JP2014027009A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子単体で光線を形成し放射方位を制御することができる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子1は、n型半導体層20とp型半導体層30との間に半導体発光層10を備え、n型半導体層20上またはp型半導体層30上に形成され、n型半導体層20およびp型半導体層30よりも小さい誘電率を有する透明誘電体からなる透明誘電体層40と、当該透明誘電体層40と同じ透明誘電体からなり、半導体発光層10で発生した光の導波路となる複数の誘電体柱状部41,42と、を備え、複数の誘電体柱状部41,42は、透明誘電体層40上に環状に配置され、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部41から構成される第1柱群と、当該第1柱群を構成する誘電体柱状部41とは高さが異なり、かつ、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部42から構成される第2柱群と、からなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体映像等の表示装置に用いる発光素子に関するものである。
像再生型立体表示の代表的な方式には、ホログラフィ、パララクスステレオグラム、レンチキュラシート、インテグラルフォトグラフィ(以下、IPと称す)等があり(例えば非特許文献1参照)、これらのうちIP方式は、コヒーレント光を用いず、垂直方向の視差情報も表現できる方式であるため、疲労の少ない自然な立体表示が可能な装置の早期実現に有望であると考えられている(例えば非特許文献2参照)。
IP方式の表示システムは、光線を再生する多数の微小なレンズ(要素レンズ)を配列したレンズアレイと、各レンズに対応した画像(要素画像)を多数並べて表示するディスプレイとによって構成される。観察者は、一つの要素レンズに対応する一つの要素画像から、観察者の位置に応じた部分的な情報を視覚的に得ることで、これらを要素レンズの数だけ並べた立体像を観察する。すなわち、立体像の解像度は、要素レンズの解像度と要素画像の解像度および観視距離で決まり、システムの視域角については要素レンズの性能が支配的な要因となる。このような事情から、実用的な立体像をIP方式で生成するには、発光素子と光学素子の高精細化と高機能化が不可欠となっている(例えば非特許文献3参照)。
しかし、発光素子と光学素子の高精細化が進んでも、レンズを使用する系にはレンズの回折限界や焦点距離のように原理的に取り除くことができない性能限界も存在する。例えば、ディスプレイの画素サイズが要素レンズの最小スポットサイズより小さくなると映像ボケが発生するため、同時にスポットサイズも小さくする必要があるが、これをAbbeの回折限界より小さくすることは原理的に不可能である。また、レンズを用いたシステムでの視域角は要素レンズの焦点距離に反比例するが、これを無限に小さくすることはできない。さらに、視域角は要素レンズのピッチに比例もするため、レンズを用いた系における解像度と視域角との間には、トレードオフの関係がある。従って、レンズを使用せず、例えば素子の表面形状等により微小な幅の光線を形成し、その放射方向を制御できる発光素子が実現できれば、立体像形成技術を飛躍的に進歩させることが可能となる。
近年その発光特性の向上により各種用途で注目を集めているLEDは、照明器具等への応用においては光を拡散させる仕組みが必要となるほど放射光の直進性が強く(例えば特許文献1,2参照)、色純度の高さ等の発光特性にも優れることから、放射方向を制御できる用途に使用できる有望なデバイスと考えられる。指向性発光素子に求められる基本特性は、所望の光線以外の光(迷光)の強度を抑制しながら幅の狭い光線を形成(光線形成)し、任意方向へ放射する(方位制御)ことである。LEDは前記した通り直進性が強いものの、迷光を抑制して一方向へ進む光線を形成するには構造的な工夫が欠かせず、これを目指した提案もなされている(例えば特許文献3,4,5,6参照)。
しかし、これらは発光部と光線形成あるいは拡散部(以下、これらを一括して光波制御部と称す)が独立した構造であるため、当該発光部と拡散部との位置合わせが困難であり、特に多数の素子が並ぶ表示装置において大きな問題となる。さらに、IP方式で形成される立体像の解像度は、光線の密度に応じた解像度となるため、光線密度の最大値の逆数に相当する光線幅を狭く保つことも必要であるが、発光部と光波制御部が分離していれば微細化は困難である。方位制御に関しては構造的な工夫や多数の微細構造物の組み合わせで実現することもできる(例えば特許文献7,8,9参照)。しかし、例えば50型程度の基板を用いて視域角が20度でVGAクラスの解像度を実現するには、1本の光線形成に使用する発光素子のサイズを10μm程度に抑える必要があり、前記の如く複雑または多数の微細構造物を用いることはできない。ただし、LEDに対しては微細加工技術の適用や結晶成長の制御による微細構造物の形成が可能である(例えば特許文献10,11参照)ため、微細構造物の適切な形状と配置、好ましい個数(あるいはパターニングの範囲)が明らかになれば、立体表示装置への応用も可能となる。
特開2008−258302号公報 特開2010−257573号公報 特開2007−79093号公報 特開2008−147182号公報 特開2008−293858号公報 特開2009−53345号公報 特開平10−240165号公報 特開2009−4443号公報 特開2010−27875号公報 特開2010−257573号公報 特開2010−285640号公報
滝保夫ほか、「画像工学」、コロナ社、1972年、pp.277-326 「電気情報通信学会誌」、2010年5月、Vol.93、No.5、pp.372-381 財団法人機械システム振興協会・財団法人光産業技術振興協会、「自然な立体視を可能とする空間像の形成に関する調査研究報告書−要旨−」、システム技術開発調査研究 19-R-5、pp.14-16、2008年3月
前記したように、従来の技術では、発光素子単体で光線を形成して放射方向を制御することはできないため、IP方式の表示システムではレンズアレイを用いて立体像を表示せざるを得ず、レンズの回折限界や焦点距離のような性能限界を超えることができなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、発光素子単体で光線を形成し放射方向を制御することができる発光素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために請求項1に係る発光素子は、n型半導体層とp型半導体層との間に半導体発光層を備える発光素子であって、n型半導体層上またはp型半導体層上に形成され、n型半導体層およびp型半導体層よりも小さい誘電率を有する透明誘電体からなる透明誘電体層と、透明誘電体層上に形成され、当該透明誘電体層と同じ透明誘電体からなり、半導体発光層で発生した光の導波路となる複数の誘電体柱状部と、を備え、複数の誘電体柱状部が、透明誘電体層上に環状に配置されるとともに、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部から構成される第1柱群と、当該第1柱群を構成する誘電体柱状部とは高さが異なり、かつ、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部から構成される第2柱群と、からなる構成とした。
このような構成を備える発光素子は、複数の誘電体柱状部の放射面から放射された光が干渉することで光線を形成することができるとともに、第1柱群を構成する誘電体柱状部と第2柱群を構成する誘電体柱状部の高さを相違させることで、高さの低い誘電体柱状部内部を伝播する光が、高さの高い誘電体柱状部内部を伝播する光よりも柱先端の放射面に早く到達して空気中を早く進む。そのため、発光素子は、高さの異なる誘電体柱状部を進む光の間に位相差を設けることができ、当該位相差に応じた方向に光線を放射することができる。なお、前記した第1柱群および第2柱群には、ここでは誘電体柱状部がそれぞれ1本のみの場合も含まれている。
また、発光素子は、半導体材料よりも加工が容易な透明誘電体によって柱状構造物を形成することで、例えば当該柱状構造物を半導体材料で形成する場合のように柱状構造物を結晶成長させる必要がないため、結晶成長条件等の厳密な制御が不要となるとともに、当該柱状構造物を半導体材料で形成する場合のように適用可能な加工方法が限定されることもない。そして、発光素子は、柱状構造物を透明誘電体によって形成することで、当該柱状構造物を不透明な材料で形成した場合と比較して、当該柱状構造物による光の吸収を抑えることができるため、発光素子から取り出すことができる光量を増大させることができる。
請求項2に係る発光素子は、請求項1に記載の発光素子において、複数の誘電体柱状部が、透明誘電体層上に3〜6本まとめて環状に配置され、第2柱群が、複数の誘電体柱状部の総数の半数以下の誘電体柱状部から構成されている構成とした。
このような構成を備える発光素子は、第2柱群を構成する誘電体柱状部を、複数の誘電体柱状部の総数の半数以下とし、かつ、第1柱群を構成する誘電体柱状部の高さと相違させることで、それぞれの放射面から放射された光に位相差を設けることができ、当該位相差に応じた方向に光線を放射することができる。
請求項3に係る発光素子は、請求項1に記載の発光素子において、複数の誘電体柱状部が、透明誘電体層上に6本まとめて環状に配置され、第1柱群および第2柱群が、それぞれ3本の誘電体柱状部から構成されている構成とした。
このような構成を備える発光素子は、6本の誘電体柱状部の放射面から放射された光が干渉することで光線を形成することができるとともに、6本の誘電体柱状部のうちの3本の高さを相違させることで、高さの低い3本の誘電体柱状部内部を伝播する光が、高さの高い3本の誘電体柱状部内部を伝播する光よりも柱先端の放射面に早く到達して空気中を早く進む。そのため、発光素子は、高さの異なる誘電体柱状部を進む光の間に位相差を設けることができ、当該位相差に応じた方向に光線を放射することができる。
請求項4に係る発光素子は、請求項2または請求項3に記載の発光素子において、複数の誘電体柱状部が、透明誘電体層上において、それぞれの柱の中心軸が同じ円周上に等間隔で位置するように、環状に配置されている構成とした。
このような構成を備える発光素子は、複数の誘電体柱状部が円周上に等間隔で配置されることで、当該複数の誘電体柱状部の放射面から光が放射された際に、光線として形成される光以外の余分な光(迷光)が特定箇所に固まって妨害となることがない。
請求項5に係る発光素子は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発光素子において、第1柱群を構成する誘電体柱状部と第2柱群を構成する誘電体柱状部との高さの差が、当該誘電体柱状部の内部を伝播する光の波長以下である構成とした。
このような構成を備える発光素子は、複数の誘電体柱状部の高さの差を誘電体柱状部の内部を伝播する光の波長以下とすることで、各誘電体柱状部の放射面の位置が離れすぎることがないため、それぞれの放射面から放射される光を干渉しやすくし、迷光の発生を抑制することができる。
請求項1に係る発明によれば、複数の誘電体柱状部を設けることで、発光素子単体で光線を形成することができ、第1柱群を構成する誘電体柱状部と第2柱群を構成する誘電体柱状部の高さを相違させることで、形成した光線の方位角を制御することができる。また、請求項1に係る発明によれば、誘電体柱状部を透明誘電体によって形成することで、当該発光素子を容易に製造することができるとともに、当該発光素子の出力も増強することができる。
請求項2に係る発明によれば、3〜6本の誘電体柱状部のうちの半数以下の誘電体柱状部の高さを相違させることで、形成した光線の方位角を制御することができる。
請求項3に係る発明によれば、6本の誘電体柱状部を設けることで、発光素子単体で光線を形成することができ、6本の誘電体柱状部のうちの3本の柱の高さを相違させることで、形成した光線の方位角を制御することができる。
請求項4に係る発明によれば、光線として形成される光以外の余分な光(迷光)が特定箇所に固まって妨害となることがないため、形成される光線の品質を向上させることができる。
請求項5に係る発明によれば、光線を形成する際に迷光の影響を抑制することができるため、形成された光線の放射方向をより制御しやすくすることができる。
本発明の実施形態に係る発光素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る発光素子を示す図であって、(a)は発光素子の平面図、(b)は発光素子のX−X断面図、である。 本発明の実施形態に係る発光素子において、誘電体柱状部の高さの差の割合と中心軸上の位相との関係を説明するための概略図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一例を示す概略図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の実施例と比較例のシミュレーションにおいて用いられた発光素子を示す概略図であって、(a)は実施例の発光素子を示す断面図、(b)は比較例の発光素子を示す断面図、である。 本発明の実施形態に係る発光素子の実施例と比較例のシミュレーション結果を示す図であって、導波柱の高さに対する柱の高さの差の割合を変化させた場合における光の強度を示す図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の実施例と比較例のシミュレーション結果を示す図であって、導波柱の高さに対する柱の高さの差の割合と、発光素子から発せられる光線の方位角との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る発光素子のシミュレーション結果を示す図であって、n型半導体層上またはp型半導体層上に媒質を積層した場合における発光素子の透過率とn型半導体層上またはp型半導体層上に媒質を積層しない場合における透過率との比と、媒質の屈折率との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る発光素子の透過率の算出方法を説明するための概略図であって、(a)はn型半導体層上またはp型半導体層上に媒質を積層しない場合、(b)は、n型半導体層上またはp型半導体層上に媒質を積層した場合である。 本発明に係る発光素子をIP立体ディスプレイに応用した例を示す概略図であって、(a)は、IP立体ディスプレイの正面図、(b)は、IP立体ディスプレイの斜視図、である。
以下、本発明の実施形態に係る発光素子について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明の便宜上誇張していることがある。さらに、以下の説明において、同一の名称および符号については原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
[発光素子の構造]
本発明の実施形態に係る発光素子1の構造について、図1〜図3を参照しながら説明する。発光素子(光線指向型発光素子)1は、電圧を印加することで自発光する半導体素子である。発光素子1は、例えばLEDのように概ね平坦な表面を有する固体発光素子が挙げられる。発光素子1は、図1に示すように、半導体発光層10と、n型半導体層20と、p型半導体層30と、透明誘電体層40と、が積層された構造を有している。
なお、図1では図示を省略しているが、半導体発光層10を発光させるための電極は、例えば一般的なLED素子と同様に、n型半導体層20とp型半導体層30との間に段差を設け、当該段差から引き出された部分にオーミックコンタクトを形成するように設けることができる。但し、電極の構造は特に限定されず、例えばn型半導体層20の下面またはp型半導体層30の上面にp電極を設け、n型半導体層20またはp型半導体層30の側面にn電極を設ける構成としても構わない。電極の材料としては一般的な金属電極を使用することができる。また、発光素子1は、n型半導体層20の下に図示しない基板を備えた構成であっても構わない。
半導体発光層10は、n型半導体層20とp型半導体層30とから注入される電子および正孔の再結合によって生成されるエネルギーを光として放出する層である。半導体発光層10は、n型半導体層20とp型半導体層30との接合部にIn等の不純物が添加されることで形成され、例えばInGaNの量子井戸層として形成される。半導体発光層10は、図1に示すように、n型半導体層20とp型半導体層30との間に形成されており、ここでは矩形状に形成されている。なお、半導体発光層10の厚さは特に限定されない。
n型半導体層20は、半導体発光層10に対して電子を注入する層である。n型半導体層20は、例えば下から順に、n型GaN層と、n型GaN/InGaN障壁層とが積層されて形成される。n型半導体層20は、図1に示すように、半導体発光層10の下部に形成されており、ここでは矩形状に形成されている。なお、n型半導体層20の厚さは特に限定されない。
p型半導体層30は、半導体発光層10に対して正孔を注入する層である。p型半導体層30は、例えば下から順に、p型GaN/InGaN障壁層と、p型GaN層とが積層されて形成される。p型半導体層30は、図1に示すように、半導体発光層10の上部に形成されており、ここでは矩形状に形成されている。なお、p型半導体層30の厚さは特に限定されない。
透明誘電体層40は、光を透過する誘電体からなる層である。透明誘電体層40は、前記したn型半導体層20およびp型半導体層30よりも小さい誘電率(比誘電率)を有する透明誘電体から構成される。透明誘電体層40は、より具体的には空気の誘電率(=約1)よりも高く、n型半導体層20およびp型半導体層30を構成する発光材料(例えばGaN)の誘電率よりも低い誘電率を有している。なお、この関係は屈折率(誘電率の平方根)の場合も同様であり、透明誘電体層40は、空気の屈折率(=約1)よりも高く、n型半導体層20およびp型半導体層30を構成する発光材料(例えばGaN)の屈折率よりも低い屈折率を有している。
透明誘電体層40は、n型半導体層20およびp型半導体層30が例えばGaNから構成される場合は、当該GaNよりも誘電率および屈折率の低いSiO,SiO,SiN,MgF,ZrO等の透明誘電体で形成される。但し、透明誘電体はこれらに限定されず、例えば熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂等の樹脂材料も用いることができる。透明誘電体層40上には、図1に示すように、当該透明誘電体層40と同じ透明誘電体で構成された、複数の誘電体柱状部41,42が形成されている。なお、透明誘電体層40の厚さは特に限定されない。
誘電体柱状部41,42は、光線を形成するとともに、当該光線の方向を制御するものである。誘電体柱状部41,42は、ここでは図1に示すように、透明誘電体層40上に6本形成されている。また、誘電体柱状部41,42は、図1に示すように、それぞれ円柱状に形成されている。
誘電体柱状部41,42は、半導体発光層10から発生した光の導波路として機能する。ここで、例えばLEDは、一般的に10〜50μm程度の可干渉長を持っているため、前記したような微小な空間において異なる経路長を経た光は、干渉効果による空間分布を形成する。従って、誘電体柱状部41,42内部を伝播した光は、誘電体柱状部41,42の最上面である放射面41a,42a(図2(b)参照)から素子表面と垂直な方向、すなわち図1における上方向に放射された後、光の干渉効果によって干渉し、素子表面の重心O(図2(a)参照)から前記した素子表面と垂直な方向に、1本の光線が生成される。なお、ここでの素子表面とは、具体的には図1に示す透明誘電体層40の上面のことを意味している。
誘電体柱状部41,42は、ここでは図1に示すように、3本ごとに異なる高さに形成されている。すなわち、誘電体柱状部41,42は、図1に示すように、3本の誘電体柱状部42の高さが、その他の3本の誘電体柱状部41の高さと異なるように形成され、ここでは誘電体柱状部42の高さが誘電体柱状部41の高さよりも低くなるように形成されている。また、図1に示すように、3本の誘電体柱状部41はそれぞれ高さが等しく、3本の誘電体柱状部42はそれぞれ高さが等しい。また、図1に示すように、6本の誘電体柱状部41,42のうち、高さの高い3本の誘電体柱状部41は、透明誘電体層40上にそれぞれ隣接して配置されているとともに、高さの低い3本の誘電体柱状部41も、透明誘電体層40上にそれぞれ隣接して配置されている。
なお、ここでは、高さの高い3本の誘電体柱状部41によって構成される柱のグループのことを「第1柱群」と定義し、高さの低い3本の誘電体柱状部42によって構成される柱のグループのことを「第2柱群」と定義することとする。この場合、第1柱群および第2柱群は、図1に示すように、それぞれ3本の誘電体柱状部41および3本の誘電体柱状部42で構成される。
このように、発光素子1は、誘電体柱状部41,42のうちの3本の誘電体柱状部42を他の3本の誘電体柱状部41とは異なる高さとすることで、当該高さの差に応じて光線の方向(方位角)を制御することができる。なお、誘電体柱状部41,42の高さが全て同じ場合(高さの差がない場合)は、誘電体柱状部41,42によって形成される光線は、素子表面と垂直な方向に放射される。ここで、誘電体柱状部41,42による光線の方向制御の詳細については後記する。
誘電体柱状部41,42は、図1および図2(b)に示すように、透明誘電体層40と一体的に構成されている。この誘電体柱状部41,42は、発光素子1の製造段階において、例えば誘電体柱状部41,42の高さまで形成された矩形状の透明誘電体層40を加工することで形成することができる。具体的には、誘電体柱状部41,42は、例えば集束イオンビーム(FIB: Focused Ion Beam)、フォトリソグラフィーや電子線リソグラフィーとエッチングとの組み合わせ等の公知の技術を用いて透明誘電体層40上に形成することができる。
なお、発光素子1として、例えば透明誘電体層40を設けずに、p型半導体層30またはn型半導体層20を結晶成長あるいはエッチングすることで、p型半導体層30上またはn型半導体層20上にこれらと同じ半導体材料(例えばGaN等)で構成された柱状構造物を形成することも考えられる。しかし、この場合は、結晶成長条件の厳密な制御が必要であったり、半導体材料に応じて適用可能な加工方法が限定されたり、さらには半導体への物理的・化学的なダメージにも配慮しなくてはならないため、製造が容易ではない。また、柱状構造物を構成するGaN等の半導体材料が不透明な材料であるため、発光素子1から取り出すことができる光量が十分ではないという欠点がある。一方、図1に示すように、誘電体柱状部41,42をGaN等の半導体材料よりも加工がはるかに容易なSiO等の透明誘電体で形成することで、発光素子1単体で光線を形成して放射方向を制御できる指向性発光素子1の製造が容易となるとともに、当該発光素子1の出力も増強することができる。
誘電体柱状部41,42は、図2(a)に示すように、平面視でそれぞれ円形状に形成され、透明誘電体層40上にそれぞれ同じ断面積で形成されている。また、透明誘電体層40の上面の面積に対する誘電体柱状部41,42の断面積の割合等は特に限定されない。誘電体柱状部41,42は、図2(a)に示すように、それぞれの直径が等しくなるように形成されており、具体的には自由空間(空気中)における光の波長程度に設定されている。なお、以下の説明では、前記した自由空間中における光の波長のことを「外部波長λ」として説明する。
誘電体柱状部41,42は、図2(a)に示すように、それぞれの柱の中心軸が同じ円周C上に等間隔で位置するように、環状に配置されている。言い換えれば、誘電体柱状部41,42は、図2(a)に示すように、当該誘電体柱状部41,42が作る重心Oを中心とする円周C上にそれぞれ隣接して配置されている。また、この円周Cは、図2(a)に示すように、半径がλ(あるいは直径が2λ)に設定されている。そして、この円周C上において重心Oの点対称に配置された誘電体柱状部41,42は、図2(a)に示すように、それぞれの柱の中心軸を結ぶ距離が2λに設定されている。このように発光素子1は、誘電体柱状部41,42が円周上に等間隔で配置されることで、誘電体柱状部41,42の放射面41a,42aから光が放射された際に、光線として形成される光以外の余分な光(迷光)が特定箇所に固まって妨害となることがないため、形成される光線の品質を向上させることができる。
第1柱群を構成する誘電体柱状部41の高さと第2柱群を構成する誘電体柱状部42の高さとは、それぞれ誘電体柱状部41,42の内部を伝播する光の波長程度、あるいはその数倍の高さに設定される。なお、以下の説明では、誘電体柱状部41の高さを「H」として説明し、誘電体柱状部41と誘電体柱状部42との高さの差を「d」とし、誘電体柱状部42の高さを「H−d」とし、誘電体柱状部41,42の内部を伝播する光の波長のことを「内部波長λ」として説明する。この内部波長λと前記した外部波長λとは、誘電体柱状部41,42の屈折率をnとした場合、「λ=λ/n」の関係がある。
ここで、誘電体柱状部41の高さHに対する柱の高さの差dの割合(=d/H)を「δ」とした場合、誘電体柱状部41と誘電体柱状部42との高さの差dは、d=δHで表わすことができる。なお、以下の説明では、誘電体柱状部41と誘電体柱状部42との高さの差dを「柱高低差δH」とし、誘電体柱状部41の高さHに対する柱の高さの差dの割合δを「柱高低差割合δ」として説明する。
第1柱群を構成する誘電体柱状部41と第2柱群を構成する誘電体柱状部42との高さの差である柱高低差δHは、前記した内部波長λを基準に調整され、具体的には当該内部波長λ以下に設定される。これにより、発光素子1は、各誘電体柱状部41,42の放射面41a,42aの位置が離れすぎることがないため、それぞれの放射面41a,42aから放射される光を干渉しやすくし、迷光の発生を抑制することができ、形成された光線の放射方向をより制御しやすくすることができる。
ここで、後記するように、柱高低差割合δ(または柱高低差δH)の値を大きくすると、素子表面と垂直な方向に対する光線の成す角θ(以下、方位角θという)が増加する。以下、柱高低差δHと方位角θとの関係について、図3を参照(適宜図2(b)を参照)しながら説明する。
図3は、図1に示す発光素子1から、p型半導体層30、透明誘電体層40および誘電体柱状部41,42だけを抜き出して模式的に示したものである。また、図3における光路Aは、誘電体柱状部41内の光の伝播路を示しており、光路Bは、誘電体柱状部42内の光の伝播路を示している。図3に示すように、光路A,Bを通る光は、高度h1(誘電体柱状部42の高さH−d)までは同じ媒質の中を進むため同位相のままであるが、高度h1から高度h2(誘電体柱状部41の高さH)の間は媒質が異なる。従って、高度h2の地点における光路Aを通る光の位相θ+αと、高度h2の地点における光路Bを通る光の位相θ+βとは、以下の式(1)および式(2)に示すように、それぞれ異なる値となる。
θ+α=θ+2πδH/(λ/n) ・・・式(1)
θ+β=θ+2πδH/λ ・・・式(2)
また、高度h2から高度h3の間は自由空間であるため、上端(h2)から中心軸にいたる光路の長さと媒質は等しく、前記した位相θ+αと位相θ+βとの位相差Ψ(=(θ+α)−(θ+β))は、以下の式(3)で示すように保存されることになる。
Ψ=(2πδH/λ)(n−1) ・・・式(3)
従って、以下の式(4)に示すように、誘電体柱状部41および誘電体柱状部42の柱高低差δHを調整することで、誘電体柱状部41および誘電体柱状部42の位相差Ψを制御できることがわかる。そして、このように誘電体柱状部41の放射面41aおよび誘電体柱状部42の放射面42aからそれぞれ放射された光には、図3の高度h2の地点において位相差Ψがあるため、これらの光が互いに干渉すると、前記した位相差Ψに応じて、素子表面と垂直な方向に対して所定角度θだけ傾いた方向に1本の光線が生成されることになる。従って、誘電体柱状部41および誘電体柱状部42の柱高低差δHを調整して位相差Ψを制御することで、光線を所望の方位角θの方向に放射することができる。なお、図3に示すように、誘電体柱状部41よりも誘電体柱状部42の方が柱高低差δHだけ低い場合は、この1本の光線は誘電体柱状部42側に所定角度θだけ傾いて放射される。また、柱高低差δHにおけるHは固定値であるため、柱高低差割合δを調整すれば、誘電体柱状部41および誘電体柱状部42の位相差Ψを制御することができる。
δH=(Ψ/2π){1/(n−1)}λ ・・・式(4)
そして、誘電体柱状部41を通る光は、誘電体柱状部42を通る光に比べて遅延するため、両者が混合されると、それら2つの光の波面とは全く異なる波面をもつ波が生成される。すなわち、誘電体柱状部41,42の放射面41a,42aから放射される光の波面は互いに干渉し、これら2つの誘電体柱状部41,42の放射面41a,42aの相対的な位置(3次元空間の位置)によって決定される方位に、光が放射されることになる。
続いて、3次元空間の位置rにある波源としての誘電体柱状部41と、3次元空間の位置r2にある波源としての誘電体柱状部42から放射された光の干渉について説明する。位置rにある波源と、位置rにある波源とからそれぞれ放射された光によって、3次元空間の位置rに時刻tにおいて合成される光の強度I(r)は、以下の式(5)で与えられる。
前記した式(5)において、光の干渉を表す第3項が存在するために、半導体発光層10で生成された光が、2つの波源からそれぞれ放射された後に重畳されて、波面を変えて波の進行方向を変えることが可能となる。式(5)では、式(6)のγの実部を利用する。γは、式(6)で示すように、0から1までの値をとり、2つの波源から放射された光が時間的・空間的にどのくらい相関を持っているのかを示している。よって、γは、次の式(7)〜式(9)のように場合分けすることができる。
式(7)の場合を完全コヒーレント、式(8)の場合をインコヒーレント、式(9)の場合を部分的なコヒーレントと呼ぶ。ここでは、発光素子1として、LEDの光源を使用しているため、部分的なコヒーレントになっている。従って、図3の発光素子1においては、光の強度において、前記式(5)の第3項の寄与が大きいため、光の進行方向を大きく曲げることができる。
なお、図3では、簡単のため、高さの異なる2本の誘電体柱状部41,42から放射される光の干渉による光線の方向について説明したが、波源として6本の誘電体柱状部41,42がある場合についても、前記式(5)を拡張することが可能である。例えば、6本の誘電体柱状部41,42のうちの2本の柱の組み合わせごと(合計15の組み合わせ)に前記式(5)を適用し、これら15の組み合わせを加算することで、波源として6つの誘電体柱状部41,42がある場合についての関係式を求めることができる。
以上のような構成を備える発光素子1は、6本の誘電体柱状部41,42の放射面41a,42aから放射された光が干渉することで光線を形成することができるとともに、6本の誘電体柱状部41,42のうちの3本の高さを相違させることで高さの低い3本の誘電体柱状部42内部を伝播する光が、高さの高い3本の誘電体柱状部41内部を伝播する光よりも柱先端の放射面42aに早く到達して空気中を早く進む。そのため、発光素子1は、高さの異なる誘電体柱状部41,42を進む光の間に位相差Ψを設けることができ、当該位相差Ψに応じた方向に光線を放射することができる。従って、発光素子1によれば、6本の誘電体柱状部41,42を設けることで、発光素子1単体で光線を形成することができ、6本の誘電体柱状部41,42のうちの3本の柱の高さを相違させることで、形成した光線の方位角θを制御することができる。
また、発光素子1は、半導体材料よりも加工が容易な透明誘電体によって柱状構造物(誘電体柱状部41,42)を形成することで、例えば当該柱状構造物を半導体材料で形成する場合のように柱状構造物を結晶成長させる必要がないため、結晶成長条件等の厳密な制御が不要となるとともに、当該柱状構造物を半導体材料で形成する場合のように適用可能な加工方法が限定されることもない。そして、発光素子1は、柱状構造物を透明誘電体によって形成することで、当該柱状構造物を不透明な材料で形成した場合と比較して、当該柱状構造物による光の吸収を抑えることができるため、発光素子1から取り出すことができる光量を増大させることができる。従って、発光素子1によれば、誘電体柱状部41,42を透明誘電体によって形成することで、当該発光素子1を容易に製造することができるとともに、当該発光素子1の出力も増強することができる。
[発光素子の動作]
以下、発光素子1の動作について、図1を参照(適宜図3も参照)しながら説明する。発光素子1は、図示しない電極を介して半導体発光層10に電流が供給されると、半導体発光層10において、n型半導体層20およびp型半導体層30から注入される電子および正孔の再結合によって生成されるエネルギーが光として放出される。このように半導体発光層10で生成された光は透明誘電体層40上の誘電体柱状部41,42を伝播し、それぞれの放射面41a,42a(図3参照)から外部へと放射される。
ここで、誘電体柱状部41,42は、図3に示すように、誘電体柱状部42の高さがその他の誘電体柱状部41の高さと比較して、柱高低差δHだけ低くなるように構成されている。そのため、誘電体柱状部41の放射面41aおよび誘電体柱状部42の放射面42aからそれぞれ放射された光には、図3の高度h2の地点において位相差Ψが生じることになり、これらの光が互いに干渉すると、前記した位相差Ψに応じて、素子表面と垂直な方向に対して所定角度θ傾いた方向に1本の光線が生成される。このように、発光素子1によれば、6本の誘電体柱状部41,42を設け、当該6本の誘電体柱状部41,42のうちの3本の高さを相違させることで、発光素子1単体で光線を形成するとともに、当該光線の方位角θを制御することができる。
[発光素子の製造方法]
以下、本発明の実施形態に係る発光素子1の製造方法の一例について、図4および図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、図1に示す発光素子1を2次元状に複数並べ、かつ、p電極およびn電極を設けた発光素子1の素子群の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、上部にピン状のp電極71が複数設けられた基板(ピン電極アレイ付基板)50を用意し、当該基板50の上から樹脂60を充填する。なお、ここでは図示を省略したが、それぞれのp電極71の下面と基板50との間には、帯状の薄膜電極が設けられており、p電極71は当該薄膜電極が外部の電源と接続される。
次に、図4(b)に示すように、バッファ層90を介してGaN等からなる発光素子層80が形成されたサファイア基板100を用意し、発光素子層80と樹脂60とを300℃程度で融着する。なお、ここでは図示は省略したが、発光素子層80は、具体的には図1に示した半導体発光層10、n型半導体層20およびp型半導体層30からなる層のことである。この発光素子層80は、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法等の成膜方法によってn型半導体層20およびp型半導体層30を積層し、その接合部にIn等の不純物を添加して半導体発光層10を形成することで作成することができる。
次に、図4(c)に示すように、レーザーリフトオフ法、ケミカルリフトオフ法またはボイド形成剥離法等を用いて、サファイア基板100およびバッファ層90を剥離する。次に、図4(d)に示すように、発光点、すなわち発光素子層80の上部以外の位置にn電極72を形成する。次に、図4(e)に示すように、気相成膜法(CVD法)等を用いて、発光素子層80上にSiO等からなる透明誘電体層40aを形成する。次に、図4(f)に示すように、集束イオンビーム(FIB)等を用いて、透明誘電体層40aをエッチングして透明誘電体層40および誘電体柱状部41,42を形成し、図1に示す発光素子1が複数並べられた素子群を作成する。なお、図1に示す発光素子1のように誘電体柱状部41と誘電体柱状部42の高さを変える場合は、図4(f)の工程において、誘電体柱状部42のみをさらにエッチングすればよい。
このような発光素子1の製造方法によれば、誘電体柱状部41,42をエッチングする際に、図4(f)に示すように、透明誘電体層40を残すようにエッチングを行うため、発光素子層80への物理的・化学的ダメージを軽減することができる。
発光素子1は、図4に示す方法以外にも、図5に示す方法によっても製造することができる。この場合、まずバッファ層90を介してGaN等からなる発光素子層80が形成されたサファイア基板100を用意する。そして、図5(a)に示すように、レーザーリフトオフ法、ケミカルリフトオフ法またはボイド形成剥離法等を用いて、サファイア基板100およびバッファ層90を剥離する。次に、図5(b)に示すように、発光素子層80上(ここでは下面)に、マスクを用いた金属蒸着法等によってn電極72を1本以上形成する。なお、その際、n電極72上にSn等の融着層を設けても構わない。
次に、図5(c)に示すように、n電極72が設けられた発光素子層80を基板50上に配置し、表面活性化接合法等によって、両者を接合する。なお、表面活性化接合法では、具体的にはArプラズマ等によって発光素子層80の表面を活性化させて基板50と圧着を行う。但し、前記した図5(b)の工程において、n電極72上にSn等の融着層を設けた場合は、この工程では加熱のみを行って発光素子層80と基板50とを接合する。
次に、図5(d)に示すように、n電極72と直交する方向に、当該n電極72と交差するように、多数のp電極71を形成する。次に、図5(e)に示すように、気相成膜法(CVD法)等を用いて、p電極71上にSiO等からなる透明誘電体層40aを形成する。次に、図5(f)に示すように、集束イオンビーム(FIB)等を用いて、透明誘電体層40aをエッチングし、透明誘電体層40および誘電体柱状部41,42を形成し、図1に示す発光素子1が複数並べられた素子群を作成する。なお、図1に示す発光素子1のように誘電体柱状部41と誘電体柱状部42の高さを変える場合は、図5(f)の工程において、誘電体柱状部42のみをさらにエッチングすればよい。
このような発光素子1の製造方法によれば、誘電体柱状部41,42をエッチングする際に、図5(f)に示すように、透明誘電体層40を残すようにエッチングを行うため、発光素子層80への物理的・化学的ダメージを軽減することができる。
以下、本発明の実施例について図6〜図10を参照しながら説明する。
<第1の実験例>
第1の実験例では、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法によるシミュレーションによって、発光素子1の誘電体柱状部41,42による光線の形成と、当該光線の方位角θ制御について評価を行った。本実験例では、実施例および比較例の発光素子を用意し、それぞれGaNにInを添加した縦6000nm×横6000nmのサイズのLEDを用いた。
(実施例の発光素子)
実施例の発光素子1は、図6(a)に示すように、p型半導体層30上に透明誘電体層40を積層し、透明誘電体層40上に6本の誘電体柱状部41,42を一体的に形成した。なお、図6(a)は、発光素子1の断面図であるため、誘電体柱状部41,42はここでは2本のみ図示している。また、発光素子1は、図6(a)に示すように、p型半導体層30の厚さを130nmとし、透明誘電体層40の厚さを275nmとすることで、半導体発光層10の上面が誘電体柱状部41,42の底面から、外部波長λに相当する405nmの深さに位置するように構成した。
また、誘電体柱状部41の高さHは、図6(a)に示すように、発光スペクトルの中心波長(外部波長λ=405nm)をSiOの屈折率(=1.5)で割ることで、当該SiO中における内部波長λを算出し、その2波長分に相当する540nmとした。このように、発光素子1は、透明誘電体層40および誘電体柱状部41,42を誘電体であるSiOで形成することを想定している。なお、以下の説明では、誘電体柱状部41を「導波柱41」として説明し、誘電体柱状部42を「制御柱42」として説明する。
(比較例の発光素子)
比較例の発光素子101は、図6(b)に示すように、p型半導体層30上に6本の半導体柱状部31,32を形成した。なお、図6(b)は、発光素子101の断面図であるため、半導体柱状部31,32はここでは2本のみ図示している。また、発光素子101は、図6(b)に示すように、p型半導体層30の厚さを外部波長λに相当する405nmとした。
また、半導体柱状部31の高さHは、図6(b)に示すように、発光スペクトルの中心波長(外部波長λ=405nm)をGaNの屈折率(=3.1)で割ることで、当該GaN中における内部波長λ算出し、その2波長分に相当する263nmとした。GaNの屈折率は、GaNの誘電率(=9.5)の平方根をとることで算出した。なお、以下の説明では、半導体柱状部31を「導波柱31」として説明し、半導体柱状部32を「制御柱32」として説明する。
本実験例では、まず実施例および比較例のそれぞれについて、発光素子1,101表面と平行な縦6000nm×横6000nmのサイズの正方形領域をベースとして、当該発光素子1,101表面から上方3000nmの領域を対象に、導波柱41,31および制御柱42,32の柱高低差割合δを変化させ、ビーム形状を観察した。また、本実験例の評価にあたっては、発光素子1,101の計算領域上端(3000nm地点)に到達する光の強度分布を積算し、強度が最も強い点を光線中心とした。
図7は、柱高低差割合δを変化させた場合のビームの強度分布を示しており、赤は到達した光が強い領域(0.4W/m)を、青は光が到達しない領域(0.0W/m)をそれぞれ示している。本実験例では、到達した光が最も強い領域(メインビーム)の形に加えて、メインビーム以外に光が到達している領域(サイドビーム)の有無からビーム形状を評価し、具体的にはメインビーム近傍以外に黄色で示される強度約50%の領域(0.2W/m)が観察されたらサイドビームが大きすぎて使えない(不合格)と判定した。なお、図7では、合格と判定されたビームの強度分布を破線で囲って示している。
比較例は、図7に示すように、δ=0.0〜0.2の場合は合格と判定され、δ=0.3〜0.6の場合は黄色の領域yが観察されたため、不合格と判定された。一方、実施例は、図7に示すように、δ=0.0〜0.5の場合は合格と判定され、δ=0.6の場合は黄色の領域yが観察されたため、不合格と判定された。これは、実施例と比べて比較例のほうが黄色の領域yがより早く発生する、すなわち実施例と比べて比較例のほうが、サイドビームが大きくなりやすいことを示している。ビームの形状については、実施例と比較例とで同等の形状であることがわかる。このように、導波柱41および制御柱42をSiO等の透明誘電体で形成した場合(実施例)、導波柱31および制御柱32をGaN等の半導体材料で形成した場合(比較例)と比較して、柱高低差割合δをより大きくした場合であってもサイドビームが発生しない良好なビームを得られることがわかる。
図8は、導波柱41,31および制御柱42,32が配置された領域の重心O(図2(a)参照)を通る、発光素子1,101表面に対する法線からのメインビームの方位角θを示したものである。図8に示すグラフの縦軸は光線の方位角θであり、横軸は柱高低差割合δである。図8に示すグラフでは、具体的には、サイドビームの強度が黄色(強度約50%)となった場合にメインビームに匹敵する強度のサイドビームが出現してビームが崩れたと判断し、当該ビームが崩れるまでの柱高低差割合δをプロットした。
図8を参照すると、方位角θについても、実施例と比較例とで同程度の最大8度程度であることがわかる。但し、比較例では、方位角θの最大値は柱高低差割合δが0.2の場合に得られているが、実施例では、方位角θの最大値は柱高低差割合δが0.5の場合に得られており、柱高低差割合δの変化に対する方位角θの変化が小さい。これは、ある方位角θを得ようとして柱(導波柱および制御柱)を形成する際に、比較例よりも実施例のほうが、形成された柱の高さが設計値からずれた場合における方位角θのずれを小さくできることを示している。すなわち、本発明に係る発光素子1によれば、作成時の柱(導波柱および制御柱)の高さに関する加工精度の要求が緩和されることになる。
このように、第1の実験例では、柱状構造物を透明誘電体で形成することで(図6(a)参照)、柱状構造物を半導体材料で形成した場合(図6(b)参照)よりも、良好なビームを得ることができるとともに、加工性を向上できることが確認できた。
<第2の実験例>
第2の実験例では、n型半導体層20上またはp型半導体層30上に媒質X(すなわち透明誘電体層40、導波柱41および制御柱42)を積層した場合における発光素子1の透過率T’10とn型半導体層20上またはp型半導体層30上に媒質Xを積層しない場合における透過率T10との比(T’10/T10)と、媒質Xの屈折率nとの関係について確認した。なお、以下の説明では、T’10/T10のことを「透過率比T’10/T10」として説明する。
図9に示すグラフの縦軸は透過率比T’10/T10であり、横軸は媒質Xの屈折率nである。図9に示すグラフでは、具体的には、種々の発光材料(GaN,GaAs,AIN,ZnSe,ZnO,InN,Si)で形成したn型半導体層20上またはp型半導体層30上に屈折率nを有する媒質Xを積層させた場合における透過率比T’10/T10を、所定の屈折率nごとにプロットした。この透過率比T’10/T10は、媒質Xを積層した場合の透過率T’10が媒質Xを積層しない場合の透過率T10よりも大きければ、1よりも大きな値となり、媒質Xを積層した場合の透過率T’10が媒質Xを積層しない場合の透過率T10よりも小さければ、1よりも小さくなる。
すなわち、図9に示すグラフにおいて、例えば縦軸の「1」は、媒質Xを積層した場合の透過率T’10と、媒質Xを積層しない場合の透過率T10とが同じであることを示している。また、図9に示すグラフにおいて、縦軸の「1.2」は、媒質Xを積層した場合の透過率T’10が、媒質Xを積層しない場合の透過率T10の20%増であることを示している。そして、図9に示すグラフにおいて、縦軸の「1.4」は、媒質Xを積層した場合の透過率T’10が、媒質Xを積層しない場合の透過率T10の40%増であることを示している。従って、図9のグラフを参照することで、n型半導体層20上またはp型半導体層30上に、どの程度の屈折率nを有する媒質Xを用いれば、透過率がどの程度向上するのか(出力がどの程度増強するのか)を容易に把握することできる。
例えば、屈折率nが1.5であるSiOを媒質Xとして用いると、図9のD部に示すように、発光材料(n型半導体層20およびp型半導体層30)としてGaNを用いることで約15%の出力増強効果を得ることができ、その他の発光材料を用いる場合であっても概ね10〜20%程度の出力増強効果を得ることができる。また、例えばSiO以外の媒質Xであっても、屈折率nが1(=空気と同じ)から発光材料の屈折率までの間の値を有する媒質Xを用いることで、空気中に透過してくる光量を増強可能であることがわかる。このような媒質Xとしては、例えば前記したSiOの他に、SiO,SiN,MgF,ZrO等が挙げられる。
ここで、図9における透過率T’10,T10の算出方法について、図10を参照しながら説明する。例えば屈折率nの媒質から屈折率nの媒質に光が入射した場合の反射率Rは、以下の式(11)で表わすことができる。
R=(n−n/(n+n ・・・式(11)
ここで、図10(a)に示すように、発光材料であるGaN上に媒質Xが積層されていない場合、すなわち図6(b)に示すような発光素子101の場合、屈折率nの媒質はGaNとなり、屈折率nの媒質は空気となる。そして、このような場合の透過率T10は、以下の式(12)で表わすことができる。例えば簡単のためGaNの屈折率nを3とすると、空気の屈折率は約1であるため、前記した式(11)および式(12)より、T10=0.75となる。
10=1−R ・・・式(12)
一方、図10(b)に示すように、発光材料であるGaN上に媒質Xが積層されている場合、すなわち図6(a)に示すような発光素子1の場合、屈折率nの媒質がGaNである場合は屈折率nの媒質は媒質Xとなり、屈折率nの媒質が媒質Xである場合は屈折率nの媒質は空気となる。そして、このような場合の透過率T’10は、以下の式(13)で表わすことができる。
T’10=T12×T20 ・・・式(13)
なお、前記した式(13)におけるT12は、屈折率nの媒質がGaNであり、屈折率nの媒質が媒質Xである場合の透過率であり、前記した式(13)におけるT20は、屈折率nの媒質がGaNであり、屈折率nの媒質が媒質Xである場合の透過率である。これらの透過率T12,T20は、それぞれ前記した式(12)によって算出することができる。
ここで、図10(b)に示す媒質XがGaNの場合は、図10(a)と実質的に同じものとなり、両者の透過率は同じものとなる(T10=T’10)。また同様に、図10(b)に示す媒質Xが空気である場合も、図10(a)と実質的に同じものとなり、両者の透過率は同じものとなる(T10=T’10)。一方、図10(b)に示す媒質Xが空気の屈折率よりも大きく、かつ、GaNの屈折率よりも小さい物質である場合、図10(a)のように光が放出される面EがGaNである場合と比較して、当該光が放出される面Fと空気との屈折率の差が小さくなる。従って、図9および図10に示すように、媒質Xとして、空気の屈折率よりも大きく、かつ、GaNの屈折率よりも小さい物質を用いることで、透過率を向上させ、出力を増強させることができる。また、屈折率は誘電率の平方根であるため、屈折率を誘電率に置き換えても同じ関係となる。
このように、第2の実験例では、図1に示すように、p型半導体層30上に当該p型半導体層30よりも小さい屈折率(あるいは誘電率)を有する透明誘電体からなる透明誘電体層40、誘電体柱状部41,42を積層することで、光の透過率を向上させ、出力増強効果を得られることが確認できた。
以上、本発明に係る発光素子1について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、前記した発光素子1は、図1に示すように、半導体発光層10が矩形状に形成されているが、当該半導体発光層10を誘電体柱状部41,42の直下のみに形成しても構わない。
また、前記した発光素子1の製造方法は、図4および図5に示したものに限定されない。例えば、発光素子1は、半導体発光層10、n型半導体層20およびp型半導体層30が積層された発光素子層80の表面に、柱断面と相似な形状の窓を有する誘電体反射膜を配置するとともに、表面に複数の誘電体柱状部41,42が形成された透明誘電体基板を別途用意し、発光素子層80の誘電体反射膜を有する面と、透明誘電体基板の背面(誘電体柱状部41,42が形成されていない面)とを張り合わせることで作成することもできる。
また、前記した発光素子1は、図1に示すように、誘電体柱状部41,42が断面円形状かつ円柱状に形成されていたが、当該誘電体柱状部41,42は断面多角形かつ多角柱状に形成されても構わない。
また、前記した発光素子1は、図1に示すように、下からn型半導体層20、半導体発光層10、p型半導体層30の順に積層されていたが、n型半導体層20とp型半導体層30の順序は入れ替えても構わない。
また、前記した発光素子1は、図1に示すように、第1柱群を構成する3本の誘電体柱状部(導波柱)41と、第2柱群を構成する3本の誘電体柱状部(制御柱)42の合計6本の柱状構造物を備えていたが、柱状構造物の数をこれよりも少なくしても構わない。すなわち、発光素子1は、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部41によって第1柱群を構成し、当該第1柱群を構成する誘電体柱状部41とは高さが異なり、かつ、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の誘電体柱状部42によって第2柱群を構成すればよい。なお、この場合、第1柱群には、誘電体柱状部41が1本のみの態様も含まれており、第2柱群には、誘電体柱状部42が1本のみの態様も含まれている。
また、前記した発光素子1は、複数の誘電体柱状部41,42が透明誘電体層40上に3〜6本まとめて環状に配置され、第2柱群が、複数の誘電体柱状部41,42の総数の半数以下の誘電体柱状部42から構成されたものしても構わない。このような構成であっても、発光素子1は、当該発光素子単体で光線を形成することができるとともに、形成した光線の方位角を制御することができる。
また、前記した発光素子1は、複数の誘電体柱状部41,42が透明誘電体層40上に3本まとめて環状に配置され、第1柱群が、2本の誘電体柱状部41から構成され、第2柱群が、1本の誘電体柱状部42から構成されたものとしても構わない。このような構成であっても、発光素子1は、当該発光素子単体で光線を形成することができ、第1柱群を構成する誘電体柱状部41と第2柱群を構成する誘電体柱状部42の高さを相違させることで、形成した光線の方位角を制御することができる。
また、発光素子1は、図11(a)および図11(b)に示すように、基板BD上に多数並べることにより、IP方式のディスプレイであるIP立体ディスプレイDSPを提供することが可能である。図示は省略するが、IP立体ディスプレイDSPに対応したIP立体撮影装置がレンズ板を介して図11(b)に示す円柱や立方体等の被写体を予め撮影しておくことが、立体を表示(再生)するための前提となる。これにより、図11(b)に示すように、IP立体ディスプレイDSPの各発光素子1が要素画像を空間上に投影し、それらが集積されて、被写体の再生像(立体像)として、例えば円柱や立方体が表示される。
IP立体ディスプレイDSPの画素に対応した1つ1つの発光素子1において、柱高低差δHは画素ごとに予め決定されており、当該画素から放射する光線の方向を規定するように設定される。図11(b)にて、例えば円柱や立方体を終点とする太い矢印が光線の方向を示している。また、IP立体ディスプレイDSPにおいて、画面に向かって一番左側の列に並べられた発光素子1と、画面に向かって一番右側の列に並べられた発光素子1とは、誘電体柱状部41,42の配置が対称になっている。
また、IP立体ディスプレイDSPにおいて、画面に向かって一番上の列に並べられた発光素子1と、画面に向かって一番下側の列に並べられた発光素子1とは、誘電体柱状部41,42の配置が対称になっている。さらに、その他の画面領域に並べられた発光素子1も場所に応じた配置で配置されている。よって、素子単位の画素構造(発光素子1)の中の6つの波源からそれぞれ放射された光によって、当該画素において強度変調が可能となる。なお、画素の位置によっては、方位角θ=0度とするために誘電体柱状部41,42の高さを等しくすべき位置もある。
このような微細構造を有する発光素子1を多数個並べた表示素子(FPD)は、従来技術においてレンズ板と発光面とを接合させた装置と同じ働きを有するようになる。このようにして作成したIP立体ディスプレイDSPにおいては、立体表示の解像度は、発光素子1の精細度にのみ依存し、光学系の解像度不足による映像ボケが生じない。また、発光素子1を用いたIP表示における視域角は、素子表面と垂直な方向に対する放射光の光線成す角θの最大値にのみ依存し、解像度と視域角とを独立に改善することが可能である。
なお、発光素子1は、前記したように、要素レンズの代わりに基板BD上に多数並べることでIP立体ディスプレイDSPを提供することが可能であるが、その際に発光素子1自体を基板BDに対して傾斜させて配置することで、方位角θをより広範囲に制御することができる。
また、発光素子1は、光線の形成と放射方向の制御を必要とするデバイス一般にも応用することが可能であり、例えばプロジェクター用光源、空間光インターコネクションに用いる接続器、拡散板を必要としない照明用光源等にも利用することができる。
1,101 発光素子(光線指向型発光素子)
10 半導体発光層
20 n型半導体層
30,30A p型半導体層
31 半導体柱状部(導波柱)
32 半導体柱状部(制御柱)
40 透明誘電体層
41 誘電体柱状部(導波柱)
42 誘電体柱状部(制御柱)
41a,42a 放射面
50 基板(ピン電極アレイ付基板)
60 樹脂
71 p電極
72 n電極
80 発光素子層
90 バッファ層
100 サファイア基板
BD 基板
DSP IP立体ディスプレイ

Claims (5)

  1. n型半導体層とp型半導体層との間に半導体発光層を備える発光素子であって、
    前記n型半導体層上または前記p型半導体層上に形成され、前記n型半導体層および前記p型半導体層よりも小さい誘電率を有する透明誘電体からなる透明誘電体層と、
    前記透明誘電体層上に形成され、当該透明誘電体層と同じ透明誘電体からなり、前記半導体発光層で発生した光の導波路となる複数の誘電体柱状部と、を備え、
    前記複数の誘電体柱状部は、前記透明誘電体層上に環状に配置されるとともに、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の前記誘電体柱状部から構成される第1柱群と、当該第1柱群を構成する前記誘電体柱状部とは高さが異なり、かつ、それぞれ同じ高さを有する少なくとも1本の前記誘電体柱状部から構成される第2柱群と、からなることを特徴とする発光素子。
  2. 前記複数の誘電体柱状部は、前記透明誘電体層上に3〜6本まとめて環状に配置され、
    前記第2柱群は、前記複数の誘電体柱状部の総数の半数以下の前記誘電体柱状部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記複数の誘電体柱状部は、前記透明誘電体層上に6本まとめて環状に配置され、
    前記第1柱群および前記第2柱群は、それぞれ3本の前記誘電体柱状部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  4. 前記複数の誘電体柱状部は、前記透明誘電体層上において、それぞれの柱の中心軸が同じ円周上に等間隔で位置するように、環状に配置されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記第1柱群を構成する前記誘電体柱状部と前記第2柱群を構成する前記誘電体柱状部との高さの差は、当該誘電体柱状部の内部を伝播する光の波長以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発光素子。
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