JP2014034268A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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康晴 山本
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Abstract

【課題】ボールの円滑な転動を確保しつつ、大型化を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】従動プーリ32の外周に嵌合したボール軸受46を、従動プーリ32の雄ネジ部44に螺着される第1ロックナット47によって固定するとともに、従動プーリ32の内周に嵌合したボール螺子ナット35を、従動プーリ32の雌ネジ部45に螺着される第2ロックナット52によって固定した。また、ボール螺子ナット35に、径方向に貫通した一対の貫通孔63,64を有する切欠き部61を設け、従動プーリ32に、貫通孔63,64とそれぞれ径方向において対向する位置に両端部67a,67bが開口する通路67を設けた。そして、貫通孔63,64に、転動路L1と通路67との間をボール36が移動可能となるように連結する連結部材71をそれぞれ設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する筒状部材を備え、この筒状部材の回転をボール螺子機構によってラック軸の軸方向移動に変換することで、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。例えば特許文献1には、モータをラック軸と平行に配置し、このモータの回転を一対のプーリ(筒状部材)及びベルトを介してボール螺子機構に伝達するようにしたEPSが開示されている。
こうしたボール螺子機構は、ラック軸の外周に螺刻された螺子溝とボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成されている。そして、各ボールは、転動路内においてラック軸及びボール螺子ナットに挟まれており、ラック軸に対してボール螺子ナットが相対回転したときに、ボール螺子ナット及びラック軸から負荷(摩擦力)を受けて転動路内を転動する。また、ボール螺子機構は、転動路に設定された二点間を短絡する還流路を有しており、転動路内を転動するボールは、この還流路を通過することにより、上記二点間を下流側から上流側へと還流される。このようにボール螺子機構は、その転動路を転動する各ボールが還流路を介して無限循環することにより、ボール螺子ナットの回転をラック軸の軸方向移動に変換するようになっている。そして、この種のボール螺子機構としては、ボール螺子ナットを径方向に貫通する取付孔に、転動路からボールを掬い上げる機能及び転動路にボールを排出する機能を備えた循環部材(デフレクタ)を装着することにより、上記還流路がボール螺子ナットの内部に形成された所謂デフレクタ式のものが知られている(例えば、特許文献2)。
ここで、ボール螺子機構においては、ボールの円滑な転動を確保するために、ボール螺子ナットの螺子溝等の寸法を厳密に管理する必要がある。ところが、上記特許文献1の構成では、ボール螺子ナットの外周に嵌合されたプーリ及び軸受が、ボール螺子ナットの外周に螺着されるロックナットによって該ボール螺子ナットに固定されている(特許文献1、第2図)。そのため、ボール螺子ナットがロックナットの締結軸力の影響を受けて変形し易く、その螺子溝に歪みが生じるといった問題がある。
そこで、特許文献3には、軸受がプーリに螺着される第1ロックナットによって該プーリの外周に固定されるとともに、ボール螺子ナットがプーリに螺着される第2ロックナットによって該プーリの内周に固定されたEPSが提案されている(特許文献3、第1図)。このように特許文献3の構成では、ボール螺子ナットにロックナットを螺着せずにプーリ及び軸受が固定されるため、特許文献1の構成に比べてボール螺子ナットが変形し難く、その螺子溝に歪みが生じることを抑制できる。
特開2012−25246号公報 特開2011−256901号公報 特開2012−1050号公報
しかしながら、上記特許文献3の構成では、ボール螺子ナットと軸受との間にプーリが介在されることになるため、装置の径方向への大型化が避けられず、この点においてなお改善の余地があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ボールの円滑な転動を確保しつつ、大型化を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する筒状部材と、前記筒状部材の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子機構とを備え、前記ボール螺子機構は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記筒状部材と一体回転するボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成された電動パワーステアリング装置において、前記筒状部材の外周には前記ボール螺子ナットを支持する軸受が該筒状部材に螺着される第1ロックナットによって固定されるとともに、前記筒状部材の内周には前記ボール螺子ナットが該筒状部材に螺着される第2ロックナットによって固定されたものであって、前記ボール螺子ナットには、径方向に貫通した一対の貫通孔を有する還流路形成部が設けられ、前記筒状部材には、前記各貫通孔と径方向において対向する位置に開口部を有する通路が設けられ、前記各貫通孔には、前記転動路と前記通路との間を前記ボールが移動可能となるように連結する連結部材が設けられたことを要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子ナットにロックナットを螺着せずに筒状部材及び軸受を固定することが可能になるため、ボール螺子ナットが変形し難く、その螺子溝に歪みが生じることを抑制できる。これにより、ボールの円滑な転動を確保できる。また、ボールは、一対の貫通孔のいずれか一方に設けられた連結部材を介して転動路から筒状部材の通路内に掬い上げられ、他方に設けられた連結部材を介して通路から転動路に排出される。つまり、上記構成では、還流路が各連結部材と筒状部材の通路とを含んで構成されており、還流路の一部がボール螺子ナットの外部に設けられている。したがって、還流路全体がボール螺子ナットの内部に設けられる場合に比べ、ボール螺子ナットを径方向に小型化できる。これにより、ボール螺子ナットと軸受との間に筒状部材が介在されていても、装置が大型化することを抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記筒状部材は、断面非円形状の内周面を有し、前記ボール螺子ナットは、前記内周面と周方向に係合可能な断面非円形状の外周面を有することを要旨とする。
上記構成によれば、筒状部材の内周面とボール螺子ナットの外周面とが周方向に係合することで筒状部材からボール螺子ナットにトルクが伝達されるようになる。そのため、内周面及び外周面を円形状とする場合に比べ、第2ロックナットの締結軸力を小さくしても十分なトルクを伝達することが可能になる。したがって、第2ロックナットを締結することに起因したボール螺子ナットの変形を低減でき、その螺子溝に歪みが生じることをより抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記内周面は、前記筒状部材に径方向内側に膨出した厚肉部が形成されることにより非円形状とされ、前記外周面は、前記ボール螺子ナットを切り欠いた切欠き部が形成されることにより非円形状とされたものであって、前記通路は、前記厚肉部に形成され、前記各貫通孔は、前記切欠き部に形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、径方向内側に膨出した厚肉部に通路が形成されるため、該通路を形成するために筒状部材の外径を大きくしてその肉厚を確保せずともよくなる。これにより、第2ロックナットの締結軸力を小さく設定してボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることをより抑制しつつ、装置が大型化することを抑制できる。
本発明によれば、ボールの円滑な転動を確保しつつ、大型化を抑制できる電動パワーステアリング装置を提供できる。
一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す一部断面図。 (a)は一実施形態の操舵力補助装置近傍の部分断面図、(b)は(a)の還流路近傍の拡大断面図。 図2のA−A断面図。 一実施形態のボール螺子ナットの側面図。 (a)は一実施形態の連結部材を径方向外側から見た平面図、(b)は同じく連結部材を周方向一端側から見た側面図、(c)は同じく連結部材を周方向他端側から見た側面図、(d)は同じく連結部材を軸方向から見た側面図。 別例の操舵力補助装置近傍の部分断面図。 図6のB−B断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング(EPS)1は、ピニオン軸2と、ラック軸3と、ラックハウジング5とを備えている。
ラックハウジング5は、略円筒状に形成された本体ハウジング11と、本体ハウジング11の軸方向一端側(図1における左側)に固定されたエンドハウジング12とを備えている。本体ハウジング11のエンドハウジング12と他端側(図1における右側)の端部には、ピニオン軸2が収容されるピニオン収容部13が形成されており、ピニオン収容部13内には、ピニオン軸2がラック軸3と斜交する状態で回転可能に支持されている。そして、ラック軸3は、本体ハウジング11に設けられたラックガイド14によって付勢されることによりピニオン軸2と噛合するとともに、ラック軸3の軸方向に沿って往復動可能に支持されている。なお、ピニオン軸2には、ステアリングシャフトが連結されており、その先端にはステアリングホイール(ともに図示略)が固定されている。したがって、ステアリング操作に伴ってピニオン軸2が回転し、その回転がラック軸3の軸方向移動に変換されることにより、転舵輪(図示略)の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置(EPSアクチュエータ)15を備えている。本実施形態の操舵力補助装置15は、駆動源となるモータ16の回転を伝達機構17を介してボール螺子機構18に伝達し、このボール螺子機構18によってラック軸3の往復動に変換することで、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。
詳述すると、図2(a)に示すように、本体ハウジング11の一端側の端部には、その他端側よりも拡径された筒状の本体側収容部21が設けられるとともに、本体側収容部21には、その側壁の一部を径方向に突出させてなる突出部22が設けられている。また、エンドハウジング12は、本体側収容部21に嵌合する筒状のエンド側収容部23、及び突出部22の一端側を覆う板状のカバー部24を有している。
モータ16は、そのモータ軸16aがラック軸3と平行になるように本体ハウジング11の突出部22に固定されている。また、伝達機構17は、突出部22内に収容されるとともにモータ軸16aと一体回転可能に連結された駆動プーリ31と、本体側収容部21内に収容されるとともにラック軸3の外周に配置される筒状部材としての従動プーリ32と、これら駆動プーリ31及び従動プーリ32に巻き掛けられる伝達ベルト33とを備えている。また、ボール螺子機構18は、従動プーリ32と一体回転するボール螺子ナット35を有しており、ラック軸3に複数のボール36を介してボール螺子ナット35を螺合させることにより形成されている。
さらに詳述すると、従動プーリ32は、円筒状に形成されており、伝達ベルト33が巻き掛けられる巻掛部41、巻掛部41のエンドハウジング12側(図2における左側)に設けられる段差部42、段差部42のエンドハウジング12側に設けられる支持部43、及び支持部43のエンドハウジング12側に設けられる雄ネジ部44を有している。巻掛部41、段差部42、支持部43、及び雄ネジ部44は、この順でそれぞれの外径が小さくなるように形成されている。また、従動プーリ32の内周面32aにおける本体ハウジング11側(図2における右側)の端部には、その内径がエンドハウジング12側よりも大きくされた雌ネジ部(ネジ孔)45が形成されている。
支持部43の外周には、軸受としてのボール軸受46が嵌合されている。そして、ボール軸受46は、その内輪が雄ネジ部44に螺着される第1ロックナット47と段差部42の端面との間で挟み込まれることにより従動プーリ32に固定されている。なお、ボール軸受46の両側には、それぞれボール軸受46と反対側に開口した断面コ字状の保持器48がその外輪に隣接して配置されるとともに、保持器48内にはゴム等の弾性部材49が本体ハウジング11及びエンドハウジング12の間でそれぞれ圧縮された状態で配置されている。
ボール螺子ナット35は、円筒状に形成されており、その本体ハウジング11側の端部には、径方向外側に延出された環状のフランジ部51が形成されている。なお、フランジ部51の外径は、従動プーリ32の内径よりも大きく、かつ雌ネジ部45の内径よりも小さく設定されている。そして、ボール螺子ナット35は、従動プーリ32の内周に軽圧入されており、フランジ部51が雌ネジ部45に螺着される第2ロックナット52と該雌ネジ部45の底面との間で挟み込まれることにより従動プーリ32に固定されている。
また、ボール螺子ナット35の内周には、螺子溝53が螺刻されるとともに、ラック軸3の外周には、螺子溝53に対応する螺子溝54が螺刻されている。これにより、螺子溝53,54によって螺旋状の転動路L1が形成されている。転動路L1内には、各ボール36がボール螺子ナット35の螺子溝53とラック軸3の螺子溝54とに挟まれた状態で配設されている。そして、図2(a),(b)に示すように、転動路L1は、還流路L2によって該転動路L1に設定された2つの接続点P1,P2点間が短絡されている。なお、本実施形態では、転動路L1及び還流路L2によりボール36の循環経路が1つ形成されている。
ここで、本実施形態の還流路L2は、ボール螺子ナット35及び従動プーリ32の双方に跨る態様で形成されている。詳しくは、図3に示すように、ボール螺子ナット35には、その外周の一部が切り欠かれた複数(本実施形態では、2つ)の切欠き部61が形成されている。つまり、ボール螺子ナット35の外周面35aは、断面非円形状とされている。各切欠き部61は、ボール螺子ナット35の軸線と平行な平面を形成するように切り欠かれた形状とされており、ボール螺子ナット35の外周に180°間隔を空けて形成されている。なお、切欠き部61は、ボール螺子ナット35におけるエンドハウジング12側の端部からフランジ部51の手前までの範囲に亘って形成されている。また、従動プーリ32には、その一部が径方向内側に膨出した複数(本実施形態では、2つ)の厚肉部62が形成されている。これにより、従動プーリ32の内周面32aは、断面非円形状とされている。各厚肉部62は、各切欠き部61の全体に接触するように形成されており、ボール螺子ナット35の外周面35aと従動プーリ32の内周面32aとが周方向に係合するようになっている。なお、厚肉部62は、ボール螺子ナット35におけるエンドハウジング12側の端部から雌ネジ部45の手前までの範囲に亘って形成されている。
図2及び図4に示すように、ボール螺子ナット35には、一方の切欠き部61(図2における下側)の底面に開口するとともに径方向に貫通した一対の貫通孔63,64が形成されている。つまり、本実施形態では、一方の切欠き部61が還流路形成部に相当する。一対の貫通孔63,64は、ボール螺子ナット35の軸方向において、その間に複数列の螺子溝53を挟む位置に設定されている。なお、貫通孔63,64の形成された位置が上記二つの接続点P1,P2に対応している。また、各貫通孔63,64は、断面略小判型に形成されるとともに、ボール螺子ナット35の周方向(図4における上下方向)において、互いにずれた位置に形成されている。そして、ボール螺子ナット35の外周面35aには、これら貫通孔63,64の周囲を囲む環状の凹部65,66が形成されている。
一方、図2〜図4に示すように、従動プーリ32の内周面には、一対の貫通孔63,64とそれぞれ径方向において対向する位置に開口部を有する通路67が形成されている。なお、本実施形態の通路67は、その全体が内周側に開口するとともに軸方向に沿って延びる溝状に形成されており、通路67の両端部67a,67bが貫通孔63,64と径方向において対向している。つまり、本実施形態では、両端部67a,67bが開口部に相当する。
そして、貫通孔63,64には、転動路L1と通路67との間をボール36が移動可能となるように連結する連結部材71がそれぞれ設けられている。なお、連結部材71は、貫通孔63,64に対して互いに周方向の反対側を向くように挿入されている。
具体的には、図5(a)〜(d)に示すように、連結部材71は、各貫通孔63,64の断面形状に対応した略小判型に形成されている。そして、連結部材71には、そのボール螺子ナット35の内周側(図5(b)〜(d)における下側)の内側端71aに開口するとともに、内側端71aからボール螺子ナット35の外周側(図5(b)〜(d)における上側)の外側端71bに向って滑らかに湾曲しつつ延出されるとともに、該外側端71bに開口する連結孔72が形成されている。また、内側端71aには、上記転動路L1内を転動した各ボール36を連結孔72に掬い上げるためのベロ部73が、ラック軸3の螺子溝54内に挿入されるように突出して形成されている。さらに、外側端71bには、外側に延出された環状のフランジ部74が形成されている。そして、連結部材71は、そのフランジ部74がボール螺子ナット35の凹部65又は凹部66に嵌合するように貫通孔63又は貫通孔64にそれぞれ挿入されており、連結孔72が通路67の両端部67a,67bにそれぞれ接続されている。これにより、ボール36は、貫通孔63,64のいずれか一方に設けられた連結部材71の連結孔72を介して転動路L1から通路67内に掬い上げられ、貫通孔63,64の他方に設けられた連結部材71の連結孔72を介して通路67から転動路L1に排出されるようになっている。つまり、本実施形態では、還流路L2は連結部材71の連結孔72と従動プーリ32の通路67とを含んで構成されている。
次に、本実施形態のEPS(操舵力補助装置)の作用について説明する。
モータ16の駆動に基づく駆動プーリ31の回転は、伝達ベルト33を介して従動プーリ32に伝達され、従動プーリ32がボール螺子ナット35と一体回転する。このとき、従動プーリ32の回転(トルク)は、主に厚肉部62と切欠き部61とが周方向に係合することによりボール螺子ナット35に伝達される。また、各ボール36は、ボール螺子ナット35の回転に伴って、ラック軸3及びボール螺子ナット35から負荷(摩擦力)を受けて転動路L1内を転動することにより、ラック軸3にボール螺子ナット35のトルクを伝達し、ラック軸3をボール螺子ナット35に対して軸方向移動させる。そして、転動路L1の一端(接続点P1又は接続点P2)に到達した各ボール36は、ボール螺子ナット35に形成された上記還流路L2を通過することにより、転動路L1の他端(接続点P2又は接続点P1)に排出され、転動路L1に設定された2つの接続点P1,P2間を下流側から上流側へと移動する。つまり、ボール螺子機構18は、その転動路L1を転動する各ボール36が還流路L2を介して無限循環することにより、ボール螺子ナット35の回転をラック軸3の軸方向移動に変換する。このように操舵力補助装置15は、モータ16を用いてボール螺子ナット35を回転駆動し、そのトルクを軸方向の押圧力としてラック軸3に伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ボール螺子ナット35にロックナットを螺着せずに従動プーリ32及びボール軸受46を固定したため、ボール螺子ナット35にロックナットを螺着する場合に比べ、ボール螺子ナット35が変形し難く、その螺子溝53に歪みが生じることを抑制できる。これにより、ボール36の円滑な転動を確保できる。また、還流路L2をボール螺子ナット35及び従動プーリ32の双方に跨る態様で形成し、還流路L2の一部をボール螺子ナット35の外部に設けたため、還流路L2の全体がボール螺子ナット35の内部に設けられる場合に比べ、ボール螺子ナット35を径方向に小型化できる。これにより、ボール螺子ナット35とボール軸受46との間に従動プーリ32が介在されていても、装置が大型化することを抑制できる。
(2)従動プーリ32の内周面32aを断面非円形状とし、ボール螺子ナット35の外周面35aを内周面32aと周方向に係合可能な断面非円形状としたため、これら内周面32aと外周面35aとが周方向に係合することで従動プーリ32からボール螺子ナット35にトルクが伝達されるようになる。そのため、内周面32a及び外周面35aを円形状とする場合に比べ、第2ロックナット52の締結軸力を小さくしても十分なトルクを伝達することが可能になる。したがって、第2ロックナット52を締結することに起因したボール螺子ナット35の変形を低減でき、その螺子溝に歪みが生じることをより抑制できる。
(3)内周面32aは、従動プーリ32に厚肉部62を形成することによりその内周面32aを非円形状とし、ボール螺子ナット35に切欠き部61を形成することによりその外周面35aを非円形状とした。そして、通路67を厚肉部62に形成し、一対の貫通孔63,64を切欠き部61に形成したため、通路67を形成するために従動プーリ32の外径を大きくしてその肉厚を確保せずともよくなる。これにより、第2ロックナット52の締結軸力を小さく設定してボール螺子ナット35の螺子溝53に歪みが生じることをより抑制しつつ、装置が大型化することを抑制できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、切欠き部61を、ボール螺子ナット35の軸線と平行な平面を形成するように切り欠かいた形状としたが、これに限らず、外周面35aが断面非円形状となれば、切欠き部61の形状は適宜変更可能である。同様に、厚肉部62の形状は、内周面32aが断面非円形状となれば、適宜変更可能である。また、例えばボール螺子ナット35の外周に凸部(キー等)を形成するとともに、従動プーリ32に突起が係合する凹部(キー溝等)を形成することで、外周面35a及び内周面32aをそれぞれ断面非円形状としてもよい。
・上記実施形態において、従動プーリ32の内周面32a及びボール螺子ナット35の外周面35aをそれぞれ断面円形状としてもよい。
・上記実施形態では、通路67をその全体が内周側に開口する溝状に形成したが、これに限らず、例えば一対の貫通孔63,64とそれぞれ径方向において対向する位置に開口部を有する孔状に形成してもよい。
・上記実施形態では、一対の貫通孔63,64を切欠き部61に形成したが、これに限らず、ボール螺子ナット35における切欠き部61以外の部位に形成してもよい。
・上記実施形態において、例えば図6及び図7に示すように、ボール螺子ナット35に貫通孔を形成せず、取付孔81を形成するとともに、該取付孔81に循環部材(デフレクタ)82を装着することにより、上記還流路L2全体をボール螺子ナット35の内部に形成してもよい。なお、循環部材82は、転動路L1からボール36を掬い上げる機能及び転動路L1にボール36を排出する機能を備えている。また、同図において、従動プーリ32には、通路67は形成されてない。
・上記実施形態では、ボール螺子ナット35に一対の貫通孔63,64を形成するとともに、従動プーリ32に1つの通路67を形成することで、ボール36の循環経路を1つだけ設けたが、複数対の貫通孔63,64(複数の還流路形成部)及び複数の通路67を形成し、独立した循環経路を複数設けてもよい。
・上記実施形態では、伝達機構17を一対のプーリ31,32及び伝達ベルト33により構成したが、これに限らず、例えば複数の歯車により構成してもよい。また、本発明を、モータ16をラック軸3に対して斜交して配置したタイプのEPSや、モータをラック軸3と同軸上に配置したタイプのEPSに適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する筒状部材と、前記筒状部材の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子機構とを備え、前記ボール螺子機構は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記筒状部材と一体回転するボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成された電動パワーステアリング装置において、前記筒状部材の外周には前記ボール螺子ナットを支持する軸受が該筒状部材に螺着される第1ロックナットによって固定されるとともに、前記筒状部材の内周には前記ボール螺子ナットが該筒状部材に螺着される第2ロックナットによって固定されたものであって、前記筒状部材は、断面非円形状の内周面を有し、前記ボール螺子ナットは、前記内周面と周方向に係合可能な断面非円形状の外周面を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。上記構成によれば、筒状部材の内周面とボール螺子ナットの外周面とが周方向に係合することで筒状部材からボール螺子ナットにトルクが伝達されるようになる。そのため、内周面及び外周面を円形状とする場合に比べ、第2ロックナットの締結軸力を小さくしても十分なトルクを伝達することが可能になる。したがって、第2ロックナットを締結することに起因したボール螺子ナットの変形を低減でき、その螺子溝に歪みが生じることをより抑制できる。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、3…ラック軸、5…ラックハウジング、15…操舵力補助装置、16…モータ、17…伝達機構、18…ボール螺子機構、31…駆動プーリ、32…従動プーリ、32a…内周面、33…伝達ベルト、35…ボール螺子ナット、35a…外周面、36…ボール、47…第1ロックナット、52…第2ロックナット、53,54…螺子溝、61…切欠き部、62…厚肉部、63,64…貫通孔、67…通路、67a,67b…端部、71…連結部材、81…取付孔、82…循環部材、L1…転動路、L2…還流路。

Claims (3)

  1. 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する筒状部材と、前記筒状部材の回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子機構とを備え、前記ボール螺子機構は、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記筒状部材と一体回転するボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより形成された電動パワーステアリング装置において、
    前記筒状部材の外周には前記ボール螺子ナットを支持する軸受が該筒状部材に螺着される第1ロックナットによって固定されるとともに、前記筒状部材の内周には前記ボール螺子ナットが該筒状部材に螺着される第2ロックナットによって固定されたものであって、
    前記ボール螺子ナットには、径方向に貫通した一対の貫通孔を有する還流路形成部が設けられ、
    前記筒状部材には、前記各貫通孔と径方向において対向する位置に開口部を有する通路が設けられ、
    前記各貫通孔には、前記転動路と前記通路との間を前記ボールが移動可能となるように連結する連結部材が設けられたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記筒状部材は、断面非円形状の内周面を有し、
    前記ボール螺子ナットは、前記内周面と周方向に係合可能な断面非円形状の外周面を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記内周面は、前記筒状部材に径方向内側に膨出した厚肉部が形成されることにより非円形状とされ、
    前記外周面は、前記ボール螺子ナットを切り欠いた切欠き部が形成されることにより非円形状とされたものであって、
    前記通路は、前記厚肉部に形成され、
    前記各貫通孔は、前記切欠き部に形成されたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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