JP2019502620A - 層状材料及びその処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、層状物質の処理方法及びこのような処理の生成物に関する。本発明は、グラフェン及びグラファイトナノプレートを製造するためのグラファイトの処理加工に特に適用可能であるが、本発明は他の層状材料にも適用可能である。特に、排他的ではないが、本発明は、層状材料をベースとするインクを対象とする。
関連技術
フレキシブルエレクトロニクスは急速に拡大しつつある研究分野である。用途としては、タッチスクリーン、電子ペーパー(e−ペーパー)、センサ、無線周波数タグ、光電池、発光ダイオード及び電子テキスタイルが挙げられる。
本発明は、特に、グラファイトナノプレート材料の製造方法が記載されている国際公開第2014/064432号において報告された研究を基礎とする。本発明において、用語「ナノプレート」は、Bianco外(2013)が提案した命名法に基づいて使用される。また、「単層/数層グラフェン」という表現は、典型的には10層以下(AFMによって測定され、これは5nm以下又は4nm以下の厚さに相当する)のグラフェン材料を識別するために使用される。国際公開2014/064432号で製造されたナノプレートの集団は、厚さ(層の数)及び直径の点で有利な特性を有する。しかし、超音波処理による剥離及びその後の遠心分離によるサイズ選択のプロセスは、容易に拡大縮小できない。これは、層状材料ナノプレートの工業規模の商業化に対する大きな制限である。したがって、本発明者は、遠心分離などのサイズ選択工程を必ずしも含むことなく(ただし、必要な場合にはこのような工程をさらに含むこともできる)、適切なナノプレートレットの寸法及び特性を与えることができる剥離に対する新たなアプローチを模索した。いくつかの好ましい実施形態では、遠心分離工程を省略することができる。
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも10kpsi(69MPa、690bar)の圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105s-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含む方法。
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも8kpsi(55MPa、550bar)の圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105s-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含み、該工程(c)に供された分散液について、サイクル数に応じて、同一又は異なる微小流体チャネルを介して該工程(b)及び(c)を繰り返し行い、該サイクル数が少なくとも10回である方法。
本発明の好ましい実施形態は、高剪断微小流体プロセッサーを使用してグラファイトをグラフェン及びグラファイトナノプレート(GNP)に剥離するための単純で効率的な経路を示す。処理条件に応じて、異なる幾何学的特性を有するナノプレートを水溶液中で製造することができる。これらのものは、高粘度の導電性インクを配合するために、レオロジー調整剤としてカルボキシメチルセルロースと組み合わせることができる。ナイフ塗布又はスクリーン印刷によって製造されたフィルムは、300℃で40分間の熱アニーリング後に、厚さ25μmで2Ω/sq程度に低いシート抵抗(導電率2×104s/m)を与えることが示される。本明細書に開示されたプロセスは、単純で、スケールアップ可能で、しかもコスト効果が高い。GNPの生成収率は100%である。好ましくは、冗長な遠心分離工程が回避される。実際に、遠心分離を使用しないことが好ましい。より詳細には、本発明者は、GNP(より厚いフレーク)の処方のために遠心分離を使用しないことを好む。遠心分離は回避できる工程だからである。遠心分離は、必要に応じて少数の層のグラフェン(FLG)/より薄いフレークを単離するためにしか必要でない。
(オプト)エレクトロニック素子(有機光電池、有機発光ダイオード)における電極、無線周波数識別(RFID)アンテナ、無機薄膜太陽電池用の電流コレクタグリッドなどの導電性構成要素は、現在、高い導電率(>107S/m)のため銀又は銅ナノ粒子インクを利用するいくつかの用途に使用されるに過ぎない(Dearden外(2005)、Grouchko外(2011)、Chen外(2013)、Choi外(2015)]。しかし、大量生産されるフレキシブル電子デバイスでは、銀インクはデバイスに高いコストを付与し(Reis Benatto外(2014))、かつ、適切に配置されなければ環境に悪影響を与えるため[Sondergaard外(2014)]、理想的な選択肢ではない。銅又はアルミニウムインクに関しては、印刷後の酸化は性能を低下させる[Khan外(2015)、Kamyshny及びMagdassi(2014)]。したがって、安価でかつ安定な選択肢が必要とされている。これらの問題に対する有望な解決策が豊富に存在するグラファイトである。単結晶グラファイトは、2.3×106S/m程度に高い面内導電率を達成することができる(Uher外(1987))が、グラファイトインクから作製された被膜は、典型的には、103S/mのオーダーの導電率を示す[http://www.gwent.org/(2015年9月21日にアクセス)]。このように、グラファイトインクは、EMI(電磁波干渉)[Wu及びChung(2005)]、RFI(無線周波妨害)[Chung(2001)]、電気化学センサ[Wang外(1998)、リチウム電池[Nitta外(2015)]、バイオセンサー[Gorton(1995)]などの用途に使用されてきた。それにもかかわらず、グラファイトは、グラフェンとして知られている単一原子シートに剥離されることによって、その適用範囲を拡大する可能性を秘めている。グラフェンは例外的な電気的、光学的、機械的及び熱的特性を示し、特に可撓性のある印刷エレクトロニクス部門[Ferrari外(2015)]において、エレクトロニクス市場を再形成する可能性がある。
A.材料
グラファイトフレーク(Timrex KS25、D90<27.2μm)(イメリスグラファイトカーボン・スイス社)を、レオロジー調整剤としてのデオキシコール酸ナトリウム(SDC)(アルドリッチ(Aldrich)No.30970)界面活性剤及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)(Mw=700.000、Aldrich No.419338)と共に使用した。いくつかの実験を天然グラファイト(ドイツ国Technografit GmbH、25μm未満のD90)で実施したところ、合成グラファイトと同様の結果が得られた。
微小流体処理
水性グラファイト/SDC混合物を、87μmの管径を有するZ型相互作用チャンバ(G10Z)を備えた高剪断流体処理装置(M−110P、Microfluidics Corporation、Newton、MA、USA)で処理した。混合物を、様々なプロセスサイクルを用いて30kpsiで処理した。相互作用チャンバの後に自家製冷却システムを設置して分散液の温度を20℃に維持した。
化学構造を特性評価する前に、生成されたフレークを次の2つの試験手順で洗浄してSDC界面活性剤を除去した:
(i)遠心洗浄:10mLのIPAを、GNPを沈殿させるために使用されるGNP分散液5mLに添加した。分散液をポリカーボネート遠心分離ボトル(250mL、62×120mm)中において水で250mLに希釈し、J−LITE JLA−16.250固定角ローターを備えたAvanti J−26S XP(Beckman Coulter)を使用して14,000rpm(30,000g)で30分間にわたって遠心分離してGNPを沈降させた。水/SDC上澄み液を捨て、さらに水を加えてGNPを洗浄した。このプロセスを水については3回、エタノールを使用してさらに4回繰り返した。
(ii)ブフナー濾過洗浄:10mLのIPAを、GNPを沈殿させるために使用されるGNP分散液5mLに添加した。この懸濁液をWhatman No.1の直径70mmの濾紙で濾過し、500mLの水、続いて500mLのエタノールで洗浄した。GNP粉末を真空下で乾燥させ、濾紙から穏やかにかき集め、又はエタノール中で穏やかに超音波処理し、続いて溶媒を蒸発させ、オーブン中で70℃で乾燥させた。
TH−641スイングバケットローターを備えたSorvall WX−100超遠心分離機を使用して、サンプルを10000rpm(約15000g)で1時間にわたって遠心分離した。
GNPインクを製造した後、CMCを分散液に室温で3時間かけて10mg/mLの最終濃度までゆっくりと添加した。完全な溶解が観察されるまで混合物を連続的に撹拌した。
湿潤フィルムの厚さを決めるスペーサーを使用して、ガラス顕微鏡スライドガラス(25×75mm)上にインクをナイフ塗布した。フィルムを100℃で10分間乾燥して水を除去した。スクリーン印刷を、1インチ当たり120メッシュカウントのスクリーンを備えた市販の半自動フラットベッドスクリーンプリンタ(Kippax kpx 2012)を使用して行った。ポリウレタンスキージを使用してスクリーンの開口部を通してインクを0.1m/sの速度で押し出すことにより、縞模様を剛性基材(ガラス顕微鏡スライド)、可撓性基材(PET、125μm厚、PMX729 HiFi Industrial Film社)及び多孔質基材(ニトロセルロース、0.2μm孔径)上に印刷した。フィルムを100℃で10分間にわたって乾燥させて水を除去した。
光吸収分光法
Perkin−Elmer Lambda 950分光器を、遠心分離後のGNP分散液の光学吸収分光測定に利用した。GNAN濃度は、Hasan外(2010)及びLotya外(2009)と同様に、660nmで1390Lg-1m-1の吸収係数を使用して推定した。
日立S−5500システムを使用して走査型電子顕微鏡(SEM)を実施した。各サンプルにわたって様々な位置及び倍率で複数の画像を撮影した。SEM特性評価について、分散液を希釈し、そして300nm熱成長SiO2を有するSiウェハ(LDB Technologies社)上に滴下し、さらに洗浄してSDC界面活性剤を除去した。同じサンプルを、Bruker社製Dimension Icon原子間力顕微鏡を用いてピークフォースモードの原子間力顕微鏡法(AFM)によって特性評価した。Nikon光学顕微鏡を使用して印刷パターンの可否を評価した。
粉末サンプルを銅箔基材に被着させ、Escalab 250Xi装置(Thermo Scientific)を使用することによって、50eVの通常走査及びエネルギーステップサイズ0.1eVの通過エネルギーでXPSにより分析した。アナライザーのスキャンモードはConstant Analyzer Energy(CAE)であった。結合エネルギーは、284eVでグラファイトのsp2C1sピークを基準とした。CasaXPSソフトウェアを使用して、データフィッティング及び分析を行った。
SED実験を、NanoMegas Digistarシステムを用いて50kVで作動させたフィリップスCM300電界放出ガン透過電子顕微鏡(FEGTEM)を使用して実施した。これにより、顕微鏡の蛍光観察画面を撮像する外部光電荷結合素子(CCD)カメラによる電子回折パターンの走査及び取得を同時に行うことが可能になった。
TGA実験を、TA Q50装置(TA Instruments、USA)を使用して実施した。サンプルを10℃/分で25〜100℃に加熱し、次いで100℃で10分間等温に保持して残留水分を除去した。次いで、温度を10℃/分で1000℃まで上昇させた。
ATR−FTIRスペクトルを、UATRモジュールを備えたFrontier FTIR(Perkin Elmer)を使用して収集した。4000〜550cm-1の範囲にわたって記録されたスペクトルは、2cm-1のスペクトル分解能を有する32の個々のスキャンの平均を表す。
50×対物レンズを備えたRenishaw InViaマイクロラマン分光光度計を使用して、457、514、633nmの励起波長でラマンスペクトルを取得した(N.A.=0.85)。熱損傷及び過熱を回避するために、サンプルについて1mW未満の電力を保った。
平行板(直径40mm)セットアップを利用して、TA Instruments社製のDiscovery HR−1レオメーターを使用してインクの流動挙動を調査した。0.5mmの隙間で剪断速度を1から1000s-1に増加させることによって流れ曲線を実施した。動的振幅掃引を、1rad/sの周波数で0.1から1000%歪みまで実施した。全てのレオロジー測定を25℃で実施した。
被膜のシート抵抗を、4点プローブ(Jandel)を使用して1サンプル当たり4つの異なる位置で測定した。粗面計(DektakXT、Bruker)を使用して各対応点の被膜厚さを測定した。
RFIDアンテナを、市販の電磁シミュレーションソフトウェア(CST−Microwave Studio)を使用して設計した。アンテナの特性評価にあたっては、Keysight Technologies PNA−X N5245ベクトルネットワークアナライザ及びKeysight Technologies N9030Aスペクトルアナライザを使用した。入力インピーダンス並びに送信測定のためにRFIDタグに与えられる最大入力電力を0dBmに制限した。全ての測定を、N4692A電子式校正キットを使用した校正後に実施した。スペクトラムアナライザ測定用の受信アンテナは、動作周波数が750MHz〜18GHzのダブルリッジ型ETS−3115アンテナであった。UHF(865−868MHz)周波数でのアンテナ利得は約5dBiであった。RFIDタグをPNA−Xに接続し、UHF帯域幅をカバーしかつ送信機として作用する連続波を供給した。その後、受信ホーンアンテナをスペクトラムアナライザに取り付け、RFIDタグから1m離れたところに置いた。ホーンに送信された出力レベル及びFriisの式から、読み取り範囲を算出した。
A.グラファイト剥離
典型的なプロセスでは、グラファイトフレーク(Timrex KS25、D90<27.2μm)を、50mg/mlの濃度で、分散剤として9mg/mlのデオキシコール酸ナトリウム(SDC)界面活性剤と脱イオン水中で混合した。この混合物を、Z型のジグザグ形状相互作用チャンバ5(G10Z)を備えた高剪断流体処理装置(M−110P、Microfluidics社)で処理した。この微小流体処理プロセスは図1に示されており、図1では、グラファイトフレーク2の分散液を導入するための入口リザーバ1が示されている。分散液を、圧力計6によって測定される増強ポンプ4によって加圧する。分散体の加圧のために、分散液を相互作用チャンバ8に押し出す。相互作用チャンバ8は、蛇行する微小流体チャネル9を有するものとして単純化された形態で示されている。相互作用チャンバ8の後、分散液を、出口リザーバ12に達する前に冷却システム10によって冷却してもよい。
微小流体剥離プロセス後に、GNP−界面活性剤分散液のレオロジーは、特定の印刷技術の最適化を必要とする。ここで、インク粘度は、一般的な生体高分子[Ummartyotin及びManuspiya(2015)]及び効率的なレオロジー改質剤[Di Risio外(2007)、Pavinatto外(2015)]であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)(重量平均分子量、Mw=700.000、Adrich No.419338)を使用してスクリーン印刷のために調整される。CMCはフレークを沈降に対して安定させる。CMCは、広範囲(数mPa〜数十Pa)にわたって溶液粘度を調整することができる水溶性セルロース誘導体である。CMCを10g/Lの濃度で室温で3時間かけて添加する。全てのCMCを一度に添加する場合には、溶解が非常に困難な固体の「塊」が生成されるため、この手順が必要である。SDC(9mg/mL)及びCMC(10mg/mL)を一定に保ち、GNP含有量を増加させて(1、10、20、30、50、80、100mg/mL)、様々なインク配合物を製造した。印刷されると、これらのGNP充填量は、それぞれ、総固形分の5、34.5、51.3、61.2、72.5、80.8及び84重量%に相当する。0.5mmの隙間で剪断速度を1から1000s-1にまで増加させることによって、流れ曲線を測定する。これらの剪断速度は、スクリーン印刷中に適用される剪断速度であるからである。図9(a)は、剪断速度に応じた72.5重量%のGNPを含有するインクの定常状態粘度を示す。CMCはインクにチキソトロピー性を付与する[Benchabane及びBekkour(2008)];100s-1の剪断速度で570mPa.sから1000s-1で140mPa.sにまで剪断力を加えると粘度が低下する。この非ニュートン剪断薄化挙動は、溶液中のポリマーコイルの解絡、又は流れ方向におけるポリマーコイルの配向の増加によって引き起こされる[Benchabane及びBekkour(2008)]。加えられた剪断応力が増加するにつれて、流動抵抗(粘度)が減少する。このような挙動は、貯蔵条件で粘度が非常に高い(剪断速度<10-3s-1)ときに、インクの貯蔵寿命の安定性を改善する。印刷中には、剪断が加えられ、粘度が低下する。印刷後、この粘度は回復する。この挙動は、インクがスクリーンメッシュに浸透しているときに1000s-1の最大剪断が達成されるスクリーン印刷などの技術にインクを使用することを容易にする[Lin外(2008)]。図9(a)の挿入図は、100s-1における粘度をGNP充填量に応じてプロットしたものである(100プロセスサイクル)。ポリマー溶液の粘度は、5重量%のGNPを添加すると0.56から0.43Pa.sに著しく低下し、後述するようにGNPの50重量%超を回復し始め、80.8重量%で0.6Pa.sに達することが観察された。インクレオロジー挙動、微細構造及び安定性に関する情報は、振動レオロジー測定[Clasen及びKulicke(2001)]によって得ることができる。CMCは、材料に保存されるエネルギーの尺度である弾性率又は貯蔵弾性率(G’)と、流動のために必要なエネルギーを説明するために使用される粘性又は損失弾性率(G”)とによって説明される粘弾性特性をインクに付与する。粘弾性挙動は、粘性対弾性挙動の比を表す損失係数tanδ=G”/G’の観点で評価される。この係数の値が低いほど、所定の歪み又は周波数における材料は固体状(すなわち、弾性)である。線形粘弾性領域は、1rad/sの周波数で実施されたひずみ掃引において定義された(図27参照)。図9(b)では、1%歪み及び1rad/s周波数で得られたG’、G”及びtanδがGNP充填量に対してプロットされている。わずか5重量%のGNPの添加により、セルロース構造の水素結合が破壊されるためG’及びG”の両方が減少した。弾性率は、インク内の粒子ネットワーク強度の増加に関連し得る30重量%を超える充填量についてはニートポリマーの値を上回って回復した[Somalu外(2013)]。損失弾性率G”は、良好なレベリングを可能にする塗布後の流れに必要なG’よりも高かった。同様に、スクリーン印刷では、乾燥中にG’が支配し始める前にインクがメッシュを通過することができる。全体的に、tanδは剥離により減少し、さらに固体的な挙動をもたらす。また、G’、G”及びtanδ値も、GNPの充填量を72.5%で一定に保ちながら異なるサイクルで処理されたフレークを含むインクについて推定した(図9(c))。貯蔵及び損失弾性率は、さらなる微小流体処理サイクルで増加することが分かった。より小さな粒子サイズ及びより高い剥離度は、ポリマーとGNPとの間のより強力な界面結合(より強固な界面領域)並びに有効なGNPネットワークの形成、それに応じて高い弾性率に有益である[Li及びZhong(2011)]。
σは、[Hu外(2004)]の形態のべき乗則挙動に従う:
層状物質は所定の最終用途、例えば、溶解性、構造マトリックス適合性、蛍光、触媒活性などを有することが望ましい。ナノ材料構造の最小限の改変で要求される特性を最大にする高分子量又は分岐種を導入することが望ましい場合が多い。
微小流体処理プロセスと超音波処理又は高剪断混合とを比較するために、マイクロフルイダイザーにおける流体力学を考慮することができる。これは、本発明の範囲を超えているが、次に詳細に記載されている:
「Microfluidization of graphite and formulation of graphene−based conductive inks」P.G.Karagiannidis,S.A.Hodge,L.Lombardi,F.Tomarchio,N.Decorde,S.Milana,K.Nakanishi,I.Goykhman,Y.Su,S.V.Mesite,R.K.Leary,D.N.Johnstone,P.A.Midgley,N.M.Pugno,F.Torrisi and A.C.Ferrari−in press(2016)。
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Claims (33)
- 層状材料から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも10kpsiの圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105s-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含む方法。 - 前記分散液を少なくとも20kpsiの圧力に加圧する、請求項1に記載の方法。
- 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも106s-1である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記ナノプレートが、グラフェン(典型的には未処理のグラファイトから得られる)、金属(例えばNiTe2、VSe2)、半金属(例えばWTe2、TcS2)、半導体(例えばWS2、WSe2、MoS2、MoTe2、TaS2、RhTe2、PdTe2)、絶縁体(例えばh−BN、HfS2)、超伝導体(例えばNbS2、NbSe2、NbTe2、TaSe2)、トポロジカル絶縁体及び熱電体(例えばBi2Se3、Bi2Te3)などの元素材料の1種以上から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記層状材料がグラファイトであり、前記ナノプレートがグラファイトナノプレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記層状材料が未処理グラファイトであり、前記ナノプレートがグラファイトナノプレートである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記層状材料が、前記分散液1ml当たり少なくとも10mgの量でキャリア液中に存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記層状材料が前記分散液1ml当たり少なくとも50mgの量でキャリア液中に存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 前記方法が、前記分散液中に前記分散液1mL当たり少なくとも0.1mgの単層/数層ナノプレートの濃度を生成する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 前記工程(c)に供された前記分散液に対して、同一又は異なる微小流体チャネルを介して、複数のサイクルに従って工程(b)及び工程(c)を繰り返し行い、サイクル数は少なくとも5回である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記工程(c)に供された前記分散液に対して、複数のサイクルに従って工程(b)及び工程(c)を繰り返し行い、サイクル数は少なくとも50回である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液に対して、1サイクルにつき1秒までの時間にわたって工程(c)を実施する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが1〜1000μmの範囲の横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが多くとも300μmの横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが少なくとも50μmの横寸法(例えば、直径)を有する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが略等軸である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも5×105s-1である、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも106s-1である、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも5×106s-1である、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液中の粒子に加えられる剪断速度が少なくとも107s-1である、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが曲がりくねった流路を与える、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
- 前記微小流体チャネルが流れ分割経路又は流れ再結合経路を有しない、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
- 前記キャリア液が水、アルコール、N−メチルピロリドン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エタノール、エチレングリコール(又は他のグリコール)又はグリコールエーテル及び/又は他の有機溶媒の1種以上から選択され、前記キャリア液はエポキシ又はシリコーンオイルなどのポリマーマトリックスをさらに含んでいてよい、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
- 前記分散液に分散剤を添加する工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
- 層状材料から誘導されたナノプレートの製造方法であって、次の工程:
(a)該層状材料の粒子とキャリア液とを混合して、該粒子の該キャリア液への分散液を形成し;
(b)該分散液を少なくとも8kpsiの圧力に加圧し;及び
(c)該圧力下で微小流体チャネルに沿って該分散液を強制的に押し流して、該分散液中の該粒子に少なくとも105s-1の剪断速度を加え、それにより該粒子からナノプレートを剥離させること
を含み、該工程(c)に供された分散液について、サイクル数に応じて、同一又は異なる微小流体チャネルを介して該工程(b)及び(c)を繰り返し行い、該サイクル数が少なくとも10回である方法。 - 前記分散液に対して、200秒までの累積時間にわたって工程(c)を実施する、請求項25に記載の方法。
- ナノプレート官能化試薬を前記分散液に添加する工程を含み、前記ナノプレートは、前記工程(c)の間に前記ナノプレート官能化試薬との反応により官能化される、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
- ナノプレート官能化試薬を前記分散液に添加する工程を含み、前記ナノプレートは、前記工程(c)の間に前記ナノプレート官能化試薬との反応によって官能化される、請求項25又は26に記載の方法。
- 前記工程(c)を前記分散液に対して第1の時間にわたって実施する前に、前記ナノプレート官能化試薬を分散液に添加する、請求項28に記載の方法。
- 前記ナノプレート官能化試薬を、前記分散体に対して前記工程(b)及び(c)を実施する少なくとも1サイクル後に前記分散液に添加する、請求項28に記載の方法。
- 請求項1〜26のいずれかに記載の方法で得た又は得ることができるナノプレートのキャリア液への分散液。
- 請求項27〜30のいずれかに記載の方法で得た又は得ることができる官能化ナノプレートのキャリア液への分散液。
- 請求項31又は請求項32に記載のナノプレートの分散液を含む水系導電性インク。
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