JP2014025435A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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典生 松本
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Abstract

【課題】電動機への通電の停止後にスクリューロータとシリンダ部のクリアランスを確保し、両者の損傷を防いでスクリュー圧縮機の信頼性を向上させる。
【解決手段】スクリュー圧縮機(1)のケーシング(10)では、スクリューロータ(40)を収容するシリンダ部(30)の外側に、高圧冷媒通路(61,64)が形成される。吐出ポート(25)に連通する吐出空間(26,27)は、高圧冷媒通路(61,64)を介して高圧空間(S2)に接続する。吐出空間(26,27)と高圧空間(S2)を仕切る軸受固定板(34)には、吐出空間(26,27)に対応する位置に貫通孔(81)が形成される。貫通孔(81)には、逆止弁(81)が取り付けられる。電動機への通電の停止後は、高圧空間(S2)の冷媒が逆止弁(81)を通って吐出空間(26,27)へ流入する。
【選択図】図6

Description

本発明は、スクリュー圧縮機の信頼性の向上策に関するものである。
従来より、冷媒を圧縮する圧縮機として、スクリュー圧縮機が用いられている。例えば、特許文献1には、1つのスクリューロータと2つのゲートロータとを備えたシングルスクリュー圧縮機が開示されている。
特許文献1のスクリュー圧縮機では、スクリューロータとゲートロータがケーシング内に収容される。スクリューロータは、ケーシングに形成されたシリンダ部に挿入される。スクリューロータには複数の螺旋溝が形成されており、この螺旋溝によって流体室が形成される。また、ケーシング内には、低圧空間と高圧空間が形成される。そして、スクリューロータを電動機で回転駆動すると、低圧空間内の冷媒が流体室へ吸入されて圧縮され、流体室内で圧縮された冷媒が高圧空間へ吐出される。
また、特許文献1のスクリュー圧縮機のケーシングには、シリンダ部の外側に圧縮後の高圧冷媒が流れる高圧冷媒通路が形成される。流体室において圧縮された冷媒は、この高圧冷媒通路を通過してから高圧空間へ流入する。そして、シリンダ部が高圧冷媒通路を流れる冷媒によって加熱され、シリンダ部とスクリューロータの温度差が縮小する。そのため、スクリューロータ圧縮機の運転中にシリンダ部とスクリューロータが熱膨張しても、両者のクリアランスが確保される。
特開2001−065481号公報
ところで、スクリューロータを駆動する電動機への通電を停止すると、スクリュー圧縮機では、高圧空間から低圧空間へ向かって冷媒が逆流する。その際、スクリューロータは、高圧空間から低圧空間へ向かう冷媒によって駆動されて逆回転する。
また、スクリュー圧縮機は、高圧空間に潤滑油を貯留し、この潤滑油を摺動部分へ供給するように構成される場合が多い。高圧空間に貯留された潤滑油には、冷媒が溶け込んでいる。スクリューロータを駆動する電動機への通電が停止し、高圧空間の圧力が低下すると、潤滑油に溶け込んでいた冷媒が急激に蒸発して発泡状態となる。潤滑油に溶解している冷媒は、蒸発する際に潤滑油から吸熱する。このため、スクリューロータを駆動する電動機への通電を停止した後には、冷媒に熱を奪われて温度低下した潤滑油が、蒸発した冷媒と共に高圧空間内に飛散し、冷媒と共に低圧空間へ向かって流れてゆく。
特許文献1のスクリュー圧縮機(即ち、シリンダ部の外側に高圧冷媒通路が形成されたスクリュー圧縮機)において、スクリューロータを駆動する電動機への通電が停止すると、温度低下した潤滑油が冷媒と共に高圧冷媒通路を逆流し、低温の潤滑油によってシリンダ部が冷却される。また、高圧空間から低圧空間へ向かって逆流する冷媒は、高圧冷媒通路を通過してから、スクリューロータによって形成された流体室へ流入する。このため、スクリューロータの温度が依然として高いにも拘わらず、シリンダ部が温度低下した潤滑油によって冷却されて急速に熱収縮する。その結果、両者のクリアランスが減少し、場合によっては両者が接触する。
一方、上述したように、スクリューロータを駆動する電動機への通電を停止した後には、スクリューロータが逆回転する。そして、シリンダ部が熱収縮して逆回転中のスクリューロータがシリンダ部と接触すると、両者が損傷してしまい、最悪の場合は両者が焼き付くおそれもある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクリューロータを駆動する電動機への通電の停止後もスクリューロータとシリンダ部のクリアランスを確保し、両者の損傷を未然に防いでスクリュー圧縮機の信頼性を向上させることにある。
第1の発明は、低圧空間(S1)及び高圧空間(S2)を形成するケーシング(10)と、上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて流体室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、上記スクリューロータ(40)を回転駆動する電動機(15)とを備える一方、上記高圧空間(S2)には、潤滑油が貯留され、上記ケーシング(10)には、上記流体室(23)から圧縮後の冷媒が吐出される吐出空間(26,27)と、上記シリンダ部(30)の外側に形成されて上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を接続する高圧冷媒通路(61,64)とが形成され、上記低圧空間(S1)から上記流体室(23)へ吸入された冷媒が、圧縮された後に上記吐出空間(26,27)と上記高圧冷媒通路(61,64)とを順に通って上記高圧空間(S2)へ流入するスクリュー圧縮機を対象とし、上記電動機(15)への通電の停止後に上記高圧空間(S2)から上記高圧冷媒通路(61,64)へ逆流する冷媒の量を削減するための逆流抑制手段を備えるものである。
第1の発明のスクリュー圧縮機(1)では、ケーシング(10)のシリンダ部(30)にスクリューロータ(40)が挿入されている。スクリューロータ(40)が電動機(15)に駆動されて回転すると、低圧空間(S1)から流体室(23)へ冷媒が吸い込まれ、流体室(23)内の冷媒が圧縮される。圧縮されて流体室(23)から吐出空間(26,27)へ吐出された冷媒は、高圧冷媒通路(61,64)を通って高圧空間(S2)へ流入する。シリンダ部(30)は、高圧冷媒通路(61,64)を流れる冷媒によって暖められる。
第1の発明のスクリュー圧縮機(1)において、電動機(15)への通電が停止すると、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かって冷媒が逆流しようとする。ここで、電動機(15)への通電の停止後に高圧空間(S2)の圧力が低下すると、高圧空間(S2)に貯留された潤滑油に溶け込んでいた冷媒が蒸発し、温度の低い潤滑油が冷媒と共に飛散する場合がある。一方、この発明のスクリュー圧縮機(1)は、逆流抑制手段を備えている。電動機(15)への通電の停止後に高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ逆流する冷媒の量は、逆流抑制手段によって削減される。このため、高圧空間(S2)において温度の低い潤滑油が冷媒と共に飛散した場合でも、冷媒と共に高圧冷媒通路(61,64)へ流入する潤滑油の量が低く抑えられ、シリンダ部(30)の温度低下が抑えられる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記高圧冷媒通路(61,64)を迂回して上記高圧空間(S2)と上記吐出空間(26,27)を連通させるバイパス通路(80)と、上記バイパス通路(80)を上記高圧空間(S2)から上記吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を遮断するバイパス制御機構(81)とを、上記逆流抑制手段として備えるものである。
第2の発明のスクリュー圧縮機(1)は、逆流抑制手段として、バイパス通路(80)とバイパス制御機構(81)とを備えている。スクリューロータ(40)が電動機(15)に駆動されて回転している状態において、バイパス制御機構(81)は、吐出空間(26,27)から高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を遮断する。従って、この状態では、流体室(23)から吐出空間(26,27)へ吐出された冷媒が、高圧冷媒通路(61,64)を通って高圧空間(S2)へ流入する。
一方、第2の発明のスクリュー圧縮機(1)において、電動機(15)への通電が停止すると、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かって冷媒が逆流しようとする。その状態において、バイパス制御機構(81)は、バイパス通路(80)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容する。このため、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かう冷媒の一部または全部は、バイパス通路(80)を流れ、高圧冷媒通路(61,64)を通らずに高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ流入する。従って、バイパス通路(80)及びバイパス制御機構(81)がスクリュー圧縮機(1)に設けられていない場合に比べて、電動機(15)への通電が停止した後に高圧冷媒通路(61,64)を流れる冷媒の量が減少する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記吐出空間(26,27)から上記高圧冷媒通路(61,64)を経て上記高圧空間(S2)に至る冷媒の流通経路に設けられ、上記吐出空間(26,27)から上記高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を阻害し又は遮断する流通制御機構(91)を、上記逆流抑制手段として備えるものである。
第3の発明のスクリュー圧縮機(1)は、バイパス通路(80)及びバイパス制御機構(81)に加えて、流通制御機構(91)を逆流抑制手段として備えている。スクリューロータ(40)が電動機(15)に駆動されて回転している状態において、流通制御機構(91)は、吐出空間(26,27)から高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を許容する。従って、この状態では、流体室(23)から吐出空間(26,27)へ吐出された冷媒が、高圧冷媒通路(61,64)を通って高圧空間(S2)へ流入する。
一方、第3の発明のスクリュー圧縮機(1)において、電動機(15)への通電が停止すると、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かって冷媒が逆流しようとする。その状態において、流通制御機構(91)は、高圧冷媒通路(61,64)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を阻害し又は遮断する。流通制御機構(91)が冷媒の流通を阻害する場合、高圧冷媒通路(61,64)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通は、完全には禁止されない。一方、流通制御機構(91)が冷媒の流通を遮断する場合、高圧冷媒通路(61,64)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通が、完全に禁止される。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記ケーシング(10)には、上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を仕切る隔壁部(34)が設けられ、上記バイパス通路は、上記隔壁部(34)に形成されて上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を連通させる貫通孔(80)であり、上記バイパス制御機構は、上記隔壁部(34)に取り付けられて上記貫通孔(80)を上記高圧空間(S2)から上記吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を遮断する逆止弁(81)であるものである。
第4の発明では、隔壁部(34)に形成された貫通孔(80)がバイパス通路を構成し、隔壁部(34)に取り付けられた逆止弁(81)がバイパス制御機構を構成する。スクリューロータ(40)が電動機(15)に駆動されて回転している状態において、逆止弁(81)は、貫通孔(80)を通って吐出空間(26,27)から高圧空間(S2)へ向かおうとする冷媒の流通を遮断する。一方、電動機(15)への通電が停止すると、逆止弁(81)は、貫通孔(80)を通って高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容する。
第5の発明は、上記第2〜第4のいずれか一つの発明において、上記高圧空間(S2)に貯留された潤滑油を上記流体室(23)へ供給するための油インジェクション通路(52)を備えるものである。
第5の発明では、スクリュー圧縮機(1)に油インジェクション通路(52)が設けられる。高圧空間(S2)に貯留された潤滑油の一部は、油インジェクション通路(52)を通って流体室(23)へ供給される。流体室(23)へ供給された潤滑油は、スクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の潤滑や、スクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の隙間のシールなどに利用される。
第6の発明は、上記第1の発明において、上記吐出空間(26,27)から上記高圧冷媒通路(61,64)を経て上記高圧空間(S2)に至る冷媒の流通経路に設けられ、上記吐出空間(26,27)から上記高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流れを許容して逆向きの冷媒の流れを遮断する逆流遮断機構(100)を、上記逆流抑制手段として備えるものである。
第6の発明のスクリュー圧縮機(1)は、逆流抑制手段として、逆流遮断機構(100)を備えている。スクリューロータ(40)が電動機(15)に駆動されて回転している状態において、逆流遮断機構(100)は、高圧冷媒通路(61,64)を吐出空間(26,27)から高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を許容する。従って、この状態では、流体室(23)から吐出空間(26,27)へ吐出された冷媒が、高圧冷媒通路(61,64)を通って高圧空間(S2)へ流入する。
一方、第6の発明のスクリュー圧縮機(1)において、電動機(15)への通電が停止すると、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かって冷媒が逆流しようとする。その状態において、逆流遮断機構(100)は、高圧冷媒通路(61,64)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を、完全に禁止する。従って、電動機(15)への通電が停止した後において、高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ冷媒や潤滑油は流入しない。
本発明では、スクリュー圧縮機(1)に逆流抑制手段が設けられている。電動機(15)への通電の停止後に高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ逆流する冷媒の量は、逆流抑制手段によって削減される。このため、高圧空間(S2)において温度の低い潤滑油が冷媒と共に飛散した場合でも、冷媒と共に高圧冷媒通路(61,64)へ流入する潤滑油の量が低く抑えられ、シリンダ部(30)の温度低下が抑えられる。
このように、本発明によれば、電動機(15)への通電の停止後もシリンダ部(30)の温度低下を抑えることができ、スクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の温度差を小さく保つことができる。従って、本発明によれば、電動機(15)への通電の停止後におけるシリンダ部(30)の急速な熱収縮を抑えることができ、スクリューロータ(40)とシリンダ部(30)のクリアランスを確保することができる。その結果、電動機(15)への通電の停止後におけるスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の損傷を未然に防ぐことができ、スクリュー圧縮機(1)の信頼性を向上させることができる。
上記第2の発明では、バイパス通路(80)とバイパス制御機構(81)とが、逆流抑制手段としてスクリュー圧縮機(1)に設けられる。そして、電動機(15)への通電が停止した場合は、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かう冷媒の一部または全部がバイパス通路(80)を流れる。従って、この発明によれば、スクリュー圧縮機(1)にバイパス通路(80)とバイパス制御機構(81)とを設けることにより、電動機(15)への通電が停止した後に高圧冷媒通路(61,64)を流れる冷媒の量を削減することができる。
上記第3の発明では、バイパス通路(80)及びバイパス制御機構(81)に加えて、流通制御機構(91)が逆流抑制手段としてスクリュー圧縮機(1)に設けられる。そして、電動機(15)への通電が停止した場合は、高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ向かう冷媒の一部または全部がバイパス通路(80)を流れ、更には高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ流入しようとする冷媒の流通が流通制御機構(91)によって阻害され又は遮断される。従って、この発明によれば、電動機(15)への通電が停止した後に高圧冷媒通路(61,64)を流れる冷媒の量を、一層削減することができる。
上記第4の発明では、ケーシング(10)の隔壁部(34)に形成された貫通孔(80)が、バイパス通路を構成している。従って、この発明によれば、スクリュー圧縮機(1)に新たな部材を追加することなく、スクリュー圧縮機(1)にバイパス通路を設けることができる。
上記第5の発明では、スクリュー圧縮機(1)に油インジェクション通路(52)が設けられる。ここで、電動機(15)への通電の停止後も、高圧空間(S2)と低圧空間(S1)の圧力差が大きい間は、高圧空間(S2)に貯留された潤滑油が油インジェクション通路(52)を通って流体室(23)へ流入し続ける。そして、長時間に亘って潤滑油が高圧空間(S2)から流出し続けると、高圧空間(S2)における潤滑油の貯留量が少なくなり、次にスクリュー圧縮機(1)を起動した際に潤滑不良に陥るおそれがある。
一方、第5の発明では、スクリュー圧縮機(1)にバイパス通路(80)とバイパス制御機構(81)とが逆流抑制手段として設けられている。このため、シリンダ部(30)の急激な熱収縮を抑えつつ高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ冷媒を流すことができ、高圧空間(S2)と低圧空間(S1)の圧力差を短時間で縮小することができる。従って、油インジェクション通路(52)が設けられているこの発明のスクリュー圧縮機(1)では、電動機(15)への通電の停止後にスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)のクリアランスを確保できると共に、高圧空間(S2)における潤滑油の貯留量も確保できる。
上記第6の発明では、逆流遮断機構(100)が逆流抑制手段としてスクリュー圧縮機(1)に設けられる。そして、電動機(15)への通電が停止した場合は、高圧冷媒通路(61,64)を高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通が、逆流遮断機構(100)によって遮断される。従って、この発明によれば、スクリュー圧縮機(1)に逆流遮断機構(100)を設けることにより、電動機(15)への通電が停止した後に高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)への冷媒や潤滑油の流入を禁止することができる。
図1は、実施形態1の冷凍装置とシングルスクリュー圧縮機の概略構成を示す冷媒回路図である。 図2は、実施形態1のシングルスクリュー圧縮機の縦断面図である。 図3は、図2のA−A断面を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図4は、実施形態1のシングルスクリュー圧縮機のスクリューロータとゲートロータを抜き出して示す概略斜視図である。 図5は、図3のB−B断面の要部を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図6は、図3のC−C断面の要部を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図7は、図6のD−D断面の要部を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図8は、流通制御機構を構成する流通規制弁の断面図であって、(A)は閉状態を示し、(B)は開状態を示す。 図9は、バイパス制御機構を構成する逆止弁の断面図であって、(A)は閉状態を示し、(B)は開状態を示す。 図10は、実施形態1のシングルスクリュー圧縮機における冷媒の流通経路を示す冷媒経路図である。 図11は、実施形態2のシングルスクリュー圧縮機の図3に対応する断面を示す断面図である。 図12は、図11のE−E断面の要部を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図13は、図11のF−F断面の要部を示すシングルスクリュー圧縮機の断面図である。 図14は、実施形態2のシングルスクリュー圧縮機における冷媒の流通経路を示す冷媒経路図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態のシングルスクリュー圧縮機(1)(以下、単にスクリュー圧縮機と言う。)は、冷凍装置(200)の冷媒回路(201)に設けられて冷媒を圧縮する。
−冷凍装置の構成−
スクリュー圧縮機(1)を備える冷凍装置(200)について、図1を参照しながら説明する。
冷凍装置(200)は、冷媒が充填された冷媒回路(201)を備えている。冷媒回路(201)は、スクリュー圧縮機(1)と、凝縮器(202)と、膨張弁(204)と、蒸発器(205)とを順に接続することによって形成された閉回路である。
冷媒回路(201)では、スクリュー圧縮機(1)の吸入口(11)が蒸発器(205)の出口に接続され、スクリュー圧縮機(1)の吐出口(12)が凝縮器(202)の入口に接続されている。また、冷媒回路(201)では、凝縮器(202)の出口が膨張弁(204)の一端に接続され、蒸発器(205)の入口が膨張弁(204)の他端に接続されている。
冷媒回路(201)では、充填された冷媒が循環することによって、冷凍サイクルが行われる。スクリュー圧縮機(1)の吐出口(12)から吐出された高圧ガス冷媒は、凝縮器(202)へ流入し、冷却水や室外空気等へ放熱して凝縮する。凝縮器(202)から流出した高圧液冷媒は、膨張弁(204)を通過する際に減圧される。膨張弁(204)を通過した低圧冷媒は、蒸発器(205)へ流入し、水や空気等の冷却対象物から吸熱して蒸発する。蒸発器(205)から流出した低圧ガス冷媒は、スクリュー圧縮機(1)の吸入口(11)へ吸入される。
−スクリュー圧縮機の構成−
図1及び図2に示すように、スクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機(15)とが1つのケーシング(10)に収容されている。このスクリュー圧縮機(1)は、半密閉型に構成されている。
ケーシング(10)は、横長の円筒状に形成されている。ケーシング(10)の内部空間は、ケーシング(10)の一端側に位置する低圧空間(S1)と、ケーシング(10)の他端側に位置する高圧空間(S2)とに仕切られている。ケーシング(10)には、低圧空間(S1)に連通する吸入口(11)と、高圧空間(S2)に連通する吐出口(12)とが設けられている。冷媒回路(201)の蒸発器(205)から流れてきた低圧冷媒は、吸入口(11)を通って低圧空間(S1)へ流入する。また、圧縮機構(20)から高圧空間(S2)へ吐出された圧縮後の高圧冷媒は、吐出口(12)を通って冷媒回路(201)の凝縮器(202)へ供給される。
ケーシング(10)内では、低圧空間(S1)に電動機(15)が配置され、低圧空間(S1)と高圧空間(S2)の間に圧縮機構(20)が配置されている。電動機(15)は、ケーシング(10)の吸入口(11)と圧縮機構(20)の間に配置されている(図2を参照)。電動機(15)の固定子(16)は、ケーシング(10)に固定されている。一方、電動機(15)の回転子(17)は、圧縮機構(20)の駆動軸(21)に連結されている。電動機(15)に通電すると回転子(17)が回転し、後述する圧縮機構(20)のスクリューロータ(40)が電動機(15)によって駆動される。
ケーシング(10)内では、高圧空間(S2)に油分離器(18)が配置されている。油分離器(18)は、圧縮機構(20)から吐出された高圧冷媒から冷凍機油を分離する。高圧空間(S2)における油分離器(18)の下方には、潤滑油である冷凍機油を貯留するための油貯留室(19)が形成されている。油分離器(18)において冷媒から分離された冷凍機油は、下方へ流れ落ちて油貯留室(19)に蓄えられる。
図2,3に示すように、ケーシング(10)には、概ね筒状のシリンダ部(30)が形成されている。シリンダ部(30)は、ケーシング(10)の長手方向の中央部に配置されている。シリンダ部(30)の内周面は、円筒面となっている。シリンダ部(30)には、1つのスクリューロータ(40)が挿入されている。スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が同軸に連結されている。スクリューロータ(40)には、2つのゲートロータ(45)が噛み合わされている。スクリューロータ(40)とゲートロータ(45)の詳細は、後述する。シリンダ部(30)と、スクリューロータ(40)と、ゲートロータ(45)とは、圧縮機構(20)を構成している。
ケーシング(10)には、隔壁部である軸受固定板(34)が設けられている。軸受固定板(34)は、概ね円板状に形成され、ケーシング(10)の内部空間を横断するように配置されている。軸受固定板(34)の中央部には、軸受ホルダ(35)が取り付けられている。軸受ホルダ(35)は、シリンダ部(30)の高圧空間(S2)側の端部に挿入されている。軸受ホルダ(35)の内側には、玉軸受(36)が設けられている。玉軸受(36)には駆動軸(21)の端部が挿通され、この玉軸受(36)が駆動軸(21)を回転自在に支持する。
図2,4に示すように、スクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)は、シリンダ部(30)に回転可能に嵌合しており、その外周面がシリンダ部(30)の内周面と摺接する。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数(本実施形態では、6本)形成されている。スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、図4における手前側の端部が始端となり、同図における奥側の端部が終端となっている。
各ゲートロータ(45)は、樹脂製の部材である。図4に示すように、各ゲートロータ(45)には、長方形板状に形成された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(46)が放射状に設けられている。
ゲートロータ(45)は、金属製のロータ支持部材(47)に取り付けられている。ゲートロータ(45)が取り付けられたロータ支持部材(47)は、シリンダ部(30)に隣接したゲートロータ室(7)に収容されている(図3を参照)。各ゲートロータ(45)は、シリンダ部(30)の外側に、スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対称となるように配置されている。そして、各ゲートロータ(45)は、ゲート(46)がスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている(図4を参照)。
圧縮機構(20)では、シリンダ部(30)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(45)のゲート(46)とによって囲まれた空間が流体室(23)になる。そして、スクリューロータ(40)が回転すると、流体室(23)の容積が変化して流体室(23)内の冷媒が圧縮される。
図2に示すように、ケーシング(10)には、油貯留室(19)の冷凍機油を圧縮機構(20)の摺動箇所へ供給するための給油通路(50)が形成されている。給油通路(50)の入口には、冷凍機油を濾過するためのオイルストレーナ(51)が取り付けられている。
図3に示すように、ケーシング(10)のシリンダ部(30)には、流体室(23)へ冷凍機油を供給するための油インジェクション通路(52)が形成されている。シリンダ部(30)において、油インジェクション通路(52)は、後述するスライドバルブ(70)と、それに対応するゲートロータ(45)との間に一つずつ配置されている。各油インジェクション通路(52)は、シリンダ部(30)の内周面に開口している。また、各油インジェクション通路(52)は、給油通路(50)に接続されている。油インジェクション通路(52)は、圧縮行程の途中の流体室(23)へ冷凍機油を供給する。
図3,6に示すように、スクリュー圧縮機(1)には、容量調節用のスライドバルブ(70)が二つ設けられている。スライドバルブ(70)は、シリンダ部(30)に取り付けられている。シリンダ部(30)には、その軸方向へ延びる開口部(31)が形成されている。スライドバルブ(70)は、その本体部(71)がシリンダ部(30)の開口部(31)に嵌り込むように配置され、本体部(71)の前面がスクリューロータ(40)の周側面と対面する。スライドバルブ(70)は、シリンダ部(30)の軸心方向にスライド可能となっている。また、シリンダ部(30)の開口部(31)は、スライドバルブ(70)の本体部(71)よりも軸受ホルダ(35)側の部分が、流体室(23)から圧縮後の冷媒を導出するための吐出ポート(25)となっている。
各スライドバルブ(70)には、スライドバルブ駆動機構(75)のロッド(76)が連結されている。スライドバルブ駆動機構(75)は、各スライドバルブ(70)を駆動してシリンダ部(30)の軸心方向へ移動させるための機構である。
図6,7に示すように、ケーシング(10)には、スライドバルブ(70)の背面と摺接する案内部(37)が形成されている。案内部(37)は、スライドバルブ(70)のスライド方向へ延びるリブ状に形成され、その突端面がスライドバルブ(70)の背面と摺接する。
〈高圧側の冷媒の流通経路〉
図6,7に示すように、ケーシング(10)には、吐出空間(26,27)が形成されている。吐出空間(26,27)は、各スライドバルブ(70)に対応して一つずつ形成されている。第1吐出空間(26)は、図6における上側のスライドバルブ(70)の背面側に位置しており、そのスライドバルブ(70)に対応する吐出ポート(25)と連通している。第2吐出空間(27)は、図6におけるした側のスライドバルブ(70)の背面側に位置しており、そのスライドバルブ(70)に対応する吐出ポート(25)と連通している。各吐出空間(26,27)と高圧空間(S2)は、隔壁部である軸受固定板(34)によって仕切られている。各吐出空間(26,27)には、対応する吐出ポート(25)を通って流体室(23)から吐出された高圧冷媒が流入する。
ケーシング(10)には、シリンダ部(30)を高圧冷媒によって暖めるための高圧冷媒通路(61,64)が、各吐出空間(26,27)に対応して一つずつ形成されている。また、ケーシング(10)内には、二つの高圧冷媒通路(61,64)を接続する接続通路(67)が形成されている。ここでは、高圧冷媒通路(61,64)と接続通路(67)について、図3,5〜7を適宜参照しながら説明する。
図3に示すように、第1高圧冷媒通路(61)は、ケーシング(10)の上寄りに形成され、第2高圧冷媒通路(64)は、ケーシング(10)の下寄りに形成されている。各高圧冷媒通路(61,64)は、軸受固定板(34)側から低圧空間(S1)側へ向かって延びる往路部(62,65)と、低圧空間(S1)側から軸受固定板(34)側へ向かって延びる復路部(63,66)とを備えている。第1高圧冷媒通路(61)は、往路部(62)が上側のスライドバルブ(70)の背面側に配置され、復路部(63)がシリンダ部(30)の上方に配置されている。第2高圧冷媒通路(64)は、往路部(65)が下側のスライドバルブ(70)の背面側に配置され、復路部(66)がシリンダ部(30)の下方に配置されている。
図5,6に示すように、第1高圧冷媒通路(61)は、往路部(62)の一端が第1吐出空間(26)と連通し、往路部(62)の他端が復路部(63)の一端と連通している。また、第2高圧冷媒通路(64)は、往路部(65)の一端が第2吐出空間(27)と連通し、往路部(65)の他端が復路部(66)の一端と連通している。接続通路(67)は、その一端が第2高圧冷媒通路(64)の復路部(66)の他端に接続し、その他端が第1高圧冷媒通路(61)の往路部(62)の一端に接続している。つまり、第1高圧冷媒通路(61)と第2高圧冷媒通路(64)は、接続通路(67)を介して直列に接続されている。
〈逆流抑制手段〉
図5に示すように、ケーシング(10)の軸受固定板(34)は、第1高圧冷媒通路(61)の復路部(63)の他端に対応する位置に、軸受固定板(34)をその厚さ方向に貫通する一つの貫通孔(90)が形成されている。この貫通孔(90)には、流通制御機構である流通規制弁(91)が取り付けられている。
図8に示すように、流通規制弁(91)は、ハウジング(92)と、弁体(95)と、支持部材(98)と、コイルばね(99)とを備えている。
ハウジング(92)は、一端が開放された筒状に形成されている。ハウジング(92)の他端部は、中央部に円形の連通孔(94)が形成された弁座部(93)となっている。
弁体(95)は、本体部(96)と軸部(97)とを備えている。本体部(96)は、円板状に形成されている。また、本体部(96)は、先端寄りの部分がテーパー状となっている。軸部(97)は、本体部(96)と同軸に配置され、本体部(96)の基端側に突出している。
支持部材(98)は、円板状に形成されており、ハウジング(92)の内部空間を横断するように配置される。支持部材(98)の中央部には、弁体(95)の軸部(97)が挿通されている。支持部材(98)は、弁体(95)の軸部(97)をスライド自在に支持する。
コイルばね(99)は、弁体(95)の本体部(96)と支持部材(98)の間に配置されている。また、コイルばね(99)には、弁体(95)の軸部(97)が挿通されている。弁体(95)の本体部(96)は、コイルばね(99)によって弁座部(93)に押圧される。なお、コイルばね(99)は、弁体(95)の本体部(96)を確実に着座させるためのものである。従って、コイルばね(99)のばね定数は、比較的小さい。
流通規制弁(91)は、図8(A)に示す閉状態と、図8(B)に示す開状態とに切り換わる。閉状態の流通規制弁(91)では、弁体(95)の本体部(96)の先端部が、弁座部(93)の連通孔(94)に入り込んで弁座部(93)と密着する。そして、弁座部(93)の連通孔(94)が弁体(95)の本体部(96)によって塞がれ、連通孔(94)を通過しようとする冷媒の流れが弁体(95)によって遮断される。一方、開状態の流通規制弁(91)では、弁体(95)の本体部(96)が弁座部(93)から離れ、弁座部(93)の連通孔(94)を冷媒が通過できる状態となる。
流通規制弁(91)は、ハウジング(92)の弁座部(93)が第1高圧冷媒通路(61)側を向く姿勢で、軸受固定板(34)の貫通孔(90)に取り付けられる。この流通規制弁(91)は、第1高圧冷媒通路(61)から高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を許容し、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を遮断する。
図6に示すように、ケーシング(10)の軸受固定板(34)は、第1吐出空間(26)に対応する位置と第2吐出空間(27)に対応する位置のそれぞれに、貫通孔(80)が一つずつ形成されている。この貫通孔(80)は、高圧空間(S2)を各吐出空間(26,27)と連通させるためのバイパス通路を構成する。各貫通孔(80)には、バイパス制御機構である逆止弁(81)が一つずつ取り付けられている。
図9に示すように、逆止弁(81)は、ハウジング(82)と、弁体(85)と、支持部材(88)と、コイルばね(89)とを備えている。
ハウジング(82)は、一端が開放された筒状に形成されている。ハウジング(82)の他端部は、中央部に円形の連通孔(84)が形成された弁座部(83)となっている。なお、この弁座部(83)の連通孔(84)は、流通規制弁(91)の弁座部(93)の連通孔(94)よりも小径である。
弁体(85)は、本体部(86)と軸部(87)とを備えている。本体部(86)は、円板状に形成されている。また、本体部(86)は、先端寄りの部分がテーパー状となっている。軸部(87)は、本体部(86)と同軸に配置され、本体部(86)の基端側に突出している。なお、この弁体(85)の本体部(86)は、流通規制弁(91)の弁体(95)の本体部(96)よりも小径である。
支持部材(88)は、円板状に形成されており、ハウジング(82)の内部空間を横断するように配置される。支持部材(88)の中央部には、弁体(85)の軸部(87)が挿通されている。支持部材(88)は、弁体(85)の軸部(87)をスライド自在に支持する。
コイルばね(89)は、弁体(85)の本体部(86)と支持部材(88)の間に配置されている。また、コイルばね(89)には、弁体(85)の軸部(87)が挿通されている。弁体(85)の本体部(86)は、コイルばね(89)によって弁座部(83)に押圧される。なお、コイルばね(89)は、弁体(85)の本体部(86)を確実に着座させるためのものである。従って、コイルばね(89)のばね定数は、比較的小さい。
逆止弁(81)は、図9(A)に示す閉状態と、図9(B)に示す開状態とに切り換わる。閉状態の逆止弁(81)では、弁体(85)の本体部(86)の先端部が、弁座部(83)の連通孔(84)に入り込んで弁座部(83)と密着する。そして、弁座部(83)の連通孔(84)が弁体(85)の本体部(86)によって塞がれ、連通孔(84)を通過しようとする冷媒の流れが弁体(85)によって遮断される。一方、開状態の逆止弁(81)では、弁体(85)の本体部(86)が弁座部(83)から離れ、弁座部(83)の連通孔(84)を冷媒が通過できる状態となる。
逆止弁(81)は、ハウジング(82)の弁座部(83)が高圧空間(S2)側を向く姿勢で、軸受固定板(34)の貫通孔(80)に取り付けられる。この逆止弁(81)は、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を許容し、第1高圧冷媒通路(61)から高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を遮断する。
軸受固定板(34)に取り付けられた流通規制弁(91)と、軸受固定板(34)にバイパス通路として形成された貫通孔(80)と、この貫通孔(80)に取り付けられた逆止弁(81)とは、電動機(15)への通電を停止した停止後に高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ逆流する冷媒の量を削減するための逆流抑制手段を構成している。
−スクリュー圧縮機の運転動作−
スクリュー圧縮機(1)が冷媒を圧縮する動作について説明する。
電動機(15)に通電すると、スクリューロータ(40)が電動機(15)によって駆動されて回転する。スクリューロータ(40)が回転するとゲートロータ(45)も回転し、圧縮機構(20)が冷媒を圧縮する動作を行う。
ケーシング(10)内の低圧空間(S1)へは、蒸発器(205)から流出した低圧ガス冷媒が、吸入口(11)を通って吸い込まれる。下流側空間(6)の冷媒は、圧縮機構(20)の流体室(23)へ吸い込まれる。スクリューロータ(40)が回転し、流体室(23)が低圧空間(S1)から遮断された閉じきり状態になると、その後は流体室(23)内の冷媒が圧縮される。
流体室(23)が吐出ポート(25)に連通すると、圧縮された冷媒が吐出ポート(25)を通って流体室(23)から流出する。流体室(23)から吐出された高圧冷媒は、高圧空間(S2)へ流入し、その後に油分離器(18)を通過する。油分離器(18)では、高圧冷媒と共に流れてきた油滴状の冷凍機油が、高圧冷媒から分離される。油分離器(18)を通過した高圧冷媒は、吐出口(12)を通ってケーシング(10)の外部へ吐出される。吐出口(12)から吐出された高圧ガス冷媒は、凝縮器(202)へ向かって流れてゆく。
スクリュー圧縮機(1)の運転中には、油貯留室(19)に貯留された冷凍機油が、給油通路(50)を通って圧縮機構(20)の摺動箇所へ供給される。また、給油通路(50)を流れる冷凍機油の一部は、油インジェクション通路(52)を通って流体室(23)へ供給される。流体室(23)へ供給された冷凍機油は、スクリューロータ(40)とゲートロータ(45)の潤滑や、スクリューロータ(40)とゲートロータ(45)の隙間のシールに利用される。
ここで、吐出ポート(25)から高圧空間(S2)へ至るまでの高圧冷媒の流れについて、図10を参照しながら詳細に説明する。電動機(15)への通電中において、冷媒は同図に実線の矢印で示すように流れる。
一方の吐出ポート(25)に対応する流体室(23)の高圧冷媒は、第1吐出空間(26)へ吐出される。他方の吐出ポート(25)に対応する流体室(23)の高圧冷媒は、第2吐出空間(27)へ吐出される。
電動機(15)への通電中には、吐出空間(26,27)の圧力が、高圧空間(S2)の圧力よりも若干高くなる。このため、各吐出空間(26,27)に対応する逆止弁(81,81)は、いずれも図9(A)に示す閉状態となる。つまり、逆止弁(81)では、吐出空間(26,27)の高圧冷媒とコイルばね(89)の両方によって弁体(85)が弁座部(83)へ押圧され、弁体(85)の本体部(86)が弁座部(83)と密着して連通孔(84)を塞ぐ。
第2吐出空間(27)へ流入した高圧冷媒は、第2高圧冷媒通路(64)の往路部(65)と復路部(66)を順に通過し、その後に接続通路(67)へ流入する。一方、第1吐出空間(26)へ流入した高圧冷媒は、接続通路(67)から流入した高圧冷媒と合流し、その後に第1高圧冷媒通路(61)へ流入する。第1高圧冷媒通路(61)へ流入した高圧冷媒は、その往路部(62)と復路部(63)を順に通過して流通規制弁(91)に到達する。
電動機(15)への通電中には、第1高圧冷媒通路(61)の圧力が高圧空間(S2)の圧力よりも若干高くなる。このため、流通規制弁(91)は、図8(B)に示す開状態となる。つまり、流通規制弁(91)では、第1高圧冷媒通路(61)の高圧冷媒に押された弁体(95)がコイルばね(99)を押し縮めながら移動して弁座部(93)から離れ、弁座部(93)の連通孔(94)が開口状態となる。従って、第1高圧冷媒通路(61)を通って流通規制弁(91)に到達した高圧冷媒は、弁座部(93)の連通孔(94)を通り抜けて高圧空間(S2)へ流入する。
このように、流体室(23)から吐出空間(26,27)へ吐出された高圧冷媒は、シリンダ部(30)の外側に形成された高圧冷媒通路(61,64)を通過後に高圧空間(S2)へ流入する。シリンダ部(30)は、高圧冷媒通路(61,64)を流れる高圧冷媒によって暖められる。このため、スクリュー圧縮機(1)が長時間に亘って継続して運転されている状態では、シリンダ部(30)とスクリューロータ(40)の温度が流体室(23)から吐出された高圧冷媒の温度(例えば、100℃程度)と実質的に等しくなり、両者の温度差が小さく保たれる。従って、シリンダ部(30)とスクリューロータ(40)のクリアランスが確保され、シリンダ部(30)とスクリューロータ(40)の物理的な接触が回避される。
−電動機への通電の停止後における冷媒の流れ−
電動機(15)への通電中(即ち、スクリュー圧縮機(1)の運転中)において、高圧空間(S2)の圧力は、冷媒回路(201)で行われる冷凍サイクルの高圧と実質的に等しく、低圧空間(S1)の圧力は、冷媒回路(201)で行われる冷凍サイクルの低圧と実質的に等しい。つまり、高圧空間(S2)と低圧空間(S1)の間には、比較的大きな圧力差がある。
一方、電動機(15)への通電が停止すると、各吐出ポート(25)から高圧空間(S2)へ至る流通経路に存在する高圧冷媒や、高圧空間(S2)に存在する高圧冷媒が、低圧空間(S1)へ向かって逆流する。すると、第1高圧冷媒通路(61)の圧力が高圧空間(S2)よりも低くなり、流通規制弁(91)が図8(A)に示す閉状態となる。また、各吐出空間(26,27)の圧力が高圧空間(S2)よりも低くなり、各逆止弁(81,81)が図9(B)に示す開状態となる。
このため、電動機(15)への通電の停止後は、図10に破線の矢印で示すように冷媒が流れる。具体的に、高圧空間(S2)内の高圧冷媒は、高圧冷媒通路(61,64)を通らずに、逆止弁(81,81)を通って吐出空間(26,27)へ流入する。高圧空間(S2)から吐出空間(26,27)へ逆流した高圧冷媒は、吐出ポート(25)を通って流体室(23)へ流入する。流体室(23)へ流入した高圧冷媒は、スクリューロータ(40)を逆回転させながら膨張し、その圧力が低下した後に低圧空間(S1)へ流入する。
ここで、高圧空間(S2)に貯留された冷凍機油には、冷媒が溶け込んでいる。電動機(15)への通電が停止して高圧空間(S2)の圧力が低下すると、冷凍機油に溶け込んでいた冷媒が急激に蒸発して発泡状態となる。冷凍機油に溶解している冷媒は、蒸発する際に潤滑油から吸熱する。このため、高圧空間(S2)内では、例えば50℃程度にまで温度低下した冷凍機油が、蒸発した冷媒と共に飛散する。
電動機(15)への通電の停止後には、冷媒に熱を奪われて温度低下した冷凍機油が、蒸発した冷媒と共に高圧空間(S2)内に飛散し、冷媒と共に逆止弁(81,81)を通って流体室(23)へ流れ込む。このため、スクリューロータ(40)は、冷媒と共に流体室(23)へ流れ込んだ冷凍機油によって冷やされ、その温度が急激に低下する。一方、流通規制弁(91)は閉状態になっているため、高圧空間(S2)内に飛散した温度の低い冷凍機油は、高圧冷媒通路(61,64)へは流入しない。このため、シリンダ部(30)の温度は、それ程急激には低下しない。
このように、電動機(15)への通電の停止後には、スクリューロータ(40)の温度が急激に低下する一方、シリンダ部(30)の温度は緩やかに低下してゆく。このため、スクリューロータ(40)が熱収縮してスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)のクリアランスが拡大し、逆転中のスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の物理的な接触が回避される。
−実施形態1の効果−
本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、吐出空間(26,27)と高圧空間(S2)を連通させるためのバイパス通路を構成する貫通孔(80)と、貫通孔(80)に取り付けられた逆止弁(81)と、第1高圧冷媒通路(61)の端部に配置された流通規制弁(91)とが、逆流抑制手段として設けられている。
電動機(15)への通電の停止後には、逆止弁(81)が開状態となり、流通規制弁(91)が閉状態となる。一方、電動機(15)への通電の停止後に高圧空間(S2)の圧力が低下すると、冷媒に熱を奪われて温度低下した冷凍機油が、蒸発した冷媒と共に高圧空間(S2)内に飛散する。そして、高圧空間(S2)内に飛散した比較的低温の冷凍機油は、高圧冷媒通路(61,64)へは流入せず、開状態の逆止弁(81,81)を通って吐出空間(26,27)へ直接流れ込む。このため、電動機(15)への通電の停止後におけるシリンダ部(30)の温度低下が抑えられる。
このように、本実施形態によれば、電動機(15)への通電の停止後もシリンダ部(30)の温度低下を抑えることができ、スクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の温度差を小さく保つことができる。従って、本実施形態によれば、電動機(15)への通電の停止後におけるシリンダ部(30)の急速な熱収縮を抑えることができ、逆転中のスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)のクリアランスを確保することができる。その結果、電動機(15)への通電の停止後におけるスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)の損傷を未然に防ぐことができ、スクリュー圧縮機(1)の信頼性を向上させることができる。
ここで、電動機(15)への通電の停止後も、高圧空間(S2)と低圧空間(S1)の圧力差が大きい間は、高圧空間(S2)内の油貯留室(19)に貯留された冷凍機油が、油インジェクション通路(52)を通って流体室(23)へ流入し続ける。そして、長時間に亘って冷凍機油が油貯留室(19)から流出し続けると、油貯留室(19)における冷凍機油の貯留量が少なくなり、次にスクリュー圧縮機(1)を起動した際に潤滑不良に陥るおそれがある。
一方、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、バイパス通路を構成する貫通孔(80)と、貫通孔(80)に取り付けられた逆止弁(81)とが、逆流抑制手段として設けられている。このため、シリンダ部(30)の急激な熱収縮を抑えつつ高圧空間(S2)から低圧空間(S1)へ冷媒を流すことができ、高圧空間(S2)と低圧空間(S1)の圧力差を短時間で縮小することができる。従って、油インジェクション通路(52)が設けられている本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、電動機(15)への通電の停止後にスクリューロータ(40)とシリンダ部(30)のクリアランスを確保できると共に、油貯留室(19)における潤滑油の貯留量も確保できる。
−実施形態1の変形例−
本実施形態のスクリュー圧縮機(1)において、流通規制弁(91)は、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を完全には遮断しないものであってもよい。つまり、本実施形態の流通規制弁(91)は、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を多少は許容するものであってもよい。この場合、電動機(15)への通電の停止後は、高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ若干量の冷媒と冷凍機油が流入するが、その冷媒および冷凍機油の流量は、従来のスクリュー圧縮機に比べて少なくなる。従って、この場合も、電動機(15)への通電の停止後におけるシリンダ部(30)の温度低下は、従来のスクリュー圧縮機に比べると小さくなり、逆転中のスクリューロータ(40)がシリンダ部(30)と接触する可能性が低くなる。
また、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)において、バイパス制御機構である逆止弁(81,81)を冷媒が通過する際の圧力損失が充分に低い場合は、流通規制弁(91)が省略されていてもよい。この場合も電動機(15)への通電の停止後に高圧空間(S2)から高圧冷媒通路(61,64)へ流入する冷媒および冷凍機油の流量は、従来のスクリュー圧縮機に比べて少なくなる。従って、この場合も、電動機(15)への通電の停止後におけるシリンダ部(30)の温度低下は、従来のスクリュー圧縮機に比べると小さくなり、逆転中のスクリューロータ(40)がシリンダ部(30)と接触する可能性が低くなる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態のスクリュー圧縮機(1)は、実施形態1のスクリュー圧縮機(1)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)について、実施形態1のスクリュー圧縮機(1)と異なる点を説明する。
図11に示すように、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、油インジェクション通路(52)が形成されていない。
図12に示すように、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、流通規制弁(91)に代えて、逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)が設けられている。この逆止弁(100)は、流通規制弁(91)と同様に、軸受固定板(34)に形成された貫通孔(90)に取り付けられている。逆止弁(100)の構造は、図8に示す流通規制弁(91)の構造と実質的に同じである。ただし、流通規制弁(91)は、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を完全には遮断しないものであってもよかったが、逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)は、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ向かう冷媒の流通を実質的に完全に遮断できるものでなければならない。
図13に示すように、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、軸受固定板(34)にバイパス通路を構成する貫通孔(80)が形成されていない。また、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)には、バイパス制御機構を構成する逆止弁(81)が設けられていない。
このように、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、図14に示すように、バイパス通路を構成する貫通孔(80)と、バイパス制御機構を構成する逆止弁(81)とが省略されており、流通規制弁(91)に代えて逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)が設けられている。
電動機(15)への通電中において、本実施形態のスクリュー圧縮機(1)では、逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)が開状態となり、実施形態1のスクリュー圧縮機(1)と同様に冷媒が流れる。つまり、図14に実線の矢印で示すように、流体室(23)から第2吐出空間(27)へ流入した高圧冷媒は、第2高圧冷媒通路(64)と接続通路(67)を順に通って第1高圧冷媒通路(61)へ流入する。また、流体室(23)から第1吐出空間(26)へ流入した高圧冷媒は、接続通路(67)から第1高圧冷媒通路(61)へ流入した冷媒と共に第1高圧冷媒通路(61)を流れ、逆止弁(100)を通って高圧空間(S2)へ流入する。
電動機(15)への通電が停止すると、吐出空間(26,27)や高圧冷媒通路(61,64)に存在する高圧冷媒が低圧空間(S1)へ逆流し、第1高圧冷媒通路(61)の圧力が高圧空間(S2)の圧力よりも低くなる。このため、逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)が閉状態となり、高圧空間(S2)から第1高圧冷媒通路(61)へ流れ込もうとする冷媒の流れが遮断され、油貯留室(19)の冷凍機油は高圧冷媒通路(61,64)へ流入しない。従って、電動機(15)への通電の停止後も、シリンダ部(30)とスクリューロータ(40)の温度差が小さく保たれ、両者のクリアランスが確保される。
《その他の実施形態》
実施形態1のスクリュー圧縮機(1)では、流通規制弁(91)が、第1高圧冷媒通路(61)の途中や、第1高圧冷媒通路(61)と第1吐出空間(26)の間に設けられていてもよい。また、実施形態1のスクリュー圧縮機(1)では、第1吐出空間(26)から高圧空間(S2)に至る高圧冷媒と流通経路に、複数の流通規制弁(91)が設けられていてもよい。
実施形態2のスクリュー圧縮機(1)では、逆流遮断機構を構成する逆止弁(100)が、第1高圧冷媒通路(61)の途中や、第1高圧冷媒通路(61)と第1吐出空間(26)の間に設けられていてもよい。また、実施形態1のスクリュー圧縮機(1)では、第1吐出空間(26)から高圧空間(S2)に至る高圧冷媒と流通経路に、複数の逆止弁(100)が設けられていてもよい。
以上説明したように、本発明は、スクリューロータを収容するシリンダ部の外側に高圧冷媒通路が形成されたスクリュー圧縮機について有用である。
1 スクリュー圧縮機
S1 低圧空間(S1)
S2 高圧空間
10 ケーシング
15 電動機
23 流体室
26 第1吐出空間
27 第2吐出空間
30 シリンダ部
34 軸受固定板(隔壁部)
40 スクリューロータ
52 油インジェクション通路
61 第1高圧冷媒通路
64 第2高圧冷媒通路
80 貫通孔(バイパス通路)
81 逆止弁(バイパス制御機構)
91 流通規制弁(流通制御機構)
100 逆止弁(逆流遮断機構)

Claims (6)

  1. 低圧空間(S1)及び高圧空間(S2)を形成するケーシング(10)と、
    上記ケーシング(10)のシリンダ部(30)に挿入されて流体室(23)を形成するスクリューロータ(40)と、
    上記スクリューロータ(40)を回転駆動する電動機(15)とを備える一方、
    上記高圧空間(S2)には、潤滑油が貯留され、
    上記ケーシング(10)には、上記流体室(23)から圧縮後の冷媒が吐出される吐出空間(26,27)と、上記シリンダ部(30)の外側に形成されて上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を接続する高圧冷媒通路(61,64)とが形成され、
    上記低圧空間(S1)から上記流体室(23)へ吸入された冷媒が、圧縮された後に上記吐出空間(26,27)と上記高圧冷媒通路(61,64)とを順に通って上記高圧空間(S2)へ流入するスクリュー圧縮機であって、
    上記電動機(15)への通電の停止後に上記高圧空間(S2)から上記高圧冷媒通路(61,64)へ逆流する冷媒の量を削減するための逆流抑制手段を備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記高圧冷媒通路(61,64)を迂回して上記高圧空間(S2)と上記吐出空間(26,27)を連通させるバイパス通路(80)と、上記バイパス通路(80)を上記高圧空間(S2)から上記吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を遮断するバイパス制御機構(81)とを、上記逆流抑制手段として備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記吐出空間(26,27)から上記高圧冷媒通路(61,64)を経て上記高圧空間(S2)に至る冷媒の流通経路に設けられ、上記吐出空間(26,27)から上記高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を阻害し又は遮断する流通制御機構(91)を、上記逆流抑制手段として備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項2又は3において、
    上記ケーシング(10)には、上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を仕切る隔壁部(34)が設けられ、
    上記バイパス通路は、上記隔壁部(34)に形成されて上記吐出空間(26,27)と上記高圧空間(S2)を連通させる貫通孔(80)であり、
    上記バイパス制御機構は、上記隔壁部(34)に取り付けられて上記貫通孔(80)を上記高圧空間(S2)から上記吐出空間(26,27)へ向かう冷媒の流通を許容して逆向きの冷媒の流通を遮断する逆止弁(81)である
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一つにおいて、
    上記高圧空間(S2)に貯留された潤滑油を上記流体室(23)へ供給するための油インジェクション通路(52)を備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  6. 請求項1において、
    上記吐出空間(26,27)から上記高圧冷媒通路(61,64)を経て上記高圧空間(S2)に至る冷媒の流通経路に設けられ、上記吐出空間(26,27)から上記高圧空間(S2)へ向かう冷媒の流れを許容して逆向きの冷媒の流れを遮断する逆流遮断機構(100)を、上記逆流抑制手段として備えている
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024069834A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 三菱電機株式会社 スクリュー圧縮機

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