JP2014030863A - 片面研磨用保持材 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式成膜法により製造されるポリウレタン樹脂を主体とする複合体シートの片面研磨用保持材において、孔形成剤によるポリウレタン樹脂組成物の溶液内での液分離や、成膜用基材への塗布工程においての塗布ムラ等のない、柔軟性を有する、保持面におけるエアの咬み込みのない、保持材を課題としている。
【解決手段】複合体シートを作成する発泡用溶液に添加された、前記樹脂と相溶性の良い孔形成剤であるポリオールの融解により、その発泡用溶液中の溶剤と凝固液との置換により形成された被研磨物を保持する面の多孔が開孔していることにより保持力を維持したまま保持面におけるエアを収容できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の被研磨物の片面研磨用保持材に関するものである。
一般に、液晶ディスプレイ用ガラス基板等の被研磨物を回転加工装置等の研磨機を用いて研磨加工する場合には、被研磨物を研磨機の定盤に固定し、この定盤と対向して設けられた定盤に研磨布を装着し、相対的に回転させるとともに、両者間に砥粒等を含む研磨液を供給することにより被研磨物の表面を研磨する。
この際に、被研磨物を定盤に保持するための手段として、多孔質樹脂からなる保持材を用いて被研磨物を水貼りすることが行われている。
この保持材は、一般にポリウレタン樹脂組成物を用いた湿式成膜法で製造される。
例えば、ポリウレタン樹脂組成物を成膜用基材に塗布し、次いで水系凝固液中にて湿式凝固処理を行い、成膜用基材上にポリウレタン樹脂の発泡層を生成させ、その後乾燥する工程を経て保持材が製造される。
この発泡層は、発泡の形状を厚み方向の断面から観察すると、下層部分は大きな発泡形状になり、下層部分から表面に向かうに従って緻密な発泡形状になる構造体である。
そして、その表面には1μm以下の微細孔があり、表面から下層部分の発泡までは微細な連通孔にてつながっている。
前記微細な発泡による表面部分を研削しないで、その表面部分をそのまま被研磨物を保持する面(=「保持面」という)とした保持材は、その保持面が微細孔のため、被研磨物と保持面の間に入り込んだエアが、被研磨物を該保持面に装着後、研磨開始までに発泡に充分に収納されずに残る。このようなエアの咬み込みは被研磨物の保持面への貼り付きを阻害し、研磨加工時、被研磨物が装着位置からのズレを生じたり、外れることにより破損してしまう原因の一つになっていた。
ポリウレタン樹脂組成物の溶液にセルロース誘導体を添加することにより、保持面の開孔径をより大きく形成し、エアを発泡層に取り込み易くした保持材が開示されている(特許文献1)。
また、上記発泡層を樹脂フィルムで上下から挟み、その樹脂フィルム面から加熱することにより、研磨液や水の発泡層内部への浸透を防ぐことにより、これらの問題を解決する保持材の発明が開示されている(特許文献2)。
特開2006−167835号公報 特開2011−156633号公報
しかしながら、特許文献1記載の保持材では、ウレタン樹脂と相溶性のないセルロース誘導体を孔形成剤として用いるため、セルロース誘導体の添加により保持材のエアの咬み込みは減っても、ポリウレタン樹脂組成物の溶液内での液分離や、成膜用基材への塗布工程において、塗布ムラを生じていた。この相溶性のないことによるこれらの欠点を是正するため、ポリウレタン樹脂組成物、成膜助剤や添加剤の調合を変えるが、それらの調合を変えた場合、必要なセルロース誘導体量を充分添加出来ず、エアの咬み込みを充分減らすことが出来なかった。
特許文献2記載の保持材では、水分・スラリーの保持材内部への浸透を阻止するが、エアも阻止されるため、保持面と被研磨物の間にエア咬みを発生し、研磨ムラが生じ易くなる。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、孔形成剤によるポリウレタン樹脂組成物の溶液内での液分離や、成膜用基材への塗布工程においての塗布ムラ等のない、柔軟性を有する、保持面におけるエアの咬み込みのない、保持材を課題としている。
上記の課題を解決するための、第1の手段は、
湿式成膜法により製造されるポリウレタン樹脂を主体とする複合体シートの片面研磨用保持材において、前記複合体シートを作成する発泡用溶液に添加された、前記樹脂と相溶性の良い孔形成剤の融解により、その発泡用溶液中の溶剤と凝固液との置換により形成された被研磨物を保持する面の多孔が開孔し、エア収納孔を形成していることを特徴とする片面研磨用保持材を構成としたものである。
第2の解決手段は、
前記孔形成剤がポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の片面研磨用保持材を構成としたものである。
第3の解決手段は、
前記孔形成剤の融解が前記保持面の加熱のよることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の片面研磨用保持材を構成としたものである。
第4の解決手段は、
前記加熱が、前記複合体シートの熱風乾燥によることを特徴とする請求項3に記載の片面研磨用保持材を構成としたものである。
第5の解決手段は、
前記加熱が、前記保持面を、予め加熱された金属ローラーの接触によることを特徴とする請求項3に記載の片面研磨用保持材を構成としたものである。
(作用)
上記の第1、第2の解決手段による作用は、保持面に、被研磨物と保持面の間のエアを速やかに保持材内部へ移動させ、収容させる多孔を形成し、なおかつ孔形成剤と樹脂との相溶性がないことによる液分離や塗布ムラをなくすことができる。
上記の第3〜5の解決手段による作用は、湿式成膜工程で主剤であるポリウレタン樹脂と共に固形化したポリオールを再溶融させ、保持面のエアの移動や収容を容易にする、多孔を開孔させることができる。 さらに、第4の解決手段による作用は、孔形成剤であるポリオールの再溶解をこれまでの保持材の製造工程である熱風乾燥によるため、溶解のための新たな工程を追加する必要がない。
第5の解決手段による作用は、第4の解決手段により形成した多孔の径をさらに拡大させることができる。また、湿式成膜法により発生する保持面のうねりをなくし、その平坦性を向上させることができる。
上記作用により、ポリウレタン樹脂との相溶性を有する孔形成剤により、ポリウレタン樹脂組成物の溶液内での液分離や、成膜用基材への塗布工程においての塗布ムラ等がなく、被研磨物装着時において、被研磨物と保持面との間に残留したエアが速やかに保持材内部に取り込まれ、被研磨物が保持面に均一に保持されることにより、保持材の保持力が向上し、被研磨物のズレや外れのない、安定した研磨加工を提供することが出来る。
さらに、保持面の金属ローラーによる加熱加工により、直接的に緻密な表面層による保持面に、エアを収納する程度の多孔を拡大することが出来、保持材の保持力をより向上することができることにより、より安定な研磨加工を提供することが出来る。
エア咬み込みの評価を示す。(a)被研磨物基板(ガラス基板)貼り付き外観の評価において、エアが残留していない場合を示す図である。(b)被研磨物基板(ガラス基板)貼り付き外観の評価において、エアが残留している部分がある場合を示す図である。(c)被研磨物基板(ガラス基板)貼り付き外観の評価において、塗工ムラにより、直線状にエアが残留している部分がある場合を示す図である。 保持面の電子顕微鏡写真を示す。(a)ポリオールを発泡用溶液に添加した実施例1を示す写真である。(b)ポリオールを発泡用溶液に添加した実施例2を示す写真である。(c)セルロース誘導体を発泡用溶液に添加した比較例1を示す写真である。(d)ポリオールまたはセルロース誘導体を発泡用溶液に添加しなかった比較例2を示す写真である。
以下に、本発明について詳細に説明する。尚、これらの工程は全て当分野において一般的な、連続加工方法、所謂ロールトゥロールの方法を選択することが出来る。
本発明の片面研磨用保持材は、発泡層と緻密な発泡による表面部分を有するポリウレタン樹脂を主剤とする複合体シートが用いられる。
この発泡層は、いわゆる湿式成膜法により作製することができる。すなわち、例えばポリウレタン樹脂を主剤とした凝固成分を水混和性の有機溶剤に溶解させた複合組成物(発泡用溶液)を成膜用基材に塗布し、次いで複合組成物を塗布した成膜用基材を水、または水とジメチルホルムアミド(DMF)混合溶液中に浸漬して凝固成分を凝固させることにより発泡層を作製することができる。
このようにして得られる発泡層は、発泡の形状を厚み方向の断面から観察すると下層部分は大きな発泡形状になり、下層部分から表面に向かうに従って緻密な発泡形状になる構造体である。そしてその表面には1μm以下の微細孔があり、表面から下層部分の発泡までは連通孔にてつながっている。
前記複合組成物を用いた湿式成膜法の凝固成分の内、主剤としては、ポリウレタン樹脂、例えば、ポリウレタンエラストマー等を用いることができる。
ポリウレタンエラストマーとしては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系あるいはこれらの共重合体等を用いることができ、目的に応じて単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
凝固成分としてのポリウレタンエラストマーを溶解する水混和性の有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、エチルアセテート、ジオキサン等が挙げられる。有機溶剤は目的に応じて単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
さらに前記複合組成物には、保持面の孔径拡大のための添加剤として、ポリウレタンエラストマーと相溶性のある孔形成剤を添加する。
孔形成剤としてはポリオールを用いることができる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
また、その硬度については、目的とする保持材の圧縮変形量等を鑑み、適宜選択、調整する。
ポリオールは、ジイソシアネートと共にポリウレタンの主原料であり、常温では固体で、融点は例えば60〜70℃前後である。さらに、一度融解(液化)させ、DMF等の極性溶剤に希釈後、常温に戻しても固体化することはなく、液状で安定となる。また、ポリウレタンの大半を占めるソフトセグメント成分と同様の骨格を持つため、主剤のポリウレタンと相溶性は良好であり、またポリウレタンより低融点であるため、湿式成膜後の乾燥熱や、後の表面熱処理においても融解する。
孔形成剤としてのポリオールの添加量は、ポリウレタンエラストマー100質量部に対し、1質量部以下では、孔径拡大の作用が弱く、十分な孔径を得られない。また、添加量が10質量部を超えると、乾燥や熱処理による融解により、得られた発泡構造が脆弱となり、被研磨物を保持する機能を損なう。好ましい添加量は、ポリウレタンエラストマー100質量部に対し、1〜5重量部である。
前記複合組成物の主剤や撥水剤以外の他の成分としては、例えば、発泡助剤、顔料等が挙げられる。これらの添加量は、本発明の効果を損なわない範囲内にすればよい。
本発明に用いられる成膜用基材としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンやポリエステル等の樹脂シート等が挙げられる。これら市販の成膜用基材の長尺のロール状材料を用いて、基材上に連続的にナイフコーター等を用いて、発泡溶液を塗布し、当該分野で一般的に採用される湿式成膜の連続加工を実施することができる。
次に、複合体シートの保持面に熱成形加工を施し、エアを収納する多孔を発現させる。
エアを収納する多孔の発現は、得られた複合体シートもしくはその保持面を、添加した孔形成剤、ポリオールの溶融温度に加熱することによる。溶融温度未満では、目的のエアを収納する程度の多孔(=「エア収納孔」という)は発現しない。
ポリオールが溶融する温度は一般的には70℃以上で、例えば、本発明に用いる複合体シートを乾燥させる温度であれば、ポリオールは溶融し、エア収納孔を出現させることができる。
また、エア収納孔を出現させる熱成形加工温度の上限に特別な制約はないが、あまりにも温度が高いと緻密な発泡による表面部分に焼き付きが生じる場合もあるので、そのような事態を避ける温度以下とするのがよい。
さらに、この熱成形加工の加工温度について、複合体シートを構成する材料の流動開始温度以上とすれば、エア収納孔を拡大することができる上に、複合体シート全体が、不可逆的に形状が変化固定し、複合体シートの緻密な発泡による表面部分は、研磨品質に悪影響を及ぼす、被研磨物と保持材の間への研磨液の浸入を抑制することもできる。
保持面表面の熱成形加工、熱処理加工の方法としては、赤外線光照射、熱風、金属加熱ローラー、カレンダーローラー等いずれの加熱方法であっても可能である。
次に、本発明の熱形成加工の実施形態である熱風乾燥および金属加熱ローラーについて説明する。
<熱風乾燥>
湿式成膜、洗浄工程において形成された複合体シートの成膜基材を剥がした後、複合体シートの保持面に100℃の熱風を13〜18m/秒の速さで、150〜300秒間処理する。なお、熱風により複合体シートの洗浄後の乾燥を同時に行うことができる。
具体的には、当業種で一般的な熱風乾燥機、クリップテンター乾燥装置等を用いて、前記条件に見合うライン速度・乾燥温度で連続加工することで、連続した複合体シートを得られる。
<金属加熱ローラー>
上記、熱風乾燥を行なった複合体シートの保持面に、さらに金属加熱ローラーによる熱処理を行なうことができる。
具体的には、金属加熱ローラーは加圧ローラーと対向して配置され、これらの間に、保持面となる緻密な発泡による表面部分を加熱ローラー側に向けて複合体シートを供給するか、複数の金属加熱ローラーを配置した、所謂カレンダーローラー装置を通すことにより、当該処理を行う事が出来る。
金属加熱ローラーは、ローラー表面を均一な温度(複合体シートを構成する材料の流動開始温度以上)に加熱可能な金属ローラーを用いることができる。このような金属ローラーは、本発明の技術分野やこれに近接する技術分野において、熱ローラー加工に用いられているものや、エンボスローラー加工に用いられるものと同種の構成のものを用いることができる。さらに、金属加熱ローラーはその表面が平坦であるプレーンローラー、もしくは、被研磨物の剥離性や保持面の平坦性を考慮し、複数の凸部を有しているディンプルローラーとすることができる。
エンボスローラー加工の場合、加圧ローラーは、金属加熱ローラーとの間に複合体シートを挟んで適度に加圧可能な弾性材料でローラー表面が形成されたものを用いることができ、具体的には、ゴムローラー等を用いることができる。
なお、この流動開始温度は、複合体シートを構成する材料(成分組成)によってそれぞれ異なるので一般化はできないが、通常のポリウレタン樹脂を主剤とする複合材料を用いた場合の熱成形加工温度は、130〜240℃が好ましい。
さらに前記緻密な発泡による表面部分に、プレーンローラー表面形状が転写された平坦面か、もしくはディンプルローラーの表面形状が転写された保持面が平坦な面の中に凹部のみが形成される。ディンプルローラーにより凹部のみを形成したものは、保持材の断面から見た場合に、凹状に形成され、かつ凸状にならないような凹部を設けることで、被研磨物の保持性を確保しつつ、保持面の被研磨物に対する貼り付き度合いをコントロールすることができる。
本発明の片面研磨用保持材は、発泡層を有する複合体シートを用いた構成であれば特に限定されないが、例えば、成膜用基材を一旦剥がして、熱成形加工等を経た後に、別途の基材を発泡層の裏面に粘着層または接着層を介して貼り付けて構成することができる。このとき、発泡層の裏面は、研削加工を施してもよい。成膜用基材を除去したのちは、複合体シート単体での連続加工となるため、プロセスにおいては、張力等の調整に十分配慮し、極度な巾入りを防止するような調整が必要となる。
本発明の片面研磨用保持材を用いた被研磨物の研磨加工は、被研磨物を保持材により保持して研磨機の定盤に固定し、この定盤と対向して設けられた定盤に研磨布を相対的に回転させると共に、両者間に砥粒等を研磨材として含む研磨液を供給しながら行うことができる。
本発明の片面研磨用保持材は、例えば、ディスプレイパネル、液晶ディスプレイ用ガラス基板、シリコンウエハ、化合物半導体基板等の研磨、特に仕上げ研磨に好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
固形分濃度30%のポリエステル系ポリウレタンエラストマー溶液100質量部に、ジメチルホルムアミド60質量部、撥水剤0.5質量部、オクチルスルホコハク酸ナトリウム1.5質量部、カーボンブラックを20質量%含有するジメチルホルムアミド分散液15質量部およびポリエチレンアジペート2.3質量部を加え、ポリウレタンエラストマー塗布液(発泡用溶液)を得た。
得られた塗布液を成膜用基材にロールコーターで1,000g/m塗布した後、凝固浴の中に浸漬して凝固させ、温水で十分に脱溶媒した後、成膜用基材を剥離させ100℃、240秒間、熱風乾燥を行った。
次に、複合体シートをベルトサンダ装置にて表面層の反対側の面から50μm研削し、厚さ550μmとした保持材を得た。さらにこの研削面に研磨装置の保持定盤に取り付けるための、平坦性の高いPETフィルム等の樹脂シートの両面に粘着剤を付けた両面テープを貼り付ける。この両面テープは研削加工により反対側面の発泡が開口した複合体シートの脆弱化を補い、研磨圧力による保持材の変形を防ぐ基材として作用する。
<実施例2>
熱風乾燥後の複合体シートの保持面に金属のプレーンローラーによる熱成形加工をおこなった以外は、実施例1と同様にし、実施例2の保持材を得た。熱成形は、ローラー表面温度140℃、接圧10kgf/cm、接圧時間約0.4秒にて連続的に加工した。
<比較例1>
ポリオールに換えて、セルロース誘導体としてセルロースアセテートブチレート5質量部を発泡用溶液に添加した以外は、実施例1と同様にし、比較例1の保持材を得た。
<比較例2>
ポリオールおよびセルロース誘導体を発泡用溶液に添加しない以外は、実施例1と同様にし、比較例2の保持材を得た。
<保持面のエア収納孔の平均径の測定>
実施例1、2および比較例1、2の保持材の保持面レーザー顕微鏡画像(キーエンス社製カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700)を撮り、画像解析装置(三谷商事社製WinRoofVer.6.4)を用いて平均円相当径を算出した。
<エア咬み込みの評価>
実施例1、2、比較例1、2の保持材を590mm×690mmのサイズに切断し、両面粘着テープを用いて保持定盤に貼り付け、表面を水で洗浄したのち、市販のゴム製ワイパーで水分を掻き取り、550mm×650mm×0.7mmのサイズの液晶ディスプレイ用のガラス基板を、保持材の中央に貼り付けた。この貼り付けた状態において、ガラス基板と各実施例、各比較例の保持材が水分を介して貼り付けられ、エアを咬み込み、残留している部分とそうでない部分とをガラス基板面より目視により観察し、判断した。
図1(a)、(b)、(c)は観察結果の例を示す図である。 図1(a)、(b)、(c)の黒く塗りつぶされた部分は、ガラス基板が貼着された際、貼り付けに使われた水分が、ガラス基板と保持材の間に充填され、ガラス基板が密着している部分である。ガラス基板3と保持材1との密着性が良い場合は、図1(a)に示すようにガラス基板3と保持面2の間のエア4は全く観察されない。また、その密着性が悪い場合は、図1(b)に示すようにガラス基板3と保持材2の間に点在するエア4が観察される。また図1(c)に示すような塗工ムラ(スジ状)が原因で発生するエア4の残留は、直線状での密着不良となる。
<基板保持性の評価>
実施例1、2、比較例1、2の保持材について、東洋精機製作所製の摩擦測定機TR−2を用いてロードセル荷重測定を行い、その保持力を評価した。下定盤面にガラス基板を貼り付け、上定盤面であるスレッド(63mm×63mm)の中心位置に、1inch2(25.4mm×25.4mm)の保持材試料を貼り付けた。ガラス基板面に霧吹きで水を適量ふりかけ、スレッドを置き、面圧100g/cmにて10秒間押し付けて、滑りがないこと(貼り付いていること)を確認した。摩擦測定機を稼動し、ガラス基板と下定盤を共に移動したときに保持材がずれるまでの最大荷重をロードセル出力計で読み取った。
上記測定、評価の結果を表1に示す。
Figure 2014030863
図2に示すように実施例1、実施例2、比較例1の保持材の表面の電子顕微鏡写真では、多孔が形成されていることが判る。実施例1、実施例2の様にポリオールを添加した表面は、面の荒れがなく、セルロース誘導体を添加した比較例1において、ロールコーターでの塗工時に発生した塗工方向での液分離スジが散見され、その部分付近のエアが充分収納されてなかった。また、金属加熱ローラーによる表面処理を行なった実施例2場合は、熱風乾燥のみの実施例1に比べ保持面の開孔径が大きくなり、被研磨物の保持力が向上していることがわかる。
さらに、ポリオールやセルロース誘導体を添加しない比較例2の保持材では、エア収納孔は認められずほぼ一様な表面が観察された。
本発明の保持材は、エアの咬み込みがなく、均一で安定した研磨加工特性が得られる。
本発明は、これまでに比べ、被研磨物の平坦性を確保できる保持材を提供するため、保持材の製造、販売に寄与し、産業上の利用可能性を有する。
1 保持材
2 保持面
3 ガラス基板
4 エア

Claims (5)

  1. 湿式成膜法により製造されるポリウレタン樹脂を主体とする複合体シートの片面研磨用保持材において、前記複合体シートを作成する発泡用溶液に添加された、前記樹脂と相溶性の良い孔形成剤の融解により、その発泡用溶液中の溶剤と凝固液との置換により形成された被研磨物を保持する面の多孔が開孔し、エア収納孔を形成していることを特徴とする片面研磨用保持材。
  2. 前記孔形成剤がポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の片面研磨用保持材。
  3. 前記孔形成剤の融解が前記保持面の加熱のよることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の片面研磨用保持材。
  4. 前記加熱が、前記複合体シートの熱風乾燥によることを特徴とする請求項3に記載の片面研磨用保持材。
  5. 前記加熱が、前記保持面を、予め加熱された金属ローラーの接触によることを特徴とする請求項3に記載の片面研磨用保持材。

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