JP2014029164A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力側回転部材の回転を制動できるにもかかわらず、小型で安価な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】入力部材38と、動力が入力部材38から係合機構46を介して伝達される出力部材23と、小径ボス部9を有する固定部材6とを備える。係合機構46は、入力部材38と出力部材23とのうち少なくともいずれか一方の部材に形成された係合溝26,33と、他方に設けられた係合用突起27,32と、係合用突起を係合溝の側壁26aとの間に設けられた復帰ばね43と、前記入力部材38に一端部が係止されるとともに前記出力部材23に他端部が係止されたコイルスプリング24とによって構成される。コイルスプリング24の一端部側は、小径ボス部9に嵌合し、コイルスプリング24の他端部側は、出力部材23の小径ボス部21aに嵌合する。コイルスプリング24の巻き方向は、入力部材38が出力部材23に対して復帰ばね43により付勢される方向とは逆方向に回ることによって拡径する方向である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正転および逆転の両方向の回転力を入力側の回転部材から出力側の回転部材に伝達する動力伝達装置に関するものである。
従来のこの種の動力伝達装置としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示された動力伝達装置は、入力側の回転部材(以下、単に入力部材という)と出力側の回転部材(以下、単に出力部材という)との間にコイルスプリングが介在する構造が採られている。前記入力部材は、円板状の歯車によって形成されている。この入力部材の両端部には、円弧状の凹部がそれぞれ形成されている。
前記出力部材は、前記入力部材の軸心部を貫通する軸によって構成されている。この出力部材は、前記入力部材の軸心部に形成された貫通孔の中に遊嵌状態で挿入されている。前記コイルスプリングは、前記出力部材が嵌合する状態で前記貫通孔の中に挿入されている。コイルスプリングの一端部は、前記入力部材の一方の円弧状の凹部の中に挿入されている。コイルスプリングの他端部は、前記入力部材の他方の円弧状の凹部の中に挿入されている。
この従来の動力伝達装置において、入力部材が正転方向に回転するときは、一方の円弧状の凹部の端面がコイルスプリングの一端部を押し、コイルスプリングの内周部と出力部材との間の摩擦係合力によって入力部材の正転方向の回転力が出力部材に伝達される。入力部材が逆転方向に回転するときは、他方の円弧状の凹部の端面がコイルスプリングの他端部を押し、コイルスプリングの内周部と出力部材との間の摩擦係合力によって入力部材の逆転方向の回転力が出力部材に伝達される。
特開平4−282031号公報
上述したように構成された従来の動力伝達装置では、入力部材が停止している状態で出力部材が回転すると、入力部材も回ってしまうという問題があった。この理由は、出力部材の外周面とコイルスプリングの内周部との間の摩擦係合力によって、出力部材からコイルスプリングを介して入力部材に回転力が伝達されるからである。すなわち、この従来の動力伝達装置は、出力側からの入力を制動することはできないものである。
このような不具合は、摩擦式電磁ブレーキなどの制動装置を組込むことによって解消することができる。しかし、摩擦式電磁ブレーキは高価であり、しかも摩擦式電磁ブレーキが装備されることにより装置が大型化してしまうから、この種の制動装置を装備させると小型で安価な動力伝達装置を提供することはできない。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、出力部材の回転を制動できるにもかかわらず、小型で安価な動力伝達装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る動力伝達装置は、動力が伝達されて回転する入力部材と、前記入力部材と同一軸線上に位置付けられ、前記動力が前記入力部材から係合機構を介して伝達されて回転する出力部材と、前記入力部材および出力部材と同一軸線上に位置する円筒状の第1の軸部を有する固定部材とを備え、前記係合機構は、前記入力部材と前記出力部材とのうち少なくともいずれか一方の部材に前記両部材の回転方向へ延びるように形成された係合溝と、前記入力部材と前記出力部材とのうち少なくともいずれか他方の部材に設けられて前記係合溝の中に予め定めた角度だけ前記回転方向へ移動可能に挿入された係合用突起と、前記係合溝の一方の側壁と前記係合用突起との間に設けられて前記係合用突起を前記係合溝の他方の側壁に押し付ける復帰ばねと、前記入力部材に一端部が係止されるとともに前記出力部材に他端部が係止されたコイルスプリングとによって構成され、前記コイルスプリングの一端部側は、前記第1の軸部に嵌合し、このコイルスプリングの他端部側は、前記出力部材に前記第1の軸部と同一軸線上に位置するように設けられた第2の軸部に嵌合し、前記コイルスプリングの巻き方向は、前記入力部材が前記出力部材に対して前記復帰ばねにより付勢される方向とは逆方向に回ることによって拡径する方向であることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記出力部材は、前記第1、第2の軸部を貫通する出力軸部材を有し、前記出力軸部材の一端部は、前記固定部材に軸受によって回転自在に支持され、前記入力部材は、前記出力軸部材の他端部に回転自在に支持されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記入力部材および前記出力部材は、円板状の本体と、この本体の外周部分に設けられた前記係合溝および係合用突起とをそれぞれを有し、前記入力部材の本体と、前記出力部材の本体と、前記第1の軸部とは、この順序で軸線方向に並べられ、前記コイルスプリングの前記一端部は、前記入力部材の係合用突起から軸線方向に延びる延長部材に係止されていることを特徴とする。
本発明において、入力部材に前記復帰ばねによって付勢される方向へ回転力が加えられると、この回転力は、係合溝と係合用突起とを介して出力部材に伝達される。この場合は、コイルスプリングの他端部側が拡径する方向に捩られる。
この結果、入力部材が復帰ばねにより付勢される方向へ回転することによって、コイルスプリングが拡径してコイルスプリングと固定部材の第1の軸部との摩擦が減少するので、入力部材と出力部材とが一体に上記方向に回転する。
前記入力部材に前記復帰ばねによって付勢される方向とは逆方向に回転力が加えられた場合は、入力部材が復帰ばねのばね力に抗して出力部材に対して前記逆方向へ回る。この場合は、コイルスプリングの他端部側に回転力が伝達されない状態において、コイルスプリングが拡径する方向にコイルスプリングの一端部が捩られる。このため、前記第1の軸部とコイルスプリングとの間の隙間が拡がることになり、これら両部材の間の摩擦が減少する。この場合は、制動が解除された状態で入力部材と、コイルスプリングおよび出力部材とが一体に前記逆方向に回転する。
一方、前記出力部材に前記復帰ばねによって付勢される方向へ回転力(逆入力)が加えられた場合は、前記コイルスプリングの他端部側が縮径方向に捩られ、コイルスプリングの一端部が拡径方向に捩られる。この結果、出力部材が復帰ばねによって付勢される方向に回転することによって、コイルスプリングが固定部材の第1の軸部に巻き締められるようになる(制動される)。すなわち、出力部材の回転は、コイルスプリングによって制動され、入力部材に伝達されることはない。
したがって、本発明によれば、摩擦式電磁ブレーキなどの制動装置を装備することなく、出力部材側から入力部材側へ回転力が伝達されることを防ぐことができる。このため、本発明によれば、出力部材の回転を制動できるにもかかわらず、小型で安価な動力伝達装置を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置の断面図で、同図は、図2におけるI−I線断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の要部の軸線方向から見た側面図である。 正転時の動作を説明するための図で、同図(A)は側面図、同図(B)は(A)図におけるD−D線断面図である。 逆転時の動作を説明するための図で、同図(A)は側面図、同図(B)は(A)図におけるD−D線断面図である。 出力部材に回転力が加えられたときの動作を説明するための図で、同図(A)は側面図、同図(B)は(A)図におけるD−D線断面図である。 要部の概略の構成を示す分解斜視図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置の一実施の形態を図1〜図6によって詳細に説明する。
図1に示す動力伝達装置1は、同図において右側の端部に位置する固定ハウジング2を有しており、この固定ハウジング2を介して図示していない被取付用基台などに支持されるものである。
固定ハウジング2には、開口形状が円形の軸孔3が穿設されているとともに、固定ハブ4が固定用ボルト5によって取付けられている。前記固定ハウジング2と固定ハブ4とは、本発明でいう固定部材6を構成している。
前記固定ハブ4は、前記軸孔3と内径が等しい貫通孔7を有する円筒状に形成されている。前記貫通孔7は、前記軸孔3と同一軸線上に位置付けられている。
前記固定ハブ4の外周部には、大径ボス部8と小径ボス部9とが前記貫通孔7と同一軸線上に位置するように形成されている。この実施の形態においては、前記小径ボス部9によって、本発明でいう「第1の軸部」が構成されている。
前記小径ボス部9は、前記大径ボス部8の軸心部分から固定ハウジング2とは反対側へ突出している。この明細書においては、小径ボス部9が大径ボス部8から突出する方向であって、図1において左側を前側といい、図1において左側を指向する方向を前方という。また、図1において右側を後側といい、図1において右側を指向する方向を後方という。
前記固定ハブ4の貫通孔7と前記固定ハウジング2の軸孔3の内部には、軸受10を介して円筒状のスリーブシャフト11が回転自在に設けられている。この実施の形態においては、このスリーブシャフト11によって、請求項2記載の発明でいう「出力軸部材」が構成されている。スリーブシャフト11の後端部は、前記軸受10によって前記固定ハウジング2および固定ハブ4(固定部材6)に回転自在に支持されている。また、スリーブシャフト11の後端部には、軸受10が後方に外れることを規制するためのストッパー12が設けられている。スリーブシャフト11の内部には、出力軸13が嵌合している。
出力軸13は、スリーブシャフト11を貫通しており、スリーブシャフト11の前端部にピン14によって一体に回転するように連結されている。前記ピン14は、出力軸13を径方向に貫通している。このピン14の両端部は、スリーブシャフト11の前端部に形成された切り欠き11aに係合している。切り欠き11aは、前方に向けて開口している。スリーブシャフト11の後端部は、出力軸13に固定されたストッパー15に当接している。ストッパー15は、出力軸13に対するスリーブシャフト11の後方への移動を規制している。
スリーブシャフト11の軸線方向の中央部には、出力ハブ21と連結部材22とが一体に回転するように設けられている。前記スリーブシャフト11と、前記出力ハブ21と、前記連結部材22とは、一体に回転する出力部材23を構成している。
前記出力ハブ21は、円板状に形成され、スリーブシャフト11が貫通する状態でスリーブシャフト11に例えば溶接によって固定されている。出力ハブ21は、前記固定ハブ4と隣り合う位置に位置付けられている。この出力ハブ21には、前記固定ハブ4と隣り合う小径ボス部21aと、この小径ボス部21aより外径が大きい大径ボス部21bとが形成されている。小径ボス部21aの外径は、前記固定ハブ4の小径ボス部9と等しくなるように形成されている。この実施の形態においては、前記小径ボス部21aによって、本発明でいう「第2の軸部」が構成されている。
この小径ボス部21aと、前記固定ハブ4の小径ボス部9とには、一つのコイルスプリング24が嵌合している。このコイルスプリング24の内径寸法は、前記小径ボス部9および小径ボス部21aの外径寸法より小さくなるように形成されている。このコイルスプリング24は、図6に示すように、前方から見て左巻きとなるように形成されている。コイルスプリング24の後側の端部には、後側フック24aが設けられ、コイルスプリング24の前側の端部には、前側フック24bが設けられている。
前記後側フック24aは、コイルスプリング24の後端部(一端部)を径方向の外側へ延びるように折り曲げることによって形成されている。前記前側フック24bは、コイルスプリング24の前端部(他端部)を前方に延びるように折り曲げることによって形成されている。
このコイルスプリング24の後側半部(一端部側)は、前記固定ハブ4の小径ボス部9に嵌合している。コイルスプリング24の前側半部(他端部側)は、前側フック24bが出力ハブ21の溝21cに圧入固定ではなく緩く挿入された状態で出力ハブ21の小径ボス部21aに嵌合している。前記溝21cは、前側フック24bが出力ハブ21に対して周方向へ移動することができないように形成されている。すなわち、コイルスプリング24の前端部は、出力ハブ21と、スリーブシャフト11と、前記出力軸13および後述する連結部材22と一体に回転する。
前記連結部材22は、図6に示すように、円板状の本体25と、この本体25の外周部分に周方向に並ぶ状態で設けられた係合溝26および係合用突起27とを有している。前記本体25は、前記スリーブシャフト11が貫通する状態で固定用ボルト28(図1参照)によってスリーブシャフト11に固定されている。前記本体25は、前記スリーブシャフト11と同一軸線上に位置付けられている。前記固定用ボルト28は、前記係合溝26の底から径方向の内側に延びて先端がスリーブシャフト11を押すように前記本体25にねじ込まれている。
前記係合用突起27は、図2に示すように、前記本体25の外周部を周方向に3等分する位置に設けられている。この実施の形態による係合用突起27は、前方から見て扇状に形成されている。この係合用突起27は、前記本体25から前方に所定の長さだけ突出するように形成されており、前記本体25の外周部と協働して断面L字状の第1の係合部29を構成している。
前記係合溝26は、これらの係合用突起27どうしの間に、本体の周方向(連結部材22の回転方向)へ延びるように形成されている。この実施の形態による係合溝26は、周方向において係合用突起27と係合用突起27との間の全域に形成されている。
前記係合溝26には、図1に示すように、後述する入力ハブ31の係合用突起32が前方から挿入されている。また、前記連結部材22の係合用突起27は、後述する入力ハブ31の係合溝33に後方から挿入されている。この係合用突起27における前記本体25の周方向の長さは、入力ハブ31の係合溝33の中で予め定めた角度θ(図2参照)だけ前記周方向(連結部材22の回転方向)へ移動可能となるように形成されている。
入力ハブ31は、円板状の本体34と、この本体34の外周部分に周方向に並ぶ状態で設けられた係合用突起32および係合溝33とを有している。前記本体34の前端部には、入力用の歯車35が複数の固定用ボルト36によって固定されている。この本体34と前記歯車35は、それぞれスリーブシャフト11が貫通する状態でスリーブシャフト11に回転自在に支持されている。また、前記本体34と前記歯車35は、スリーブシャフト11と同一軸線上に位置付けられている。歯車35は、スリーブシャフト11の前端部に固定されたストッパー37によって、スリーブシャフト11に対する前方への移動が規制されている。この実施の形態においては、前記入力ハブ31と、前記歯車35とによって入力部材38が構成されている。
入力ハブ31の前記係合用突起32は、図2に示すように、前記本体34の外周部を周方向に3等分する位置に設けられている。この実施の形態による係合用突起32は、後方から見て扇状に形成されている。係合用突起32における前記本体34の周方向の長さは、前記連結部材22の係合溝26の中で予め定めた角度だけ周方向(入力ハブ31の回転方向)へ移動可能となるように形成されている。
この係合用突起32は、前記連結部材22の係合溝26より後方に突出する長さに形成されており、前記本体34の外周部と協働して断面L字状の第2の係合部39を構成している。前記係合溝33は、これらの複数の係合用突起32どうしの間に形成されている。この実施の形態による係合溝33は、周方向において係合用突起32と係合用突起32との間の全域に形成されている。
この係合用突起32の先端部(後端部)には、請求項3記載の発明でいう「延長部材」としての制御カラー41が連結用ピン42を介して取付けられている。この制御カラー41が前記係合用突起32に取り付けられることによって、係合用突起32の実質的な後端が後方に延長される。この実施の形態による制御カラー41は、前記コイルスプリング24を内部に収容可能な円筒状に形成されている。
この制御カラー41の後端部は、図1に示すように、固定ハブ4の大径ボス部8に回転自在に支持されている。また、制御カラー41の後端部には、前記コイルスプリング24の後側フック24aが圧入固定ではなく緩く挿入される溝41aが形成されている。この溝41aは、後側フック24aが制御カラー41に対して周方向へ移動することができないように形成されている。すなわち、コイルスプリング24の後端部は、制御カラー41と、入力ハブ31および歯車35と一体に回転する。
前記連結部材22に形成された係合溝26の一方の側壁26a(図2参照)と、入力部材38の係合用突起32との間には、図2に示すように、圧縮コイルばねからなる復帰ばね43が装着されている。係合溝26の前記一方の側壁26aには、非貫通穴からなる穴44が形成されている。復帰ばね43の一端部は、この穴44の中に挿入されている。前記係合用突起32における前記一方の側壁26aと対向する部位には、非貫通穴からなる穴45が形成されている。復帰ばね43の他端部は、この穴45の中に挿入されている。
復帰ばね43は、予め定めた量だけ圧縮させられた状態で前記穴44,45の中に挿入されている。このため、前記入力部材38は、歯車35に動力が伝達されていない初期状態において、前記復帰ばね43のばね力によって付勢され、前方から見て連結部材22に対して反時計方向に付勢されて係合溝26の他方の側壁26bに押し付けられる。以下においては、入力部材38が前記復帰ばね43のばね力によって付勢される回転方向を正転方向という。また、入力部材38が復帰ばね43のばね力に抗して連結部材22に対して回転する方向を逆転方向という。
この実施の形態においては、前記復帰ばね43と、入力部材38の係合用突起32および係合溝33と、出力部材23の係合溝26および係合用突起27と、前記コイルスプリング24とによって、係合機構46が構成されている。
次に、上述したように構成された動力伝達装置1の動作を図3〜図5によって詳細に説明する。
先ず、初期状態にある動力伝達装置1の歯車35に正転方向へ回転力が加えられた場合の動作を図3(A),(B)によって説明する。
初期状態において、入力ハブ31の第2の係合部39は、図3(A)に示すように、復帰ばね43のばね力によって連結部材22の第1の係合部29に押し付けられている。この初期状態で歯車35が正転方向{復帰ばね43によって付勢される方向であって、図3(A)においては矢印A方向}に回転させられると、歯車35に加えられた回転力は、歯車35から入力ハブ31の第2の係合部39に伝達される。
前記第2の係合部39に伝達された回転力は、コイルスプリング24における出力ハブ21に嵌合している前側半部の全域に伝達される。このとき、コイルスプリング24の前側半部は、この前側半部の内周面全体と出力ハブ21の小径ボス部21aの外周面全体との摩擦により、コイルスプリング24が拡径する方向に捩られる。すなわち、コイルスプリング24の前側フック24bと後側フック24aは、出力ハブ21の溝21cと制御カラー41の溝41aに緩く挿入された状態で係合されている。その為、コイルスプリング24の後側フック24aが、コイルスプリング24が縮径する方向に多少捩られるが、コイルスプリング24の前側半部から後側半部にかけて拡径するので、コイルスプリング24の後側半部と固定ハブ4の小径ボス部9との摩擦が減少する。
この結果、歯車35が正転方向に回転することによって、図3(B)に示すように、コイルスプリング24が拡径してコイルスプリング24の摩擦による制動が解除され、入力部材38と出力部材23とが一体に正転方向に回転する。この実施の形態においては、初期状態で入力ハブ31の係合用突起32が復帰ばね43のばね力によって出力部材23(連結部材22)に押し付けられているから、出力部材23が応答性よく正転方向に回転する。
次に、初期状態にある動力伝達装置1の歯車35に逆転方向へ回転力が加えられた場合の動作を図4(A),(B)によって説明する。
歯車35が逆転方向{復帰ばね43によって付勢される方向とは逆方向であって、図4(A)においては矢印B方向}に回転させられると、入力ハブ31と連結部材22との間に設けられている復帰ばね43が圧縮させられる。このため、入力部材38が復帰ばね43のばね力に抗して出力部材23に対して前記逆転方向へ回る。
この場合は、コイルスプリング24の前側半部が捩られることはなく、コイルスプリング24の後端部が拡径方向に捩られる。このため、図4(B)に示すように、コイルスプリング24と前記小径ボス部9との間の隙間が拡がって制動が解除される。そして、入力ハブ31が更に回転することにより入力ハブ31の第2の係合部39が連結部材22の第1の係合部29に当接し、出力部材23が入力部材38と一体に前記逆転方向へ回転する。歯車35に加えられていた逆転方向への回転力が絶たれると、入力ハブ31が復帰ばね43のばね力によって押され、初期状態の位置に戻る。
さらに、前記出力軸13に前記逆転方向へ回転力が加えられた場合の動作を図5(A),(B)によって説明する。
出力軸13に逆転方向への回転力(逆入力)が加えられた場合は、前記コイルスプリング24の前側半部が縮径方向に捩られる。この結果、出力軸13に前記逆転方向へ回転力が加えられたときは、コイルスプリング24の後側半部が固定ハブ4の小径ボス部9に巻き締められ、制動されるようになる。すなわち、出力軸13の回転は、コイルスプリング24によって制動され、入力部材38に伝達されることはない。
したがって、この実施の形態によれば、摩擦式電磁ブレーキなどの制動装置を装備することなく、出力部材23側から入力部材38側へ回転力が伝達されることを防ぐことができる。このため、この実施の形態によれば、出力部材23の回転を制動できるにもかかわらず、小型で安価な動力伝達装置を提供することができる。
この実施の形態による前記出力部材23は、前記小径ボス部9(第1の軸部)と出力ハブ21(第2の軸部)を貫通するスリーブシャフト11(出力軸13部材)を有している。スリーブシャフト11の後端部は、前記固定ハウジング2と固定ハブ4とに軸受10によって回転自在に支持されている。前記入力部材38は、前記スリーブシャフト11の前端部に回転自在に支持されている。
すなわち、この実施の形態によれば、入力部材38が出力部材23を介して固定ハウジング2および固定ハブ4に回転自在に支持される。このため、専ら入力部材38を出力部材23に対して回転自在に支持するための支軸(図示せず)を用いる場合と較べると、動力伝達装置1をコンパクトに形成することができる。
この実施の形態による前記入力部材38および前記出力部材23は、円板状の本体25,34と、この本体の外周部分に周方向に並ぶ状態で設けられた前記係合溝26,33および係合用突起27,32とをそれぞれ有している。前記入力部材38側の本体34と、前記出力部材23側の本体25と、前記固定ハブ4の小径ボス部9とは、この順序で軸線方向に並べられている。前記コイルスプリング24の後端部は、前記入力部材38の係合用突起32から軸線方向に延びる制御カラー41(延長部材)に係止されている。
このため、前記二つの本体25と本体34とが隣り合うようになるから、入力部材38と出力部材23との間の動力伝達経路を可及的短く形成することができる。また、入力部材38の係合用突起32が出力部材23の係合用突起27を押して動力が伝達されるようになるから、動力を伝達する部分の面積を広く形成することができる。
したがって、この実施の形態によれば、小型化が図られているにもかかわらず、大きなトルクを伝達可能な動力伝達装置を提供することができる。
上述した実施の形態においては、係合用突起と係合溝とが入力部材38と出力部材23との両方にそれぞれ設けられている動力伝達装置1を示した。しかし、本発明は、このような限定にとらわれることはない。すなわち、例えば入力部材38に係合用突起32のみを設けるとともに、出力部材23に係合溝26のみを設けたり、入力部材38に係合溝33のみを設けるとともに出力部材23に係合用突起27のみを設ける構成を採ることができる。
また、この実施の形態による入力ハブ31の係合用突起32と制御カラー41は、別体に形成しなくてもよく、一体に形成することができる。さらに、この実施の形態による連結部材22と出力ハブ21は、別体に形成しなくてもよく、一体に形成することができる。
1…動力伝達装置、2…固定ハウジング、4…固定ハブ、9…小径ボス部、10…軸受、11…スリーブシャフト、13…出力軸、21…出力ハブ、21a…小径ボス部、22…連結部材、23…出力部材、24…コイルスプリング、25,34…本体、26,33…係合溝、26a…一方の側壁、26b…他方の側壁、27,32…係合用突起、31…入力ハブ、35…歯車、38…入力部材、41…制御カラー、43…復帰ばね、46…係合機構。

Claims (3)

  1. 動力が伝達されて回転する入力部材と、
    前記入力部材と同一軸線上に位置付けられ、前記動力が前記入力部材から係合機構を介して伝達されて回転する出力部材と、
    前記入力部材および前記出力部材と同一軸線上に位置する円筒状の第1の軸部を有する固定部材とを備え、
    前記係合機構は、前記入力部材と前記出力部材とのうち少なくともいずれか一方の部材に前記両部材の回転方向へ延びるように形成された係合溝と、
    前記入力部材と前記出力部材とのうち少なくともいずれか他方の部材に設けられて前記係合溝の中に予め定めた角度だけ前記回転方向へ移動可能に挿入された係合用突起と、
    前記係合溝の一方の側壁と前記係合用突起との間に設けられて前記係合用突起を前記係合溝の他方の側壁に押し付ける復帰ばねと、
    前記入力部材に一端部が係止されるとともに前記出力部材に他端部が係止されたコイルスプリングとによって構成され、
    前記コイルスプリングの前記一端部側は、前記第1の軸部に嵌合し、このコイルスプリングの他端部側は、前記出力部材に前記第1の軸部と同一軸線上に位置するように設けられた第2の軸部に嵌合し、
    前記コイルスプリングの巻き方向は、前記入力部材が前記出力部材に対して前記復帰ばねにより付勢される方向とは逆方向に回ることによって拡径する方向であることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置において、前記出力部材は、前記第1、第2の軸部を貫通する出力軸部材を有し、
    前記出力軸部材の一端部は、前記固定部材に軸受によって回転自在に支持され、
    前記入力部材は、前記出力軸部材の他端部に回転自在に支持されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の動力伝達装置において、
    前記入力部材および前記出力部材は、円板状の本体と、この本体の外周部分に周方向に並ぶ状態で設けられた前記係合溝および係合用突起とをそれぞれを有し、
    前記入力部材の本体と、前記出力部材の本体と、前記第1の軸部とは、この順序で軸線方向に並べられ、
    前記コイルスプリングの前記一端部は、前記入力部材の係合用突起から軸線方向に延びる延長部材に係止されていることを特徴とする動力伝達装置。
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