JP2014029925A - 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール - Google Patents

光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2014029925A
JP2014029925A JP2012169684A JP2012169684A JP2014029925A JP 2014029925 A JP2014029925 A JP 2014029925A JP 2012169684 A JP2012169684 A JP 2012169684A JP 2012169684 A JP2012169684 A JP 2012169684A JP 2014029925 A JP2014029925 A JP 2014029925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
semiconductor layer
type semiconductor
conversion element
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012169684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5944262B2 (ja
Inventor
Yoko Shida
陽子 志田
Masao Mizuno
雅夫 水野
Norihiro Jiko
範洋 慈幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2012169684A priority Critical patent/JP5944262B2/ja
Publication of JP2014029925A publication Critical patent/JP2014029925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5944262B2 publication Critical patent/JP5944262B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

【課題】特定の毒性元素を用いることなく、比較的低コストで製造することができ、十分な光電変換効率を備える光電変換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、n型半導体層とp型半導体層とを備える光電変換素子であって、上記n型半導体層がBiを含有することを特徴とする。上記p型半導体層が主成分としてNiOを含有することが好ましい。上記p型半導体層がアルミニウム及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素をさらに含有するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュールに関する。
光電変換素子は、太陽光や室内灯などの光を電気に変換する素子であり、フォトダイオード、フォトトランジスタなどの光センサや太陽電池として利用される。これらの光電変換素子に用いられる材料としては、結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAs、CdTe、カルコパイライト等が実用化又は開発されている。しかし、太陽電池の需要が高まる中、製造コスト、廃棄時の回収コスト、変換効率等の点から新たな材料の開発が進んでいる。
上記新たな材料の一つとして、Biを用いることが検討されている。Biは、バンドギャップが1.2から1.7eV程度であり、可視光をよく吸収する。また、Biは、低コストな非真空プロセスの一つであるスプレー熱分解法で容易に成膜できるとされている(material chemistry and physiscs,11(1984)p401−412参照)。このBiを用いた太陽電池としては、BiとPbSとが積層されてなる構造を有するものが提案されている(thin solid films 519(2011)p2287−2295参照)。しかし、上記太陽電池は、毒性を有する元素であるPbを含むものであるため、取扱性や、廃棄時の回収処理等の点からは、他の構造や材料を用いた太陽電池の開発が望まれている。
material chemistry and physiscs,11(1984)p401−412 thin solid films 519(2011)p2287−2295
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、特定の毒性元素を用いることなく、比較的低コストで製造することができ、十分な光電変換効率を備える光電変換素子及び光電変換素子アレイ、並びにこれらを備える太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
n型半導体層とp型半導体層とを備える光電変換素子であって、
上記n型半導体層がBiを含有することを特徴とする。
当該光電変換素子においては、n型半導体層にBiを含有させており、このn型半導体層と対となるp型半導体層に特定の毒性元素を含むような特別な材料を用いなくとも十分な光電変換効率を発揮することができる。また、上記n型半導体層はスプレー熱分解法により成膜することができ、製造コストも抑えることができる。
上記p型半導体層が主成分としてNiOを含有することが好ましい。このようなp型半導体層を用いることで、p型半導体層とn型半導体層との表面電位差が適度となり、効果的に起電力を生じさせることができる。
上記p型半導体層がアルミニウム及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素をさらに含有するとよい。このようにすることで、p型半導体層の抵抗値を下げ、かつ表面電位差を広げることができるため、光電変換効率をさらに高めることができる。
上記p型半導体層における上記金属元素の含有量としては、7原子%以上50原子%以下が好ましい。上記金属元素を上記範囲で含有させることで、光電変換効率をさらに高めることができる。
本発明には、複数の光電変換素子を備える光電変換素子アレイも含まれる。当該光電変換素子アレイは、複数の当該光電変換素子を備えるため優れた光電変換効率を有する。
本発明には、当該光電変換素子又は当該光電変換素子アレイを備える太陽電池モジュールも含まれる。当該太陽電池モジュールは、当該光電変換素子又は当該光電変換素子アレイを備えため発電効率に優れる。
以上説明したように、本発明の光電変換素子及び光電変換素子アレイは、特定の毒性元素を用いることなく、比較的低コストで製造することができ、かつ十分な光電変換効率を備える。従って、当該光電変換素子及び光電変換素子アレイは、太陽電池モジュール等に有効に用いることができる。
本発明の光電変換素子の一実施形態を示す模式的断面図 実施例で得られたp型半導体層の抵抗値を示す図 実施例で得られた光電変換素子の開放電圧を示す図 製造例で得られたBi膜の結晶粒径と成膜温度との関係を示す図 製造例で得られたBi膜の抵抗値と成膜温度との関係を示す図 製造例で得られたBi膜の抵抗値と結晶粒径との関係を示す図
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュールの実施の形態を詳説する。
<光電変換素子>
図1の光電変換素子1は、透明基板2、透明電極膜3、n型半導体層4、p型半導体層5及び電極膜6を備え、これらがこの順に積層されてなる層構造体である。
透明基板2は、透明な材料から形成されている。透明基板2の材料としては、例えば、ケイ酸アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスや、アクリル樹脂、PET等の合成樹脂などを用いることができる。これらの中でも、強度や熱安定性等の点から、ガラスが好ましい。また、このガラスは、化学的に又は熱的に強化されたものが好ましい。
透明基板2の厚さとしては、特に限定されないが、通常0.1mm以上10mm以下程度である。なお、この透明基板2は、例えば合成樹脂製で、かつ厚さを薄く設けたフレキシブル基板であってもよい。
透明電極膜3は、透明基板2の表面に薄膜状に積層されている。この透明電極膜3は、導電性を有し、かつ透明な材料から形成されている。上記透明電極膜3の材料としては、例えば、In:Sn(ITO)、SnO:Sb、SnO:F(FTO)、ZnO:Al、ZnO:F、CdSnO等の金属酸化物を挙げることができる。上記透明電極膜3の厚さとしては、特に限定されず、例えば100nm以上10μm以下とすることができる。
n型半導体層4は、透明電極膜3の表面に薄膜状に積層されている。上記n型半導体層は、Biを含有する。当該光電変換素子1においては、透明基板2側から入射した光が、このn型半導体層4によって吸収され、電子が生じる。このn型半導体層4におけるBiの含有量としては、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。
当該光電変換素子1においては、n型半導体層4にこのようにBiを含有させており、このn型半導体層4と対となるp型半導体層5に特定の毒性元素(Pb等)を含むような特別な材料を用いなくとも十分な光電変換効率を発揮することができる。また、上記n型半導体層4はスプレー熱分解法により成膜することができ、製造コストも抑えることができる。なお、n型半導体層4には、機能を阻害しない範囲で他の成分が含有されていてもよい。
n型半導体層4の平均厚さとしては、特に制限されないが、0.5μm以上2μm以下が好ましい。n型半導体層4の平均厚さが0.5μm未満の場合は、可視光の吸収率が低下し、光電変換効率が低下する。逆に、この平均厚さが2μmを超える場合は、発生した電子を取り出しにくくなることで、光電変換効率が低下する。
上記n型半導体層4がBiの結晶構造を有し、このBiの平均結晶粒径が100Å以上であることが好ましい。このように結晶粒径の大きいBiを存在させることで、n型半導体層の抵抗が低くなり、光電変換効率をより高めることができる。この平均結晶粒径が100Å未満の場合は、抵抗が高まり、光によって生じた電子がn型半導体層4内で失活しやすくなる。なお、この平均結晶粒径としては、130Å以上がより好ましい。なお、この平均結晶粒径の上限としては、例えば300Åであり、200Åがより好ましい。上記上限を超える結晶粒径は、製造コストの上昇等を招来するおそれなどがある。
なお、この平均結晶粒径は、各方位((020)面、(200)面、(120)面、(130)面、(310)面及び(211)面)で測定される結晶粒径の平均値とする。
このn型半導体層4の形成方法としては、特に制限されないが、スプレー熱分解法により得られることが好ましい。n型半導体層4をスプレー熱分解法で得ることで、当該光電変換素子1の低コストでの製造が可能となる。
p型半導体層5は、上記n型半導体層4の表面に積層されている。p型半導体層5の主成分としては、n型半導体層4との組合せにより起電力を生じるものであれば特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、NiO等の酸化物や、CuInS、CuZnS等の硫化物などを挙げることができる。これらの中でも、主成分としては、NiOであることが好ましい。このようなp型半導体層を用いることで、p型半導体層とn型半導体層との表面電位差が適度となり、効果的に起電力を生じさせることができる。なお、主成分とは、最も多い成分をいい、含有量として50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがさらに好ましい。
上記p型半導体層5は、アルミニウム及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素をさらに含有するとよい。このようにすること、すなわちアルミニウム及び/又はリチウムをドープすることで、p型半導体層5の抵抗値を下げ、かつ表面電位差を広げることができるため、光電変換効率を高めることができる。この理由は以下のとおりである。
抵抗率とキャリア密度との関係は式(1)に従う。つまり、抵抗値はキャリア密度に反比例するため、抵抗値が小さいほどキャリア数は多い。
1/ρ=qnμ ・・・(1)
(ρ;抵抗率、q;電荷、n;キャリア数、μ;移動度)
また、表面電位は、フェルミ準位と相関している。さらに、pn接合型の光電変換素子の起電圧はp−n両半導体のフェルミ準位の差に依存する。つまり、この差が大きいほど起電圧は大きくなる。ここで、p型半導体のフェルミ準位は式(2)で導出される。
n=Nv・exp{−(Ef−Ev)/k・T} ・・・(2)
(n;キャリア密度、Nv;価電子帯の実効キャリア密度、Ef;フェルミレベル、Ev;価電子帯の上部ポテンシャルエネルギー、k;ボルツマン乗数、T;測定温度)
式(2)より、フェルミレベルと荷電子帯の上部ポテンシャルエネルギーとの差は、キャリア密度が増加するほど大きくなることが分かる。すなわち、上記金属元素をp型半導体層5にドープすることで、p型半導体層5におけるキャリア密度が増加し、n型半導体層4とp型半導体層5とのフェルミ準位の差(表面電位の差)が広がり、起電圧が大きくなる。
上記p型半導体層5における上記金属元素(Al及びLi)の含有量の下限としては、7原子%が好ましく、10原子%がより好ましく、20原子%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限としては、50原子%が好ましく、40原子%がより好ましく、30原子%がさらに好ましい。上記金属元素を上記範囲で含有させることで、光電変換効率を更に高めることができる。上記金属元素の含有量が上記下限未満の場合は、十分に抵抗値が低下せず、かつキャリア密度も高まらないため、光電変換効率を十分に高めることができない。逆に、この含有量が上記上限を超える場合は、NiOの結晶性が低下し半導体特性が低下したり、抵抗が増加する場合がある。
上記p型半導体層5の平均厚さとしては、特に制限されないが、0.3μm以上1μm以下が好ましい。p型半導体層5の平均厚さが0.3μm未満の場合は、膜厚が不十分なため、光電変換効率が低下する。逆に、この平均厚さが1μmを超える場合は、発生した電子を取り出しにくくなることで、光電変換効率が低下する。
このp型半導体層5の形成方法としては、特に制限されないが、スパッタ法により得られることが好ましい。p型半導体層5をスパッタ法で得ることで、ドープ量の制御等が容易になり、また、当該光電変換素子1の低コストでの製造が可能となる。
電極膜6は、p型半導体層5の表面に薄膜状に積層されている。この電極膜6は、透明電極膜3(アノード電極)と対をなし、カソード電極として機能する。この電極膜6を形成する材料としては導電性を有する限り特に限定されないが、Pt、Al、Au、Cu、Ti、Ni等の金属や、グラファイト等を用いることができる。
当該光電変換素子1によれば、透明基板2側から太陽光等の光が照射されることで、n型半導体層4に光が吸収され、n型半導体層4とp型半導体層5との間で電位差が生じ、光を電力に変換することができる。この電力は、n型半導体層4及びp型半導体層5にそれぞれ連結される一対の電極(透明電極膜3及び電極膜6)から出力される。
<光電変換素子の製造方法>
当該光電変換素子1は、
(1)スプレー熱分解法により、透明電極膜3の表面にn型半導体層4を成膜する工程、及び
(2)スパッタ法により、n型半導体層4の表面にp型半導体層5を成膜する工程
を有する製造方法により好適に得ることができる。以下、各工程について詳説する。
(1)n型半導体層成膜工程
本工程においては、スプレー熱分解法により、透明基板2の表面に積層された透明電極膜3の表面にBiを含有するn型半導体層4を成膜する。この際、透明基板2と透明電極膜3との積層体としては、市販の透明電極膜付ガラス基板等を用いることができる。なお、透明電極膜3の表面は、中性洗剤等による洗浄、純水等による超音波洗浄等を予め施しておくことが好ましい。
このスプレー熱分解法は、公知の方法により行うことができる。本工程のスプレー熱分解法に用いられる溶液としては、ビスマス源となる溶質と硫黄源となる溶質とを溶かした混合溶液を適宜用いればよく、例えば、Bi(NO・5HOと、チオ尿素との混合水溶液を用いることができる。なお、この溶液におけるビスマス原子と硫黄原子とのモル比としては、1.5:3から2.5:3の範囲であることが好ましく、略2:3であることがより好ましい。
このような溶液を加熱した透明電極膜3の表面に噴霧することによって、Biを含有するn型半導体層4を成膜することができる。なお、この際の成膜温度(透明電極膜3表面の温度)としては、100℃以上400℃以下が好ましく、150℃以上350℃以下がさらに好ましい。上記成膜温度が100℃未満の場合は、水溶液を用いているため沸点以下となり、Biの生成反応が十分に進行しない。逆にこの成膜温度が400℃を超える場合は、得られるBiの結晶粒径が小さく(100Å未満)なりやすくなる。
上記加熱の方法は特に限定されず、ホットプレートなどを用いればよい。また、上記噴霧は、スプレー熱分解法を行う際に通常用いられる公知の噴霧器を用いて行うことができる。
(2)p型半導体層成膜工程
本工程においては、上記工程(1)で得られたn型半導体層4の表面に、スパッタ法によりp型半導体層5を形成する。
このようにスパッタ法を用いることで、大面積で均一な膜厚でp型半導体層5を成膜することができる。また、スパッタ法を用いることで、組成が安定した成膜が可能となる。すなわち、スパッタリングターゲットの組成や成膜条件等を調整することで、得られる薄膜の組成(構成元素の比)等を容易に調整することができる。
スパッタリングターゲットとしては、p型半導体層5の主成分をNiOとする場合にはNiOターゲットを用いればよい。さらに、LiやAlをドープする場合は、Al−Li合金ターゲットやAlターゲットを用いた同時放電により成膜することができる。このスパッタ法の際の成膜条件としては特に限定されないが、例えば真空到達度を0.1mTorr以上10mTorr以下、酸素分圧を20体積%以上40体積%以下、成膜温度を室温として行うことができる。このような条件でスパッタリングすることで、得られる薄膜の組成の制御等を容易にすることができる。その他の条件等は、所望する膜厚等に応じて適宜設定することができる。なお、上記スパッタリングターゲットとしては、Niと他の金属(例えば、Li等)の合金ターゲットを用いることなどもできる。
スパッタ法により成膜した後には、例えば、真空下(例えば10mTorr以下)、200℃以上400℃以下の温度で得られた薄膜を加熱するとよい。このようにすることで、結晶成長及び欠陥の除去を図ることができる。この加熱時間としては、例えば30分以上2時間以下とすることができる。
なお、p型半導体層5表面への電極膜6の積層は公知の方法(例えば印刷法、メッキ法等)で行えばよい。
当該光電変換素子1の製造方法は、上記方法に限定されない。例えば、各層を化学浴析出法、電解析出法、メッキ法、スピンコート等の印刷法等の他の非真空プロセス、スパッタリング等の真空プロセスにより成膜することもできる。
例えば、NiOを主成分とするp型半導体層5を成膜する場合、ニッケルの塩化物や硝酸化物等と、塩化アルミニウム又は炭酸リチウム等との混合溶液を用い、スプレー熱分解法や化学浴析出法により成膜することもできる。
<光電変換素子アレイ>
本発明の光電変換素子アレイは、複数の当該光電変換素子を備える。各光電変換素子は直列又は並列に電気的に接続されてなる。また、各光電変換素子は同一構造であってもよいし、異なった構造であってもよい。また、当該光電変換素子アレイは、本発明の光電変換素子以外の光電変換素子をさらに備えていてもよい。当該光電変換素子アレイは、複数の当該光電変換素子を備えるため優れた光電変換効率を有し、製造も容易である。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、当該光電変換素子又は当該光電変換素子アレイを備える。当該太陽電池モジュールの具体的構造としては、ガラス等からなる透光性基板と、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂からなる充填剤層と、当該光電変換素子又は光電変換素子アレイと、上記充填剤層と同様の充填剤層と、太陽電池モジュール用バックシートとが表面側からこの順に積層されてなるものが挙げられる。これらは、通常、真空加熱ラミネーション法等により一体成形されている。また、当該光電変換素子又は光電変換素子アレイの配線(両端子)は、通常、裏面(バックシート)側に設けられるジャンクションボックスを通じて外部配線の端子と接続される。
当該太陽電池モジュールは、当該光電変換素子又は当該光電変換素子アレイを備えため発電効率に優れる。
本発明の光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュールは上記実施形態に限定されない。例えば、光電変換素子として、不透明な基板を用いてもよい。この場合、p型半導体層表面に積層される電極膜に透明電極膜を用い、p型半導体層側から光を当てるように構成すればよい。また、当該光電変換素子は、上記以外の他の層を有していてもよい。この他の層としては、バッファ層、短絡防止層等を挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]光電変換素子の作製
下記手順にて、透明基板、透明電極膜、n型半導体層、p型半導体層及び電極膜がこの順に積層されてなる光電変換素子を作製した。
(1)ガラス基板
市販の透明導電膜付ガラス基板(Solaronix社のFTO透明導電膜付きガラスTCO22−15)を用いた。
(2)n型半導体層の成膜
上記透明電極膜付きガラス基板の表面に以下のスプレー熱分解法でBiからなるn型半導体層を成膜した。Bi(NO・5HOを10wt%の酢酸水溶液に溶解し、Bi(NO・5HOの0.1M溶液を調製した。上記Bi(NO・5HOを溶解した酢酸水溶液に対して、1.5倍量のチオ尿素水溶液(0.1M)を混合し、前駆体溶液とした。300℃に加熱したホットプレート上の基板にこの前駆体溶液50mlをガス圧1.25kPaの空気で1ショット0.5秒毎に5秒のインターバルで噴霧し、目的のn型半導体層(Bi膜)を成膜した。得られたn型半導体層の平均厚みは1μmであった。
(3)p型半導体層の成膜
次いで、上記n型半導体層の表面にp型半導体層を以下のスパッタ法で成膜した。スパッタリングターゲットとしては、NiOターゲット、Al−12at%Li合金ターゲット、及びAlターゲットを用いた。NiOターゲットを必須とし、ドープのためにAl−12at%Li合金ターゲット及びAlターゲットを適宜用いた。ガス圧2mTorrでO分圧30%とし、成膜時の各ターゲットの放電電力を変化させることで、目的とする組成の薄膜を得た。成膜後サンプルは、結晶成長及び欠陥の除去を目的として、真空中300℃で1時間加熱させた。得られたp型半導体層の平均厚みは0.7μmであった。
(4)最後に、上記p型半導体層の表面に電極膜を形成した。
このようにして、p型半導体層におけるAl及び/又はLiの含有量が図1に示す量となる各光電変換素子を得た。なお、p型半導体層におけるAl及び/又はLiの含有量は、リガク社製 蛍光X線分析装置 ZSX−miniにより測定した値である。また、電極膜を形成する前に、各p型半導体層の抵抗を電極間隔5mm幅で測定した。測定結果を図1にあわせて示す。
また、成膜したn型半導体層(Bi膜)及びp型半導体層(NiOのみからなる膜)について表面電位を測定した。測定は、光電子収量分光装置(PYS−200)を用い、真空中(5.0E−4mbar)で、バイアス電圧10Vを印加して行った。測定値は以下のとおりであった。
Bi膜‥4.53eV
NiO膜 ‥4.80eV
[評価]
得られた光電変換素子に対して、透明基板側からナリカ社製ランプ D20−1269−11を用いて光照射を行い、光照射時の開放電圧を測定した。測定結果を図2に示す。
図2に示されるように、各光電変換素子は太陽電池として十分に機能することがわかる。特に、Al及び/又はLiの添加量が7at%以上50at%以下の場合が、開放電圧200mV以上と高い変換効率を有することが分かる。
[製造例1]
製造例1として、ガラス基板の表面に、上記実施例1の(2)の手順に沿って、成膜温度200℃にてBi膜を成膜した。
[製造例2]
成膜温度を300℃としたこと以外は製造例1と同様にして、製造例2のBi膜を成膜した。
[製造例3]
成膜温度を400℃としたこと以外は製造例1と同様にして、製造例3のBi膜を成膜した。
[評価]
得られた製造例1〜3各Bi膜の結晶粒径及び抵抗値を測定した。結晶粒径(平均結晶粒径)は、以下の方法にて測定した。各方位((020)面、(200)面、(120)面、(130)面、(310)面及び(211)面)の結晶性をリガク社製X線回折装置Smart labを用いて測定した。各方位の結晶粒径の平均値を(平均)結晶粒径とした。成膜温度と結晶粒径又は抵抗値とをプロットしたグラフを図4と図5にそれぞれ示す。また、結晶粒径と抵抗値との相関を図6に示す。
図6に示されるように、(平均)結晶粒径が100Å未満の場合は、急激に抵抗値が上昇することがわかる。また、図4及び図5に示されるようにこの(平均)結晶粒径及び抵抗値は、成膜温度に大きく依存することがわかる。
本発明の光電変換素子は、特定の毒性元素を用いることなく、比較的低コストで製造することができ、かつ十分な光電変換効率を備えるため、太陽電池等に有効に用いることができる。
1 光電変換素子
2 透明基板
3 透明電極膜
4 n型半導体層
5 p型半導体層
6 電極膜

Claims (6)

  1. n型半導体層とp型半導体層とを備える光電変換素子であって、
    上記n型半導体層がBiを含有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 上記p型半導体層が主成分としてNiOを含有する請求項1に記載に記載の光電変換素子。
  3. 上記p型半導体層がアルミニウム及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素をさらに含有する請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 上記p型半導体層における上記金属元素の含有量が7原子%以上50原子%以下である請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複数の光電変換素子を備える光電変換素子アレイ。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電変換素子又は請求項5に記載の光電変換素子アレイを備える太陽電池モジュール。
JP2012169684A 2012-07-31 2012-07-31 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール Expired - Fee Related JP5944262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012169684A JP5944262B2 (ja) 2012-07-31 2012-07-31 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012169684A JP5944262B2 (ja) 2012-07-31 2012-07-31 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014029925A true JP2014029925A (ja) 2014-02-13
JP5944262B2 JP5944262B2 (ja) 2016-07-05

Family

ID=50202316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012169684A Expired - Fee Related JP5944262B2 (ja) 2012-07-31 2012-07-31 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5944262B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000340809A (ja) * 1999-03-25 2000-12-08 Star Micronics Co Ltd 光電変換素子
JP2004119525A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Japan Science & Technology Corp 酸化物半導体pn接合デバイス
JP2005243379A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Kyocera Corp 光電変換装置
JP2007081231A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Sanyo Electric Co Ltd 酸化物半導体素子
US20080092946A1 (en) * 2006-10-24 2008-04-24 Applied Quantum Technology Llc Semiconductor Grain Microstructures for Photovoltaic Cells

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000340809A (ja) * 1999-03-25 2000-12-08 Star Micronics Co Ltd 光電変換素子
JP2004119525A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Japan Science & Technology Corp 酸化物半導体pn接合デバイス
JP2005243379A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Kyocera Corp 光電変換装置
JP2007081231A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Sanyo Electric Co Ltd 酸化物半導体素子
US20080092946A1 (en) * 2006-10-24 2008-04-24 Applied Quantum Technology Llc Semiconductor Grain Microstructures for Photovoltaic Cells

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015016248; H.Moreno-Garcia: '"Chemically deposited lead sulfide and bismuth sulfide thin films and Bi2S3/PbS solar cells"' Thin Solid Films Vol.519, No.7 (2011), pp.2287-2295 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5944262B2 (ja) 2016-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ravindiran et al. Status review and the future prospects of CZTS based solar cell–A novel approach on the device structure and material modeling for CZTS based photovoltaic device
JP6096790B2 (ja) 光電池のための導電性基材
JP5928612B2 (ja) 化合物半導体太陽電池
TW201203576A (en) Single junction CIGS/CIS solar module
KR101686663B1 (ko) 후면 전극형 박막 솔라셀과 그의 제조방법
TW201108425A (en) Solar cell and fabrication method thereof
JP6366914B2 (ja) 多接合型太陽電池
CN104143579A (zh) 一种锑基化合物薄膜太阳能电池及其制备方法
TW201342638A (zh) 太陽能電池
KR101848853B1 (ko) 반투명 cigs 태양전지 및 이의 제조방법 및 이를 구비하는 건물일체형 태양광 발전 모듈
US9224903B2 (en) Method for manufacturing photoelectric converter
JP2013529378A (ja) 太陽電池の製造方法
JP2014503125A (ja) 太陽電池及びその製造方法
KR101241708B1 (ko) 태양광 발전장치 및 이의 제조방법
JP5808716B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
JP5488436B2 (ja) 光電素子
JP5944262B2 (ja) 光電変換素子、光電変換素子アレイ及び太陽電池モジュール
JP5944261B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
KR101710936B1 (ko) 태양전지 및 그 제조방법
KR101485009B1 (ko) Cigs계 박막 태양 전지의 제조 방법 및 이에 따른 태양 전지
KR20190053687A (ko) 박막 태양전지 및 박막 태양전지의 제조방법
RU204768U1 (ru) Многослойный солнечный элемент на основе металлооксидов Cu2O, ZnO
Pal et al. Chalcogenide-Based 2D Nanomaterials for Solar Cells
JP5842991B2 (ja) 化合物半導体太陽電池
JP2014212216A (ja) 太陽光発電モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5944262

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees