JP2014024739A - 微細炭素製造方法及び微細炭素製造装置 - Google Patents

微細炭素製造方法及び微細炭素製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超臨界処理の連続処理が可能で、より効率よく薄片化して良好なナノグラフェン片に分解できる微細炭素製造方法及び微細炭素製造装置を提供する。
【解決手段】積層微細炭素と溶媒との混合溶液を加圧、加熱して反応器内で超臨界状態とし、この超臨界状態とした処理流体を、噴射ノズルにより液中に噴射させ、その膨張作用によりナノグラフェン片に分解する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、積層微細炭素をナノグラフェン片へ分解する微細炭素製造方法および微細炭素製造装置に関する。
ナノグラファイト、ナノグラフェン等の微細炭素の製造方法として、天然黒鉛であるグラファイトを粘着テープで機械的に剥離し更に粘着テープで剥がす方法がある。また、同じく天然黒鉛を酸溶液中で処理することにより酸化グラファイトを合成してグラファイトを膨潤させ、超音波照射や遠心分離等で酸化グラフェン片を剥離し、回収した酸化グラフェン片を乾燥後、還元して酸素含有基を除去して生成する方法がある。
また、別の手段として、炭素を含有するガスを選択した触媒と400℃〜1200℃程度の温度で一定時間接触させて製造する熱CVD法やマイクロ波プラズマCVD法等の化学気相成長法(CVD法)やSiC加熱法によりグラフェンシートを微粉砕することによっても得ることができる。
また、特許文献1では、カーボンナノチューブに対して、超臨界流体の高い拡散性や超臨界メタノールなどのマイルドな酸化反応を利用したカーボンナノチューブの精製方法に関する技術が知られている。このほか、亜臨界状態や超臨界状態などの高温高圧水を用いて金属酸化物などの微粒子を生成し、さらには、原料を安定よく供給でき、反応容器内の温度や圧力、流量などの制御が容易であり、反応生成物を良好に回収できる微粒子製造方法とこれに用いる微粒子製造装置が知られている。さらには、高分子材料あるいは生ごみなどの各種有機廃棄物を、連続的に効率よく処理することができる、超臨界水または亜臨界水を利用した処理技術が知られている。
特許第3718775号公報
一般に、炭素を微細化することにより、各種の特徴が得られることが知られている。すなわち、炭素粒子が非常に小さくなると、粒子の他の物質に与える活性化特性が増大する。また、機能性フィラーとしての特性が向上し、母材の性能向上に寄与することができる。このため、母材の導電性や熱伝導率が向上したり、塗膜として用いた場合、導電性の高い滑らかな塗膜が形成できるなど、種々の特徴が得られる。
微細炭素の製造方法に関しては各種の提案がなされているが、この中で、黒鉛などのような積層微細炭素をバッチ処理にて超臨界状態にし、解体して微細炭素を得る方法が、微細炭素が損傷されないなどの特徴があり有効である。
本発明が解決しようとする課題は、超臨界処理の連続処理が可能で、より効率よく薄片化して良好なナノグラフェン片に分解できる微細炭素製造方法及び微細炭素製造装置を提供することにある。
本発明の実施の形態による微細炭素製造方法及び微細炭素製造装置は、積層微細炭素と溶媒との混合溶液を加圧、加熱して反応器内で超臨界状態とし、この超臨界状態とした処理流体を、噴射ノズルにより液中に噴射させ、その膨張作用によりナノグラフェン片に分解することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る微細炭素製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る微細炭素製造装置の実施例1を示す構成図である。 図2で示した覆い部材部分の拡大図である。 本発明の一実施形態に用いるエタノールとプロセス変化との関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態における触媒粒子の分離部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における触媒粒子の分離部の他の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に用いられるナノグラフェンファイバーの顕微鏡写真を模式的に表した図である。 図7で示したナノグラフェンファイバーの組成構造を縦断して示す模式図である。 図8で示したナノグラフェンファイバーから分解されたグラフェン片を示す図である。 図9で示したグラフェン単層の模式図である。 本発明の実施の形態の実施例2を説明する構成図である。 図11で示す実施例2でのエタノールとプロセス変化との関係を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
この実施の形態による微細炭素製造方法の概略を説明する。この方法は積層微細炭素を超臨界状態とした後、微細炭素に分解する。処理対象の積層微細炭素は黒鉛でも構わないが、この実施の形態では、本願出願人により発明され、特願2011−33723により別途提案されたナノグラフェンファイバー(以下、NGFとも呼ぶ)を用いることとする。
このNGFは、内部が還元雰囲気に保持された反応容器内に配置した触媒としての金属基板を加熱すると共に、前記反応容器内に炭素含有(化合物)ガスを供給することで金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取って得られたものであり、グラフェンシートが長手方向に多層に重なり合って形成された直径1〜470nmで長さ10μm以下の線状の炭素繊維である。
図7は、上述した微細炭素繊維(ナノグラフェンファイバー:NGF)の電子顕微鏡写真を模式的に表している。図7において、繊維状に絡み合って見えるのが炭素繊維であるナノグラフェンファイバー61であり触媒62が付着している。図8は上述したナノグラフェンファイバー61を縦断して見せる模式図であり、ナノグラフェンファイバー61は結晶化したグラフェン63が多層に重なり合い積層した構造であることが判る。図9は分解され、薄片化されたグラフェン片64の形状を表し、図10は単層のグラフェンの模式図である。
この実施の形態による微細炭素製造方法は、積層微細炭素である図8で示したナノグラフェンファイバー61を分解、薄片化して、図9で示すグラフェン片64を得るものであり、積層微細炭素と溶媒との混合溶液を加圧、加熱して反応器内で超臨界状態とし、この超臨界状態とした処理流体を、噴射ノズルにより液中に噴射させ、その膨張作用によりナノグラフェン片に分解することを特徴とする。
図1はこの実施の形態の微細炭素製造方法の概略工程を示している。この製造方法は、図1で示すように、先ず、混合工程1により粉末状のナノグラフェンファイバー(NGF)と液体状の溶媒と混ぜ合わせる。次に、加圧移送手段2により、NGFと溶媒とを混合したNGF混合溶液を昇圧して移送する。移送されたNGF混合溶液は、超臨界処理工程3にて高温高圧の超臨界手法にて、NGFを微粒子化する。次に、グラフェン分散液回収工程4にて、この超臨界処理工程で得られたグラフェンが混じったグラフェン分散液を回収する。さらに、触媒分離工程5により、クラフェン分散液からNGFの製造過程で含まれる触媒粒子を分離する。
以上が、この実施の形態による微細炭素製造方法の概略工程であるが、具体的には、前述したように、超臨界処理工程3にて、積層された微細炭素であるNGFと溶媒との混合溶液を加圧、加熱して反応器内で超臨界状態とし、グラフェン分散液回収工程4にてこの超臨界状態とした処理流体を、噴射ノズルにより液中に噴射させ、グラフェン分散液を生成してナノグラフェン片に分解することを特徴とする。
ここで、グラフェンの原料である粉末状のNGFは、前述のようにグラフェンが多層に重なり合って形成される線状の微細炭素繊維である。このNGFは特に限定されないが、前述のように、例えば、本願出願人により発明され、特願2011−33723により別途提案された化学気相成長法(CVD法)により製造されたNGFを用いる。
混合工程1においてNGFと混ぜ合わされる液体状の溶媒としては、二酸化炭素、水、アンモニア、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール、アセトン等のいずれかが用いられ、密閉容器の中で攪拌機や超音波などにより分散するようにして混合される。加圧移送手段2は、プランジャーポンプやギヤポンプなどの高圧ポンプを具備し、NGF混合溶液を設定された圧力で移送する。超臨界処理工程3は、密閉された圧力容器を外熱加熱し、高温高圧の超臨界状態を維持し、NGFを炭素微粒子、さらにはNGFを形成するグラフェン片のレベルまで微粒子化し、グラフェン分散液を得る。グラフェン分散液回収工程4は、高温高圧の超臨界状態の処理流体を噴射させることで、大気圧で保持できる圧力まで下げてグラフェン分散液をタンクに回収する。触媒分離工程5は、クラフェン分散液からNGFの製造過程で含まれる触媒粒子を、例えば電磁力や遠心力を利用して分離するように構成されている。
(実施例1)
次に、図1で示した各工程を実施する微細炭素製造装置を、図2を用いて詳細に説明する。
図1で示した混合工程1は、貯留タンク14に、溶媒11及びナノグラフェンファイバー12を供給し、この貯留タンク14内にて攪拌機9により攪拌して、溶媒11及びナノグラフェンファイバー12を混合したNGF混合溶液13を生成する。この実施例では、溶媒11にはエタノールを用い、ナノグラフェンファイバー12は、本願出願人により特願2011−33723として提案されたナノグラフェンファイバーを用いている。このナノグラフェンファイバーの原料はエタノールであり、その製造過程における触媒には鉄を用いた。
なお、必要に応じて貯蔵タンク10に貯蔵された修飾材混合液15を用意して修飾材を混合させるようにしたり、或いは二酸化炭素17のボンベ18を設けて二酸化炭素を混合させるように構成してもよい。
加圧移送手段2は、NGF混合溶液13を高圧に昇圧する加圧手段(プランジャーポンプやギヤポンプ19(20,21)と、逆流を防止する逆止弁45(46,47)と、それぞれの混合液を移送する混合溶液供給路22とにより構成されている。
混合溶液供給路22は、移送するNGF混合溶液13を予備加熱する加熱手段23を有し、超臨界処理工程3を実施する反応器26に連結している。この反応器26は、混合溶液供給路22により供給されてきたNGF混合溶液13を超臨界状態に処理するもので、混合溶液供給路22に連結した高圧容器24と、この高圧容器24を間接的に加熱する加熱手段25とで構成されている。
反応器26内でNGF混合溶液13を超臨界状態となった処理流体は、処理流体移送路27により、グラフェン分散液回収工程4を実施する処理液タンク32に移送される。処理流体移送路27には温度調整手段28を設けて、超臨界状態の処理流体を所定の温度に保持・調整する。この実施例では、温度調整手段28は、移送される処理流体を超臨界状態に保つための保温加熱手段として機能する。なお、処理液タンク32までの処理流体移送路27の距離が短く、処理流体が超臨界状態を保っていれば、保温加熱手段として機能する温度調整手段28は省略してもよい。
処理液タンク32内には所定の処理液が収容されているおり、この処理液中には、噴射ノズル30が設置されている。この噴射ノズル30は、圧力調整弁29を介して処理流体移送路27と連結しており、反応器26内で超臨界状態となり処理流体移送路27により送られてきた処理流体を、処理液中に噴射させる。なお、上述した圧力調整弁29は噴射ノズル30の直前に取り付けることが望ましい。また、処理液タンク32内に収容された処理液は、前述した溶媒11と同等のものを用いる。
噴射ノズル30に対しては、その周囲を包囲し下面を開放した釣鐘状の覆い部材(噴射容器とも呼ぶ)31を設けている。この覆い部材31は、図3で示すように、その外面が保温材56により覆われている。また、その下部周面には、複数の貫通孔48が設けられている。
処理液タンク32には、内部に冷却手段33を設けると共に、上部には、開閉弁36を有する排気路35が取り付けられている。また、処理液タンク32の下部には、触媒分離工程5を実施する触媒分離手段が設けられている。この触媒分離手段は、噴射ノズル30により処理流体が噴射された処理液中から触媒成分を分離させるもので、例えば、磁力により触媒成分を吸着分離する電磁石34が用いられる。この電磁石34により、処理液タンク32内は、グラフェン片層(グラフェン分散液)37と触媒層38に分離される。これらは、それぞれの層37,38の排液手段39,40により導出され、グラフェン貯留タンク41及び触媒貯留タンク42にそれぞれ貯留される。すなわち、グラフェン貯留タンク41にはグラフェン分散液37中のグラフェン片43が貯留され、触媒貯留タンク42には、グラフェン分散液から分離された触媒粒子(NGFの製造過程で含まれる)44が貯留される。
上記構成において、先ず、溶媒11及びナノグラフェンファイバー12を貯留タンク14に投入し、攪拌機9で攪拌してナノグラフェンファイバー12が分散した混合溶液13を作成する。その後、高圧ポンプなどの加圧手段19で溶媒11の超臨界点以上の圧力以上に昇圧する。例えば、エタノールであれば6.14MPa以上にする。また、処理するものや、超臨界処理した最終製品の状態によっては、界面活性剤などの修飾材15や二酸化炭素17を混合させる場合もある。
超臨界点圧力以上に昇圧されたNGF混合液13は、超臨界処理工程3に送られる。 まず、NGF混合液13は、混合溶液供給路22の配管を間接加熱する加熱手段23で予備加熱され、反応器26に送られる。反応器26を構成する高圧容器24は、十分に高圧に耐えられるように厚肉の円筒形状にしている。この高圧容器24を外部から加熱手段25で加熱して超臨界点温度以上に加温し、所要の滞留時間をもって超臨界処理が行われる。
超臨界状態の処理流体は、処理流体移送路27と間接加熱方式の保温加熱手段28、処理流体移送路27の末端に取り付けられた圧力調整弁29によって超臨界状態を維持し、グラフェン分散液回収工程4に送られる。
グラフェン分散液回収工程4では、処理流体を噴射ノズル30から噴射して急激に膨張させる。この噴射膨張の状態を安定させるために釣鐘状の噴射容器31を設けている。図3で示すように、噴射容器31の下部には複数の貫通孔48が設けられている。噴射ノズル30から噴射された高温高圧状態の噴射流体は一旦膨張した気体49となり、その後、周辺液体に冷やされて液体に相変化する。このとき、膨張した気体49は、貫通孔48での行き来により周辺の液体とよりよく混合して液体へと変化する。
図4は、溶媒11として混合されたエタノールの状態と本実施例でのプロセス変化状態との関係を示している。図中、横軸は温度の変化を表し、縦軸は圧力の変化を表す。曲線αは液体と気体との境界線であり、曲線βは固体と液体の境界線を表す。エタノールを溶媒11とした混合溶液13は、液体であるA点の状態から加圧手段19で圧力を上げると、超臨界点以上(6.14MPa以上)の圧力B点になる。この圧力状態は、圧力調整弁29により反応器26の圧力容器24内で一定に保持される。そして、加熱手段23,25により超臨界点以上(513.9K以上)の温度C点まで昇温され、保温加熱手段28によりこの超臨界温度に保持される。
この圧力、温度共に超臨界状態(C点)の流体は、処理液タンク32内の液中において噴射ノズル30から噴出されると一挙に膨張して気体となる。その後、液中で冷却され、最終的に液体Aへと相変化する。
ここで、A点の液体をC点の超臨界状態に変化させ、維持したときの分子どうしの相互作用、及び噴射により超臨界状態から気体へ移行する際の膨張作用により、被処理材であるナノグラフェンファイバー12(図8の61)には、積層状態を構成するグラフェン63間に膨張力が生じる。この膨張力により図8で示したナノグラフェンファイバー61は図9のようにグラフェン片64に分解して薄片化(グラフェン化)される。
超臨界状態から気体に移行する時間を長くするためには、噴射容器31内の温度低下速度を遅くすることが望ましい。この施策として、図3に示すように、噴射容器31と圧力調整弁29と処理液移送路27とを保温材56で保温しておく。これによって上述の移行時間が長くなり、より効果的にグラフェン間の膨張力を得ることができ、ナノグラフェンファイバー61を確実に薄片化(グラフェン化)できる。
噴射ノズル30から噴射した気体は、処理液タンク32内の溶液と混合して前述のように液体へと変化する。その際、熱が処理液タンク32内の溶液側に移行するので、処理液タンク32の温度が上昇する。この温度上昇は冷却手段33により冷却し、抑止する。
また、処理液タンク32の下部に設けられた電磁石34は、解体されたグラフェン片と触媒とを分離させ、処理液タンク32内にグラフェン片層37と触媒層38とを形成させる。この触媒分離作用を、図5を用いて説明する。電磁石34は積層鉄心51とコイル52によって構成され、コイル52に電流を流すことによって電磁力53が発生し、鉄粒子である触媒粒子54を吸引する。一方、グラフェン片55は上澄み側に移動するので、触媒粒子層38とグラフェン片層37とに分離できる。分離された各層は、排液手段39,40により導出され、対応する貯留タンク41,42内に、触媒粒子44、グラフェン片43としてそれぞれ回収される。
上記実施例では、触媒分離用の電磁石34を処理液タンク32に取り付け、この処理液タンク32内で分離していたが、図6で示すように処理液タンク57外で分離させるようにしてもよい。すなわち、図6に示すように、処理液タンク57より解体溶液58を触媒磁気分離装置59の分離容器60に導く構成とする。触媒磁気分離装置59は、電磁石34と分離容器60とで構成されている。
このように構成することにより、解体溶液58から電磁力で鉄触媒粒子44を分離回収し、排液手段39,40により、対応する貯留タンク41,42内に、触媒粒子44、グラフェン片43をそれぞれ回収することができる。
さらに、触媒分回収装置として、図5と図6の構成を組みあわせてもよい。すなわち、先ず、図5の構成により処理液タンク32内で触媒粒子54を一次回収する。その後、さらに微粒子の触媒を図6に示す触媒磁気分離装置59の構成で二次回収する。このことによって、触媒回収率を大幅に向上させることができる。
処理液タンク32の上部に設けられた、開閉弁36を有する排気路35は、処理液タンク32内で生じるガスを逃がすためのものである。すなわち、被処理材であるナノグラフェンファイバー12には、製造の過程で有機物が付着していることがある。この有機物が超臨界過程でガス化したり、溶媒であるエタノールが一部ガス化したりすることが想定される。このため、この生成ガスを逃がすために、開閉弁36を有する排気路35を設けている。
なお、前段の混合工程1において修飾材混合液15を混合させるのは、前述したように、処理するものや、最終製品の特性などに依存する。例えば、最終製品の特性として、良好な熱伝導性と電気絶縁性の双方が求められているような場合、電気絶縁性と熱伝導性を両立させる複合材料の添加剤としてのナノグラフェンには、酸素を含有する化学修飾基を有するグラフェンが用いられる。このような場合は、化学修飾基を形成するための修飾材を混合させている。
また、NGF混合液13に二酸化炭素をあらかじめ混合させておけば、超臨界により薄片化を促進させることができる。この際、二酸化炭素は噴射ノズル30で噴射した後は気体に変化して、大気温度程度では気体にならない。その気体である二酸化炭素は開閉弁36を有する排気路35で大気に逃がすことができる。
ここで、被処理材であるナノグラフェンファイバー(図7において符号61で示す)は、前述のように本願出願人が特願2011−33723で提案したNGFを用いており、その原料はエタノールであり、触媒には鉄を用いている。ナノグラフェンファイバー61には触媒62がついている。このナノグラフェンファイバー61は、図8で示すように、小さなグラフェン63が積層して形成されている。
また溶媒11には、前述のようにエタノールを用いている。超臨界設定温度は400℃で圧力は20MPaとした。圧力調整バルブ29を閉じて、加圧ポンプ19でNGF混合液13を20MPaまで昇圧し、その後、流量を一定(設定処理流量)で、圧力一定(20MPa)とし、しかも温度一定(400℃)になるように調整した。
この温度と圧力状態で超臨界状態を維持し、噴射ノズル30より超臨界流体を噴射したことにより、図8で示すナノグラフェンファイバー61を一挙に薄片化できた。その薄片化したグラフェン片64を模式的に画いたものを図9に示す。図9で示すように、外径100nm以下の鱗形状のグラフェンが単層もしくは数層積層したグラフェン片64として回収される。その単層のグラフェンの模式図を図11に示す。触媒は図1の貯留タンク42に、ナノオーダーの粒子44として回収された。
(実施例2)
実施例2を、図11を用いて説明する。この実施例2の構成は、図2で示した実施例1と基本的に同じ構成であるが、反応器26から処理液タンク32までの処理液移送路27に設けた温度調節手段101が、冷却手段として機能する構成とした。その他の構成は図2で示した実施例1と同じであり、対応する部分に同一符号を付している。また、被処理材であるナノグラフェンファイバー12、及び溶媒11も実施例1で説明したものと同じものとする。
この実施例2では、図11で示す反応器26を出た超臨界状態の処理流体液は処理液移送路27を流れる間、冷却手段101により間接冷却され、所定温度に調節される。
上記構成において、先ず、混合工程1では、溶媒11及びナノグラフェンファイバー12を貯留タンク14に投入し、攪拌機9で攪拌してナノグラフェンファイバー12が分散した混合溶液13を作成する。その後、加圧移送手段2を構成する高圧ポンプなどの加圧手段19で溶媒11の超臨界点以上の圧力以上に昇圧する。
なお、上述した混合工程1において、処理するものや、超臨界処理した最終製品の状態によっては、界面活性剤などの修飾材15や二酸化炭素17を混合する。
超臨界点圧力以上に昇圧されたNGF混合液13は、混合溶液供給路22により超臨界処理工程3に送られる。この間、加熱手段23により配管を介して間接加熱され、予備加熱された状態で反応器26に送られる。反応器26では、高圧容器24にて高圧状態を保ったまま加熱手段25により超臨界点温度以上に加熱し、所要の滞留時間をもって超臨界処理が行われる。
超臨界状態の処理流体は、処理液移送路27によって、グラフェン分散液回収工程4を実行する処理液タンク32へ移送される。この間、間接冷却方式の冷却手段101により超臨界点温度以下に冷却され、液相状態となる。ただし圧力は、処理液移送路27の末端に設けられた圧力調整弁29によって超臨界圧力状態を維持する。この超臨界圧力状態の処理液体は、噴射ノズル30により処理液タンク32内の液中に噴射される。この噴射は、噴射ノズル30の周囲に設けられた噴射容器31により安定的行われる。
図12は、エタノールの状態と本実施例でのプロセス変化との関係を示している。混合溶液13は、液相であるA点の状態から加圧手段19で超臨界点以上の圧力B点になり、圧力調整弁29により一定の圧力に保持される。反応器26内でこの圧力に保持され、温度C点まで昇温保持される。
この後、処理流体は冷却手段101によりC点からD点に相変化する。そして、D点での液相状態で噴射ノズル30から噴射させる。この噴射により圧力及び温度は共に低下しA点の溶媒へともどる。
この噴射による膨張作用により、被処理材であるナノグラフェンファイバー12(図8の61)には、積層状態を構成するグラフェン63間に膨張力が生じる。この膨張力によって図8で示したナノグラフェンファイバー61を図9のようにグラフェン片64に分解して薄片化(グラフェン化)する。
噴射ノズル30から噴射した処理液体は、処理液タンク32内の溶液と混合する。その際、処理液体の熱が処理液タンク32内の溶液側に移行するが、処理流体はその前段において冷却手段101により既に冷却されているので、処理液タンク32の温度上昇は僅かであり、冷却手段33の冷却能力は実施例1より低くてもよい。
また、処理液タンク32の下部に設けられた電磁石34は、解体されたグラフェン片と触媒とを分離させ、処理液タンク32内にグラフェン片層37と触媒層38とを形成させる。分離された各層は、排液手段39,40により導出され、対応する貯留タンク41,42内に、触媒粒子44、グラフェン片43としてそれぞれ回収される。これ以降の作用及び各部の詳細構成は実施例1と同じであり、説明は省略する。
この実施例2では、NGF混合液13を超臨界処理した後、冷却して所定温度に調節しているが、一旦、超臨界状態に処理したことにより、NGFは分解しやすい状態となっている。したがって、その後、噴射ノズル30から噴射させることにより、この噴射による膨張作用により図8で示したナノグラフェンファイバー61を、図9のようにグラフェン片64に分解して薄片化(グラフェン化)できる。
本発明の実施の形態によれば、反応器26で超臨界処理した処理流体を、処理液タンク32の液中に設けた噴射ノズル30により噴射させて、ナノグラフェンファイバーをグラフェン片に分解薄片化するので、超臨界処理の連続処理化が可能になり、従来のバッチ処理に比べて処理効率を向上させることができ、工業的効果は大である。また、超臨界処理により極めて微細なグラフェン片まで薄片化するとともに、触媒粒子も容易に除去可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・混合工程
2・・・加圧移送手段
3・・・超臨界処理工程
4・・・グラフェン分散液回収工程
5・・・触媒分離工程
11・・・溶媒
12・・・ナノグラフェンファイバー(NGF)
13・・・NGF混合溶液
19・・・加圧手段
22・・・混合溶液供給路
23・・・加熱手段
24・・・高圧容器
25・・・加熱手段
26・・・反応器
27・・・処理流体移送路
28・・・温度調節手段(保温加熱手段)
29・・・圧力調整弁
30・・・噴射ノズル
31・・・覆い部材(噴射容器)
32、57・・・処理液タンク
34・・・触媒分離手段(電磁石)
37・・・グラフェン片層
38・・・触媒層
41・・・グラフェン貯留タンク
42・・・触媒貯留タンク
48・・・貫通孔
61・・・ナノグラフェンファイバー
62・・・触媒
63、65・・・グラフェン
64・・・グラフェン片、
101・・・温度調節手段(冷却手段)

Claims (10)

  1. 積層微細炭素と溶媒との混合溶液を加圧、加熱して反応器内で超臨界状態とし、この超臨界状態とした処理流体を、噴射ノズルにより液中に噴射させ、その膨張作用によりナノグラフェン片に分解することを特徴とする微細炭素製造方法。
  2. 超臨界状態の処理流体を温度調整手段により所定の温度に調整した後、噴射ノズルにより液中に噴射させることを特徴とする請求項1に記載の微細炭素製造方法。
  3. 積層微細炭素と溶媒との混合溶液を供給路から受け入れて超臨界状態とする反応器と、
    所定の処理液が収容されている処理液タンク内の前記処理液中に設置され、前記反応器内で超臨界状態となった処理流体を、前記処理液中に噴射させる噴射ノズルと、
    を備えたことを特徴とする微細炭素製造装置。
  4. 前記反応器から前記噴射ノズルへの処理流体移送路に温度調整手段を設けて、超臨界状態の処理流体を所定の温度に調整することを特徴とする請求項3に記載の微細炭素製造装置。
  5. 前記噴射ノズルにより処理流体が噴射された処理液中から触媒成分を分離させる触媒分離手段を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の微細炭素製造装置。
  6. 前記触媒分離手段は、磁力により触媒成分を吸着分離する構造であることを特徴とする請求項5に記載の微細炭素製造装置。
  7. 前記噴射ノズルに対して、その周囲を包囲し下面を開放した釣鐘状の覆い部材を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の微細炭素製造装置。
  8. 前記覆い部材の下部周面には複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の微細炭素製造装置。
  9. 前記反応器への供給路に流れる前記混合溶液に、所定の修飾材を混入させる修飾材混入手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれかに記載の微細炭素製造装置。
  10. 前記反応器への供給路に流れる前記混合溶液に、二酸化炭素を混入させる二酸化炭素混入手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の微細炭素製造装置。
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