JP2014029685A - カロリー及び炭水化物摂取量調整食器及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 調整食器10は、主食を盛り付ける主食盛付器12と、野菜類を盛り付ける野菜盛付器11と、主菜を盛り付ける第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14と、を備えており、80kcalを1単位として、すりきりで盛り付けた主食の量が1単位となるように主食盛付器12の容積を設定したうえで、野菜盛付器11の容積を該主食盛付器12の容積に比して2倍〜4倍となるように設定するとともに、第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の容積の合計を主食盛付器12の容積に比して1.5倍〜2倍となるように設定しておき、主食、野菜類及び主菜を各盛付器の内部にそれぞれ収まるように盛り付けることにより、カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量を略一定に維持する。
【選択図】図1
Description
糖尿病を例に挙げると、該糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病とがある。1型糖尿病は、自己免疫の異常が重要な要因の一つと考えられ、またインスリン注射がほぼ必須であることから、血糖値に係わる炭水化物の摂取量を重視し、その食事療法として炭水化物の摂取量を制限するカーボカウント法が普及している。これに対して2型糖尿病は、生活習慣等の環境因子や遺伝因子が要因と考えられ、その食事療法では、摂取カロリーの制限が重視される。
しかし、一般知識での糖尿病という括りにおいては、1型と2型とが明確に区別されているとは言い難い。例えばカーボカウント法を誤って解釈すると、白米等を食べずに炭水化物の摂取量を制限すれば血糖値は下がるので、2型であるにも係わらず摂取カロリーの制限はしなくてもよいから、幾ら肉を食してもよいという誤解を招いてしまう。他にも、血糖値を下げるには炭水化物を摂取しなければよいと誤解し、低血糖による体温低下、動悸、けいれん、昏睡等の症状を起こしてしまう場合もある。また他に、穀物の中でも特に米を主食とする日本の場合、カロリーの摂取量さえ制限するのであれば、そのカロリーの制限内において幾ら白米を食してもよいという誤解があり、炭水化物である白米を多量摂取することで、却って高血糖を招くという問題も生じている。
ところで、こうした食事療法では何故上記のような誤解が生じてしまうのかについて考察すると、上記食事療法は利用者にとって我慢あるいは苦痛を強いる方法であるからだと考えられる。すなわち、上記食事療法は、食事量の制限、食べられるものの制限等、数多くの制限を伴うものであり、またその制限の数とほぼ同じ数だけのストレスを利用者に与えるので、該利用者は少しでもストレスを減らそうと自己に都合の良い解釈をし、上記のような誤解を招くに至ると考えられる。従って、上記のような誤解を払拭することは非常に難しい。
また上記食事療法は、ただ一概にカロリーあるいは炭水化物の摂取量を制限すればよいというものではなく、カロリーあるいは炭水化物の摂取量を身長や体重に基づいて各個人に応じたものとする必要がある。しかし、カロリーあるいは炭水化物について、各個人に応じた1日の適正量になるように食物を選ぶことは一般的にはかなり面倒かつ煩雑で複雑なことになる。
そこで、上記のような生活習慣病の予防、あるいは生活習慣病の罹患者のために特許文献1では、1日におけるカロリーの摂取量を制限するべく、各個人用にカロリー調整や成分の調整された健康弁当をオーダーメイドで提供する方法が提案されている。また特許文献2には、肥満、糖尿病、高血圧症、高脂血症、拒食・過食症等の治療や健康管理のために、個人が日常摂取する食事の種類および量を、高い精度で計測するための計測評価用食器が提案されている。
さて、本願発明者は、各個人に応じたカロリーの適正な摂取量を分り易く具体的に表示するべく、熱量(カロリー)を80で割った単位を用いることで、各自が身長、健康状態に応じて適正な熱量の食物を摂れるようにするための身長別の適正摂取熱量単位表、1日適正熱量単位記入表および適正摂取熱量チェック方法を提案している(特許文献3)。こうした適正摂取熱量単位表や適正摂取熱量チェック方法を用いることは、各個人に応じた1日の適正摂取カロリーあるいは単位の食物を簡単に選ぶことが可能となり、また計測等のための複雑かつ取り扱いの難しい機器を使用する必要がないという利点を有する。但し、上記適正摂取熱量単位表や上記適正摂取熱量チェック方法を運用するに当たっては、単位量と実際の摂取量とが結びつきにくく、どのような食物をどれだけの量で摂取すればよいかを簡単に把握できるようにすることが要請されていた。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、カロリー及び炭水化物の摂取量を簡単に把握し、調整することができるカロリー及び炭水化物摂取量調整食器及びその使用方法を提供することにある。
L2×22×Xcal=C(kcal) (1)
(但し、22は標準BMIであり、Xcalは体重1kg当りの適正摂取熱量(kcal)である。)
80kcalを1単位として上記カロリー摂取量C(kcal)を換算して得た値(C/80)を1日分の摂取単位Uとし、また上記雑類は所定の単位に定めて、上記1日分の摂取単位Uから上記雑類の単位を引いた値を調整値U’とし、該調整値U’を三等分した値(U’/3)を、朝食、昼食及び夕食の食事毎の摂取単位uとして、盛り付けた主食、野菜類及び主菜の単位の合計値が上記食事毎の摂取単位u以下となるように、上記野菜盛付器と上記主菜盛付器の各容積の最大値を設定することを要旨とする。
本発明のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器(以下、単に「調整食器」とする)は、食事の主となる主食、野菜類、及び主菜について、それぞれを盛り付けるための主食盛付器、野菜盛付器、及び主菜盛付器の3種類の盛付器を備えている。そして3種類の盛付器のうち、炭水化物からなる主食を盛り付ける主食盛付器は、80kcalを1単位として、すりきりで盛り付けた主食の量が1単位となるように容積が設定されている。また野菜類を盛り付ける野菜盛付器の容積は、主食盛付器の容積に比して2倍〜4倍となるように設定され、さらに主菜を盛り付ける主菜盛付器の容積は、主食盛付器の容積に比して1.5倍〜2倍となるように設定されている。
つまり、上記調整食器にあっては、主食盛付器の容積で決まる主食の盛り付け量を基準として、野菜盛付器の容積と主菜盛付器の容積とを設定し、かつ野菜盛付器の容積と主菜盛付器の容積とに調整幅の猶予を持たせる工夫が為されている。このため、主食を主食盛付器に盛り付けるのみという簡単な作業で炭水化物の摂取量を定めることができ、また上記野菜類の盛付量及び上記主菜の盛付量のうち少なくとも何れか一方を調整することで、主食、野菜類及び主菜をバランス良く摂取することが出来る。さらに上記野菜類の盛付量及び上記主菜の盛付量を調整する場合、各盛付器から溢れ出してこぼれるまで野菜や主菜を盛り付けることは出来ないので、カロリー摂取量が過剰となることを抑制しつつ、該カロリー摂取量を調整することができる。
従って本発明の調整食器を使用した場合、主食、野菜類、及び主菜の3種類をそれぞれ盛付器の内部にそれぞれ収まるように盛り付けることのみで、食事における対象者のカロリー摂取量と、糖質を含む炭水化物摂取量を、簡単に把握しつつ、該対象者に適合した任意の量となるように容易に調整することができる。加えて上記調整食器は、カロリー摂取量の制限するものではなく、調整するものである。すなわち、食事量、特に炭水化物の制限によって対象者等に多大なストレスを与えるものではなく、上記したように野菜類及び主菜について、カロリー摂取量の調整のために過剰摂取を抑制しつつも盛り付ける量を調整できる猶予があり、その分、ストレスを緩和できるため、気軽かつ簡単に使用することができる。
また上記調整食器においては、野菜盛付器と主菜盛付器の各容積の最大値を、野菜類及び主菜の単位の合計値が食事毎の摂取単位u以下となるように設定することで、カロリー摂取量が過剰となることを確実に抑制することができる。
また主食盛付器は、白米50gを盛り付けることが出来る容積となるように設定することで、日本人の食生活に適合したものとすることができる。
また調整食器を複数の凹部を設けた1枚のプレートとすることで、該調整食器の取り扱い易くなり、さらに表示手段を設けることで、1枚のプレートとした場合でも何れの凹部に何を盛り付けたらよいか、容易に判別できる。
本発明の調整食器の使用方法においては、炭水化物制限期間と炭水化物制限緩和期間とを所定の期間経過毎に切り換え、炭水化物制限緩和期間は主食を野菜盛付器又は主菜盛付器に盛り付けることで、主食の摂取量を増しつつも、その摂取量が過剰にならないように抑えることができる。従って、炭水化物の制限によるストレスを緩和できるため、より気軽に、かつ簡単に、長い期間続けて使用することができる。
本発明のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器及びその使用方法によれば、カロリー及び炭水化物の摂取量を簡単に把握し、調整することができる。
〔カロリー及び炭水化物摂取量調整食器〕
図1に示すように、調整食器10は、複数の凹部を設けた1枚のプレートからなる。各凹部において最も大きい凹部は、野菜類盛付器11とされている。また他の凹部は、図1中で左手側より順番に、主食盛付器12、第1主菜盛付器13、第2主菜盛付器14とされている。また野菜類盛付器11、主食盛付器12、第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の内底面には、各凹部が何れの盛付器であるかを示す表示手段15が設けられている。また、本実施形態では表示手段15を「野菜」、「主食」、「主菜1」、「主菜2」の文字によって構成している。
食事においては、炭水化物からなるものを主食に分類し、野菜類はそのまま野菜類に分類し、また肉類、魚類、卵類及び大豆類を主菜に分類するものとする。また乳製品類(牛乳を含む)、果物類及び調味料類は雑類に分類するものとする。
そして、上記調整食器10は、主食盛付器12に主食を盛り付け、野菜類盛付器11に野菜類を盛り付け、第1主菜盛付器13又は第2主菜盛付器14の何れか一方、あるいは第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の両方に主菜を盛り付けて使用される。
なお上記表示手段15は、必ずしも文字によって構成することに限らず、例えば野菜であれば野菜のイラスト、主食であればご飯やパンや芋のイラスト、主菜1であればソーセージやハムや豚や牛や鳥のような肉を表すイラスト、主菜2であれば魚やかまぼこや卵や納豆のような魚や大豆製品を表すイラスト等としてもよく、このようなイラストとした場合には、より多くの利用者に対し、各凹部が何れの盛付器であるかを判別させやすくすることができる。
また上記調整食器は、必ずしも1枚のプレートからなるものに限定されず、野菜類盛付器、主食盛付器、主菜盛付器を各個別の皿状に成形する等して構成してもよい。但し、調整食器を1枚のプレートとした場合、持ち運びや保管等がしやすくなるという利点を有している。
上記調整食器10は、これを使用して食事をする者を対象者として、食事によるカロリー摂取量と糖質を含む炭水化物摂取量を、制限するのではなく該対象者に適合した任意の量となるように調整するためのものである。従って、上記野菜類盛付器11、上記主食盛付器12、上記第1主菜盛付器13及び上記第2主菜盛付器14は、カロリー摂取量と炭水化物摂取量を調整することができるように、それぞれの容積が設定されている。
上記主食盛付器12の容積は、80kcalを1単位として、すりきりで盛り付けた主食の量が1単位となるように設定される。該主食盛付器12の容積を設定するに当たり、日本における一般的な主食であるという観点から、該主食は白米とすることが好ましい。また主食を白米とした場合、1単位の白米は50gである。これ以降において主食盛付器12は、すりきりで白米50gを盛り付けることができる容積を有しているものとする。
上記野菜類については、それが有するカロリーよりも、不足しがちなビタミンやミネラルを摂取することを重視する。従って、野菜類盛付器11の容積は、上記主食盛付器12の容積に比して2倍〜4倍となるように設定される。容積が主食盛付器12の容積の2倍未満の場合、ビタミンやミネラルの摂取量が足りなくなり、栄養バランスが悪くなる。4倍を超える場合、野菜類の摂取量に比べて主食や主菜の摂取量が過小となるので、主食や主菜を過剰に食べたくなり、また該野菜類盛付器11には主食が盛り付けられる場合があるので、この場合に炭水化物が過剰摂取となってしまう。上記したように本実施形態の主食盛付器12の容積は50gであり、以降において野菜類盛付器11は、すりきりで野菜類200gを盛り付けることができる容積を有しているものとする。
上記主菜については、必要となる栄養素を適量で摂取しつつもカロリー摂取量が過剰とならず、またいたずらに食欲を煽らないようにすることを重視する。従って、第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の容積は合計値で、上記主食盛付器12の容積に比して1.5倍〜2倍となるように設定される。容積が主食盛付器12の容積の1.5倍未満の場合、必要となる栄養素を十分に摂取することができない。2倍を超える場合、カロリー摂取量が過剰となり、また主菜の量に応じて主食等をより多く食べたくなっていたずらに食欲を煽ることになり、さらにまた第1主菜盛付器13又は第2主菜盛付器14には主食が盛り付けられる場合があるので、この場合に炭水化物が過剰摂取となってしまう。
本実施形態における第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の容積は、次に示すようにして設定している。すなわち、第1主菜盛付器13及び第2主菜盛付器14の容積は、食べ過ぎとなってカロリー摂取量が過剰となることを防止する観点から、第1主菜盛付器13又は第2主菜盛付器14の何れか1箇所で1単位〜2単位程度の主菜を盛り付けることが出来る容積、つまり1回の食事で2単位〜4単位程度の主菜を摂取することが出来る容積とすることが望ましい。また後述する炭水化物制限緩和期間において、第1主菜盛付器13および/または第2主菜盛付器14には、主食である白米を盛り付ける場合があり、このような場合も炭水化物の過剰摂取を抑制する観点から、白米の盛り付け量がどれだけのものであるかを簡単に認識できるようにしておくことが望ましい。これら望ましい条件を満たすべく、本実施形態で第1主菜盛付器13と第2主菜盛付器14は、それぞれが上記主食盛付器12と同じサイズになるように設定されており、その結果、第1主菜盛付器13と第2主菜盛付器14は、すりきりでそれぞれに白米50gずつ、合計で100gを盛り付けることができる容積を有している。
(カロリー摂取量の計算)
上記調整食器10の使用に際し、対象者にとって適正な熱量(カロリー)摂取量に係る単位量は、後述する適正摂取熱量単位表を用いて求める。
上記適正摂取熱量単位表を作成するには、先ず身長L(m)に対して適正な1日分のカロリー摂取量Cを式(1)によって求める。
(式1)
L2×22×Xcal=C(kcal)
ここにL2×22は身長L(m)の人の適正体重である。Xcalは体重1kg当りの適正摂取熱量(kcal)であって、身体健康状態および活動量に応じて、あるいは医師や栄養士等との相談に応じて決められる係数であり、健康状態が正常である人の場合には30〜35、糖尿病や高脂血症等の人の場合にはその程度によって例えば20〜25の範囲の数値が与えられる。
例えば身長1.55mの健康状態が正常で生活習慣病の予防および改善を希望する人の場合には、1.55×1.55×22=52.85≒52.9kgが適正体重であり、そのための適正な1日分のカロリー摂取量Cは、52.9kg×30 kcal=1587kcalである。
即ち身長1.55mの人が生活習慣病の予防および改善のために、適正体重52.9kgとするには、1日分のカロリー摂取量を1587kcalに調整すればよい。
なお図2の表1では1日分のカロリー摂取量が「熱量(C)」として、下記の単位Uとの関係を分かりやすくするために、80kcal毎に左端列に記入されている。
次いで上記のようにして求めた1日分のカロリー摂取量C(kcal)を簡単に把握できるようにするために、80kcalを1単位として単位Uに換算する。
例えば上記身長1.55mの健康状態が正常で生活習慣病の予防および改善を希望する人の場合には、1587kcal÷80=19.8≒20単位が適正な1日分の摂取単位数である。
なお単位は、その算出時において小数点第1位を四捨五入し、整数とする。
上記のようにして適正な1日分の摂取単位数Uを求めた後は、該摂取単位数Uを後述するように栄養素配分に基づいて食品の種類毎に配分し、適正摂取熱量単位表を作成する。
図2に、全体の栄養素に対して炭水化物が40〜50%となる栄養素配分と、該栄養素配分における適正摂取熱量単位表を示す。また図3に、全体の栄養素に対して炭水化物が50〜60%となる栄養素配分と、該栄養素配分における適正摂取熱量単位表を示す。
なお図2及び図3では「単位(U)」として、上記「熱量(C)」に並べて左端列に記載されている。
図2及び図3に示す適正摂取熱量単位表中において、食品は、表1の穀類・芋類(グループ1とグループ2)、表2の果物類(グループ3)、表3の蛋白質類(グループ4)、表4の乳製品(グループ5)、表5の油脂類(グループ6)、表6の野菜類(グループ7)、その他の調味料・その他(グループ8)に分類される。
上記主食は、穀類(グループ1)に該当し、該主食には白米、パン、麺等が含まれる。芋類(グループ2)も穀類(グループ1)と同等のものとして取り扱う。
上記主菜は、たん白質類(グループ4)に該当し、該主菜には肉、魚、卵、大豆等が含まれる。
上記野菜類は、そのまま野菜類(グループ7)に該当し、該野菜類には一般的な野菜の他に、きのこ類や海藻類等も含まれる。
そして、穀類、たん白質類及び野菜類を除き、芋類(グループ2)、果物類(グループ3)、乳製品(グループ5)、油脂類(グループ6)及び調味料・その他(グループ8)は全て雑類に該当するものとする。
上記分類別単位は、献立て作成あるいは食物選択を簡単かつ容易にし、また炭水化物の過剰摂取を避けるために、穀類(グループ1)を除き、なるべく広い範囲の分類別単位で一定とする。
図2において、例えば芋類(グループ2)は、分類別単位として一定の1が与えられるが、該芋類(グループ2)は穀類(グループ1)の単位数の調整のために使用され、上記1日分の摂取単位数に応じ、例えば実際に食べた白米等といった穀類(グループ1)の単位数が摂取単位数に満たないときに芋類(グループ2)を摂取することや、パン粉、小麦お製品などの代用としても選択される。
果物類(グループ3)は、分類別単位として一定の1が与えられている。
たん白質類(グループ4)は、分類別単位として4〜9の整数が与えられ、上記1日分の摂取単位数に応じて適正値が選択される。
乳製品(グループ5)は、牛乳を含むものとし、分類別単位として一定の1.5が与えられている。
油脂類(グループ6)は、分類別単位として1.5〜3の整数が与えられ、上記1日分の摂取単位数に応じて適正値が選択される。但し、油脂類が2以上の単位数になる場合は、ナッツ類を利用することで必要な単位数を満たす。
野菜類(グループ7)は、分類別単位として一定の2が与えられ、上記1日分の摂取単位数に応じて適正値が選択される。
調味料・その他(グループ8)は、分類別単位として1〜1.5が与えられ、上記1日分の摂取単位数に応じて適正値が選択される。
なお上記グループ2からグループ8の分類別単位の範囲は、実際の量に合わせて所望に応じ、上限および/または下限で±1の範囲で変更してもよい。
上記した通り、80kcal=1単位であり、食品のグループ毎に分類別単位を割り当てることで、上記雑類の1日分の摂取単位は、(1)+1+1.5+(2〜4)+1.5=6〜9単位と定められる。
上記1日分の摂取単位Uから上記雑類の単位である6〜9単位を引いた値が、カロリー調整の対象となる調整値U’であり、(15〜30)−(6〜9)=9〜21単位となる。そして該調整値U’を三等分した値(U’/3)が朝食、昼食及び夕食の食事毎の摂取単位uであり、(9〜21)/3=3〜7単位である。
この摂取単位uのうち、例えば図2の表1を参照すると、主食は(3〜11)/3≒1〜4単位と定められており、残りの2〜4単位の範囲で野菜類と主菜の盛り付け量を調整する。
例えば上記の身長1.55mの健康状態が正常で生活習慣病の予防および改善を希望する人の場合、適正な1日分の摂取単位数Uは20単位であり、調整値U’は13〜14単位であり、食事毎の摂取単位uは(13〜14)/3≒5単位である。またこの例においては、摂取単位uのうち、表1を参照して主食は5単位と定められており、例えば、朝1、昼夕2単位のようにカウントしやすく、ほぼ均等に利用する。
残りが3単位であるが、図2の表3に示す通りに主菜の単位を6/3=2単位、図2の表6に示す通りに野菜類の単位を2/3≒1単位として利用する。
本実施形態の調整食器10においては、上記したように盛付器の容積を設定することにより、各盛付器にすりきりで食品を盛り付けた場合、主食が1単位、野菜が約2単位、主菜が上記第1主菜盛付器13又は上記第2主菜盛付器14の何れか一方のみで約1単位の合計約2単位となるように構成されている。従って、上記のような計算せずとも、各盛付器に食品を盛り付けるのみで、単位数を簡単に把握できる。
上記調整食器10の使用に際して、実際に献立てを作成したり、食物を選択したりするには、図2や図3に示した適正摂取熱量単位表に基づき、図4に示すような身長別1日適正摂取熱量単位記入表を作成することが望ましい。
この図4では、調整食器10での使用に合わせて、主食(グループ1)、主菜(グループ4)、野菜類(グループ7)のみを献立て作成あるいは食物選択の目安とする。
なお雑類の4〜7.5単位については、例えば献立て作成時に主菜や野菜類の単位が足りなかった場合等に、さらにカロリー摂取量を微調整するために摂取する等の目安とすることが望ましい。
そして図2〜図4を使用して各自の分類別単位をチェックし、主食(グループ1)と主菜(グループ4)と野菜類(グループ7)とを朝、昼、夕に振り分けて、献立てを作成あるいは食物を選択する。
各身長別に図4を使用して決定したメニュー(献立て)の展開例を図5に示す。
上記メニューにおいて、果物類は1単位(バナナ小1本またはリンゴ1/2)、乳製品は1.5単位(牛乳200ccまたはプレーンヨーグルト200gまたはチーズ1ピース)は各メニューにおいて共通して各自適宜摂取するものとする。そして、上記のようなメニューを作成することで、白米(主食)、野菜類、主菜を上記調整食器10にどれだけ盛り付ければよいか把握しやすくなる。
上記炭水化物制限期間は、上記したように主食盛付器12に主食をすり切りで丁度収まるように盛り付けたうえで、野菜盛付器11に野菜類を溢れないような任意の量で盛り付けるとともに、第1主菜盛付器13および/または第2主菜盛付器14に主菜を溢れないような任意の量で盛り付ける。この炭水化物制限期間は、カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量の上限を略一定に制限することを目的とし、結果として血糖値の改善、肥満度の低下等を期待できる。
一方、上記炭水化物制限緩和期間は、野菜盛付器11あるいは第1主菜盛付器13および/または第2主菜盛付器14に主食を任意の量で盛り付け、また該主食を盛り付けた盛付器を除いた主食盛付器12、野菜盛付器11、あるいは第1主菜盛付器13および/または第2主菜盛付器14に野菜類と主菜を任意の量で盛り付ける。この炭水化物制限緩和期間は、カロリー摂取量を過剰とならないように調整しつつ、炭水化物の摂取量の制限を緩和することを目的とし、結果として利用者に与えるストレスの緩和を期待できるが、上記したように野菜盛付器11あるいは第1主菜盛付器13および/または第2主菜盛付器14についても、容積の上限が定めてあるため、炭水化物の過剰摂取を防止しつつ、該炭水化物の摂取量を調整することができる。
上記のようにして調整食器10を使用したカロリー摂取量の調整と、炭水化物の摂取量の調整は、「簡単カーボコントロール法」と称する。
11 野菜盛付器
12 主食盛付器
13 第1主菜盛付器
14 第2主菜盛付器
15 表示手段
Claims (5)
- 食事における対象者のカロリー摂取量と、糖質を含む炭水化物摂取量が、該対象者に適合した任意の量となるように調整するためのカロリー及び炭水化物摂取量調整用食器であって、
上記食事のうち、炭水化物からなるものは主食に分類し、野菜類はそのまま野菜類に分類し、また肉類、魚類、卵類及び大豆類は主菜に分類し、さらに芋類、果物類、乳製品(牛乳を含む)、油脂類及び調味料類を雑類に分類するものとして、
上記主食を盛り付ける主食盛付器と、上記野菜類を盛り付ける野菜盛付器と、上記主菜を盛り付ける主菜盛付器と、を少なくとも備えており、
80kcalを1単位として、すりきりで盛り付けた主食の量が1単位となるように上記主食盛付器の容積を設定したうえで、上記野菜盛付器の容積を該主食盛付器の容積に比して2倍〜4倍となるように設定するとともに、上記主菜盛付器の容積を該主食盛付器の容積に比して1.5倍〜2倍となるように設定しておき、
上記主食、上記野菜類及び上記主菜を、上記主食盛付器、上記野菜盛付器及び上記主菜盛付器の内部にそれぞれ収まるように盛り付けつつ、上記野菜類の盛付量及び上記主菜の盛付量のうち少なくとも何れか一方を適宜調整することにより、
カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量を略一定に維持するように構成した
ことを特徴とするカロリー及び炭水化物摂取量調整食器。 - 上記対象者に適合したカロリー摂取量として、対象者の身長L(m)に基づいて下記式(1)で算出された1日分のカロリー摂取量C(kcal)を用いるものとして、
L2×22×Xcal=C(kcal) (1)
(但し、22は標準BMIであり、Xcalは体重1kg当りの適正摂取熱量(kcal)である。)
80kcalを1単位として上記カロリー摂取量C(kcal)を換算して得た値(C/80)を1日分の摂取単位Uとし、また上記雑類は所定の単位に定めて、
上記1日分の摂取単位Uから上記雑類の単位を引いた値を調整値U’とし、該調整値U’を三等分した値(U’/3)を、朝食、昼食及び夕食の食事毎の摂取単位uとして、
盛り付けた主食、野菜類及び主菜の単位の合計値が上記食事毎の摂取単位u以下となるように、上記野菜盛付器と上記主菜盛付器の各容積の最大値を設定する
請求項1に記載のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器。 - 上記主食盛付器は、上記主食として白米を盛り付けるものとし、該白米をすりきりで丁度収まるように盛り付けた状態で、該白米50gを盛り付けることが出来る容積となるように設定されている
請求項1又は請求項2に記載のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器。 - 複数の凹部を設けた1枚のプレートからなり、各凹部をそれぞれ主食盛付器、野菜類盛付器及び主菜盛付器として構成するとともに、
各凹部が主食盛付器、野菜類盛付器又は主菜盛付器の何れであるかを示す表示手段を設けた
請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器。 - 請求項1から請求項4に記載のカロリー及び炭水化物摂取量調整食器の使用方法であって、
炭水化物制限期間は、主食盛付器に主食をすり切りで丁度収まるように盛り付けたうえで、野菜盛付器に野菜類を溢れないような任意の量で盛り付けるとともに、主菜盛付器に主菜を溢れないような任意の量で盛り付けることで、カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量の上限を略一定に制限することとし、
炭水化物制限緩和期間は、野菜盛付器又は主菜盛付器に主食を任意の量で盛り付けるとともに、該主食を盛り付けた盛付器を除いた主食盛付器、野菜盛付器又は主菜盛付器に野菜類と主菜を任意の量で盛り付けることで、カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量の制限を緩和することとし、
上記炭水化物制限期間と、上記炭水化物制限緩和期間とを、所定の期間経過毎に切り換えることで、カロリー摂取量を調整しつつ、炭水化物の摂取量を調整する
ことを特徴とするカロリー及び炭水化物摂取量調整食器の使用方法。
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