JP2014028538A - 自動車の荷室構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リヤフロア上に載置され、その上面部が平面状である樹脂発泡体から成るかさ上げ部材41と、かさ上げ部材41の上面部41aに合致して配置され上下のシート体46,47で周期的形状を有する縦壁部材45を挟んで一体に成型された樹脂ボード42とを含み、かさ上げ部材41の上面部41aに上方開口した直線状の細溝部41hが形成され、樹脂ボード42が下向きに折曲された端部42aを有し、端部42aが細溝部41hに差し込まれて樹脂ボード42とかさ上げ部材41とが係合され、樹脂ボード42の上面部が荷室21底面部を成すことを特徴とする。
【選択図】図10
Description
一方で、ワゴン型自動車では、後席シートバックを前方へ倒伏させて荷室を拡大した時に、荷室底面部のフラット化(平坦化)を確保する目的で、後席シートと、開閉可能な荷室フロアボードとの間にかさ上げ部材を備えている。
しかし、この構成では段ボールプラスチックの端部が荷室底部を横切ることになるので、段ボールプラスチックの端部の段差を如何にして解消するかが問題となる。
また、特許文献2には、ブロー成形ボード(基材参照)と段ボールプラスチック(表皮材参照)とを組合せる構造が開示されているが、該特許文献2においては、段ボールプラスチックをブロー成形ボード自体の接着力により該ブロー成形ボードに接着するものであって、基本的構成が本発明とは全く異なるものである。
上述のかさ上げ部材を形成する樹脂発泡体としては、ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体を用いることができる。
上述のマット材としては、不織布を用いることができる。
図面は、自動車の荷室構造を示し、図1は同荷室構造を示す概略斜視図、図2はその側面図、図3は荷室構造の車幅方向断面図である。
図1〜図3において、車体フロントフロアパネル(図示せず)の後部に連続して前低後高のスラント状のキックアップ部1を設け、このキックアップ部1の上部後端から後方に向けて略水平に延びる車体リヤフロアパネル2(車体リヤフロアパンと同意であって、以下単にリヤフロアと略記する)を設けている。
上述のリヤフロア2の後部における車幅方向の中央部には段下げ構造の収容凹部3が一体または一体的に形成される一方、図1,図3に示すように、リヤフロア2の左右両サイドを車両の前後方向に延在する車体リヤサイドフレーム4(以下単にリヤサイドフレームと略記する)が設けられている。
上述のリヤサイドフレームアッパ5はリヤフロア2の上方に突出する上凸部であり、リヤサイドフレームロア6はリヤフロア2の下方に突出する下向き凸部である。
図1,図3に示すように、リヤサイドパネルインナ7の車外側にはリヤサイドパネルアウタ9が接合固定されており、これら両者7,9によりリヤサイドフレーム4の車外側には車体凹部10が形成されている。
そして、上述のボード後端支持部15aの上部と、リヤエンドメンバ12の上部とを、内装部材として車幅方向に延びるリヤエンドガーニッシュ16で一体に覆っている。
図1,図2に示すように、上述のリヤフロア2の上方には別体の荷室底面部材としての合成樹脂製のフロアボード25が起伏可能に設置されており、図2に示すように該フロアボード25を水平状に伏動させた時、平坦かつ平面状の荷室フロア部26が形成されるものである。ここで、上述のブラケット15のボード後端支持部15aはフロアボード25の後端部の荷重を支持するものである。また、フロアボード25はその軽量化のために内部中空に形成されている。
図1に示すように、車体リヤホイールハウス27(以下単にリヤホイールハウスと略記する)とその後方のリヤサイドパネルアウタ9とを車室内側から覆うリヤサイドトリム28を設け、このリヤサイドトリム28によって荷室側壁部29を形成している。
エキストラクタは、ヒンジドアのドア閉時に車室内圧が高くなるのを防止する目的で、車室内空気を車外に逃がすためのものである。
また、図4に示すように、上述の車体凹部10の底壁となるリヤサイドパネルインナ7およびリヤサイドパネルアウタ9の底部には、両パネル底部に跨って断面ハット形状のブラケット31を接合固定し、このブラケット31上部には普段使用しない使用頻度の低いものの一例としてジャッキ32(押上げ万力のことで、図示の便宜上、概略的に示す)を着脱可能に取付けている。
このカバー部材33は、フロアボード25が成す荷室フロア部26の高さよりも低い底部を有する収納凹部33aを備えると共に、この収納凹部33aの車外側には、荷室フロア部26の高さ、換言すれば伏動させたフロアボード25の上面高さと略同一の高さをもつ平面状の延長部33bを有している。
上述のカバー部材33の延長部33bよりも上方位置において、リヤサイドトリム28とリヤサイドパネルアウタ9との間にはエキストラクタ開口部30からの騒音を遮音する遮音材34が配設されている。
この遮音材34は図1に点線で示すように、上述の所定高さ位置において、リヤサイドトリム28の車外側の面に沿って、車両前後方向および車幅方向に延びるように配設されている。
図4,図5,図6に示すように、上述のカバー部材33は車体凹部10の上方を閉塞し、かつリヤサイドフレーム4上部、つまり、リヤサイドフレームアッパ5の上面に着底する荷室側方底面部材であって、このカバー部材33は図1,図3に示すように左右にそれぞれ設けられている。
また、上述のカバー部材33は、図4,図5,図6に示すように、リヤサイドフレーム4の直上位置で荷室21の底部を成す平板状のフロアボード25の左右端部を載置するボード左右載置部としての左右のボード載置部33d,33dと、このボード載置部33dに載置されたフロアボード25の上面部と高さが略一致する周縁上面部33e,33f,33gとを有するものである。
さらに、上述のカバー部材33はリヤサイドフレームアッパ5による上凸部に着底する複数の支持脚部33hと、上凸部(リヤサイドフレームアッパ5参照)と協働して、エキストラクタ開口部30が設けられる車体凹部10とリヤフロア2の収容凹部3とを仕切る壁部Z(図4,図5参照)と、を有している。
また、図1,図5に示すように、左右のカバー部材33におけるボード載置部33dの前後方向後部寄りの位置には、底壁33iを含んで凹部33p,33pを一体形成し、これら左右の凹部33p,33pを利用して長尺のトノカバーユニット35を収納保持するように構成している。
上述のトノカバーユニット35は、図1に仮想線で示すように、その左右両端が収納凹部33a内に位置する長尺物である。
加えて、図5,図6に示すように、カバー部材33の側壁33nの車外側で、かつ延長部33bの前部には、車幅方向断面が略U字状で、カバー部材33を形成する樹脂固有の弾性力によりその係止部33sをリヤサイドトリム28下端側の係止孔(図示せず)に着脱可能に係入するクリップ33tを一体形成している。
上述のカバー部材33(荷室側方底面部材)は、上記各要素33a〜33k,33m,33n,33p,33r〜33tが合成樹脂で一体形成されたものであって、図4,図6に示すように、収納凹部33aの底壁33i下面および側壁33n外面には、エキストラクタ開口部30からの騒音を吸音する吸音材37が貼着固定されている。
また、上述のカバー部材33には図6に示すように、その外面に複数のリブが形成されていて、これらのリブにより該カバー部材33の強度を確保するように構成している。
また、上述の仕切りトレイ40には、図7に示すように、形状が異なる複数の収納凹部40A,40B,40C,40D,40E,40F,40G,40H,40Jが区画形成されており、これらの各収納凹部に車両メンテナンス用の工具や部品その他の荷物が格納できるように構成している。
図2,図8〜図11に示すように、上述のかさ上げ部材41はその底面側にリヤクロスメンバアッパ17に対応して車幅方向に延びて上方に窪む凹部41cと、前後方向に離間し、かつ車幅方向に略一直線状に配列された複数かつ不連続の突部41d,41e,41fと、上述の上面部41aに対してその高さが低くなるように段下げ形成されたボード前方載置部41bとを、密度が16.67〜66.67kg/m3(発泡倍率により異なる)のポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体(いわゆる発泡ビーズ材)で一体形成したものである。
このように、かさ上げ部材41はリヤフロア2上に載置され、その上面部41aが平面状である樹脂発泡体からなる部材である。
上述のかさ上げ部材41の上面部41aには、該上面部41aに合致するように熱可塑性合成樹脂製ボード42(以下単に樹脂ボードと略記する)が配置されている。
また、図8に示すように、リヤシート24のシートバック23背面と、上述の表皮43との間には前後両端部をそれぞれ略U字状に屈曲形成した布部材44を取付けており、シートバック23を前倒させた時に、該布部材44でシートバック23とかさ上げ部材41との間の隙間を塞いで、両者23,41間のフラット化を図るように構成している。
また、同図に示すように、かさ上げ部材41のボード前方載置部41bの直前部には上方に開口して車幅方向に延びる直線状の細溝部41hが形成されている。
ここで、上述のマット部材48は樹脂ボード42の端部42a最下部まで貼着されており、該端部42aがマット部材48と共に、かさ上げ部材41の細溝部41hに差し込まれたものである。
上述の樹脂ボード42とかさ上げ部材41との両者により、かさ上げ構造体を構成している。
また、図2,図9,図10に示すように、上述のかさ上げ部材41はその後端部に上面部41aより所定高さ低く車幅方向に延在してフロアボード25の前端部を載置する棚部としての上記ボード前方載置部41bが形成されており、このボード前方載置部41bの直前に上述の細溝部41hが凹設形成されている。
図4,図12〜図14に示すように、前述のカバー部材33における収容凹部33aの直上であって上記荷室側壁部29には吊下げフック50を配置している。
この吊下げフック50は、鉤状のフック部50Aと、このフック部50Aを出納可能に支持すると共に上記荷室側壁部29に埋め込まれたフック基部50Bとを備えている。
上述の吊下げフック50は、図4,図14に示すようにフック基部50Bまたはフック収納ボックス51に設けられ略水平方向(車両前後方向)に指向する支軸52を介して、図14に実線で示す吊下げフック50の使用状態と、同図に仮想線αで示す非使用状態(フック格納状態)とに回動可能に支持されている。
図面では車両右側の吊下げフック50のみを示しているが、車両左側においても略左右対称構造の吊下げフック50および各要素28a,33が備えられている。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
また、上記樹脂ボード42の上面部には、マット材48が上記下向きに折曲された端部42aまで貼着されており、該端部42aが上記マット材48と共に、上記かさ上げ部材41の細溝部41hに差し込まれたものである(図9,図10参照)。
さらに、上記かさ上げ部材41の後方に、荷室21後方の荷室底面部(荷室フロア部26参照)を成すフロアボード25が配置され、上記かさ上げ部材41はその後端部に上面部41aより所定高さ低く車幅方向に延在して上記フロアボード25の前端部を載置する棚部(ボード前方載置部41b参照)を有し、該棚部(ボード前方載置部41b)の直前に上記細溝部41hが形成され、上記フロアボード25が上記棚部(ボード前方載置部41b)に載置されたとき、フロアボード25の上面部の高さよりも、上記マット材48が貼着された樹脂ボード42の差し込み部(端部42a参照)の上面部の高さが低く設定されたものである(図2,図10参照)。
加えて、上記実施例で開示したように、マット材48を含む樹脂ボード42の端部42aにおける前後方向の幅を、かさ上げ部材41の細溝部41hにおける前後方向の幅よりも大きく設定すると(図9,図10参照)、樹脂ボード42の細溝部41hに対する係合力をさらに増大させることができる。
この発明の車体リヤフロアパネルは、実施例のリヤフロア2に対応し、
以下同様に、
熱可塑性合成樹脂製ボードは、樹脂ボード42に対応し、
棚部は、ボード前方載置部41bに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
21…荷室
25…フロアボード
41…かさ上げ部材
41a…上面部
41b…ボード前方載置部(棚部)
41h…細溝部
42…樹脂ボード(熱可塑性合成樹脂製ボード)
42a…端部
45…縦壁部材
46,47…シート体
48…マット材
Claims (3)
- 車体リヤフロアパネル上に載置され、その上面部が平面状である樹脂発泡体から成るかさ上げ部材と、
該かさ上げ部材の上面部に合致して配置され上下のシート体で周期的形状を有する縦壁部材を挟んで一体に成型された熱可塑性合成樹脂製ボードとを含んで成り、
上記かさ上げ部材の上面部に上方開口した直線状の細溝部が形成され、
上記熱可塑性合成樹脂製ボードが下向きに折曲された端部を有し、
該端部が上記細溝部に差し込まれることによって上記熱可塑性合成樹脂製ボードと上記かさ上げ部材とが係合されており、
上記熱可塑性合成樹脂製ボードの上面部が荷室底面部を成すことを特徴とする
自動車の荷室構造。 - 上記熱可塑性合成樹脂製ボードの上面部には、マット材が上記下向きに折曲された端部まで貼着されており、
該端部が上記マット材と共に上記かさ上げ部材の細溝部に差し込まれた
請求項1記載の自動車の荷室構造。 - 上記かさ上げ部材の後方に、荷室後方の荷室底面部を成すフロアボードが配置され、
上記かさ上げ部材はその後端部に上面部より所定高さ低く車幅方向に延在して上記フロアボードの前端部を載置する棚部を有し、
該棚部の直前に上記細溝部が形成され、
上記フロアボードが上記棚部に載置されたとき、フロアボードの上面部の高さよりも、上記マット材が貼着された熱可塑性合成樹脂製ボードの差し込み部の上面部の高さが低く設定された
請求項2記載の自動車の荷室構造。
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-
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