JP2014030809A - 板材の塗装装置 - Google Patents

Abstract

【課題】板材のコンベアの中心位置からのずれや、板材の搬送方向に対する傾きを修正することを可能にした板材の塗装装置を提供する。
【解決手段】本発明の板材の塗装装置は、第１の塗装ユニットＴＵ１と、第２の塗装ユニットＴＵ２という２つのユニットで構成される。第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２は、第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６と、第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６に回転自在に掛け渡された塗装ベルト７と、塗装ベルト７の外面を板材１の側面に押し当てる押し当て具と、塗装ベルト７に塗料を供給する塗料供給手段と、を備えており、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２の一対の塗装ベルト７，７の間に板材１を挟んで板材１の両側面を塗装するように構成されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、板材の両側面を塗装するための板材の塗装装置に関する。

建築物の壁面等に用いられる建築用の板材として、ＡＬＣ板（ＡＬＣは、Ａｕｔｏｃｌａｖｅ ｌｉｇｈｔ−ｗｉｇｈｔ ｃｏｎｃｒｅｔｅ；軽量気泡コンクリートの略称である）が知られている。ＡＬＣ板等の板材は、その外観の向上や防水性の向上を図るために塗装処理が施されていた。

従来の塗装装置は、当該板材をコンベアにより搬送しながら、ロールコーターにより板材の上面を塗装するものであった。この種の塗装装置は、特許文献１、２に記載されている。

特開２００５−３４９２４８号公報 特開２００９−０１１９３３号公報

しかしながら、板材の側面の塗装については、自動化が難しいという問題があった。

例えば、図４に示すように、コンベア１０２上で複数の板材１０３をＹ方向に搬送しながら、各板材１０３の両側面に対して塗布ロール１０４を押し当てる場合、各板材１０３のコンベア１０２の中心位置からのずれや、各板材１０３の搬送方向に対する傾きを修正し難いという問題があった。このため、塗装された板材１０３同士が接触して貼り付くおそれがあり、コンベア１０２から落下するおそれもあった。

本発明の板材の塗装装置は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、コンベア上で搬送される板材の両側面を塗装する板材の塗装装置において、
前記コンベアの側面に配置され、前記板材の側面を塗装する第１の塗装ユニットと、前記コンベアの反対側の側面に前記第１の塗装ユニットと対向して配置され、前記板材の反対側の側面を塗装する第２の塗装ユニットと、を備え、
前記第１及び第２の塗装ユニットは、前記コンベアの搬送方向に沿って配置された第１及び第２のローラと、前記第１及び第２のローラよりも前記コンベアから離れた位置に配置された第３のローラと、前記第１乃至第３のローラに回転自在に掛け渡された塗装ベルトと、前記塗装ベルトの外面を前記板材の側面に押し当てる押し当て具と、前記塗装ベルトに塗料を供給する塗料供給手段と、を備え、前記第１及び第２の塗装ユニットの一対の前記塗装ベルトの間に前記板材を挟んで該板材の両側面を塗装することを特徴とする。

本発明の板材の塗装装置によれば、第１乃至第３のローラに回転自在に塗装ベルトを掛け渡し、押し当て具により塗装ベルトの外面を板材の側面に押し当てるようにしたので、板材のコンベアの中心位置からのずれや、板材の搬送方向に対する傾きを修正することが可能になる。

また、押し当て具の押圧力を調整することで、塗装ベルトの押し込み量を調整し、板材の側面に均一な厚さの塗装膜を形成することが可能になる。

本発明の実施形態における板材の塗装装置の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態における塗装装置の構成を示す正面図である。 塗装ベルトの断面図である。 従来例における板材の塗装装置の構成を示す平面図である。

図１は、本発明の実施形態における板材の塗装装置の構成を示す平面図、図２はその正面である。

図示のように、ＡＬＣ板等の複数の板材１はコンベア２上でＹ方向（水平方向）に順次搬送される。コンベア２は、例えば、複数の搬送ローラ３と、搬送ローラ３を回転駆動する搬送モータ４を含んで構成される。

本実施形態における板材の塗装装置は、第１の塗装ユニットＴＵ１と、第２の塗装ユニットＴＵ２という２つの塗装ユニットで構成される。第１の塗装ユニットＴＵ１は、コンベア２の側面に配置され、板材１の側面を塗装する。第２の塗装ユニットＴＵ２は、コンベア２の反対側の側面に第１の塗装ユニットＴＵ１と対向して配置され、板材１の反対側の側面を塗装する。

これらの第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２は、コンベア２のＹ方向の中心線に対して左右対称に同じ構成を有して配置されている。すなわち、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２は、コンベア２の搬送方向（Ｙ方向）に沿って所定の距離だけ離間して配置された第１及び第２のローラ５ａ、５ｂと、Ｘ方向から見て第１及び第２のローラ５ａ，５ｂの間であって、第１及び第２のローラ５ａ，５ｂよりもコンベア２からＸ方向に離れた位置に配置された第３のローラ６と、第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６に掛け渡され、水平面内で回転自在な無端の塗装ベルト７を備える。

第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６は垂直回転軸を有し、これらの第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６を回転駆動する駆動モータ８が設けられている。この場合、コンベア２の搬送速度と、塗装ベルト７の回動速度が一致するように、搬送モータ４と駆動モータ８の回転速度が調節されている。

第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２は、さらに、塗装ベルト７の外面を板材１の側面に押し当てる押し当て具と、塗装ベルト７に塗料を供給する塗料供給手段と、を備えており、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２の一対の塗装ベルト７，７の間に板材１を挟んで板材１の両側面を塗装するようになっている。

押し当て具は、塗装ベルト７の内側に配置され、塗装ベルト７を板材１の側面に押し当てるガイド板９と、ガイド板９に作用して板材１の側面に対する塗装ベルト７の押圧力を調整する押圧力調整シリンダー１０を備える。

ガイド板９は、樹脂からなる平板であり、基台１０から少なくとも塗装ベルト７の上端の高さまで垂直方向（Ｚ方向）に立設され、その主面（ガイド面）はコンベア２の側面に平行に配置されている。

押圧力調整シリンダー１０は、ガイド板９の後方であって、ガイド板９と第３のローラ６の間に配置される。押圧力調整シリンダー１０は、Ｘ方向に伸縮自在に構成された伸縮ロッド１０ａを有しており、この伸縮ロッド１０ａがガイド板９の裏面に接触するようになっている。

この場合、ガイド板９はバネ等の付勢手段により、塗装ベルト７の後方（Ｘ方向）に付勢されており、押圧力調整シリンダー１０の伸縮ロッド１０ａはこの付勢力に抗してガイド板９を塗装ベルト７に押し当てるように構成することが好ましい。これにより、伸縮ロッド１０ａの伸縮に伴い、ガイド板９の位置決めがなされる。

ガイド板９は、塗装ベルト７を板材１の側面に押し当てることにより、板材１のコンベア１０２上での中心位置からのずれや、板材１の搬送方向に対する傾きを修正するという機能を持っている。

また、押圧力調整シリンダー１０は、ガイド板９の塗装ベルト７に対する押圧力を調整することで、塗装ベルト７の押し込み量を調整するという機能を持っている。これにより、板材１の側面に均一な厚さの塗装膜を形成することができる。上述の２つの機能を十分発揮させるために、ガイド板９及び押圧力調整シリンダー１０は、コンベア２の側面に沿って２個以上並設することが好ましい。

塗料供給手段は、塗装ベルト７を間に挟んで第３のローラ６に対向して配置された塗料絞りローラ１１と、この塗料絞りローラ１１と塗装ベルト７との間のわずかな間隙に塗料を供給する塗料供給ホース１２を備えている。塗料を間隙に向けて正確に供給するために、塗料供給ホース１２の先端に塗料噴出ノズル１２ａが取り付けられ、塗料噴出ノズル１２ａの塗料噴出口は間隙を臨むように配置されることが好ましい。

また、塗料絞りローラ１１を可動に構成し、塗料絞りローラ１１と塗装ベルト７との間の間隙を調整することにより、塗装ベルト７に対する塗料の供給量を調整することができる。

塗装ベルト７は、図３に示すように、外面の塗料浸透材７ａ（例えば、スポンジ材やフェルト材）と内面の塗料非浸透材７ｂ（例えば、軟性ゴム材）とを貼り合わせて構成することが好ましい。塗料供給ホース１２からの塗料は塗料浸透材７ａに浸透する。この時、塗装ベルト７の内面の塗料非浸透材７ｂには塗料は浸透しないため、塗料非浸透材７ｂが接触する第１乃至第３のローラ５ａ，５ｂ，６のよごれを防止することができる。

こうして、塗装ベルト７の外面に塗料が塗布され、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２の一対の塗装ベルト７，７の間に板材１が挟まれて板材１の両側面が塗装されることになる。この時、塗装ベルト７，７、あるいは塗装された板材１の側面から余分な塗料が垂れ落ちることになる。そこで、垂れ落ちた塗料を回収し、塗料供給ホース１２に戻して再利用することが好ましい。

そのため、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２の下方には、第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２から垂れ落ちる塗料を回収する塗料回収ケース１３が設けられる。塗料回収ケース１３は、塗料回収ホース１４を介して塗料貯留タンク１５に連結される。また、塗料貯留タンク１５に貯留された塗料を塗料供給ホース１２に圧送して循環させる塗料圧送ポンプ１６が設けられている。さらに、塗料貯留タンク１５と塗料圧送ポンプ１６との間には、塗料貯留タンク１５に貯留された塗料中の異物を除去するためのフィルタ１７を設けることが好ましい。

次に、板材の塗装装置の動作を説明する。板材１がコンベア２により塗装装置の手前まで搬送されて来ると、コンベア２上に配置された光電センサにより板材１の幅Ｗが検出される。押圧力調整シリンダー１０は、検出された幅Ｗに応じて、ガイド板９の位置決めを行い、さらに板材１の側面に対する塗装ベルト７の押圧力（押し込み量）を調整するように構成されている。これにより、板材１の側面に均一な厚さの塗装膜を形成することができる。

板材１が塗装装置内に搬送されると、板材１は第１及び第２の塗装ユニットＴＵ１，ＴＵ２の一対の塗装ベルト７，７の間に挟まれ、板材１の両側面が塗装される。
この時、板材１の側面は一対のガイド板９によりガイドされるため、コンベア１０２上での中心位置からのずれや、板材１の搬送方向に対する傾きが修正される。

このようにして、コンベア２上を搬送されて来る板材１の側面が次々と塗装される。一方、塗装ベルト７から垂れ落ちた塗料は、塗料回収ケース１３、塗料貯留タンク１５を介して塗料供給ホース１２に戻され、再利用される。

なお、本実施形態の塗装装置は、ＡＬＣ板に限らず、それ以外のパネル材、例えば、木材や樹脂を含むパネル材の側面塗装にも使用することができる。

１ 板材 ２ コンベア
３ 搬送ローラ ４ 搬送モータ
５ａ 第１のローラ ５ｂ 第２のローラ
６ 第３のローラ ７ 塗装ベルト
８ 駆動モータ ９ ガイド板
１０ 押圧力調整シリンダー １１ 塗料絞りローラ
１２ 塗料供給ホース １２ａ 塗料噴出ノズル
１３ 塗料回収ケース １４ 塗料回収ホース
１５ 塗料貯留タンク １６ 塗料圧送ポンプ
１７ フィルタ

Claims (6)

1. コンベア上で搬送される板材の両側面を塗装する板材の塗装装置において、
   前記コンベアの側面に配置され、前記板材の側面を塗装する第１の塗装ユニットと、
   前記コンベアの反対側の側面に前記第１の塗装ユニットと対向して配置され、前記板材の反対側の側面を塗装する第２の塗装ユニットと、を備え、
   前記第１及び第２の塗装ユニットは、
   前記コンベアの搬送方向に沿って配置された第１及び第２のローラと、
   前記第１及び第２のローラよりも前記コンベアから離れた位置に配置された第３のローラと、
   前記第１乃至第３のローラに回転自在に掛け渡された塗装ベルトと、
   前記塗装ベルトの外面を前記板材の側面に押し当てる押し当て具と、
   前記塗装ベルトに塗料を供給する塗料供給手段と、を備え、前記第１及び第２の塗装ユニットの一対の前記塗装ベルトの間に前記板材を挟んで該板材の両側面を塗装することを特徴とする板材の塗装装置。
2. 前記押し当て具は、前記塗装ベルトの内側に配置され、該塗装ベルトを前記板材の側面に押し当てるガイド板と、
   前記ガイド板に作用して前記板材の側面に対する前記塗装ベルトの押圧力を調整する押圧力調整手段と、を備えることを特徴とする請求項１に記載の板材の塗装装置。
3. 前記押圧力調整手段はシリンダーであることを特徴とする請求項２に記載の板材の塗装装置。
4. 前記塗料供給手段は、前記塗装ベルトを間に挟んで前記第３のローラに対向して配置された塗料絞りローラと、該塗料絞りローラと前記塗装ベルトとの間隙に塗料を供給する塗料供給ホースと、を備えることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の板材の塗装装置。
5. 前記第１及び第２の塗装ユニットの下方にそれぞれ配置され、前記塗装ベルトから垂れ落ちる塗料を回収する塗料回収ケースと、
   前記塗料回収ケースに塗料回収ホースを介して連結され、回収された塗料を貯留する塗料貯留タンクと、
   前記塗料貯留タンクに貯留された塗料を前記塗料供給ホースに圧送して循環させる塗料圧送ポンプと、を備えることを特徴とする請求項４に記載の板材の塗装装置。
6. 前記塗装ベルトは、外面の塗料浸透材と、内面の塗料非浸透材とを貼り合わせて構成されたことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の板材の塗装装置。

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