JP2014027480A - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】幅方向に並んで配置された複数の振動腕部24、25と、これら振動腕部の長さ方向基端を連結する基部26と、前記振動腕部の主面または裏面の少なくとも一方に前記基端側から前記振動腕部の先端側に向かって形成された溝部41、42と、を備える圧電振動片5において、前記振動腕部の振動モードを2次屈曲モードとしたときの前記振動腕部の前記基端側の振動節部と、前記振動腕部の前記先端側の振動節部との間に、分断部43を設け、「2次屈曲モードにおける振動を妨げる部分」、即ち、一対の振動腕部24,25の2次屈曲変形を抑制する「変形抑制部」として機能させている。
【選択図】図5
Description
同図に示すように、音叉型の圧電振動片2001は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部2010,2011と、これら一対の振動腕部2010,2011の長さ方向基端を連結する基部2020とを備えた薄板状の水晶片である。そして、一対の振動腕部2010,2011の外表面上には、これら一対の振動腕部2010,2011を振動させる励振電極2030が形成されている。
同図に示すように、圧電振動片2001は、各振動腕部2010に形成された励振電極2030に電圧が印加されると、一対の振動腕部2010,2011の先端が接近・離間するように、所定方向に所定の共振周波数で振動する。図示するように各々の振動腕部2010、2011が屈曲し、一対の振動腕部2010,2011の先端が接近・離間するように振動する振動モードを屈曲振動モードという。この屈曲振動モードにおいて振動腕部の先端は自由端となる。さらに屈曲振動モードには基本波で振動する「基本波モード」の他に、2次屈曲モード、3次屈曲モードなどの高調波で振動する「高調波モード」がある。例えば図21に図示する振動モードは「基本波モード」であり、図22に図示する振動モードは「高調波モード(2次屈曲モード)」である。「高調波モード」では、それぞれ振動腕部2010,2011の基端に振動節部2010a,2011aが形成されると共に、さらに先端側にも振動節部2010b,2011bが形成され、これらの振動節部の間の略中央の変位量が最大になるように振幅する。
いずれの振動モードでも所望の共振周波数(例えば32.768kHz)で安定的に振動できれば各種タイミング源として用いることができるが、一般的に高調波モードでは通常要求される周波数よりも高い周波数で振動するので、各種タイミング源として用いることは困難である。一方で基本波モードで振動する場合は、上記所望の共振周波数を得られやすい。
振動腕部の表面部や裏面部に溝部が形成されている振動子において、Rをさらに低減させたい場合、振動腕に対する溝の長手方向の長さを延ばすことが考えられる。例えば、溝の長手方向の長さが振動腕の全長に対して55%のものと60%のものを比較した場合、後者の方がRが低下することが知られている。なお、以下で単に「振動腕の長さ」、「溝の長さ」と記載した場合は、長手方向の腕の長さ、溝の長さを指すものとする。
同図に示すように、TL100/L100の値が大きくなるに従い、R1値の低下勾配よりもR2値の低下勾配が大きくなることが確認できる。その結果、図23に示すようにTL100/L100の値が約0.58になるとR1値よりもR2値が小さくなり、振動腕部2010が2次屈曲モードで振動してしまうという課題がある。なお、ここでは高調波モードとして2次屈曲モードの場合を挙げているが、これ以外の高調波モード、つまり3次、4次等々でも、これらのR値がR1よりも小さくなることが確認されている。
(圧電振動子)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図、図2は、圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図、図3は、図2のA−A線に沿う断面図、図4は圧電振動子の分解斜視図である。
図5は、圧電振動片の平面図、図6(a)は、図5のB−B線に沿う断面図、図6(b)は、図5のC−C線に沿う断面図である。
図5〜図6(b)に示すように、圧電振動片5は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。この圧電振動片5は、互いに平行に延在する一対の振動腕部24,25と、これら一対の振動腕部24,25の延在方向に沿う基端部同士を一体的に接続固定する基部26とからなる音叉型をなしている。
一対の振動腕部24,25において、分断部43が形成されている箇所の剛性は、各溝部41,42が形成されている箇所と比較して高くなる。
TL1≒0.6L・・・(1)
を満たすように設定されている。
また、各振動腕部24,25の基端と、分断部43の中心との間の距離TL2は、
TL2≒L/2・・・(2)
を満たすように設定されている。
W1≒W2・・・(3)
を満たすように設定されている。
そして、第1溝部41の溝深さH1と、第2溝部42の溝深さH2は、
H1≒H2・・・(4)
を満たすように設定されている。
続いて、圧電振動片の製造方法について説明する。
まず、フォトリソグラフィ技術によって不図示のウエハの両面に、一対の振動腕部24,25及び基部26を有する圧電振動片5の外形パターンを形成する。尚、この際、ウエハ上に複数の外形パターンを形成する。
次いで、外形パターンをマスクとして、ウエハの両面をそれぞれエッチング加工する。
これにより、外形パターンでマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片5の外形形状を形作ることができる。なお、この状態で各圧電振動片5は、図示しない連結部を介してウエハに連結された状態となっている。
そして、最後にウエハと圧電振動片5とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片5をウエハから切り離して個片化する切断工程を行う。これにより、1枚のウエハから、音叉型の圧電振動片5を一度に複数製造することができる。
次に、圧電振動子1の動作について説明する。
圧電振動子1を作動させる場合、ベース基板2に形成された外部電極6,7に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片5の各励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部24,25を互いに接近・離間させる方向(幅方向)に所定の周波数で振動させることができる。そして、これら一対の振動腕部24,25の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
第1実施形態によれば、一対の振動腕部24,25の両主面24c,25cに第1溝部41、第2溝部42、及びこれら溝部41,42の間に配置された分断部43を形成することにより、各振動腕部24,25の基端と第2溝部42の先端との間の距離TL1(溝部の長さ)を、式(1)を満たすように設定した場合であっても、つまり、分断部43を含めた第1溝部41、及び第2溝部42の全長を、各振動腕部24,25の全長の半分以上に設定した場合であっても、これら振動腕部24,25の振動モードを基本波モードとすることができる。このため、溝部の長さを長くしてR1をさらに低下させつつ、一対の振動腕部24,25が2次屈曲モードで振動してしまうことを防止することができる。
次に、この発明の第2実施形態を図1、図3を援用し、図7、図8に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図7は、この第2実施形態における圧電振動片の平面図である。
この第2実施形態において、圧電振動子1は、ベース基板2、及びリッド基板3が不図示の接合材を介して陽極接合された箱状のパッケージ10と、パッケージ10のキャビティC内に収納された圧電振動片105とを備えた表面実装型の圧電振動子1である点(又はセラミックパッケージであってもよい点)、圧電振動片105とベース基板2の第1面2a(図3における下面)に設置された外部電極6,7とが、ベース基板2を貫通する一対の貫通電極8,9によって電気的に接続されている点、圧電振動片105は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であって、互いに平行に延在する一対の振動腕部124,125と、これら一対の振動腕部124,125の延在方向に沿う基端部同士を一体的に接続固定する基部26とからなる点、一対の振動腕部124,125は、基部26から延びる腕部本体124a,125aと、腕部本体124a,125aの先端から腕部本体124a,125aの長手方向に沿うように延出形成され、且つ腕部本体124a,125aよりも段差により幅が拡大されたハンマー部24b,25bとからなり、ハンマー部24b,25bが基部26を固定端とし幅方向に振動する自由端に設定されている点等の基本的構成は、前述した第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
このように形成した場合であっても、細溝部51において振動腕部124、125の剛性が向上する(溝長さが同じで幅が一定の溝が形成されている場合と比較して)ので、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図8は、縦軸をR1値、及びR2値とし、横軸をTL1/Lとしたときの第2実施形態におけるR1値、及びR2値の変化を示すグラフであって、(a)は、各振動腕部124,125の基端と、分断部43の中心との間の距離TL2を、各振動腕部124,125の基端と第2溝部42の先端との間の距離TL1で除算(以下、単に「TL2/TL1」という)した値が0.5の場合を示し、(b)は、TL2/TL1の値が0.6の場合を示し、(c)は、TL2/TL1の値が0.8の場合を示す。
また、図8(b)に示すように、TL2/TL1が0.6のとき、TL1/Lの値が約0.61になると、R1値よりもR2値が小さくなることが確認できる。
さらに、図8(c)に示すように、TL2/TL1が0.8のとき、TL1/Lの値が約0.62になると、R1値よりもR2値が小さくなることが確認できる。
また、図8(a)〜図8(c)より明らかなように、各振動腕部124,125の基端と、分断部43の中心との間の距離TL2、及び各振動腕部124,125の基端と第2溝部42の先端との間の距離TL1を、
TL2/TL1≧0.5・・・(5)
を満たすように設定することにより、効果的に一対の振動腕部124,125が2次屈曲モードで振動してしまうことを防止できる。なお、より効果的にはTL2/TL1≒0.8とすると、溝部の長さTL1を長くした場合にもR1<R2の関係を維持することが可能になる。
次に、この発明の第3実施形態を図9に基づいて説明する。
図9は、この第3実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第3実施形態の圧電振動片205と第2実施形態の圧電振動片105との相違点は、第3実施形態における一対の振動腕部224,225の分断部43に形成されている溝の形状が、第2実施形態における一対の振動腕部124,125の分断部43に形成されている溝の形状と異なる点にある。
次に、この発明の第4実施形態を図10に基づいて説明する。
図10は、この第4実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第4実施形態の圧電振動片305と第2実施形態の圧電振動片105との相違点は、第3実施形態における一対の振動腕部324,325の分断部43に形成されている溝の形状が、第2実施形態における一対の振動腕部124,125の分断部43に形成されている溝の形状と異なる点にある。
尚、上述の第4実施形態では、分断部43に2つの細溝部53を形成した場合について説明したが、これに限られるものではなく、分断部43に3つ以上の細溝部を形成してもよい。
次に、この発明の第5実施形態を図11に基づいて説明する。
図11は、この第5実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第5実施形態の圧電振動片405と第2実施形態の圧電振動片105との相違点は、第5実施形態における一対の振動腕部324,325の基端に、細溝部54が形成されているのに対し、第2実施形態の圧電振動片105には、細溝部54が形成されていない点にある。
このように形成した場合であっても、細溝部51において振動腕部424、425の剛性が向上する(溝長さが同じで幅が一定の溝が形成されている場合と比較して)ので、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、基端側を細溝部54とすることにより、振動腕部424、425の基端側での強度を向上させることが可能になる。
次に、この発明の第6実施形態を図12に基づいて説明する。
図12は、この第6実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第6実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態の一対の振動腕部24,25には、第1溝部41と第2溝部42との間に分断部43が形成されているのに対し、第6実施形態の一対の振動腕部524,525には、第1溝部41と第2溝部42との間が幅狭の細溝部55(幅狭部)で連結されている点にある。
このように形成した場合であっても、細溝部55において振動腕部524、525の剛性が向上する(溝長さが同じで幅が一定の溝が形成されている場合と比較して)ので、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、この発明の第7実施形態を図13に基づいて説明する。
図13は、この第7実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第7実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態の一対の振動腕部24,25には、第1溝部41と第2溝部42との間に分断部43が形成されているのに対し、第7実施形態の一対の振動腕部624,625に形成されている第1溝部641、及び第2溝部641は連なっており、これら第1溝部641と第2溝部642とを連結する連結部56にリブ57が形成されている点にある。このリブ57が2次屈曲振動に対する「変形抑制部」として機能する。
したがって、上述の第7実施形態によれば、リブ57において振動腕部624、625の剛性が向上する(リブが形成されていない場合と比較して)ので、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、この発明の第8実施形態を図14に基づいて説明する。
図14は、この第8実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第8実施形態と第2実施形態との相違点は、第2実施形態の圧電振動片105を構成する基部26と、第8実施形態の圧電振動片705を構成する基部726の形状が異なる点にある。
また、基部726の長さLKを長くすることなく基部726の体積を増やすことができるうえ、幅広に形成された第2基部728を利用してマウントできるので、マウント性についても向上できる。
次に、この発明の第9実施形態を図15に基づいて説明する。
図15は、この第9実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第9実施形態と第2実施形態との相違点は、第9実施形態の圧電振動片805には、基部826の幅方向両側に、それぞれサイドアーム58,59が一体成形されているのに対し(所謂サイドアームタイプ)、第2実施形態における圧電振動片105の基部26には、サイドアーム58が一体成形されていない点にある。
したがって、上述の第9実施形態によれば、前述の第2実施形態と同様の効果に加え、基部826において、各振動腕部824,825との接続部と、マウント部(サイドアーム58,59の先端部58a,59a)との距離を長く確保することができる。この結果、圧電振動片805の全長を増大させることなく、振動漏れを抑制してCI値が上昇するのを抑え、出力信号の品質が低下するのを抑えることが可能になる。
次に、この発明の第10実施形態を図16に基づいて説明する。
図16は、この第10実施形態における圧電振動片の平面図である。
同図に示すように、第10実施形態と第9実施形態との相違点は、第10実施形態の基部926には、幅方向両側に凹部923が形成されているのに対し、第9実施形態の基部826には、幅方向両側に凹部923が形成されていない点にある。
したがって、上述の第10実施形態によれば前述の第9実施形態と同様の効果に加え、振動を一対の振動腕部924,925側に閉じ込めて基部926側に漏れてしまうことを抑制できるので、さらにCI値が上昇してしまうことを防止できる。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図17に基づいて説明する。
図17は、発振器の一実施形態を示す構成図である。
同図に示すように、本実施形態の発振器1100は、圧電振動子1を、集積回路1101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器1100は、コンデンサ等の電子部品1102が実装された基板103を備えている。基板1103には、発振器用の上述した集積回路1101が実装されており、この集積回路1101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品1102、集積回路1101及び圧電振動子1は、不図示の配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
また、集積回路1101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図18に基づいて説明する。尚、電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器(電子機器)1110を例にして説明する。
ここで、本実施形態の携帯情報機器1110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
図18は、携帯情報機器の構成図である。
同図に示すように、この携帯情報機器1110は、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部1111とを備えている。電源部1111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部1111には、各種制御を行う制御部1112と、時刻等のカウントを行う計時部1113と、外部との通信を行う通信部1114と、各種情報を表示する表示部1115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部1116とが並列に接続されている。そして、電源部1111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
無線部1117は、音声データ等の各種データを、アンテナ1125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部1118は、無線部1117又は増幅部1120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部1120は、音声処理部1118又は音声入出力部1121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部1121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
なお、呼制御メモリ部1124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部1122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
なお、通信部1114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部1126を備えることで、通信部1114の機能をより確実に停止することができる。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図19に基づいて説明する。
図19は、電波時計の一実施形態を示す構成図である。
同図に示すように、本実施形態の電波時計1130は、フィルタ部1131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
アンテナ1132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ1133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部1131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部1138,1139をそれぞれ備えている。
続いて、波形整形回路1135を介してタイムコードが取り出され、CPU1136でカウントされる。CPU1136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC1137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部1138,1139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
例えば、上述の実施形態では、表面実装型の圧電振動子1に本発明の圧電振動片5,105,205,305,405,505,605,705,805,905を採用しているが、これに限らず、シリンダパッケージタイプの圧電振動子に本発明の圧電振動片5,105,205,305,405,505,605,705,805,905を採用しても良い。
また、分断部43を複数形成する場合、各分断部43のそれぞれに細溝部51,53,54,55や溝部52を形成してもよいし、複数の分断部43のうちの一部に細溝部51,53,54,55や溝部52を形成してもよい。
しかしながら、これに限られるものではなく、一対の振動腕部24〜924,25〜925の振動モードが2次屈曲モードとしたときの基端側の振動節部(例えば、図22における2010a,2011a)と、先端側の振動節部(例えば、図22における2010b,2011b)との間に、分断部43が形成されていればよい。より好ましくは、距離TL2が、各振動腕部24〜924,25〜925の全長Lに対し、
L/2TL≦TL2≦2L/3・・・(6)
を満たすように、分断部43の位置を設定するとよい。式(6)を満たすように、分断部43を形成することにより、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上より、本発明によれば、振動腕部が高次屈曲モードで振動すると仮定した場合の変形領域に、高次振動を抑制する「変形抑制部」を設けた。これにより、略同一幅で長手方向に延びる溝が振動腕部に形成されている場合と比較すると、溝の長さがほぼ同じであったとしても「変形抑制部」を設けた方がR2を大きくすることができる。従って、圧電振動片のR値(CI値)を低くしようとして溝の長さを長くした場合であっても、R1<R2の関係を保つことができるので、圧電振動片を基本波モードで振動させることが可能になる。例えば振動腕の長さLに対して溝の長さTL1をTL1/L≒0.6としてもR1<R2を達成することができる。さらに「変形抑制部」の位置を2次屈曲モードで最も変形する位置(例えば腹の位置)に形成すれば、TL1/L≒0.68としてもR1<R2を維持できる、即ち基本波モードで振動させることができることが本発明者らによって確認されている。なお、変形抑制部として溝の分断部を設けた場合は、分断部を設ける分、溝の長さが短くなるが、電解効率に及ぼす影響は微細であり、R1<R2の関係を維持できることの恩恵の方がはるかに大きい。
5,105,205,305,405,505,605,705,805,905 圧電振動片
24,25,124,125,224,225,324,325,424,425,524,525,624,625,724,725,824,825,924,925 振動腕部
24c,25c,124c,125c,524c,525c 主面
26,726,826,926 基部
41,441,641 第1溝部
42,642 第2溝部
43 分断部
51,53,54,55 細溝部
52 溝部
1100 発振器
1101 集積回路
1110 携帯情報機器(電子機器)
1113 時計部
1130 電波時計
1131 フィルタ部
2010a,2011a 振動節部(基端側の振動節部)
2010b,2011b 振動節部(先端側の振動節部)
P100 最大振幅部
L 全長
Claims (9)
- 幅方向に並んで配置された複数の振動腕部と、
前記振動腕部の長さ方向基端を連結する基部と、
前記振動腕部の主面または裏面の少なくとも一方に前記基端側から前記振動腕部の先端側に向かって形成された溝部と、を備える圧電振動片において、
前記振動腕部の振動モードを2次屈曲モードとしたときの前記振動腕部の前記基端側の振動節部と、前記振動腕部の前記先端側の振動節部との間に、2次屈曲モードにおける前記振動腕部の屈曲変形を抑制する変形抑制部が設けられていることを特徴とする圧電振動片。 - 前記変形抑制部は、
前記振動腕部の振動モードを2次屈曲モードとしたときの前記振動腕部の最大振幅部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記変形抑制部とは、
前記溝部が前記振動腕部の長手方向に分断される分断部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動片。 - 前記変形抑制部とは、
前記溝部の幅方向の寸法が狭くなる幅狭部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動片。 - 前記分断部に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の圧電振動片。
- 請求項1に記載の圧電振動片を有することを特徴とする圧電振動子。
- 請求項6に記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
- 請求項6に記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項6に記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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