JP2014026414A - 情報記録媒体の読取方法、情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材11上に形成した赤外線を吸収する画像情報13の上に、励起により赤外線を発光する赤外線発光層15を形成する。赤外線発光層15の上にさらに赤外線透過・可視光反射/吸収層17を形成し、情報記録媒体1を作製する。赤外線発光層15が発光する赤外線は、発光強度が発光強度しきい値25以上の値となる波長域31、35の間に、発光強度しきい値25より、ピーク波長20の発光強度の30%以上低い発光強度の部分27を有する。読取装置50は、情報記録媒体1に励起光を照射し、赤外線発光層15が発光する赤外線のうち、波長域31、35、およびその間の波長域33の赤外線を受光する。波長域31、35の赤外線が検出され、かつ、波長域33の赤外線が検出されない場合に情報記録媒体1を真と判定し、画像情報13を読み取る。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2には、基材上に赤外線吸収材料による画像情報を形成し、その上に赤外線発光層を形成してこれにより画像情報を隠蔽した媒体について、画像情報を読取装置で読み取る方法が記載されている。
このように、波長域ごとの赤外線の受光量を用いることで、正規の材料を用いた赤外線発光層と、その他の赤外線発光層との違いを容易に判定できる。
このように、赤外線発光層の発光する赤外線を、発光強度の大きい複数の波長域とその間の大きな谷部分を有する特徴的な分布とすることで、真偽の判定が容易となり、かつ赤外線発光層を偽造することも難しくなる。
さらに、前記真偽判定ステップは、前記第1の波長域の赤外線の受光量が第1の所定値以上、かつ、前記第1、第2の波長域の間にある第3の波長域の赤外線の受光量が第2の所定値未満、かつ、前記第2の波長域の赤外線の受光量が第3の所定値以上であるときに、前記情報記録媒体を真と判定するようにしてもよい。
これにより、第2の発明の情報記録媒体が容易に作成でき、かつ複数の種類の蛍光体を用いるので偽造もさらに難しくなる。
前者の場合は、予め印刷した画像情報のみを覆うように赤外線発光層を形成することが容易で、材料の消費量を簡単に抑えることができる利点がある。また、画像情報の印刷完了後の媒体上の必要な部分のみに、後から赤外線発光層を付与することができる利点もある。
一方、後者の場合には、画像情報を読み取ったデータ上で、画像情報のエッジ部分でより高いコントラストが得られる利点がある。
この場合、画像情報が肉眼で不可視になるので、偽造防止性をさらに向上させることができる。
(情報記録媒体1の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態の情報記録媒体1について示す図である。
画像情報13は、例えば、バーコード情報や二次元コード、OCR用数字、数字、文字、絵柄、記号等であるが、これらに限ることはない。
本実施形態では、この蛍光体として、同じ励起光を照射した時に、互いに異なるピーク波長を有する赤外光を発光する2種類の蛍光体を使用する。これにより、赤外線発光層15が発光する赤外線を、発光強度の大きい2つの波長域を有するものとする。これについては後述する。なお、発光強度は光の量を指し、光度等の一般的な測光量に対応する。また、ピーク波長は発光強度が最も大きい波長を指すものとする。
赤外線透過・可視光反射/吸収層17は、赤外線を透過し可視光を反射もしくは吸収する材料を含んでいればよく、種々の材料を使用することができる。例えば、シアン、マゼンダ、イエローの顔料を分散させた黒色の層や、マゼンダ、イエローの顔料を分散させた橙色の層、シアン、イエローの顔料を分散させた緑色の層とすることができる。この赤外線透過・可視光反射/吸収層17は、印刷により形成することができる。
図2(a)は、赤外線発光層15に含まれる2種類の蛍光体A、Bのそれぞれについて、励起時に発光する赤外線のスペクトル分布を模式的に示している。縦軸は、ピーク波長の発光強度に対する各波長の発光強度の比(%)である。なお、励起光は、ピーク波長が約810nmのものを用いている。
情報記録媒体1に、例えば、ピーク波長が約810nmである励起光41が照射されると、励起光41は、赤外線透過・可視光反射/吸収層17を透過して、赤外線発光層15に到達する。
次に、情報記録媒体1の読取方法について図3〜7を参照して説明する。
赤外線照射装置51は、例えば発光ダイオード等であり、励起光として赤外線を情報記録媒体1に照射するものである。本実施形態では、赤外線照射装置51により、約810nmのピーク波長を有する励起光が情報記録媒体1に照射される。ただし、赤外線照射装置51はこれに限ることはない。
前記した通り、赤外線発光層15は赤外線を発光し、画像情報13は赤外線を吸収するので、画像データでは、下部に画像情報13が形成された部分を除き、赤外線発光層15が高輝度の部分として現れる。一方、画像情報13の部分は、周囲の赤外線発光層15よりも低輝度の部分として現れる。従って、このコントラストから、画像情報13を読み取ることが可能になる。
この時、S2では、図6のケース3に加え、ケース4の場合でも情報記録媒体1の判定結果は真となるが、ケース4の場合では、波長域35の赤外線は検出されないので、S3において画像情報13の読取ができず、前述のものと実質的に同等の効果が得られる。
すなわち、上記の幅26をピーク波長20の発光強度の30%未満とした場合では、本実施形態の真偽判定ロジックにおいて、1種類の蛍光体を用いた情報記録媒体が、スペクトル分布の小さな山や谷によって真とされる恐れがあるが、上記の幅26を少なくともピーク波長20の発光強度の30%分と定めることでこれを防ぎ、ピーク波長の異なる2種類以上の蛍光体を用いた情報記録媒体を、上記のような特徴的なスペクトル分布の赤外線を発光する真の情報記録媒体として識別できる。
加えて、画像情報13が、赤外線透過・可視光反射/吸収層17で覆われるので、画像情報13を肉眼では不可視にすることが可能であり、偽造防止性をさらに向上させることができる。
図8(a)は、本発明の第2の実施形態の情報記録媒体1aを示す図である。図に示すように、この情報記録媒体1aは、赤外線透過・可視光反射/吸収層17が省略される点で、第1の実施形態と異なる。
図8(b)は、本発明の第3の実施形態である情報記録媒体1bを示す図である。この情報記録媒体1bは、赤外線発光層15の上に、画像情報13が重ねて設けられる点で、第1の実施形態と異なる。
次に、第1の実施形態の情報記録媒体1をくじ1cとして用いた例を第4の実施形態として説明する。図9(a)は、くじ1cの断面構成を示す図である。図9(b)は、くじ1cの上面を示したものである。
第5の実施形態として、第2の実施形態の情報記録媒体1aを、封緘物80において、封入物22とその送り先が一致するかを検査する際に利用する検査用媒体1dとして用いた例について説明する。図10(a)は封緘物80の断面構成を示す図である。図10(b)は検査用媒体1dの上面を示す図である。また、図10(c)は、封緘物80の上面を示す図である。
<蛍光材料の作成>
赤外線発光層15を形成するための蛍光材料として、それぞれ異なる蛍光体を含む2種類の赤外線励起・赤外線発光顔料「SG−YS(根本特殊化学社製)」および「IRS−L(根本特殊化学社製)」を水性インキ化して用いた。調合重量比率を以下に示す。
SG−YS(根本特殊化学社製):2.5%
IRS−L(根本特殊化学社製):2.5%
水溶性アクリル系樹脂:20.0%
水:74.0%
アルコール系溶剤:0.5%
分散剤:0.5%
電子写真方式のプリンタ、ApeosPort−II C4300で、A4判の普通紙を基材11として、カーボンブラックを含む黒色トナーを用いて、JANコードを印刷した。
画像情報13が印刷された基材11上に、画像情報13を覆うように、前述の蛍光材料を塗布した。塗布には、サンエイテック社製SV91を使用し、塗布後、45℃の乾燥機で10分間乾燥した。
赤外線発光層15の上部において、画像情報13を覆うように黒色インキをオフセット印刷した。黒色インキは、シアン、マゼンダ、イエローの顔料を混合して作成した、カーボンブラック顔料を含まない赤外線を透過するインキを使用した。
赤外線照射装置51としてピーク波長が約810nmである赤外線を励起光として照射するものを用い、赤外線受光装置53としては、赤外線カメラ73、75、77にフィルタ63、65、67をそれぞれ装着し、赤外線カメラ73では900nm、赤外線カメラ75では925nm、赤外線カメラ77では1000nmを中心とする波長域の赤外線を受光するようにした。赤外線カメラとしては赤外線受光センサを用い、受光データは情報処理装置55で解析した。
図11(a)は、赤外線発光層15の発光スペクトルを示す図である。このスペクトル分布は図2(c)等で説明したものと同様のものであり、情報処理装置55により受光データを解析した結果、赤外線カメラ73、77は赤外線を検出、赤外線カメラ75は赤外線を非検出となったので、図6のケース3に相当し、情報記録媒体は真と判定された。
この画像情報13を画像処理することにより、JANコードを認証することができた。すなわち、赤外線透過・可視光反射/吸収層17で不可視とされた画像情報13の認証が可能であった。
赤外線発光層15の蛍光体に真の情報記録媒体1とは異なる材料を用いて情報記録媒体を作成した。
赤外線発光層15を形成するための蛍光材料として、赤外線励起・赤外線発光顔料「IRS−L(根本特殊化学社製)」を水性インキ化して用いた。調合重量比率を以下に示す。
IRS−L(根本特殊化学社製):5.0%
水溶性アクリル系樹脂:20.0%
水:74.0%
アルコール系溶剤:0.5%
分散剤:0.5%
図11(b)は、赤外線発光層15の発光スペクトルを示す図である。情報処理装置55により受光データを解析した結果、赤外線カメラ73は赤外線を検出、赤外線カメラ75、77は赤外線を非検出となったので、図6のケース4に相当し、情報記録媒体は偽と判定された。なお、赤外線カメラ77における赤外線の受光量に基づく画像情報13の表示を試みたが、何も表示されなかった。
赤外線発光層15の蛍光材料に真の情報記録媒体1、および偽の情報記録媒体(1)とは異なる組成の材料を用いて情報記録媒体を作成した。
赤外線発光層15を形成するための蛍光材料として、赤外線励起・赤外線発光顔料「SG−YS(根本特殊化学社製)」を水性インキ化して用いた。調合重量比率を以下に示す。
SG−YS(根本特殊化学社製):5.0%
水溶性アクリル系樹脂:20.0%
水:74.0%
アルコール系溶剤:0.5%
分散剤:0.5%
図11(c)は、赤外線発光層15の発光スペクトルを示す図である。情報処理装置55により受光データを解析した結果、赤外線カメラ73、75は赤外線を非検出、赤外線カメラ77は赤外線を検出となり、図6のケース6に相当し、情報記録媒体は偽と判定された。
赤外線発光層15の蛍光材料に真の情報記録媒体1、および偽の情報記録媒体(1)(2)とは異なる組成の材料を用いて情報記録媒体を作成した。
赤外線発光層15を形成するための蛍光材料として、それぞれ異なる蛍光体を含む2種類の赤外線励起・赤外線発光顔料「IR900(根本特殊化学社製)」および「SG−YS(根本特殊化学社製)」を水性インキ化して用いた。調合重量比率を以下に示す。
IR900(根本特殊化学社製):2.5%
SG−YS(根本特殊化学社製):2.5%
水溶性アクリル系樹脂:20.0%
水:74.0%
アルコール系溶剤:0.5%
分散剤:0.5%
図11(d)は、赤外線発光層15の発光スペクトルを示す図である。情報処理装置55により受光データを解析した結果、赤外線カメラ73、75、77が赤外線を検出となったので、図6のケース1に相当し、情報記録媒体は偽と判定された。
1c:くじ
1d:検査用媒体
11:基材
13:画像情報
15:赤外線発光層
17:赤外線透過・可視光反射/吸収層
21、23:ピーク波長
31、35:ピーク領域
33:谷領域
50:読取装置
51:赤外線照射装置
53:赤外線受光装置
55:情報処理装置
73、75、77:赤外線カメラ
Claims (11)
- 基材の上に形成した赤外線を吸収する画像情報の上または下に、赤外線による励起光で励起され、励起光とはピーク波長が異なる赤外線を発光する赤外線発光層が形成された情報記録媒体に対して、励起光を照射する照射ステップと、
前記赤外線発光層から発光された赤外線を、前記励起光のピーク波長をカットするフィルタを介して受光する受光ステップと、
前記受光ステップで受光した赤外線の解析により、前記情報記録媒体の真偽を判定する真偽判定ステップと、
前記真偽判定ステップで前記情報記録媒体が真であると判定されたときに、前記受光ステップで受光した赤外線から、前記画像情報を読み取る読取ステップと、
を有することを特徴とする情報記録媒体の読取方法。 - 前記受光ステップでは、前記赤外線発光層が発光する前記赤外線の複数の波長域のそれぞれについて、赤外線を受光し、
前記真偽判定ステップでは、これら複数の波長域の赤外線の受光量に基づいて、前記情報記録媒体の真偽判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体の読取方法。 - 前記赤外線発光層が発光する赤外線は、発光強度が所定の発光強度しきい値以上の値となる第1の波長域、第2の波長域の間に、前記赤外線発光層が発光する赤外線のピーク波長の発光強度の30%の値以上前記発光強度しきい値より低い発光強度となる波長を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報記録媒体の読取方法。
- 前記真偽判定ステップは、少なくとも、前記第1の波長域の赤外線の受光量が第1の所定値以上、かつ、前記第1、第2の波長域の間にある第3の波長域の赤外線の受光量が第2の所定値未満であるときに、前記情報記録媒体を真と判定することを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体の読取方法。
- 前記読取ステップは、前記第2の波長域の赤外線を基に前記画像情報を読み取ることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体の読取方法。
- 前記真偽判定ステップは、前記第1の波長域の赤外線の受光量が第1の所定値以上、かつ、前記第1、第2の波長域の間にある第3の波長域の赤外線の受光量が第2の所定値未満、かつ、前記第2の波長域の赤外線の受光量が第3の所定値以上であるときに、前記情報記録媒体を真と判定することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の情報記録媒体の読取方法。
- 基材の上に形成した赤外線を吸収する画像情報の上または下に、
赤外線による励起光で励起され励起光とはピーク波長が異なる赤外線を発光する赤外線発光層が形成され、
前記赤外線発光層が発光する赤外線は、発光強度が所定の発光強度しきい値以上の値となる第1の波長域、第2の波長域の間に、前記赤外線発光層が発光する赤外線のピーク波長の発光強度の30%の値以上前記発光強度しきい値より低い発光強度となる波長を有することを特徴とする情報記録媒体。 - 前記赤外線発光層は、同じ励起光で励起した時に互いにピーク波長の異なる赤外線を発光する複数の種類の蛍光体を含むことを特徴とする請求項7記載の情報記録媒体。
- 前記画像情報の上に前記赤外線発光層が形成されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の情報記録媒体。
- 前記赤外線発光層の上に前記画像情報が形成されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の情報記録媒体。
- 前記画像情報が、赤外線を透過し、可視光を反射もしくは吸収する材料で覆われることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の情報記録媒体。
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