JP2014027592A - 輪郭すべり振動子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 輪郭すべり振動子の周波数温度特性を向上させる。
【解決手段】 輪郭すべり振動子10は、板状の水晶片20と、水晶片20の両面に設けられた電極30a,30bとを備えている。水晶片20は、X軸に垂直な面をY軸を中心に40°〜60°回転させた板面21と、板面21内においてY軸から35°〜55°回転させた方向の長さからなる長辺22と、板面21内において長辺22の中央での長辺22に垂直な方向の長さからなる短辺23とを有する。電極30a,30bはMo又はAlからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、輪郭寸法で振動周波数が決定される輪郭すべり振動子に関する。なお、本明細書では、元素名を元素記号で示すことにする。
伸縮の変位を持ち板面の長辺短辺方向の結合モードとして知られているGTカット振動子は、周波数温度特性が温度の三次関数となり比較的良好である。しかし、GTカット振動子は、板面全体で振動を起こすため、素子支持部による振動阻害を起こし、共振抵抗CIが悪化する問題があった(特許文献2)。
また、ラーメモード振動子、輪郭すべり振動子、GTカット振動子等の輪郭振動を用いた振動子において、振動阻害を少なくするために支持部を細くする技術が知られている(特許文献3、4)。しかし、この技術は、共振抵抗CI(Crystal Impedance)が良化する一方で、落下衝撃等の信頼性に問題が発生するという、トレードオフの関係があるため、実用化が困難であった。
更に、最も利用されているATカット振動子は、落下衝撃等の信頼性については実績があり良好であるものの、−50℃から200℃までと広い温度範囲の周波数温度特性となると、三次の温度曲線の変極点が25℃付近にあるため、高温側が良好とは言えない。特に低周波数帯におけるATカット振動子は、エネルギ閉じ込め及び振動形態の観点から水晶板の厚みに対する縦横寸法を大きく確保する必要があるため、共振抵抗CIを実用化レベルまで低く抑えつつ小型化するには限界があった(特許文献5)。
このような関連技術の課題を解決する技術として、輪郭すべり振動子が着目されている。輪郭すべり振動とは、板面と平行なすべり歪みの振動変位を主変位として持ち、その主振動の振動周波数が板の輪郭の寸法によって定まる振動のことをいう。輪郭すべり振動子は、低周波帯領域での小型振動子として知られており、CTカット、DTカットなどが用いられる。
特開2008−211429号公報 特開平10−117120号公報 特開2010−232943号公報 特開平04−213910号公報 特開2007−036758号公報
しかしながら、周波数温度特性の良いとされるDTカットの輪郭すべり振動子でも、一次温度係数αがほぼ零であるものの、二次温度係数βは−1.8×10-8/℃2と大きい(特許文献1)。そのため、振動子に要求される−40℃から150℃までの範囲で、輪郭すべり振動子の周波数変動量は約160ppm程度と大きかった。このように、輪郭すべり振動子は周波数温度特性に問題あった。
そこで、本発明の主な目的は、上述した課題である周波数温度特性を向上し得る輪郭すべり振動子を提供することにある。
本発明に係る輪郭すべり振動子は、
板状の水晶片と、この水晶片の両面に設けられた電極とを備え、
前記水晶片は、X軸に垂直な面をY軸を中心に40°〜60°回転させた板面と、この板面内においてY軸から35°〜55°回転させた方向の長さからなる長辺と、前記板面内において前記長辺の中央での当該長辺に垂直な方向の長さからなる短辺とを有し、
前記電極はMo又はAlからなる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、特定のカット角の水晶片と、Mo又はAlからなる電極とを組み合わせることにより、輪郭すべり振動子の周波数温度特性を向上できる。
実施形態1の輪郭すべり振動子を示し、図1[1]は平面図であり、図1[2]は図1[1]におけるA−A線縦断面図であり、図1[3]は図1[1]におけるB−B線縦断面図である。 実施形態1における水晶片を示し、図2[1]は結晶軸とカット角との関係を示す説明図であり、図2[2]は面内回転角を示す説明図である。 実施形態1の輪郭すべり振動子における外形例を示す平面図であり、図3[1]は第一例、図3[2]は第二例、図3[3]は第三例である。 実施形態1の輪郭すべり振動子の具体例を示す斜視図であり、図4[1]は第一例、図4[2]は第二例である。 実施形態1の輪郭すべり振動子をパッケージに搭載した具体例を示し、図5[1]は平面図、図5[2]は図5[1]におけるVa−Va線及びVb−Vb線縦断面図である。 実施形態1の輪郭すべり振動子において、電極厚み零の場合のTCFのシミュレーション結果を示すグラフである。 実施形態1の輪郭すべり振動子において、電極の材料をMoとした場合(実施例1)のTCFのシミュレーション結果を示すグラフであり、図7[1]は電極厚み小、図7[2]は電極厚み中、図7[3]は電極厚み大の場合である。 実施形態1の輪郭すべり振動子において、電極の材料をAlとした場合(実施例1)のTCFのシミュレーション結果を示すグラフであり、図8[1]は電極厚み小、図8[2]は電極厚み中、図8[3]は電極厚み大の場合である。 実施形態1の輪郭すべり振動子において、電極の材料をAuとした場合(比較例1)のTCFのシミュレーション結果を示すグラフであり、図9[1]は電極厚み小、図9[2]は電極厚み中、図9[3]は電極厚み大の場合である。 実施形態1の輪郭すべり振動子において、電極の材料をAgとした場合(比較例2)のTCFのシミュレーション結果を示すグラフであり、図10[1]は電極厚み小、図10[2]は電極厚み中、図10[3]は電極厚み大の場合である。 実施例1、2及び比較例1、2についての、温度と周波数偏差との関係(周波数温度特性)を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は実施形態1の輪郭すべり振動子を示し、図[1]は平面図であり、図[2]は図[1]におけるA−A線縦断面図であり、図[3]は図[1]におけるB−B線縦断面図である。図2は実施形態1における水晶片を示し、図2[1]の結晶軸とカット角との関係を示す説明図であり、図2[2]は面内回転角を示す説明図である。図3は、実施形態1の輪郭すべり振動子における外形例を示す平面図であり、図3[1]は第一例、図3[2]は第二例、図3[3]は第三例である。以下、図1、図2及び図3に基づき説明する。
本実施形態1の輪郭すべり振動子10は、板状の水晶片20と、水晶片20の両面に設けられた電極30a,30bとを備えている。水晶片20は、X軸に垂直な面をY軸を中心に40°〜60°回転させた板面21と、板面21内においてY軸から35°〜55°回転させた方向の長さからなる長辺22と、板面21内において長辺22の中央での長辺22に垂直な方向の長さからなる短辺23とを有する。短辺23の長さは輪郭すべり振動子10の振動波長λの半分である。電極30a,30bはMo又はAlからなる。ここで、本発明における「Moからなる」のMoには、純粋なMoの他に、Moを主成分としMoと実質的に同等の効果を奏する合金も含まれるものとする。同様に、「Alからなる」のAlには、純粋なAlの他に、Alを主成分としAlと実質的に同等の効果を奏する合金も含まれるものとする。
水晶は、シリコンと酸素で構成される三方晶系の単結晶からなり、成長軸(光軸)をZ軸とし、これと垂直に稜線を結ぶ軸をX軸(電気軸)とし、これと直交する軸をY軸(機械軸)として表現される。図2[1]に示すように、水晶片20は、水晶から所定の角度で切り出されたウエハ20’を、更に所定の形状に形成したものである。ウエハ20’は、水晶のX軸に垂直な面を、Y軸を中心に40°〜60°回転させた、板面21を含む。このとき、図2[2]に示すように、板面21内においてY軸に垂直な方向をZ’軸とする。長辺22は、水晶片20の長手方向の最大の長さと、板面21内においてY軸から35°〜55°回転させた方向とを有する。短辺23は、水晶片20の短手方向の最大の長さと、長辺22に垂直な方向とを有する。なお、水晶の単結晶の構造は、Z軸に2回対称であり、X軸に3回対称である。そのため、本発明で用いる水晶の面には、前述の面に対称又は等価な面も含まれる。
図1[1]に示すように、長辺22に垂直な方向の長さは、長辺22の中央すなわち短辺23が最も長く、長辺22の両端に近づくにつれて短くなる。換言すると、水晶片20の形状は、図1[1]において上辺と下辺が曲線状であり、全体として楕円状になっている。しかし、長辺22に垂直な方向の長さが、長辺22の中央で最も長く、長辺22の両端に近づくにつれて短くなれば、どのような形状でもよい。例えば、図3[1]のの輪郭すべり振動子11では、上辺及び下辺の中央部が直線状になっている。図3[2]の輪郭すべり振動子12では、上辺及び下辺の中央部及び端部が直線状になっている。図3[3]の輪郭すべり振動子13では、両端から中央にかけて直線状になっており、全体として菱形状になっている。
次に、輪郭すべり振動子10の製造方法について説明する。電極30a,30bは、蒸着、スパッタリング、メッキ等を用いて水晶のウエハ20’の表裏に成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする。その後、ウエットエッチングによって、電極30a,30b及びウエハ20’のエッチングを行い、電極30a,30b及び水晶片20の形状を形成する。
図4は実施形態1の輪郭すべり振動子の具体例を示す斜視図であり、図4[1]は第一例、図4[2]は第二例である。図5は実施形態1の輪郭すべり振動子をパッケージに搭載した具体例を示し、図5[1]は平面図、図5[2]は図5[1]におけるVa−Va線及びVb−Vb線縦断面図である。以下、図4及び図5に基づき、実施形態1の輪郭すべり振動子について更に詳しく説明する。
図4[1]に示すように、実際の製造工程では、電極30a,30b及び水晶片20の形状を形成する際に、水晶片20の端部に支持部40も形成することが一般的である。図4[1]では水晶片20の一端に支持部40も形成しているが、図4[2]に示すように水晶片20の両端にそれぞれ支持部41,42を形成してもよい。
パッケージ50は、セラミックスや合成樹脂などの絶縁体を主体とし、基板部51、枠部52、図示しない蓋部などからなり、輪郭すべり振動子10を収容する。輪郭すべり振動子10の支持部40は、基板部51に設けられた台座53に、導電性樹脂54を介して固定されるとともに電気的に接続される。なお、図5[2]は、図5[1]において導電性樹脂54を通らないVa−Va線縦断面図と、導電性樹脂54を通るVb−Vb線縦断面図とを合成したものである。
次に、図6乃至図11を中心に、図1及び図2も参照しつつ、輪郭すべり振動子10の第一の効果について説明する。輪郭すべり振動子10によれば、特定のカット角の水晶片20と、Mo又はAlからなる電極30a,30bとを組み合わせることにより、周波数温度特性を向上できる。以下に詳しく説明する。
周波数温度特性が向上する特定のカット角を検討した結果、水晶片20のカット角は、縦軸のZ軸からの切断角が40°〜60°かつ横軸の面内回転角が35°〜55°の範囲であった。
以下、実施例1としてMo、実施例2としてAl、比較例1としてAu、比較例2としてAgをそれぞれ用いて、特定のカット角の水晶片20に電極30a,30bを形成した場合について、それらの周波数温度特性を説明する。
図6乃至図10は輪郭すべり振動子10のTCF(Temperature Coefficient of Frequency:周波数温度係数)についてのシミュレーション結果を示すグラフであり、縦軸が図2[1]に示す水晶片20のZ軸からの切断角、横軸が図2[2]に示す水晶片20の面内回転角である。これらのグラフは、−25℃から75℃までの温度範囲において25℃ステップにて0.05刻みのTCFをプロットしたものである。言い換えると、ある温度においてあるTFCを実現する水晶片20の角度の組み合わせを、線で表示したものである。詳しく言えば、次のような手順でグラフを作成する。まず、図示するように、Z軸からの切断角が40〜60°及び面内回転角が35〜55°の範囲、かつ、−25℃から75℃までの範囲において、輪郭すべり振動子10の採り得るTCFのうち0.05の倍数となるものを全て選択する。そして、選択されたTCFの一つに対して、−25℃、0℃、25℃、75℃の各温度においてそのTCFを実現する水晶片20の角度の組み合わせを線で表示する。つまり、一つの値のTCFに付き、−25℃、0℃、25℃、75℃の各温度の合計四本の線が描かれる。この処理を、選択された全てのTCFについて実行する。したがって、温度に対する周波数変化が直線で傾きのない状態すなわちTCF=0に近く、かつ四つの温度ステップにおける線が重なっているほど、周波数温度特性が優れていることになる。
図6は、電極30a,30bの厚みを零とした場合、すなわち電極の無い場合の仮想的な輪郭すべり振動子10のTCFを示している。この図は、次のようにして得られたものである。まず、図示するように、Z軸からの切断角が40〜60°及び面内回転角が35〜55°の範囲、かつ、−25℃から75℃までの範囲において、輪郭すべり振動子10の採り得るTCFのうち0.05の倍数すなわち0.05、0.1、0.15を選択する。そして、−25℃においてTCF=0.05を実現する水晶片20の角度の組み合わせを、線で表示する。同様に、0℃、25℃、75℃における線を表示する。これにより、TCF=0.05について、四本の温度の線を得る。残りのTCF=0.1,0.15についても同様に、それぞれ四本の温度の線を得る。
図7は、電極30a,30bの材料をMoとした場合(実施例1)の輪郭すべり振動子10のTCFを示している。図7[1]は電極厚み小、図7[2]は電極厚み中、図7[3]は電極厚み大の場合である。つまり、電極30a,30bの厚みをHm、水晶片20の厚みをHとしたとき、図7[1]はHm/H=0.02、図7[2]はHm/H=0.04、図7[3]はHm/H=0.06の場合を示している。図7から明らかなように、電極30a,30bの材料をMoとしたとき、0.02 ≦ Hm/H ≦ 0.06の範囲で、周波数温度特性は、電極の無い場合及び後述する比較例1、2に比べて良好である。特に、図7[2]に示すHm/H=0.04の場合は、TCF=0の四本の線が重なることから、極めて良好な周波数温度特性が得られる。
図8は、電極30a,30bの材料をAlとした場合(実施例2)の輪郭すべり振動子10のTCFを示している。図8[1]は電極厚み小、図8[2]は電極厚み中、図8[3]は電極厚み大の場合である。つまり、図8[1]はHm/H=0.055、図8[2]はHm/H=0.075、図8[3]はHm/H=0.095の場合を示している。図8から明らかなように、電極30a,30bの材料をAlとしたとき、0.055 ≦ Hm/H ≦ 0.095の範囲で、周波数温度特性は、電極の無い場合及び後述する比較例1、2に比べて良好である。特に、図8[2]に示すHm/H=0.075の場合は、TCF=0の四本の線が重なることから、極めて良好な周波数温度特性が得られる。
図9は、電極30a,30bの材料をAuとした場合(比較例1)の輪郭すべり振動子10のTCFを示している。図9[1]は電極厚み小、図9[2]は電極厚み中、図9[3]は電極厚み大の場合である。つまり、図9[1]はHm/H=0.02、図9[2]はHm/H=0.04、図9[3]はHm/H=0.06の場合を示している。図9から明らかなように、電極30a,30bの材料をAuとしたときの周波数温度特性は、各図においてTCF=0の四本の線がばらばらに離れることから、実施例1、2に比べてかなり劣っている。
図10は、電極30a,30bの材料をAgとした場合(比較例2)の輪郭すべり振動子10のTCFを示している。図10[1]は電極厚み小、図10[2]は電極厚み中、図10[3]は電極厚み大の場合である。つまり、図10[1]はHm/H=0.02、図10[2]はHm/H=0.04、図10[3]はHm/H=0.06の場合を示している。図10から明らかなように、電極30a,30bの材料をAgとしたときの周波数温度特性は、各図においてTCF=0の四本の線がばらばらに離れることから、実施例1、2に比べてかなり劣っている。
図11は、実施例1、2及び比較例1、2についての、温度と周波数偏差との関係(周波数温度特性)を示すグラフである。図11から明らかなように、実施例1、2(電極材料Mo,Al)は、比較例1、2(電極材料Au,Ag)に比べて、極めて優れた周波数温度特性を有する。
ここで、図7及び図11に示される結果について補足する。Mo使用時及びAl使用時(図7及び図8)はTCF=0の重なる箇所が見られる。一方、Au使用時及びAg使用時(図9及び図10)はそれらの重なる箇所が見られず、また、電極膜厚みが大きくなるに従い各温度でのTCF=0の線間隔が広がる傾向にある。これは、電極膜厚みが大きくなるに従い周波数温度特性が悪くなる(すなわち周波数変動が大きくなる)ことを示している。Au使用時及びAg使用時の周波数温度特性は、電極膜厚みを薄くするほど、良好となり、電極厚み零の場合(図6)に近づく。図11の周波数温度特性は、電極が限りなく薄い状態としてAu、Ag使用時について計算し、図7及び図8においてTCF=0の線が重なっている条件でMo、Al使用時について計算している。
次に、図1乃至図5に基づき、輪郭すべり振動子10の第二の効果について説明する。
輪郭すべり振動子10は、導電性金属膜からなる電極30a,30bによって、水晶片20を厚み方向両面から挟み込んだ構造となっている。そして、水平A−A方向を長手方向とし、垂直B−B方向を短手方向とした場合、A−A方向中心部の短手方向幅を大きくし端部に行くに従い短手方向幅を狭くした構造となっている。
ここで、水平A−A方向中心部のB−B方向幅は、振動周波数の振動波長λの半分と見ることができる。これは、輪郭すべり振動の振動周波数がB−B方向幅に強く依存しているモードを、使用しているためである。本実施形態1では、中心部から端部に行くに従い短手方向幅が狭くなることにより、中心部から端部に行くに従い振動周波数を大きく(すなわち振動波長を小さく)することができるので、中心部にエネルギが閉じ込められる構造となっている。
これにより、端部での不要な輪郭すべり変位が無くなるので、端部に設けた支持部40による振動阻害を抑えることができ、その結果、共振抵抗CI(Crystal Impedance)の劣化を防ぐことが可能となる。また、ATカット振動子と異なり、共振抵抗CIを小さくするために水晶厚みに対する縦横寸法を大きくする制限がないことから、小型化が可能となる。
本発明は、次のように言うこともできる。本発明は、輪郭寸法で振動周波数が決定される輪郭すべり振動子である。使用する水晶板は、その厚み方向に垂直な面がXカット水晶板からY軸を中心に40°〜60°回転させたものである。その水晶板から形成される水晶片は、長手方向を水晶板面内のY軸方向から35°〜55°回転させたものである。そして、電極の導電性金属膜としてMo又はAlを使用し、水晶の板厚みに対する電極厚みを調整することで、−50℃〜200℃と広い温度範囲において周波数温度特性を良好とすることが可能となる。
また、振動周波数を決定する短辺方向幅の寸法を中心部から端部にかけて小さい寸法とすることにより、短辺方向幅の大きい中心付近にエネルギを閉じ込めることが可能となる。そのため、端部に設けられた支持部による共振抵抗CIの劣化を抑制できるので、共振抵抗CIの小さい小型水晶振動子を提供することが可能となる。
なお、水晶の単結晶の構造は、光軸であるZ軸に2回対称であり、電気軸であるX軸に3回対称である。そのため、本発明で用いる水晶の面に対称又は等価な面は、本発明と同様の特性を有することは言うまでもない。
本発明によれば、特定のカット角の水晶片とMo又はAlからなる電極とを組み合わせることにより、−50℃から200℃といった広温度範囲における周波数温度特性に優れた振動子を提供することができ、かつ、水晶板面内での短辺方向幅を調整することによるエネルギ閉じ込め形状が可能となるため、従来の振動子では困難であった、小型で共振抵抗CIの小さい振動子を得ることができる。
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
10,11,12,13 輪郭すべり振動子
20 水晶片
20’ ウエハ
21 板面
22 長辺
23 短辺
30a,30b 電極
40,41,42 支持部
50 パッケージ
51 基板部
52 枠部
53 台座
54 導電性樹脂

Claims (4)

  1. 板状の水晶片と、この水晶片の両面に設けられた電極と、を備えた輪郭すべり振動子において、
    前記水晶片は、X軸に垂直な面をY軸を中心に40°〜60°回転させた板面と、この板面内においてY軸から35°〜55°回転させた方向の長さからなる長辺と、前記板面内において前記長辺の中央での当該長辺に垂直な方向の長さからなる短辺とを有し、
    前記電極はMo又はAlからなる、
    ことを特徴とする輪郭すべり振動子。
  2. 前記電極はMoからなり、前記電極の厚みをHm、前記水晶片の厚みをHとしたとき、0.02 ≦ Hm/H ≦ 0.06が成り立つ、
    請求項1記載の輪郭すべり振動子。
  3. 前記電極はAlからなり、前記電極の厚みをHm、前記水晶片の厚みをHとしたとき、0.055 ≦ Hm/H ≦ 0.095が成り立つ、
    請求項1記載の輪郭すべり振動子。
  4. 前記長辺に垂直な方向の長さは、前記長辺の中央が最も長く、前記長辺の両端に近づくにつれて短くなる、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載の輪郭すべり振動子。
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