JP5909111B2 - 発光素子 - Google Patents
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Description
また、LEDから取り出す光の方向を制御する技術として、LED光の出射角度を調整可能な発光装置が特許文献2に記載されている。
さらに、微細な構造を備えたLEDから取り出す光の方向を制御できる技術は知られていないのが現状である。
また、発光素子では、平坦な表面に配置された構造物間において各構造物から出射した光が干渉する。そのため、複数の構造物を適切に配置することで、相互の光の干渉効果によって、発光素子で成形される光線が広がらないようにすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、発光素子は、妨害光を遮蔽できるので光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。また、発光素子において、遮光膜を金属で形成すれば、遮光膜に電極機能を兼用することができる。
請求項4または5に記載の発明によれば、発光素子は、光の出射端面を大きくすることができるため、光の強度を大きくすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、発光素子は、素子表面に複数の孔を適切な配置、形状およびサイズで形成されることで光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、発光素子は、素子表面に複数の突起部を適切な配置、形状およびサイズで形成されることで光線の成形と方向制御を効果的に行うことができる。
[発光素子の構造の概要]
発光素子1は、指向性の高い光を発光する素子であって、特定の方向に光線を射出する光線指向型の発光素子である。
発光素子1は、例えばLEDのように、平坦な表面から光を放射するものである。
発光素子1は、図1に示すように、半導体層2と、発光層3と、バッファ層4と、金属層(遮光膜)5とを備えている。
半導体層2は、発光層3の下側に、図示しない基板との間に設けられたn型半導体層である。バッファ層4は、発光層3の上側(光取り出し側)に、発光層3と素子表面との間に設けられたp型半導体層である。
発光素子1が青色発光素子である場合、発光層3は、例えば、InGaNの量子井戸層として形成される。
<半導体層>
半導体層2は、図示しない基板側から順に、例えば、n型GaN層と、n型GaN/InGaN障壁層とが積層された構造とすることができる。
<バッファ層>
バッファ層4は、発光層3側から順に、例えば、p型GaN/InGaN障壁層と、p型GaN層と、が積層された構造とすることができる。
金属層5は、バッファ層4の上に積層されている。ただし、金属層5は、発光素子1の光取り出し側において孔10,20,30が形成されていない表面に設けられている。すなわち、金属層5は、孔以外から放出される光をマスクするための遮光膜として機能する。
図示を省略したが、一般的なLED素子と同様に、半導体層2およびバッファ層4との間に段差を設けて、当該段差から引き出された部分にオーミックコンタクトを形成する形で電極を形成できれば、電極の構造は特に限定されるものではない。例えばp電極を、金属層5の部分に設け、n電極を半導体層2の基板側の面に設けてもよい。
また、電極材料としては一般的な金属電極が使用できる。
第1の孔10の底面は傾斜面11であり、第2の孔20の底面は傾斜面21であり、第3の孔30の底面は傾斜面31である。各傾斜面11,21,31の面内の輪郭形状(例えば楕円)を素子表面(上面)の位置に投影した平面図形(例えば楕円が投影されれば円になる)の径は、発光素子1の発光層3からの光が通るのに充分な太さを有する。なお、投影された平面図形は円に限定されるものではない。ここで、充分な太さとは、発光素子1から放出される光の波長(以下、λと表記する)程度以上である。波長λは、自由空間における放射光の波長を示す。
図1および図2では、孔の形状を円形で示した。つまり、各傾斜面11,21,31が素子表面(上面)に投影されたときの平面図形の形状は円形であるものとした。また、図1および図2に示すように各孔の太さは等しいものとした(直径d:図3および図4参照)。
孔10,20,30は、光取り出し面において、所定の原点の周囲に均等な角度β(この場合、β=120度)の方位に、互いに間隔pだけ離間して配置されている。孔の間隔pは、隣り合った孔からの光が干渉できる程度の長さに予め設定されている。つまり、孔の間隔pは、発光素子の可干渉長以下であることが好ましい。なお、光の可干渉長は、光源の発光スペクトルの半値幅と、中心波長とに依存する。光源がLEDの場合、例えば10〜数十μm程度の長さとなる。
図2に示す例では、所定の原点とは、素子上面において3つの孔10,20,30により環状に取り囲まれた所定領域に位置する点である。また、この原点は、第1の孔10の中心O1と、第2の孔20の中心O2と、第3の孔30の中心O3とから等距離にある点であり、中心O1,O2,O3を頂点とする正三角形の重心(原点Mと表記する)のことである。ここで、3つの孔10,20,30は、円環状かつ均等に配置されることが好ましい。なお、各孔により取り囲まれた所定領域の形状やサイズは、孔の径とバランスを取りながら所望のものとして適宜設計できる。例えば孔の径が、発光波長の数波長程度分であれば、所定領域のサイズは、数分の1波長〜数波長程度とすることができる。
図1では、第3の孔30の傾斜面31の仰角αだけ図示したが、ここでは、3つの孔10,20,30の各傾斜面11,21,31の仰角αがそれぞれ等しいものとした。例えば傾斜面21については、図2のA−A線矢視における断面図を図3に示すように、傾斜面21の仰角も角度αとなっている。
発光素子1の各孔10,20,30において各傾斜面11,21,31の方位角はそれぞれ等しいものとした。ここで、傾斜面の方位角とは、発光素子1を発光面(上面)から見たときの傾斜面の傾斜方向を示す角度であって、例えば高い方から低い方へ傾斜する向きで特定する。具体的には、図2において、傾斜面11の方位角の方向は、第1の孔10の中心O1を始点とする太線の矢印の向きと同じ方向で表される。また、傾斜面21の方位角の方向は、第2の孔20の中心O2を始点とする太線の矢印の向きと同じ方向で表される。また、傾斜面31の方位角の方向は、第3の孔30の中心O3を始点とする太線の矢印の向きと同じ方向で表される。つまり、この発光素子1の傾斜面の方位角は、地図上ならば南向き(図2において下向き)である。なお、各傾斜面11,21,31は、高い方から低い方へ傾斜する向きが、+Y方向から−Y方向への向きに一致している。また、3本の太線の矢印の向きは、発光素子1から広がりを抑えて放射される光線の方向を示している。
孔10,20,30は、金属層5の厚みよりも深く、かつ、金属層5とバッファ層4とを合わせた厚みよりも浅く形成されている。孔10,20は、図3および図4に示すように、バッファ層4の表面に開口してバッファ層4に底面11,21を有する。なお、孔30もバッファ層4の表面に開口してバッファ層4に底面31(図1参照)を有する。各孔10,20,30は底面を有しており、孔の底面が傾斜している。図3に示すように、孔20の傾斜面(底面)21の最下端は、発光層3よりも上に位置する。また、孔20の傾斜面(底面)21の最上端は、金属層5よりも下に位置する。なお、傾斜面(底面)21の最上端は、バッファ層4の上面の開口の周縁よりも下に位置してもよい。
発光素子1は、例えばGaNにInを添加したLEDであるものとし、発光スペクトルの中心波長(波長λ)は470nmであるものとした。
発光素子1のバッファ層4(図1参照)の厚さを約250nmとした。
金属層5(図1参照)は、厚さ200nmのMoの金属薄膜とした。
孔の間隔p(図2参照)は、放射光の自由空間での1波長に相当する470nmとした。孔の直径d(図3および図4参照)は、放射光の自由空間での2波長に相当する940nmとした。孔の傾斜面の方位角は、図2の太い矢印のように−Y方向とした。つまり、回転角θ1=120°、回転角θ2=120°、回転角θ3=0°とした。孔の傾斜面の仰角αの値を変化させることで、光線方向が制御されることを確かめた。
一般に、半導体の誘電率は真空中(空気中)より高いため、半導体中を伝搬する際の光の速度は、空気中を伝搬する速度に比べて遅くなる。具体的には、大気中または真空中の光の速度をc、半導体の屈折率をnとすると、半導体中の速度は、c/nで与えられる(例えばGaNであれば例えばn=2.6)。
位置r1にある波源と、位置r2にある波源とからそれぞれ射出された光によって、3次元空間の位置rに時刻tにおいて合成される光の強度I(r)は、次の式(1)で与えられる。
第1実施形態の発光素子1の性能を確かめるために、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法によるシミュレーションを行った。シミュレーションの条件としては、発光素子100の表面(上面)と平行な面の正方形領域(大きさ3000nm×3000nm)をベースとして想定した。また、発光領域から素子表面の上方3500nmまでの領域を計算対象としてシミュレーションを行った。
ビームパターンの具体例1は、後記するビームパターンの具体例2(本発明の実施例)に対する比較例である。
ビームパターンの計算結果の一例として、図2に示すような3つの孔の配置において、孔の傾斜面の仰角αがすべて0度である場合のシミュレーション結果を図5に示す。具体的には、図5(a)に示すように、孔の傾斜面の仰角αが0度である発光素子100をXYZ軸の3次元空間に配置した。発光素子100は、孔の底面が水平であって傾斜面を有していないので、図1の発光素子1と区別し、3つの孔を110,120,130と表記した。また、ここでは、発光素子100のバッファ層4の上面をZ=0(XY平面)として、XY平面において3つの孔110,120,130のそれぞれの中心で定められる重心を原点M(0,0,0)とした。
符号gの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の緑色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてgreen、すなわち、光の強度がおよそ0.025W/m2であることを示す。
符号bの領域は、図5(b)のカラー表示の場合の青色の領域を示し、図5(b)に示すスケールにてblue、すなわち、光の強度がおよそ0W/m2であることを示す。
符号rの領域は、素子表面の上方3500nmに到達した光の多い領域を示し、符号bの領域は、素子表面の上方3500nmに光の到達しない領域を示す。
光の強度分布の中心点を光線が通るものとすると、原点上に光の強度分布の中心点が現れることから、素子表面と垂直な方向に向かう線上に光線が成形されてしまうことを、この比較例で確かめた。
ビームパターンの計算結果の一例として、図2に示すような3つの孔の配置において、孔の傾斜面の仰角αがすべて14度である場合のシミュレーション結果を図6に示す。図6の見方は図5と同様なので、図5を参照して説明した符号の説明等を適宜省略し、傾斜面の仰角αを0°から14°に変更したときの相違点を主として説明する。
まず、図6(a)に示すように、孔の傾斜面の仰角αが14度である発光素子1をXYZ軸の3次元空間に配置した。
FDTD法による計算結果を用い、遠方界パターンを計算し、これを光の方向制御の評価に用いた。遠方界パターンは、距離が変わっても角度に対して光の強度が一定となるパターンを示す。前記ビームパターンは、素子表面の上方3500nm(3.5ミクロン)の距離を想定していたが、遠方界パターンは、素子表面の上方のおよそ1mmの距離を想定している。
図7(a)は、比較のために求めたものであって、3つの孔10,20,30の底面の仰角αが0度である場合(発光素子100)の光強度の遠方界パターンを示す。
図7(b)は、試した中で最もよい結果であって、3つの孔10,20,30の底面の仰角αが14度である場合(発光素子1)の光強度の遠方界パターンを示す。
発光素子1を製造する方法としては、公知の種々の微細加工技術を用いることができる。発光素子1は、例えばLEDのように平坦な放射面を有する発光素子を用意し、その表面を微細加工して作成することが可能である。
本発明の第2実施形態に係る発光素子について図8を参照して説明する。図8に示すように、発光素子1Aには、素子表面(上面)から突出する柱体の上面が傾斜面として形成された、第1の突起部40と、第2の突起部50と、第3の突起部60と、が設けられている。また、素子上面において、所定領域を環状に取り囲むように配置された3つの突起部40,50,60を図9に示す。発光素子1Aは、指向性の高い光を発光する素子であって、特定の方向に光線を射出する光線指向型の発光素子である。なお、発光素子1Aにおいて、第1実施形態に係る発光素子1と同様な構成には同様の符号を付し、説明を適宜省略する。
発光素子1Aは、例えばLEDのように、平坦な表面から光を放射するものである。
発光素子1Aは、図8に示すように、半導体層2と、発光層3と、バッファ層4と、金属層(遮光膜)5とを備えている。
半導体層2は、発光層3の下側に、図示しない基板との間に設けられたn型半導体層である。バッファ層4は、発光層3の上側(光取り出し側)に、素子表面との間に設けられたp型半導体層である。バッファ層4は、上面に、平坦に形成された平坦領域と、この平坦領域から一部突出して形成された複数の突起部40,50,60とを有する。バッファ層4の平坦領域には、金属層5が積層されている。
第1の突起部40の上面は傾斜面41であり、第2の突起部50の上面は傾斜面51であり、第3の突起部60の上面は傾斜面61である。突起部40,50,60の金属層5よりも上方に位置する基端において、各突起部の径は、放射光の波長以上である。すなわち、各傾斜面41,51,61を素子表面(上面)に投影した平面図形の径は、発光素子1Aの発光層3からの光が通るのに充分な太さを有する。ここで、充分な太さとは、発光素子1Aから放出される光の波長λ程度以上である。
なお、各傾斜面41,51,61は、高い方から低い方へ傾斜する向きが、−Y方向から+Y方向への向きに一致している。つまり、発光素子1Aの傾斜面の向きと、第1実施形態の発光素子1の傾斜面の向きとは180度異なっている。
図9では、突起部の平面形状を円形で示した。つまり、図8に示す各傾斜面41,51,61の面内の輪郭形状(楕円)が素子表面(上面)の位置に投影されたときの平面図形の形状は円形であるものとした。また、図8および図9に示すように各突起部の太さは等しいものとした(直径d:図10および図11参照)。
突起部40,50,60は、光取り出し面において、原点Mの周囲に均等な角度β(この場合、β=120度)の方位に、互いに間隔pだけ離間して配置されている。突起部の間隔pは、隣り合った突起部からの光が干渉できる程度の長さに予め設定されている。なお、原点Mは、第1の突起部40の中心O1と、第2の突起部50の中心O2と、第3の突起部60の中心O3とを頂点とする正三角形の重心に対応している。
3つの突起部40,50,60の各傾斜面41,51,61の仰角はそれぞれ等しいものとした。例えば傾斜面51については、図9のC−C線矢視における断面図を図10に示すように、傾斜面51の仰角は角度αとなっている。
発光素子1Aの各突起部40,50,60において各傾斜面41,51,61の方位角はそれぞれ等しいものとした。傾斜面の方位角は、例えば高い方から低い方へ傾斜する向きで特定する。図9において、傾斜面41の方位角の方向は、第1の突起部40の中心O1を始点とする太線の矢印の向きと反対の方向で表される。また、傾斜面51の方位角の方向は、第2の突起部50の中心O2を始点とする太線の矢印の向きと反対の方向で表される。また、傾斜面61の方位角の方向は、第3の突起部60の中心O3を始点とする太線の矢印の向きと反対の方向で表される。つまり、この発光素子1Aの傾斜面の方位角は、地図上ならば北向き(図9において上向き)である。傾斜面41についての回転角θ1は、図2に示す傾斜面11についての回転角θ1と同様に表すこととした。傾斜面51についての回転角θ2は、図2に示す傾斜面21についての回転角θ2と同様に表すこととした。傾斜面61についての回転角θ3は、図2に示す傾斜面31についての回転角θ3と同様に表すこととした。なお、3本の太線の矢印の向きは、発光素子1Aから広がりを抑えて放射される光線の方向を示している。
各傾斜面41,51,61は、金属層5よりも上方に形成されている。より詳細には、図10および図11に示すように、バッファ層4の突起部40,50,60は、金属層5の上面よりも下側の形状が円柱である。また、突起部40,50,60は、金属層5の上面よりも上側の形状が円柱を斜断した形状である。また、図10に示すように、突起部50の傾斜面(上面)51の最下端は、金属層5の上面に段差なく滑らかに繋がっている。
発光素子1Aは、第1実施形態の発光素子1と同様な材料、同様なサイズで同様に設計することができる。なお、第2実施形態の発光素子1Aにおいては、突起部の傾斜面の方位角は、図9の太い矢印を180度回転させて+Y方向とした。つまり、回転角θ1=300°、回転角θ2=300°、回転角θ3=180°とした。その上で、突起部の傾斜面の仰角αの値を変化させることで、光線方向が制御されることを確かめた。
発光素子1Aにおいては、第1実施形態の発光素子1における孔を突起部に置き換えることで、複数の突起部からの光が同様な原理で同様に干渉することができる。
第2実施形態の発光素子1Aの性能を確かめるために、FDTD法によるシミュレーションを、第1実施形態と同様な手法で行った。FDTD法による計算結果を用い、遠方界パターンを計算し、これを光の方向制御の評価に用いた。図12は、試した中で最もよい結果であって、発光素子1Aの3つの突起部40,50,60の上面の仰角αが14度である場合の光強度の遠方界パターンを示す。
突起部の傾斜面の仰角α=14°、回転角θ1=300°、回転角θ2=300°、回転角θ3=180°の場合、図12に示すように、制御角Ψは22度であって、素子表面と垂直な方向から−Y方向に22度傾いた方向に光線を成形できることが分かる。
発光素子1Aを製造する方法としては、公知の種々の微細加工技術を用いることができる。発光素子1Aは、例えばLEDのように平坦な放射面を有する発光素子を用意し、その表面を微細加工して作成することが可能である。
第1および第2の実施形態の発光素子1,1Aを基板上に多数並べることにより、IP方式のディスプレイであるIP立体ディスプレイを提供することが可能である。
一例として、図13(a)および図13(b)に、第1の実施形態の発光素子1を基板71上に多数並べたIP立体ディスプレイ70を示す。図示は省略するが、IP立体ディスプレイ70に対応したIP立体撮影装置がレンズ板を介して図13(b)に示す円柱や立方体等の被写体を予め撮影した要素画像群を取得しておくことが、立体を表示(再生)するための前提となる。撮影に用いるレンズ板は、要素レンズを所定のレンズピッチで並置して構成された要素レンズアレイになっている。従来のIP方式のディスプレイでは、例えば液晶パネルに要素画像群を表示して、撮影時と同様の要素レンズアレイの各要素レンズを介して各要素画像を投影し、それらを集積した像を、被写体に対応した立体再生像として観察する。IP立体ディスプレイ70の場合、密集して配置された複数の発光素子1が1単位の要素画素群として要素画像を形成し、通常のIP立体ディスプレイの個々の要素レンズに相当する領域に、要素画素群(1つの単位構造)が並置される構造となる。これにより、図13(b)に示すように、IP立体ディスプレイ70の各要素画素群(複数の発光素子1からなる単位構造)が要素画像を空間上に投影し、それらが集積されて、被写体の再生像(立体像)として、例えば円柱や立方体が表示される。
よって、素子単位の画素構造(発光素子1)の中の3つの波源からそれぞれ射出された光によって、当該画素において強度変調が可能となる。なお、画素の位置によっては、制御角θ=0度とするために仰角αを0度とすべき位置もある。
このように立体ディスプレイ70は、各画素を構成する発光素子1が、個別に、射出される方向(方位)が決定されていることによって、光学レンズを介することなく、各発光素子1から特定の方向(方位)への指向性をもった光を射出することができる。
発光素子1,1Aは、光線の成形と方向制御を必要とするデバイス一般に応用することが可能である。例えば、プロジェクター用光源、空間光インターコネクションに用いる接続器、拡散板を必要としない照明用光源などに好適である。
また、発光素子1,1Aは、表面に形成した微細構造物(孔または突起部)の傾斜面の仰角αを適切に選ぶことで、素子表面から垂直な方向以外の任意方向へ放射する光線を成形することが可能となる。
また、発光素子の遮光機能としての金属層5に電極機能を持たせてもよい。また、発光素子の金属層5の部分を、透明電極層と遮光機能としての金属薄膜とで構成してもよい。
孔の断面形状は、図示した円に限らず、多角形等であってもよい。また、孔の個数を3つとしたが、2つまたは4つ以上であってもよい。
孔の個数を2つにする場合、図1および図2に示した第3の孔30を取り除いて、第1の孔10と第2の孔20のように横並びで傾斜面の方位が揃った状態で配置することが好ましい。孔の個数が3つ以上の場合、所定領域を取り囲むように円環状に孔を配置することが好ましい。例えば孔の個数を4つとした場合、4つの孔の配置は図2の角度βが90度となるようにすることが好ましい。
内側に3個、外側に6個のように、環状に配列した複数の孔を二重に配列してもよい。
すべての孔の径は必ずしも等しくなくてもよい。
第2実施形態の発光素子1Aにおいては、図10を参照して、突起部50の傾斜面51の最下端は、金属層5の上面と面一であるものとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば突起部50の傾斜面51の最下端は、金属層5の上面よりも上に位置してもよい。この場合、突起部50は、金属層5の上面よりも上側の形状が、円柱に、円柱を斜断した形状を継ぎ足したような形状となる。
2 半導体層
3 発光層
4 バッファ層
5 金属層(マスク)
10,20,30 孔
11,21,31 傾斜面
40,50,60 突起部
41,51,61 傾斜面
70 IP立体ディスプレイ
71 基板
Claims (7)
- 平坦な表面から光を放射する発光素子であって、
前記平坦な表面に複数の構造物が形成され、
前記構造物は、光を射出する端面として前記平坦な表面に対して傾斜した単独の傾斜面を有し、
前記平坦な表面において、前記構造物同士の距離が放射光の可干渉長以下であり、
前記複数の構造物から射出するそれぞれの光が相互に干渉して成形される光線が、前記平坦な表面に対して垂直な方向から傾いた方向に指向性を有して射出するように、前記それぞれの構造物において前記傾斜面の仰角及び方位角が設定されていることを特徴とする発光素子。 - 前記各構造物の傾斜面の仰角がそれぞれ等しく、かつ、前記各構造物の傾斜面の方位角がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
- 前記平坦な表面において、前記複数の構造物が形成されていない領域に、光をマスクするための遮光膜を備えることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
- 前記構造物は、前記平坦な表面から突出する柱体を形成し、その柱体の上面を前記傾斜面として形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記構造物は、前記平坦な表面から凹む孔を形成し、その孔の底面を前記傾斜面として形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光素子。
- 発光層と、
前記発光層の光取り出し側に積層されたバッファ層と、
前記バッファ層の上であって前記複数の構造物が形成されていない領域に積層された前記遮光膜と、を備え、
前記各構造物は、前記バッファ層の表面に開口して前記バッファ層に底面を有する孔であって、
当該孔の底面が前記傾斜面であり、
前記孔の径は、放射光の波長以上であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。 - 発光層と、
前記発光層の光取り出し側に積層されて平坦に形成された平坦領域と前記平坦領域から一部突出して形成された複数の突起部とを有するバッファ層と、
前記バッファ層の上であって前記平坦領域に積層された前記遮光膜と、を備え、
前記各構造物は、前記バッファ層の上に形成された前記突起部であって、
前記突起部は、前記傾斜面を有し、当該傾斜面の少なくとも一部が前記遮光膜よりも上方に形成されており、
前記突起部の基端において、当該突起部の径は、放射光の波長以上であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
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