JP2014031913A - 収容器及び収容器の使用方法 - Google Patents

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宏昭 岡野
Katsutsugu Morimoto
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Abstract

【課題】送風又は加熱によらずとも、物品の乾燥を促進することができる収容器及び収容器の使用方法を提供する。
【解決手段】収容器1が備える密閉容器2には物品11及び乾燥剤12が収容される。イオン発生部3にて発生したイオンは、密閉容器2の内部空気に付加される。イオンには、内部空気に含まれている水分が付着する。乾燥剤12は、内部空気に含まれている水分を吸着する。この結果、密閉容器2の内部の湿度が下がるため、物品11からの水分の蒸発が促進される。また、イオンは物品11の表面に衝突する。このとき、物品11表面の水分子の動きが活発化するため、物品11表面から水分が蒸発し易くなる。更に、物品11表面から水分が蒸発すると、物品11内部から物品11表面へ水分が移動する。以上の結果、物品11を乾燥した状態で保存することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、物品を収容する収容器及び収容器の使用方法に関する。
食品又は薬品等の物品は、吸湿することによって品質を損なったり変質したりする虞がある。そこで、物品の吸湿を避けるべく、乾燥雰囲気の密閉容器に物品を収容することがなされている。
また、既に吸湿している物品から水分を除去すべく、乾燥雰囲気の密閉容器に物品を収容することがある。
本明細書では、物品の吸湿を防止することも、物品から水分を除去することも、共に乾燥という。
往々にして、密閉容器には、物品と共に乾燥剤が収容される(特許文献1,2参照)。乾燥剤としては、シリカゲル、又は酸化カルシウム等が用いられる。
物品及び乾燥剤が収容された密閉容器の内部の湿度は計時変化し、やがて平衡状態になる。通常、密閉容器に収容された乾燥剤の吸湿能力が高いほど、平衡湿度は低く、平衡状態に至るまでの経過時間(以下、処理時間という)は短い。また、単位時間当たりに物品から蒸発する水分量が多い(以下、蒸発速度が速いという)ほど、処理時間は短い。
従来、物品の乾燥を促進することがなされている(特許文献3参照)。
特許文献3に記載の常温乾燥方法を用いる場合のように、乾燥剤によって乾燥させた空気を物品に対して送風すれば、物品表面から水分が蒸発し易くなる。故に、処理時間が短縮される。更に、物品表面から水分が蒸発すると、物品表面が乾燥した分だけ、物品内部から物品表面へ水分が移動する。以上の結果、物品全体の乾燥が促進される。
また、物品を加熱すれば、物品に含まれている水分子の動きが活発化するため、物品からの水分の蒸発が促進される。更にまた、物品の周囲の空気を加熱すれば、飽和水蒸気量が増大する分、物品からの水分の蒸発が促進される。
特開平7−68125号公報 特許第4088785号公報 特開2000−180053号公報
しかしながら、密閉容器の内部で送風したとしても、物品から蒸発した水分は密閉容器の内部の空気に拡散するだけである。このため、物品を十分な乾燥雰囲気下で保存することができない。
また、物品又は密閉容器の内部の空気を加熱すると、物品によっては、品質劣化又は変質を招く場合がある。即ち、密閉容器にて保存可能な物品の種類が限定されてしまう。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、密閉容器の内部の空気に帯電粒子を付加する構成とすることにより、送風又は加熱によらずとも、物品の乾燥を促進することができる収容器及び収容器の使用方法を提供することにある。
本発明に係る収容器は、帯電粒子発生部を備え、該帯電粒子発生部にて発生した帯電粒子が、物品を収容する容器本体の内部の空気に付加されるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記帯電粒子発生部は、空気中で放電させることによって帯電粒子を発生させるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記帯電粒子発生部は、正の帯電粒子及び負の帯電粒子を発生させるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を制御する制御部を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記制御部は、帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を間欠的に行なうようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の開始からの経過時間を計時する計時手段を更に備え、該計時手段による計時結果が所定時間以上に達した場合に、前記乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記容器本体の内部の湿度を検出する湿度検出部と、前記湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化量を演算する変化量演算手段とを更に備え、該変化量演算手段の演算結果が所定量以下である場合に、前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記容器本体の内部の湿度を検出する湿度検出部と、前記湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化率を演算する変化率演算手段とを更に備え、該変化率演算手段の演算結果が所定率以下である場合に、前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る収容器は、前記容器本体の内部の空気を排出するための排気バルブを備えることを特徴とする。
本発明に係る収容器の使用方法は、本発明に係る収容器を使用する方法において、前記収容器の容器本体に、物品と共に乾燥剤を収容することを特徴とする。
本発明にあっては、収容器は帯電粒子発生部を備える。
収容器の容器本体には物品が収容される。
帯電粒子発生部にて発生した帯電粒子は、容器本体の内部の空気(以下、内部空気という)に付加される。内部空気に付加された帯電粒子は、容器本体の内部を自由に運動する。
このような帯電粒子は、物品表面へ接近する。このとき、帯電粒子には、物品表面近傍の空気に含まれている水分が付着する。この結果、物品表面近傍の湿度が下がるため、物品からの水分の蒸発が促進される。故に、処理時間が短縮される。更に、内部空気に帯電粒子を付加しない場合に比べて、平衡湿度が低下する。
また、容器本体の内部を自由に運動する帯電粒子は、物品の表面に衝突する。このとき、物品表面の水分子の動きが活発化するため、物品表面から水分が蒸発し易くなる(即ち、蒸発速度が上昇する)。故に、処理時間が短縮される。更に、物品表面から水分が蒸発すると、物品表面が乾燥した分だけ、物品内部から物品表面へ水分が移動する。
以上の結果、物品全体の乾燥が促進される。
本発明にあっては、帯電粒子発生部は、放電を利用して帯電粒子を発生させる。
放電方式の帯電粒子発生部は、例えば鉱石を利用して帯電粒子を発生させる構成の帯電粒子発生部よりも多量の帯電粒子を容易に発生させることができる。
容器本体の内部を自由に運動する帯電粒子が多いほど、帯電粒子に付着する水分が多くなる。従って、物品表面近傍の湿度が更に下降する。
また、容器本体の内部を自由に運動する帯電粒子が多いほど、物品に衝突する帯電粒子が多くなる。従って、物品からの水分の蒸発が更に促進される。
以上の結果、物品の乾燥を更に促進することができる。
本発明にあっては、容器本体の内部空気に正の帯電粒子及び負の帯電粒子(以下、正負帯電粒子という)が付加される。内部空気に正負帯電粒子の何れか一方が付加された場合よりも、正負帯電粒子が付加された場合の方が、物品の乾燥が促進されることが実験的にわかっている。
また、正負帯電粒子の汚染物質分解機能及び脱臭機能は、物品の品質保持に有益である。
本発明にあっては、制御部が、帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を制御する。このため、収容器の使用者が手動で帯電粒子の発生のオン/オフ又は発生量等を調節する必要がない。従って、使用者の利便性を向上させることができる。
本発明にあっては、制御部は、帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を間欠的に行なう。
通常、帯電粒子は消滅し易いため、帯電粒子発生部を用いた乾燥処理(以下、帯電粒子乾燥処理という)を行なっている間は、連続的に帯電粒子を発生させていることが望ましい。しかしながら、容器本体の内部における帯電粒子の濃度が十分に高ければ、帯電粒子の発生を停止させても特段の問題はない。この場合、帯電粒子の濃度が過剰に低くなる前に、帯電粒子の発生を再開させれば、物品の乾燥を十分に促進することができる。しかも、間欠的に帯電粒子を発生させれば、連続的に帯電粒子を発生させる場合に比べて、省エネルギに寄与することができる。
本発明にあっては、計時手段は、帯電粒子乾燥処理を開始してからの経過時間を計時する。経過時間が所定時間以上に達した場合、帯電粒子乾燥処理の実行が停止する。所定時間を適宜に設定すれば、物品の乾燥の促進と、帯電粒子乾燥処理の無用な継続の防止とを両立することができる。この結果、物品を適切に保存しつつ、省エネルギに寄与することができる。
本発明にあっては、湿度検出部は、容器本体の内部の湿度を検出する。変化量演算手段は、湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化量を演算する。
変化量演算手段の演算結果(即ち湿度の時間変化量)が所定量以下である場合とは、容器本体の内部の湿度が平衡湿度であると看做せる場合である。この場合、帯電粒子乾燥処理を継続しても物品の乾燥を促進することはできない。故に、帯電粒子乾燥処理の実行が停止しても特段の問題はない。しかも、帯電粒子乾燥処理を無用に継続することがないため、省エネルギに寄与することができる。
本発明にあっては、湿度検出部は、容器本体の内部の湿度を検出する。変化率演算手段は、湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化率を演算する。
変化率演算手段の演算結果(即ち湿度の時間変化率)が所定率以下である場合とは、容器本体の内部の湿度が平衡湿度であると看做せる場合である。この場合、帯電粒子乾燥処理を継続しても物品の乾燥を促進することはできない。故に、帯電粒子乾燥処理の実行が停止しても特段の問題はない。しかも、帯電粒子乾燥処理を無用に継続することがないため、省エネルギに寄与することができる。
特に、低湿度においては、湿度の時間変化率を用いた方が、時間変化量を用いる場合に比べて、湿度の変化を捉え易い。
本発明にあっては、排気バルブを介して、容器本体の内部空気が排出される。この場合、容器本体の内部の気圧が減少することによって、物品からの水分の蒸発を促進することができる。
本発明にあっては、本発明に係る収容器を使用する場合、容器本体に、物品と共に乾燥剤を収容する。
乾燥剤は、容器本体の内部空気の湿度を下げる。このため、内部空気に帯電粒子を付加するのみの場合に比べて、物品からの水分の蒸発が更に促進される。
本発明の収容器及び収容器の使用方法による場合、容器本体内の内部空気に付加された帯電粒子が物品表面近傍の湿度を下降させ、また、物品からの水分の蒸発を促進する。このため、乾燥を促進することができる。従って、送風又は加熱によらずとも、物品を乾燥した状態で保存することができる。
ところで、帯電粒子による乾燥の促進は、乾燥剤による乾燥の促進とは無関係に起こる現象である。従って、物品と共に乾燥剤を収容した容器本体の内部空気に帯電粒子を付加する場合は、更に乾燥を促進することができる。
本発明の実施の形態1に係る収容器の外観構成を示す斜視図である。 収容器の内部構成を示す縦断面図である。 収容器が備える区画部材の構成を示す平面図である。 収容器が備えるイオン発生部の外観構成を示す斜視図である。 イオン発生部の構成を示す回路図である。 収容器の制御系の構成を示すブロック図である。 収容器で実行される乾燥処理の手順を示すフローチャートである。 イオンによる蒸発促進を検証するための実験装置の構成を示す縦断面図である。 湿度の計時変化を示す特性図である。 気温の計時変化を示す特性図である。 本発明の実施の形態2に係る収容器の内部構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る収容器の内部構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る収容器の制御系の構成を示すブロック図である。 収容器で実行される乾燥処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る収容器1の外観構成を示す斜視図である。図2は、収容器1の内部構成を示す縦断面図である。
密閉容器2は、収容器1の容器本体である。密閉容器2は、各々非吸放湿性を有する倒立円錐台殻状の収容部21と円錐台殻状の蓋部22とを備える。
収容部21は、天側に開口が設けられている。収容部21の開口には、フランジ状の突縁部211が設けてある。一方、蓋部22は、底側に開口が設けられている。蓋部22の開口には、フランジ状の突縁部221が設けてある。突縁部211,221は、収容部21及び蓋部22夫々の開口部分を補強する。
密閉容器2は、収容部21の開口を蓋部22で密閉するよう構成されている。このために、突縁部211と突縁部221とは、着脱可能に係合し、且つ、係合中は気密を保持するようにしてある。突縁部221を突縁部211に取り付ければ、突縁部211,221間の空隙から空気及び水蒸気が通流することが阻害される。
このような突縁部211,221は、例えば、突縁部211の天面及び突縁部221の底面夫々に凹凸が設けてあり、突縁部221側の凸部(又は凹部)が突縁部211側の凹部(又は凸部)に着脱可能に嵌合するよう構成されてもよい。突縁部211,221にはグリスが塗布されるか、又はパッキンが配置される。
収容部21の内部には、次に説明する区画部材23が着脱可能に配される。
図3は、区画部材23の構成を示す平面図である。
区画部材23は、非吸湿性及び非放湿性を有する磁器製の円形平板状をなしている。
区画部材23は、収容部21の内部に横姿勢で配される。このために、収容部21の内面には図示しない突起が形成されており、この突起の上に、区画部材23の周縁部が載置される。
区画部材23が配置されることによって、収容部21の内部は、天側収容空間と底側収容空間とに区画される。収容部21の底側収容空間には乾燥剤12が収容される。収容部21の天側収容空間には物品11が収容される。
ただし、区画部材23には、物品11の外形寸法よりも小さい内径を有する各円形の複数個の貫通孔231,231,…が形成されている。このため、空気及び水蒸気は、貫通孔231,231,…を通して、収容部21の天側収容空間と底側収容空間との間を容易に通流する。
蓋部22の天壁外面には、摘持部222が突設してある。収容器1の使用者は、収容部21に対する蓋部22の着脱の際、摘持部222を摘持する。
蓋部22の天壁内面には、イオン発生部(帯電粒子発生部)3が配してある。
図4は、イオン発生部3の外観構成を示す斜視図である。図5は、イオン発生部3の構成を示す回路図である。
イオン発生部3は、高電圧発生回路30と、イオン発生素子31,32とを有する。
高電圧発生回路30は、接続端子301,302を有する。接続端子301,302に、電源P(例えば商用電源、又は収容器1に内蔵されている図示しないバッテリ等)から給電されると、高電圧発生回路30は、高圧電気パルスを生成する。
イオン発生素子31は、放電電極331と誘導電極341とを有し、イオン発生素子32は、放電電極332と誘導電極342とを有する。放電電極331,332は何れも針状をなし、各環状の誘導電極341,342に囲繞(対向配置)されている。
高電圧発生回路30が発生させた正の高圧電気パルスは、放電電極331に印加される。このとき、空気中(具体的には、放電電極331の先端部と誘導電極341との間)にコロナ放電が生じる。この結果、放電電極331の先端部近傍にて正イオンが発生する。同様に、高電圧発生回路30が発生させた負の高圧電気パルスが放電電極332に印加されることによって、放電電極332の先端部近傍にて負イオンが発生する。
本実施の形態における正イオンは、水素イオン(H+)の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、H+(H2O)m(mは自然数)と表される。また、本実施例における負イオンは、酸素イオン(O2-)の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、O2-(H2O)n(nは自然数)と表される。本実施の形態では、正イオンであるH+(H2O)mと負イオンであるO2-(H2O)nとが略同等量発生する。
なお、正イオン及び負イオン(以下、正負イオンという)は、水素イオン及び酸素イオンを含むものに限定されない。イオンと水分子とは結合しやすいため、水素イオン及び酸素イオン以外のイオンであっても、空気中で水分子を吸着する。何故ならば、水分子を吸着することによって、イオンの表面エネルギーが低下して安定化されるからである。
イオン発生素子31,32は、密閉容器2の内部空気に露出している。故に、イオン発生部3にて発生した正負イオンは、密閉容器2の内部空気に浮遊する(即ち、密閉容器2の内部空気に付加される)。
なお、イオン発生部3は、密閉容器2の外部に設けられた密閉容器2に連通する空間に配されてもよい。この場合、正負イオンが付加された空気が前述の空間から密閉容器2の内部へ導入される。
空気に付加された正イオンH+(H2O)m及び負イオンO2-(H2O)nは、空気中に漂う菌類、ウィルス、及びアレルゲン等を死滅又は不活性化させる。具体的には、空気に付加された正負イオンは、空気中の浮遊カビ菌及びウィルス等を取り囲み、これらの表面に付着して化学反応を起こす。この化学反応によって生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用によって、空気中の浮遊カビ菌及びウィルス等は殺菌されるか、不活性化する。また、空気に付加された正負イオンは、空気に含まれている悪臭の原因となる物質(例えばアセトアルデヒドのような有機化合物)を分解する。
図6は、収容器1の制御系の構成を示すブロック図である。
収容器1は、制御部20、操作部24、及び報知部25を備える。
制御部20は、収容器1の制御中枢であり、CPUを用いてなる。制御部20は、イオン発生部3、操作部24、及び報知部25の動作を制御し、各種処理を実行する。例えば、制御部20は、電源Pからイオン発生部3への給電をオンにすることによって、イオン発生部3にて正負イオンを発生させ、電源Pからイオン発生部3への給電をオフにすることによって、イオン発生部3における正負イオンの発生を終了させる。即ち、制御部20は、イオン発生部3による正負イオンの発生を制御する。
操作部24は、電源ボタン241、タイマ運転ボタン242、及びタイマ設定ボタン243を備える。
電源ボタン241が操作される都度、後述するようなイオン発生部3を用いた乾燥処理(以下、イオン乾燥処理という)の実行と実行停止とが切り替わる。
タイマ運転ボタン242が操作される都度、タイマ運転の実行と実行停止とが切り替わる。
タイマ設定ボタン243が操作される都度、タイマ運転における運転時間が変更される。
報知部25は、液晶パネルを用いてなる表示画面251と、夫々LEDを用いてなる複数個の報知ランプ252,252,…とを備える。制御部20に制御されることによって、表示画面251には、文字又は記号等が表示され、報知ランプ252,252,…は個別に点灯、点滅、又は消灯される。報知部25は、収容器1の動作状態(例えば正常に動作しているか異常が発生しているか)、収容器1の設定状態(例えば現在設定されている運転時間。以下、設定運転時間という)、又は収容器1から使用者への操作指示等を使用者に報知するために用いられる。
操作部24及び報知部25は、密閉容器2に一体的に設けられていてもよく、密閉容器2とは別体のリモートコントローラとして構成されていてもよい。
次に、収容器1の使用手順を説明する。
使用者は、まず、収容部21の底側を下側にして、収容部21の底壁内面に乾燥剤12を載置し、次いで、収容部21の内部に区画部材23を配する。この後、使用者は、区画部材23の上面に物品11を載置する。即ち、使用者は、収容部21の底側収容空間に乾燥剤12を収容し、収容部21の天側収容空間に物品11を収容する。
次に、使用者は、収容部21に蓋部22を取り付けることによって、密閉容器2を密閉する。
密閉容器2に収容される物品11は、食品又は薬品等である。物品11は、吸湿することによって品質の劣化又は変質等を生じるため、乾燥雰囲気下で保存する必要がある。
物品11は区画部材23に接触する。区画部材23には貫通孔231,231,…が形成されているため、貫通孔231,231,…が形成されていない場合に比べて、物品11が空気に触れる表面積は大きい。
図7は、収容器1で実行される乾燥処理の手順を示すフローチャートである。
密閉容器2を密閉した後、使用者は、電源ボタン241を操作する。
制御部20は、電源ボタン241が操作されたか否か判定し(S11)、操作されていない場合(S11でNO)、処理をS11へ戻す。
電源ボタン241が操作された場合(S11でYES)、制御部20は、イオン発生部3を制御して、正負イオンを発生させる(S12)。この結果、イオン乾燥処理の実行が開始される。
イオン乾燥処理の実行を手動で停止させる場合、使用者は、電源ボタン241を再び操作する。この場合、使用者が電源ボタン241を再度操作するまでイオン発生部3にて正負イオンが発生し続ける。
制御部20は、イオン乾燥処理の実行中に電源ボタン241が操作されたか否か判定し(S13)、操作された場合(S13でYES)、制御部20は、イオン発生部3を制御して、正負イオンの発生を終了させる(S14)。この結果、イオン乾燥処理の実行が停止する。S14の処理終了後、制御部20は、処理をS11へ戻す。
イオン乾燥処理の実行が停止すると、再びイオン乾燥処理の実行が開始されない限り、後述する従来乾燥処理が行なわれる。
一方、イオン乾燥処理の実行を自動的に停止させる場合、使用者は、タイマ設定ボタン243を操作して運転時間を設定し、また、タイマ運転ボタン242を操作する。この場合、設定運転時間が経過するまでイオン発生部3にて正負イオンが発生し続ける。設定運転時間の経過後は正負イオンは発生しないため、省電力に寄与することができる。
なお、所望する運転時間が設定運転時間に等しいならば、使用者は、タイマ設定ボタン243の操作を省略してタイマ運転ボタン242を操作すればよい。
電源ボタン241が操作されていない場合(S13でNO)、制御部20は、タイマ設定ボタン243が操作されたか否かを判定する(S15)。
タイマ設定ボタン243が操作された場合(S15でYES)、制御部20は、タイマ設定ボタン243の操作に応じた運転時間を設定する(S16)。
S16の処理終了後、又は、タイマ設定ボタン243が操作されていない場合(S15でNO)、制御部20は、タイマ運転ボタン242が操作されたか否かを判定し(S17)、操作されていない場合(S17でNO)、処理をS13へ移す。
タイマ運転ボタン242が操作された場合(S17でYES)、制御部20は、経過時間の計時を開始する(S18)。経過時間の計時は、例えば図示しないタイマを用いて行ってもよく、制御部20のCPUに入力されるクロックを計数することによって行なってもよい。S18の処理を実行する制御部20は、本発明の実施の形態における計時手段として機能する。
なお、計時手段は、制御部20によるソフト的なものに限定されない。例えば、電源Pとイオン発生部3との間に介在するオンオフタイマのようなハード的なものであってもよい。
次いで、制御部20は、経過時間が、設定運転時間を超過したか否かを判定する(S19)。S19の判定基準である設定運転時間は、S16の処理にて設定されたものである。S16の処理が実行されていない場合には、予め制御部20に与えられているデフォルトの設定運転時間が用いられる。
経過時間が設定運転時間を超過した場合(S19でYES)、制御部20は、経過時間の計時を終了してから(S20)、処理をS14へ移す。
経過時間が設定運転時間を超過していない場合(S19でNO)、制御部20は、タイマ運転ボタン242が再び操作されたか否かを判定し(S21)、操作されていない場合(S21でNO)、処理をS19へ戻す。なお、S21の処理でタイマ運転ボタン242ではなく電源ボタン241が操作された場合、制御部20は、処理をS20へ移せばよい。
タイマ運転ボタン242が再び操作された場合(S21でYES)、制御部20は、経過時間の計時を終了してから(S22)、処理をS13へ戻す。
ところで、収容器1は、正負イオンの発生を伴わずに使用することも可能である。この場合、使用者は、密閉容器2の密閉後に電源ボタン241を操作しない。故に、制御部20は図7に示すS12以降の処理を実行しない。以下では、イオン発生部3を用いない乾燥処理を、従来乾燥処理という。
次に、イオン乾燥処理及び従来乾燥処理に共通する物品11の乾燥について説明する。
密閉容器2を密閉した直後は、密閉容器2の内部空気の湿度は、密閉容器2の外部の湿度と同程度である。
密閉容器2の内部空気に水分が存在するため、物品11及び乾燥剤12は、何れも内部空気中の水分を吸着する(即ち物品11及び乾燥剤12は吸湿する)。また、物品11及び乾燥剤12から内部空気へ水分が蒸発する(即ち物品11及び乾燥剤12は乾燥する)。ただし、乾燥剤12は物品11に比べて吸湿し易く、物品11は乾燥剤12に比べて乾燥し易い。故に、以下では物品11による水分の吸着と乾燥剤12からの水分の蒸発とに関する記述は省略することがある。
密閉容器2の内部の湿度が低い場合、乾燥剤12は密閉容器2の内部空気に含まれる水分を吸着し難い。一方、物品11から密閉容器2の内部空気へ水分が蒸発し易い。
物品11から水分が蒸発すれば、密閉容器2の内部の湿度は上昇する。
密閉容器2の内部の湿度が高い場合、物品11から水分が蒸発し難い。一方、乾燥剤12は水分を吸着し易い。
乾燥剤12が水分を吸着すれば、密閉容器2の内部の湿度は下降する。
やがて、物品11からの水分の蒸発と、物品11の吸湿とが平衡し、乾燥剤12の吸湿と、乾燥剤12からの水分の蒸発とが平衡する。このときの密閉容器2の内部の湿度は平衡湿度である。また、密閉容器2を密閉してから平衡状態に至るまでの経過時間が処理時間である。
ところで、平衡湿度が低いほど、平衡状態において物品11が含んでいる水分量は少ない。即ち、平衡湿度が低いほど、物品11は乾燥する。また、処理時間が短いほど、物品11は素早く乾燥するため、吸湿に起因する物品11の品質劣化又は変質等の発生が抑制される。
平衡湿度を低下させ、処理時間を短縮するためには、乾燥剤12の吸湿能力(例えば吸湿量)を向上させることが考えられる。しかしながら、乾燥剤12の吸湿能力は、乾燥剤2の種類及び量に依存する。このため、乾燥剤12の吸湿能力を向上させることには限界がある。
ここで、密閉容器2の内部の温度を上昇させることを考える。この場合、密閉容器2の内部空気又は物品11を加熱する。このとき、密閉容器2の内部空気の飽和水蒸気量が増大し、物品11からの水分の蒸発速度が速くなるため、物品11の乾燥が促進される。ところが、温度上昇によって物品11の品質劣化又は変質が起きる虞がある。また、温度上昇によって膨張した内部空気を密閉容器2の内部から排出する必要があるため、密閉容器2の構造が複雑になる。
次に、物品11に対して送風することを考える。この場合、物品11からの水分の蒸発速度は速くなるが、蒸発した水分が乾燥剤12が吸着されなければ、再び物品11に吸着される虞がある。
そこで、収容器1は、平衡湿度を低下させ、処理時間を短縮するべく、密閉容器2の内部空気に正負イオンを付加する。即ち、収容器1は、イオン乾燥処理を行なう。
次に、イオン乾燥処理における物品11の乾燥について説明する。
密閉容器2の内部空気に正負イオンが付加されると、密閉容器2の内部を自由に運動する正負イオンが、物品11の表面に衝突する。この結果、物品11の表面の水分子の動きが活発化する。故に、物品11の表面から水分が蒸発し易くなる。即ち、物品11の表面の乾燥が促進される。また、物品11の表面が乾燥すると、物品11内部から物品11の表面へ水分が移動する。このため、物品11全体の乾燥が促進される。
また、密閉容器2の内部を自由に運動する正負イオンには、物品11の表面近傍の空気に含まれる水分が付着する。この結果、物品11の表面近傍の湿度が下降するため、物品11からの水分の蒸発が促進される。
このようにして物品11から水分が蒸発すると、密閉容器2の内部の湿度が上昇するため、乾燥剤12による吸湿が促進される。
以上の結果、処理時間が短縮される。
更に、正負イオンが水分を吸着する分、平衡湿度が低下する。
無論、正負イオンに付着した水分が、正負イオンに付着したまま、又は、正負イオンの消滅後、物品11に吸着されることもあり得る。しかしながら、正負イオンが存在せずとも空気中の水分が物品11に吸着されることはある。従って、正負イオンに付着した水分が物品11に吸着されることによって物品11の乾燥が阻害されるというデメリットよりも、正負イオンによる物品11の乾燥促進(具体的には平衡湿度の低下及び処理時間の短縮)というメリットの方が大きい。
従って、イオン乾燥処理を実行した場合の方が、従来乾燥処理を実行した場合よりも乾燥した状態で物品11を保存することができる。
しかも、正負イオンによって、密閉容器2の内部空気中の汚染物質が分解され、更に脱臭されるため、物品11の品質保持性が向上する。
ところで、正負イオンは一般に短時間で消滅する。従って、イオン乾燥処理の実行を停止した後は、正負イオンの濃度は低下する。この場合、消滅した正負イオンに付着していた水分が密閉容器2の内部空気へ放出されるため、密閉容器2の内部の湿度が上昇し、物品11が吸湿してしまう虞がある。
一方、イオン乾燥処理の実行が継続されていれば、密閉容器2の内部における正負イオンの濃度は高い状態で維持される。かといって、イオン乾燥処理を実行し続けると、電力の消費が大きい。何故ならば、イオン乾燥処理の実行中は、新たな正負イオンが発生し続けるからである。
そこで、イオン乾燥処理の実行中に、イオン発生部3にて正負イオンを間欠的に発生させることが考えられる。
この場合、図7に示すようなイオン乾燥処理において、制御部20は、S12の処理の実行後、S14の処理を実行するまでの間、イオン発生部3への給電のオン/オフを適宜に切り替える。この結果、イオン発生部3における正負イオンの発生が間欠的に行なわれる。イオン発生部3への給電のオンからオフまでの時間、及び、イオン発生部3への給電のオフからオンまでの時間は、予め制御部20に与えられているが、操作部24を用いて使用者が設定可能であってもよい。
このようなイオン乾燥処理の実行が継続されていれば、密閉容器2の内部における正負イオンの濃度は、正負イオンを連続的に発生させている場合ほどではないにせよ、十分に高い状態で維持される。故に、密閉容器2の内部の内部の乾燥雰囲気の維持と省電力とを両立させることができる。
収容器1にて保管している物品11が必要になれば、使用者は、収容部21から蓋部22を取り外すことによって、密閉容器2を開放し、物品11を取り出す。また、使用者は、区画部材23を取り外して乾燥剤12を新しいもの(又は、使い古した乾燥剤12を再生したもの)に交換する。
本実施の形態では、帯電粒子発生部としてイオン発生部3を例示し、イオン発生部3にて正負イオンが発生する構成を例示したが、収容器1は、このような構成に限定されるものではない。
また、本実施の形態における収容器1は、元から乾燥している物品11の吸湿を防ぎつつ物品11を保存する(例えば新品の焼海苔が湿気らないように保存する)ために用いられるが、これに限定されるものではない。例えば、収容器1は、既に吸湿している物品11から水分を除去して再生させる(例えば湿気た焼海苔を元の状態に戻す)ために用いられてもよい。更には、収容器1は、水分を含む物品11を乾燥させるために用いられてもよい。この場合、例えば加熱処理を嫌う薬品の水溶液から水分を除去して薬品を結晶化させることができる。
更に、収容器1に送風機を備え、密閉容器2の内部で空気を強制的に循環させてもよい。
更にまた、物品11が加熱によって品質劣化又は変質しないものであれば、収容器1に加熱器を備え、密閉容器2の内部空気又は物品11を加熱してもよい。
正負イオンによる乾燥の促進は、送風又は加熱等による乾燥の促進とは無関係に起こる現象である。従って、物品11に対する送風を行なうと共に密閉容器2の内部空気に正負イオンを付加する場合、又は、密閉容器2の内部空気若しくは物品11を加熱しつつ内部空気に正負イオンを付加する場合は、物品11の乾燥を更に促進することができる。
なお、密閉容器2は区画部材23を備えていなくてもよい。この場合、乾燥剤12は、例えば通気性を有する小袋に封入した状態で、物品11と共に密閉容器2に収容される。或いは、密閉容器2の内壁が乾燥剤と同様の吸湿性を有している構成でもよい。
図8は、イオンによる蒸発促進を検証するための実験装置4の構成を示す縦断面図である。
実験装置4は、約4.7Lの容積を有する直方体状の試験ボックス40を備える。
試験ボックス40には4個のイオン発生部41,41,…が収容されている。各イオン発生部41は、試験ボックス40の天壁内面に取り付けられている。
イオン発生部41の構成は、上述したイオン発生部3と同様である。ただし、イオン発生部41にて発生するイオンは、正イオンのみ、負イオンのみ、及び正負イオンの何れかである。イオン発生部41にて発生した各種イオンは、試験ボックス40の内部空気に付加される。試験ボックス40の内部のイオン濃度は、試験ボックス40の底壁近傍(即ち、次に説明するシャーレ42,42,…夫々の近傍)において、約300万個/cm3である。
更に、試験ボックス40には4個のシャーレ42,42,…が収容される。各シャーレ42は、試験ボックス40の底壁内面に載置される。シャーレ42には、20mLの水が貯留してある。シャーレ42,42,…の収容後、試験ボックス40は密閉される。
イオン発生部41,41,…におけるイオンの発生は、試験ボックス40の密閉と共に開始される。
そして、試験ボックス40の密閉後、試験ボックス40の内部の相対湿度(以下、単に湿度という)及び気温夫々の計時変化が測定される。
図9は、湿度の計時変化を示す特性図である。図10は、気温の計時変化を示す特性図である。図9及び図10の横軸は、何れも、試験ボックス40を密閉してからの経過時間[min ]を示している。図9及び図10の縦軸は、試験ボックス40の内部の湿度[%]及び気温[℃]を示している。
図中、四角形のプロットは、イオン発生部41,41,…にて正負イオンが発生している場合を表わしている。また、菱形(又は三角形)のプロットは、イオン発生部41,41,…にて正イオンのみ(又は負イオンのみ)が発生している場合を表わしている。更に、丸形のプロットは、イオン発生部41,41,…にてイオンが発生していない場合を表わしている。
図9を参照すればわかるように、試験ボックス40の内部空気にイオンが付加されたか否かにかかわらず、試験ボックス40の内部の湿度は上昇している。
しかしながら、内部空気にイオンが付加されていない場合に比べて、内部空気にイオンが付加されている場合の湿度の上昇量は、明らかに大きい。具体的には、試験ボックス40の密閉から2時間経過した後には、イオンが付加されていない場合の湿度よりも、正負イオンが付加されている場合の湿度の方が、10%程度高い。
また、正イオンのみ又は負イオンのみが付加されている場合に比べて、正負イオンが付加されている場合の湿度の上昇量は大きい。
正イオンのみが付加されている場合と負イオンのみが付加されている場合とを比べても大きな差はない。強いていえば正イオンが付加されている場合の方が湿度の上昇量が大きい。
試験ボックス40の内部の湿度上昇は、シャーレ42,42,…からの水分の蒸発、即ち試験ボックス40に収容された物品の乾燥を意味している。以上のことから、物品の乾燥を促進するためには、試験ボックス40の内部空気にイオンを付加すること、特に、正負イオンを付加することが効果的である、といえる。
また、収容器1が備えるべきイオン発生部の構成は、イオンと共に水分を発生させるような構成でさえなければ、イオン発生部3又はイオン発生部41と同様の構成に限定されない、と考えられる。例えば、イオン発生部は、トルマリン又はラジウム等の鉱石由来物質を用いてイオンを発生させる構成であってもよい。また、イオン発生部は、試験ボックス40の外部から内部へX線を照射することによってイオンを発生させる構成であってもよい。
ただし、鉱石由来物質を用いてイオンを発生させる構成に比べれば、イオン発生部3又はイオン発生部41は、イオンの発生の制御が容易であり、しかも、イオンの発生量が多い。
また、試験ボックス40の外部から内部へX線を照射することによってイオンを発生させる構成のイオン発生部は、収容器1全体を大型化させる虞がある。換言すれば、イオン発生部3又はイオン発生部41を備える場合、収容器1全体をコンパクトにまとめることができる。
図10を参照すればわかるように、試験ボックス40の内部空気にイオンが付加されたか否かにかかわらず、試験ボックス40の内部の気温は概ね上昇傾向にある。とはいえ、気温の上昇幅は最大でも2時間で約1℃である。このことについては、作動中のイオン発生部3の発熱、作動後のイオン発生部3からの放熱、試験ボックス40の内部を断熱していなかったせいで、試験ボックス40の外部の温度変化の影響を受けた、及び/又は、試験ボックス40の内部空気を攪拌していないため、内部空気の対流による温度ムラが生じた等の原因が考えられる。
次に、図9及び図10を参照し、正負イオンを付加した場合及びイオンを付加しなかった場合夫々について、密閉から2時間経過した後の水分の蒸発量を考察する。
正負イオンを付加した場合、試験ボックス40の内部において、密閉直後は気温26.4℃、湿度28%であり、2時間後は気温27.4℃、湿度88%である。
従って、空気線図を参照すると、密閉直後の重量絶対湿度は0.0060kg/kg(DA) であり、2時間後の重量絶対湿度は0.0204kg/kg(DA) である。つまり、乾燥空気1kg当たり2時間で0.0144kg(=0.0204−0.0060)の水分が増加している。
密閉直後は、試験ボックス40の内部空気の比重は0.856m3/kg(DA)であったため、試験ボックス40の内部には0.0055kg(DA)(=0.47L /0.856m3/kg(DA)=0.0047m3/0.856m3/kg(DA))の空気が存在した。以上のことから、試験ボックス40の内部空気に含まれている水分は、2時間で79×10-6kg(=0.0144kg/kg(DA)×0.0055kg(DA))増加している。
一方、イオンを付加しなかった場合、試験ボックス40の内部において、密閉直後は気温24.6℃、湿度25%であり、2時間後は気温26.8℃、湿度77%である。
従って、空気線図を参照すると、密閉直後の重量絶対湿度は0.0048kg/kg(DA) であり、2時間後の重量絶対湿度は0.0171kg/kg(DA) である。つまり、乾燥空気1kg当たり2時間で0.0123kg(=0.0171−0.0048)の水分が増加している。
密閉直後は、試験ボックス40の内部空気の比重は0.849m3/kg(DA)であったため、試験ボックス40の内部には0.00554kg(DA) (=0.47L /0.849m3/kg(DA)=0.0047m3/0.849m3/kg(DA))の空気が存在した。以上のことから、試験ボックス40の内部空気に含まれている水分は、2時間で68×10-6kg(=0.0123kg/kg(DA)×0.00554kg(DA) )増加している。
従って、試験ボックス40の内部空気に正負イオンを付加したことによって、シャーレ42,42,…に貯留されていた水の蒸発が、11×10-6kg(=79×10-6−68×10-6)促進された、といえる。
実施の形態 2.
図11は、本発明の実施の形態2に係る収容器1の内部構成を示す縦断面図である。
本実施の形態の収容器1は、実施の形態1の収容器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、蓋部22の内面に内張り25が、イオン発生部3を避けて配されている。内張り25は、通気性を有する。また、内張り25は、イオン発生部3にて発生した正負イオンが密閉容器2の内部空気に付加されることを阻害しない。内張り25と蓋部22の内面との間には、乾燥剤12が収容される。内張り25は着脱可能であり、乾燥剤12を容易に交換することができる。
以上のような収容器1は、実施の形態1の収容器1よりも多量の乾燥剤12を使用することができるため、平衡温度の低下及び処理時間の短縮という効果を奏する。
実施の形態 3.
図12は、本発明の実施の形態3に係る収容器1の内部構成を示す縦断面図である。
本実施の形態の収容器1は、実施の形態1の収容器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、収容器1は、吸排気バルブ26を備える。吸排気バルブ26における空気の流路は、蓋部22の天壁を貫通している。このため、密閉容器2の密閉後、吸排気バルブ26に、図示しない外部の真空ポンプを接続し、吸排気バルブ26を開放して真空ポンプを作動させれば、吸排気バルブ26を通して密閉容器2の内部空気が排出される。密閉容器2からの排気後、吸排気バルブ26を閉鎖すれば、密閉容器2の密閉性は維持される。内部空気の排出後、密閉容器2の内部の真空度は、13Pa程度である。
このような収容器1によれば、密閉容器2の内部空気を排出することによって、内部空気に含まれている水分を排出することができる。また、減圧によって物品11からの水分の蒸発を促進し、且つ、物品11の内部の水分を表面側へ移動させることがができる。即ち真空乾燥を行なうことができる。以上のことから、物品11の乾燥を促進することができる。
更に、密閉容器2の内部空気を排出することによって、内部空気に含まれている酸素を排出することができる。この結果、保存されている物品11の酸化を抑制することができる。即ち、物品11の品質保持性が向上する。
収容器1にて保管している物品11が必要になれば、使用者は、吸排気バルブ26が真空ポンプに接続されていない状態で、吸排気バルブ26を開放する。このとき、吸排気バルブ26を通して密閉容器2の内部へ外部の空気が吸入される。この後、使用者は、収容部21から蓋部22を取り外すことによって、密閉容器2を開放し、物品11を取り出す。
実施の形態 4.
図13は、本発明の実施の形態4に係る収容器1の制御系の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の収容器1は、実施の形態1の収容器1と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、収容器1は、湿度検出部27を備える。湿度検出部27は、密閉容器2の内部の湿度を検出する。湿度検出部27の検出結果(以下、検出湿度という)は、制御部20に与えられる。水蒸気の密度は空気の密度よりも小さいため、湿度検出部27は、蓋部22の天壁内面に配されている。
湿度検出部27は、公知の電子式高分子湿度センサを用いてなる。具体的には、湿度検出器27は、高分子材料を用いてなる感湿膜を有する。湿度検出器27においては、感湿膜の電気抵抗又は静電容量等の変化が、湿度の変化として検出される。このような湿度検出器27は、小型で実用性が高い。
本実施の形態における操作部24は、タイマ運転ボタン242及びタイマ設定ボタン243を備えていない。
本実施の形態における報知部25は、ブザー音、メロディ、又はメッセージ等の音声を出力する音声出力部253を更に備える。
図14は、収容器1で実行される乾燥処理の手順を示すフローチャートである。
密閉容器2を密閉した後、使用者は、電源ボタン241を操作する。
制御部20は、電源ボタン241が操作されたか否か判定し(S31)、操作されていない場合(S31でNO)、処理をS31へ戻す。
電源ボタン241が操作された場合(S31でYES)、制御部20は、湿度検出部27を用いて第1の検出湿度H1 を得る(S32)。次いで、制御部20は、イオン発生部3を制御して、正負イオンを発生させる(S33)。この結果、イオン乾燥処理の実行が開始される。なお、制御部20は、S33の処理の実行後、S35の処理を実行するまで、正負イオンを間欠的に発生させてもよい。
制御部20は、イオン乾燥処理の実行中に電源ボタン241が操作されたか否か判定し(S34)、操作された場合(S34でYES)、制御部20は、イオン発生部3を制御して、正負イオンの発生を終了させる(S35)。この結果、イオン乾燥処理が終了する。S35の処理終了後、制御部20は、処理をS31へ戻す。
電源ボタン241が操作されていない場合(S34でNO)、湿度検出部27を用いて第2の検出湿度H2 を得る(S36)。次いで、制御部20は、下記の式(1)を用いて、湿度の時間変化量Hを算出する(S37)。
H=|H2 −H1 |…(1)
次に、制御部20は、時間変化量Hが、所与の所定量H0 以下であるか否かを判定する(S38)。
H>H0 である場合(S38でNO)、制御部20は、第2の検出湿度H2 を第1の検出湿度H1 とし(S39)、処理をS34へ戻す。
H≦H0 である場合(S38でYES)、制御部20は、音声出力部253を用いて所定の音声を出力し(S40)、処理をS35へ移す。
以上のようなイオン乾燥処理において、S37の処理を実行する制御部20は、変化量演算手段として機能する。
密閉容器2の内部の湿度は平衡湿度に収束していくため、時間変化量Hは徐々に“0”に近づいていく。故に、時間変化量Hが所定量H0 以下であれば、密閉容器2の内部の湿度は平衡湿度に達したものと看做せる。密閉容器2の内部が平衡状態に至れば、イオン乾燥処理を更に継続せずとも、物品11は十分に乾燥している。
故に、音声出力部253が出力する音声を用いて、使用者に対し、物品11の乾燥が終了したことを報知する。音声を聞いた使用者は、密閉容器2を開放し、物品11を取り出す。
以上のような収容器1を用いれば、使用者は、いちいち密閉容器2を開放して物品11の乾燥具体を調べずとも、十分に乾燥した物品11を得ることができる。即ち、使用者の利便性が向上する。
しかも、収容器1は、イオン乾燥処理を無用に実行し続けることがない。従って、省電力に寄与することができる。
なお、制御部20は、S37の処理に替えて、下記の式(2)を用い、湿度の時間変化率Rを算出する処理を行なう構成でもよい。この処理を実行する制御部20は、変化率演算手段として機能する。
R=|H2 −H1 |/H1 …(2)
この場合、制御部20は、S38の処理に替えて、時間変化率Rが、所与の所定率R0 以下であるか否かを判定する処理を行なう。そして、R>R0 である場合、制御部20は、処理をS39へ移す。R≦R0 である場合、制御部20は、処理をS40へ戻す。
密閉容器2の内部の湿度は平衡湿度に収束していくため、時間変化率Rは徐々に“0”に近づいていく。故に、時間変化率Rが所定率R0 以下であれば、密閉容器2の内部の湿度は平衡湿度に達したものと看做せる。密閉容器2の内部が平衡状態に至れば、イオン乾燥処理を更に継続せずとも、物品11は十分に乾燥している。
ここで、湿度の時間変化量Hと湿度の時間変化率Rとの違いについて説明する。
例えば、第1の検出湿度H1 が60%であり、第2の検出湿度H2 が59%である場合と、第1の検出湿度H1 が40%であり、第2の検出湿度H2 が39%である場合とを考える。前者の場合も後者の場合も、時間変化量Hは1%である。一方、時間変化率Rは、前者の場合は0.017 であるのに対し、後者の場合は0.025 である。
このように、湿度が低くなるほど、時間変化率Rの方が時間変化量Hよりも湿度の変化を拡大して捉えることができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、収容器1に、実施の形態1〜4に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
1 収容器
11 物品
12 乾燥剤
2 密閉容器(容器本体)
20 制御部(計時手段,湿度検出部,変化量演算手段,変化率演算手段)
26 排気バルブ
27 湿度検出部
3 イオン発生部(帯電粒子発生部)
331,332 放電電極
341,342 誘電電極

Claims (10)

  1. 帯電粒子発生部を備え、
    該帯電粒子発生部にて発生した帯電粒子が、物品を収容する容器本体の内部の空気に付加されるようにしてあることを特徴とする収容器。
  2. 前記帯電粒子発生部は、空気中で放電させることによって帯電粒子を発生させるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の収容器。
  3. 前記帯電粒子発生部は、正の帯電粒子及び負の帯電粒子を発生させるようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の収容器。
  4. 前記帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を制御する制御部を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の収容器。
  5. 前記制御部は、帯電粒子発生部における帯電粒子の発生を間欠的に行なうようにしてあることを特徴とする請求項4に記載の収容器。
  6. 前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の開始からの経過時間を計時する計時手段を更に備え、
    該計時手段による計時結果が所定時間以上に達した場合に、前記乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする請求項1から5の何れかひとつに記載の収容器。
  7. 前記容器本体の内部の湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化量を演算する変化量演算手段と
    を更に備え、
    該変化量演算手段の演算結果が所定量以下である場合に、前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする請求項1から6の何れかひとつに記載の収容器。
  8. 前記容器本体の内部の湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度検出部の検出結果に基づいて、湿度の時間変化率を演算する変化率演算手段と
    を更に備え、
    該変化率演算手段の演算結果が所定率以下である場合に、前記帯電粒子発生部を用いた乾燥処理の実行を停止させるようにしてあることを特徴とする請求項1から6の何れかひとつに記載の収容器。
  9. 前記容器本体の内部の空気を排出するための排気バルブを備えることを特徴とする請求項1から8の何れかひとつに記載の収容器。
  10. 請求項1から9の何れかひとつに記載の収容器を使用する方法において、
    前記収容器の容器本体に、物品と共に乾燥剤を収容することを特徴とする収容器の使用方法。
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