JP2014036009A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極体における充放電反応を均一に生じさせることのできるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池の構造を構成する組付け工程と,組付け工程後のリチウムイオン二次電池のコンディショニングを行う仕上げ工程とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法が本発明の適用対象である。そして本発明において,コンディショニングは,少なくとも1回の充電または放電を,リチウムイオン二次電池をその厚さ方向に荷重をかけて拘束しつつ,ハイレートで行う。
【選択図】図5

Description

本発明は,リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。より詳細には,リチウムイオン二次電池の組み立て後にコンディショニングを行うことによるリチウムイオン二次電池の製造方法に関するものである。
近年,リチウムイオン二次電池は,携帯電話やノート型パソコンなどを始めとするポータブル電子機器のみならず,ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両用の電源として注目されている。リチウムイオン二次電池は,複数の工程により製造される。その工程は大きく,組付け工程と仕上げ工程とに分けられる。
組付け工程は,各構成部品を組付けることにより,リチウムイオン二次電池の構造を構成するための工程である。具体的には例えば,まず正負の電極板を製造し,それら電極板をセパレータとともに捲回して電極体を製造する。さらに,電極体を電解液とともにケース内部に収納することによりリチウムイオン二次電池を構成する。
また,仕上げ工程では,組付けの完了したリチウムイオン二次電池に対し,コンディショニングやエージング処理などが行われる。これら仕上げ工程は,リチウムイオンが正極と負極との間を移動することによる充放電反応を活性化させるための工程である。この仕上げ工程により,リチウムイオン二次電池は,電池性能を良好に発揮できるようにされる。
例えば特許文献1には,扁平形状のリチウムイオン二次電池を,押圧治具によって拘束しつつ,1Cの低電流により初期充電を行うコンディショニング方法が開示されている。1Cとは,そのリチウムイオン二次電池の満充電容量(Ah)を,1時間で充電または放電することのできる電流値(A)のことである。
特開2012−84346号公報
ところで,リチウムイオン二次電池の充放電反応は,正負の電極板がセパレータを介して重なる電極体の全体において,均一に生じることが好ましい。リチウムイオン二次電池の電池性能を最大限に発揮させることができるからである。しかし実際のリチウムイオン二次電池の電極体においては,温度分布,電解液のイオン導電度や粘度などが均一でないことにより,電位や電流密度のムラが生じる。このため,電極体には充放電反応が良好な部分とそうでない部分との分布が生じ,そのリチウムイオン二次電池の有する電池性能を十分に発揮させることができないという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,電極体における充放電反応を均一に生じさせることのできるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は,正負の電極板を,これらの間にはセパレータを挟み込みつつ扁平形状に捲回または平積みにより積層してなる電極体と,電解液とを,電池容器に収容してリチウムイオン二次電池の構造を構成する組付け工程と,組付け工程後のリチウムイオン二次電池のコンディショニングを行う仕上げ工程とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって,コンディショニングは,少なくとも1回の充電または放電を,リチウムイオン二次電池をその厚さ方向に荷重をかけて拘束しつつ,ハイレートで行うことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法である。
従来,リチウムイオン二次電池のコンディショニングは,1C以下の低電流により行われている。これは,コンディショニングが,リチウムイオン二次電池の最初の充放電を行う工程だからである。すなわち,組付け工程後,それほど時間が経過していないうちに実施されるコンディショニングにおいて,リチウムイオン二次電池の電極体内にはまだ電解液が十分に浸透していない。よって,この段階での充放電をハイレートで行った場合,電極板を構成する金属の溶出が生じてしまう可能性があるからである。
しかし本発明者らは,コンディショニング時の充電または放電のうち少なくとも1回を7C以上のハイレートで行うことにより,その後の充放電において,電極体の全体で均一な充放電反応が生じるようになることを見出した。そしてこれにより,リチウムイオン二次電池を,その電池性能を良好に発揮できる状態にすることができるのである。
本発明によれば,電極体における充放電反応を均一に生じさせることのできるリチウムイオン二次電池の製造方法が提供されている。
実施形態に係る二次電池の断面図である。 実施形態に係る二次電池の電極体の斜視図である。 実施形態に係る電極体を構成する正極板,負極板,セパレータの,捲回前における断面図である。 二次電池の拘束状態を示す図である。 コンディショニングにおける充電後の実施例および各比較例の蓄電部におけるSOC分布を示す図である。 コンディショニング後,充電を行った後の実施例の蓄電部におけるSOC分布を示す図である。 コンディショニングにおけるCレートと,SOCの高い部分である斑点の直径との関係を示す図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
[リチウムイオン二次電池]
まず,本形態のリチウムイオン二次電池の製造方法により製造される二次電池10(図1参照)について説明する。図1は,本形態に係る二次電池10の断面図である。二次電池10は,図1に示すように,電極体20および電解液30を電池ケース40の内部に収容してなるリチウムイオン二次電池(以下,単に「二次電池」ともいう)である。電解液30は,リチウム塩を溶解させた有機溶剤よりなるものである。電池ケース40は,電池ケース本体41と封口板42とを備えている。また,封口板42は,絶縁部材43を備えている。
図2は,電極体20の斜視図である。図2に示すように,電極体20は,扁平形状をした捲回型の電極体である。図3は,電極体20を構成する正極板50,負極板60,セパレータ70の,捲回前における断面図である。これら正極板50,負極板60,セパレータ70は,いずれも図3において紙面奥行き方向に長い帯状のものである。
図3に示すように,正極板50は,正極集電箔であるアルミニウム箔51の両面に,正極活物質層52を形成してなるものである。負極板60は,負極集電箔である銅箔61の両面に,負極活物質層62を形成してなるものである。正極活物質層52および負極活物質層62はいずれも,活物質などの電極材料を含んでいる。活物質は,二次電池10において充放電に寄与する成分であり,リチウムイオンを吸蔵および放出することができる。
正極活物質層52に含まれる正極活物質としては,例えば,三元系のLiNi1/3Co1/3Mn1/3,ニッケル酸リチウム(LiNiO),リチウムマンガンスピネル(LiMn),リン酸鉄リチウム(LiFePO)などのリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。負極活物質層62に含まれる負極活物質としては,例えば,グラファイトカーボンやアモルファスカーボンなどの炭素系材料や,スズ化合物,シリコンと炭素との複合体などが挙げられる。
また,正極活物質層52および負極活物質層62に含まれる電極材料には,活物質の他にも,結着材などがある。結着材は,活物質層内の各成分を,集電箔の表面に固定するための成分である。さらに電極材料には,必要に応じて,活物質層の導電性を高めるための導電材が含まれていてもよい。
セパレータ70は,正極板50と負極板60との短絡を防止しつつ,リチウムイオンを透過させることができる多孔質部材である。この多孔質部材として,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)などからなる多孔質フィルムを単体で,または,これらをその厚さ方向に複数積層させた複合材料を用いることができる。また,セパレータ70の幅(図3において左右方向の長さ)は,正極板50および負極板60の幅よりも狭い。
ここで,図3に示すように,正極板50および負極板60において,それぞれ正極活物質層52および負極活物質層62が形成されているのは,セパレータ70と同幅程度の範囲である。ただし実際には,セパレータ70の幅の方がわずかに広い。正極板50と負極板60との短絡を,確実に防止するためである。
また,図3に示すように,正極板50および負極板60には,それぞれ正極活物質層52および負極活物質層62が形成されていない部分がある。正極板50の正極活物質層52が形成されていない部分においては,アルミニウム箔51が露出している。さらに,アルミニウム箔51が露出している部分は,負極板60およびセパレータ70よりも図3中右側に突出している。一方,負極板60の負極活物質層62が形成されていない部分においては,銅箔61が露出している。さらに,銅箔61が露出している部分は,正極板50およびセパレータ70よりも図3中左側に突出している。
電極体20は,正極板50,負極板60,セパレータ70を,図3に示すように重ね合わせつつ,図2に示すように扁平形状に捲回したものである。そして,電極体20は,図2に示すように,蓄電部21,正極端部22,負極端部23を有している。正極端部22と負極端部23とは,電極体20の幅方向(図2において左右方向)の両端部分である。蓄電部21は,正極端部22と負極端部23とで挟まれた,電極体20の幅方向の中央部分である。
蓄電部21は,図3において幅方向の中央の,正極板50,負極板60,セパレータ70が交互に重なっている部分である。よって,蓄電部21は,リチウムイオンが正極板50と負極板60との間を移動することによる充放電反応が生じる部分である。一方,正極端部22は,図3において右端に突出しているアルミニウム箔51よりなる部分である。また,負極端部23は,図3において左端に突出している銅箔61よりなる部分である。
そして,図1に示す二次電池10においては,正極端部22には,正極端子80が接続されている。負極端部23には,負極端子90が接続されている。正極端子80および負極端子90は,それぞれ電極体20と接続されていない側の端81,91を,封口板42に設けられた絶縁部材43を介し,電池ケース40の外部に突出させている。二次電池10は,正極端子80および負極端子90を介し,電極体20の蓄電部21において,充電および放電を行うものである。
[二次電池の製造方法]
次に,本形態に係る二次電池10の製造方法について説明する。本形態では,次の手順により,二次電池10を製造する。
1.組付け工程
2.仕上げ工程
2−1.二次電池の拘束
2−2.コンディショニング
2−3.エージング処理など
そして以下,上記の手順に沿って「1.組付け工程」より説明する。なお,上記手順のうち,「1.組付け工程」については,従来より行われている方法により行うことができる。すなわち,本形態の特徴は,「2.仕上げ工程」にある。とくにそのうち,「2−2.コンディショニング」が本発明の核心部分である。
「1.組付け工程」は,電極体20および電解液30を電池ケース40内に収容することにより,前述した構成の二次電池10の組付けを行う工程である。詳細にはまず,正極板50および負極板60を製造する。正極板50は例えば,正極用の電極材料(例えば正極活物質,導電材および結着剤)を溶媒中に分散させてなるペーストをアルミニウム箔51に塗工し,これを乾燥させて正極活物質層52を形成することにより製造することができる。負極板60についても正極板50と同様に,負極用の電極材料(例えば負極活物質および結着剤)を溶媒中に分散させてなるペーストを銅箔61に塗工し,これを乾燥させて負極活物質層62を形成することにより製造することができる。
次に,得られた正極板50および負極板60を,これらの間にはセパレータ70を挟み込みつつ,扁平形状に捲回することにより電極体20を製造する。電極体20の正極端部22および負極端部23にはそれぞれ,正極端子80および負極端子90を溶接することにより接続する。
続いて,正極端子80および負極端子90の電極体20に接続された側とは反対の端81,91を,封口板42に設けられた絶縁部材43に貫通させることにより,電極体20と封口板42との組付け体を製造する。さらに,その組付け体のうちの電極体20を,電池ケース本体41の開口部よりその内部に収容する。また,電池ケース本体41の内部には適量の電解液30を注入し,電池ケース本体41の開口部を,封口板42を溶接などにより組付けて封止する。以上が二次電池10の組付け工程の概略の一例である。
次いで,「2.仕上げ工程」の「2−1.二次電池の拘束」では,「1.組付け工程」の完了した二次電池10を,図4に示すように拘束する。すなわち,二次電池10をその厚さ方向(図1および図4において紙面奥行き方向)にプレート11,12によって挟み込み,プレート11,12をロッド13およびナット14により締結する。その締結箇所は,図4に示すように,プレート11,12の4角付近の4箇所である。これにより,二次電池10の厚さ方向には,ロッド13およびナット14での締め付けにより,拘束荷重が掛けられる。
次に「2−2.コンディショニング」について説明する。コンディショニングは,二次電池10の最初の充放電を行う工程である。本形態では,コンディショニングを,図4に示すように二次電池10を拘束したままの状態で行う。また,コンディショニングにおける充電および放電は,少なくとも1回,必要に応じて複数回行う。そして本形態では,コンディショニングにおける充電および放電のうち少なくとも1回を,ハイレートで行う。具体的には,充電および放電のうち少なくとも1回を,二次電池10の満充電容量(Ah)を1時間で充電または放電することのできる電流値(A)が1Cで表わされるCレートにおいて,7C以上の電流値で行う。
コンディショニング後,「2−3.エージング処理など」を行うことにより二次電池10の仕上げ工程が完了する。このコンディショニング後の仕上げ工程については,従来の方法により行えばよい。すなわち,エージング処理においては,二次電池10を所定の環境温度下で放置する。またその後,二次電池10の良否を判定する検査工程などを行うこととしてもよい。
ところで従来,コンディショニングは,ハイレートで行われることがなかった。つまり,コンディショニングは,低電流で行われていた。前述したように,コンディショニングは,二次電池の最初の充放電を行う工程である。また,組付け工程後,それほど時間の経過していないコンディショニング時の二次電池においてはまだ,電極体内の全体に電解液が十分に浸透していない。よって,この状態の二次電池をハイレートで充放電させることは,正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物に含まれる金属の溶出などを生じさせるおそれがある。このため,コンディショニングは,できるだけ低電流で行われていたのである。
ここで,二次電池の充放電反応は,リチウムイオンの電荷移動抵抗や電子抵抗などが低い部分で優先的に生じる。また,電極体においては,浸透している電解液のイオン伝導度や粘度,さらには温度分布が一様でなく,部分によって異なる。このため,電極体の蓄電部には,充放電反応の良好な部分とそうでない部分とが生じやすい。そして,低電流でコンディショニングを行うことによっては,このような充放電反応の分布が生じてしまうことを適切に抑制することができなかった。
そして本発明者らは,本形態のように,コンディショニングにおける二次電池の充電および放電のうち少なくとも1回をハイレートで行うことにより,蓄電部における充放電反応の分布が好適に抑制されることを見出した。すなわち,ハイレートでコンディショニングを行うことにより,二次電池の蓄電部では,その後の充放電において,全体的に均一な充放電反応が生じるようになることを見出した。
[効果の確認]
本発明者らは,以下の実験を行うことにより,本発明の効果の確認を行った。すなわち,本形態の製造方法に係る実施例の二次電池と,本形態の製造方法とは異なる方法に係る比較例の二次電池とを用い,それらの電極体における充放電反応の分布の確認を行った。
なお,実施例および比較例はいずれも,二次電池の構成については同じとした。すなわち,二次電池に用いる材料や組付け工程については,実施例と比較例とで同じである。しかし,仕上げ工程については,実施例および各比較例においてそれぞれ異なる。そこでまず,本実験に用いた二次電池について説明する。
実験用の二次電池の正極板は,正極合材ペーストをアルミニウム箔に塗工後,乾燥させることにより作製した。なお,正極合材ペーストは,正極活物質と導電材と結着剤とを溶媒中に分散させることにより作製したものである。また,本実験において,正極活物質としてLiFePOを,導電材としてアセチレンブラック(AB)を,結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。また,負極板には,活物質層などを形成していないリチウム箔を用いた。
そして,上記の正極板と負極板とを,それらの間にはセパレータを挟み込みつつ平積みにより積層して電極体を作製した。さらに,その電極体を電解液とともにラミネートシートに封入することにより実験用の二次電池を作製した。
ここで,本実験に用いた二次電池の正極板における充放電反応について説明する。前述のように,正極板には,正極活物質としてLiFePO用いている。そして,二次電池が充電された際には,LiFePOがLiを放出することによりFePOとなる。放電の際にはその逆であるため,FePOがLiを吸蔵することによりLiFePOとなる。よって,正極活物質をLiFePOで表わしたとき,Xの値は,充放電に伴い0から1の間で変化する。
次に,実験内容について説明する。本実験は,SOCが50%となるように調整した実施例および比較例の二次電池の蓄電部について,SOCの分布の確認を行うものである。以下,その確認手順について表1を参照しつつ詳細に説明する。
本実験では,表1に示すように,仕上げ工程に相当する「A.拘束」,「B.コンディショニング」をこの順で行った。なお,「A.拘束」および「B.コンディショニング」において,表1中「なし」としているものについては,その手順を行っていない。すなわち,「B.コンディショニング」の手順は,「A.拘束」が「あり」のものについては二次電池を拘束状態としたまま,「A.拘束」が「なし」のものについては二次電池に特段の荷重をかけることなく行った。
「A.拘束」では,図4において説明したように,二次電池をその厚さ方向にステンレスプレートによって挟み込み,ロッドおよびナットで4箇所,締結した。また本実験においては,ステンレスプレートと二次電池との間にフッ素ゴムプレートを介在させた。そして,ロッドとナットとの締結トルクを管理することにより,二次電池の厚さ方向に荷重をかけた。なお,ロッドとナットとの締結に係るねじ部をM6×1.0(並目)とし,締結トルクは0.3N・mとした。
次に,「B.コンディショニング」では,二次電池をそれぞれ,表1中に示すCレートでCC(Constant Current)充電することにより,SOCが50%となるように調整を行った。このコンディショニングにおける充電は,二次電池の組付け工程後における最初の充電である。
さらに本実験においては,「B.コンディショニング」後の二次電池について,蓄電部のSOC分布を調査した。具体的には,蓄電部のX線吸収微細構造(XAFS)測定を行うことにより得られるFeの吸収端エネルギー値からFeの価数を取得し,これを価数別にマッピングすることにより蓄電部のSOC分布とした。
前述したように,LiFePOのXの値は,充放電に伴い,0から1の間で変化する。そして,LiFePO(X=1.0)の場合,Liは正極活物質に吸蔵されているため,蓄電部のその部分のSOCは0%である。一方,LiFePO(X=0)の場合,Liは正極活物質より放出されているため,蓄電部のその部分のSOCは100%である。また,LiFePO(X=0.5)の場合には,SOCが50%である。
そして,Liの価数は+1価であり,POの価数は−3価である。このため,充放電に伴うLiの吸蔵および放出により,Feの価数は,+2価から+3価の間で変化する。すなわち,蓄電部の部分ごとにXAFS測定を行いその部分のFeの価数を取得することにより,その部分のSOCを確認することができる。また,蓄電部の各部分についてのFeの価数によるマッピングを行うことにより,蓄電部全体のSOC分布を確認することができる。
図5に,調査した実施例および各比較例の二次電池の蓄電部のSOC分布を示す。なお図5に示す蓄電部は,図2における矢印Pで示す矢視に相当する。図5に示すように,比較例2,3の蓄電部においては,SOCの高い部分が,斑点状に大きく表れている。これより,「A.拘束」を行わずに「B.コンディショニング」を行った場合,その充電レートに関わらず,充放電反応が良好な部分とそうでない部分とが偏った状態で存在してしまうことがわかる。
一方,実施例および比較例1の蓄電部においては,SOCの高い部分の斑点が,比較例2,3よりも小さく表れている。これより,「A.拘束」した状態で「B.コンディショニング」を行うことにより,「A.拘束」を行わない場合よりも,充放電反応の偏りが小さくなることがわかる。
さらに,実施例と比較例1とを比べた場合,実施例の方が,SOCの高い部分の斑点が小さく表れている。これより,「A.拘束」した状態で「B.コンディショニング」の充電をハイレート(10C)で行うことにより,これを低電流(1C)で行った場合よりも,蓄電部において全体的に均一な充放電反応が生じていることがわかる。
また,実施例の二次電池については,「B.コンディショニング」の後,低電流で充電を行い,蓄電部のSOC分布を調査した。詳細には,上記コンディショニング後,0.2Cで放電させることによりSOCを0%とした後,1Cの低電流でCC充電することによりSOCを50%とした状態の実施例の蓄電部についてSOC分布を調査した。その結果を図6に示す。
図6に示すように,実施例の蓄電部は,全体的にほぼ一様なSOCであることがわかる。すなわち,蓄電部の全体において,充放電反応が均一に生じていることがわかる。これより,拘束しつつコンディショニングにおける充電をハイレートで行った二次電池は,その後の充放電において,電池性能を十分に発揮することができることが確認された。
また本発明者らは,1Cから10Cの範囲内において異なるCレートによりコンディショニングの充電を行い,コンディショニング後のそれぞれの二次電池についてSOC分布を調査した。そして,調査したSOC分布より,SOCの高い部分を表す斑点の直径の大きさを計測した。この調査においても,二次電池の構成,「A.拘束」およびSOC分布の調査の方法については上記実験の条件と同様とした。そして,それぞれ異なるCレートとした「B.コンディショニング」の充電により二次電池のSOCを50%に調整し,そのCレートごとに,SOCが高い部分である斑点の直径の大きさを求めた。その結果を図7に示す。
図7において,横軸は,コンディショニングの充電におけるCレートを示している。縦軸は,求めた斑点の直径を示している。なお,縦軸に示す斑点の直径は,SOCが高い部分である斑点のうちの任意の10点の直径を計測し,その平均値により表している。そして,図7に示すように,コンディショニングの充電におけるCレートが高いほど,斑点の直径は小さくなることがわかる。これより,コンディショニングの充電におけるCレートが高いほど,蓄電部の全体において,充放電反応が均一に生じるようになることがわかる。
また,図7に示す斑点の直径の推移より,コンディショニングにおける充電のCレートは7C以上であることが好ましい。7C以上である場合には,斑点の直径が小さいことより,蓄電部の全体において充放電反応が均一に生じているといえる。よって,その二次電池は,その後の充放電において,電池特性を十分に発揮することができるからである。そして,この7C以上は,従来の低電流で行われているコンディショニングにおける電流値,1C以下よりも大きく,ハイレートである。
なお,本実験ではコンディショニングにおける充電および放電のうち,充電をハイレートで行っている。しかし,放電をハイレートで行っても同様の効果を得ることができる。また,コンディショニングにおいて複数回の充放電を行う場合,少なくともいずれかの充電または放電をハイレートで行えばよい。例えば,コンディショニングにおいて3回の充放電を行う場合,3回目の充電のみをハイレートで行ってもよい。さらに,本発明者らの実験においては,コンディショニング時の二次電池の拘束をロッドとナットとの締結箇所を4箇所,締結に係るねじ部をM6×1.0(並目)として,締結トルクを0.2〜0.5N・m程度の範囲内とすることにより好ましい結果が得られた。しかし,適切な拘束荷重は二次電池を構成する材料や電池仕様などにより異なるため,上記拘束による拘束荷重の範囲内に限定されるものではない。
以上詳細に説明したように,本実施の形態は,組付け工程後の仕上げ工程において,リチウムイオン二次電池をその厚さ方向に荷重をかけて拘束しつつコンディショニングを行うものである。さらに,コンディショニングにおいては,充電および放電のうち少なくとも1回を,ハイレートで行う。これにより,その後の充放電において,電極体の蓄電部の全体において均一に充放電反応が生じ,電池性能を十分に発揮することができるリチウムイオン二次電池が製造される。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態において説明したリチウムイオン二次電池は例示にすぎず,正極材料や負極材料をはじめとする各種の構成材料は単なる一例である。よって,従来からリチウムイオン二次電池に使用されている種々の材料から選択することが可能である。
また例えば,リチウムイオン二次電池の拘束方法は単なる一例である。すなわち,ロッドとナットとを用いて締結することにより,リチウムイオン二次電池を拘束する方法について説明したが,これに限るものではない。リチウムイオン二次電池の拘束には,油気圧シリンダーや電動モーターなどを用いることも可能である。
10 二次電池
20 電極体
30 電解液
40 電池ケース
50 正極板
60 負極板
70 セパレータ

Claims (1)

  1. 正負の電極板を,これらの間にはセパレータを挟み込みつつ扁平形状に捲回または平積みにより積層してなる電極体と,電解液とを,電池容器に収容してリチウムイオン二次電池の構造を構成する組付け工程と,
    前記組付け工程後のリチウムイオン二次電池のコンディショニングを行う仕上げ工程とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法において,
    前記コンディショニングは,少なくとも1回の充電または放電を,リチウムイオン二次電池をその厚さ方向に荷重をかけて拘束しつつ,ハイレートで行うことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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