に、その調整をタイマーにより制御し、イオン交換塔に
酸根を含むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去する際
は、第一のイオン交換塔出口での電気伝導率が1000
μs/cm以上となる時点を検知して、この検知信号に
基づいて通液停止を制御し、圧縮空気によるイオン交換
塔に残留するホウ素溶離液を押出す際は、タイマーによ
って制御し、ついで、通液停止後に第一のイオン交換塔
を水洗、及びアルカリ処理によりイオン交換塔内に充填
したイオン交換樹脂をOH型に調整する際に、その調整
を積算流量により制御し、しかる後、第二塔目のイオン
交換塔を上流側に、第一塔目を下流側にして直列に接続
する請求項2または3に記載のホウ素溶離液の精製方
法。 - 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載の精製方
法で得られた高純度のホウ酸溶液を濃縮、結晶化してホ
ウ酸固体とすることを特徴とするホウ素原料の製造方
法。
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Cited By (5)
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