JP2005094732A - 水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器 - Google Patents

水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器 Download PDF

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Abstract

【課題】長さ縦水晶振動子の電気機械変換効率が悪く、等価直列抵抗Rが大きく、品質係数Q値が小さくなるという点である。同時に、前記振動子を用いた水晶ユニットと水晶発振器の特性が良くない点である。
【解決手段】振動部と接続部と支持部とを具えて構成される水晶振動子で、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを具えて構成される水晶振動子は粒子法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置されていて、前記水晶振動子は長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子であると共に、前記水晶振動子からなる水晶ユニットと水晶発振器である。
【選択図】図1

Description

本発明は輪郭水晶振動子に関する。特に、輪郭水晶振動子の一つである長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子とそれを備えた水晶ユニットと水晶発振器に関する。詳細には、小型化、高精度、耐衝撃性、低廉化などの要求の強い携帯機器、情報通信機器、計測機器、及び民生機器等の電子機器の基準信号源として用いる、最適な新カットと新電極構成の長さ縦水晶振動子とそれを備えた水晶ユニットと水晶発振器に関する。
Z板水晶を用いた基本波モードで振動する長さ縦モード振動子(振動部の長さL、幅W,厚みT)がよく知られている。図10の(a)と(b)は従来の長さ縦水晶振動子の上面図と側面図を示す。図10の(a)において水晶振動子162は振動部163、接続部166、169及び支持部167、180を具えて構成されている。支持部167、180はそれぞれマウント部168、181を包含している。更に、図10の(a)と(b)に示されているように、振動部163の側面に電極164と電極165が配置されている。即ち、化学的エッチング法で形成された面の上に電極が対抗して配置されている。そのために、電極間のx軸方向の電界が一様でなく、等価直列抵抗Rが大きくなるという問題があった。更に、電界方向と同じ方向に接続部が設けられ、且つ、振動部の中央にあるので、x軸(幅W)方向の電界が振動部の中央で働かない。それ故、電気機械変換効率が悪くなる。その結果、Rが大きく、品質係数Q値が小さくなるという問題があった。これらの問題は振動子の小型化に於いて大きな障害となる。即ち、Rが小さく、Q値が大きく、小型で、高周波数の水晶振動子が実現できないという問題があった。同時に、その振動子を用いた水晶ユニットと水晶発振器の特性が良くないという問題もあった。
特開平2−75213号公報 特開平2−79509号公報 特開平2−132909号公報 特開平2−132911号公報 特開平2−132914号公報 特開平3−195111号公報 特開平5−22070号公報 「水晶振動子とその応用デバイス」電子情報通信学会論文誌C−1Vol.J82−C−INo.12pp.667−682 1999年12月
解決しようとする問題点は、長さ縦水晶振動子の電気機械変換効率が悪く、等価直列抵抗Rが大きく、品質係数Q値が小さくなり、かつ、高周波数化が難しいという点である。同時に、前記振動子を用いた水晶ユニットと水晶発振器の特性が良くない点である。その結果、前記縦水晶振動子を用いた電子機器が正常に動作しないという課題があった。このようなことから、超小型で、等価直列抵抗Rが小さく、品質係数Q値が高くなるような新カットで、電気機械変換効率が高くなる電極構成と形状から成る長さ縦水晶振動子とそれを備えた水晶ユニットと水晶発振器が所望されていた。
本発明は、以下の方法で従来の課題を有利に解決した長さ縦水晶振動子とそれを具えた水晶ユニットと水晶発振器を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の水晶振動子の第1の態様は、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される水晶振動子で、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される水晶振動子は粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置されていて、前記水晶振動子は長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子である。
本発明の水晶振動子の第2の態様は、長さ縦水晶振動子の角度θと寸法比(W/L)と
Figure 2005094732
で与えられる第1の態様に記載の水晶振動子である。
本発明の水晶振動子の第3の態様は、長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子の圧電定数e′12の絶対値が0.095C/m〜0.19C/mの範囲内にある第1の態様又は第2の態様に記載の水晶振動子である。
本発明の水晶ユニットの第1の態様は、水晶振動子とケースと蓋とを備えて構成される水晶ユニットで、前記水晶振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記振動部の幅寸法と厚み寸法は長さ寸法より小さい長さ縦水晶振動子を備えて構成される水晶ユニットで、前記長さ縦水晶振動子はケースと蓋とを具えて構成される表面実装型、又は円筒型のユニット内に収納されていて、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記長さ縦水晶振動子は、前記振動部の幅方向の両端部に少なくとも第一接続部と第二接続部とを有し、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される長さ縦水晶振動子は粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置され、前記長さ縦水晶振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さく、かつ、主振動のメリット係数Mと副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きい長さ縦水晶振動子を備えて構成されている水晶ユニットである。
本発明の水晶ユニットの第2の態様は、各水晶ユニットに振動モードの異なる水晶振動子を収納し、且つ、これらの水晶ユニットが接合部材を用いて接合されている水晶ユニットである。
本発明の水晶発振器の第1の態様は、水晶振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される水晶発振回路を備えた水晶発振器で、前記水晶振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記振動部の幅寸法と厚み寸法は長さ寸法より小さい長さ縦水晶振動子を備えて構成され、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記長さ縦水晶振動子は、前記振動部の幅方向の両端部に少なくとも第一接続部と第二接続部とを有し、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される長さ縦水晶振動子は、粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置され、前記長さ縦水晶振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さい長さ縦水晶振動子を備えて前記水晶発振回路は構成されると共に、前記水晶発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記水晶発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、前記長さ縦水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が主振動の発振周波数を有する水晶発振器である。
このように、本発明は長さ縦水晶振動子とそれを備えた水晶ユニットと水晶発振器で、特に、水晶振動子のカット角と電極配置と形状と加工法により、高い電気機械変換効率を有する長さ縦水晶振動子が得られる。その結果、主振動の等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い、超小型の長さ縦水晶振動子とそれを備えた水晶ユニットと水晶発振器が得られる。それ故、本振動子を用いることにより正常に動作する電子機器が実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき具体的に述べる。
実施例1の水晶振動子
図1は本発明の実施例1の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図(a)と側面図(b)である。長さ縦水晶振動子62は振動部63、接続部66、69とマウント部68、81をそれぞれ含む支持部67、80を具えて構成されている。更に、支持部67と支持部80にはそれぞれ穴67aと穴80aが設けられている。詳細には、第一接続部66と第二接続部69は振動部63の幅方向の反対に位置する端部に設けられている。即ち、一方の第一支持部67は第一接続部66を介して振動部63に接続されていて、他方の第二支持部80は第二接続部69を介して振動部63に接続されている。また、振動部63の上面と下面には電極64と電極65が対抗して配置され、それらの電極は異極となるように構成されている。即ち、一対の電極が配置されている。更に、電極64は一方の第二接続部69を介して第二マウント部81にまで延在して配置されている。また、電極65は他方の第一接続部66を介して第一マウント部68にまで延在して配置されている。本実施例では、振動部63に配置された電極64と電極65は互いに異なる方向に延在してマウント部まで配置されているが、同方向に延在するように配置しても良い。また、本実施例の振動子はマウント部68、81がケース又は蓋の固定部に接着剤や半田によって固定される。本実施例では、第一接続部と第二接続部が対抗して一対設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、複数対の接続部を対抗して設けても良い。即ち、少なくとも第一接続部と第二接続部が設けられている。
次に、本発明の長さ縦水晶振動子のカット角の一例について説明する。水晶の結晶軸x軸(電気軸)、y軸(機械軸)とz軸(光軸)とする。まず、x軸に垂直な水晶板、いわゆる、X板水晶を考える。このとき、X板水晶の各寸法である長さL、幅Wと厚みTはそれぞれy軸、z軸、及びx軸方向に一致している。更に、このX板水晶をx軸の廻りに角度θ=−40°〜+40°回転し、更に、y軸の新軸y′軸の廻りに角度θ=−39°〜+39°回転される。このとき、x軸の新軸はx′軸に、z軸は2軸の廻りに回転されるので、新軸はz″と成る。本実施例の長さ縦水晶振動子は前記した回転水晶板から形成される。即ち、振動部63の長さL、幅Wと厚みTはそれぞれy′軸、z″軸、及びx′軸方向と一致している。ここで、θ=0°とθ=0°のときには、y′軸、z″軸とx′軸はそれぞれy軸、z軸とx軸に一致し、また、θ≠0°とθ=0°のときには、y′軸、z″軸とx′軸はそれぞれy′軸、z′軸とx軸に一致することは言うまでもない。それ故、本発明の長さ縦水晶振動子は前記したカット角を有する。
更に、形状について詳述するならば、x′軸に垂直な面となる振動部63の上面と下面に電極64と電極65が配置されている。又、電極64に対抗する電極65は異極となるように構成されている。更に、振動部63の長さLは幅Wと厚みTより大きく、通常は、厚みTは幅Wより小さくなるように設計される。即ち、長さ縦モード振動とすべりモードにより引き起こされる屈曲モード振動との結合を無視できるほどに小さく、且つ、振動部の電極面積を大きくして、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、幅Wと長さLの比W/Lは0.8より小さく、且つ、x軸方向の電界Eを大きくして、等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、厚みTと幅Wとの比T/Wは0.85より小さくすることが好ましい。実際のこれらの寸法の決定は長さ縦水晶振動子に要求される特性によって決まる。通常、厚みTは0.19mm以下に設計される。好ましくは、0.015mmから0.18mmの範囲内にある。また、長さLは基本波モード振動の周波数が大略10MHz以下の周波数を得るために、0.25mmより長くなる。好ましくは、7.5mmから0.25mmの範囲内にある。更に、周波数を大略20MHzまで高くするには、長さLを約0.125mmまで小さくすれば良い。また、図4で詳述される電極対数n(n:整数)との関係では、長さLは(7.5mm〜0.25mm)×n、又は(7.5mm〜0.125mm)×nで与えられる。
更に詳述するならば、長さ縦水晶振動子の共振周波数は長さ寸法Lに反比例し、他の寸法(幅、厚み、接続部と支持部)には殆ど依存しない。それ故、長さLを小さくすることにより、小型で、高周波数化が図れる。また、前記した寸法の関係から不要振動のない単一振動モードで振動する長さ縦水晶振動子が得られる。と同時に、厚み方向に電界がかかるように振動部に電極を配置することにより、長さ縦水晶振動子の基本波モードと高調波(オ−バートーン)モードの振動次数が圧電定数に依存しなくなる。即ち、振動次数が圧電定数に依存する図10の従来例と異なる振動子で、基本波モード振動と高調波モード振動の振動次数が圧電定数に依存しないように振動部とその上に配置される電極との構成がなされる。それ故、本発明の長さ縦水晶振動子の共振周波数は圧電定数に依存しないので、振動子の設計が非常に容易になると言う著しい効果を有する。
次に、本発明の輪郭水晶振動子、例えば、長さ縦水晶振動子を駆動するのに必要、かつ、重要な圧電定数e′12の値について説明する。この圧電定数e′12は、水晶の圧電定数e11、e14とカット角(θ、θ)の関数で与えられ、その絶対値が大きいほど、電気機械変換効率は高くなる。それ故、主振動の等価直列抵抗Rを小さくするために、本実施例の長さ縦水晶振動子の圧電定数e′12の絶対値は0.095C/mより大きい値を有する。通常は、圧電定数e′12の絶対値は0.095C/m〜0.19C/mの範囲内にある。特に、主振動のより小さい等価直列抵抗Rを得るために、好ましくは、0.11C/m〜0.19C/mの範囲内にある。即ち、本実施例の長さ縦水晶振動子は高い電気機械変換効率を有するので、主振動の等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い、しかも、超小型の長さ縦水晶振動子を得ることができる。尚、圧電定数e′12の計算には、水晶の圧電定数e11=0.171C/mとe14=−0.0406C/mが用いられる。この圧電定数e′12は、後述される他の輪郭水晶振動子の一つである幅縦モードで振動する幅縦水晶振動子や屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子にも適用できる。更に、後述される輪郭水晶振動子の一つである幅縦モード振動と長さ縦モード振動が結合した、いわゆるNS−GTカット水晶振動子の圧電定数e′21、の絶対値は、主振動である幅縦モード振動での等価直列抵抗Rを小さくするために、0.08C/m〜0.12C/mの範囲内にある。
今、図1の電極64と電極65の間に交番電圧を印加すると、電界Eは図1の側面図(b)の実線と点線の矢印で示したように厚み方向に交互に働く。その結果、振動部63は長さ方向に伸縮する振動をすることになる。すなわち、電界方向に対して垂直方向に振動する、いわゆる横効果型の長さ縦水晶振動子を得ることができる。この主(長さ縦)振動の共振周波数は圧電定数に依存しない振動子である。
実施例2の水晶振動子
図2は本発明の実施例2の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子72の上面図である。長さ縦水晶振動子72は振動部73、接続部76、79とフレーム78,91と固定部95を含む支持部77、90とを具えて構成されている。支持部77は接続部76を介して振動部73に接続されていて、フレーム78は固定部95に接続されている。同様に、支持部90は接続部79を介して振動部73に接続されていて、フレーム91は固定部95に接続されている。本実施例では、支持部77,90の固定部95は接続されている。また、支持部77には穴77aが、支持部90には穴90aが設けられている。振動部73の上面には電極74が、下面にも電極(図示されていない)が配置されていて、上面と下面の電極は極性が異なるように配置される。本実施例では、電極74は接続部79と支持部90のフレーム91を介して固定部95の端部95aまで延在している。これに対して、下面の電極は接続部76と支持部77のフレーム78を介して、更に、固定部95の側面を介して固定部95の端部95bまで延在している。即ち、2電極端子構造を形成している。
更に詳述するならば、第一接続部76と第二接続部79は振動部73の端部の互いに反対の位置に設けられている。そして、振動部73は第一接続部76と第一支持部77と第一フレーム78を介して固定部95に接続されている。同様に、振動部73は第二接続部79と第二支持部90と第二フレーム91を介して固定部95に接続されている。このように長さ縦水晶振動子を形成することにより、振動子の強度をより強くすることができる。その結果、振動子の固定部を接着剤や半田によりケース又は蓋の固定部、あるいはリード線に固定できるので、量産での作業性に優れ、工数を削減することができる。すなわち、安価な長さ縦水晶振動子を得ることができる。同時に、衝撃に対して強い長さ縦水晶振動子が実現できる。更に、支持部に穴が設けられているので、長さ縦モードを圧電的に容易に引き起こすことができる。それ故、主振動の等価直列抵抗Rの小さい、Q値の高い超小型の長さ縦水晶振動子が得られる。
実施例3の水晶振動子
図3は本発明の実施例3の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子82の上面図である。長さ縦水晶振動子82は振動部83、接続部86、89とフレーム88、101と固定部105を含む支持部とを具えて構成されている。フレーム88の一端部は接続部86を介して振動部83に接続されている。更に、フレーム88の他端部は固定部105に接続されている。同様に、フレーム101の一端部は接続部89を介して振動部83に接続されている。更に、フレーム101の他端部は固定部105に接続されている。本実施例では、支持部は2個あるが、それらの固定部は接続されている。また、振動部83の上面には電極84が、下面にも電極(図示されていない)が配置されていて、上面と下面の電極は極性が異なるように配置される。本実施例では、電極84は接続部89とフレーム101を介して固定部105の端部105aまで延在している。これに対して、下面の電極は接続部86とフレーム88を介して、更に、固定部105の側面を介して固定部105の端部105bまで延在している。即ち、2電極端子構造を形成している。
更に詳述するならば、第一接続部86と第二接続部89は振動部83の端部の互いに反対の位置に設けられている。そして、振動部83は第一接続部86と第一フレーム88を介して固定部105に接続されている。同様に、振動部83は第二接続部89と第二フレーム101を介して固定部105に接続されている。このように長さ縦水晶振動子を形成することにより、振動子の強度をより強くすることができる。その結果、振動子の固定部を接着剤や半田によりケース又は蓋の固定部、あるいはリード線に固定できるので、量産での作業性に優れ、工数を削減することができる。すなわち、安価な長さ縦水晶振動子を得ることができる。同時に、衝撃に対して強い長さ縦水晶振動子が実現できる。
更に、上記実施例1から実施例3の水晶振動子では、振動部は1個設けられているが、複数個の振動部を設けても良い。この場合には、各振動部の先端部又は先端部付近は接続部を介して接続され、各振動部が同位相で振動するように電極が各振動部に配置される。即ち、各振動部の片側又は両側の先端部又は先端部付近で接続される。更に、上記実施例では、振動部の幅Wは一様に形成されているが、振動部の幅が異なる形状でも良い。例えば、先端部の幅が中心部付近の幅より広くした形状である。この場合、先端部は質量効果として働く。またこの逆でも良い。即ち、先端部の幅が中心部付近の幅より狭くした形状である。また、上記実施例1から実施例3の水晶振動子では、基本波モード振動の長さ縦水晶振動子の電極配置について述べたが、次に、高調波モード振動の長さ縦水晶振動子の電極配置について説明する。
実施例4の水晶振動子
図4は本発明の実施例4の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図である。長さ縦水晶振動子50は振動部51、接続部52、55、及びマウント部54、57をそれぞれ含む支持部53、56を具えて構成されている。更に、支持部53と支持部56にはそれぞれ穴53aと穴56aが設けられている。そして、振動部51の上面と下面にはそれぞれ複数個の電極が配置されている。又、上面、及び下面の幅方向に隣接する電極は異極となるように構成されている。且つ、上面と下面に配置された対抗電極は異極となるように構成されている。本実施例では上面に電極58,59,60が配置され、図示されていないが、下面には電極58a,59a,60aが配置されている。本実施例の電極配置では、3次高調波モード振動(3次オーバートーン)の長さ縦水晶振動子が得られる。
更に詳述するならば、電極58とそれに隣接する電極59は異極に、さらに、電極58とそれに対抗する電極58a(図示されていない)は異極となるように構成されている。電極58とそれとは異極となる電極58aで一対の電極を構成している。全く同様に、電極59とそれに隣接する電極58、60は異極に、更に、電極59とそれに対抗する電極59a(図示されていない)は異極となるように構成されている。電極59とそれとは異極となる電極59aで一対の電極を構成している。更に電極60とそれに隣接する電極59は異極に、さらに、電極60とそれに対抗する電極60a(図示されていない)は異極となるように構成されている。電極60とそれとは異極となる電極60aで一対の電極を構成している。又、本実施例では、上面の電極58と電極60は接続電極58bを介して接続されている。更に、下面の電極58aと電極60aは接続電極58c(図示されていない)を介して接続されている。本実施例では、接続電極は振動部の上面と下面に設けられているが、振動部の側面に設けても良い。即ち、接続電極は振動部の上下面及び/又は側面に配置される。
更に、上面の同極となる電極58、60は一方の接続部52を介してマウント部54にまで延在して配置されている。又、電極59は他方の接続部55を介してマウント部57にまで延在して配置されている。更に、下面の電極59aは一方の接続部52を介してマウント部54にまで延在して配置されている。又、下面の同極となる電極58a、60aは他方の接続部55を介してマウント部57にまで延在して配置されている。図4の説明から明らかなように、一方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置され、他方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置されている。それ故、一方の電極58,60、59aは同極になるように配置、接続され、他方の電極58a、59,60aは同極となるように配置、接続され、それらは互いに異極となる2電極端子構造を形成している。
更に詳述するならば、本実施例では三対の電極を構成している。本発明の電極構成は前記実施例の3対に限定されるものでなく、今、電極の対数をnとすると、対称モードを使用する場合にはn対(n=1,3,5・・・)と奇数対の電極構成と非対称モードを使用する場合にはn対(n=2,4,6・・・)と偶数対の電極構成をも包含するものである。詳細には、奇数対の電極構成では、奇数次の長さ縦モードで振動し、偶数対の電極構成では、偶数次の長さ縦モードで振動し、これらがそれぞれ主振動となる。例えば、一対の電極構成では、基本波モード振動が主振動となる。二対の電極構成では、2次高調波モード振動が主振動となる。また、三対の電極構成では、3次高調波(オーバートーン)モード振動が主振動となる。本発明では、長さ縦モードで振動し、主振動以外の振動を副振動と呼び、主振動の等価直列抵抗をR、副振動の等価直列抵抗をRと言う。一例として、3次高調波モード振動が主振動のときには、基本波モード振動、2次高調波モード振動、4次高調波モード振動とそれ以上のf次高調波モード振動が副振動となる。このとき、3次高調波モード振動の等価直列抵抗はRで表され、基本波モード振動、2次高調波モード振動、4次高調波モードとf次高調波モード振動の等価直列抵抗はそれぞれR、R、R、Rで表される。
次に、振動部の幅W、長さL、厚みTと電極との関係について述べる。上記実施例では、三対の電極を構成している。それ故、対抗する面の電界Eを大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さくする必要がある。又、長さ縦モード振動と屈曲モード振動との結合を無視できるほどに小さく、且つ、電極面積を大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、幅Wと長さLとの関係は3W/Lが0.8より小さくする事が必要である。上記実施例では三対の電極構成の場合について説明したが、例えば、n対(n=5,7,9、・・・)と奇数対の電極構成では、主振動がn次高調波モードの長さ縦水晶振動子が得られる。この場合、前記した優れた特性を有する水晶振動子を得るには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さく、且つ、幅Wと長さLとの関係はnW/Lが0.8より小さくする必要がある。
このように、上記実施例の長さ縦水晶振動子は、特に、振動部の電極の配置の仕方を工夫することにより、主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さくすることができる。と同時に、周波数温度特性に優れた超小型の高調波モードの長さ縦水晶振動子を実現することができる。更に、長さ縦水晶振動子の共振周波数は振動次数mに比例するので、高周波数化が可能になる。また、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を実現するために、振動次数mと電極対数nとの関係はm=nとなるように通常は構成される。なお、上記実施例4で詳細に述べた電極構成は上記実施例2と上記実施例3の水晶振動子の振動子形状にも適用できるものである。また、上記実施例1から上記実施例4の振動部は平面であるが、振動部の上下面の少なくとも一面に溝を設け、溝の中に電極を配置して、対抗電極の極性が異なるように配置、構成しても良い。
一例として、振動部の厚みTが0.015mm〜0.19mmの範囲内にあるとき、振動部の溝の厚みTとすると、厚み比(T/T)が0.95以下に、好ましくは、0.01〜0.9の範囲内にある。更に、振動部の幅Wが0.05mm〜1.2mmの範囲内にあるとき、振動部の溝の幅Wとすると、幅の比(W/W)が1より小さく、好ましくは、0.4〜0.98の範囲内にある。更に、基本波モード振動では1個の溝が設けられ、その溝の長さLとすると、長さ比(L/L)は1より小さく、好ましくは、0.3より大きく、かつ、1より小さい範囲内にある。また、3次高調波モード振動では、3個の溝が設けられる。即ち、振動部の端部からL/3の間に1個の溝が、また、L/3から2L/3の間に1個の溝が、更に、2L/3からLの間に1個の溝が設けられている。そして、各溝の長さLとすると、長さの比(3L/L)が0.3より大きく、1より小さく形成される。それ故、n次高調波モード振動では、n個の溝が設けられる。即ち、振動部の端部からL/nの間に1個の溝が、また、L/nから2L/nの間に1個の溝が、同様に溝が設けられ、更に、(n−1)L/nからLの間に1個の溝が設けられている。そして、各溝の長さLとすると、長さの比(nL/L)が0.3より大きく、1より小さく形成される。この溝の形成により振動部の電界強度が高くなり、その結果、電気機械変換効率に優れるので、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子が実現できる。
図5は零温度係数を有する本発明の長さ縦水晶振動子のカット角度θと辺比(W/L)との関係を示す一例である。即ち、本実施例の長さ縦水晶振動子の振動部に一対(n=1)の電極が配置され、かつ、基本波モードで振動し、1次温度係数αが大略零となるカット角度θと辺比(W/L)との関係である。図5から明らかなように、大略α=0となるカット角度θと辺比(W/L)との関係は無数に存在することが分かる。例えば、辺比(W/L)が0.3、0.4、0.45、0.5のとき、大略α=0となるカット角度θはそれぞれ大略6°、8.5°、11°、17°となる。それ故、本発明では、振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記したカット角度と辺比の関係を有し、α=0となるカット角度θをLXTカットと呼び、その振動子をLXTカット長さ縦水晶振動子と言う。また、周波数温度特性の2次曲線の頂点温度を、室温付近を含む任意の温度に設定するためには、本実施例の長さ縦水晶振動子の角度θは寸法比(W/L)と振動部の電極対数n(=
Figure 2005094732
20n(W/L)+25.5]°で与えられる。即ち、頂点温度の任意の設定は角度θの選択によって達成できる。更に、主振動の等価直列抵抗Rと容量比rを小さくするために、通常、電極対数nと寸法比(W/L)との関係において、寸法比(W/L)は(0.1〜0.6)/nの範囲内に、好ましくは、(0.1〜0.24)/nの範囲内、又は(0.26〜0.55)/nの範囲内にある。このような寸法の構成により、さらにスプリアス振動(不要振動)との結合のない長さ縦水晶振動子が実現できる。
更に、上記実施例の長さ縦水晶振動子は、振動部と接続部と支持部とを具えて構成されているように複雑な形状をしている。又、本発明のカット角を有する長さ縦水晶振動子を化学的エッチング法によって加工した場合、その加工速度が遅いのが実状である。換言するならば、水晶の分子間の結合エネルギーが非常に大きいために、化学的エッチング法ではそのエッチング速度が遅く、特に、このような複雑な形状を有する振動子を上手く加工するには、高い技術が要求される。それ故、本発明の長さ縦水晶振動子の加工は、物理的又は機械的な方法を用いて行われ、前記振動子の振動部と接続部と支持部は一体に形成される。即ち、質量を有する粒子を水晶板に物理的、あるいは機械的方法で衝突させ、それにより水晶板の原子、分子を飛散させて振動子の形状を加工するものである。例えば、イオン化した原子、分子、又はブラスト加工用の粒子を用いる。ここではこの方法を粒子法と呼ぶ。この方法は化学的エッチング法による加工法とは異なる方法である。
実施例1の水晶ユニット
図6は本発明の実施例1の水晶ユニットの断面図である。水晶ユニット110は表面実装型のケース112と蓋114と長さ縦水晶振動子62から構成されている。ケース112の両側に固定部が設けられていて、本実施例では、実施例1の水晶振動子で述べた長さ縦水晶振動子62が収納され、その振動子のマウント部が接着剤等により固定部で固定されている。更に、図示されていないが、ケース112の下面には少なくとも2分割された電極が設けられていて、振動子62の各電極と接続されている。即ち、2電極端子構造を形成している。
実施例2の水晶ユニット
図7は本発明の実施例2の水晶ユニットの断面図である。水晶ユニット120は表面実装型のケース122と蓋124と長さ縦水晶振動子72から構成されている。ケース122の片側に固定部が設けられていて、本実施例では、実施例2の水晶振動子で述べた長さ縦水晶振動子72が収納され、その振動子のマウント部が接着剤等により固定部で固定されている。更に、図示されていないが、ケース122の下面には少なくとも2分割された電極が設けられていて、振動子72の各々の電極と接続されている。即ち、2電極端子構造を形成している。また、振動子は真空中で封止されている。
図示されていないが、特に、複数個の長さ縦水晶振動子を収納する時には、振動子間の干渉を防止するための仕切り部が振動子の間に設けられている。2個以上の振動子が同じケース内に収納される場合には、それらの振動子は一体形成されていても良く、又は、個々に形成されていても良い。更に、複数個の振動子は電気的には並列になるように、接続、構成されている。また、本発明は上記実施例の水晶ユニットに限定されるものでなく、例えば、各水晶ユニットに振動モードの異なる水晶振動子を収納し、且つ、これらの水晶ユニットを半田、若しくは接着剤、若しくは金属等の接合部材を用いて接合されている水晶ユニットでも良い。一例として、長さ縦水晶振動子を収納した水晶ユニットと音叉形状の屈曲水晶振動子を収納した水晶ユニット、又は、長さ縦水晶振動子を収納した水晶ユニットと厚みすべり水晶振動子を収納した水晶ユニット、又は音叉形状の屈曲水晶振動子を収納した水晶ユニットと厚みすべり水晶振動子を収納した水晶ユニット、又は音叉形状の屈曲水晶振動子を収納した水晶ユニットと幅縦水晶振動子を収納した水晶ユニットである。即ち、長さ縦水晶振動子と音叉形状の屈曲水晶振動子と厚みすべり水晶振動子と幅縦水晶振動子の内の何れかが各水晶ユニットに収納され、その内の少なくとも2個の水晶ユニットが接合部材を用いて、又は介して接合されている。特に、音叉形状の屈曲水晶振動子は第1音叉腕と第2音叉腕から成り、各音叉腕に溝が設けられ、溝と音叉腕の側面に電極が対抗して配置され、対抗電極は極性が異なるように配置される。詳細には、第1音叉腕の溝の電極と第2音叉腕の溝の電極は極性が異なり、それらに対抗して極性の異なる電極が各音叉腕の両側面に配置されている。更に、溝の対抗電極間の圧電定数e′12の絶対値が0.095〜0.19C/mの範囲内にある。
実施例1の水晶発振器
図8は本発明の実施例1の水晶発振器を構成する水晶発振回路図の一例である。本実施例では、水晶発振回路1は増幅器(CMOSインバータ)2、帰還抵抗4、ドレイン抵抗7、コンデンサー5,6と長さ縦水晶振動子3から構成されている。即ち、水晶発振回路1は、増幅器2と帰還抵抗4から成る増幅回路8とドレイン抵抗7、コンデンサー5,6と長さ縦水晶振動子3から成る帰還回路9から構成されている。詳細には、本実施例の水晶発振器は、増幅回路8と帰還回路9から構成され、増幅回路は少なくとも増幅器から構成され、帰還回路は少なくとも長さ縦水晶振動子とコンデンサーから構成されている。また、本実施例の水晶発振器に用いられる輪郭水晶振動子の一つである長さ縦水晶振動子については、既に図1から図5で詳述されている。
図9は図8の帰還回路図を示す。今、長さ縦水晶振動子の角周波数をω、ドレイン抵抗7の抵抗をR、コンデンサー5、6の容量をC、C、水晶のクリスタルインピーダンスをRei、帰還回路のドレイン側の入力電圧をV,ゲート側の出力電圧をVとすると、帰還率βはβ=|V/|Vで定義される。但し、iは長さ縦モード振動の振動次数を表す。例えば、i=1のとき、基本波モード振動(1次高調波モード振動)、i=2のとき、2次高調波モード振動、i=3のとき、3次高調波モード振動である。即ち、i=nのとき、n次高調波モード振動である。ここでは、単にn次モード振動と言う。又、n対の電極構成で、n次モードで振動する長さ縦モード振動を主振動と言い、その他(n次モード以外)のモードで振動する長さ縦モード振動を副振動と言う。更に、負荷容量CはC=C/(C+C)で与えられ、C=C=CgdとR>>Reiとすると、帰還率βはβ=1/(1+kC )で与えられる。但し、kはωi、Rd、eiの関数で表される。又、Reは近似的に等価直列抵抗Rに等しくなる。
このように、帰還率βと負荷容量Cとの関係から、負荷容量Cが小さくなると、n次モード振動の共振周波数の帰還率はそれぞれ大きくなる。それ故、負荷容量Cが小さくなると、基本波モード振動よりも高調波モード振動の方が発振し易くなる。その理由は高調波モード振動の最大振動振幅が基本波モード振動の最大振動振幅より小さいために、発振持続条件である振幅条件と位相条件を同時に満足するためである。それ故、主振動の発振周波数を出力信号として得るには、上記実施例ですでに述べたような振動部の電極の配置が必要になる。
本発明の水晶発振器は、消費電流が少なく、しかも、出力周波数が高い周波数安定性(高い時間精度)を有する水晶発振器を提供することを目的としている。それ故、消費電流を少なくするために、本実施例では、負荷容量Cは20pF以下を用いる。より消費電流を少なくするには、消費電流は負荷容量に比例するので、C=10pF以下が好ましい。又、副振動の周波数を抑え、n対の電極構成で主振動がn次モードの振動する発振器の出力信号が主振動の発振周波数を得るために、α/α>β/βとαβ>1を満足するように本実施例の水晶発振回路は構成される。好ましくは、α/α>1.12を満たすように構成される。但し、α、αは主振動と副振動の増幅回路の増幅率で、β、βは主振動と副振動の帰還回路の帰還率である。
換言するならば、増幅回路の主振動の増幅率αと副振動の増幅率αとの比が帰還回路の副振動の帰還率βと主振動の帰還率βとの比より大きく、かつ、主振動の増幅率αと主振動の帰還率βの積が1より大きくなるように構成される。即ち、消費電流の少ない、出力信号が主振動の発振周波数である水晶発振器が実現できる。更に、高い周波数安定性については後述される。又、水晶発振回路の出力信号はバッフア回路を介して出力される。
又、本実施例の水晶発振回路を構成する増幅回路の増幅部は負性抵抗−RLでその特性を示すことができる。i=1のとき基本波モード振動(1次モード振動)の負性抵抗で、i=nのときn次モード振動の負性抵抗である。即ち、n=2,3,4,5・・・のとき、2次,3次,4次,5次・・・モード振動の負性抵抗である。本実施例の水晶発振器は、増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように発振回路が構成されている。即ち、|−RL|/R>|−RL|/Rを満足するように回路は構成されている。好ましくは、|−RL|/R>1.12と|−RL|/R<1を満たすように構成される。特に、水晶発振回路での主振動の自起動性を良くするために、主振動の等価直列抵抗Rが200Ω以下の時には、主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|が通常224Ωより大きく、また、等価直列抵抗Rが100Ω以下の時には、主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|が通常112Ωより大きくなるように増幅器は設計される。このように水晶発振回路を構成することにより、副振動の発振起動が抑えられ、その結果、主振動の発振起動が得られるので主振動の発振周波数が出力信号として得られる。と同時に、消費電流の少ない水晶発振器が実現できる。
また、長さ縦水晶振動子の誘導性と電気機械変換効率と品質係数を表すメリット係数Mは、品質係数Q値と容量比rの比(Q/r)によって定義され(i=1のとき基本波モード振動、i=2のとき2次モード振動、i=3のとき3次モード振動)、長さ縦水晶振動子の並列容量に依存しない機械的直列共振周波数fと並列容量に依存する直列共振周波数fの周波数差Δfはメリット係数Mに反比例し、その値Mが大きい程Δfは小さくなる。従って、Mが大きい程、長さ縦水晶振動子の共振周波数は並列容量の影響を受けないので、長さ縦水晶振動子の周波数安定性は良くなる。即ち、時間精度の高い長さ縦水晶振動子が得られる。
詳細には、前記した振動子形状と電極と振動子寸法の構成により、n対の電極構成によって、主振動がn次モードで振動する長さ縦水晶振動子のメリット係数Mが副振動のメリット係数Mより大きくなる。即ち、M>Mとなる。通常、Mは35より大きく、Mは28以下になるように振動部の電極は構成、配置される。換言するならば、メリット係数比(M/M)は1.25より大きい値を有する。但し、Mは主振動のメリット係数である。その結果、主振動の周波数安定性が副振動の周波数安定性より良くなると共に、副振動を抑圧することができる。従って、本実施例の長さ縦水晶振動子から構成される水晶発振器は主振動の発振周波数が出力信号として得られ、かつ、高い周波数安定性(優れた時間精度)を有する。
次に、本発明の水晶発振器の製造方法の一例について述べる。まず、実施例1の図1で述べたように、長さ縦水晶振動子の厚み方向を電気軸x軸方向に、長さ方向を機械軸y軸方向に、幅方向をz軸方向にそれぞれ一致させ、前記長さ縦水晶振動子を最初に厚み方向の軸を回転軸として角度θ=−40°〜+40°回転させ、次に、長さ方向の軸を回転軸として角度θ=−39°〜+39°回転させる、と同時に、前記長さ縦水晶振動子は振動部と接続部と支持部とを具えて構成され、前記接続部は少なくとも第一接続部と第二接続部を有し、前記振動部の幅寸法は長さ寸法より小さく、厚み寸法より大きい長さ縦水晶振動子が水晶板から粒子法により形成される。本実施例では、粒子法による加工を示したが、水晶板の厚みが薄いときには、化学的エッチング法にて前記振動子形状を加工できるので、本実施例の長さ縦水晶振動子の加工に化学的エッチング法を用いても良い。即ち、本実施例の振動子は粒子法及び/又は化学的エッチング法を用いて形成される。
次に、振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置される。更に詳述するならば、長さ縦モードの対称モードでは、n対の電極(n=1,3,5・・:奇数)が、非対称モードでは、n対の電極(n=2,4,6・・:偶数)が配置される。本粒子法による加工では水晶ウエハ内に一度に多数の振動子が形成される。それ故、最初の周波数調整はウエハの状態で行われる。更に、長さ縦水晶振動子はケース、又は、蓋に接着材や半田等で固定部に固定される。このとき、振動子は通常、ケース又は蓋に直接固定されるが、本発明では、媒体を介して間接的に振動子をケース又は蓋に固定しても本発明の固定に含まれる。その後に、さらに周波数調整が最初の周波数調整と同じ方法であるイオンエッチング法やスパッタリング法や蒸着法やレーザ法や電子ビーム法によって行われる。
最後に、ガラスやセラミック等からなる前記ケースとガラスや金属からなる前記蓋が、接合部材(金属やガラス)を介して真空中又は窒素の雰囲気中で接合される。本実施例では、ウエハの状態で周波数調整をしているが、この周波数調整は省略してもよい。また、長さ縦水晶振動子をケース、又は蓋に接着材や半田等で固定した後に周波数調整をしても良く、その時の周波数偏差が振動子の基準周波数に対して通常、+/−100ppm以内になるように、発振周波数は調整される。また、ケースあるいは蓋に穴を設けて、当該ケースと当該蓋とを接合部材を介して接合した後に、周波数を調整して、その後にこの穴を真空中で金属やガラスを用いてレーザで封止しても良い。更に、封止後に振動子の周波数をレーザにて調整しても良い。本発明では、基準周波数は0.5MHzより高い周波数を有する。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではなく、例えば、本発明の水晶発振器に用いられる長さ縦水晶振動子の支持部の形状は上記実施例1から上記実施例4で述べた形状に限定されるものでなく、本発明の支持部の形状は、接続部を介して振動部と接続されるいかなる形状をも包含するものである。更に、本発明の水晶ユニットは少なくとも1個の長さ縦水晶振動子を収納していれば良く、例えば、長さ縦水晶振動子と音叉型屈曲水晶振動子を一緒に水晶ユニットに収納しても良い。
更に、上記実施例1から実施例4の長さ縦水晶振動子の主振動での容量比rは副振動の容量比rより小さくなるように構成されている。このような構成により、同じ負荷容量Cの変化に対して、主振動で振動する長さ縦水晶振動子の周波数変化が副振動で振動する長さ縦水晶振動子の周波数変化より大きくなる。即ち、主振動の方が副振動より周波数の可変範囲を広くとることができる。さらに詳細には、負荷容量C=20pF付近では、そのC値が1pF変わると、主振動の周波数変化は副振動の周波数変化より大きくなる。それ故、主振動では、負荷容量Cの可変量が小さくても、周波数の可変範囲を広くできるという著しい効果を有する。また、上記各実施例の長さ縦水晶振動子の主振動での容量比rは大略60から490の範囲内にあり、容量比rは530より大きい値を有する。
また、長さ縦水晶振動子の主振動と副振動の容量比r、rはそれぞれr=C/C、r=C/Cで与えられる。但し、Cは電気的等価回路の並列容量で、CとCは等価回路の主振動と副振動の等価容量である。即ち、Cは長さ縦水晶振動子の2電極端子間の容量である。更に、長さ縦水晶振動子の主振動と副振動の品質係数はQ値とQ値で与えられる。そして、前記各実施例の長さ縦水晶振動子は、主振動で振動する共振周波数の並列容量による依存性が副振動で振動する共振周波数の並列容量による依存性より小さく成るように構成される。すなわち、r/2Q <r/2Q を満たすように振動部に電極が配置、構成される。この構成により、主振動で振動する共振周波数の並列容量による影響が無視できるほど極めて小さくなるので、高い周波数安定性を有する主振動で振動する長さ縦水晶振動子が得られる。又、本発明では、r/2Q とr/2Q をそれぞれSとSと置き、SとSをそれぞれ主振動と副振動の周波数安定係数と呼ぶ。そして、その値が小さい程周波数安定性は良くなる。即ち、S=r/2Q とS=r/2Q で与えられる。更に詳細には、上記実施例の電極配置により、一例として、主振動のSは1×10−7より小さく、かつ、副振動のSは1.2×10−7より大きくなる。
また、上記実施例の水晶振動子、水晶ユニットと水晶発振器は電子機器(例えば、携帯電話、ビデオカメラ、ビデオ、カーエレクトロニクス、テレビ、ファクシミリ、電話機など)に用いられる。例えば、電子機器は少なくとも表示部と水晶発振器を備えて構成されていて、少なくとも一個の水晶発振器は輪郭水晶振動子(例えば、長さ縦水晶振動子、又は幅縦水晶振動子、又はNS−GTカット水晶振動子、又は音叉型屈曲水晶振動子)または厚みすべり水晶振動子を収納した水晶ユニットを備えて構成されている。また、電子機器が2個の水晶発振器を搭載する場合には、各々の水晶発振器は異なる振動モードの水晶振動子を備えて構成されている。即ち、水晶発振器を電子機器の基準信号源として用いる。
更に、本実施例では輪郭水晶振動子の一つである長さ縦水晶振動子について述べたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明は他の輪郭水晶振動子、例えば、幅縦モードで振動する幅縦水晶振動子や幅縦モードと長さ縦モードが結合したNS−GTカット水晶振動子にも適用できる。詳細には、幅縦水晶振動子とNS−GTカット水晶振動子の場合には、図1から図3において支持部が長さL方向の両端部に設けられる。それ故、これらの振動子の主振動の共振または発振周波数は振動部の幅Wにより決まる。特に、上記実施例の「長さ縦」を「幅縦」に置き換えることによって幅縦水晶振動子は得られる。
本発明の水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器は超小型で、高い周波数安定性を有するので、特に、超小型で、高い周波数安定性を必要とする携帯機器や民生機器等の電子機器に適用できる。
(a)と(b)は本発明の実施例1の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図と側面図である。 本発明の実施例2の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図である。 本発明の実施例3の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図である。 本発明の実施例4の水晶振動子で、長さ縦水晶振動子の上面図である。 零温度係数を有する、本発明の長さ縦水晶振動子の辺比(W/L)と角度θとの関係を示す一例である。 本発明の実施例1の水晶ユニットの断面図である。 本発明の実施例2の水晶ユニットの断面図である。 本発明の実施例1の水晶発振器を構成する水晶発振回路図の一例である。 図8の帰還回路図である。 (a)と(b)は従来の長さ縦水晶振動子の上面図と側面図である。
符号の説明
振動部の幅
振動部の長さ
振動部の厚み
θ,θ 角度

Claims (6)

  1. 振動部と接続部と支持部とを備えて構成される水晶振動子で、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される水晶振動子は粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置されていて、前記水晶振動子は長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子であることを特徴とする水晶振動子。
  2. 長さ縦水晶振動子の角度θと寸法比(W/L)と電極対数nとの関係が、[20n(W
    Figure 2005094732
    項1に記載の水晶振動子。
  3. 長さ縦モードで振動する長さ縦水晶振動子の圧電定数e′12の絶対値が0.095C/m〜0.19C/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
  4. 水晶振動子とケースと蓋とを備えて構成される水晶ユニットで、前記水晶振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記振動部の幅寸法と厚み寸法は長さ寸法より小さい長さ縦水晶振動子を備えて構成される水晶ユニットで、
    前記長さ縦水晶振動子はケースと蓋とを具えて構成される表面実装型、又は円筒型のユニット内に収納されていて、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記長さ縦水晶振動子は、前記振動部の幅方向の両端部に少なくとも第一接続部と第二接続部とを有し、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される長さ縦水晶振動子は粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置され、
    前記長さ縦水晶振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さく、かつ、主振動のメリット係数Mと副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きい長さ縦水晶振動子を備えて構成されていることを特徴とする水晶ユニット。
  5. 各水晶ユニットに振動モードの異なる水晶振動子を収納し、且つ、これらの水晶ユニットが接合部材を用いて接合されていることを特徴とする水晶ユニット
  6. 水晶振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される水晶発振回路を備えた水晶発振器で、
    前記水晶振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記振動部の幅寸法と厚み寸法は長さ寸法より小さい長さ縦水晶振動子を備えて構成され、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記長さ縦水晶振動子の接続部は、前記振動部の幅方向の両端部に少なくとも第一接続部と第二接続部とを有し、前記振動部と前記接続部と前記支持部とを備えて構成される長さ縦水晶振動子は、粒子法及び/又は化学的エッチング法により一体に形成され、前記振動部の上下面には極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置され、
    前記長さ縦水晶振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さい長さ縦水晶振動子を備えて前記水晶発振回路は構成されると共に、
    前記水晶発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記水晶発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、
    前記長さ縦水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が主振動の発振周波数であることを特徴とする水晶発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014027592A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Kyocera Crystal Device Corp 輪郭すべり振動子

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