JP2014025451A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気浄化装置に関し、触媒のNOx浄化率の低下を抑制し、高い浄化性能を維持する。
【解決手段】エンジン10の排気通路15に設けられ、排気中の窒素酸化物を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する触媒9と、触媒9よりも上流側の排気通路15に設けられ、窒素酸化物の還元剤を供給する噴射弁7とを設ける。
また、空燃比をリッチ方向及びリーン方向に周期的に変化させるとともに、リッチ期間における噴射弁7からの噴射回数が複数回にわたる通常制御を実施する通常制御手段4を設ける。さらに、通常制御よりも短周期で空燃比を変化させるとともに、リッチ期間における噴射弁7からの噴射回数が一回である短周期制御を実施する短周期制御手段5を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置に関する。
ガソリンエンジンやリーンバーンエンジン,ディーゼルエンジン等から排出される排気には、一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2)を含む窒素酸化物(NOx)が含有されている。従来、これらのNOxを浄化するための排気浄化触媒として、NOxトラップ触媒(吸蔵還元触媒)が知られている。
NOxトラップ触媒は、酸素濃度が比較的高いリーン雰囲気の排気中でNOx(窒素酸化物)を吸蔵するとともに、リッチ雰囲気下でそのNOxを窒素に還元するものである。これらの機能に対応して、NOxトラップ触媒上には、NOxの吸蔵機能を担う吸蔵材と、還元機能を担う貴金属元素等とが担持される。吸蔵材は、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属,希土類元素等であり、これらの吸蔵材の表面にNOxが硝酸塩の形で保持される。
NOxトラップ触媒の吸蔵能力は、NOxトラップ触媒上に保持された硝酸塩の温度安定性に強く依存する。例えば、吸蔵材としてバリウムが担持されたNOxトラップ触媒では、NOxが主に硝酸バリウム〔Ba(NO3)2〕の形で保持されるため、その分解温度である592[℃]付近の温度領域ではNOxを保持しておくことができない。また、たとえ触媒温度が分解温度未満であったとしても、触媒温度が高温であるほどNOxの吸蔵能力は低下する。
このように、NOxを硝酸塩の形で吸蔵する吸蔵材を有するNOxトラップ触媒は、硝酸塩の温度安定性が低下する高温域での吸蔵能力が低下し、NOx浄化性能を向上させにくいという特性がある。そのため、従来のNOxトラップ触媒では、触媒温度が所定の温度範囲外に逸脱しないように排気温度が制御され、NOx浄化性能が維持されている(例えば、特許文献1参照)。以下、排気空燃比を周期的に変化させることによってNOxの吸蔵と還元とを繰り返すような従来のNOx浄化手法のことを「通常NOxパージ制御」と呼ぶ。
特開2010-24957号公報
ところで、近年の世界的な自動車排出ガス規制の強化に伴い、触媒温度が既存の制御温度範囲を超える運転領域でのNOx浄化性能を向上させることが求められつつある。排出ガス規制への適合を証明するためのテストでは、例えば実際の走行パターンを模した速度及び時間で車両を走行させたときの排出ガスが収集され、その成分が測定される。このテストで実際の走行パターンを模して車両を走行させるときの走行速度,走行時間,エンジン回転速度,トルク等の制御パターンは、「テストモード」と呼ばれる。
テストモードには、冷間始動時の走行パターンを模したものや高速道路走行を模したもの、朝の通勤時間帯の走行を模したものなど、さまざまな種類の制御パターンが用意されている。ここで、乗用車及び小型商用車に対するテストモードの一部分を図9(a)に例示する。
図9(a)中の破線グラフは、現在の排出ガス規制で規定されているテストモードに対応する走行速度及び走行時間の関係を示すグラフである。このテストモードでは、車両の走行速度が段階的に増加しており、所定速度から最高速度に至るまでの時間X1が比較的長い時間となっている。一方、実線グラフは、実走行でおこりうる走行速度及び走行時間の関係を示すグラフである。
この実走行パターンでは、車両の走行速度が従前の基準よりも短い時間X2で一挙に増加している。つまり、エンジンに作用する負荷が短時間に集中し、現在のテストモードに比して排気温度が上昇することになる。より実走行に近い状態での排出ガス低減を目的とした法規制動向にある現状を鑑みると、将来的な排出ガス規制では、排気温度がより高温の状態で、短時間の間に生成される排ガス成分の排出量を法規基準に適合させることが要求されるものと予想される。
このような課題に対し、通常NOxパージ制御のパージ間隔を短縮することによってNOx浄化率の低下を抑制する手法が提案されている。すなわち、温度上昇に伴ってNOx吸蔵性能が低下した分だけ、NOxが吸蔵されるリーン雰囲気の期間を短縮し、少量単位でNOxの吸蔵と還元とを周期的に実施するものである。このような手法を採用することで、高温環境下においても平均的に高いNOx浄化率を維持することができ、排気性能を向上させることが可能となる。
しかしながら、従来の通常NOxパージ制御におけるリーン雰囲気の期間を単純に短くしただけでは、リーン雰囲気期間に対するリッチ雰囲気期間の相対的な長さが増大し、燃費が悪化するおそれが生じる。また、リーン雰囲気の期間を短縮することでNOxトラップ触媒に吸蔵されるNOxの絶対量が減少するため、排気中の未燃燃料成分が供給過多となりやすく、触媒下流側への未燃燃料成分の流出量(スリップ炭化水素量)が大きく増加しやすいという課題もある。
一方、このような課題を回避すべく、リッチ雰囲気の期間も併せて短縮することも考えられる。しかしこの場合、NOxトラップ触媒近傍の炭化水素濃度が低下しやすくなり、NOxトラップ触媒での吸蔵還元サイクルを適切に維持することが困難となり、NOx浄化率が大幅に低下する場合がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、触媒のNOx浄化率の低下を抑制し、高い浄化性能を維持することができるようにした排気浄化装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する排気浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、排気中の窒素酸化物を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する触媒と、前記触媒よりも上流側の前記排気通路に設けられ、前記窒素酸化物の還元剤を供給する噴射弁とを備える。
また、空燃比をリッチ方向及びリーン方向に周期的に変化させるとともに、一回のリッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が複数回にわたる通常制御を実施する通常制御手段を備える。さらに、前記通常制御よりも短周期で前記空燃比を変化させるとともに、一回のリッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が一回である短周期制御を実施する短周期制御手段を備える。
前記触媒は、窒素酸化物(NOx)の吸蔵機能を担う吸蔵材と、還元機能を担う貴金属元素等とが担持されたNOxトラップ触媒(吸蔵還元触媒)である。また、前記吸蔵材は、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属,希土類元素等である。前記窒素酸化物は、これらの前記吸蔵材の表面に硝酸塩の形で保持される。
また、ここでいう「噴射回数が複数回にわたる」とは、前記リッチ期間中に前記噴射弁が間欠的に燃料を噴射することを意味する。例えば、パルス幅変調の手法を用いた場合には、リッチ期間中における前記噴射弁の開弁時間がパルス信号の幅及び間隔(例えば、デューティー比)によって制御される。
一方、ここでいう「噴射回数が一回である」とは、前記リッチ期間中には前記噴射弁が閉弁しないことを意味する。つまり、前記短周期制御では、前記リッチ期間と前記噴射弁の開弁時間とが一致する。
また、前記通常制御でのリッチ期間(空燃比がリッチである還元雰囲気の期間),リーン期間(空燃比がリーンである酸化雰囲気の期間)をそれぞれR0,L0とおき、前記短周期制御でのリッチ期間,リーン期間をそれぞれR1,L1とおくと、以下の範囲でそれぞれの期間を設定することが好ましい。10≦R1≦300 [ms]、0.5≦L1≦3.0 [s]、R1<R0、L1<L0
少なくとも、以下の不等式が成立するようにそれぞれの期間を設定することが好ましい。R1+L1<R0+L0
(2)また、前記通常制御手段は、前記触媒に流入する排気温度が所定温度未満のときに前記通常制御を実施し、前記短周期制御手段は、前記排気温度が前記所定温度以上のときに前記短周期制御を実施することが好ましい。
なお、前記所定温度とは、窒素酸化物の吸蔵時の形態である硝酸塩の分解率が所定率以上となる温度であることが好ましい。
例えば、硝酸塩の熱解離率が所定率以上となる温度であり、又は、硝酸塩の溶融率や溶融速度が所定値以上となる温度である。前記所定温度は、窒素酸化物の触媒への吸蔵率が最大となる温度よりも高温の温度領域に含まれ、かつ、触媒耐熱温度よりも低温の温度領域に含まれる。具体的には、前記所定温度が400〜650[℃]の間で設定されることが好ましい。なお、硝酸塩の一つである硝酸バリウムは融点が約592[℃]であり、融点付近で酸化して分解される。
(3)また、前記通常制御手段及び前記短周期制御手段が、前記噴射弁の開弁時間又は閉弁時間に基づいて前記排気温度を推定することが好ましい。前記開弁時間及び前記閉弁時間は、例えば前記通常制御や前記短周期制御におけるリッチ期間及びリーン期間に相当する。
(4)また、前記通常制御手段が、前記通常制御において前記噴射弁の開弁時間及び閉弁時間の比率を調整し、前記短周期制御手段が、前記短周期制御において前記噴射弁の開弁時間を調整することが好ましい。なお、前記開弁時間及び前記閉弁時間の比率とは、例えばパルス幅変調のデューティー比である。
(5)また、前記短周期制御による前記窒素酸化物の浄化率が所定浄化率未満であるときに、前記短周期制御よりもリッチ期間を延長して前記空燃比を周期的に変化させるとともに、リッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が複数回にわたる回復制御を実施する回復制御手段を備えることが好ましい。
排気温度及び触媒温度が高温になると硝酸塩が熱解離又は溶融しやすくなり、触媒への吸蔵量が減少する。一方、排気温度及び触媒温度が高温であっても、触媒に対する窒素酸化物の吸着作用は微量ながら継続する。したがって、触媒に吸着した窒素酸化物を短周期で浄化することで、窒素酸化物の浄化率が向上する。
(6)また、前記回復制御手段が、前記回復制御中の平均空燃比をストイキ又はリッチに維持することが好ましい。
ここでいう平均空燃比とは、リッチ期間の空燃比とリーン期間の空燃比とを平均した空燃比を意味する。また、ここでいうストイキとは、触媒の下流側での平均酸素濃度が少なくとも1[%]以下となる程度の空燃比であり、厳密には理論空燃比よりも若干リーン寄りの空燃比(スライトリーン)を含むものとする。つまり、前記回復制御手段は、少なくとも、前記触媒の下流側での平均酸素濃度が1[%]以下となる程度の平均空燃比を維持することが好ましい。
(7)また、前記通常制御手段及び前記短周期制御手段が、前記通常制御中及び前記短周期制御中の平均空燃比をリーンに維持することが好ましい。
開示の排気浄化装置によれば、短周期制御での噴射回数がリッチ期間毎に一回とされるため、一時的に触媒内を大きくリッチ化して活性還元剤(例えば、部分酸化した炭化水素)の生成を促進することができる。これにより、触媒に吸着した窒素酸化物や触媒近傍に存在する窒素酸化物を効率的に還元することができ、短い周期の間であっても窒素酸化物を浄化することができる。したがって、リッチ期間での燃料噴射総量が同一であっても、噴射回数を複数回に分けた場合と比較して窒素酸化物の浄化率を向上させることができる。
また、通常制御では、触媒の吸蔵作用を利用した窒素酸化物の浄化を行うことができる。一方、短周期制御では、触媒に吸着した窒素酸化物についても少量単位で浄化することができる。したがって、何れの制御が実施された場合であっても、窒素酸化物の浄化率を向上させることができる。
一実施形態に係る排気浄化装置の構成を例示する模式図である。 排気浄化装置で制御される目標空燃比の制御パターンを例示するグラフであり、(a)は通常NOxパージ制御時の制御パターン、(b)は短周期NOxパージ制御時の制御パターン、(c)は回復制御時の制御パターンである。 空燃比の制御手法を説明するためのグラフであり、(a)は通常NOxパージ制御時及び回復制御時の駆動信号、(b)は通常NOxパージ制御時及び回復制御時の目標空燃比、(c)は短周期NOxパージ制御時の目標空燃比を示す。 NOxトラップ触媒の温度特性を例示するグラフであり、(a)はNOx浄化率E及び触媒温度Tの相関を示すグラフ、(b)はNOx濃度及び触媒温度Tの相関を示すグラフである。 排気浄化装置による制御手順を例示するフローチャートである。 排気浄化装置による制御手順を例示するフローチャートである。 排気浄化装置の制御作用を説明するためのタイムチャートであり、(a)は排気温度、(b)は短周期NOxパージ制御の実施条件の成否、(c)はNOx浄化率、(d)は回復制御の実施フラグの状態、(e)は目標空燃比をそれぞれ示す。 排気浄化装置における排気管内インジェクターの駆動方法の違いとそれに由来する効果の違いとを説明するためのグラフであり、(a)は燃料噴射量と平均空燃比との関係を示し、(b)は燃料噴射量と触媒温度Tとの関係を示し、(c)は燃料噴射量とNOx浄化率Eとの関係を示す。 (a)は排出ガス規制のテストモードの一部を模式的に示すグラフであり、(b)は短周期NOxパージ制御の継続実施時間及びNOx浄化率の相関を示すグラフである。
図面を参照して排気浄化装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
本実施形態の排気浄化装置(排気浄化システム)は、車両に搭載されたディーゼルエンジン10の排気を浄化するものとして適用される。図1では、このエンジン10に設けられた複数のシリンダー11(気筒)のうちの一つを示す。シリンダー11の上部には、燃料噴射用のインジェクター(燃料噴射弁)が設けられる。インジェクターの先端部は燃焼室13に向けて設けられ、各シリンダー11内に直接的に燃料を噴射する。
エンジン10の排気通路15には、酸化触媒8及びNOxトラップ触媒9(吸蔵還元触媒,触媒)が介装される。酸化触媒8とは、その表面に触媒貴金属を含有し、排気中の成分に対する酸化能を有する触媒(DOC;Diesel Oxidation Catalyst)である。酸化触媒8で酸化される排気中の成分としては、酸化窒素(NO),未燃燃料中の炭化水素等が挙げられる。酸化窒素は酸化触媒8上で二酸化窒素(NO2)となり、炭化水素は酸化触媒8上で発熱を伴いつつ二酸化炭素(CO2)や水(H2O)に変化する。
NOxトラップ触媒9(触媒)は、NOxの吸蔵機能を担う吸蔵材と、還元機能を担う貴金属元素等とを触媒表面に担持した触媒である。吸蔵材は、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属,希土類元素等であり、これらの吸蔵材の表面にNOxが硝酸塩(NO3 -)の形で保持される。NOxトラップ触媒9は、酸素濃度が比較的高いリーン雰囲気(酸化雰囲気)の排気中でNOxを吸蔵し、リッチ雰囲気(還元雰囲気)下でそのNOxを窒素に還元する。
ここでいうリーン雰囲気とは、空燃比がリーンの混合気を燃焼させたときの排気状態を意味し、すなわち、排気中の酸素濃度が還元成分(炭化水素,一酸化炭素等)の濃度に対して相対的に高い状態を意味する。また、リッチ雰囲気とは、空燃比がリッチの混合気を燃焼させたときの排気状態を意味する。これは、排気中の還元成分の濃度が酸素濃度に対して相対的に高い状態であり、かつ、酸素濃度(絶対濃度)が所定濃度以下(例えば、0.1[%]未満)の状態である。なお、ストイキ雰囲気とは、空燃比がストイキ(理論空燃比)である混合気を燃焼させたときの排気状態を意味する。この場合、排気中の酸素濃度は0.1[%]前後となる。
酸化触媒8よりも上流側の排気通路15には、排気管内インジェクター7(噴射弁)が設けられる。この排気管内インジェクター7は、NOxトラップ触媒9におけるNOxの還元剤となる未燃燃料を排気中に供給噴射するものである。未燃燃料とは、筒内に設けられるインジェクターから噴射される燃料と同じものである。ここで噴射された未燃燃料が排気中の酸素と結びついて酸化触媒8,NOxトラップ触媒9の表面で酸化されると、排気温度が上昇する。また、未燃燃料はNOxトラップ触媒9の近傍でNOxを窒素(N2)に還元するように機能する。
酸化触媒8とNOxトラップ触媒9との間の排気通路15には排気温度センサー16が設けられ、NOxトラップ触媒9の下流側の排気通路15にはNOxセンサー17が設けられる。排気温度センサー16は、NOxトラップ触媒9に流入する排気の排気温度Gを検出するものである。また、NOxセンサー17は、排気中のNOx濃度を検出するものである。これらのセンサーで検出された排気温度G,NOx濃度の情報は、制御装置1に伝達される。
[2.制御の概要]
制御装置1は、排気温度センサー16で検出された排気温度Gや、NOxセンサー17で検出されたNOx濃度等に基づき、排気通路15内の排気の空燃比を制御するものである。本実施形態では、排気管内インジェクター7から噴射される燃料量及び燃料噴射タイミングを調節することで、排気の空燃比が制御される。排気管内インジェクター7は、エンジン10の出力や運転状態に直接的な影響を与えることがないため、燃料噴射量や噴射タイミングを比較的自由に設定することが可能である。
以下、制御装置1で実施される制御のうち、NOxトラップ触媒9でNOxを浄化するための制御について詳述する。制御装置1は、通常NOxパージ制御,短周期NOxパージ制御,回復制御の三種類の制御を実施する。
[2−1.通常NOxパージ制御]
通常NOxパージ制御(通常制御)とは、排気の空燃比をリッチ方向及びリーン方向に周期的に変化させて、NOxトラップ触媒9へのNOx吸蔵操作とそのNOxの還元操作とを繰り返し実施する制御である。この通常NOxパージ制御では、図2(a)に示すように、目標空燃比がリーンの値AF1とされるリーン期間がL0に設定されるとともに、目標空燃比がリッチの値AF2とされるリッチ期間がR0に設定される。リーン期間L0及びリッチ期間R0の平均目標空燃比(平均空燃比)はリーンである。具体的には、リーン期間L0が数十秒〜数百秒程度(例えば30秒)に設定され、リッチ期間R0がリーン期間L0の1/10〜1/100程度(例えば1.5秒)に設定される。
通常NOxパージ制御のリーン期間L0の最小値は、少なくとも排気中のNOxがNOxトラップ触媒9の吸蔵材に対して硝酸塩の形で吸蔵されうる長さとすることが好ましい。一方、リーン期間L0の最大値は、NOxトラップ触媒9の吸蔵性能や吸蔵材の担持量(最大吸蔵量)等に応じて適宜設定することが可能である。
また、通常NOxパージ制御では、一回のリッチ期間R0における排気管内インジェクター7のからの噴射回数が複数回にわたるように、排気管内インジェクター7の開弁及び閉弁を高速で切り換える制御が実施される。ここでは、排気管内インジェクター7の開弁状態,閉弁状態を制御するための駆動信号として、パルス信号が用いられる。
このパルス信号は、例えば図2(a)に示すように、波幅の異なる複数の方形波を連ねた形状の信号である。排気管内インジェクター7は、パルス信号が0(オフ)のときに閉弁状態とされ、パルス信号が1(オン)のときに開弁状態とされる。このように、排気管内インジェクター7の開弁状態,閉弁状態のそれぞれをパルス信号のオン,オフに対応させ、パルス幅(オンの幅)とパルス間隔(オフの幅)との割合を変更することで排気管内インジェクター7の平均開度を自在に調節する制御のことを、PWM制御(パルス幅変調制御,Pulse Width Modulation)と呼ぶ。
また、パルス幅とパルス間隔とを合計した波幅に対するパルス幅の割合のことをデューティー比と呼ぶ。なお、「波幅に対するパルス幅」の比率と「パルス間隔に対するパルス幅」の比率との間には相関が認められるため、前者の比率の代わりに後者の比率を用いてPWM制御を実施してもよく、実質的に同一の作用,効果を奏するものとなる。
通常NOxパージ制御時における排気管内インジェクター7の駆動信号の周期C0(オンの幅とオフの幅との加算値に相当する時間)は、排気管内インジェクター7の特性や種類に応じて設定される。周期可変型のインジェクターであれば、排気流量や吸気流量,エンジン10の運転状態等に応じて適宜設定してもよいし、周期固定型のインジェクターであれば、予め設定された周期としてもよい。本実施形態では、周期C0が数ミリ秒〜数十ミリ秒(例えば25[ms])の固定値に設定されている。
[2−2.短周期NOxパージ制御]
短周期NOxパージ制御(短周期制御)とは、通常NOxパージ制御よりも短周期で空燃比を変化させて、NOxトラップ触媒9へのNOx吸着操作とそのNOxの還元操作とを繰り返し実施する制御である。つまり、短周期NOxパージ制御では、NOxの吸蔵材への吸蔵作用だけでなく、NOxトラップ触媒の表面への吸着作用を利用してNOxが還元浄化される。
NOxトラップ触媒9へのNOxの吸着作用は、吸蔵作用よりも弱い作用であり、NOxの最大吸着量は最大吸蔵量よりも少量である。一方、この吸着作用は、硝酸塩が分解されるような高温の温度領域においても進行する。したがって、吸着作用を利用して短周期で排気空燃比を変動させることで、高いNOx浄化率を確保することが可能となる。
短周期NOxパージ制御では、図2(b)に示すように、目標空燃比がリーンの値AF1とされるリーン期間がL1に設定されるとともに、目標空燃比がリッチの値AF2とされるリッチ期間がR1に設定される。リーン期間L1,リッチ期間R1のそれぞれの目標空燃比AF1,AF2は、通常NOxパージ制御でのそれぞれの目標空燃比AF1,AF2と同一であってもよいし、異なる値としてもよい。また、具体的なこれらの期間の長さは、リーン期間L1が0.5〜3.0秒程度(例えば2.0秒)に設定され、リッチ期間R1がリーン期間L1の1/10〜1/100程度、あるいは10〜300ミリ秒程度(例えば0.1秒)に設定される。なお、リーン期間L1及びリッチ期間R1の平均目標空燃比(平均空燃比)はリーンであり、好ましくは通常NOxパージ制御時の平均目標空燃比と同一の目標値とする。
また、短周期NOxパージ制御では、一回のリッチ期間R1における排気管内インジェクター7からの噴射回数が一回となるように、排気管内インジェクター7の開弁時間が制御される。つまり、短周期NOxパージ制御時にはPWM制御が実施されず、リッチ期間R1の間は開弁されたままの状態が維持される。したがって、図2(b)に示すように、短周期NOxパージ時における排気管内インジェクター7の駆動信号のパルス幅C1は、リッチ期間R1に一致する。このように、排気管内インジェクター7の開弁時間をリッチ期間R1に一致させる制御のことを単発制御と呼ぶ。
PWM制御では、燃料が実際に噴射されている時間と噴射されていない時間とが交互に繰り返されるため、排気管内インジェクター7からNOxトラップ触媒9までの間でのガスミキシングによって空燃比が相対的にリーン化する。これに対し、単発制御ではこのようなミキシングの進行が抑制され、PWM制御時と比較してリッチ期間R1中の瞬時空燃比(排気管内インジェクター7の駆動信号で一周期分の時間を単位時間とした空燃比)が相対的にリッチ化される。このようなリッチ化作用に伴い、酸化触媒8やNOxトラップ触媒9における炭化水素の部分酸化が促進され、活性の高い還元剤成分(部分酸化HC)の排気中濃度が上昇する。
短周期NOxパージ制御のリーン期間L1の最小値は任意である。ただし、リーン期間L1を短くすることによって目標空燃比の単位時間あたりの振動数が増大すると、実際の燃料噴射量に占める無駄燃料の割合が増加し、燃費が低下する。そこで、燃費の達成目標値に応じてリーン期間L1の最小値を定めてもよい。また、リーン期間L1の最大値は、NOxトラップ触媒9の吸着性能や表面積,貴金属担持量等に応じて適宜設定することが可能である。
なお、リーン期間L1が短いほど触媒温度Tが上昇しやすくなるため、触媒温度T,排気温度Gに応じてリーン期間L1を設定(すなわち、触媒温度T,排気温度Gに応じて平均目標空燃比を調節)してもよい。この場合、触媒温度T,排気温度Gが高温であるほど、少なくとも平均目標空燃比がリーンとなる範囲でリーン期間L1を延長し、触媒温度T,排気温度Gが低温であるほどリーン期間L1を短縮すればよい。また、触媒温度T,排気温度Gが上昇しない程度に平均目標空燃比が大きくリーン寄りに設定されている場合には、リーン期間L1を固定値とすればよい。
[2−3.回復制御]
本発明者らが短周期NOxパージ制御の継続実施時間とNOx浄化率Eとの相関を調査したところ、図9(b)に示すように、継続実施時間が増加するに連れてNOx浄化率Eが低下することが判明した。また、このNOx浄化率Eの低下速度は、NOxトラップ触媒9に担持されている貴金属触媒の劣化速度や硫黄被毒の進行速度と比較して極めて大きく、少なくとも短周期NOxパージ制御の継続実施時間が数十分から数時間にわたる場合には、NOx浄化率が大幅に低下する可能性があることが明らかとなった。
なお、図9(b)のグラフは、NOxトラップ触媒9の触媒温度Tを一定とした温度条件下でのNOx浄化率Eの変動を示す。このような急激なNOx浄化率Eの低下は、吸蔵作用を主に利用した通常のNOx浄化時には見られない現象である。
回復制御とは、このような短周期NOxパージ制御とNOx浄化率との相関を踏まえて、NOxトラップ触媒9の性能を回復させる制御であり、短周期NOxパージ制御よりもリッチ期間を延長して空燃比を周期的に変化させる制御である。回復制御時の平均目標空燃比(平均空燃比)は、NOxトラップ触媒9の近傍で還元雰囲気が維持される空燃比とされ、具体的にはストイキ又はリッチ、好ましくはリッチとされる。ここでいうストイキとは、NOxトラップ触媒9の上流側又は下流側での平均酸素濃度が少なくとも1.0[%]以下となる空燃比であり、厳密には理論空燃比よりも若干リーン寄りの空燃比(スライトリーン)を含む。
この回復制御では、図2(c)に示すように、目標空燃比がリーンの値AF1とされるリーン期間がL2に設定されるとともに、目標空燃比がリッチの値AF2とされるリッチ期間がR2に設定される。リーン期間L2,リッチ期間R2のそれぞれの目標空燃比AF1,AF2は、通常NOxパージ制御や短周期NOxパージ制御でのそれぞれの目標空燃比AF1,AF2と同一であってもよいし、異なる値としてもよい。
具体的なこれらの期間の長さは、少なくともリッチ期間R2が短周期NOxパージ制御のリッチ期間R1よりも長く、リッチ期間R1の10〜500倍程度(例えば15秒)に設定される。また、リーン期間L2は、リーン期間L2及びリッチ期間R2のトータルの平均目標空燃比に応じた長さ(例えば3秒)に設定される。このような設定により、NOxトラップ触媒9の近傍の雰囲気が平均的に還元雰囲気に維持され、NOxが還元されやすくなるとともに、NOxトラップ触媒9でのNOx浄化率が回復する。
また、回復制御では、一回のリッチ期間R2における排気管内インジェクター7からの噴射回数が複数回となるように、排気管内インジェクター7の開弁及び閉弁を高速で切り換える制御が実施される。ここでは、図2(c)に示すように、通常NOxパージ制御時と同様のパルス信号を駆動信号としたPWM制御が実施される。回復制御時における駆動信号の周期C2は、通常NOxパージ制御時の駆動信号の周期C0と同一であっても相違するものであってもよい。本実施形態では、周期C2が数ミリ秒〜数十ミリ秒(例えば25[ms])の固定値であって、周期C0と同一値に設定されている。
回復制御においても、短周期NOxパージ制御と同様に、触媒温度T,排気温度Gに応じてリーン期間L2を設定(すなわち、触媒温度Tに応じて平均目標空燃比を調節)してもよい。この場合、触媒温度T,排気温度Gが高温であるほど、少なくとも平均目標空燃比がストイキ又はリッチとなる範囲でリーン期間L2を延長し、触媒温度T,排気温度Gが低温であるほどリーン期間L2を短縮すればよい。これにより、触媒温度T,排気温度Gの過昇温が抑制され、触媒温度T,排気温度Gをほぼ一定幅の温度域に維持しやすくなる。
上記の三種類の制御についてのリッチ期間,リーン期間,駆動信号の周期の大小関係をまとめると、以下の通りとなる。
リッチ期間:R1<R2 、R1<R0
リーン期間:L1<L2 、L1<L0
駆動信号の周期:C0<C1 、C2<C1
[3.制御装置の構成]
上記の三種類の制御を実施すべく、制御装置1には、触媒温度演算部2,浄化率演算部3,通常制御部4,短周期制御部5及び回復制御部6が設けられる。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
触媒温度演算部2は、排気温度センサー16で検出された排気温度Gの情報に基づき、NOxトラップ触媒9の触媒温度Tを推定するものである。排気温度センサー16で検出された排気温度Gは、NOxトラップ触媒9に流入するガスの温度に相当する。したがって、排気温度Gと触媒温度Tとの対応関係に基づいて、触媒温度Tを推定することが可能である。ここで演算された触媒温度Tの情報は、短周期制御部5及び回復制御部6に伝達される。
なお、具体的な触媒温度Tの推定手法は任意であり、例えばNOxトラップ触媒9の下流側に温度センサーを設け、その温度センサーでの検出結果に基づいて触媒温度Tを推定することも可能である。あるいは、エンジン10の運転状態(燃料噴射量,エンジン回転速度,排気流量,吸気流量,エンジン負荷,外気温,機関温度等)に基づいて排気温度Gを推定し、これに基づいてNOxトラップ触媒9の触媒温度Tを推定してもよい。
浄化率演算部3は、NOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eを演算するものである。ここでは、二種類の演算手法を例示する。
第一の手法は、NOxセンサー17で検出された排気中のNOx濃度に基づいてNOx浄化率Eを演算するものである。この場合、まずNOxセンサー17の検出情報からNOxトラップ触媒9に流入する排気中のNOx濃度推定値が演算される。続いて、このNOx濃度推定値とNOxセンサー17で検出されたNOx濃度との濃度差に相当するNOxがNOxトラップ触媒9で浄化されたものとみなされ、NOx濃度推定値に対する濃度差の割合がNOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eとして演算される。
第二の手法は、制御の実施時間に基づいてNOx浄化率Eを推定するものである。図9(b)に示すように、短周期NOxパージ制御の継続実施時間とNOx浄化率Eとの間には負の相関が認められる。このような相関に基づいて、短周期NOxパージ制御の累積実施時間AからNOx浄化率Eが演算される。同様に、回復制御の継続時間とNOx浄化率Eとの間の相関を利用して、回復制御の累積実施時間BからNOx浄化率Eを演算することも可能である。ここで演算されたNOx浄化率Eの情報は、回復制御部6に伝達される。
通常制御部4(通常制御手段)は、通常NOxパージ制御を実施するものである。ここでは、エンジン10の稼働時であって、短周期NOxパージ制御や回復制御が実施されていないときに、通常NOxパージ制御が実施される。通常制御部4は、例えばNOxトラップ触媒9の触媒温度Tが所定温度TTH以下であるときに通常NOxパージ制御を実施する。あるいは、NOxトラップ触媒9に流入する排気温度Gが所定温度GTH以下であるときに、通常NOxパージ制御を実施する。
ここでいう所定温度TTH,GTHとは、NOxトラップ触媒9でのNOx吸蔵作用が低下した状態であるか否かを判断するための閾値であり、例えば400〜650[℃]の範囲内で任意に設定される。例えば、NOxトラップ触媒9の吸蔵材へのNOx吸蔵率が所定率未満となる最小温度を所定温度TTH,GTHとしてもよいし、NOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eが所定浄化率ETH未満となる最小温度を所定温度TTH,GTHとしてもよい。
通常制御部4による排気管内インジェクター7の駆動手法は、PWM制御である。通常制御部4は、NOxトラップ触媒9に流入する排気の空燃比を目標空燃比にするための駆動信号を生成し、それを排気管内インジェクター7に出力する。
この駆動信号のデューティー比は、リッチ期間R0の目標空燃比AF2に応じた値に設定される。したがって、平均目標空燃比やリッチ期間R0の目標空燃比AF2が変更された場合には、駆動信号のパルス幅が増減方向に調整される。例えば、図3(b)中に実線で示すリッチ期間R0の目標空燃比AF2がリッチ方向に変更され、破線で示す所定値AF3とされたとする。このとき、通常制御部4は図3(a)に実線で示す状態から破線で示す状態へと駆動信号のパルス幅を増加させて、要求されている燃料噴射量を確保するような制御を実施する。したがって、通常NOxパージ制御時のリッチ期間R0は、原則的にはその時点での目標空燃比AF2の大きさに関わらず(目標空燃比AF2が変動しても)一定とされる。
短周期制御部5(短周期制御手段)は、短周期NOxパージ制御を実施するものである。ここでは、NOxトラップ触媒9の触媒温度Tや排気温度Gが所定温度TTH,GTHを超える温度領域(すなわち、NOx吸蔵率が所定率未満となる触媒温度領域)にあるときに、短周期NOxパージ制御が実施される。
上記の通り、所定温度TTH,GTHの設定手法は任意であるが、通常NOxパージ制御を実施したときのNOx浄化率Eと短周期NOxパージ制御を実施したときのNOx浄化率Eとに基づいて所定温度TTH,GTHを設定してもよい。図4(a)中の実線は、短周期NOxパージ制御を実施したときのNOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eと触媒温度Tとの関係を示すグラフであり、破線は通常NOxパージ制御時のNOx浄化率Eと触媒温度Tとの関係を示すグラフである。また、図中の温度T0は、NOxトラップ触媒9の吸蔵材上に吸蔵されている硝酸塩の分解温度である。図4(a)に記載された触媒温度Tを排気温度Gに置き換えた場合にも、NOxトラップ触媒9は同様の温度依存特性を示す。
例えば、吸蔵材としてバリウムが担持されたNOxトラップ触媒9の場合には、硝酸バリウム〔Ba(NO3)2〕の分解温度(融点)である約592[℃]が温度T0に相当する。硝酸バリウムは、触媒温度Tが温度T0以上の領域ではNOxトラップ触媒9に吸蔵しえず、また、温度T0未満の領域においても触媒温度Tが温度T0に近いほど吸蔵率が低下する。そのため、通常NOxパージ制御では、触媒温度Tが高温なほどNOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eは低下する。
一方、短周期NOxパージ制御では、NOxの吸蔵作用だけでなく吸着作用が利用され、短時間の周期でNOxの保持とその還元とが繰り返される。これにより、触媒温度Tが温度T0以上の領域においてもNOxが還元され、高いNOx浄化率Eが得られる。したがって、実線と破線との交点となる温度T1を所定温度TTH,GTHにすることで、何れの制御を実施した場合であっても、NOx浄化率Eを図4(a)中の所定浄化率E1以上に維持することが可能となる。
同様に、通常NOxパージ制御を実施したときにNOxセンサー17で検出された排気中のNOx濃度と、短周期NOxパージ制御時のNOx濃度とに基づいて、所定温度TTH,GTHを設定してもよい。図4(b)中の実線は、短周期NOxパージ制御を実施したときのNOx濃度と触媒温度Tとの関係を示すグラフであり、破線は通常NOxパージ制御時のNOx濃度と触媒温度Tとの関係を示すグラフである。これらの実線と破線との交点となる温度T2を所定温度TTH,GTHにすることで、何れの制御を実施した場合であっても、NOx濃度を図4(b)中の所定濃度Y1以下の範囲内に維持することが可能となる。あるいは、要求されるNOx濃度の排出レベルが所定濃度Y2であるときに、通常NOxパージ制御でのNOx濃度が所定濃度Y2を超える温度T3を所定温度TTH,GTHに設定してもよい。
短周期制御部5による排気管内インジェクター7の駆動手法は、単発制御である。短周期制御部5は、短周期NOxパージ制御のリッチ期間R1と同一長さのパルス幅C1を持つ駆動信号を生成し、これを排気管内インジェクター7に出力する。この駆動信号は、PWM制御におけるデューティー比が100[%]の駆動信号に相当する。
短周期NOxパージ制御のリッチ期間R1は、その時点での目標空燃比に応じた長さに設定される。したがって、平均目標空燃比やリッチ期間R1の目標空燃比AF2が変更された場合には、リッチ期間R1自体の長さが増減方向に調整される。例えば、目標空燃比AF2がリッチ方向に変更されたときには、リッチ期間R1及びリーン期間L1を合計した一周期分の時間で排気管内に供給すべき還元剤の増加量が演算され、その増加量に対応するようにリッチ期間R1が延長される。つまり、図3(c)中に実線で示すリッチ期間R1が延長されて、破線で示すリッチ期間R1′となる。
回復制御部6(回復制御手段)は、短周期NOxパージ制御の実施中にNOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eが所定浄化率ETH未満まで低下した場合に、短周期NOxパージ制御に代えて回復制御を実施するものである。つまり、回復制御は、NOxトラップ触媒9の触媒温度Tが所定温度TTHを超えた状態で、NOx浄化率Eが所定浄化率ETH未満のときに実施される。言い換えると、短周期NOxパージ制御は、NOxトラップ触媒9の触媒温度Tが所定温度TTHを超えた状態で、NOx浄化率Eが所定浄化率ETH以上のときに実施される。なお、NOx浄化率Eが回復した場合には回復制御が終了し、その後の触媒温度Tに応じて通常NOxパージ制御,短周期NOxパージ制御の何れか一方が実施されることになる。
また、回復制御部6は、触媒温度T又は排気温度Gに応じて回復制御のリーン期間L2を設定する。ここでは例えば、触媒温度Tが触媒の耐熱温度TMAX(ただしTTH<TMAX)に達することがないように、触媒温度Tが高温であるほどリーン期間L2が延長され、触媒温度Tが低温であるほどリーン期間L2が短縮される。これにより、回復制御中の触媒温度Tが所定温度TTHから耐熱温度TMAXまでの範囲内に維持される。
なお、回復制御を開始するためのNOx浄化率Eの閾値と、回復制御を終了するためのNOx浄化率Eの閾値とを相違させて、制御上のハンチングを抑制してもよい。例えば、前者の閾値ETH1を後者の閾値ETH2よりも小さく設定する(ETH1<ETH2)ことが考えられる。このような制御構成により、短周期NOxパージ制御,回復制御の制御安定性が向上する。
回復制御部6による排気管内インジェクター7の駆動手法は、通常制御部4と同様、PWM制御である。回復制御部6は、NOxトラップ触媒9に流入する排気の空燃比を目標空燃比にするための駆動信号を生成し、それを排気管内インジェクター7に出力する。駆動信号のデューティー比は、リッチ期間R2の目標空燃比AF2に応じた値に設定される。したがって、平均目標空燃比やリッチ期間R2の目標空燃比AF2が変更された場合には、図3(a),(b)に示すように、駆動信号のパルス幅が増減方向に調整される。
[4.フローチャート]
図5,図6はそれぞれ、制御装置1で実施される通常NOxパージ制御,短周期NOxパージ制御及び回復制御の実施条件の判定に係る手順を例示するフローチャートである。これらのフローは、予め設定された所定周期(例えば、数秒以下のサイクル)で繰り返し実施される。
[4−1.NOx浄化率の推定値に基づく回復]
図5は、NOxセンサー17で検出されたNOx濃度に基づいて演算されたNOx浄化率Eを用いて、回復制御の実施条件を判定する場合のフローチャートである。本フロー中の記号Fは回復制御の実施フラグであり、回復制御の実施中にF=1に設定され、非実施中にF=0に設定されるものである。フラグFの初期値はF=0である。
ステップA10では、排気温度センサー16で検出された排気温度Gが制御装置に入力される。この排気温度Gは、NOxトラップ触媒9に流入する排気の温度である。また、続くステップA20では、浄化率演算部3において、NOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eが演算される。ここでは、NOxセンサー17で検出された排気中のNOx濃度に基づいてNOx浄化率Eが演算される。
ステップA30では、ステップA10で入力された排気温度Gが所定温度GTHを超えているか否かが判定される。つまりこのステップでは、NOxトラップ触媒9のNOx吸蔵率が所定率未満となるような温度領域にあるか否かが判断される。ここで、不等式「排気温度G>所定温度GTH」が成立する場合にはステップA40へ進み、不成立の場合にはステップA70に進む。
ステップA70では、通常制御部4において、通常NOxパージ制御が実施され、この周期での制御が終了する。したがって、排気温度Gが所定温度GTH以下のときには、短周期NOxパージ制御や回復制御が実施されることはなく、通常NOxパージ制御が継続される。
この通常NOxパージ制御では、一回のリッチ期間R0での噴射回数が複数回にわたるように排気管内インジェクター7が制御される。これにより、リッチ期間R0の平均空燃比が精度よく制御され、NOxの吸蔵作用と還元作用とが適切に繰り返される。
一方、ステップA40では、フラグFがF=0であるか否かが判定される。ここで、回復制御の実施中でないとき(F=0であるとき)にはステップA50に進み、回復制御の実施中(F=1であるとき)にはステップA60に進む。
ステップA50では、ステップA20で演算されたNOx浄化率Eが閾値ETH1を超えているか否かが判定される。ここで不等式「NOx浄化率E>閾値ETH1」が成立する場合には、短周期NOxパージ制御でのNOx浄化率Eがまだ十分に高いものと判断され、ステップA80に進む。また、不等式「NOx浄化率E>閾値ETH1」が成立しない場合には、ステップA100に進む。
ステップA80では、回復制御の実施条件が成立しないことからフラグFがF=0に設定される。また、続くステップA90では、短周期制御部5において短周期NOxパージ制御が実施され、この周期での制御が終了する。排気温度Gが所定温度GTHを超えるときには、NOx浄化率Eが閾値ETH1を超えている限り、短周期NOxパージ制御が継続される。
短周期NOxパージ制御では、一回のリッチ期間R1で噴射回数が一回となるように排気管内インジェクター7の開弁時間が制御される。これにより、リッチ期間R1中の瞬時空燃比が相対的にリッチ化され、活性還元剤の生成が促進される。
短周期NOxパージ制御を継続すると、図9(b)に示すように、NOx浄化率Eが低下する。NOx浄化率Eが閾値ETH1以下まで低下すると、ステップA50で不等式「NOx浄化率E>閾値ETH1」が不成立となり、ステップA100に進む。ステップA100では、回復制御部6において、排気温度Gに応じたリーン期間L2が設定される。また、これに続くステップA110でフラグFがF=1に設定され、ステップA120で回復制御が実施されてこの周期での制御が終了する。つまり、排気温度Gが所定温度GTHを超えており、かつ、NOx浄化率Eが閾値ETH1以下になると、回復制御が実施される。これにより、NOx浄化率Eが回復することになる。
回復制御では、通常NOxパージ制御時と同様に、一回のリッチ期間R2での噴射回数が複数回にわたるように排気管内インジェクター7が制御される。これにより、リッチ期間R2の平均空燃比が精度よく制御され、NOxの還元作用が促進される。
次回以降の制御周期では、ステップA40からステップA60に進む。ステップA60では、ステップA20で演算されたNOx浄化率Eが閾値ETH2以下であるか否かが判定される。ここで不等式「NOx浄化率E≦閾値ETH2」が成立する場合には、まだNOx浄化率Eが十分に回復していないものと判断され、ステップA100に進む。
この場合、引き続き回復制御が実施されることになる。一方、不等式「NOx浄化率E≦閾値ETH2」が不成立になるとNOx浄化率Eが十分に回復したものと判断されてステップA80に進み、フラグFが再びF=0に設定されるとともに、ステップA90で短周期NOxパージ制御が再開される。
[4−2.制御時間に基づく回復]
図6は、短周期NOxパージ制御,回復制御のそれぞれの実施時間に基づいて判断されたNOx浄化率Eを用いて、これらの制御を切り換える場合のフローチャートである。本フロー中の記号A,Bはそれぞれ、短周期NOxパージ制御の累積実施時間,回復制御の累積実施時間に対応する変数であり、これらの初期値はともに0である。
ステップB10では、排気温度センサー16で検出された排気温度Gが制御装置に入力される。また、続くステップB30では、前ステップで入力された排気温度Gが所定温度GTHを超えているか否かが判定される。ここで、不等式「排気温度G>所定温度GTH」が成立する場合にはステップB40へ進み、不成立の場合にはステップB50に進む。
ステップB50では、通常制御部4において、通常NOxパージ制御が実施される。また、続くステップB60では、累積実施時間A,BがともにA=0,B=0にリセットされて、この周期での制御が終了する。したがって、排気温度Gが所定温度GTH以下のときには、短周期NOxパージ制御や回復制御が実施されることはなく、通常NOxパージ制御が継続される。
一方、ステップB40では、短周期NOxパージ制御の累積実施時間Aが所定時間ATH以下であるか否かが判定される。ここで、不等式「累積実施時間A≦所定時間ATH」が成立する場合には、短周期NOxパージ制御でのNOx浄化率Eがまだ十分に高いものと判断され、ステップB70に進む。
ステップB70では、短周期制御部5において短周期NOxパージ制御が実施される。また、これに続くステップB80では、短周期NOxパージ制御の累積実施時間Aが演算されて、この周期での制御が終了する。ここでは、例えばその時点の累積実施時間Aに本フローチャートの演算周期に相当する時間を加算したものが、新たな累積実施時間Aとして演算される。したがって、短周期NOxパージ制御の実施中には累積実施時間Aが徐々に増加し、その値が所定時間ATHを超えた時点で制御がステップB40からステップB90へと進む。
ステップB90では、回復制御部6において、排気温度Gに応じたリーン期間L2が設定され、続くステップB100で回復制御が実施される。また、ステップB110では、回復制御の累積実施時間Bが演算される。ここでは、ステップB80と同様に、その時点での累積実施時間Bに本フローチャートの演算周期に相当する時間を加算したものが、新たな累積実施時間Bとして演算される。したがって、回復制御の実施中には累積実施時間Bが徐々に増加する。
その後のステップB120では、累積実施時間Bが所定時間BTHを超えたか否かが判定される。ここで、不等式「累積実施時間B>所定時間BTH」が成立する場合にはステップB130に進み、不成立の場合にはそのままこの周期での制御が終了する。このように、短周期NOxパージ制御の実施時間が長引くと回復制御が開始され、排気温度Gが所定温度GTHを超えた状態でその累積実施時間Bが所定時間BTHを超えない限り、回復制御が継続される。
また、回復制御の累積実施時間Bが所定時間BTHを超えると、制御がステップB120からステップB130に進み、二つの累積実施時間A,Bがともにリセットされる。したがって、その後の演算周期でもまだ排気温度Gが所定温度GTHを超えた状態であれば、ステップB40からステップB70,B80に進み、短周期NOxパージ制御が再開される。
[5.作用]
[5−1.車両走行時の制御作用]
車両走行時における上記の排気浄化装置の制御作用を説明する。図7(a)〜(e)は、NOx浄化率Eを用いて回復制御の実施条件を判定する(図5に示すフローチャートを実施する)排気浄化装置の制御作用を示すものである。
図7(a)に示すように、時刻t0におけるNOxトラップ触媒9に流入する排気の排気温度Gは所定温度GTH以下であり、通常NOxパージ制御が実施される。通常NOxパージ制御では、図7(e)に示すように、目標空燃比がリッチ方向及びリーン方向に周期的に変化するように制御され、NOxトラップ触媒9へのNOx吸蔵操作とそのNOxの還元操作とが繰り返し実施される。通常NOxパージ制御で目標空燃比が振動する周期は、他の制御と比較して長周期である。
通常NOxパージ制御中に排気温度Gが上昇して所定温度GTHに近づくと、NOxトラップ触媒9のNOx吸蔵作用が低下し、NOx浄化率Eが低下する。一方、時刻t1に排気温度Gが所定温度GTHを超えると、図7(b)に示すように短周期NOxパージ制御の実施条件が成立し、短周期制御部5で短周期NOxパージ制御が実施される。
短周期NOxパージ制御では、図7(e)に示すように、目標空燃比が通常NOxパージ制御よりも短周期で変化するように制御される。これにより、NOxトラップ触媒9に吸着したNOxが少量単位で浄化される。また、短周期NOxパージ制御では、一回のリッチ期間R1で噴射回数が一回となるように排気管内インジェクター7の開弁時間が制御される。これにより、リッチ期間R1中の瞬時空燃比が相対的にリッチ化され、活性還元剤の生成が促進される。したがって、通常NOxパージ制御時と同等の良好なNOx浄化率Eが維持される。
短周期NOxパージ制御を長時間継続すると、図9(b)に示すように、NOx浄化率Eが低下する。時刻t2にNOx浄化率Eが閾値ETH1以下になると回復制御の実施条件が成立し、図7(d)に示すように、実施フラグFがF=1に設定されて、回復制御部6で回復制御が実施される。
回復制御では、図7(e)に示すように、短周期NOxパージ制御よりもリッチ期間が延長されるとともに、平均酸素濃度が1.0[%]以下となるように平均目標空燃比が制御される。これにより、NOxトラップ触媒9の近傍の雰囲気が還元雰囲気に維持され、図7(c)に示すようにNOxトラップ触媒9でのNOx浄化率Eが回復する。
時刻t3にNOx浄化率Eが閾値ETH2を超えるまで回復すると、回復制御の実施条件が不成立となり、実施フラグFがF=0に設定される。このとき、短周期NOxパージ制御の実施条件が再び成立し、短周期制御部5で短周期NOxパージ制御が実施される。
その後も、短周期NOxパージ制御の実施中にNOx浄化率Eが閾値ETH1以下になると(時刻t4)その都度回復制御が実施され、NOx浄化率Eが閾値ETH2を超えるまで回復すると(時刻t5)短周期NOxパージ制御が再開される。このように、回復制御は、NOx浄化率Eの低下時に短周期NOxパージ制御の合間に挿入されて実施される。したがって、図7(c)に示すように、NOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eが高いレベルで維持される。また、回復制御のリーン期間L2は排気温度Gが高いほど延長されるため、図7(a)に示すように、NOxトラップ触媒9に流入する排気温度Gもほぼ一定のレベルに保持され、過昇温が抑制される。
また、排気温度Gが所定温度GTH以下となった時刻t6には、短周期NOxパージ制御及び回復制御の実施条件が不成立となり、図7(e)に示すように通常NOxパージ制御が実施される。このとき、排気熱によって弱められていたNOxトラップ触媒9のNOx吸蔵作用が回復するため、NOxトラップ触媒9へのNOx吸蔵操作とそのNOxの還元操作とが適切に繰り返し実施され、排気中のNOxが浄化される。
[5−2.インジェクター駆動方式による作用]
排気管内インジェクター7の駆動方式とその効果の違いについての試験結果を図8(a)〜(c)に示す。図中の太実線は、PWM制御により燃料噴射を実施したものに対応する。また、他の細実線,破線,一点鎖線は、単発制御で燃料噴射したものを駆動周波数の高い順に並べたものである。何れのグラフも、平均空燃比がリーンとなる領域での結果を示している。
図8(a)は単位時間あたりの燃料噴射量と平均空燃比との関係を示す。この図8(a)は、平均空燃比と燃料噴射量との間の相関関係が、排気管内インジェクター7の駆動方式や駆動周波数に関わらず一定であることを示している。また、図8(b)も触媒温度Tに関して同様のことを示しており、触媒温度Tと燃料噴射量との間の相関関係は、排気管内インジェクター7の駆動方式や駆動周波数に影響されない。
これに対してNOx浄化率Eは、図8(c)に示すように、燃料噴射量が比較的少ない(平均リーンの傾向が強い)領域においてPWM制御よりも単発制御の方が優秀であり、高いNOx浄化率Eが得られることがわかる。単発制御では、排気管内インジェクター7からNOxトラップ触媒9に至る経路上でのガスミキシングが抑制され、リッチ期間R1中の瞬時空燃比が相対的にリッチ化される。これにより、炭化水素の部分酸化が促進され、燃費を同一としたPWM制御よりもNOx浄化率Eが大幅に向上する。
また、図8(c)中の細実線,破線,一点鎖線のうち最も良好な結果を示している一点鎖線は、最も駆動周波数の低いものであり、すなわち、一回のリッチ期間R1が最も長いものである。このことから、排気管内インジェクター7の連続開弁時間が長く維持されるほどガスミキシングが弱められるとともに炭化水素の部分酸化が促進され、NOx浄化率Eが向上するものと考えられる。
[6.効果]
(1)上記の排気浄化装置では、短周期NOxパージ制御での燃料噴射回数がリッチ期間R1毎に一回とされるため、NOxトラップ触媒9内を一時的に大きくリッチ化して活性還元剤(例えば、部分酸化したHC)の生成を促進することができる。これにより、NOxトラップ触媒9に吸蔵されたNOxや吸着したNOx,触媒表面近傍のNOx等を効率的に還元することができ、目標空燃比を振動させる周期が短周期であってもNOx浄化率Eを向上させることができる。したがって、例えば通常NOxパージ制御のように燃料噴射回数を複数回に分けた場合と比較して、高いNOx浄化率Eを獲得することができる。
また、通常NOxパージ制御では、従来の排気浄化装置のようにNOxトラップ触媒9の吸蔵作用を利用したNOxの浄化を行うことができる。一方、短周期NOxパージ制御では、このような吸蔵作用によるNOx浄化に加えて、あるいは代えて、NOxトラップ触媒9に吸着したNOxを少量単位で浄化することができる。したがって、何れの制御が実施された場合であっても、NOx浄化率Eを向上させることができる。
(2)また、図8(b),(c)に示すように、たとえ単位時間あたりの燃料噴射量が同一であっても、高温環境下ではPWM制御よりも単発制御の方がNOx浄化率Eが向上する。このような特性を利用して、上記の排気浄化装置では、NOxトラップ触媒9に流入する排気の排気温度Gが所定温度GTH以上のときに短周期NOxパージ制御を実施している。このように、NOxトラップ触媒9の温度特性を利用した通常NOxパージ制御及び短周期NOxパージ制御の使い分けにより、高水準のNOx浄化率Eを得るために要する燃料量を削減することができ、燃費悪化率を減少させることができる。
(3)また、上記の排気浄化装置では、通常制御において、図3(a),(b)に示すようにデューティー比を調整することでリッチ期間R0の目標空燃比AF2が制御される。これにより、通常制御では空燃比の変動周期を一定としたままで、空燃比を精度よく制御することができる。
一方、短周期NOxパージ制御では、図3(c)に示すように、単発制御で排気管内インジェクター7が開弁される期間を調整することでリッチ期間R1の目標空燃比AF2が制御される。また、排気管内インジェクター7からNOxトラップ触媒9に至る経路上でのガスミキシングが抑制され、一時的に瞬時空燃比がリッチ化する。これにより、燃料中の炭化酸素の部分酸化を促進することができ、活性の高い還元剤成分の排気中濃度を上昇させることができる。したがって、短周期NOxパージ制御時のNOx浄化率Eを向上させることができる。
(4)また、上記の排気浄化装置では、短周期NOxパージ制御によってNOxトラップ触媒9でのNOx浄化率Eが低下すると、回復制御が実施される。この回復制御により、NOxトラップ触媒9でNOxを還元しつつNOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eを回復させることができ、高い浄化性能を維持することができる。
特に、上記の排気浄化装置では、NOxトラップ触媒9に流入する排気温度Gが所定温度GTHを超える温度領域にあるときに、短周期NOxパージ制御が実施される。排気温度Gが高温になると、硝酸塩が熱解離,溶融しやすくなり、NOxトラップ触媒9へのNOx吸蔵量が減少する。また、硝酸塩が分解あるいは炭化水素と反応して化合物が生成されやすくなり、NOx吸蔵量はさらに減少する。これにより、NOxトラップ触媒9のNOx吸蔵作用が低下する。
一方、排気温度Gが高温であっても、NOxトラップ触媒9に対するNOxの吸着作用は微量ながら継続する。したがって、NOxトラップ触媒9でのNOx吸蔵作用が低下するような触媒高温時であっても、NOxトラップ触媒9に吸着したNOxを短周期で浄化することで、良好なNOx浄化率Eを確保することができる。
また、上記の排気浄化装置では、回復制御時の燃料噴射手法がPWM制御であり、すなわち、回復制御時における燃料噴射回数が一回のリッチ期間R2中に複数回となるように排気管内インジェクター7が駆動される。これにより、回復制御中の空燃比の制御精度を高めることができる。
(5)また、上記の排気浄化装置では、回復制御時の平均目標空燃比がストイキ又はリッチに維持される。つまり、短周期NOxパージ制御時よりも平均空燃比がリッチ方向に制御される。これにより、NOxトラップ触媒9に吸蔵されたNOxや吸着したNOx,触媒近傍のNOxに対する還元作用を促進することができる。したがって、NOxを効率的に還元することができ、NOx浄化率Eを迅速に回復させることができる。
また、NOxトラップ触媒9のNOx浄化率Eが迅速に回復することから、短周期NOxパージ制御を再開させることができる。したがって、排気温度Gが長い時間の間、高温であったとしても、恒常的にNOx浄化率Eの高い状態を維持することができる。
(6)また、上記の排気浄化装置では、短周期NOxパージ制御時の平均目標空燃比がリーンに維持されるため、平均燃料噴射量を削減することができ、燃費を向上させることができる。また、短周期NOxパージ制御時の平均目標空燃比を、通常NOxパージ制御時の平均目標空燃比と同一の値に設定した場合には、理論上の燃費を低下させることなくNOx浄化率を高めることができる。
なお、空燃比を実際にリーンからリッチに変化させる際には、空燃比の応答遅れを相殺するための燃料量に相当する無駄燃料が必要となる。このことから、単位時間あたりに空燃比を変化させる回数が増加するほど(空燃比を変化させる周期を短くするほど)無駄燃料が増加し、燃費が若干悪化する。したがって、燃費をより向上させるには、要求されるNOx浄化率Eが確保されている限り通常NOxパージ制御を優先的に実施すればよい。上記の排気浄化装置では、NOx浄化率Eが低下する触媒高温時以外では通常NOxパージ制御が実施されるため、燃費性能を向上させることができる。
(7)さらに、上記の排気浄化装置では、回復制御時のリーン期間L2が排気温度Gに応じて設定される。例えば、排気温度Gが高温であるほどリーン期間L2が延長され、排気温度Gが低温であるほどリーン期間L2が短縮される。
これにより、回復制御中におけるNOxトラップ触媒9の過昇温を抑制しながら、NOx浄化率Eを回復させることができる。特に、回復制御では短周期NOxパージ制御時よりも平均目標空燃比がリッチ寄りに制御されるため、排気温度Gが上昇しやすく過昇温が発生しやすい。一方、回復制御中の過昇温が抑制されるため、図7(a)に示すように、排気温度Gが所定温度GTHを超えた状態でほぼ一定に維持することが容易となる。
(8)また、図5に示すように、NOx濃度に基づいて演算されたNOx浄化率Eを用いて回復制御を実施した場合には、NOxトラップ触媒9でのNOx浄化率Eが低下した状態であることを精度よく把握することができ、回復制御の開始タイミングを適切に制御することができる。また、NOx浄化率Eに基づく制御により、燃料消費量が比較的多い回復制御の実施回数を適正化することができ、燃費の低下を抑制することができる。
(9)また、図6に示すように、短周期NOxパージ制御の累積実施時間Aに基づいて判断されたNOx浄化率Eを用いて回復制御を実施した場合には、制御構成を簡素化しつつ、回復制御を開始するタイミングを適切に制御することができる。
[7.変形例]
上述の実施形態では、排気通路15上に酸化触媒8とNOxトラップ触媒9とを備えたエンジン10を例示したが、上記の通常NOxパージ制御,短周期NOxパージ制御及び回復制御を実施する上では、酸化触媒8を省略することも可能である。少なくとも、排気中のNOxを酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する機能を持った触媒が排気通路15上に設けられたエンジン10であれば、上記の排気浄化装置を適用することが可能である。なお、排気通路15上にディーゼルパティキュレートフィルターや燃料成分のトラップ触媒等が設けられたエンジン10に対して、上記の排気浄化装置を適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、ディーゼルエンジン10の排気を浄化するシステムを例示したが、上記の排気浄化装置の適用対象となるエンジンの種類はこれに限定されず、例えばガソリンエンジンやリーンバーンエンジン等にも適用することができる。
また、上述の実施形態で説明した具体的な装置構成に関しても、種々変形して実施することが考えられる。例えば、排気温度センサー16やNOxセンサー17を省略し、エンジン10の運転状態に対応する各種パラメーターに基づいて触媒温度Tや排気温度G,NOx濃度,NOx浄化率Eを推定する演算構成としてもよい。あるいは、これらのセンサー類の配設位置を変更してもよい。
また、排気温度センサー16を用いる代わりに、排気管内インジェクター7の開弁時間や閉弁時間に基づいて排気温度Gを検出する構成としてもよい。すなわち、通常NOxパージ制御時のリッチ期間R0,リーン期間L0,短周期NOxパージ制御時のリッチ期間R1,リーン期間L1,回復制御時のリッチ期間R2,リーン期間L2といった、実際に燃料が供給されている時間や供給されていない時間に基づいて排気温度Gを推定演算するものである。
なお、これらの時間に関する情報に加えて、エンジン10の運転状態に関する情報(燃料噴射量,エンジン回転速度,吸気流量,エンジン負荷,外気温,機関温度等)を用いることで、排気温度Gの推定精度がより向上する。
このような演算構成により、排気温度センサー16を省略して装置構成を簡素化することができ、製造コストを削減することができるとともに、例えば排気系に温度センサーを持たない車種に対する適合性を高めることができる。
また、上述の実施形態では、回復制御時の燃料噴射手法がPWM制御となっているが、これに代えて単発制御を実施してもよい。つまり、回復制御時の開弁回数をリッチ期間毎に一回としてもよい。このような制御により、回復制御時においても排気中の炭化水素の部分酸化を促進することができ、NOx浄化率Eをより迅速に回復させることができる。
また、上述の実施形態では、図5,図6に示すように、二通りの手法を用いて回復制御の実施条件を判定するものを例示したが、これらの手法を組み合わせて実施することも可能である。例えば、エンジン10の運転条件に応じてこれらの手法を切り換えて実施する制御構成としてもよいし、排気温度GやNOx浄化率Eの値に応じて何れか一方の手法を選択する制御構成としてもよい。あるいは、これらの二つの手法を併用し、両者の判定結果が一致した制御を実施する制御構成としてもよい。この場合、両者の判定結果が不一致の場合に何れか一方の判定結果を優先するような制御構成とすれば、矛盾なく両手法を共存させることができる。
また、上述の実施形態では、NOxトラップ触媒9の排気温度Gが所定温度GTHを超える温度領域(すなわち、NOx吸蔵率が所定率未満となる温度領域)で短周期NOxパージを実施するものを例示したが、短周期NOxパージ制御の実施条件はこれに限定されない。すなわち、NOx吸蔵率が低下していない温度領域においても、短周期NOxパージ制御によるNOxの浄化が可能である。ただし、NOxトラップ触媒9のNOx吸蔵作用が十分に期待できる温度領域では、前述の通り、通常NOxパージ制御の方が短周期NOxパージ制御よりも燃費の面で有利である。
また、上述の実施形態では、排気温度Gに応じて回復制御時のリーン期間L2を設定するものを例示したが、排気温度Gの代わりに触媒温度Tやこれに相関するエンジン10の各種パラメーターを用いて回復制御時のリーン期間L2を設定してもよい。少なくとも、触媒温度T,排気温度Gが上昇しやすい運転状態でのリーン期間L2を延長することで、NOxトラップ触媒9の過昇温を抑制することができる。
同様に、短周期NOxパージ制御や回復制御の実施条件の一つである排気温度Gに代えて、触媒温度Tやこれに相関するエンジン10の各種パラメーターを用いてもよい。これらのパラメーターを用いた場合であっても、NOxトラップ触媒9でのNOx浄化率が低下した状態を精度よく把握することができ、短周期NOxパージ制御の間に回復制御の実施時間を挿入してNOx浄化率を回復させることができる。
1 制御装置
2 触媒温度演算部
3 浄化率演算部
4 通常制御部(通常制御手段)
5 短周期制御部(短周期制御手段)
6 回復制御部(回復制御手段)
7 排気管内インジェクター(噴射弁)
9 NOxトラップ触媒(触媒)
10 エンジン

Claims (7)

  1. エンジンの排気通路に設けられ、排気中の窒素酸化物を酸化雰囲気下で吸蔵するとともに還元雰囲気下で還元する触媒と、
    前記触媒よりも上流側の前記排気通路に設けられ、前記窒素酸化物の還元剤を供給する噴射弁と、
    空燃比をリッチ方向及びリーン方向に周期的に変化させるとともに、一回のリッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が複数回にわたる通常制御を実施する通常制御手段と、
    前記通常制御よりも短周期で前記空燃比を変化させるとともに、一回のリッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が一回である短周期制御を実施する短周期制御手段と
    を備えたことを特徴とする、排気浄化装置。
  2. 前記通常制御手段は、前記触媒に流入する排気温度が所定温度未満のときに前記通常制御を実施し、
    前記短周期制御手段は、前記排気温度が前記所定温度以上のときに前記短周期制御を実施する
    ことを特徴とする、請求項1記載の排気浄化装置。
  3. 前記通常制御手段及び前記短周期制御手段が、前記噴射弁の開弁時間又は閉弁時間に基づいて前記排気温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の排気浄化装置。
  4. 前記通常制御手段が、前記通常制御において前記噴射弁の開弁時間及び閉弁時間の比率を調整し、
    前記短周期制御手段が、前記短周期制御において前記噴射弁の開弁時間を調整する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記短周期制御による前記窒素酸化物の浄化率が所定浄化率未満であるときに、前記短周期制御よりもリッチ期間を延長して前記空燃比を周期的に変化させるとともに、リッチ期間における前記噴射弁からの噴射回数が複数回にわたる回復制御を実施する回復制御手段を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記回復制御手段が、前記回復制御中の平均空燃比をストイキ又はリッチに維持する
    ことを特徴とする、請求項5記載の排気浄化装置。
  7. 前記通常制御手段及び前記短周期制御手段が、前記通常制御中及び前記短周期制御中の平均空燃比をリーンに維持する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の排気浄化装置。
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