JP2014027262A - 発光ダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】封止性能、耐熱性、光取出効率、発光輝度等に優れた発光ダイオードを提供する。
【解決手段】ダイボンドと発光素子と封止層とを備えた発光ダイオードにおいて、発光素子と封止層との間に高屈折率金属酸化物微粒子層を設けてなる発光ダイオード。前記高屈折率金属酸化物微粒子層の表面粗さ(Ra)が1〜25nmの範囲にある。前記高屈折率金属酸化物微粒子層の屈折率が1.5〜2.5の範囲にある。前記高屈折率金属酸化物微粒子層の平均厚みが20〜300nmの範囲にある。前記高屈折率金属酸化物微粒子層が、さらに結合材を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止性能、耐熱性、光取出効率、発光輝度等に優れた発光ダイオードに関する。
従来、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)において、半導体素子を保護するために、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの透明な封止剤によって半導体素子を封止している。しかしながら、LEDの短波長化や高輝度化に伴ってLEDから放出されるエネルギーが増加し、場合によっては蓄熱して封止樹脂が黄変してLEDの輝度が低下する問題があった。
また、封止剤の屈折率が低いためにLEDから放出される光が、封止層によって反射して光透過率が低下する問題、エネルギー効率の低下する問題があった。 このため、熱的安定性に優れ、屈折率を向上させて光透過率を向上させた封止剤として、粒子径が1〜20nmの表面修飾したジルコニア粒子をシリコーン樹脂に配合した組成物が提案されている(特許文献1:特開2009−173757号公報)。
しかしながら、ジルコニア粒子のシリコーン樹脂への分散性を改良するために、一次表面修飾、二次表面修飾をし、さらに残存OH基を無くするためにアルキルシラザン系表面処理剤により三次表面修飾をする必要があることから、生産性が低いことに加え、表面修飾剤の必要量が多く、これら表面処理剤は屈折率が1.4近辺であることから得られる粒子の屈折率が1.6以下であり、これを用いた樹脂硬化物(封止層)の屈折率は必ずしも高くなく、このため光透過率の向上には限界があった。
また、使用する表面処理剤が多いことに加え、高価であることから経済性の面で不利であった。さらに、この場合、発光素子と封止層との密着性が低いためにその界面で光の反射が増幅され、光取り出し効率の向上が充分得られない場合があった。
一方、発光素子をゾルゲルによる蛍光体を含むシリカガラスで被覆したシリカ層を設け、水分による蛍光体の劣化を抑制することも提案されている(特許文献2:特開2002−203989号公報)。
また、発光素子(LEDチップ)を封止する封止層にシリコーン樹脂を用い、リードフレームや反射層等の金属部分をゾルゲルガラス等の透光性無機材料で被覆し、光取出し効率、耐久性を向上させることが開示されている(特許文献3:特開2007−324256号公報)。
さらにまた、発光素子等を金属アルコキシドを出発原料とし、蛍光物質を含むガラス材料でガラス層を形成すると、密着性良くガラス層を形成でき、このようなガラス層を使用すると安価で信頼性の高い、波長変換機能を有する半導体発光装置が得られることが開示されている(特許文献4:特開平11−204838号公報)。
特開2009−173757号公報 特開2002−203989号公報 特開2007−324256号公報 特開平11−204838号公報
しかしながら、樹脂の黄変を抑制できたとしても、ゾルゲル層の屈折率は1.4〜1.5程度と低く、発光素子の屈折率との乖離が大きいため、前記したように光の反射が起こり、LED装置の光取出し効率が悪いという問題がある。また、発光素子とゾルゲルガラス層との界面の密着性は高いが、ゾルゲルガラス層と樹脂層との界面の密着性は改良できず、長期使用により樹脂層の膨張・収縮等により剥離して光透過率が向上できず、むしろ低下する場合があった。
本発明者等は、このような問題点に鑑み鋭意検討した結果、発光素子の表面を高屈折率のジルコニアゾルにより被覆してジルコニア微粒子層を設けると、樹脂層の密着性が向上するとともに発光効率、発光輝度が向上し、また、樹脂の黄変を抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
[1]ダイボンドと発光素子と封止層とを備えた発光ダイオードにおいて、発光素子と封止層との間に高屈折率金属酸化物微粒子層を設けてなることを特徴とする発光ダイオード。
[2]前記高屈折率金属酸化物微粒子層の表面粗さ(Ra)が1〜25nmの範囲にある[1]の発光ダイオード。
[3]前記高屈折率金属酸化物微粒子層の屈折率が1.5〜2.5の範囲にある[1]の発光ダイオード。
[4]前記高屈折率金属酸化物微粒子層の平均厚みが20〜300nmの範囲にある[1]または[2]の発光ダイオード。
[5]前記高屈折率金属酸化物微粒子層中の金属酸化物微粒子が、TiO2、ZrO2、Al23、ZnO、SnO2、Sb25、In23、Nb25から選ばれる1種の金属酸化物微粒子または2種以上の混合物または複合酸化物微粒子である[1]の発光ダイオード。
[6]前記金属酸化物微粒子の平均粒子径が3〜50nmの範囲にある[1]の発光ダイオード。
[7]前記金属酸化物微粒子が、平均粒子径(DA)が3〜30nmの範囲にある金属酸化物粒子(A)と平均粒子径(DB)が20〜50nmの範囲にある金属酸化物粒子(B)とが、(DA)<(DB)の条件を満たす混合物である[6]の発光ダイオード。
[8]前記高屈折率金属酸化物微粒子層が、さらに結合材を含む[1]の発光ダイオード。
[9]前記結合材が、加水分解性金属化合物の加水分解重縮合物である[8]の発光ダイオード。
[10]前記結合材の含有量が高屈折率金属酸化物微粒子層中に固形分として5〜40質量%の範囲にある[8]または[9]の発光ダイオード。
[11]前記封止層の屈折率が1.30〜1.90の範囲にある[1]の発光ダイオード。
[12]前記封止層がn層(nは2〜20の整数)の多層であり、第1封止層の屈折率n1が1.55〜1.90の範囲にあり、第n封止層の屈折率nnが1.30〜1.65の範囲にあり、屈折率が異なる封止層が屈折率の高い順に発光素子から積層してなる[11]の発光ダイオード。
[13]前記封止層が、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある疎水性ジルコニウム粒子および/または平均粒子径が5〜200nmの範囲にある疎水性シリカ系中空粒子と樹脂とからなる[1]の発光ダイオード。
[14]前記樹脂がエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂である[13]の発光ダイオード。
本発明によれば、発光素子と封止樹脂層との密着性が向上して剥離が抑制でき、封止性
能に優れ、光透過率が高く、蓄熱が少なく、封止層の黄変が抑制され、発光輝度、発光効
率等に優れた発光ダイオードを提供することができる。
本発明に係る発光ダイオードの一態様の概略模式図を示す。 本発明に係る発光ダイオードの別の一態様の概略模式図を示す。
以下、まず、本発明に係る発光ダイオードについて説明する。
[発光ダイオード]
本発明に係る発光ダイオードは、ダイボンドと発光素子と封止層とを備えた発光ダイオードにおいて、発光素子と封止層との間に高屈折率金属酸化物微粒子層を設けてなる。図1に、本発明に係る発光ダイオードの1態様を示す。図1には、発光素子表面に高屈折率金属酸化物微粒子層が形成されてなり、さらにその表面に封止層が形成されている。
高屈折率金属酸化物微粒子層
高屈折率金属酸化物微粒子層は、屈折率が1.5〜2.5、好ましくは1.8〜2.5の範囲にある高屈折率層である。
このような高屈折率層は高屈折率の金属酸化物微粒子を含有しており、発光素子の屈折率よりも低く、封止層の屈折率よりも高い屈折率の層である。金属酸化物微粒子としては、例えば、TiO2、ZrO2、Al23、ZnO、SnO2、Sb25、In23、Nb25等の金属酸化物微粒子、これらの混合物微粒子、複合酸化物微粒子、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、ZrO2微粒子は屈折率が高く、光触媒活性を有してないので封止層を黄変することのある樹脂を用いる場合には好適に用いることができる。
なお、純粋な酸化チタン微粒子、特に結晶性の酸化チタン微粒子等の光触媒活性を有する金属酸化物微粒子は、封止樹脂層に用いる樹脂によっては黄変を促進する場合があるので、適宜光触媒活性を抑制、失活させて用いることが好ましい。
高屈折率金属酸化物微粒子層の屈折率が前記範囲にあると、発光素子から放出される光が反射することなく効率的に封止層を通過して取り出すことができる。その結果、光透過率が高く、また蓄熱が少ない、発光輝度、発光効率に優れた発光ダイオードを得ることができる。
金属酸化物微粒子の平均粒子径は3〜50nm、さらには8〜40nmの範囲にあることが好ましい。
金属酸化物微粒子の平均粒子径が小さいものは、金属酸化物微粒子が凝集して、発光素子の表面に密着性良く緻密な高屈折率金属酸化物微粒子層を形成できない場合がある。金属酸化物微粒子の平均粒子径が大きすぎても、凝集はしにくいものの、発光素子の表面に密着性良く緻密な高屈折率金属酸化物微粒子層を形成できない場合があり、また、光透過率が低下する場合がある。
さらに、金属酸化物微粒子は、平均粒子径(DA)が3〜30nmの範囲にある金属酸化物粒子(A)と平均粒子径(DB)が20〜50nmの範囲にある金属酸化物粒子(B)とが、(DA)<(DB)の条件を満たす混合物であることが望ましい。
このような平均粒子径の小さな金属酸化物微粒子と平均粒子径の大きな金属酸化物微粒子とを混合して用いると、小粒子が結合材として機能し、発光素子の表面に密着性良く緻密な高屈折率金属酸化物微粒子層を形成できるとともに、表面に所望の凹凸を有する高屈折率金属酸化物微粒子層を形成することができる。
金属酸化物粒子(A)と金属酸化物粒子(B)とを混合する場合、その混合比は、金属酸化物粒子(A)/金属酸化物粒子(B)が10/90〜90/10、さらには20/80〜80/20の範囲にあればよい。
前記高屈折率金属酸化物微粒子層が、さらに結合材を含んでいることが望ましい。
結合材としては、金属酸化物微粒子を結合し、発光素子との密着性、光透過性等に優れた高屈折率金属酸化物微粒子層が得られれば特に制限はなく従来公知の結合材(マトリックスということがある)を使用することができる。
本発明では、加水分解性金属化合物の加水分解重縮合物が好適に用いられる。 加水分解重縮合物が含まれていると、発光素子との密着性、光透過性、強度(硬度)に優れるとともに、高屈折率金属酸化物微粒子層上に形成される封止層との密着性(非剥離性)に優れた高屈折率金属酸化物微粒子層を形成することができる。
加水分解性金属化合物としては、好ましくは下記式(1)で表される加水分解性金属化合物が好ましい。
n-MXm-n ・・・・・・・(1)
(但し、式中、MはSi、Ti、Zr、Alから選ばれる少なくとも1種の金属元素、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、m:元素Mの価数であって3または4、n:0〜2の整数であってm−nが2または3)
本発明に用いる式(1)で表される加水分解性金属化合物としては、具体的に金属元素Mが珪素である場合、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等が挙げられる。また、四塩化珪素、三塩化シラン、六塩化二珪素等も好適に用いることができる。さらに、上記式(1)の化合物以外にケイ酸アルカリを脱アルカリして得られる酸性ケイ酸液も好適に用いることができる。
金属元素がチタンの場合、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラ‐2‐エチルヘキソシド、チタンジイソプロポキシビスアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジオクチロキシビスオクチレングリコレート、チタンジイソプロポキシビスエチルアセトアセテート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンイソプロポキシオクチレングリコレート、テトラキス2‐エチルヘキシルオキシチタン、ジイソプロポキシビスアセチルアセトナトチタン等が挙げられる。また、四塩化チタン、硫酸チタニル等も好適に用いることができる。
また、金属元素Mがジルコニウムの場合、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラ‐2‐エチルヘキソシド等が挙げられる。また、四塩ジルコニウム、塩化ジルコニル等も好適に用いることができる。
また、金属元素Mがアルミニウムの場合、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリノルマルブトキシド、アルミニウムトリ‐2‐エチルヘキソシド等が挙げられる。
また、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等も好適に用いることができる。
前記結合材の含有量が高屈折率金属酸化物微粒子層中に固形分として60質量%以下、さらには5〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
高屈折率金属酸化物微粒子層中の結合材が多すぎると平滑面となってしまい、高屈折率金属酸化物微粒子層上に形成される封止層との密着性(非剥離性)の向上効果が充分得られない場合がある。
なお、高屈折率金属酸化物微粒子層の表面凹凸は、表面粗さ(Ra)として1〜25nm、さらには2〜10nmの範囲にあることが好ましい。 表面粗さ(Ra)が小さいものは、高屈折率金属酸化物微粒子層の上に設ける封止層との密着性向上効果が不十分となり、容易に剥離して光透過率の低下の原因となる場合がある。表面粗さ(Ra)が多すぎても、封止層との密着性がさらに向上することもなく、また、剥離を抑制する効果がさらに向上することもなく、むしろ高屈折率金属酸化物微粒子層の強度が低下したり、クラックが発生して、密着性低下および光透過率低下の原因となる場合がある。
本発明では、表面粗さ(Ra)は、高屈折率層表面を原子間力顕微鏡(DigitalInstruments社製、Nanoscope-3a)を用いて、算術平均粗さ(Ra)を測定する。
高屈折率金属酸化物微粒子層の平均厚みは20〜300nm、さらには50〜200nmの範囲にあることが好ましい。平均厚みが薄い場合は、光透過率向上および密着性向上効果が十分に得られない場合がある。平均厚みが厚すぎても、高屈折率金属酸化物微粒子層にクラックが発生して、密着性低下および光透過率低下の原因となる場合がある。
ここで、高屈折率金属酸化物微粒子層の平均厚みは、高屈折率金属酸化物微粒子層を形成する際の乾燥段階で剥離し、ついで硬化した微粒子層について、表面の段差をレーザー顕微鏡(KEYENCE: VK−8510)にて測定した。
高屈折率金属酸化物微粒子層の形成方法
高屈折率金属酸化物微粒子層は、前記金属酸化物微粒子の分散液を発光素子表面に塗布し、乾燥し、加熱処理することによって形成することができる。
金属酸化物微粒子の分散液の分散媒としては、高屈折率金属酸化物微粒子、必要に応じて用いる結合材成分を安定に分散できれば特に制限はなく従来公知の分散媒を用いることができる。
例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピル、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールものエチルエーテルなどのエーテル類を含む親水性溶媒、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールものアセタートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トルエン等極性溶媒が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
金属酸化物微粒子の分散液には、前記結合材(加水分解性金属化合物、これらの加水分解物、加水分解重縮合物など)を含んでいてもよい。分散液中の結合材成分の濃度は得られる高屈折率金属酸化物微粒子層中の含有量が固形分として前記した範囲となるように用
いる。
金属酸化物微粒子分散液の全固形分濃度は0.5〜20質量%、さらには1〜15質量%の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば一回の塗工で、密着性の高い微粒子層を形成できる。
金属酸化物微粒子分散液の全固形分濃度が少ないと、高屈折率金属酸化物微粒子層が薄くなり過ぎて光透過率向上および密着性向上の効果が十分に得られない場合がある。また、高屈折率金属酸化物微粒子層表面の凹凸も小さくなり過ぎて密着向上効果が不十分となる場合がある。全固形分濃度が多すぎても、金属酸化物微粒子層の厚みを300nm以下に制御することが困難となり、微粒子層にクラックが発生して、密着性低下および光透過率低下の原因となる場合がある。
金属酸化物微粒子分散液の塗布方法としては、発光素子表面に密着性良く、所定の厚み、表面粗さを有する高屈折率金属酸化物微粒子層を形成できれば特に制限はないが、例えば、スピンコート法、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、ポッティング法等が挙げられる。
乾燥は、分散媒を実質的に除去できれば特に制限はなく従来公知の乾燥方法を採用することができる。
次に、加熱処理は、発光素子を変質することなく高屈折率金属酸化物微粒子層を硬化できれば特に制限はなく、例えば、概ね100〜500℃で加熱処理する。
封止層
本発明に係る発光ダイオードでは、前記高屈折率金属酸化物微粒子層の上に、封止層が設けられている。封止層は、通常、樹脂からなり、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂が使用される。本発明ではエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂が好適に用いられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、フェノールノボラック等として市販されている樹脂およびこれらの混合物が挙げられる。シリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニルシリコン樹脂、メチルフェニルシルコン樹脂等およびこれらの混合物が挙げられる。
エポキシ樹脂を用いると比較的高屈折率の封止層を形成することができ、光透過率、封止性能等に優れた封止層を形成することができる。一方で、前記黄変を抑制できない場合がある。
また、シリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニルシリコン樹脂、メチルフェニルシルコン樹脂、変性シリコーン樹脂等およびこれらの混合物が挙げられる。
シリコーン樹脂を用いると黄変がなく、封止性能等に優れた発光ダイオード得ることができる。一方で、屈折率が比較的低く、光透過率が不十分となる場合がある。
封止層の屈折率は1.30〜1.90、好ましくは1.35〜1.90の範囲にある。
屈折率が低いと、発光素子(LED)から放出される光が、封止層によって反射して光透過率が低下するため、充分な発光効率(輝度)が得られない場合がある。また、屈折率は通常1.90を越えることはない。なお屈折率を大きくしすぎると、封止性能、光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。
本発明では、前記封止層がn層(nは2〜20の整数)からなり、発光ダイオード側の第1封止層の屈折率n1が1.40〜1.90好ましくは1.55〜1.90の範囲にあり、第n封止層の屈折率nnが1.30〜1.65好ましくは1.35〜1.55の範囲にあり、屈折率の高い順に積層してもよい。
第1封止層の屈折率n1が小さいと高屈折率金属酸化物微粒子層との屈折率差が大きく光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。第1封止層の屈折率n1はほぼ上限が、1.90であり、これ以上大きくすることも可能であるが、封止性能、光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。
第n封止層(n番目の封止層:最上層)の屈折率nnは1.30が下限であり、これ以上低くすることも可能であるが、レンズの屈折率よりも低いため光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。第n封止層(n番目の封止層:最上層)の屈折率nnが大きすぎると、積層した封止層間の屈折率差が小さくなってしまい、光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。
隣接する封止層間の屈折率差は0.02〜0.2、さらには0.05〜0.15の範囲にあることが好ましい。隣接する封止層間の屈折率差が少なすぎると、光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。屈折率差が0.2を越えると膜厚にもよるが、封止層の数が少なくなるため、光透過率(発光効率)等が不充分となる場合がある。
本発明では、封止層を設ける場合、屈折率の異なる2〜20層、好ましくは4〜20層の範囲に設けることが望ましい。封止層(積層の場合は全層)の厚みは発光ダイオードの構成等によっても異なるが、0.1〜20mm、さらには0.5〜10mmの範囲にあることが好ましい。封止層の厚みが薄いと封止層としての効果が得られにくくなる。全封止層の厚みが厚くしても、光透過率の向上効果がさらに大きく改善することもなく、経済性の低下が大きくなる。
各封止層は、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある疎水性ジルコニア粒子および/または平均粒子径が5〜200nmの範囲にある疎水性シリカ系中空粒子と樹脂とからなることが好ましい。
前記封止層には金属酸化物粒子が含まれていることが好ましい。金属酸化物粒子としては、必要に応じて封止層の屈折率を調製することができ、透光性を有していれば特に制限はないが、前記高屈折率金属酸化物微粒子層に用いたと同様の金属酸化物粒子を用いることができる。
このとき、疎水性の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。本発明では疎水性酸化ジルコニウム粒子、疎水性シリカ系中空粒子が好適に用いられる。 疎水性酸化ジルコニウム粒子としては、通常、シランカップリング剤で表面処理した疎水性酸化ジルコニウム粒子が用いられるが、特に、後述するが、本願出願人の出願による特開2011−136857号公報に開示した、表面にシリカ被覆層を有し、該シリカ層の表面にトリアルキルシリル基が結合してなる疎水性酸化ジルコニウム粒子が好適である。
シリカ被覆層の重量割合は酸化ジルコニウム粒子の粒子径によっても異なるが、固形分(SiO2)として酸化ジルコニウム粒子の1〜50重量%、さらには3〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
シリカ被覆層が少ない場合は、後述する、シリカ被覆した酸化ジルコニウム粒子表面へのトリメチルシリル基の結合が不充分となり、疎水性酸化ジルコニウム粒子の疎水性、分散性が不充分となる場合があり、このような粒子を後述する樹脂へ混合しても分散性が不充分で、粒子が凝集するようになる。そのため得られるLED用封止材は光が散乱し、透過率が低下したり、ヘーズが高くなったりするため、発光効率(輝度)が不充分となる場合がある。シリカ被覆層が多すぎても、得られる疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率が低くなり、封止材の光透過率が不充分となる場合があり、LEDの発光効率(輝度)が低下する。
疎水性酸化ジルコニウム粒子の表面にはトリアルキルシリル基が結合している。
トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、n-オクチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基が結合していると樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂への分散性に優れ、光透過率が高く、耐熱性に優れた樹脂硬化物膜(発光ダイオード(LED)用封止材)を得ることができる。
前記トリアルキルシリル基の重量割合は、アルキル基の種類によっても異なるが、固形分(R3−SiO1/2)として酸化ジルコニウム粒子の10〜100重量%、さらには20〜80重量%の範囲にあることが好ましい。
トリアルキルシリル基の重量割合が10重量%未満の場合は、屈折率は高いが、LED封止用樹脂と混合した場合、疎水性酸化ジルコニウム粒子の分散性や安定性が不充分となり、封止材のヘーズが高くなり、光透過率が不充分となる場合がある。トリアルキルシリル基の重量割合が100重量%を超えると屈折率が1.58以下になり、LED封止材に使用した場合、発光した光が外部に出ず、内部で散乱し発熱が起こるため、発光効率(輝度)が低下する場合がある。
疎水性ジルコニア粒子としては、ジルコニア粒子をシランカップリング剤で表面処理した疎水性ジルコニア粒子を使用することもできるが、本発明では、後述する表面にトリアルキル基が結合した疎水性ジルコニア粒子は好適に用いることができる。疎水性酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は5〜50nm、さらには8〜30nmの範囲にあることが好ましい。疎水性酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が小さいもいのは、疎水性、分散性に優れた疎水性酸化ジルコニウム粒子としては得ることが困難であり、疎水性酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が大きすぎると、理由は明らかではないが得られる封止層の透明性が不充分となり、光透過率が不充分となる場合がある。
本発明では、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、50個の粒子について粒子径を測定し、これを平均して求めることができる。 疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率は、1.58〜2.0、さらには1.65〜2.0の範囲にあることが好ましい。屈折率が低いものは、封止層の屈折率を高く調製することができない場合がある。
疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率が2.0を超えるものは、疎水性酸化ジルコニウム粒子として得ることが困難である。
本発明で、疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率の測定方法は、屈折率が概ね1.90以下の場合は、標準屈折液としてCARGILL製のSeriesM、B、A、AA、AAAを用い、以下の方法で測定した。
(1)疎水性酸化ジルコニウム粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを80℃で12時間乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率とする。
なお、前記高屈折率金属酸化物粒子および後述する疎水性シリカ系中空粒子についても同様である。また、屈折率が概ね1.90以上の場合は、分散液を濃縮または希釈して、固形分濃度5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%の分散液を調製し、各濃度の分散液の比重を浮秤で、液屈折率を液屈折率計(ATAGO社製:RX−5000α)により、それぞれ測定し、計算により粒子屈折率を求めた。
本発明の疎水性酸化ジルコニウム粒子は、酸化ジルコニウム粒子の表面にシリカ被覆層が形成されていることが好ましい。
シリカ被覆層の重量割合は酸化ジルコニウム粒子の粒子径によっても異なるが、固形分(SiO2)として酸化ジルコニウム粒子の1〜50質量%、さらには3〜40質量%の範囲にあることが好ましい。
シリカ被覆層の重量割合が、SiO2として酸化ジルコニウム粒子の1質量%未満の場合は、後述する、シリカ被覆した酸化ジルコニウム粒子表面へのトリメチルシリル基の結合が不充分となり、疎水性酸化ジルコニウム粒子の疎水性、分散性が不充分となる場合があり、このような粒子を後述する樹脂へ混合しても分散性が不充分で、粒子が凝集するようになる。そのため得られるLED用封止層は光が散乱し、透過率が低下したり、ヘーズが高くなったりするため、発光効率(輝度)が不充分となる場合がある。
シリカ被覆層の重量割合が、SiO2として酸化ジルコニウム粒子の50質量%超えると、得られる疎水性酸化ジルコニウム粒子の屈折率が低くなり、封止層の光透過率が不充分となる場合があり、LEDの発光効率(輝度)が低下する。
疎水性酸化ジルコニウム粒子の表面にはトリアルキルシリル基が結合している。
トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、n-オクチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基が結合していると樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂への分散性に優れ、光透過率が高く、耐熱性に優れた封止層を得ることができる。
前記トリアルキルシリル基の重量割合は、アルキル基の種類によっても異なるが、固形分(R3−SiO1/2)として酸化ジルコニウム粒子の10〜100質量%、さらには20〜80質量%の範囲にあることが好ましい。
トリアルキルシリル基が少ないと、屈折率は高いが、封止用樹脂と混合した場合、疎水性酸化ジルコニウム粒子の分散性や安定性が不充分となり、封止層のヘーズが高くなり、光透過率が不充分となる場合がある。トリアルキルシリル基が多すぎると屈折率が1.58以下になり、発光した光が外部に出ず、内部で散乱し発熱が起こるため、発光効率(輝度)が低下する場合がある。
疎水性シリカ系中空粒子としては、シリカ系中空粒子をシランカップリング剤で表面処理した疎水性シリカ系中空粒子を使用することもでき、さらに、本発明では、後述する表面にトリアルキル基が結合した疎水性シリカ系中空粒子は好適に用いることができる。
本発明に用いる疎水性シリカ系中空粒子の平均粒子径は2〜200nm、さらには10〜150nmの範囲にあることが好ましい。疎水性シリカ系中空粒子が小さすぎると、疎水性、分散性に優れた疎水性シリカ系中空粒子を得ることが困難であり、疎水性シリカ系中空粒子が大きすぎると、封止層の透明性が不充分となり、光透過率が不充分となる場合がある。
疎水性シリカ系中空粒子の屈折率は1.15〜1.45、好ましくは1.15〜1.40の範囲にある。疎水性シリカ系中空粒子の屈折率の下限は1.15であり、これ未満のものは得ることが困難である。疎水性シリカ系中空粒子の屈折率が大きすぎると、封止層、特に第n番目(最上層)の封止層の屈折率を低くできないために、光透過率を充分に高めることができない場合がある。
本発明に用いる疎水性シリカ系中空粒子は、シリカ系中空粒子の表面にシリカ被覆層が形成されていてもよい。
シリカ被覆層の重量割合はシリカ系中空粒子の粒子径によっても異なるが、固形分(SiO2)としてシリカ系中空粒子の1〜50質量%、さらには3〜40質量%の範囲にあることが好ましい。
シリカ被覆層が少ないと、後述する、シリカ被覆したシリカ系中空粒子表面へのトリメチルシリル基の結合が不充分となり、疎水性シリカ系中空粒子の疎水性、分散性が不充分となる場合があり、このような粒子を後述する樹脂へ混合しても分散性が不充分で、粒子が凝集するようになる。そのため得られる封止層では光が散乱し、透過率が低下したり、ヘーズが高くなったりするため、発光効率(輝度)が不充分となる場合がある。シリカ被覆層の重量割合が、SiO2としてシリカ系中空粒子の50質量%超えると、得られる疎水性シリカ系中空粒子の屈折率が高くなり、封止層、特に第n番目(最上層)の封止層の屈折率を低くできないために、光透過率を充分に高めることができない場合がある。
疎水性シリカ系中空粒子の表面にはトリアルキルシリル基が結合していることが好ましい。トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、n-オクチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
トリアルキルシリル基が結合していると樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂への分散性に優れ、光透過率が高く、耐熱性に優れた発光ダイオード(LED)用封止層を得ることができる。
前記トリアルキルシリル基の重量割合は、アルキル基の種類によっても異なるが、固形分(R3−SiO1/2)としてシリカ系中空粒子の10〜100質量%、さらには20〜80質量%の範囲にあることが好ましい。
トリアルキルシリル基が少ないと、屈折率は低いが、封止用樹脂と混合した場合、疎水性シリカ系中空粒子の分散性や安定性が不充分となり、封止層のヘーズが高くなり、光透過率が不充分となる場合がある。トリアルキルシリル基が多すぎる、屈折率が高くなることがあり、シリカを配合する効果が発揮できずに、光透過率を充分に高めることができない場合がある。
前記した疎水性シリカ系中空粒子は、シリカ系中空粒子をシランカップリング剤で表面処理する従来公知の方法で製造することもできるが、前記した本願出願人の出願による特開2011−136857号公報に開示した、表面にシリカ被覆層を有し、該シリカ層の表面にトリアルキルシリル基が結合してなる疎水性酸化ジルコニウム粒子の製造方法に準じて製造することができる。
封止層中の疎水性ジルコニウム粒子および/または疎水性シリカ系中空粒子の含有量は固形分として10〜90質量%、さらには20〜85質量%の範囲にあることが好ましい。
この範囲で屈折率を調整するように配合される。
封止層中の疎水性酸化ジルコニウム粒子および/または疎水性シリカ系中空粒子の含有量が少ないと、用いる樹脂の屈折率が支配的となり、各封止層の屈折率を所望の屈折率に調整したり、前記した所望の屈折率差を有する封止層を得ることができない場合がある。封止層中の疎水性酸化ジルコニウム粒子および/または疎水性シリカ系中空粒子の含有量が多すぎても、封止層の屈折率は調整できるものの粒子が凝集するようになり、その場合は封止層内の光散乱の原因となり、光透過率が低下したり、ヘーズが高くなり、発光効率(輝度)が低下することに加えて、樹脂が少ないために封止性能が不充分となる場合がある。
封止層の屈折率の調整は、樹脂の屈折率を考慮し、(1)屈折率の高い疎水性ジルコニウム粒子と屈折率の低い樹脂との配合量を変えたり、(2)屈折率の高い疎水性ジルコニウム粒子と屈折率の低い疎水性シリカ系中空粒子の配合量および配合比を変えることによって行われる。屈折率の高い封止層を得るためには疎水性ジルコニウム粒子を多く配合し、屈折率の低い封止層を得るためには疎水性シリカ系中空粒子の配合量を多くすればよい。
このような封止層は、前記樹脂と疎水性酸化ジルコニウム微粒子、疎水性シリカ系中空粒子を含む組成物を使用して形成される。
このような封止用樹脂組成物は、(1)疎水性酸化ジルコニウム粒子および/または疎水性シリカ系中空粒子の有機溶媒分散液に、樹脂成分を所定量添加し、ついで、樹脂が硬化しない範囲で加熱して、必要に応じて減圧下で加熱して有機溶媒を除去する方法、(2)疎水性酸化ジルコニウム粒子および/または疎水性シリカ系中空粒子の有機溶媒分散液から、有機溶媒を蒸発させて除去した後、樹脂成分と所定量混合する方法等があり、必要に応じてこれらを併用した方法によって調製することができる。
封止用樹脂組成物中の有機溶媒が3質量%以下、さらには1質量%以下、特に実質的に溶媒を含まないことが好ましい。 有機溶媒が多く残っていると、封止層を形成する場合、溶媒除去工程が必要となり、また、有機溶媒が残存していると、ボイドの発生や硬化不良等の原因となる場合がある。
このような樹脂組成物には、必要に応じて硬化剤、重合開始剤等が含まれていてもよい。
封止用樹脂組成物を前記高屈折率金属酸化物微粒子層上に塗布し、必要に応じて乾燥し、硬化することによって封止層を形成することができる。
封止用樹脂組成物の塗布方法としては、高屈折率金属酸化物微粒子層表面に密着性良く、所定の厚みを有する封止層を形成できれば特に制限はないが、例えば、スピンコート法、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、ポッティング法等が挙げられる。
乾燥は、分散媒を実質的に除去できれば特に制限はなく従来公知の乾燥方法を採用することができる。なお、本発明の封止用樹脂組成物は分散媒を実質含まない場合があり、この場合は、乾燥は不要である。
次に、加熱処理は、樹脂を変質することなく硬化して封止層を形成することができれば特に制限はなく、樹脂によっても異なるが、例えば、電子線を照射したり、概ね100〜200℃で加熱処理する。
また、封止層がn層(nは2〜20の整数)の封止層からなる封止層を形成する場合は、まず第1層形成用封止用樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し、ついで硬化し、以下、順次、第n層形成用封止用樹脂組成物を塗布、必要に応じて乾燥し、ついで硬化することによって形成する。この場合、硬化は各層毎に行ってもよく、第n層塗布後に行うこともできる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
表面処理ジルコニア微粒子(1)分散液の調製
固形分濃度9.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル317.9kgを535.3kgの水に懸濁し、固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液を調製した。ついで、上記固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液に濃度17質量%のKOH水溶液354.9kg、濃度35質量%の過酸化水素水溶液302.0kg、酒石酸水溶液88.5kgを加え、オートクレーブにて、150℃で11時間水熱処理した。
電気伝導度が0.2mS/cm以下となるまで限外ろ過膜法にて洗浄した後に、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製:US−600TCVP)にて分散処理し、固形分濃度11.2質量%のジルコニア微粒子(1)分散液を調製した。ジルコニア微粒子(1)分散液400g、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM−503)11.2gをビーカーに添加し、5分間撹拌した後に、ロータリーエボパレーターにて、減圧度を圧力が50hPa以下になるまで徐々に下げながら、60℃で1.5時間乾燥して表面処理ジルコニア微粒子粉末(1)を調製した。
この表面処理ジルコニア微粒子粉末(1)50gにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を114g加えて撹拌し、固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(1)PGME分散液164gを得た。
表面処理ジルコニア微粒子(1)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表に示す。
結合材(1)の調製
変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5wt%、イソプロピルアルコール9.8wt%、メタノール4.7%)58.8gにテトラメトキシシラン(多摩化学工業(株)製 Mシリケート51)17.6gを添加し、濃度36質量%の塩酸0.045gに純水13.5gを加えたものを添加した。これをオートクレーブにて100℃−60分処理し、固形分濃度10.0質量%のテトラメトキシシラン加水分解物からなる結合材(1)を得た。
高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液の調製
上記で調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(1)PGME分散液32.85gに、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)316.13g、PGME67.27g、結合材(1)33.75gを添加して固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液を調製した。
高屈折率層(1)付基材の作成
高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液をサファイアガラス基板(厚さ:0.43mm、屈折率:1.76、全光線透過率82.0%、ヘーズ0.0%)にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布し、80℃で30秒間加熱処理後、150℃で30分間加熱処理して硬化させて、高屈折率層(1)付基材を作成した。高屈折率層(1)の厚みは100nmであった。
高屈折率層(1)の密着性および表面粗さを以下の方法で測定し、結果を表に示す。
密着性
高屈折率層付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着、剥離したときの被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。
残存升目の数100個 : ○
残存升目の数90〜99個: △
残存升目の数89個以下 :×
表面粗さ
高屈折率層付基材(1)の表面を原子間力顕微鏡(DigitalInstruments社製、Nanoscope-3a)を用いて、算術平均粗さ(Ra)を測定した。
屈折率
また、高屈折率層(1)の屈折率は、別途、下記の方法で高屈折率層(1-2)を形成して測定した。上記サファイアガラス基板に代えてシリコンウエハー上に高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液を塗布し、硬化させ、厚みが100nmの高屈折率層(1-2)を形成した。ついで、エリプソメーター(SOPRA社製:ESVG)により高屈折率層(1-2)の屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(1)の作成
疎水性酸化ジルコニウム粒子(1)の調製
純水1,300gにオキシ塩化ジルコニウム8水和物(ZrOCl2・8H2O(太陽鉱業(株)製:ZrO2濃度37.2質量%)35gを溶解し、これに濃度10質量%のKOH水溶液123gを添加してジルコニウム水酸化物ヒドロゲル(ZrO2濃度1質量%)を調製した。ついで、限外濾過膜法で電導度が0.5mS/cm以下になるまで洗浄した。
得られたZrO2として濃度1質量%のジルコニウム水酸化物ヒドロゲル2,000gに濃度10質量%のKOH水溶液400gを加えて十分攪拌した後、濃度35質量%の過酸化水素水溶液200gを加えた。このとき、激しく発泡して溶液は透明になり、pHは11.5であった。
この溶液をオートクレーブに充填し、150℃で11時間水熱処理を行った後、遠心沈降法により分離し、白色沈殿物を回収した。 回収した白色沈殿物56.4gに純水281.6gを添加した後、酒石酸(関東化学(株)製:L−酒石酸)6.9g、濃度10質量%のKOH水溶液22.0gを加えて十分攪拌した。シリカビーズを1000g加えた後、分散機(カンペ(株)製:BATCH-SAND)に充填し、分散させ、ジルコニアゾルとした。ついで、限外濾過膜を用いて純水洗浄した後、陰イオン交換樹脂(ROHM−AND HAAS社製:デュオライトUP−5000)を40g加えて脱イオンを行って固形分濃度1.5質量%の酸化ジルコニウム微粒子(1)分散液を得た。得られた酸化ジルコニウム粒子(1)の平均粒子径は15nmであった。
また、酸化ジルコニウム粒子(1)の結晶形はX線回折の測定で単斜晶であった。さらに、得られた酸化ジルコニウム粒子(1)の屈折率は2.2であった。
シリカ被覆層の形成
固形分濃度1.5質量%の酸化ジルコニウム粒子(1)分散液1289gとメタノール1128gおよび濃度28質量%のアンモニア水溶液20.7gとの混合分散液を35℃に加温した後、メタノール31.94gとテトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製:エチルシリケート-A、SiO2含有量28.8質量%)6.71gを混合した溶液を6時間かけてローラーポンプで添加した。その後35℃で1時間加熱攪拌した。ついで、限外濾過膜を用いて溶媒をメタノールに置換し、固形分濃度5質量%のシリカ被覆酸化ジルコニウム粒子(1)メタノール分散液を調製した。
トリアルキルシリル化
セパラブルフラスコの中に固形分濃度5質量%のシリカ被覆酸化ジルコニウム粒子(1)メタノール分散液700gとメタノール700gを入れ十分攪拌混合した後、疎水化剤(トリアルキルシリル化剤)としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)(和光純薬工業(株)製:1,1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)17.5gを添加し、50℃に昇温した後、22時間加熱攪拌して、固形分濃度2.5質量%のトリメチルシリル化した疎水性酸化ジルコニウム粒子(1)分散液を調製した。疎水性酸化ジルコニウム粒子(1)の屈折率は1.72であった。
封止用脂組成物(1)の調製
シリコーン樹脂(信越化学社製 KER−2500−A/KER−2500−B=1/1混合液)12.5gと固形分濃度2.5質量%のトリメチルシリル化した疎水性酸化ジルコニウム粒子(1)分散液1000gとを混合し、ロータリーエバポレーターで、温浴の温度を50℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶媒を除去して封止用樹脂組成物(1)を調製した。
封止層付基材(1)の調製
ついで、高屈折率層付基材(1)上に厚さ2mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を5cmの間隔を空けて対向させ、両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に封止用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて平坦化して、高屈折率層付基材(1)上に厚さ2mmの封止用樹脂組成物(1)層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がし、さらに150℃で5時間加熱処理して硬化させ、封止層付基材(1)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(1)の全光線透過率およびヘーズをヘーズメーター(日本電色工業(株)製NDH−300A)により測定した。さらに、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を以下の方法および評価基準で評価し、結果を表に示す。
密着性
封止層付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着、剥離したときの被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した(表1)。
残存升目の数100個 : ○
残存升目の数90〜99個: △
残存升目の数89個以下 :×
屈折率
また、封止層付基材(1)の封止(樹脂)層の屈折率は、下記の方法で樹脂層のみを形成して測定した。
シリコンウエハー上に封止用樹脂組成物(1)をバーコーター法(バー#3)で塗布し、100℃で1時間加熱処理後、さらに150℃で5時間加熱処理して硬化させ、シリコンウエハー上に厚み2μmの樹脂層を形成した。ついで、エリプソメーター(SOPRA社製:ESVG)により樹脂層の屈折率を測定した。結果を表に示す。
[実施例2]
高屈折率金属酸化物微粒子(2)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(1)PGME分散液26.57gに、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)302.17g、結合材(1)54.00g、PGME67.27g、を添加して固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(2)分散液を調製した。
高屈折率層(2)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして高屈折率層(2)付基材を作成した。高屈折率層(2)の厚み、密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(2)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(2)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(2)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(2)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
高屈折率金属酸化物微粒子(3)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(1)PGME分散液39.84ggに、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)329.39g、結合材(1)13.5g、PGME67.27gを添加して固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(3)分散液を調製した。
高屈折率層(3)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(3)分散液を用いた以外は同様にして高屈折率層(3)付基材を作成した。高屈折率層(3)の厚み、密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(3)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(3)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(3)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(3)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例4]
表面処理ジルコニア微粒子(2)分散液の調製
固形分濃度9.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル317.9kgを535.3kgの水に懸濁し、固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液を調製した。ついで、上記固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液に濃度17質量%のKOH水溶液354.9kg、濃度35質量%の過酸化水素水溶液302.0kg、酒石酸水溶液531.0kgを加え、オートクレーブにて、150℃で11時間水熱処理した。
電気伝導度が0.2mS/cm以下となるまで限外ろ過膜法にて洗浄した後に、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製:US-600TCVP)にて分散処理し、固形分濃度11.0質量%のジルコニア微粒子(1)分散液を調製した。ジルコニア微粒子(1)分散液400g、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)11.0gをビーカーに添加し、5分間撹拌した後に、ロータリーエボパレーターにて、減圧度を圧力が50hPa以下になるまで徐々に下げながら、60℃で1.5時間乾燥して表面処理ジルコニア微粒子粉末(2)を調製した。
この表面処理ジルコニア微粒子粉末(1)50gにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を114g加えて撹拌し、固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(2)PGME分散液164gを得た。表面処理ジルコニア微粒子(2)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表に示す。
高屈折率金属酸化物微粒子(4)分散液の調製
実施例1において、固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(2)PGME分散液32.85gを用いた以外は同様にして固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(4)分散液を調製した。
高屈折率層(4)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(4)分散液を用いた以外は同様にして高屈折率層(4)付基材を作成した。高屈折率層(4)の厚み、密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(4)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(4)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(4)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。得られた封止層付基材(4)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例5]
表面処理ジルコニア微粒子(3)分散液の調製
固形分濃度9.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル317.9kgを535.3kgの水に懸濁し、固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液を調製した。上記固形分濃度3.5質量%のジルコニア水酸化物ゲル分散液に濃度17質量%のKOH水溶液354.9kg、濃度35質量%の過酸化水素水溶液302.0kg、酒石酸水溶液44.3kgを加え、オートクレーブにて、150℃で11時間水熱処理した。
ジルコニア水酸化物ゲルを解膠した溶液に濃度10質量%の酒石酸水溶液88.5kgを加え、オートクレーブにて、150℃で11時間水熱処理した。電気伝導度が0.2mS/cm以下となるまで限外ろ過膜法にて洗浄した後に、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製:US-600TCVP)にて分散処理し、固形分濃度11.1質量%のジルコニア微粒子(3)分散液を調製した。
ジルコニア微粒子(1)分散液400g、γ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503)11.1gをビーカーに添加し、5分間撹拌した後に、ロータリーエボパレーターにて、減圧度を圧力が50hPa以下になるまで徐々に下げながら、60℃で1.5時間乾燥して表面処理ジルコニア微粒子粉末(3)を調製した。
この表面処理ジルコニア微粒子粉末(2)50gにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を114g加えて撹拌し、固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(3)PGME分散液164gを得た。表面処理ジルコニア微粒子(3)の平均粒子径、屈折率を測定し、結果を表に示す。
高屈折率金属酸化物微粒子(5)分散液の調製
実施例1において、固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(3)PGME分散液32.85gを用いた以外は同様にして固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(5)分散液を調製した。
高屈折率層(5)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(5)分散液を用いた以外は同様にして高屈折率層(5)付基材を作成した。高屈折率層(5)の厚み、密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(5)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(5)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(5)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(5)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例6]
高屈折率層(6)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液をサファイアガラス基板上にスピンコーター(1000rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(6)付基材を作成した。高屈折率層(6)の厚みは70nmであった。
高屈折率層(6)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(6)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(6)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(6)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(6)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例7]
高屈折率層(7)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(1)分散液をサファイアガラス基板上にスピンコーター(200rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(7)付基材を作成した。高屈折率層(7)の厚みは200nmであった。
高屈折率層(7)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(7)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(7)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(7)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(7)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例8]
高屈折率金属酸化物微粒子(6)分散液の調製
実施例4と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(2)PGME分散液19.71gと、実施例5と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(3)PGME分散液13.14gとの混合分散液に、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)316.13g、PGME67.27g、結合材(1)33.75gを添加して固形分濃度3.0%の高屈折率金属酸化物微粒子(6)分散液を調製した。
高屈折率層(8)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(6)分散液をサファイアガラス基板上にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(8)付基材を作成した。高屈折率層(8)の厚みは110nmであった。高屈折率層(8)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(8)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(8)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(8)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(8)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例9]
封止用脂組成物(2)の調製
実施例1において、シリコーン樹脂の代わりにエポキシ樹脂(DIC(株)製:EPICLON850−S)を用いた以外は同様にして封止用樹脂組成物(2)を調製した。
封止層付基材(9)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(2)を高屈折率層付基材(1)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(9)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(9)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例10]
第2封止層形成用樹脂組成物(1)の調製
シリコーン樹脂(信越化学社製 KER−2500−A/KER−2500−B=1/1混合液)22.5gと、実施例1と同様にして調製した固形分濃度2.5質量%のトリメチルシリル化した疎水性酸化ジルコニウム粒子(1)分散液100gとを混合し、ロータリーエバポレーターで、温浴の温度を50℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶媒を除去して第2封止層形成用樹脂組成物(1)を調製した。
封止層付基材(10)の作成
まず、実施例1と同様にして調製した高屈折率層付基材(1)上に厚さ1mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を5cmの間隔を空けて対向させ、両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に実施例1と同様にして調製した封止用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて、高屈折率層付基材(1)上に厚さ1mmの封止用樹脂組成物(1)層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がした。次いで、先のガラス板2枚を剥がした箇所に、今度は厚さ2mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に第2封止層形成用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて、高屈折率層付基材(1)上に厚みが合計で2mmとなる封止用樹脂組成物層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がし、さらに150℃で5時間加熱処理して硬化させ、封止層付基材(10)を作成した。
このときの樹脂封止層の合計の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(10)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例11]
第3封止層形成用樹脂組成物(1)の調製
疎水性シリカ系中空粒子(1)の調製
シリカ系中空粒子として、シリカ系中空微粒子分散ゾル(日揮触媒化成(株)製:スルーリア1420、平均粒子径60nm、濃度20.5質量%、分散媒:イソプロパノ−ル、粒子屈折率1.30)を用い、これを稀釈して固形分濃度1.5質量%のシリカ系中空粒子(1)分散液とした。
シリカ被覆層の形成
固形分濃度1.5質量%のシリカ系中空粒子(1)分散液1289gとメタノール1128gおよび濃度28質量%のアンモニア水溶液20.7gとの混合分散液を35℃に加温した後、メタノール31.94gとテトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製:エチルシリケート-A、SiO2含有量28.8質量%)6.71gを混合した溶液を6時間かけてローラーポンプで添加した。その後35℃で1時間加熱攪拌した。ついで、限外濾過膜を用いて溶媒をメタノールに置換し、固形分濃度5質量%のシリカ被覆シリカ系中空粒子(1)メタノール分散液を調製した。
トリアルキルシリル化
セパラブルフラスコの中に固形分濃度5質量%のシリカ被覆シリカ系中空粒子(1)メタノール分散液700gとメタノール700gを入れ十分攪拌混合した後、疎水化剤(トリアルキルシリル化剤)としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)(和光純薬工業(株)製:1,1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)17.5gを添加し、50℃に昇温した後、22時間加熱攪拌して、固形分濃度2.5質量%のトリメチルシリル化したシリカ系中空粒子(1)分散液を調製した。トリメチルシリル化シリカ系中空粒子(1)の屈折率は1.32であった。
第3封止層形成用樹脂組成物(1)の調製
シリコーン樹脂(信越化学社製 KER−2500−A/KER−2500−B=1/1混合液)2.0gと、固形分濃度2.5質量%のトリメチルシリル化した疎水性シリカ系中空(1)分散液256gとを混合し、ロータリーエバポレーターで、温浴の温度を50℃にし、減圧度を徐々に上げ2時間で溶媒を除去して第3封止層形成用樹脂組成物(1)を調製した。
封止層付基材(11)の作成
まず、実施例1と同様にして調製した高屈折率層付基材(1)上に厚さ1mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を5cmの間隔を空けて対向させ、両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に実施例1と同様にして調製した封止用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて、高屈折率層付基材(1)上に厚さ1mmの封止用樹脂組成物(1)層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がした。
次いで、先のガラス板2枚を剥がした箇所に、今度は厚さ2mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に第2封止層形成用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて、高屈折率層付基材(1)上に厚みが合計で2mmとなる封止用樹脂組成物層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がした。最後に、先のガラス板2枚を剥がした箇所に、今度は厚さ3mm、幅2cm、長さ10cmのガラス板2枚を両面テープで固定した後に、2枚のガラス板間に第3封止層形成用樹脂組成物(1)を垂らし、10mm径のステンレス製の丸棒をスライドさせて、高屈折率層付基材(1)上に厚みが合計で3mmとなる封止用樹脂組成物層を形成した。これを100℃で1時間加熱処理した後、両面テープで固定したガラス板2枚を剥がし、さらに150℃で5時間加熱処理して硬化させ、封止層付基材(11)を作成した。
このときの樹脂封止層の合計の厚みは3mmであった。得られた封止層付基材(11)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例12]
高屈折率金属酸化物微粒子(7)分散液の調製
実施例4と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(2)PGME分散液19.71gと、実施例5と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(3)PGME分散液13.14gとの混合分散液に、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)316.13gを添加して固形分濃度3.0質量%の高屈折率金属酸化物微粒子(7)分散液を調製した。
高屈折率層(12)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(7)分散液をサファイアガラス基板上にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(12)付基材を作成した。高屈折率層(12)の厚みは90nmであった。
高屈折率層(12)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(12)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(12)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(12)を作成した。
このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(12)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例13]
結合材(2)の調製
ヘキシレングリコール75gに濃度1質量%の硝酸水溶液36.2gを添加した後、テトラエトキシシラン(タマ化学工業(株)製:ES−28)を20.7g添加撹拌し、加水分解物(2)を得た。一方、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート((株)マツモト交商製:ZC−540)398gにヘキシレングリコール498gを添加し、ここに先の加水分解物(2)を添加して撹拌し、固形分濃度6.0%の結合材(2)を得た。
高屈折率金属酸化物微粒子(8)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30.5質量%の表面処理ジルコニア微粒子(1)PGME分散液32.85gに、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5質量%、イソプロピルアルコール9.8質量%、メタノール4.7質量%)316.13g、PGME44.77g、結合材(2)を56.25gを添加して高屈折率金属酸化物微粒子(8)分散液を調製した。
高屈折率層(13)付基材の作成
実施例1において、高屈折率金属酸化物微粒子(8)分散液をサファイアガラス基板上にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(13)付基材を作成した。高屈折率層(13)の厚みは100nmであった。
高屈折率層(13)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(13)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(13)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(13)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(13)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[実施例14]
封止層付基材(14)の作成
高屈折率層付基材(1)上に、シリコーン樹脂(信越化学社製 KER−2500−A/KER−2500−B=1/1混合液)を封止用樹脂組成物(1)の代わりに用いる以外は実施例1と同様にして封止層付基材(14)を作成した。このときの樹脂封止層(シリコーン樹脂層)の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(14)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
封止層付基材(R1)の作成
高屈折率層付基材(1)の代わりにサファイアガラス基板(厚さ:0.43mm、屈折率:1.76、全光線透過率82.0%、ヘーズ0.0%)を用いる以外は実施例1と同様にして封止層付基材(R1)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(R1)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[比較例2]
高屈折率層(R2)付基材の作成
実施例1において、実施例1と同様にして調製した固形分濃度10.0質量%のテトラメトキシシラン加水分解物からなる結合材(1)を変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5wt%、イソプロピルアルコール9.8wt%、メタノール4.7%)にて固形分濃度3.0%に希釈し、サファイアガラス基板上にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(R2)付基材を作成した。高屈折率層(R2)の厚みは90nmであった。
高屈折率層(R2)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(R2)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(R2)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(R2)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(R2)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
高屈折率層(R3)付基材の作成
実施例1において、実施例13と同様にして調製した固形分濃度6.0質量%の結合材(2)を変性アルコール(日本アルコール販売(株)製 ソルミックスAP−11:エタノール85.5wt%、イソプロピルアルコール9.8wt%、メタノール4.7%)にて固形分濃度3.0%に希釈した後、サファイアガラス基板上にスピンコーター(500rpm−120秒)で塗布した以外は同様にして高屈折率層(R3)付基材を作成した。高屈折率層(R3)の厚みは100nmであった。
高屈折率層(R3)の密着性、表面粗さおよび屈折率を測定し、結果を表に示す。
封止層付基材(R3)の作成
実施例1において、封止用樹脂組成物(1)を高屈折率層付基材(R3)上に塗布した以外は同様にして封止層付基材(R3)を作成した。このときの樹脂封止層の厚みは2mmであった。
得られた封止層付基材(R3)の全光線透過率、ヘーズ、高屈折率層に対する密着性および封止層の屈折率を測定し、結果を表に示す。
Figure 2014027262
Figure 2014027262

Claims (14)

  1. ダイボンドと発光素子と封止層とを備えた発光ダイオードにおいて、発光素子と封止層との間に高屈折率金属酸化物微粒子層を設けてなることを特徴とする発光ダイオード。
  2. 前記高屈折率金属酸化物微粒子層の表面粗さ(Ra)が1〜25nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  3. 前記高屈折率金属酸化物微粒子層の屈折率が1.5〜2.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  4. 前記高屈折率金属酸化物微粒子層の平均厚みが20〜300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の発光ダイオード。
  5. 前記高屈折率金属酸化物微粒子層中の金属酸化物微粒子が、TiO2、ZrO2、Al23、ZnO、SnO2、Sb25、In23、Nb25から選ばれる1種の金属酸化物微粒子または2種以上の混合物または複合酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  6. 前記金属酸化物微粒子の平均粒子径が3〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  7. 前記金属酸化物微粒子が、平均粒子径(DA)が3〜30nmの範囲にある金属酸化物粒子(A)と平均粒子径(DB)が20〜50nmの範囲にある金属酸化物粒子(B)とが、(DA)<(DB)の条件を満たす混合物であることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。
  8. 前記高屈折率金属酸化物微粒子層が、さらに結合材を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  9. 前記結合材が、加水分解性金属化合物の加水分解重縮合物であることを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオード。
  10. 前記結合材の含有量が高屈折率金属酸化物微粒子層中に固形分として5〜40質量%の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオード。
  11. 前記封止層の屈折率が1.30〜1.90の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  12. 前記封止層がn層(nは2〜20の整数)の多層であり、第1封止層の屈折率n1が1.55〜1.90の範囲にあり、第n封止層の屈折率nnが1.30〜1.65の範囲にあり、屈折率が異なる封止層が屈折率の高い順に発光素子から積層してなることを特徴とする請求項11に記載の発光ダイオード。
  13. 前記封止層が、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある疎水性ジルコニウム粒子および/または平均粒子径が5〜200nmの範囲にある疎水性シリカ系中空粒子と樹脂とからなることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  14. 前記樹脂がエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項13に記載の発光ダイオード。
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