JP5906102B2 - 光線指向型の発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光線指向型の発光素子に係り、特に、立体映像表示装置に用いることができる光線指向型の発光素子に関する。
現在の立体表示技術は、2眼式、多眼式、体積表示型、空間像再生型に大別することができる。ここで、空間像再生型は、両眼視差、輻輳、ピント調節および運動視差の4つの視覚機能をすべて満たすことを目指して開発が進められているのが現状である。この空間像再生型は、被写体からの光そのものを再現する方式であって、立体観測用の特殊なメガネをかける必要がない。この方式の立体ディスプレイは、前記した4つの視覚機能をすべて使える可能性があるため、眼に疲労を与えず人にやさしい立体映像表示装置となりうる。
この空間像再生型の立体表示技術における代表的な方式としては、ホログラフィ、パララクスステレオグラム、レンチキュラシート、あるいは、インテグラル・フォトグラフィー(以下IPと称す)などがある。ホログラフィを除く、これらの方式の実用化に関しては、コヒーレント光を必要としない簡易な方式で早期に実現可能と考えられている。なかでもIPは、水平方向に加え、垂直方向の視差情報も表現することができるため、自然な立体表示が可能であり、前記したような眼に疲労を与えず人にやさしい立体ディスプレイを早期に実現可能な方式であるとして、特に有望視されている。
IPの表示システムは、光線を再生する多数の微小なレンズ(要素レンズ)を配列したレンズアレイと、各レンズに対応した画像(要素画像)を多数並べて表示するディスプレイとによって構成される。観察者は、1つの要素レンズに対応する1つの要素画像から、観察者の位置に応じた部分的な情報を得、要素画像を要素レンズの数だけ並べた立体像を観察する。IPの表示システムにおいて、立体像の解像度は、要素レンズの解像度と、要素画像の解像度と、観視距離とで決まる。また、IPの表示システムの視域角については、要素レンズの性能が支配的な要因になる。このような事情から、実用的な立体像をIP方式で生成するには、発光素子と光学素子の高精細化・高機能化が不可欠である(例えば非特許文献2参照)。
しかし、発光素子と光学素子の高精細化が進んでも、レンズを使用する光学系には、レンズの回折限界や焦点距離のように原理的に取り除くことができない性能限界も存在する。例えばディスプレイの画素サイズが、要素レンズの最小スポットサイズより小さくなると、映像ボケが発生するため、同時にスポットサイズも小さくする必要があるが、スポットサイズをAbbeの回折限界より小さくすることは原理的に不可能である。
また、レンズを用いたシステムでの視域角は、要素レンズの焦点距離に反比例するが、視域角を大きくするために要素レンズの焦点距離を無限に小さくすることはできない。さらに、視域角は、要素レンズのピッチに比例もするため、要素レンズのピッチを大きくすれば視域角の拡大が可能であるが解像度が劣化するので、レンズを用いた光学系における解像度と視域角には、トレードオフの関係がある。
IPの表示システムとは直接関係ないものの、発光素子の分野においては、自発光素子であるLED(Light Emitting Diode)は、近年、その発光特性が飛躍的に進歩したことから、各種用途で注目を集めている。LEDは、放射される光の直進性が良いため、照明器具などへの応用においては拡散させる仕組みが必要となる。LEDの放射光を拡散させる技術がさらに進み、光の放射される方向の制御が可能となれば、ディスプレイなどへの応用も可能となる。
LEDを用いたディスプレイではないが、関連技術として、例えば特許文献1には、液晶ディスプレイからなる画像表示手段の手前に、液晶デバイスを用いた空間光変調素子等のビーム偏向手段を設けることで、画素からの光を偏向させて、視点位置の異なる複数の2次元画像から立体像を表示する立体表示装置が記載されている。
また、LEDから取り出す光の方向を制御する技術として、LED光の出射角度を調整可能な発光装置が特許文献2に記載されている。
特開平6−110374号公報 特開2008−147182号公報
「超高精細映像技術・立体映像技術」、電子情報通信学会誌、2010年5月、Vol.93, No.5, p.372-381 財団法人機械システム振興協会・財団法人光産業技術振興協会、「自然な立体視を可能とする空間像の形成に関する調査研究報告書−要旨−」、システム技術開発調査研究19-R-5、2008年3月、p.14-16
しかしながら、特許文献2に記載の発光装置は、LEDから取り出す光の方向を制御するために多種の部品が必要とされる。また、ディスプレイに応用して発光素子ごとの方向制御を行おうとする場合、多数の微細な発光素子を形成する必要がある。また、これら微細な発光素子の放射光を正面以外の方向へ射出することはきわめて難しい。
さらに、微細な構造を備えたLEDから取り出す光の方向を制御できる技術は知られていないのが現状である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、発光素子単体で光線の成形と方向制御とを可能とする簡易な素子構造を有した光線指向型の発光素子を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の光線指向型の発光素子は、平坦な表面を有する第1半導体層と、前記第1半導体層の上側に、前記第1半導体層と同一材料で所定領域を取り囲むように設けられ柱頭の射出面から光を放射する少なくとも3本の半導体柱状部と、前記第1半導体層の下側に、前記少なくとも3本の半導体柱状部のそれぞれの中心の直下を含む一部領域に設けられる発光部と、前記発光部の下側に設けられた第2半導体層と、を有し、前記少なくとも3本の半導体柱状部のうち少なくとも1本の柱の高さが他の柱の高さと異なり、前記少なくとも3本の半導体柱状部の間隔が前記半導体柱状部の射出面から出射した光の可干渉長以下であり、前記少なくとも3本の半導体柱状部が円環状かつ均等の距離で配置されることを特徴とする。
かかる構成によれば、光線指向型の発光素子は、表面が平坦な第1半導体層の下側に設けられた発光部で発光し、表面が平坦な第1半導体層の上側に設けられた各半導体柱状部から放射された光の干渉効果により、光線を成形する。仮に各半導体柱状部の高さが同じである場合には、光線は、素子表面における各半導体柱状部の位置をすべて繋いだ軌跡の平面図形の重心位置から、素子表面と垂直な方向に向かう線上に形成されることになる。一方、かかる構成の本発明の光線指向型の発光素子は、少なくとも1本の半導体柱状部の柱の高さが他の半導体柱状部の柱の高さと異なるので、少なくとも1本の半導体柱状部の内部を伝搬して射出面から放射された光と、他の半導体柱状部の内部を伝搬して射出面から射出された光の位相とを異ならせることができる。これにより、異なる位相を有するそれぞれの放射光の干渉によって成形される光線の放射方向を、素子表面と垂直な方向から傾斜させることができる。
また、発光部を、第1半導体層の下側に一様に設けるのではなく、第1半導体層の上側に設けられた少なくとも3本の半導体柱状部のそれぞれの中心の直下を含む一部領域に設けている。この発光部の発光面積と、対応する各半導体柱状部の光の取り入れ面積とを適切に設定することで、発光部で発光した光の多くを、各半導体柱状部に入射させることができる。そのため、各半導体柱状部の柱頭の射出面から光線の成形に十分な強度の光を射出することができる。また、発光部で発光した光が、各発光部の射出面以外の、素子表面(特に、第1半導体層の上面)から漏れ出て、各半導体柱状部の柱頭の射出面から放射された光との間で余分な干渉効果を引き起こすのを抑制することができる。
また、請求項2に記載の光線指向型の発光素子は、請求項1に記載の光線指向型の発光素子において、前記発光部は、横断面の面積が、前記少なくとも3本の半導体柱状部の全てを囲む外接円の面積以下となるように形成されていることとした。
かかる構成によれば、発光部で発光した光が、各半導体柱状部の射出面以外の、素子表面(特に、バッファ層の上面)から漏れ出るのを抑制することができる。よって、素子表面から漏れ出た光と、各半導体柱状部の射出面からそれぞれ射出された光と、による余分な干渉効果が生じるのを抑制することができる。このように、素子表面から漏れ出る光の影響を余分な干渉効果が生じない程度に抑制することができるので、光線の放射方向の任意性を高くすることができる。
請求項3に記載の光線指向型の発光素子は、請求項1または請求項2に記載の光線指向型の発光素子において、前記発光部は、横断面の面積が、前記少なくとも3本の半導体柱状部の柱の横断面の面積の総和以上となるように形成されていることとした。
かかる構成によれば、発光部で発光した光の大部分を、各半導体柱状部に入射させることができる。よって、各半導体柱状部の射出面から射出される光の強度を高くすることができ、これらの光の干渉によって成形される光線の明瞭性を高くすることができる。
請求項4に記載の光線指向型の発光素子は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光線指向型の発光素子において、前記半導体柱状部の柱の高さの差は、前記半導体柱状部の内部における放射光の波長の半分の長さ以下であることを特徴とすることとした。
かかる構成によれば、発光素子は、柱の高さの差を、少なくとも1つの柱の射出面の位置と他の柱の射出面の位置との違いが支配的な影響を与えるような長さの範囲となるように設定したので、素子表面と垂直な方向に対する放射光の成す角を比較的大きくすることができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、光線指向型の発光素子は、素子単体で光線の成形と方向制御を可能とすることができる。また、光線指向型の発光素子は、第1半導体層の下側に所定の大きさの発光部を形成し、第1半導体層の上側に所定の高さの柱を形成することで、簡単に製造することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光線指向型の発光素子は、光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。特に、光線の方向制御を良好に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、光線指向型の発光素子は、光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。特に、光線の明瞭性を高くすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、光線指向型の発光素子は、光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。特に、光線の方向制御を効率的に行うことができる。
本発明の実施形態に係る発光素子の構成を模式的に示す一部分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る発光素子の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態に係る発光素子における制御柱と導波柱との高さの差に応じた光の干渉の概念図である。 本発明の実施形態に係る発光素子における半導体柱状部と発光部との寸法の関係を説明するための概念図である。 本発明の実施形態に係る発光素子おいて、制御柱と導波柱との高さの差が0のときのビームパターンの計算例を示す説明図であって、(a)は、斜視図、(b)は、XY平面のビームパターンをそれぞれ示している。 本発明の実施形態に係る発光素子おいて、発光部の横断面における幅と、制御柱と導波柱との高さの差と、を変化させたときのそれぞれのXY平面におけるビームパターンの計算例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る発光素子において、発光部の横断面における幅と、制御柱と導波柱との高さの差を変化させたときに計算で求めた光線方向の制御角を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る発光素子を用いたIP立体ディスプレイの概念図であって、(a)正面図、(b)は斜視図を示す。
以下、本発明の発光素子を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面に示される部材等のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
[発光素子の構造の概要]
図1に示すように、発光素子1は、指向性の高い光を発光する素子であって、特定の方向に光線を射出する光線指向型の発光素子である。発光素子1は、例えばLEDのように、平坦な表面から光を放射するものである。発光素子1は、平坦な表面において所定領域を取り囲むように、3本以上の複数の柱(半導体柱状部)を有し、少なくとも1つの半導体柱状部の高さが他と異なり、これらすべての半導体柱状部から光を射出する点に特徴がある。以下では、一例として発光素子1が、横断面が円形状の3本の半導体柱状部5,6,7を有し、半導体柱状部7が半導体柱状部5,6よりも低いものとして説明する。ここで、素子上面において、所定領域を環状に取り囲むように配置された3本の半導体柱状部5,6,7を図2に示す。
<発光素子の構造>
発光素子1は、図1に示すように、半導体層2と、発光部3と、バッファ層4と、半導体柱状部5,6,7とを備えている。半導体層2は、発光部3の下側に、図示しない基板との間に設けられたn型半導体層である。バッファ層4は、発光部3の上側に、素子表面との間に設けられたp型半導体層であり、表面が平坦に形成されている。
<発光部>
発光部3は、ここでは、横断面が円形状に形成されており、バッファ層4の上側に複数本を1組として設けられた半導体柱状部5のそれぞれの直下を含む一部領域に設けられている。また、発光部3は、重心が、3本の半導体柱状部5の重心と同軸上に位置するように配置されている。詳しくは、後記する。
発光素子1が青色発光素子である場合、発光部3は、例えば、InGaNの量子井戸層として形成される。
<半導体層>
半導体層2は、図示しない基板側から順に、例えば、n型GaN層と、n型GaN/InGaN障壁層とが積層された構造とすることができる。
<バッファ層>
バッファ層4は、発光部3側から順に、例えば、p型GaN/InGaN障壁層と、p型GaN層と、が積層された構造とすることができる。
<電極>
電極の構造は、図示を省略したが、一般的なLED素子と同様に、半導体層2およびバッファ層4との間に段差を設けて、当該段差から引き出された部分にオーミックコンタクトを形成する形で電極を形成できれば、特に限定されるものではない。また、電極材料としては一般的な金属電極が使用できる。
<半導体柱状部>
半導体柱状部5,6,7は、バッファ層4と同様の材料で形成されている。
また、半導体柱状部5,6,7は、発光素子1から放出される光の波長λ0程度以上の径(直径2φ)を有する。ここで、波長λ0は、自由空間における放射光の波長を示す。
<半導体柱状部の平面形状>
図1および図2では半導体柱状部5,6,7が素子表面(上面)に投影されたときの平面図形の形状は円形であるものとした。図1および図2に示すように、各半導体柱状部5,6,7の太さは等しいものとした(半径φ)。
<半導体柱状部の間隔>
半導体柱状部7,8,9は、光取り出し面において、所定の原点の周囲に均等な角度β(この場合、α=120度)の方向に、互いに等しい間隔だけ離間して配置されている。半導体柱状部の間隔は、隣り合った半導体柱状部からの光が干渉できる程度の長さに予め設定されている。つまり、半導体柱状部の間隔は、発光素子の可干渉長以下であることが好ましい。なお、光の可干渉長は、光源の発光スペクトルの半値幅と、中心波長とに依存する。光源がLEDの場合、例えば10〜数十μm程度の長さとなる。
<複数の半導体柱状部の配置の原点M>
図2に示す例では、所定の原点Mとは、素子上面において3つの半導体柱状部5,6,7により環状に取り囲まれた所定領域に位置する点である。また、この原点Mは、図2に示すように、半導体柱状部5の中心O1と、半導体柱状部6の中心O2と、半導体柱状部7の中心O3とから等距離にある点であり、中心O1,O2,O3を頂点とする正三角形の重心(原点Mと表記する)のことである。ここで、3つの半導体柱状部5,6,7は、円環状かつ均等の距離を置いて配置されることが好ましい。なお、複数の半導体柱状部により取り囲まれた所定領域とは、具体的には複数の半導体柱状部の内接円のことであり、この所定領域の形状やサイズは、半導体柱状部の直径とバランスを取りながら所望のものとして適宜設計できる。例えば半導体柱状部の直径が、発光波長λ0の数波長程度分であれば、所定領域のサイズは、数分の1波長〜数波長程度とすることができる。
また、原点Mと半導体柱状部5,6,7の中心O1,O2,O3とをそれぞれ結んだ線上にある、原点Mから半導体柱状部5,6,7までの距離ρはそれぞれ100nmとなっている。距離ρは、自由空間における放射光の波長λ0以下、例えば、1/4〜1波長程度であることが好ましい。つまり、距離ρは直径2φの、1/4〜1程度であることが好ましい。特に、距離ρを直径2φの1/4程度となるように設定すると、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから射出する光を互いに干渉させて良好に成形し、十分な強度の光線を射出することができるため、このように構成することが好ましい。
半導体柱状部5,6,7のうち、2つの半導体柱状部5,6の高さを、それぞれ基準となる高さHとする。そして、半導体柱状部7と他の半導体柱状部5,6との高さの差をδとすると、半導体柱状部7の高さは(H−δ)となる(図1参照)。本実施形態の発光素子1では、後記する実験結果に基づいて、半導体柱状部7の高さの差δは、半導体中における放射光の波長λ1の長さ以下であることとした。ここで、波長λ1は、自由空間において波長λ0の光を、半導体中(半導体柱状部5,6,7の内部)を光導波路として伝搬したときの波長である。一般に、半導体の誘電率は真空中(空気中)より高いため、半導体中を伝搬する際の光の速度は、空気中を伝搬する速度に比べて遅くなる。具体的には、大気中または真空中の光の速度をc、半導体の屈折率をnとすると、半導体中の速度は、c/nで与えられる。
したがって、波長λ1は、波長λ0の値を半導体柱状部5,6,7の内部の屈折率nで除することによって求めることができる。例えば、半導体柱状部5,6,7をGaNにInを添加したLEDで形成する場合、GaNの屈折率nが2.6であるので、近似的に屈折率nを3として計算すると、波長λ1は、約131.5nmとなる。
以下では、半導体柱状部5,6を導波柱5,6と呼称し、半導体柱状部5,6と異なるように高さが調整された半導体柱状部7を制御柱7と呼称する場合もある。
[発光素子の設計の具体例]
発光素子1は、例えばGaNにInを添加したLEDであるものとし、発光スペクトルの中心波長(λ0)は405nmであるものとした。
発光素子1のバッファ層4(図1参照)の厚さを約500nmとした。
半導体柱状部5,6,7の間隔は、放射光の自由空間での波長λ0に相当する405nmとした。
半導体柱状部5,6,7の半径φ(図2参照)は、放射光の自由空間での波長λ0に相当する405nmとした。
導波柱5,6の高さH(図3参照)は、放射光の半導体中の波長λ1の約2波長分に相当する263nmとした。
制御柱7の高さ(H−δ)(図3参照)は、263nmからδ[nm]を減じた高さとして、δの値を変化させることで、光線方向が制御される。
[発光部と半導体柱状部との相互関係]
以下、発光部3の寸法と、半導体柱状部5,6,7の寸法との相互関係について図3を参照しつつ説明する。
発光素子1は、前記したとおり、発光部3で発光した光が、バッファ層4を介して半導体柱状部5,6,7に入射し、半導体柱状部5,6,7の内部を光導波路として伝搬して射出面5a,6a,7aから出射した光の干渉によって光線を成形するものである。よって、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから出射した光の干渉によって成形される光線の強度は、発光部3で発光した光が、半導体柱状部5,6,7の内部に取り入れられる量によって変化する。そして、発光部3で発光した光が、半導体柱状部5,6,7の内部に取り入れられる量が一定量以下であると、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから十分な強度の光が射出されず、これらの光の干渉によって光線を成形することが困難となる。
一方、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから射出した光線の方向制御の任意性を向上させるためには、発光部3で発光し、半導体柱状部5,6,7に入射せずに素子表面(バッファ層4の上面)から漏れ出た光と、半導体柱状部5,6,7に入射して射出面5a,6a,7aから射出した光と、が余分な干渉を引き起こすことを抑制することが必要である。
これらを両立するためには、発光部3と、半導体柱状部5,6,7との間に以下に説明する関係が成立するように、発光部3と半導体柱状部5,6,7との寸法を規定することが望ましい。
図3に示すように、まず、3本の半導体柱状部5,6,7の全てを囲むように、半導体柱状部5,6,7の柱の外縁の一部に接するように描いた平面図形を想定する。ここでは、半導体柱状部5,6,7の全てを囲む円形状の図形を想定する。この円の中心は、半導体柱状部5,6,7の中心O,O,Oを頂点とする正三角形の重心である原点Mと一致する。ここで、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の半径は、原点Mから半導体柱状部5,6,7の接点までの距離ρに、半導体柱状部5,6,7の直径2φを加えたものとなる。
したがって、図3に示すように、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の面積(以下、面積SOと呼称する)と、発光部3の面積(以下、面積SLと呼称する)と、半導体柱状部5,6,7の各面積(以下、面積SPと呼称する)は、それぞれ次の式(1)〜(3)により求めることができる。
ここで、式(1)におけるΨは、発光部3の半径である。
このとき、発光部3の面積SLと、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の面積SOとの間に、次の式(4)に示す関係が成立することが望ましい。
また、発光部の面積SLと、半導体柱状部5,6,7の各面積SPの総和である面積3SPとの間に、次の式(5)に示す関係が成立することが望ましい。
なお、前記式(5)において、面積SPに乗算する数は、半導体柱状部の設置本数に応じて変わるものである。
よって、これらをまとめると、光線の明瞭性の向上と光線の方向制御の任意性の向上とを両立させるためには、前記した式(4),(5)より、次の式(6)に示す関係が成立することが望ましい。
前記式(6)に示したように、発光部3の面積SLを、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の面積SO以下とすることで、発光部3で発光した光が、半導体柱状部5,6,7以外の素子表面(バッファ層4(図1参照)の表面)から漏れ出して、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7a(図1参照)から射出した光と余分な干渉効果を引き起こすのを抑制することができるので、光線の方向制御の任意性を向上させることができる。
また、前記式(6)に示したように、発光部3の面積SLを、半導体柱状部5,6,7の各面積SPの総和である面積3SP以上とすることで、発光部3で発光した光のほとんどを半導体柱状部5,6,7の内部に入射させることができる。このため、半導体柱状部5,6,7の内部を伝搬して射出面5a,6a,7a(図1参照)から射出される光の強度を高くすることができ、これによって、これらの光の干渉によって成形される光線の明瞭性を向上させることができる。
[発光素子の半導体柱状部から出射される光の干渉の原理]
以下、発光素子1の半導体柱状部5,6,7から出射される光の干渉の原理について図4および下記の数式を適宜用いて説明する。なお、半導体柱状部105,106は高さが同じであるので、図4および下記数式を用いる説明では、簡便のため、高さの異なる2つの半導体柱状部106と半導体柱状部107から出射される光の干渉を例にとって説明する。
図4の発光素子は、発光素子1と同様に、半導体層102と、発光部103と、バッファ層104とを備える。また、素子の最表面を基準の位置とすると、半導体柱状部106の高さがHであり、半導体柱状部107の高さが(H−δ)である。ここで、説明のため、基準とする位置を変更する。すなわち、バッファ層104の上面の位置を基準の高度h0とする。また、半導体柱状部107の柱頭の射出面107aの位置を高度h1とし、半導体柱状部106の柱頭の射出面106aの位置を高度h2とする。つまり、h2−h1=δの関係がある。2つの半導体柱状部106,107の間隔をpとする。2つの半導体柱状部106,107の中心軸から等距離に位置する鉛直中心軸上の所定地点Cを高度h3とする。
図4の発光素子において、発光部103からの光は、高い半導体柱状部106と低い半導体柱状部107とに分岐して射出される。また、高い半導体柱状部106を通る場合に、1つの光路(以下、光路Aという)として、半導体柱状部106中の点A1と半導体柱状部106の射出面106aの中心点A2とを経由して地点Cに達する光路を想定する。また、低い半導体柱状部107を通る場合に、半導体柱状部106の射出面106aの中心点B1と、点B1からδだけ高い位置の点B2とを経由して地点Cに達する光路を想定する。
光路Aを通る光と光路Bを通る光とは、高度h1までは同じ媒質(バッファ層104)を同じ距離だけ進むので同位相のままである。このときの位相を初期位相θ0とすると、光路Aでは点A1において位相はθ0であり、光路Bでは点B1において位相はθ0である。
これら光路Aを通る光と光路Bを通る光とは、高度h1から高度h2まで異なる媒質を進む。このとき、光路Aでは媒質は半導体柱状部106(半導体)であり、光路Bでは媒質は空気である。前記したように、大気中または真空中の光の速度をc、半導体の屈折率をnとすると、半導体中の速度は、c/nで与えられる(例えばGaNであれば例えばn=2.6)。このため、半導体素子中で発生した光を2つに分岐して、一方をそのまま大気中(もしくは真空中)に射出し、かつ、もう一方を半導体中で伝搬させてから射出した場合、それら2つの光が射出された後に出会うと、光路が異なるため、光の位相は異なるようになる。したがって、図4の発光素子からの光の自由空間中の波長をλ0とし、光路Aでは高度h1から高度h2までの区間の半導体中で位相がαだけ進むとすると、光路Aの点A2において位相は下記式(7)で表される。
また、光路Bでは高度h1から高度h2までの自由空間中で位相がβだけ進むとすると、光路Bでは点B2において位相は下記式(7)で表される。
さらに高度h2から高度h3まで自由空間なので、光路Aを通る光と光路Bを通る光とは同じ媒質(自由空間)を進む。また、このとき、光路Aの点A2から点Cまでの距離と、光路Bの点B2から点Cまでの距離とは同じである。したがって、光路Aを通る光の点A2における位相と、光路Bを通る光の点B2における位相との差は、点Cにおいても保存されることとなる。この位相差τは式(9)で表される。すなわち、半導体柱状部106と半導体柱状部107との高さの差δによって光路Aと光路Bとの位相差τを制御することができる。式(9)を変形すると、高さの差δは式(10)で表される。
そして、半導体柱状部106を通る光は、半導体柱状部107を通る光に比べて遅延するため、両者が混合されると、それら2つの光の波面とは全く異なる波面をもつ波が生成される。すなわち、半導体柱状部106,107から放出される光の波面は互いに干渉し、これら2つの半導体柱状部106,107の相対的な位置(3次元空間の位置)によって決定される方向(方向)に、光が射出されることになる。
続いて、3次元空間の位置rにある波源としての半導体柱状部106と、3次元空間の位置r2にある波源としての半導体柱状部107から射出された光の干渉について説明する。
位置rにある波源と、位置rにある波源とからそれぞれ射出された光によって、3次元空間の位置rに時刻tにおいて成形される光の強度I(r)は、次の式(11)で与えられる。
式(11)において、光の干渉を表す第3項が存在するために、発光部103から射出された光が、2つの波源からそれぞれ射出された後に重畳されて、波面を変えて波の進行方向を変えることが可能となる。式(11)では、式(12)のγの実部を利用する。式(12)のEは、Eの複素共役であることを示す。γは、式(12)で示すように、0から1までの値をとり、2つの波源から射出された光が時間的・空間的にどのくらい相関を持っているのかを示している。よって、γは、次の式(13)〜式(15)のように場合分けすることができる。
式(13)の場合を完全コヒーレント、式(14)の場合をインコヒーレント、式(15)の場合を部分的なコヒーレントと呼ぶ。ここでは、発光素子として、LEDの光源を使用しているため、部分的なコヒーレントになっている。したがって、図4の発光素子においては、光の強度において、前記式(11)の第3項の寄与が大きいため、光の進行方向を大きく曲げられる。
なお、半導体柱状部106,107間の水平方向の間隔pが微小であるときには半導体柱状部の高さの差δが支配的な要因となる。
図4では、簡単のため、高さの異なる2つの半導体柱状部から出射される光の干渉による光線の方向について説明した。波源としての半導体柱状部が3つある場合についても、前記式(11)を拡張することが可能である。例えば、第1の半導体柱状部105と第2の半導体柱状部106との組み合わせを2つの波源として前記式(11)を適用し、第2の半導体柱状部106と第3の半導体柱状部107との組み合わせを2つの波源として前記式(11)を適用し、第3の半導体柱状部107と第1の半導体柱状部105との組み合わせを2つの波源として前記式(11)を適用し、これら3つの組み合わせを加算することで、波源としての半導体柱状部が3つある場 合についての関係式を求めることができる。以下では、本実施形態の発光素子1のように3つの半導体柱状部を有している場合の光線の成形と、光線の方向制御とに関して行ったシミュレーションについて順次説明する。
[発光素子の性能]
本実施形態の発光素子1の性能を確かめるために、FDTD(Finit-Difference Time Domain)法によるシミュレーションを行った。シミュレーション結果の説明に先立ち、FDTD法によるシミュレーションによるビームパターンの計算結果の一例について説明する。
(ビームパターン)
ビームパターンの計算結果の一例として、図2に示すような3つの半導体柱状部5,6,7の配置において、半導体柱状部5,6,7の高さが等しい場合(δ=0)のシミュレーション結果を図5に示す。具体的には、図5(a)に示したように、3つの半導体柱状部5,6,7の高さを等しくした発光素子1をXYZ軸の3次元空間に配置した。
図5(b)に示したのは、発光素子1の放射光として、XY平面における光の強度の積算値を、XY平面のビームパターンとしたものである。このビームパターンにおいて、符号rの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の赤色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてred、すなわち、光の強度がおよそ0.1W/m2であることを示す。なお、ここでは、FDTD法における電界の自乗をとった電力密度を光の強度とした。
また、符号yの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の黄色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてyellow、すなわち、光の強度がおよそ0.07W/m2であることを示す。
符号gの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の緑色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてgreen、すなわち、光の強度がおよそ0.05W/m2であることを示す。
符号bの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の青色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてblue、すなわち、光の強度がおよそ0W/m2であることを示す。
符号rの領域は、素子表面の上方8000nmに到達した光の多い領域を示し、符号bの領域は、素子表面の上方8000nmに光の到達しない領域を示す。
光の強度分布の中心点を光線が通るものとすると、原点上に光の強度分布の中心点が現れることから、素子表面と垂直な方向に向かう線上に光線を成形できることを確かめた。
次に、本実施形態に係る発光素子1において、発光部3の半径Ψの寸法と、半導体柱状部5,6,7の高さの差δとをパラメータとしたFDTD法によるシミュレーション結果について図6,7および適宜図1を参照しつつ説明する。
ここでは、発光部3の半径Ψを1.4λ0〜2.6λ0の間で変化させるとともに、半導体柱状部5,6,7の高さの差δを0〜λ1の範囲で変化させてそれぞれのシミュレーションを行い、図6に示す表にその結果を示した。シミュレーションの条件としては、発光素子1の表面(上面)と平行な面の正方形領域(大きさ4000nm×4000nm)をベースとして想定した。また、発光領域から素子表面の上方8000nmまでの領域を計算対象とした。なお、ここでは、高い半導体柱状部5,6(導波柱5,6)の素子表面からの高さを263nmとしている。
また、光線方向の評価は、計算領域の上端において電界強度が最大となる点を光線の中心とし、発光素子1の表面の法線となす角を光線方向の制御角θとした。
図6に示す表において、各列は、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δを、半導体中の発光波長λ1の2波長分の長さ(2λ1)を単位として示す。各行は、計算で求めた光線方向の制御角θを示す。
また、図6の表における画像は、XY面内にて、発光素子1から放射された光の軌跡(波面)を示すビームパターンである。このときの制御角θは、発光部3の半径Ψの寸法や半導体柱状部5,6,7の高さの差δを反映している。また、図6に示す表では、上から下に向かって、比較例1、実施例1、実施例2、比較例2となっている。なお、前記したように、半導体柱状部5,6,7の半径φは、自由空間における発光波長であるλ0と等しく、距離ρは、半径φの1/4としている。
また、式(2)における半導体柱状部5,6,7の半径φ、距離ρ、および、式(3)における半導体柱状部5,6,7を全て囲む円の半径rSO(図4参照)は、全て、自由空間における発光波長λ0で表現することができる。以下では、式(1)における発光部3の半径Ψを発光波長λ0で表現したことに合わせて、式(2)において、半径φ=λ0、距離ρ≒4/λ0と置き換え、式(3)において、半径rSO≒(2+1/4)λ0と置き換えて計算する。また、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δは、基準となる導波柱5,6の高さH(263nm〔2λ〕)に、高さの差の割合の数値を乗じて求めることとする。
〔比較例1の場合〕
比較例1では、発光部3の半径Ψを1.4λ0としている。ここで、半径Ψが1.4λ0のとき、発光部3の面積SLは、前記した式(3)より、SL=1.96λ0 となる。一方、半導体柱状部5,6,7の各面積SPは、前記した式(3)より、λ0 となるので、各面積SPの総和は、面積3SP=3λ0 となる。よって、面積SLと面積3SPとの間には、SL<3SPの関係が成立する。したがって、比較例1は、前記した式(6)の条件を満たさない。
この場合、図6のグラフに示すように、半導体柱状部5,6,7の高さの差δが0.0H〜0.2Hのとき、発光部3で発光した光が半導体柱状部5,6,7の内部に十分に導かれず、その結果、射出面5a,6a,7aからそれぞれ射出される光の強度が低くなってしまうため、成形された光線の中心部分の強度が低くなっている。したがって、前記した式(6)の条件を満たさない比較例1は、光線の明瞭性が低いことを確かめた。
〔実施例1の場合〕
実施例1では、発光部3の半径Ψを1.8λ0としている。ここで、半径Ψが1.8λ0のとき、面積SLは、前記した式(3)より、SL=3.24λ0 となる。一方、半導体柱状部5,6,7の各面積SPは、前記した式(3)より、λ0 となるので、各面積SPの総和は、面積3SP=3λ0 となる。よって、面積SLと面積3SPとの間には、SL≒3SPの関係が成立する。したがって、実施例1は、前記した式(6)の条件を満たす。
この場合、図6のグラフに示すように、半導体柱状部5,6,7の高さの差δが0.0H〜0.3Hのとき、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから射出された光の干渉によって、中心部分の強度が高い光線が形成されていることがわかる。また、高さの差δが大きくなるにつれて、光線の中心部分の位置が変化している、具体的には、制御角θが大きくなっている。
したがって、前記した式(6)の条件を満たす実施例1は、光線の明瞭性を向上することができ、かつ、光線の方向制御の任意性を向上することができることを確かめた。
〔実施例2の場合〕
実施例2では、発光部3の半径Ψを2.2λ0としている。ここで、半径Ψが2.2λ0のとき、発光部3の面積SLは、前記した式(3)より、SL=4.84λ0 となる。一方、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の面積SOは、前記した式(3)より、SO=(2+1/4)λ0 ≒5λ0 となる。
よって、面積SLと面積SOとの間には、SL≒SOの関係が成立する。したがって、実施例2は、前記した式(6)の条件を満たす。
この場合、図6のグラフに示すように、半導体柱状部5,6,7の高さの差δが0.0H〜0.4Hのとき、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから射出された光の干渉によって、中心部分の強度が高い光線が形成されている。また、高さの差δが大きくなるにつれて、光線の中心部分の位置が変化している、具体的には、光線の傾き角度θが大きくなっている。
したがって、実施例2によると、光線の明瞭性を向上することができ、かつ、光線の方向制御の任意性を向上することができることを確かめた。
〔比較例2の場合〕
比較例2では、発光部3の半径Ψを2.6λ0としている。ここで、発光部3の半径Ψが2.6λ0の場合、発光部3をバッファ層4に正射影したときの円の面積SLは、前記した式(3)より、面積SL=5.66λ0 となる。一方、半導体柱状部5,6,7を全て囲む最小の円の面積SOは、前記した式(3)より、面積SO=(2+1/4)λ≒5λ0 となる。よって、面積SLと面積SOとの間には、SL>SOの関係が成立する。したがって、実施例2は、前記した式(6)の条件を満たさない。
この場合、図6のグラフに示すように、半導体柱状部5,6,7の高さの差δが0.0H〜0.4Hのとき、半導体柱状部5,6,7の射出面5a,6a,7aから射出された光の干渉によって、中心部分の強度が高い光線が形成されるが、高さの差δを0.0H〜0.4Hまで変化させても、光線の中心部分の位置がほとんど変化していない。したがって、比較例2によると、光線の方向制御の任意性が低いことを確かめた。
また、図6のグラフに示すように、実施例1,2および比較例1,2に共通して、半導体柱状部5,6,7の高さの差δがある程度以上大きくなると、サイドローブが大きくなってしまい、光線の成形ができなくなる。具体的には、比較例1では、高さの差δが0.3Hより大きいとき、実施例1では、高さの差δが0.4Hより大きいとき、実施例2および比較例2では、高さの差δが0.5Hより大きいとき、光線の成形ができないという結果が得られた。したがって、光線の方向制御を良好に行うためには、実施例1,2において、導波柱5,6と制御柱7との高さの差が最大で半導体中における発光波長λ1(δ=0.5H)以下とし、より望ましくは、高さの差δを0.3H程度となるように設定するとよい。
以上説明したシミュレーションにおける方向制御は、図7に示すグラフによっても確認することができる。
図7に示すグラフは、発光部3の半径Ψの値を1.4λ0〜2.8λ0まで変化させてシミュレーションした結果を示している。図7では、実施例3として、発光部3の半径Ψの値が2.0λ0の場合のシミュレーション結果を追加した。また、比較例3〜5として、発光部3の半径Ψの値が1.6λ0の場合、2.4λ0の場合、2.8λ0の場合のシミュレーション結果をそれぞれ追加した。
なお、図7では、図6において説明したように、シミュレーションによって、半導体柱状部5,6,7の高さの差δが0.4H以上になると、光線の成形が困難となるという結果が得られたので、図7では、高さの差δの値が0.0H〜0.3Hのときのシミュレーション結果を主に示している。なお、図7に示すグラフにおいて、横軸は、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δを、半導体中における発光波長λ1の長さを単位として示す。縦軸は、計算で求めた光線方向の制御角θを示す。
図7のグラフに示すように、発光部3の半径Ψの寸法と、制御角θとが反比例していることがわかる。つまり、発光部3の半径Ψの寸法が小さいほど、制御角θが大きくなり、光線を、発光素子1の表面の法線に対して傾けやすくなる。一方、発光部3の半径Ψの寸法が大きいほど、制御角θが小さくなり、光線を、発光素子1の表面の法線に対して傾けにくくなることがわかる。
ここで、前記した式(6)の条件を満たす発光部3の半径Ψの寸法は、前記したとおり、1.8λ0≦Ψ≦2.2λ0である。
発光部3の半径Ψが1.8λ0である場合(実施例1)、図7のグラフに示すように、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δが大きくなるにつれて制御角θが大きくなっていることがわかる。そして、制御角θの最大値は、高さの差δが0.3Hのときの、約9度である。つまり、高さの差δを0.0Hから0.3Hまで変化させることにより、制御角θを0度から最大約9度まで変化させることができる。よって、実施例1によれば、光線の方向制御が良好に行えることがわかる。
発光部3の半径Ψが2.0λ0である場合、図7のグラフに示すように、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δが大きくなるにつれて制御角θが大きくなっていることがわかる。そして、制御角θの最大値は、高さの差δが0.3Hのときの、約8度である。つまり、高さの差δを0.0Hから0.3Hまで変化させることにより、制御角θを0度から最大約8度まで変化させることができる。よって、実施例2によれば、光線の方向制御が良好に行えることがわかる。
発光部3の半径Ψが2.2λ0である場合(実施例2)、図7のグラフに示すように、導波柱5,6と制御柱7との高さの差δが大きくなるにつれて制御角θが大きくなっていることがわかる。そして、制御角θの最大値は、高さの差δが0.3Hのときの、約7度である。つまり、高さの差δを0.0Hから0.3Hまで変化させることにより、制御角θを0度から最大約7度まで変化させることができる。よって、実施例2によれば、光線の方向制御が良好に行えることがわかる。
このように、発光部3の半径Ψの寸法が1.8λ0≦Ψ≦2.2λ0の範囲内である場合、光線を発光素子1の表面の法線に対して十分傾けることができるので、本実施形態に係る発光素子1は、IP立体ディスプレイ等に好適である。
[発光素子の応用例]
図8(a)および図8(b)に示すように、発光素子1を基板11上に多数並べることにより、IP方式のディスプレイであるIP立体ディスプレイ10を提供することが可能である。図示は省略するが、IP立体ディスプレイ10に対応したIP立体撮影装置がレンズ板を介して図8(b)に示す円柱や立方体等の被写体を予め撮影しておくことが、立体を表示(再生)するための前提となる。これにより、図8(b)に示すように、IP立体ディスプレイ10の各発光素子1が要素画像を空間上に投影し、それらが集積されて、被写体の再生像(立体像)として、例えば円柱や立方体が表示される。
IP立体ディスプレイ10は、図8(a)に示すように、画面に向かって一番右側の列に並べられた発光素子1は、2つの半導体柱状部が配置された側(導波柱5,6の側)を画面の右側に向け、1つの半導体柱状部が配置された側(制御柱7側)を画面の左側に向けている。これは、画面に向かって右側の発光素子1においては、光線を素子表面の法線方向から図8において左側に向けて傾けることを企図した配置である。ここで、画素に対応した発光素子1の1つ1つにおいて、高さの差は画素毎に決定されており、当該画素から射出する光線の方向を規定するように設定される。図8(b)にて、例えば円柱や立方体を終点とする太い矢印が光線の方向を示している。
また、IP立体ディスプレイ10において、画面に向かって一番左側の列に並べられた発光素子1と、画面に向かって一番右側の列に並べられた発光素子とは、半導体柱状部の配置が対称になっている。これは、画面に向かって左側の発光素子1においては、光線を素子表面の法線方向から図8において右側に向けて傾けることを企図した配置である。
また、IP立体ディスプレイ10において、画面に向かって一番上の列に並べられた発光素子1と、画面に向かって一番下側の列に並べられた発光素子とは、半導体柱状部の配置が対称になっている。この配置も同様な理由によるものである。さらに、その他の画面領域に並べられた発光素子1も場所に応じた配置で配置されている。
よって、素子単位の画素構造(発光素子1)の中の3つの波源からそれぞれ射出された光によって、当該画素において強度変調が可能となる。なお、画素の位置によっては、制御角θ=0度とするために半導体柱状部5,6,7の高さを等しくすべき位置もある。
一方、立体ディスプレイ10の発光素子1間、すなわち、画素間においては、光源(発光部3)が異なるので、発光強度の点では相関性を持たない。そのため、成形される光の強度は、3つの画素から射出されたそれぞれの光の強度の単なる加算となる。つまり、画素間において成形される光の強度は、3つの画素を3つの波源とみなしたときに、前記式(11)の第1項と第2項に相当する演算で求められることとなる。
このように立体ディスプレイ10は、各画素を構成する発光素子1が、個別に、射出される方向(方向)が決定されていることによって、光学レンズを介することなく、各発光素子1から特定の方向(方向)への指向性をもった光を射出することができる。
このような微細構造を有する発光素子1を多数個並べた表示素子(FPD)は、従来技術においてレンズ板と発光面とを接合させた装置と同じ働きを有するようになる。このようにして作成したIP立体ディスプレイ10においては、立体表示の解像度は、発光素子1の精細度にのみ依存し、光学系の解像度不足による映像ボケが生じない。また、発光素子1を用いたIP表示における視域角は、素子表面と垂直な方向に対する放射光の成す角(制御角θ)の最大値にのみ依存し、解像度と視域角とを独立に改善することが可能である。
[発光素子の利用可能性]
発光素子1は、光線の成形と方向制御を必要とするデバイス一般に応用することが可能である。例えば、プロジェクター用光源、空間光インターコネクションに用いる接続器、拡散板を必要としない照明用光源などに好適である。
[発光素子の製造方法]
発光素子1を製造する方法としては、公知の種々の微細加工技術を用いることができる。発光素子1は、例えばLEDのように平坦な放射面を有する発光素子を用意し、その表面を微細加工して作成することが可能である。
発光素子1の製造工程の一例を挙げると、まず、例えばGaAsやSi等の半導体基板に、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法などの成膜方法により、半導体層2と発光部3とバッファ層4とを積層する。
ここで、発光部3については、半導体層2の上に、発光部3の厚み以上の厚みで発光部3の材料を成膜する。それから、発光部3を形成する領域をマスクする。そして、マスクの上から反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)等のドライエッチングや薬液を用いたウェットエッチングを行うことにより、発光部3を形成する。
あるいは、半導体層2の上に、発光部3の材料を成膜し、発光部3となる部分以外の部分をパターニングすることで、発光部3を形成してもよい。
また、半導体層2の上に、発光部3の材料を成膜し、例えばレーザー光などを用いて局部的に励起させることで、一部領域を発光部3として機能させてもよい。
また、バッファ層4については、まず、半導体柱状部5,6,7の最上部(導波柱5,6の射出面5a,6a)以上の厚みで成膜する。それから、半導体柱状部5,6,7を形成する領域をマスクする。そして、マスクの上から、前記した各種エッチング法に基づいてエッチングを行うことにより、半導体柱状部5,6,7を形成する。
また、発光素子1を次のようにして形成してもよい。まず、例えばGaAsやSi等の半導体基板に、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法などの成膜方法により、半導体層2と発光部3とバッファ層4とを積層する。そして、バッファ層4の上に、半導体柱状部5のそれぞれの中心の直下を含む大きさで一部領域に形成された窓を1個有する誘電体反射膜を成膜する。一方で、表面に半導体柱状部5をそれぞれ配置した透明誘電体基板を別途形成する。そして、バッファ層4の誘電体反射膜を設けた面に、透明誘電体基板の複数の半導体柱状部5を設けた面と反対側の面を張り合わせ法などによって張り合わせる。このとき、誘電体反射膜に設けた窓が、透明誘電体基板の半導体柱状部5のそれぞれの中心の直下を含む一部領域に配置されるように位置を合わせて張り合わせるものとする。
なお、本実施形態では、バッファ層6の下面の一部領域に発光部3を設けているので、発光部3を設けた部分とその他の部分とで、発光部3の厚さの分だけ厚さの差が生じる。しかし、発光部3は、前記したように厚さが極めて薄い(約3〜10nm)ので、厚さの差により隙間等はほとんど生じないことから、厚さの差による影響を特段考慮する必要はない。また、前記したような不純物(Inイオン)を打ち込む位置を制御する方法によれば、界面の高さが等しくなるので、隙間そのものが生じない。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る発光素子1は、表面に3本以上の半導体柱状部を形成することで、半導体柱状部からそれぞれ放射された光の相互の干渉効果により光線を成形できる。また、発光素子1は、制御柱7の高さを適切に選んで柱の高さのバランスを崩しておくことで、素子表面から垂直な方向以外の任意方向へ放射する光線を成形することが可能となる。また、発光素子1は、表面に半導体柱状部5,6,7を形成するだけで光線の方向を制御できるため、その構造が簡単である。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、LED素子の材料は、GaNであるものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、AlN、GaAlN、ZnO、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAlAsP等であってもよい。
また、発光素子は、LED素子のような注入型のEL素子に限定されず、有機EL素子や無機EL素子のような真性EL素子であってもよい。
以下、発光素子の半導体柱状部についての変形例を列挙する。
半導体柱状部の断面形状は、図示した円に限らず、多角形等であってもよい。また、半導体柱状部の本数を3本としたが、4本以上であってもよい。半導体柱状部の本数を4本とした場合、1本の半導体柱状部を制御柱とし、他の半導体柱状部を導波柱とするか、2本の半導体柱状部を制御柱とし、他の半導体柱状部を導波柱とする。4本の半導体柱状部の配置は図2の角度αが90度となるようにすることが好ましい。
半導体柱状部の本数を5本とした場合、1または2本の半導体柱状部を同様の制御柱とし、他の半導体柱状部を導波柱とする。5本の半導体柱状部の配置は図2の角度αが72度となるようにすることが好ましい。
半導体柱状部の本数を6本とした場合、1,2または3本の半導体柱状部を同様の制御柱とし、他の半導体柱状部を導波柱とする。6本の半導体柱状部の配置は図2の角度αが60度となるようにすることが好ましい。例えば6本の半導体柱状部を環状に配列した場合、間隔はほぼ0であっても構わない。
波源としての半導体柱状部が4以上の整数Nである場合については、隣り合った2つの柱の組み合わせの個数をNC2とすれば、半導体柱状部が3本ある場合に32(=3)回だけ前記式(11)を適用して加算したのと同様な手法により、N2回だけ前記式(11)を適用して加算することで前記式(11)を拡張することが可能である。
なお、一重に環状に配列した複数の半導体柱状部の間隔をほぼ0としても、半導体柱状部の総数に比例して素子のサイズが大きくなるので、所望の素子のサイズに合わせて半導体柱状部の総数を適宜設計することができる。
内側に3個、外側に6個のように、環状に配列した複数の半導体柱状部を二重に配列してもよい。
また、すべての半導体柱状部の直径は必ずしも等しくなくてもよい。
1 発光素子
2 半導体層
3 発光部
4 バッファ層
5,6 導波柱(半導体柱状部)
7 制御柱(半導体柱状部)
10 IP立体ディスプレイ
11 基板

Claims (4)

  1. 平坦な表面を有する第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上側に、前記第1半導体層と同一材料で所定領域を取り囲むように設けられ柱頭の射出面から光を放射する少なくとも3本の半導体柱状部と、
    前記第1半導体層の下側に、前記少なくとも3本の半導体柱状部のそれぞれの中心の直下を含む一部領域に設けられる発光部と、
    前記発光部の下側に設けられた第2半導体層と、を有し、
    前記少なくとも3本の半導体柱状部のうち少なくとも1本の柱の高さが他の柱の高さと異なり、前記少なくとも3本の半導体柱状部の間隔が前記半導体柱状部の射出面から出射した光の可干渉長以下であり、前記少なくとも3本の半導体柱状部が円環状かつ均等の距離で配置されることを特徴とする光線指向型の発光素子。
  2. 前記発光部は、横断面の面積が、前記少なくとも3本の半導体柱状部の全てを囲む外接円の面積以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光線指向型の発光素子。
  3. 前記発光部は、横断面の面積が、前記少なくとも3本の半導体柱状部の柱の横断面の面積の総和以上となるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光線指向型の発光素子。
  4. 前記半導体柱状部の柱の高さの差は、前記半導体柱状部の内部における放射光の波長の半分の長さ以下であることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光線指向型の発光素子。
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