JP2013143262A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】 正極板と負極板と電解液とを電池ケースに収容してなるリチウムイオン二次電池が本発明の適用対象である。また,正極板は正極活物質層を有している。そして,本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質層に含まれる活物質は,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記されるものである。
【選択図】図4

Description

本発明は,NiMnスピネルの一部をFeおよびTiで置換した正極活物質を含んだ正極板を有するリチウムイオン二次電池に関する。
近年,リチウムイオン二次電池は,ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両用の電源として注目されている。リチウムイオン二次電池は,正極板および負極板を,セパレータを間に挟み込みつつ捲回または平積みにより積層してなる電極体を有している。また,正極板および負極板は,集電体の表面に,活物質を含む活物質層を形成してなる帯状のものである。
そして,車両用の電源には,多数のリチウムイオン二次電池を接続することにより組電池としたものが用いられる。車両には数百ボルトもの高い電圧が必要とされるからである。このため,車両用の電源に用いられるリチウムイオン二次電池には,出力電圧が高いことが求められる。組電池においては,個々のリチウムイオン二次電池の出力電圧が高いほど,その接続数を少なくすることができる。すなわち,省スペース化および軽量化の観点より好ましいからである。そして,出力電圧の高いリチウムイオン二次電池を構築することのできる正極活物質として,スピネル構造のLiMn24が挙げられる。
そして,LiMn24のMnの一部をNiで置換した,LiNi0.5Mn1.54で表記されるNiMnスピネルを正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池においては,出力電圧が4.5V以上と高い。さらに,NiMnスピネルを用いたリチウムイオン二次電池は,充放電の繰り返しによっても満充電容量の低下が起こりにくく,サイクル特性にも優れている。このため,NiMnスピネルを基に,さらにその一部を異種元素により置換し,より電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造するための技術が開発されてきている。
例えば,特許文献1には,リチウムイオン二次電池の正極活物質として,NiMnスピネルの遷移金属サイトの一部を,Ti,Cr,Fe,Co,Cu,Zn,AlおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素により置換したものを用いることが開示されている。これにより,出力電圧が4.5V以上のリチウムイオン二次電池において,電解液の熱分解を抑制し,熱的安定性の高いものとすることができるとされている。
特開2002−158008号公報
しかし,NiMnスピネルの一部を異種元素により置換した従来のものを用いたリチウムイオン二次電池はいずれも,サイクル特性において,異種元素により置換を行っていないNiMnスピネルを用いたものに対して十分に優れているとはいえなかった。特に,充放電のサイクル数の少ないうちはサイクル特性に優れていても,サイクル数がある回数を超えて多くなるとともに,急激にサイクル特性が低下することがあった。すなわち,サイクル寿命の短いものとなってしまうという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のリチウムイオン二次電池は,正極板と負極板と電解液とを電池ケースに収容してなるリチウムイオン二次電池であって,正極板は正極活物質層を有しており,正極活物質層に含まれる活物質は,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記されるものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記される正極活物質は,NiMnスピネルのNiおよびMnの一部を,FeおよびTiで置換したものである。そして,これを用いた発明のリチウムイオン二次電池は,出力電圧が4.5V以上と高い。さらに,本発明のリチウムイオン二次電池は,正極活物質として異種元素により置換を行っていないNiMnスピネルを用いたものより,充放電の繰り返しによる満充電容量の低下が起こりにくい傾向にある。またこの傾向は,充放電の繰り返しであるサイクル数が多くなっても逆転することがない。すなわち,サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池である。
本発明によれば,サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池が提供されている。
実施形態に係る二次電池の断面図である。 実施形態に係る電極体の斜視図である。 実施形態に係る電極体を構成する正極板,負極板,セパレータの,捲回前における断面図である。 実施例および各比較例の容量維持率の比較を示すグラフ図である。 実施例および各比較例の容量維持率の推移の比較を示すグラフ図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は,本形態における二次電池10の断面図である。二次電池10は,図1に示すように,電極体20および電解液30を電池ケース40の内部に収容してなるリチウムイオン二次電池である。電池ケース40は,電池ケース本体41と封口板42とを備えている。また,封口板42は,絶縁部材43を備えている。
電解液30は,有機溶媒に電解質を溶解させたものである。特に限定する訳ではないが,本形態における有機溶媒は,炭酸メチルトリフルオロエチル(MFEC),エチルメチルカーボネート(EMC)を混合したものである。また,電解液30においては,これらの有機溶媒を,次の体積比で混合している。
MFEC :5
EMC :5
さらに,電解液30は,上記の混合有機溶媒に,電解質であるリチウム塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を添加し,Liイオンを1mol/lの濃度とした有機電解液である。
図2は,電極体20の斜視図である。図2に示すように,電極体20は,扁平形状をした捲回型の電極体である。図3は,電極体20を構成する正極板50,負極板60,セパレータ70の,捲回前における断面図である。これら正極板50,負極板60,セパレータ70は,いずれも図3において紙面奥行き方向に長い帯状のものである。
図3に示すように,正極板50は,正極集電体であるアルミニウム箔51の両面に,正極活物質層52を形成してなるものである。負極板60は,負極集電体である銅箔61の両面に,負極活物質層62を形成してなるものである。正極活物質層52および負極活物質層62はいずれも,リチウムイオンを吸蔵および放出することができる活物質を含んでいる。この点については後に詳述する。
セパレータ70は,正極板50と負極板60との短絡を防止しつつ,リチウムイオンを透過させることができる多孔質部材である。この多孔質部材として,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)などからなる多孔質フィルムを単体で,または,これらをその厚さ方向に複数積層させた複合材料を用いることができる。特に限定する訳ではないが,本形態においては,セパレータ70として,PE/PP/PEよりなる複合材料を用いている。また,セパレータ70の幅(図3おいて左右方向の長さ)は,正極板50および負極板60よりも幅が狭い。
ここで,図3に示すように,正極板50および負極板60において,それぞれ正極活物質層52および負極活物質層62が形成されているのは,セパレータ70と同幅程度の範囲である。ただし実際には,セパレータ70の幅の方がわずかに広い。正極板50と負極板60との短絡を,確実に防止するためである。
また,図3に示すように,正極板50および負極板60には,それぞれ正極活物質層52および負極活物質層62が形成されていない部分がある。正極板50の正極活物質層52が形成されていない部分においては,アルミニウム箔51が露出している。さらに,アルミニウム箔51が露出している部分は,負極板60およびセパレータ70よりも図3中右側に突出している。一方,負極板60の負極活物質層62が形成されていない部分においては,銅箔61が露出している。さらに,銅箔61が露出している部分は,正極板50およびセパレータ70よりも図3中左側に突出している。
そして,電極体20は,正極板50,負極板60,セパレータ70を,図3に示すように重ね合わせつつ,図2に示すように扁平形状に捲回したものである。また,電極体20は,図2に示すように,蓄電部21,正極端部22,負極端部23を有している。正極端部22と負極端部23とは,電極体20の幅方向(図2において左右方向)の両端部分である。蓄電部21は,正極端部22と負極端部23とで挟まれた,電極体20の幅方向の中央部分である。
蓄電部21は,図3において幅方向の中央の,正極板50,負極板60,セパレータ70が交互に重なる部分である。よって,蓄電部21は,充放電に寄与することができる部分である。一方,正極端部22は,図3において右端に突出しているアルミニウム箔51よりなる部分である。また,負極端部23は,図3において左端に突出している銅箔61よりなる部分である。
そして,図1に示す二次電池10においては,正極端部22には,正極端子80が接続されている。負極端部23には,負極端子90が接続されている。正極端子80および負極端子90は,それぞれ電極体20と接続されていない側の端81,91を,封口板42に設けられた絶縁部材43を介し,電池ケース40の外部に突出させている。二次電池10は,正極端子80および負極端子90を介し,電極体20の蓄電部21において,充電および放電を行うものである。
ここで,前述したように,正極活物質層52および負極活物質層62はいずれも,リチウムイオンを吸蔵および放出することができる活物質を含んでいる。本形態においては,正極活物質層52に含まれる正極活物質として,一般式LiNi0.5Mn1.54で表記されるNiMnスピネルのNiおよびMnの一部を,FeおよびTiで置換したものを用いた。具体的には,一般式LiNi0.475Fe0.025Mn1.475Ti0.0254で表記されるものを用いた。しかし,これに限定されるものではなく,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記されるものであれば,正極活物質として好ましく用いることができる。また,このような正極活物質を用いることにより,二次電池10においては,出力電圧が4.5V以上と高いものとなっている。
また,上記の正極活物質以外にも,正極活物質層52には種々の正極材料が含まれている。本形態においては,正極活物質以外の正極材料として,導電助剤と結着材とが含まれている。導電助剤は,正極活物質層52内の導電性を高くするための成分である。結着材は,正極活物質層52内の各成分を互いに結着させつつ,正極活物質層52をアルミニウム箔51の表面に結着させるための成分である。特に限定する訳ではないが,導電助剤としてアセチレンブラック(AB)を,結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。
そして,正極活物質層52は,上記の正極材料を溶媒に分散させてなるスラリーをアルミニウム箔51の表面に塗工後,乾燥することにより形成されたものである。溶媒としては,N−メチルピロリドン(NMP)を用いた。また,正極材料のスラリー中における配合比を以下に示す。
LiNi0.475Fe0.025Mn1.475Ti0.0254:85wt%
AB :10wt%
PVdF :5wt%
一方,本形態の負極活物質層62には,負極活物質と,負極活物質以外の負極材料としての結着材とが含まれている。特に限定する訳ではないが,本形態においては,負極活物質としてグラファイトを,結着材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いた。そして,負極活物質層62は,これらの負極材料を溶媒に分散させてなるスラリーを銅箔61の表面に塗工後,乾燥することにより形成されたものである。溶媒としては,水を用いた。また,上記の負極材料のスラリー中における配合比を以下に示す。
グラファイト :98wt%
CMC :1wt%
SBR :1wt%
[効果の確認]
本発明者は,以上のような二次電池10を実施例として用い,二次電池10と正極活物質のみが異なる比較例1〜6のリチウムイオン二次電池と比較する実験を行った。本実験においては,実施例および比較例1〜6を用いて以下の手順による実験を行うことにより,容量維持率とその推移とについて比較を行った。
1.コンディショニング
2.初期の満充電容量の測定
3.サイクル試験
まず,実験に用いた実施例および比較例1〜6の二次電池について説明する。上記において述べたように,実施例は,本形態の二次電池10である。また,比較例1〜6はいずれも,用いた正極活物質以外は二次電池10と同じ方法で作製された同じ構成のリチウムイオン二次電池である。以下の表1に,実施例および比較例1〜6のそれぞれに用いた正極活物質を示す。
Figure 2013143262
表1に示すように,
実施例に用いた正極活物質は,本形態において説明したように,NiMnスピネルのNiおよびMnの一部を,FeおよびTiで置換したものである。
比較例1に用いた正極活物質は,異種元素により置換を行っていないNiMnスピネルである。
比較例2に用いた正極活物質は,NiMnスピネルのMnの一部を,Tiで置換したものである。
比較例3に用いた正極活物質は,NiMnスピネルのMnの一部を,Feにより置換したものである。
比較例4に用いた正極活物質は,NiMnスピネルのNiの一部を,Mgにより置換したものである。
比較例5に用いた正極活物質は,NiMnスピネルのNiおよびMnの一部を,MgおよびTiにより置換したものである。
比較例6に用いた正極活物質は,NiMnスピネルのNiの一部を,FeおよびMgにより置換したものである。
すなわち,実施例および比較例2〜6に用いた正極活物質は,NiMnスピネルを基に,その一部をそれぞれ異種元素(Fe,Ti,Mg)により置換したものである。
次に,これら実施例および比較例1〜6を用いて行った実験について,その手順に沿って説明する。「1.コンディショニング」は,組み立てが完了したリチウムイオン二次電池の最初の充放電を行う工程である。そして,リチウムイオン二次電池の電池性能を安定させるための工程である。この工程では,温度25℃の環境で,CC(Constant Current)充電およびCC放電をそれぞれ3回,繰り返し行った。CC充電においては,満充電容量を1時間で充電または放電することのできる電流値を1CとしたCレートにおいて1/3Cの一定の電流値で,電圧が4.9Vとなるまで充電した。CC放電においては,1/3Cの一定の電流値で,電圧が3.5Vとなるまで放電させた。なお,CC充電後およびCC放電後,次のCC放電またはCC充電までには,10分間の間隔を空けた。
次に,「2.初期の満充電容量の測定」においては,温度25℃の環境で,CC−CV(Constant Voltage)充電およびCC−CV放電をそれぞれ1回行うことにより,初期の満充電容量を測定した。すなわち,CC−CV充電においては,1/3Cの一定の電流値で電圧が4.9Vとなるまで充電し,電圧が4.9Vとなった後には,電圧が4.9Vで一定となるように電流値を下げつつ充電した。CC−CV放電においては,1/3Cの一定の電流値で電圧が3.5Vとなるまで放電させ,電圧が3.5Vとなった後には,電圧が3.5Vで一定となるように電流値を下げつつ放電させた。なお,CC−CV充電後,次のCC−CV放電までには,10分間の間隔を空けた。
「3.サイクル試験」においては,温度60℃の環境で,CC充電およびCC放電をそれぞれ200回,繰り返し行った(200サイクル)。CC充電においては,2Cの一定の電流値で,電圧が4.9Vとなるまで充電した。CC放電においては,2Cの一定の電流値で,電圧が3.5Vとなるまで放電させた。なお,CC充電後およびCC放電後,次のCC放電またはCC充電までには,10分間の間隔を空けた。
また,「3.サイクル試験」においては,上記の「2.初期の満充電容量の測定」と同様の条件で充放電を行うことにより,サイクル試験の途中の満充電容量を定期的に測定した。なお,サイクル試験中の満充電容量の測定は,サイクル試験において50サイクル毎に行った。さらに,サイクル試験を200サイクル終了した後にも満充電容量を測定し,これをサイクル試験後の満充電容量とした。
本実験の結果を図4に示す。図4は,実施例および比較例1〜6のサイクル試験後の容量維持率の比較を示すグラフ図である。サイクル試験後の容量維持率は,サイクル試験後の満充電容量の,初期の満充電容量に対する比率である。また,図4においては,実施例および比較例1〜6のサイクル試験後の容量維持率を,比較例1のサイクル試験後の容量維持率に対する割合により示している。比較例1には異種元素により置換を行っていないNiMnスピネルを用い,その他の実施例および比較例2〜6には,NiMnスピネルを基に,その一部をそれぞれ異種元素により置換したものを用いたからである。
そして,図4に示すように,比較例2,3,4,6のサイクル試験後の容量維持率は,比較例1のサイクル試験後の容量維持率よりも低い。一方,実施例および比較例5のサイクル試験後の容量維持率は,比較例1のサイクル試験後の容量維持率よりも高いことが確認された。さらに,実施例と比較例5との比較においては,実施例のサイクル試験後の容量維持率の方が,比較例5のサイクル試験後の容量維持率よりも高いことが確認された。
ここで,比較例2および比較例3においては,異種元素により置換を行っていないNiMnスピネルを用いた比較例1よりもサイクル試験後の容量維持率が低い。すなわち,NiMnスピネルの一部をFeもしくはTiの一方のみで置換したものを用いてなるリチウムイオン二次電池においては,容量維持率が高くならないのである。これに対し,実施例のように,NiMnスピネルの一部をFeとTiとの2元素で置換したものを用いることにより,容量維持率の高いリチウムイオン二次電池を構築できるのである。
また,図5は,実施例および比較例1,5,6のサイクル試験中の容量維持率の推移の比較を示すグラフ図である。図5においては,縦軸に容量維持率を,横軸にサイクル数の平方根を取っている。サイクル試験中の容量維持率は,サイクル試験において50サイクル毎に測定した満充電容量のそれぞれの,初期の満充電容量に対する比率である。そして,図5においては,実施例および比較例1,5,6の容量維持率の推移をそれぞれ,50サイクル毎に測定した容量維持率を基に,近似曲線により示している。なお,図5には,サイクル試験中の容量維持率の推移を基にした外挿により求めた,200サイクル以降の容量維持率の推移(図中二点鎖線)についても示している。
そして,図5に示すように,実施例および比較例5,6の容量維持率はいずれも,100サイクル以前においては,比較例1の容量維持率よりも高い。つまり,100サイクル以前においては,実施例および比較例5,6はいずれも,比較例1よりサイクル特性に優れているといえる。
しかし,図5に示すように,比較例6の容量維持率は,100サイクル手前付近よりサイクル数が増えるとともに,急激に低下している。そして,図4でも前述したように,サイクル試験が終了した200サイクル時点においては,比較例1の容量維持率よりも低くなっている。すなわち,比較例6は,比較例1よりもサイクル寿命が短いのである。
一方,実施例および比較例5の容量維持率は,図4でも前述したように,200サイクル時点においても比較例1の容量維持率よりも高い。しかし,図5に示すように,比較例5の容量維持率は,比較例6ほどではないものの,100サイクル手前付近よりサイクル数が増えるとともに,その低下率が高くなっている。そして,200サイクル時点においては,比較例1の容量維持率と変わらない程度にまで低下している。このため,比較例5の容量維持率は,200サイクルまでの傾向を基にした200サイクル以降において,図5中二点鎖線で示すように,比較例1の容量維持率よりも低くなることが考えられる。すなわち,比較例5おいても,比較例1よりサイクル寿命が短いのである。
これに対し,実施例の容量維持率は,サイクル試験において,比較例1の容量維持率よりも緩やかに低下している。このため,実施例の容量維持率は,200サイクル以降においても,比較例1の容量維持率よりも低くなることはないと考えられる。すなわち,実施例においては,比較例1よりサイクル寿命が長いのである。
さらに,実施例においては,図5に示すように,容量維持率の低下率がほぼ一定である。このため,図5中二点鎖線で示した200サイクル以降の容量維持率の推移においても,サイクル試験中の容量維持率の推移を基にした外挿により正確に予測できていると考えられる。これにより,実施例においては,そのサイクル寿命を正確に予測できるのである。
ここで,実施例に用いた正極活物質は,一般式LiNi0.475Fe0.025Mn1.475Ti0.0254で表記されるものである。つまり,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4で表記されるものにおいて,X,Y,α,βの値をすべて,0.025としたものである。しかし,これとはX,Y,α,βの値が異なるものを用いて同様の実験を行ったところ,XおよびYの値がいずれも0.01以上,0.10未満の範囲内であり,αおよびβの値がいずれも0以上であり,かつ,X+Yの値とα+βの値とが同じものについては,実施例と同様の効果を得られることが確認された。すなわち,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記される正極活物質を用いることにより,サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池を構築できることが確認された。
以上詳細に説明したように,本形態の二次電池10は,正極板50および負極板60を,セパレータ70を間に挟み込みつつ捲回してなる電極体20と,電解液30と,これら電極体20および電解液30を収容する電池ケース40とを有している。また,正極板50は,アルミニウム箔51の表面に,正極活物質を含んだ正極活物質層52を形成してなるものである。負極板は,銅箔61の表面に,負極活物質を含んだ負極活物質層62を形成してなるものである。そして,正極活物質として,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記されるものを用いている。これにより,サイクル寿命の長いリチウムイオン二次電池が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,扁平型のリチウムイオン二次電池に限らず,捲回型の電極体を用いるものであれば,同様に適用することができる。また例えば,捲回しないで,正極板および負極板を,セパレータを間に挟み込みつつ平積みしてなる積層型の電極体を有するリチウムイオン二次電池にも適用することができる。
また例えば,正極活物質以外の正極材料や負極材料をはじめとする各種の材料は単なる一例であり,従来からリチウムイオン二次電池に使用されている種々のものから選択することも可能である。
10…二次電池
30…電解液
40…電池ケース
50…正極板
51…アルミニウム箔
52…正極活物質層
60…負極板
61…銅箔
62…負極活物質層

Claims (1)

  1. 正極板と負極板と電解液とを電池ケースに収容してなるリチウムイオン二次電池において,
    前記正極板は正極活物質層を有しており,
    前記正極活物質層に含まれる活物質は,一般式LiNi0.5-αFeXMn1.5-βTiY4(0.01≦X≦0.10,0.01≦Y≦0.10,0≦α,0≦β,X+Y=α+β)で表記されるものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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